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課題
解決手段
概要
背景
概要
高血圧症並びに糖尿病の進行を安全に抑制することのできる機能性食品を提供する。
血圧上昇並びに血糖上昇を抑制するための機能性食品を、黒麹菌抽出液、黒麹菌と酵母菌との共生発酵液、並びにこれらの複合物または処理物の少なくともいずれか1つを含有することを特徴とするものとする。特にミカン区に属する柑橘類からの抽出液を添加することが好ましい。
目的
本発明は、このような従来の問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、高血圧症並びに糖尿病の進行を安全に抑制することのできる機能性食品を提供することにある。
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 5件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
請求項2
前記黒麹菌が、アスペルギルス属であることを特徴とする請求項1に記載の血圧上昇並びに血糖上昇を抑制するための機能性食品。
請求項3
請求項4
前記共生発酵液が、もろみ酢であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の血圧上昇並びに血糖上昇を抑制するための機能性食品。
請求項5
技術分野
背景技術
0002
今日、欧米先進国を中心として高血圧症や糖尿病などの生活習慣病が蔓延しつつあり、日本国も例外ではなく、食環境の欧米化に伴う生活習慣病の急増が顕在化している。その結果、悪性腫瘍や脳や心臓の循環器障害が死亡原因となる例が近年増加傾向にある。
発明が解決しようとする課題
0004
本発明は、このような従来の問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、高血圧症並びに糖尿病の進行を安全に抑制することのできる機能性食品を提供することにある。
課題を解決するための手段
0005
このような目的を果たすために、本発明においては、血圧上昇並びに血糖上昇を抑制するための機能性食品を、黒麹菌抽出液、黒麹菌と酵母菌との共生発酵液、並びにこれらの複合物または処理物の少なくともいずれか1つを含有することを特徴とするものとした。特にミカン区に属する柑橘類からの抽出液を添加することが好ましい。
発明を実施するための最良の形態
0006
以下に本発明を詳細に説明する。
0007
本発明による機能性食品は、栄養素を一種以上含む天然物およびその加工物を指し、血圧上昇並びに血糖上昇を抑制するために、黒麹菌抽出液、黒麹菌と酵母菌との共生発酵液、並びにこれらの複合物または処理物の少なくともいずれか1つを含有するものであり、菓子類、清涼飲料、並びに健康食品など、あらゆる飲食物に適用可能である。
0008
有効成分の調製に用いる黒麹菌としては、アスペルギルス属であることが好ましく、酵母菌は、泡盛醸造特性の高いサッカロマイセス属セルビジエ種(泡盛1号酵母)であることが好ましい。また黒麹菌と酵母菌との共生発酵液としては、例えばもろみ酢がある。これらには、ミカン区に属する柑橘類の果汁を添加することで味覚を向上することができる。
0009
ミカン区に属する柑橘類としては、シークワーシャー(Citrus depressa)、タチバナ(C.tachibana)、コウジ(C.leiocarpa)、ギリミカン(C.tardiva)、ジミカン(C.succosa)、シカイカン、キシュウ(C.kinokuni)、コベニミカン(C.erythrosa)、スンキ(C.sunki)、チチュウカイマンダリン(C.deliciosa)、キング(C.nobilis)、ポンカン(C.retuculata)、ダンシータンジェリン(C.tangerina)、ユズ区に属するハナユ(C.hanayu)、コウライタチバナ(C.nippokoreana)からなる群から選択することができる。
0010
以下に本発明の具体的な実施例を上げる。
0014
次に本発明による機能性食品の血圧上昇抑制効果の検証結果について説明する。
0015
8週齢、雄性の自然発症高血圧(SHRSP)ラットに対し、予備飼育期間中は固形飼料を与えつつ血圧測定および状態観察を行い、収縮期血圧の平均値がほぼ一定となるように5匹ずつ3群に群分けした。そして各群に対し、蒸留水、黒麹菌抽出液、酵母培養液、並びにシークワーシャー濃縮果汁を、それぞれ毎日1回30日間連続的に強制経口投与し、投与期間中の血圧の変動を、5日毎にtail cuff法を用いて測定した。なお、被験物質は200mg/kg相当量とし、ラットは38±1°Cに保温したホルダーにて保定した。試験結果は平均値±標準偏差で表し、有意差検定はstudent's-tを用いた。
0016
その結果、図1に示す通り、蒸留水のみを与えた、つまり被験物質を与えなかった陽性対照群の最高血圧値は、試験開始時の204mmHgから、30日後には218mmHgと高血圧症を呈し、しかも上昇傾向にあったのに対し、被験物質として黒麹菌抽出液、酵母培養液、並びにシークワーシャー濃縮果汁を投与した群は、それぞれ投与後15日までに陽性対照群に対して有意な血圧上昇抑制効果を示し(黒麹菌抽出液:180mmHg、酵母培養液:183mmHg、シークワーシャー濃縮果汁:180mmHg)、その後も血圧上昇が抑制された。
0017
以上により、被験物質の黒麹菌抽出液、酵母培養液、並びにシークワーシャー濃縮果汁には、自然発症高血圧(SHRSP)ラットに対する血圧上昇抑制効果のあることが実証された。
0018
次に本発明による機能性食品の血糖上昇抑制効果の検証結果について説明する。
0019
8週齢、雄性の自然発症高血糖(KK−Ay)マウスに対し、予備飼育期間中は固形飼料を与えつつ血糖測定および状態観察を行い、空腹時の血糖の平均値がほぼ一定となるように5匹ずつ3群に群分けした。そして各群に対し、蒸留水、黒麹菌抽出液、酵母培養液、並びにシークワーシャー濃縮果汁を、それぞれ毎日1回28日間連続的に強制経口投与し、投与期間中の血糖の変動を、投与開始時、7日目、14日目、21日目、28日目に、それぞれ6時間絶食後の午後3時に尾静脈より採血して測定した。
0020
なお、被験物質は200mg/kg相当量とした。試験結果は平均値±標準偏差で表し、有意差検定はstudent's-tを用いた。
0021
その結果、図2に示す通り、蒸留水のみを与えた、つまり被験物質を与えなかった陽性対照群の血糖値は、試験開始時の144mg/dlから、28日後には206mg/dlと糖尿病血糖値を呈し、しかも上昇傾向にあったのに対し、被験物質として黒麹菌抽出液、酵母培養液、並びにシークワーシャー濃縮果汁を投与した群は、それぞれ投与後14日までに陽性対照群に対して有意な血糖上昇抑制効果を示し(黒麹菌抽出液:169mg/dl、酵母培養液:182mg/dl、シークワーシャー濃縮果汁:171mg/dl)、その後も血糖上昇が抑制された。
0022
以上により、黒麹菌抽出液、酵母培養液、並びにシークワーシャー濃縮果汁には、自然発症高血糖(KK−Ay)マウスに対する血糖上昇抑制効果のあることが実証された。
発明の効果
0023
このように本発明による機能性食品により、血圧並びに血糖の双方の上昇を抑制する作用が得られる。従って、本発明により、高血圧症並びに糖尿病に関連する疾患の進行を副作用を伴わずに抑制する上に大きな効果が得られる。特に柑橘類の果汁自体に血圧並びに血糖の上昇抑制作用があるので、これを添加することにより、味覚の向上はもとより、血圧並びに血糖の上昇抑制作用を増強する上にも効果的である。