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技術 H形鋼の冷却方法

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 藤林晃夫中世古誠有村鶴和
出願日 2000年2月8日 (19年5ヶ月経過) 出願番号 2000-030307
公開日 2001年8月14日 (17年11ヶ月経過) 公開番号 2001-219213
状態 特許登録済
技術分野 圧延機に特に連結された素材の表面処理装置 物品の熱処理
主要キーワード 伝熱形態 温水ノズル 強制排除 高水量 過熱水 冷却試験 フランジ内面 熱間鋸断
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2001年8月14日)のものです。
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図面 (5)

課題

ウェブ波を発生させることなく、高強度・高靱性H形鋼を得る。

解決手段

熱間仕上圧延直後のH形鋼10のフランジ10aを加速冷却するに際して、該フランジ10a外面を強冷却するとともに、ウェブ10b上下面を緩冷却するH形鋼の冷却方法

概要

背景

近年、建築用として使用される鋼材に対して、耐震性を高めるようにとの要求が強くなってきている。特に、建築物柱材梁材として用いられるH形鋼においては、強度や靭性の優れたH形鋼が求められており、そのようなH形鋼の製造方法として、圧延と冷却とを組み合わせた制御圧延制御冷却が盛んに行なわれている。

高強度・高靭性のH形鋼を製造する一般的な方法としては、1000℃以上に加熱した圧延素材であるスラブ連続鋳造されたビ−ムブランクを、一旦中程度の厚みまで粗圧延し、その後、被圧延材組織再結晶しない温度域やその温度域に近い温度域で、最終の仕上げ圧延を行う、いわゆる制御圧延と、圧延後に加速冷却によって、Ar3温度以上から500℃程度まで急冷焼き入れ)することによって強度を出す、いわゆる制御冷却が行われている。

H形鋼のフランジを、仕上げ圧延機後方に設けた加速冷却装置により、制御冷却する従来の方法としては、特公平5−73806号公報に開示された、フランジ内外面から同時に冷却する方法(従来技術1)、特開平5−317948号公報に開示された、多段スプレーノズルを配置し、これをサイドガイドの後方からサイドガイドに設けたスリットを通して、H形鋼のフランジ外面を冷却する方法(従来技術2)がある。

概要

ウェブ波を発生させることなく、高強度・高靱性のH形鋼を得る。

熱間仕上圧延直後のH形鋼10のフランジ10aを加速冷却するに際して、該フランジ10a外面を強冷却するとともに、ウェブ10b上下面を緩冷却するH形鋼の冷却方法

目的

本発明は、従来技術の上述のような問題点を解消するためになされたものであり、高強度・高靭性の薄肉ウェブH形鋼をウェブ波を発生させることなく、能率よく冷却することのできるH形鋼の冷却方法を提供することを目的としている。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

熱間仕上圧延直後H形鋼フランジ加速冷却するに際して、該フランジ外面を強冷却するとともに、ウェブ上下面を緩冷却することを特徴とするH形鋼の冷却方法

請求項2

前記フランジ外面の強冷却は、水量密度が1000L/min・m2以上であることを特徴とする請求項1に記載のH形鋼の冷却方法。

請求項3

前記ウェブの緩冷却は、上面は複数のスプレ冷却ノズルと複数の空気噴射ノズルにより、下面は複数のスプレ−冷却ノズルにより、冷却するものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のH形鋼の冷却方法。

請求項4

前記ウェブの緩冷却は、上下面とも複数のミストノズルで冷却するものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のH形鋼の冷却方法。

請求項5

前記ウェブの緩冷却は、水温が50℃以上の冷却水を用いて行われるものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のH形鋼の冷却方法。

技術分野

0001

この発明は、熱間仕上圧延直後H形鋼、特に薄肉ウェブH形鋼に加速冷却を施して、高強度・高靭性の薄肉ウェブH形鋼を製造する際の冷却方法に関する。

背景技術

0002

近年、建築用として使用される鋼材に対して、耐震性を高めるようにとの要求が強くなってきている。特に、建築物柱材梁材として用いられるH形鋼においては、強度や靭性の優れたH形鋼が求められており、そのようなH形鋼の製造方法として、圧延と冷却とを組み合わせた制御圧延制御冷却が盛んに行なわれている。

0003

高強度・高靭性のH形鋼を製造する一般的な方法としては、1000℃以上に加熱した圧延素材であるスラブ連続鋳造されたビ−ムブランクを、一旦中程度の厚みまで粗圧延し、その後、被圧延材組織再結晶しない温度域やその温度域に近い温度域で、最終の仕上げ圧延を行う、いわゆる制御圧延と、圧延後に加速冷却によって、Ar3温度以上から500℃程度まで急冷焼き入れ)することによって強度を出す、いわゆる制御冷却が行われている。

0004

H形鋼のフランジを、仕上げ圧延機後方に設けた加速冷却装置により、制御冷却する従来の方法としては、特公平5−73806号公報に開示された、フランジ内外面から同時に冷却する方法(従来技術1)、特開平5−317948号公報に開示された、多段スプレーノズルを配置し、これをサイドガイドの後方からサイドガイドに設けたスリットを通して、H形鋼のフランジ外面を冷却する方法(従来技術2)がある。

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、上述した従来の技術には、次のような問題点がある。従来技術1の冷却方法は、ウェブ厚みがフランジ厚みに対して薄いため、ウェブ温度降下量がフランジの温度降下量よりも大きくなるので、冷却後のウェブとフランジの温度差は、冷却する前よりも開いている。

0006

したがって、そのままの状態で冷却床放冷させると、常温まで冷却される過程において、温度の低いウェブが先に収縮し、温度の高いフランジは後で収縮するので、フランジ収縮時にウェブが引っ張られて、ウェブにウェブ波が生じる。

0007

従来技術2の冷却方法は、例えばフランジ外面を、1000L/min・m2以上の水量密度で加速冷却すると、冷却によってフランジが急速に縮むため、加速冷却中にウェブが座屈して、同じようにウェブ波が生じる。

0008

本発明は、従来技術の上述のような問題点を解消するためになされたものであり、高強度・高靭性の薄肉ウェブH形鋼をウェブ波を発生させることなく、能率よく冷却することのできるH形鋼の冷却方法を提供することを目的としている。

0009

この発明に係るH形鋼の冷却方法は、熱間仕上圧延直後のH形鋼のフランジを加速冷却するに際して、該フランジ外面を強冷却するとともに、ウェブ上下面を緩冷却するものである。

0010

また、前記フランジ外面の強冷却は、水量密度が1000L/min・m2以上であるものである。

0011

また、前記ウェブの緩冷却は、上面は複数のスプレ冷却ノズルと複数の空気噴射ノズルにより、下面は複数のスプレ−冷却ノズルにより、冷却するものである。

0012

また、前記ウェブの緩冷却は、上下面とも複数のミストノズルで冷却するものである。

0013

また、前記ウェブの緩冷却は、水温が50℃以上の冷却水を用いて行われるものである。

0014

この発明のH形鋼の冷却方法において、フランジ外面を強冷却するのは、フランジ内外面から冷却するのでは、ウェブが過冷却となり、ウェブにウェブ波が発生するので、フランジ外面からの冷却とするのであるが、フランジ外面からのみの緩冷却では、フランジに十分な高強度および高靭性が得られないので、強冷却とした。

0015

そして、強冷却における水量密度は、フランジ内面側まで十分な高強度および高靭性が得られる1000L/min・m2以上とした。

0016

また、ウェブを緩冷却するのは、ウェブに十分な高強度および高靭性を付与するに際して、強冷却では特に薄肉ウェブH形鋼において、ウェブにウェブ波が発生するので、緩冷却とした。

0017

また、H形鋼のウェブを緩冷却する際に問題となるのは、ウェブ上面噴射した冷却水が、ウェブ上をの中を流れるように流れ、ウェブのまだ冷却がなされていない部分や、冷却が終了した部分を冷却し、ウェブが過冷却されてしまうことである。

0018

したがって、ウェブの冷却は緩冷却で行うとともに、冷却後の冷却水をウェブ上から可能なかぎり早く排出するか、ウェブ上に冷却水が存在しても、ウェブが過冷却されないような条件で冷却することが肝要である。

0019

本発明のH形鋼の冷却方法は、上述したような観点に基づいてなされたものである。

0020

ウェブを緩冷却するに際して、上面は複数のスプレ−冷却ノズルと複数の空気噴射ノズルにより、下面は複数のスプレ−冷却ノズルにより冷却するのは、次の理由による。

0021

ウェブの上下面とも複数のスプレ−冷却ノズルにより冷却するのは、上下面とも同じ温度になるように、緩冷却を行うためである。

0022

また、ウェブ上面にスプレ−冷却ノズルに加えて、空気噴射ノズルを配置したのは、スプレ−冷却ノズルから噴射された冷却水がウェブに衝突して、ウェブのある一定区間を冷却したら、空気噴射ノズルにより空気を噴射して、ただちにウェブ上面の冷却水を吹き飛ばし、冷却水がウェブ上面に長時間滞留しないようにするためである。

0023

また、さらに冷却を緩くするためには、ウェブの冷却を間欠的な冷却とし、各スプレ−冷却ノズル間の非冷却部で、ウェブ上に滞留した冷却水を、ウェブ上から速やかに排除するために、空気噴射ノズルにより空気を噴射して、ただちにウェブ上面の冷却水を吹き飛ばし、冷却水がウェブ上面に長時間滞留しないようにする。

0024

ウェブ下面は、スプレ−冷却ノズから噴射された冷却水がウェブに衝突して、ウェブのある一定区間を冷却した後、冷却水は自然落下するので、ウェブ下面には空気噴射ノズルは配置しなくてよい。

0025

また、ウェブの上下面とも複数のミストノズルで冷却するのは、次の理由によるものである。

0026

この冷却方法は、空気によってアトマイズされた微細液滴群を、高速でウェブに衝突させるものであるが、液滴群は空気によて随伴されるものであるので、液滴群はウェブに衝突後速やかに空気流に乗って排除されるので、ウェブ上に冷却水は残存せず、ウェブの過冷却は起こりにくいからである。なお、この場合も間欠的な冷却を行う場合には、空気噴射ノズルを設けておくことが望ましい。

0027

また、水温が50℃以上の冷却水を用いて、ウェブの冷却を行うのは、次の理由によるものである。

0028

水温が50℃以上の冷却水は、ウェブとの衝突によって、その温度が100℃近くまで上昇するので、冷却水がウェブ上を流れても、熱交換膜沸騰による伝熱形態をとるので、冷却能力は弱く、積極的に冷却水を排除しなくても、過冷却が起こりにくいからである。

発明を実施するための最良の形態

0029

本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明のH形鋼の冷却方法を適用するH形鋼製造ライン設備構成を示す図である。

0030

圧延素材であるスラブまたは連続鋳造したビ−ムブランク2は、加熱炉1により1250℃程度まで加熱され、搬送テ−ブルによりブレクダウンミル3に送られる。ブレ−クダウンミル3においては、前記圧延素材2が概略H形形状をした第一の中間圧延材造形圧延される。

0031

さらに、ユニバ−サル方式の第一の粗圧延機4および第二の粗圧延機5により、リバ−ス圧延されて、前記第一中間圧延材はよりH形形状に近い第二の中間圧延材となる。この第一の粗圧延機4および第二の粗圧延機5による圧延においては、圧延し終わったH形鋼製品の強度および靭性を高めるために、特定の圧延温度域において、特定の圧下率で圧延を行う制御圧延が行われる。

0032

第一の粗圧延機4および第二の粗圧延機5による圧延を終えた第二の中間圧延材は、仕上圧延機6に送られて、フランジを垂直にたてる圧延が行われて、フランジおよびウェブの各部寸法最終製品に対応する寸法を有する仕上圧延材(H形鋼)となる。

0033

仕上圧延材は圧延後直ちに、長さが40m程度の通過型の冷却装置7に送られ、冷却装置7により、フランジ外面が加速冷却される。

0034

そして、冷却後の仕上圧延材は、熱間鋸断機8で所定の長さに切断された後、冷却床9において常温まで放冷される。

0035

H形鋼のフランジを冷却する冷却装置7は、H形鋼搬送時の搬送をガイドするサイドガイドを兼ねており、板材に多数の冷却水噴射用の噴射孔を設けたものである。

0036

もちろん、強冷却を実現できるものであれば他の形式の冷却装置でもよく、例えば、スプレ−ノズルを複数配置した冷却装置でもよい。

0037

フランジの加速冷却効果を高めるためには、冷却速度を大きくしたほう方がよいので、フランジの内面側からも冷却することが考えられるが、フランジ内面の冷却に使用した冷却水により、ウェブが過冷却されてウェブ波が発生するので、冷却水排除手段を備えなければならず、冷却装置が複雑になるので、フランジ内面の冷却は、緩冷却か冷却をしない方が好ましい。

0038

そこで、本発明のH形鋼の冷却においては、1000L/min・m2以上の高水量密度で、フランジの外側からのみ冷却することにした。

0039

これは、1000L/min・m2以上の高水量密度で冷却すれば、フランジの内面から冷却することなしに、フランジの内面側まで冶金学的に見て、十分な加速冷却効果が得られるからである。

0040

さらに、本発明のH形鋼の冷却方法においては、フランジの冷却とともに、ウェブの冷却を行うことを特徴としている。

0041

以下に、本発明のH形鋼の冷却方法において、ウェブの冷却方法を中心とした実施の形態を説明する。なお、フランジの冷却方法は、いずれの実施の形態においても、上述したような冷却方法で行われるので、その詳細説明は省略する。

0042

図2は、本発明のH形鋼の冷却方法の第一の実施の形態において、使用される冷却装置の斜視図である。

0043

この冷却方法においては、H形鋼10のフランジ10aを冷却するためのサイドガイド11に加えて、ウェブ10bの上面側に複数のスプレ−冷却ノズル12および複数の空気噴射ノズル13を、ウェブ10bの下面側に複数のスプレ−冷却ノズル14を配置して、H形鋼10のウェブ10bの上下面を間欠的に緩冷却するようにしている。なお、複数のスプレー冷却ノズルを連続的に並べて1つのノズル群とし、そのノズル群を間隔を置いて複数群配置して、ウェブの冷却を行う場合には、各ノズル群からウェブに噴射された冷却水が、非冷却部に流出滞留し、ウェブ上面を過冷却するので、この場合には各スプレー冷却ノズル群の前後に空気噴射ノズルを配置し、複数のスプレー冷却ノズルを連続的に配置した場合には、その最初のスプレー冷却ノズルの前および最後のスプレー冷却ノズルの後に空気噴射ノズルを設けて滞留水を排除すればよい。

0044

ウェブ10b上面側に配置されたスプレ−冷却ノズル12から噴射された冷却水が、ウェブ10bに衝突して、ウェブ10bのある一定区間を冷却したら、空気噴射ノズル13から空気が噴射され、ただちにウェブ10b上面の冷却水が吹き飛ばされる。これにより、冷却水がウェブ10b上面に長時間滞留することがないので、ウェブ10bが過冷却されることはない。

0045

ウェブ10b下面も、スプレ−冷却ノズル14から噴射された冷却水により、上下面が均等な温度となるように冷却されるが、ウェブ10b下面側においては、冷却水はウェブ10bに衝突して、ウェブ10bのある一定区間を冷却した後、自然に落下するので、ウェブ10b下面には空気噴射ノズル13は配置していない。

0046

なお、この冷却方法において、間欠的に冷却するのは、ウェブの冷却を緩やかに行うためであるが、連続的に冷却した場合でも、最初のスプレ−冷却ノズルの前方、および最後のスプレ−冷却ノズルの後方に、スプレ−冷却ノズルから噴射されてウェブ上に滞留する冷却水を、排除するための空気噴射ノズルを設ければよい。

0047

スプレ−冷却ノズル12および14は、40mの長さのサイドガイド11に沿って2m間隔に20本程度設けられ、空気噴射ノズル13は隣り合う上面側スプレ−冷却ノズル12の中間に位置するように、同じく2m間隔に配置される。

0048

スプレ−冷却ノズル12および14には、水量密度200〜500L/min・m2のものが使用され、空気噴射ノズル13には、最大200NL/minの空気噴射が可能なものが使用される。

0049

次に、本発明のH形鋼の冷却方法の第二の実施の形態を説明する。図3は、本発明のH形鋼の冷却方法の第二の実施の形態において、使用される冷却装置の斜視図である。

0050

この冷却方法においては、H形鋼10のフランジ10aを冷却するためのサイドガイド11に加えて、ウェブ10bの上面側および下面側に、複数のミストノズル15および16を上下対向するように配置して、H形鋼10のウェブ10bの上下面を緩冷却するようにしている。

0051

この冷却方法においては、空気によってアトマイズされた微細な液滴群を、高速でウェブ10bに衝突させるものであるが、液滴群は空気によて随伴されるものであるので、液滴群はウェブ10bに衝突後速やかに空気流に乗って排除されるので、ウェブ10b上に冷却水は残存しない。したがって、ウェブ10bの過冷却を防止するための冷却水排除手段は基本的には必要ではない。しかしながら、冷却水量が多い場合は、ミストノズルであっても、ノズルの前後の非冷却部に冷却水が滞留するおそれがあるので、望ましくは空気噴射ノズルを設けたほうがよい。

0052

ミストノズル15および16には、水量密度50〜200L/min・m2のものが使用され、40mの長さのサイドガイド11に沿って2m間隔に20本程度対向して設けられる。

0053

次に、本発明のH形鋼の冷却方法の第三の実施の形態を説明する。図4は、本発明のH形鋼の冷却方法の第三の実施の形態において、使用される冷却装置の斜視図である。

0054

この冷却方法においては、H形鋼10のフランジ10aを冷却するためのサイドガイド11に加えて、ウェブ10bの上面側および下面側に、複数の温水ノズル17および18を上下対向するように配置して、H形鋼10のウェブ10bの上下面を緩冷却するようにしている。

0055

温水ノズル17および18には、水量密度200〜500L/min・m2のものが使用され、40mの長さのサイドガイド11に沿って2m間隔に20本程度対向して設けられる。

0056

温水ノズル17からウェブ10bの上面に噴射された温度60℃程度の温水は、ウェブ10bの上面に衝突して、ウェブ10bの上面を冷却するとともに、自分自身はウェブ10bから熱を受けて、その温度は100℃近くまで上昇する。したがって、冷却水としての温水がウェブ10b上面を流れても、ウェブ10bと温水との間の熱交換は、いわゆる膜沸騰による伝熱形態をとるので、温水による冷却能力は弱く、積極的に排除しなくても、ウェブ10bが過冷却されることはない。しかしながらこの場合も、空気噴射ノズルを設置してもよい。

0057

この実施例の説明では、60℃の温水の場合で説明したが、60℃以上の温水や100℃以上の熱水過熱水)を使用してもよい。

0058

仕上圧延終了時点におけるウェブ高さが600mm、フランジ幅が300mm、ウェブ厚みが9mm、フランジ厚みが19mm、長さが70mで、フランジ温度が850℃、ウェブ温度が800℃のH形鋼を、長さ40mの通過型の冷却装置に搬送速度1.82m/secの一定速度で装入(冷却装置を通過する所要時間は23秒)し、連続的にフランジを強冷却するとともに、ウェブを緩冷却する冷却試験を行った。

0059

この冷却試験においては、フランジを強冷却する方法は、フランジ外面側のみから強冷却する方法の一通りだけであるが、ウェブを緩冷却する方法は、前述した本発明の第一の実施の形態に示した冷却方法(本発明例1)、本発明の第二の実施の形態に示した冷却方法(本発明例2)、本発明の第三の実施の形態に示した冷却方法(本発明例3)の三通りを実施した。

0060

また、本発明の効果を確認するため、比較例として、本発明例1〜3と同じ寸法、同じ温度条件のH形鋼を使用し、フランジを外面から強冷却するだけで、ウェブは冷却しない冷却方法(比較例1)、フランジを外面から強冷却するとともに、フランジを内面からスプレ−冷却ノズルで冷却し、かつウェブの上下面を冷却するとともに、ウェブ上の冷却水を強制排除しない冷却方法(比較例2)、本発明例1におけるウェブ上面での空気噴射を行わない冷却方法(比較例3)の三通りの冷却試験を合わせて行った。なお、比較例2においては、フランジの温度降下量が大きくなりすぎるので、冷却停止時のフランジ温度が500℃程度のなるように、冷却装置通過速度を2.8m/secとした。

0061

上記いずれの冷却試験においても、H形鋼が冷却装置をでて一定時間経過して、フランジの温度が500℃に復熱した時点でのウェブの温度を測定するとともに、冷却床で常温まで自然放冷された後に、ウェブにウェブ波が発生発生しているか否かを調べた。その結果を表1に示す。

0062

0063

表1から明らかなように、本発明例1〜3においては、フランジの温度が500℃に復熱した時点でのウェブの温度は、460〜510℃とフランジとの温度差が小さく、常温まで冷却される過程において、フランジとウェブが均等に収縮されることが予測される。また、その結果ウェブ波は発生していない。

0064

これに反して、比較例例1〜3においては、フランジの温度が500℃に復熱した時点でのウェブの温度は、100〜700とフランジとの温度差が大きく、常温まで冷却される過程において、フランジとウェブとは均等に収縮されないことが予測される。また、その結果ウェブ波が全てに発生している。このように、本発明のH形鋼の冷却方法においては、薄肉ウェブH形鋼を冷却する場合においても、ウェブ波は発生せず、製造能率を高く維持しながら、高強度・高靭性のH形鋼の製造が可能である。なお、比較例2においては、ウェブ上の冷却水を強制排除することにより、ウェブ波の発生はなくなった。

発明の効果

0065

本発明により、高強度・高靭性のH形鋼の製造が、ウェブ波を発生させることなく可能である。

図面の簡単な説明

0066

図1本発明のH形鋼の冷却方法を適用するH形鋼製造ラインの設備構成を示す図である。
図2本発明のH形鋼の冷却方法の第一の実施の形態において使用される冷却装置の斜視図である。
図3 本発明のH形鋼の冷却方法の第二の実施の形態において使用される冷却装置の斜視図である。
図4 本発明のH形鋼の冷却方法の第三の実施の形態において使用される冷却装置の斜視図である。

--

0067

1加熱炉
2スラブまたは連続鋳造したビ−ムブランク
3ブレ−クダウンミル
4 第一の粗圧延機
5 第二の粗圧延機
6仕上圧延機
7冷却装置
8熱間鋸断機
9冷却床
11サイドガイド
12スプレ−冷却ノズル
13空気噴射ノズル
14 スプレ−冷却ノズル
15ミストノズル
16 ミストノズル
17温水ノズル
18 温水ノズル

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