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技術 TiN系介在物を微細にする含Ti鋼の製造方法

出願人 大同特殊鋼株式会社
発明者 鑓水誠一
出願日 2000年1月28日 (20年11ヶ月経過) 出願番号 2000-020938
公開日 2001年8月7日 (19年4ヶ月経過) 公開番号 2001-214212
状態 未査定
技術分野 金属の製造または精製 溶融状態での鋼の処理
主要キーワード 真空アーク炉 超高速遠心分離機 固体燃料ロケット 積層凝固 真空アーク再溶解法 TiN系介在物 トルク伝達軸 フェロモリブデン
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この項目の情報は公開日時点(2001年8月7日)のものです。
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課題

本発明は、疲労寿命を低下するTiN系介在物の長さが10μm以下の含Ti鋼の製造方法を提供すること。

解決手段

リターン材を含まない含Ti鋼用原材料真空誘導炉で溶解し、鋳造して製造した含Ti鋼材電極とし、真空アーク溶解法再溶解することを特徴とするTiN系介在物を微細にした含Ti鋼の製造方法。

概要

背景

含Ti鋼の一種であるマルエイジング鋼は、硬度、強度が高く、熱間及び冷間における疲労特性が高いため各種金型固体燃料ロケット超高速遠心分離機トルク伝達軸、強力歯車などの用途に用いられている。一般的に、このマルエージング鋼は、真空誘導溶解炉で溶解して製造した真空誘導溶解材を真空アーク再溶解法で溶解し、鋳造する二重溶解法などで製造されていた。

この二重溶解法は、先ず真空誘導炉によって合金成分の調整し、C、N、H、Oなどの不純物の低減が行われ、第2段の真空アーク再溶解によって更にC,N,H,Oなどの低減を行い、かつ積層凝固により偏析を少なくするものである。この二重溶解法で製造されたマルエージング鋼は、硬度、強度が高く、清浄性が優れ、また疲労特性が高いため上記の多くの用途に使用されているが、107回以上の超高疲労特性の改善が要求されるアイテムは、10μm程度のTiN系介在物を起点として疲労破壊するため、更なる疲労特性の改善が要求され、真空アーク再溶解などにおいてTiN系介在物の低減および微細化が必要となった。

概要

本発明は、疲労寿命を低下するTiN系介在物の長さが10μm以下の含Ti鋼の製造方法を提供すること。

リターン材を含まない含Ti鋼用原材料を真空誘導炉で溶解し、鋳造して製造した含Ti鋼材電極とし、真空アーク溶解法で再溶解することを特徴とするTiN系介在物を微細にした含Ti鋼の製造方法。

目的

本発明は、含有するTiN系介在物の最大長さを10μm以下にする含Ti鋼の製造方法を提供することを課題とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

TiN系介在物を含まない含Ti鋼用原材料真空誘導炉で溶解し、鋳造して製造した含Ti鋼材電極として真空アーク溶解法再溶解することを特徴とするTiN系介在物を微細にする含Ti鋼の製造方法。

請求項2

TiN系介在物を含まない含Ti鋼用原材料を真空誘導炉で溶解し、鋳造して製造した含Ti鋼材を電極として真空エレクトロスラグ溶解法で再溶解し、更にこの真空エレクトロスラグ溶解法で溶解した再溶解材を電極として真空アーク溶解法で再溶解することを特徴とするTiN系介在物を微細にする含Ti鋼の製造方法。

請求項3

上記真空アーク溶解法による再溶解は、湯上がり速度が0.4cm/分以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のTiN系介在物を微細にする含Ti鋼の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、含有するTiN系介在物微細にするマルエージング鋼などの含Ti鋼の製造方法に関する。

背景技術

0002

含Ti鋼の一種であるマルエイジング鋼は、硬度、強度が高く、熱間及び冷間における疲労特性が高いため各種金型固体燃料ロケット超高速遠心分離機トルク伝達軸、強力歯車などの用途に用いられている。一般的に、このマルエージング鋼は、真空誘導溶解炉で溶解して製造した真空誘導溶解材を真空アーク再溶解法で溶解し、鋳造する二重溶解法などで製造されていた。

0003

この二重溶解法は、先ず真空誘導炉によって合金成分の調整し、C、N、H、Oなどの不純物の低減が行われ、第2段の真空アーク再溶解によって更にC,N,H,Oなどの低減を行い、かつ積層凝固により偏析を少なくするものである。この二重溶解法で製造されたマルエージング鋼は、硬度、強度が高く、清浄性が優れ、また疲労特性が高いため上記の多くの用途に使用されているが、107回以上の超高疲労特性の改善が要求されるアイテムは、10μm程度のTiN系介在物を起点として疲労破壊するため、更なる疲労特性の改善が要求され、真空アーク再溶解などにおいてTiN系介在物の低減および微細化が必要となった。

発明が解決しようとする課題

0004

本発明は、含有するTiN系介在物の最大長さを10μm以下にする含Ti鋼の製造方法を提供することを課題とするものである。

課題を解決するための手段

0005

上記課題を解決するため、本発明者は、含Ti鋼中のTiN系介在物の微細化方法について、成分組成、製造プロセスなどについて種々研究していたところ、TiN系介在物は10μmより大きくなると疲労寿命が短くなること、真空アーク再溶解では、原料に含まれているTiN系介在物を除去することができないこと、TiN系介在物を小さくする一方法は、TiN系介在物の量を少なくすればよいこと、真空エレクトロスラグ溶解法で再溶解するとTiN系介在物を低減することができることなどの知見を得た。

0006

また、含Ti鋼用原材料のTiN系介在物量を少なくすると、製造された含Ti鋼中のTiN系介在物を低減することができること、含Ti鋼用原材料のTiN系介在物量を少なくするには、原材料を厳選してリターン材を含まないことが望ましいこと、溶解中にTiN系介在物の凝集を防止すれば、TiN系介在物を小さくすることができること、真空アーク再溶解法で溶解する場合、溶解速度が速いとTiN系介在物が大きくなることなどの知見を得て本発明をなしたものである。

0007

すなわち、上記課題を解決するため、本発明のTiN系介在物を微細にする含Ti鋼の製造方法においては、TiN系介在物を含まない含Ti鋼用原材料(リターン材を含まないほうが望ましい。)を真空誘導炉で溶解し、鋳造して製造した含Ti鋼材電極として真空アーク溶解法で再溶解することである。

0008

さらに、上記課題を解決するため、本発明のTiN系介在物を微細にする含Ti鋼の製造方法においては、TiN系介在物を含まない含Ti鋼用原材料(リターン材を含まないほうが望ましい。)を真空誘導炉で溶解し、鋳造して製造した含Ti鋼材を電極として真空エレクトロスラグ溶解法で再溶解し、更にこの真空エレクトロスラグ溶解法で溶解した再溶解材を電極として真空アーク溶解法で再溶解することである。

0009

また、上記課題を解決するため、本発明のTiN系介在物を微細にする含Ti鋼の製造方法においては、真空アーク再溶解法での溶解を湯上がり速度で0.4cm/分以下の速度にすることである。

0010

本発明のTiN系介在物を微細にする含Ti鋼の製造方法においては、TiN系介在物を含まない含Ti鋼用原材料を真空誘導炉で溶解するので、TiN系介在物が少ない含Ti鋼材を製造することができ、この含Ti鋼材を電極として真空アーク溶解法で再溶解すると、TiN系介在物が少なく、かつ小さい含Ti鋼を製造することができる。さらに、真空誘導炉で溶解し、鋳造して製造したTiN系介在物が少ない含Ti鋼材を電極として真空エレクトロスラグ溶解法で再溶解するので、大気中のN2 に汚染されることなくTiN系介在物がスラグ捕捉され、TiN系介在物がさらに少く、かつ小さい含Ti鋼を製造することができる。

0011

また、真空エレクトロスラグ溶解法で再溶解して製造した電極などを真空アーク溶解法で再溶解することにより、C、N、H、Oなどの不純物の低減、TiN系介在物の微細化及び偏析の低減をすることができる。また、真空エレクトロスラグ溶解法で再溶解して製造した電極を真空アーク溶解法で再溶解する際、溶解速度を極力低くする(望ましくは、湯上がり速度を0.4cm/分以下にする)ことにより、プールが小さく、かつ浅くなるため、プール中でのTiN系介在物の凝集時間が短くなるので、TiN系介在物を微細にすることができる。

発明を実施するための最良の形態

0012

次に、本発明をより詳細に説明する。本発明の含有するTiN系介在物を微細にする含Ti鋼とは、マルエージング鋼(C;0.010%以下、Si:0.05%以下、Mn:0.05%以下、P:006%以下、S:0.006%以下、Ni:16〜26%、Ti:0.1〜2.0%を含有し、必要に応じてCo:5〜16%、Mo:2〜10%及びAl:0.03〜0.4%のうちの1種又は2種以上を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる鋼)、JIS SUH660(C;0.08%以下、Si:1.00%以下、Mn:2.00%以下、P:040%以下、S:0.030%以下、Ni:24〜27%、Cr:13.50〜16.00%、Mo:1.00〜1.50%、V:0.10〜0.50%、Ti:1.90〜2.35%、Al:0.35%以下、B:0.001〜0.010%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる鋼)、PHステンレス鋼などである。

0013

本発明の真空誘導炉で溶解する含Ti鋼用原材料は、TiN系介在物を含まないもの、すなわち、全ての原料が、バージン材からなるものが望ましい。含Ti鋼用原材料中にリターン材が含まれると製造される含Ti鋼中のTiN系介在物が多くなり、その結果としてTiN系介在物が大きくなるからである。

0014

本発明に使用する真空誘導炉は、真空状態で溶解できる誘導炉であれば、普通の構造のものでもよいし、特別の構造のものでもよい。さらに、本発明に使用する真空エレクトロスラグ溶解法は、真空状態で溶解するエレクトロスラグ溶解法であり、溶融スラグでTiN系介在物を捕捉できるものであれば、特に限定されないが、溶融スラグの材料としては、例えばCaF2:70%、Al2 O3 :30%からなるものでもよい。溶解速度については、特に制限はないが、均一な速度で溶解されるほうが好ましい。

0015

また、本発明に使用する真空アーク再溶解法は、C、N、H、Oなどの不純物の低減、TiN系介在物の微細化及び偏析の低減を目的とし、真空エレクトロスラグ溶解法で溶解した再溶解材を電極として真空中で水冷銅鋳型内においてアークにより再溶解する方法である。この真空アーク再溶解法では水冷銅鋳型の径が大きく、かつ溶解速度が速いと、溶融金属のプールが大きくなってTiN系介在物が凝集して大きくなり、また偏析も大きくなるので、水冷銅鋳型の径が、例えば30cm以下、湯上がり速度が0.4cm/分より遅いほうが好ましい。

0016

次に、本発明の実施例を説明する。

0017

実施例2
純チタン純ニッケルフェロモリブデン、純コバルト、純アルミ電解鉄をを下記表1の本発明例 No.3〜5の成分組成の鋼になるような含Ti鋼用原材料を真空誘導溶解炉(VIF)で下記表2の本発明例 No.4〜6に記載したような溶解時間で溶解し、鋳造してインゴットを製造した。このインゴットを電極とし、真空エレクトロスラグ溶解法(真空ESR)で下記表2に記載したような真空度、溶解速度で溶解、鋳造して電極を製造し、この電極を真空アーク溶解法(VAR)で下記表2に記載したような真空度、溶解速度で溶解、鋳造してインゴットを製造した。このインゴットを鍛造後熱間圧延して厚さ3.5mmホットコイルを製造した。このコイルを切断して断面のTiN系介在物の大きさを測定した結果を下記表3の本発明例 No.4〜6に示した。

0018

0019

0020

比較例1
実施例1と同様な含Ti鋼用原材料を真空誘導溶解炉(VIF)で下記表2の比較例 No.1に記載したような溶解時間で溶解し、鋳造してインゴットを製造した。このインゴットを電極とし、真空アーク炉で下記表2の比較例 No.1に記載したような真空度、溶解速度(220kg/Hr)で溶解、鋳造してインゴットを製造した。このインゴットを鍛造後熱間圧延して厚さ3.5mmホットコイルを製造した。このコイルを切断して断面のTiN系介在物の最大長さを測定した結果を下記表3の比較例 No.1に示した。

0021

比較例2
Ni、Mo、Feを含有するリターン材:82%、88%及び65%(比較例の No.3)、純チタン、純ニッケル、フェロモリブデン、純コバルト、純アルミを18%(比較例の No.2)、12%(比較例の No.3)、35%(比較例の No.4)からなる下記表1の比較例の No.2〜4の成分組成の鋼になるような含Ti鋼用原材料を真空誘導溶解炉(VIF)で上記表2の比較例の No.2〜4に記載したような溶解時間で溶解し、鋳造してインゴットを製造した。このインゴットを電極とし、真空アーク溶解法(VAR)で上記表2に記載したような真空度、溶解速度で溶解、鋳造してインゴットを製造した。このインゴットを用いて実施例1と同様な方法で同様な厚さ3.5mmのホットコイルを製造した。このコイルを切断して断面のTiN系介在物の最大長さを測定した結果を上記表2の比較例 No.2〜4に示した。

0022

0023

これら結果より、本発明例のもののTi系介在物の最大長さは、6.8〜9.8μmであり、何れも10μm以下であった。これに対して、比較例のもののTi系介在物の最大長さは、12.5〜15.0μmであり、何れも10μmを超えていた。また、VARにおける鋳造の湯上がり速度が0.4cm/分より遅いもののほうが、0.4cm/分より早いもののよりTiN系介在物の最大長さが短くなっていた。

0024

本発明のTiN系介在物を微細にした含Ti鋼の製造方法は、上記構成にしたことによって、含Ti鋼中のTiN系介在物の最大長さを10μm以下にすることができるという優れた効果を奏することができる。

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