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技術 圧密化黒鉛粒子、その製造方法、及びリチウム二次電池用負極材料

出願人 日本コークス工業株式会社
発明者 福田憲二安元義徳綱分忠則三石勝也原陽一郎梅野達夫蛭田孝士
出願日 2000年1月31日 (20年2ヶ月経過) 出願番号 2000-021380
公開日 2001年8月7日 (18年8ヶ月経過) 公開番号 2001-213615
状態 特許登録済
技術分野 電池の電極及び活物質 炭素・炭素化合物 炭素、炭素化合物 二次電池(その他の蓄電池)
主要キーワード 回転式円盤 圧密化装置 回転式ディスク 粉砕ドラム 黒鉛濃度 耐摩耗鋼 片振幅 ラヂカル
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2001年8月7日)のものです。
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図面 (4)

課題

黒鉛粒子を用いて成型品成型する時は、黒鉛スラリー中の黒鉛濃度を高くすることができ、成型後の成型品としては、黒鉛密度が高く、等方性が高い成型品を得ることができる圧密化黒鉛粒子、及びその製造方法を提供すること、並びに、負極そのものの黒鉛密度が高く、負極の容積当たりのエネルギー密度が高いリチウムイオン二次電池を提供すること。

解決手段

紡錘状をなす黒鉛粒子、若しくは円盤状をなす黒鉛粒子を含む圧密化黒鉛粒子であって、アスペクト比が1〜5の前記紡錘状をなす黒鉛粒子の含有量が10体積%以上、若しくはアスペクト比が1〜10の前記円盤状をなす黒鉛粒子の含有量が50体積%以上であり、タップ密度が0.7〜1.3g/cm3である圧密化黒鉛粒子を用いる。

概要

背景

従来から黒鉛粒子電極材料として重用されてきた。近年、リチウムイオン二次電池用負極燃料電池セパレーター等の成型品フィラーとしても用いられている。しかし、従来の黒鉛粒子を上記材料やフィラーとして用いる場合は、黒鉛粒子の嵩密度が低いこと、黒鉛粒子が形状的に大きなアスペクト比を有すること等に由来する多くの使用上の欠点が指摘されている。

例えば上記黒鉛粒子は嵩密度が低いために、リチウムイオン二次電池用負極を製造する際に用いる黒鉛スラリー中の黒鉛濃度を高くすることができない。そのため、得られる負極の黒鉛密度が低くなり、負極の容積当たりのエネルギー密度が低くなる問題がある。また、上記黒鉛粒子はアスペクト比が大きいために、この黒鉛粒子を用いて製造する電極セパレーター電気抵抗に大きな異方性を有する等の問題がある。

これらの問題を解決するために、黒鉛粒子を有機バインダーを用いて成型する方法、黒鉛粒子をローラーで展圧する方法、黒鉛を回転式ディスクミル粉砕する方法等が提案されている。

しかしながら有機バインダーを用いて黒鉛粒子を成型する方法は処理コストに難がある。しかも黒鉛粒子に加えられる有機バインダーの炭素化から生成する炭素は、その物性を考慮する必要がある。即ち有機バインダーの種類や炭素化の条件等によっては生成炭素の物性に悪影響を与え、惹いては電極やセパレーターの性能に悪影響を与えるという問題がある。

黒鉛粒子をローラーで展圧する方法は簡便である。また、この展圧中のある時点においては高い嵩密度になる形状をした黒鉛粒子が得られることもある。しかし、この形状の黒鉛粒子は、篩分け混練時に外力が加わると破壊され、再び元の低い嵩密度になる形状をした黒鉛粒子に戻り易いという問題がある。

一方、従来行われている黒鉛を回転式ディスクミルで粉砕して黒鉛粒子を製造する方法では、その大きいアスペクト比を改善して小さくすることは難しいという問題がある。

概要

黒鉛粒子を用いて成型品を成型する時は、黒鉛スラリー中の黒鉛濃度を高くすることができ、成型後の成型品としては、黒鉛密度が高く、等方性が高い成型品を得ることができる圧密化黒鉛粒子、及びその製造方法を提供すること、並びに、負極そのものの黒鉛密度が高く、負極の容積当たりのエネルギー密度が高いリチウムイオン二次電池を提供すること。

紡錘状をなす黒鉛粒子、若しくは円盤状をなす黒鉛粒子を含む圧密化黒鉛粒子であって、アスペクト比が1〜5の前記紡錘状をなす黒鉛粒子の含有量が10体積%以上、若しくはアスペクト比が1〜10の前記円盤状をなす黒鉛粒子の含有量が50体積%以上であり、タップ密度が0.7〜1.3g/cm3である圧密化黒鉛粒子を用いる。

目的

本発明は上記知見に基づきなされたもので、その目的とするところは、その黒鉛粒子を用いて成型品を成型する時は、黒鉛スラリー中の黒鉛濃度を高くすることができ、成型後の成型品としては、黒鉛密度が高く、等方性が高い成型品を得ることができる圧密化黒鉛粒子、及びその製造方法を提供することにある。更に、負極そのものの密度が高く、負極の容積当たりのエネルギー密度が高いリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

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請求項1

アスペクト比が1〜5の紡錘状をなす黒鉛粒子、若しくはアスペクト比が1〜10の円盤状をなす黒鉛粒子を含む圧密化黒鉛粒子であって、前記紡錘状をなす黒鉛粒子の含有量が10体積%以上、若しくは前記円盤状をなす黒鉛粒子の含有量が50体積%以上であり、タップ密度が0.7〜1.3g/cm3である事を特徴とする圧密化黒鉛粒子。

請求項2

アスペクト比が1〜5の紡錘状をなす黒鉛粒子、若しくはアスペクト比が1〜10の円盤状をなす黒鉛粒子を含む圧密化黒鉛粒子であって、前記紡錘状をなす黒鉛粒子の含有量が10体積%以上、若しくは前記円盤状をなす黒鉛粒子の含有量が50体積%以上であり、且つ前記紡錘状をなす黒鉛粒子の含有量と前記円盤状をなす黒鉛粒子の含有量との合計が60体積%以上であり、タップ密度が0.7〜1.3g/cm3である事を特徴とする圧密化黒鉛粒子。

請求項3

原料黒鉛粒子衝撃力を加えて圧密化することを特徴とする、アスペクト比が1〜5の紡錘状をなす黒鉛粒子、若しくはアスペクト比が1〜10の円盤状をなす黒鉛粒子を含む圧密化黒鉛粒子であって、前記紡錘状をなす黒鉛粒子の含有量が10体積%以上、若しくは前記円盤状をなす黒鉛粒子の含有量が50体積%以上であり、タップ密度が0.7〜1.3g/cm3である圧密化黒鉛粒子の製造方法。

請求項4

原料黒鉛粒子に衝撃力を加えて圧密化することを、振動ミルを用いて行う請求項3に記載の圧密化黒鉛粒子の製造方法。

請求項5

原料黒鉛粒子がタップ密度0.6g/cm3以下の黒鉛粒子である請求項3又は4に記載の圧密化黒鉛粒子の製造方法。

請求項6

振動ミルの、片振幅が5〜10mm、振動周波数が10〜25ヘルツである請求項4に記載の圧密化黒鉛粒子の製造方法。

請求項7

振動ミルが、振動ロッドミル、又は振動ボールミルである請求項4に記載の圧密化黒鉛粒子の製造方法。

請求項8

請求項1又は2に記載の圧密化黒鉛粒子を製造するに当たって、原料黒鉛粒子を振動ミルで圧密化して、第一次圧密化黒鉛粒子を得、前記第一次圧密化黒鉛粒子を掛けて、第一次篩上圧密化黒鉛粒子と第一次篩下圧密化黒鉛粒子とを得、前記第一次篩上圧密化黒鉛粒子を振動ミルに戻して再び圧密化して、第二次圧密化黒鉛粒子を得、前記第二次圧密化黒鉛粒子を再び篩に掛けることを繰り返し、各篩下圧密化黒鉛粒子を併せて圧密化黒鉛粒子を得ることを特徴とする圧密化黒鉛粒子の製造方法。

請求項9

請求項3乃至8の何れかに記載の製造方法によって得られる圧密化黒鉛粒子。

請求項10

請求項1、2又は9に記載の圧密化黒鉛粒子、あるいは前記圧密化黒鉛粒子の表面を炭素被覆した圧密化黒鉛粒子からなるリチウムイオン二次電池用負極材料

技術分野

0001

本発明は、嵩密度が高い高結晶性黒鉛粒子、及びその製造方法に関する。この黒鉛粒子は、リチウムイオン二次電池燃料電池セパレーター等のフィラーとして有用である。

背景技術

0002

従来から黒鉛粒子は電極材料として重用されてきた。近年、リチウムイオン二次電池用負極や燃料電池セパレーター等の成型品のフィラーとしても用いられている。しかし、従来の黒鉛粒子を上記材料やフィラーとして用いる場合は、黒鉛粒子の嵩密度が低いこと、黒鉛粒子が形状的に大きなアスペクト比を有すること等に由来する多くの使用上の欠点が指摘されている。

0003

例えば上記黒鉛粒子は嵩密度が低いために、リチウムイオン二次電池用負極を製造する際に用いる黒鉛スラリー中の黒鉛濃度を高くすることができない。そのため、得られる負極の黒鉛密度が低くなり、負極の容積当たりのエネルギー密度が低くなる問題がある。また、上記黒鉛粒子はアスペクト比が大きいために、この黒鉛粒子を用いて製造する電極セパレーター電気抵抗に大きな異方性を有する等の問題がある。

0004

これらの問題を解決するために、黒鉛粒子を有機バインダーを用いて成型する方法、黒鉛粒子をローラーで展圧する方法、黒鉛を回転式ディスクミル粉砕する方法等が提案されている。

0005

しかしながら有機バインダーを用いて黒鉛粒子を成型する方法は処理コストに難がある。しかも黒鉛粒子に加えられる有機バインダーの炭素化から生成する炭素は、その物性を考慮する必要がある。即ち有機バインダーの種類や炭素化の条件等によっては生成炭素の物性に悪影響を与え、惹いては電極やセパレーターの性能に悪影響を与えるという問題がある。

0006

黒鉛粒子をローラーで展圧する方法は簡便である。また、この展圧中のある時点においては高い嵩密度になる形状をした黒鉛粒子が得られることもある。しかし、この形状の黒鉛粒子は、篩分け混練時に外力が加わると破壊され、再び元の低い嵩密度になる形状をした黒鉛粒子に戻り易いという問題がある。

0007

一方、従来行われている黒鉛を回転式ディスクミルで粉砕して黒鉛粒子を製造する方法では、その大きいアスペクト比を改善して小さくすることは難しいという問題がある。

発明が解決しようとする課題

0008

本発明者らは、リチウムイオン二次電池用負極材料や燃料電池セパレーターのフィラーとして適した炭素材料を種々検討した結果、リチウムイオン二次電池用負極材料としては放電容量が大きく、充放電速度が大きく、かつサイクル寿命の長い炭素材料は黒鉛の理論格子定数に近い格子定数を持った高結晶性であり、かつ50μm以下、好ましくは20μm以下の平均粒子径を持った微粒子であることを知得した。しかしながら高結晶性であり、かつ微粒子化された黒鉛は、黒鉛の基礎物性評価の段階では十分な性能を発現するが、実際に電池を製造する段階ではその嵩高さに起因して低濃度黒鉛スラリーしか得ることができない。この結果、電池缶中に負極材料としての黒鉛量を高密度に充填することができず、電池としての高エネルギー密度化を更に高めることができなかった。即ち負極材料としての黒鉛には高結晶性、微粒子であることに加え、高い嵩密度を有することが不可欠である。負極調製用の黒鉛スラリーの高濃度化スラリー調製装置の改良によっても達成できるが、最も工程的に容易かつ低コストな方法は嵩密度の高い黒鉛を用いることによって達成される。

0009

また、燃料電池セパレーターに用いられる黒鉛粒子は、高結晶性、高導電性であることが望まれると同時に、リチウムイオン二次電池用負極材料に用いられる場合と同様に、高い嵩密度を有することが必要であり、またアスペクト比が小さいことが必要である。

0010

本発明者らは、高密度成型品のフィラーとして適した黒鉛粒子について種々検討した結果、黒鉛粒子を、衝撃を加えて粉砕する振動ミル等の粉砕機圧密化することにより、タップ密度0.7〜1.3g/cm3の高い嵩密度が得られるのみならず、得られた黒鉛粒子はアスペクト比が小さくなり、かつ円盤状の形状ないし紡錘状の形状を有する事を見出した。

0011

そして、所定範囲のアスペクト比であり、且つ所定形状の粒子を所定量以上含有する黒鉛粒子であって、しかも嵩密度が所定範囲である圧密化黒鉛粒子を、上記フィラーとして用いることによって、上記問題を解決することができ、高密度成型品を得ることができることを見出した。

0012

また、所定の圧密化方法を用いることによって、上記圧密化黒鉛粒子を得ることができることを見出した。

0013

その結果、上記圧密化黒鉛粒子を用いたリチウムイオン二次電池負極は、本来通常の黒鉛粒子を用いた負極が有している黒鉛粒子個々の体積当たりの放電容量が高いのみならず、負極そのものの体積当たりの放電容量が高いという特性も有するものである。

0014

また、上記圧密化黒鉛粒子の低いアスペクト比に起因して、負極の成型時において黒鉛の選択的配向を防止することができ、黒鉛の配向均一性は極めて高いものである。そのため、上記圧密化黒鉛粒子を用いたリチウムイオン二次電池負極は、負極厚み方向にも高い導電性を有するものである。

0015

従って、上記圧密化黒鉛粒子、若しくは上記製造方法によって得られる圧密化黒鉛粒子、又は、これらの圧密化黒鉛粒子の表面を炭素で被覆した圧密化黒鉛粒子からなるリチウムイオン二次電池用負極材料は、高いエネルギー密度を有し、電気抵抗に大きな異方性を生ずることの無い負極材料を得ることができる。

0016

一方、上記圧密化黒鉛粒子を燃料電池用セパレーターに用いる場合は、セパレーターの黒鉛密度が高いことに起因してガス透過性が低く、同時にセパレーターの厚み方向にも導電性が高い燃料電池用セパレーターを得ることができる。

0017

本発明は上記知見に基づきなされたもので、その目的とするところは、その黒鉛粒子を用いて成型品を成型する時は、黒鉛スラリー中の黒鉛濃度を高くすることができ、成型後の成型品としては、黒鉛密度が高く、等方性が高い成型品を得ることができる圧密化黒鉛粒子、及びその製造方法を提供することにある。更に、負極そのものの密度が高く、負極の容積当たりのエネルギー密度が高いリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0018

上記目的を達成するために、本発明は以下のことを提案するのものである。

0019

〔1〕アスペクト比が1〜5の紡錘状をなす黒鉛粒子、若しくはアスペクト比が1〜10の円盤状をなす黒鉛粒子を含む圧密化黒鉛粒子であって、前記紡錘状をなす黒鉛粒子の含有量が10体積%以上、若しくは前記円盤状をなす黒鉛粒子の含有量が50体積%以上であり、タップ密度が0.7〜1.3g/cm3である事を特徴とする圧密化黒鉛粒子。

0020

〔2〕アスペクト比が1〜5の紡錘状をなす黒鉛粒子、若しくはアスペクト比が1〜10の円盤状をなす黒鉛粒子を含む圧密化黒鉛粒子であって、前記紡錘状をなす黒鉛粒子の含有量が10体積%以上、若しくは前記円盤状をなす黒鉛粒子の含有量が50体積%以上であり、且つ前記紡錘状をなす黒鉛粒子の含有量と前記円盤状をなす黒鉛粒子の含有量との合計が60体積%以上であり、タップ密度が0.7〜1.3g/cm3である事を特徴とする圧密化黒鉛粒子。

0021

〔3〕原料黒鉛粒子衝撃力を加えて圧密化することを特徴とする、アスペクト比が1〜5の紡錘状をなす黒鉛粒子、若しくはアスペクト比が1〜10の円盤状をなす黒鉛粒子を含む圧密化黒鉛粒子であって、前記紡錘状をなす黒鉛粒子の含有量が10体積%以上、若しくは前記円盤状をなす黒鉛粒子の含有量が50体積%以上であり、タップ密度が0.7〜1.3g/cm3である圧密化黒鉛粒子の製造方法。

0022

〔4〕原料黒鉛粒子に衝撃力を加えて圧密化することを、振動ミルを用いて行う〔3〕に記載の圧密化黒鉛粒子の製造方法。

0023

〔5〕原料黒鉛粒子がタップ密度0.6g/cm3以下の黒鉛粒子である〔3〕又は〔4〕に記載の圧密化黒鉛粒子の製造方法。

0024

〔6〕振動ミルの、片振幅が5〜10mm、振動周波数が10〜25ヘルツである〔4〕に記載の圧密化黒鉛粒子の製造方法。

0025

〔7〕振動ミルが、振動ロッドミル、又は振動ボールミルである〔4〕に記載の圧密化黒鉛粒子の製造方法。

0026

〔8〕 〔1〕又は〔2〕に記載の圧密化黒鉛粒子を製造するに当たって、原料黒鉛粒子を振動ミルで圧密化して、第一次圧密化黒鉛粒子を得、前記第一次圧密化黒鉛粒子を掛けて、第一次篩上圧密化黒鉛粒子と第一次篩下圧密化黒鉛粒子とを得、前記第一次篩上圧密化黒鉛粒子を振動ミルに戻して再び圧密化して、第二次圧密化黒鉛粒子を得、前記第二次圧密化黒鉛粒子を再び篩に掛けることを繰り返し、各篩下圧密化黒鉛粒子を併せて圧密化黒鉛粒子を得ることを特徴とする圧密化黒鉛粒子の製造方法。

0027

〔9〕 〔3〕乃至〔8〕の何れかに記載の製造方法によって得られる圧密化黒鉛粒子。

0028

〔10〕 〔1〕、〔2〕又は〔9〕に記載の圧密化黒鉛粒子、あるいは前記圧密化黒鉛粒子の表面を炭素で被覆した圧密化黒鉛粒子からなるリチウムイオン二次電池用負極材料。

0029

以下、本発明を詳細に説明する。

発明を実施するための最良の形態

0030

(本発明の圧密化黒鉛粒子)本発明の圧密化黒鉛粒子は、紡錘状をなす黒鉛粒子、若しくは円盤状をなす黒鉛粒子を含む圧密化黒鉛粒子であって、アスペクト比が1〜5の前記紡錘状をなす黒鉛粒子の含有量が10体積%以上、若しくはアスペクト比が1〜10の前記円盤状をなす黒鉛粒子の含有量が50体積%以上であり、タップ密度が0.7〜1.3g/cm3である。

0031

ここで、アスペクト比とは、粒子の最大長さを厚みで除した値である。更に詳述すると、粒子の形状が円盤状の場合のアスペクト比は、粒子の径を厚みで除した値であり、粒子の形状が紡錘状の場合のアスペクト比は、粒子の軸長を径(厚み)で除した値である。

0032

なお、本発明の圧密化黒鉛粒子において、圧密化とは嵩密度を大きくすることをいい、具体的には、タップ密度で0.7〜1.3g/cm3の嵩密度にすることをいう。

0033

本発明の圧密化黒鉛粒子は、アスペクト比が1〜5の紡錘状をなす黒鉛粒子を10体積%以上含むか、若しくはアスペクト比が1〜10の円盤状をなす黒鉛粒子を50体積%以上含むか、又は何れの所定範囲のアスペクト比の黒鉛粒子をもそれぞれ所定量以上含む圧密化黒鉛粒子である。

0034

ここで、前記紡錘状をなす黒鉛粒子の含有量と前記円盤状をなす黒鉛粒子の含有量との合計は、60体積%以上であることが好ましく、75体積%以上であることがより好ましく、特に90体積%以上であることが望ましい。

0035

前記紡錘状をなす黒鉛粒子でもなく、前記円盤状をなす黒鉛粒子でもない、残りの黒鉛粒子には、例えば、アスペクト比が5を超える紡錘状をなす黒鉛粒子、及びアスペクト比が10を超える円盤状をなす黒鉛粒子を始め、アスペクト比が10を超える鱗片状の黒鉛粒子などが挙げられる。

0036

本発明の圧密化黒鉛粒子は、これをリチウムイオン二次電池や燃料電池セパレーター等の成型品のフィラーとして用いてこれら成型品を成型する場合、黒鉛スラリー中の黒鉛濃度を高くすることができ、成型後の成型品は、黒鉛の密度が高く、等方性が高い。

0037

特に、リチウムイオン二次電池負極のフィラーとして本発明の圧密化黒鉛粒子を用いる場合は、負極中の黒鉛の密度が通常の黒鉛を用いた負極よりも高くなる。

0038

(本発明の圧密化黒鉛粒子の製造方法)本発明の圧密化黒鉛粒子は、原料黒鉛粒子を圧密化することによって製造することができる。

0039

原料として用いる黒鉛粒子の002面の結晶格子定数C0(002)は0.670〜0.673nmであることが望ましい。例えば、リチウムイオン二次電池の負極材料として用いる場合、結晶格子定数C0(002)が0.673nmを超えると、リチウムイオンドーピング量が低下し、十分な充電量が得られない結果、リチウムイオン二次電池の放電電気容量が低下する。また導電性が低下する。

0040

また、本発明に用いる原料黒鉛粒子としては、天然黒鉛人造黒鉛のいずれを用いても良いが、結晶性の高さと、入手の容易さとから、天然黒鉛が好ましい。黒鉛はそのまま粉砕して原料黒鉛粒子にすることができるが、公知の方法で一旦膨張黒鉛としてから、これを粉砕して原料黒鉛粒子とすることもできる。

0041

圧密化に供する黒鉛粒子は、平均粒子径3mm以下程度の比較的大きな黒鉛粒子も用いることができるが、既に平均粒径が50μm以下に粉砕された黒鉛粒子がより好ましい。

0042

このための粉砕方法としては振動ボールミル等の振動ミル、ボールミルハンマーミルのように黒鉛に衝撃を加えて粉砕する方法がある。

0043

また、ジェットミル回転式円盤砥石粉砕メディアとするマイクロミル回転体を粉砕メディアとするターボミル等の如く黒鉛にシェアストレスを与えながら粉砕する方法がある。

0044

粉砕は乾式、湿式を問わず実施することができる。また膨張黒鉛を湿式で超音波を用いて粉砕する方法も有効なものである。

0045

本発明の圧密化処理は、原料黒鉛粒子に衝撃を加えることにより行う。

0046

この圧密化処理のうちでも、振動ミルを用いる圧密化処理は、特に圧密化を高くでき、より好ましいものである。振動ミルの例としては、振動ボールミル、振動ディスクミル、振動ロッドミル等が挙げられる。

0047

圧密化処理により得られる黒鉛粒子の形状は、振動ボールミルを用いて圧密化処理する場合は、円盤状の圧密化黒鉛粒子が製造されやすい。一方、振動ロッドミルを用いて圧密化処理する場合は、紡錘状の圧密化黒鉛粒子が製造されやすい。

0048

圧密化時間は、0.1〜10分間が好ましい。

0049

振動ミルは回分式でも連続式でも行う事ができる。

0050

振動ミルのメディア、並びに、ポット若しくは本体の内張り材質には、鉄、耐摩耗鋼、各種ステンレス合金アルミナジルコニア等を用いることができる。

0051

振動ロッドミルの場合、ロッドの径は10〜30mm、ロッドの体積占有率は40〜80%、片振幅は5〜10mm、振動周波数は10〜25ヘルツに設定する事が好ましい。

0052

振動ボールミルの場合、ボールの径は5〜40mm、ロッドの体積占有率は40〜80%、片振幅は5〜10mm、振動周波数は10〜25ヘルツに設定する事が好ましい。

0053

上述したように、圧密化処理は回分式でも連続式でも行う事ができる。なお、圧密化処理をより効率的に行うには連続式圧密化が好ましい。

0054

図1は本発明の圧密化黒鉛粒子を製造する際に用いる連続式圧密化装置の一例を示すものである。

0055

図1において、原料黒鉛粒子は、ホッパー2より定量供給機4で振動ミル6に供給される。振動ミル6の中では黒鉛粒子の圧縮化と粉砕が同時に進行し圧密化処理が行われる。振動ミル6を出た圧密化黒鉛粒子は、所定の大きさの篩8で粒度別に分けられる。10は篩下の圧密化黒鉛粒子であり、12は篩上の圧密化黒鉛粒子である。

0056

篩上の圧密化黒鉛粒子12即ち第一次篩上圧密化黒鉛粒子は、ホッパー2に戻して再び圧密化処理して、第二次圧密化黒鉛粒子を得ることができる。また、第一次篩上圧密化黒鉛粒子を原料黒鉛粒子に混ぜて圧密化処理してもよい。

0057

多くの場合、例えばリチウムイオン二次電池用負極材料や燃料電池用フィラーとして本発明の圧密化黒鉛粒子を用いる場合、所定の粒子径以下の黒鉛粒子のみ即ち所定の大きさの篩下の黒鉛粒子のみを用いる。

0058

なお、原料黒鉛粒子から第一次篩下圧密化黒鉛粒子への変換率は、圧密化条件により異なるが、第一次篩上圧密化黒鉛粒子から第二次篩下圧密化黒鉛粒子への変換率とほぼ等しい。

0059

図2は本発明の圧密化黒鉛粒子を製造する際に用いる連続式圧密化装置の他の例を示すものである。

0060

図2において、原料黒鉛粒子は、ホッパー22より定量供給機24で振動ミル26に供給される。振動ミル26の中では黒鉛粒子の圧縮化と粉砕が同時に進行し圧密化処理が行われる。振動ミル26を出た圧密化黒鉛粒子は、所定の大きさの篩28で粒度別に分けられる。30は篩下の圧密化黒鉛粒子であり、32は篩上の圧密化黒鉛粒子である。

0061

振動ミル26を1回通過させた後の篩上の圧密化黒鉛粒子32即ち第一次篩上圧密化黒鉛粒子を粉体搬送機34で振動ミル26に戻し、新たに供給する原料黒鉛粒子とともに再び圧密化する。この再圧密化処理によって、新たに供給する原料黒鉛粒子は第一次圧密化黒鉛粒子となり、2回目の圧密化となる篩上第一次圧密化黒鉛粒子は第二次圧密化黒鉛粒子となる。これらの圧密化黒鉛粒子は、互いに併さって新たな圧密化黒鉛粒子となる。この新たな圧密化黒鉛粒子は、所定の大きさの篩28で粒度別に分けられる圧密化処理が繰り返される。

0062

なお、上述したように、原料黒鉛粒子から第一次篩下圧密化黒鉛粒子への変換率は、圧密化条件により異なるが、第一次篩上圧密化黒鉛粒子から第二次篩下圧密化黒鉛粒子への変換率とほぼ等しい。

0063

ここで、繰り返し圧密化される黒鉛粒子のみを考慮に入れ、新たに供給する原料黒鉛粒子は圧密化処理の考慮から外すと、上記の原料黒鉛粒子から第一次篩下圧密化黒鉛粒子への変換率を50%以上に条件設定する事により、繰り返し圧密化される黒鉛粒子は5〜6回以下の圧密化処理で篩上の圧密化黒鉛粒子32の原料黒鉛粒子からの変換率は、ほぼ0%に収斂する。

0064

通常、原料黒鉛粒子から第一次篩下圧密化黒鉛粒子への変換率は60〜80%に設定することが好ましい。例えば、原料黒鉛粒子から第一次篩下圧密化黒鉛粒子への変換率を70%とした場合、振動ミル26を1回通過させた後の篩上の圧密化黒鉛粒子32即ち第一次篩上圧密化黒鉛粒子は、原料黒鉛粒子に対して30%、振動ミル26を2回通過させた後の篩上の圧密化黒鉛粒子32即ち第二次篩上圧密化黒鉛粒子は、原料黒鉛粒子に対して9%、振動ミル26を3回通過させた後の篩上の圧密化黒鉛粒子32即ち第三次篩上圧密化黒鉛粒子は、原料黒鉛粒子に対して2.7%となる。

0065

このように、振動ミル26に供給した原料黒鉛粒子は、5〜6回以内の振動ミル26の通過で、ほぼ全量篩下圧密化黒鉛粒子30即ち所定粒度以下の圧密化黒鉛粒子として回収する事が出来る。

0066

さらには、分級機を用いて篩下圧密化黒鉛粒子30を分級し、所定粒度の黒鉛粒子のみをリチウムイオン二次電池や燃料電池セパレーター等のフィラーとして用いることもできる。また振動ミル26中での黒鉛の滞留時間は1回の振動ミル26の通過当たり1〜5分である。よって、黒鉛が振動ミル26をたとえ5〜6回通過したとしても篩下圧密化黒鉛粒子30のX線回折分析(XRD)による結晶性が損なわれることはない。そのため、この篩下圧密化黒鉛粒子30は、リチウムイオン二次電池用負極材料としての性能も変化しないものである。

0067

本発明の圧密化黒鉛粒子の製造方法により、アスペクト比の大きな鱗片状の原料黒鉛粒子を圧密化処理すると、原料黒鉛粒子は主に黒鉛のベーサルプレーン基礎面)で積層しながら二次粒子化し、同時に積層した二次粒子の端部は丸く削られて厚みのある円盤状、或は紡錘状に変化し、アスペクト比の小さな黒鉛粒子に変換される。

0068

このようにして黒鉛粒子をアスペクト比の小さなものに変換した結果、黒鉛粒子は高結晶性であるにもかかわらず、タップ密度が高いのみならず、スラリー流動性も良好なものが得られる。

0069

アスペクト比が大きい黒鉛粒子を成型品の芯材等に塗布する場合、黒鉛粒子のベーサルプレーンが塗布時のシェア方向に配向する。

0070

また、プレス時にはベーサルプレーンが受圧面に沿って配向する。

0071

このようなことから、黒鉛粒子のアスペクト比が10を超える場合は、黒鉛粒子の塗布時、若しくはプレス時において、配向が大きくなり、厚み方向の電気抵抗が増大する等の不都合を生ずる。

0072

これに対して、圧密化処理してアスペクト比を10以下にした黒鉛粒子を成型品の芯材等に塗布する場合、又はプレスする場合には、配向する黒鉛粒子の割合が減少して厚み方向の導電性を高める効果がある。

0073

図3及び4は、それぞれ円盤状圧密化黒鉛粒子、及び紡錘状圧密化黒鉛粒子の一例を示す電子顕微鏡写真である。

0074

圧密化黒鉛粒子をリチウムイオン二次電池用負極材料とする場合には、圧密化黒鉛粒子に表面処理を施すか、又は圧密化黒鉛粒子の表面を炭素で被覆することが特に好ましい。

0075

圧密化黒鉛粒子に表面処理を施す方法としては、スチレン沃素過酸化ベンゾイル等のラヂカル反応性試薬を黒鉛粒子表面の活性ラヂカルと反応させる方法等がある。

0076

また、圧密化黒鉛粒子の表面を炭素で被覆する方法としては、化学蒸着処理法(CVD法)、ピッチ又は樹脂で黒鉛粒子表面を被覆した後、これらを炭化させる方法などが挙げられる。

0077

化学蒸着処理法としては、圧密化黒鉛粒子を流動床式反応炉中で有機物ガス又は有機物不活性ガスとの混合ガスを用いて化学蒸着処理することにより、圧密化黒鉛粒子の表面に炭素層を形成することが挙げられる。

0078

化学蒸着処理条件としては、混合ガス中の有機物のモル濃度が2〜50%で、化学蒸着処理温度が900〜1200℃であることが好ましい。

0079

このような製造方法で製造したリチウムイオン二次電池用負極材料は、圧密化黒鉛粒子と、前記圧密化黒鉛粒子の全表面を被覆する結晶性炭素層とからなり、炭素層の炭素002面を圧密化黒鉛粒子表面に平行にして圧密化黒鉛粒子の全表面が炭素層で被覆されている。

0080

また、この負極材料は、リチウムイオンをインターカレーションした負極材料の7Li−NMRスペクトルが、塩化リチウム基準ケミカルシフトの40〜50ppmと、10〜30ppmとに吸収スペクトルを有するものである。

0081

更に、この負極材料は、炭素層が偏向顕微鏡下に光学異方性を示す。

0082

上記の化学蒸着処理法は、電解液溶媒の分解を抑制すると共に、放電容量が高く、高速充放電が可能なリチウム二次電池を実現できる負極材料、その製造方法、同負極材料を用いて形成したリチウム二次電池を提供することができるので、好ましい。

0083

以上のようにして製造した本発明の圧密化黒鉛粒子、あるいは、この圧密化黒鉛粒子に表面処理、若しくは炭素被覆を施した圧密化黒鉛粒子を用いて、リチウムイオン二次電池の負極を調製する方法は特に限定されないが、その調製方法の一例を以下に示す。

0084

圧密化黒鉛粒子に、バインダー(例えば、PVDFポリビニリデンフルオライド)を溶解した溶剤(例えば、1−メチル2−ピロリドン)を加え、十分に混練する。この操作により、黒鉛粒子濃度40wt%以上の高濃度の黒鉛粒子スラリーを調製することができる。

0085

バインダーには公知の材料、例えばポリテトラフルオロエチレン等の各種のフッ素樹脂などを用いることができる。これらの中でもPVDFが最適である。またカルボキシメチルセルロースCMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキサイド(PEO)のような水溶性樹脂、あるいはこれらの水溶性樹脂とスチレンブタジエンラバーSBR)等のラテックスとの混合物なども用いることができる。なお、黒鉛粒子とバインダーとの混合比(重量比)は100:2〜100:10となるように黒鉛粒子スラリーを調製することが望ましい。

0086

この黒鉛粒子スラリーを、例えば銅箔等の金属箔からなる集電体ドクターブレード等を用いて20〜100μmの厚みにコーティングする。これを乾燥させることにより、黒鉛粒子が金属箔集電体密着する。必要があれば加圧して密着性を高め、且つコーティング層の厚みを均一化し、コーティング層を高密度化する。

0087

正極材料は特に限定されないが、当業者に公知のLiCoO2、LiNiO2又はLiMn2O4等のリチウム含有化合物、或はこれらの混合物が好適である。粉末状の正極材料は、必要があれば導電材を加え、バインダーを溶解した溶剤等と十分に混練後、集電体と共に成型して調製できる。又、セパレーターについても特に限定はなく、公知の材料を用いることができる。

0088

電解液の主溶媒である非水溶媒としては、リチウム塩を溶解する非プロトン性低誘電率の公知の溶媒が挙げられる。例えば、エチレンカーボネートジメチルカーボネート(以下DMCと略す)、メチルエチルカーボネート(以下MECと略す)、プロピレンカーボネート、ジエチレンカーボネート、アセトニトリルプロピオニトリルテトラヒドロフランγ−ブチロラクトン、2−メチルテトラヒドロフラン、1、3−ジオキソラン、4−メチル−1、3−ジオキソラン、1、2−ジメトキシエタン、1、2−ジエトキシエタンジエチルエーテルスルホランメチルスルホランニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルスルホキシド等の溶媒を単独で、又は2種以上の溶媒を混合して用いることができる。

0089

電解質として用いるリチウム塩としては、LiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、LiB(C6H5)4、LiCl、L iBr、CH3SO3Li、CF3SO3Li等があり、これらの塩を単独、又は2種類以上の塩を混合して用いることができる。

0090

以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。

0091

以下の実施例1〜9においては、各物性値は以下の方法で測定した。

0092

タップ密度: 10mlのガラスメスシリンダー試料を入れてタッピングし、試料の容積が変化しなくなったところで試料容積を測定し、試料重量を試料容積で除した値をタップ密度とした。

0093

結晶格子定数C0(002)及びC軸方向の結晶の大きさLC(002):東X線回折装置XC−40Hを用い、Cu−Kα線をNiで単色化し、高純度シリコン標準物質として学振法で測定した。

0094

アスペクト比:日本電子走査型電子顕微鏡SM−5300での撮影画面から試料粒子を、円盤状の形状の粒子と、紡錘状の形状の粒子とに類別した。これらの形状の粒子それぞれについて、最大粒子径と厚みを測定し、最大粒子径を厚みで除した値をアスペクト比とした。即ち粒子の形状が円盤状の場合は、粒子の径を厚みで除した値をアスペクト比とし、粒子の形状が紡錘状の場合は、粒子の軸長を径(厚み)で除した値をアスペクト比とした。更に上記顕微鏡撮影画面からニコレ製画像解析装置LUZEXIIIUを用い、上記の円盤状の形状の粒子、及び紡錘状の形状の粒子のそれぞれについて、粒子全体に対する存在割合を算出した。

0095

比表面積: 日本ベル製表面積測定装置を用い、液体窒素温度窒素吸着量多点法で測定し、BET法で比表面積を求めた。

0096

(実施例1〜4)タップ密度0.42g/cm3の鱗片状天然黒鉛原料黒鉛として用い、内容積リットルバッチ式振動ロッドミル又は振動ボールミルで圧密化処理試験を行った。圧密化処理の試験条件、及び圧密化処理の試験結果を表1に示す。なお、振動ロッドミル又は振動ボールミルの何れの振動ミルについても、振動数は16.5Hz、片振幅は7.4mmとした。

0097

ID=000002HE=120 WI=114 LX=0480 LY=0300
*1:直径50mmのロッドと直径25mmのロッドとを1:2に混合
(実施例5〜6)タップ密度0.42g/cm3の鱗片状天然黒鉛を原料黒鉛として用い、排出部に開孔率3%のを設けた内容積100リットル(上下の粉砕ドラムの内容積は各50リットル)の連続式式振動ロッドミルで圧密化処理試験を行った。圧密化処理の試験条件、及び圧密化処理の試験結果を表2に示す。なお、実施例5及び6の何れについても、メディアであるロッドの直径は32mm、占有率は60体積%とした。

0098

ID=000003HE=120 WI=105 LX=0525 LY=0300
(実施例7)タップ密度0.56g/cm3の人造黒鉛を原料黒鉛として用い、排出部に開孔率3%の堰を設けた内容積100リットル(上下の粉砕ドラムの内容積は各50リットル)の連続式式振動ロッドミルで圧密化処理試験を行った。圧密化処理の試験条件、及び圧密化処理の試験結果を表3に示す。なお、メディアであるロッドの直径は32mm、占有率は60体積%とした。

0099

ID=000004HE=120 WI=089 LX=0605 LY=0300
(実施例8)タップ密度0.35g/cm3の鱗片状天然黒鉛を原料黒鉛として用い、排出部に開孔率3%の堰を設けた内容積100リットル(上下の粉砕ドラムの内容積は各50リットル)の連続式式振動ロッドミルで圧密化処理試験を行った。この際、53μm篩上黒鉛粒子は再び連続式式振動ロッドミルに返す循環回路を設けて圧密化処理試験を行った。圧密化処理の試験条件、及び圧密化処理の試験結果を表4に示す。なお、メディアであるロッドの直径は32mm、占有率は70体積%とした。

0100

ID=000005HE=120 WI=089 LX=0605 LY=0300
表1、2、3、及び4から明らかなように、圧密化処理後の黒鉛粒子は、圧密化処理前の黒鉛粒子と比較して、タップ密度が極めて高いことがわかる。また、圧密化処理後の黒鉛粒子は、53μm篩下粒子の割合が多く、低いアスペクト比の粒子の割合が多いにもかかわらず、結晶格子定数C0(002)は小さく、C軸方向の結晶の大きさLC(002)は大きいことがわかる。

0101

(実施例9)実施例8で得られた圧密化黒鉛粒子を基材として、流動床反応器において熱化学蒸着処理して炭素被覆圧密化黒鉛粒子を得た。

0102

具体的には、前記基材60kgを前記流動床反応器に仕込み窒素を50L/分の流量で供給した。この状態で反応器内を昇温して反応器内が1000℃に到達した後、炭素源としてトルエンを40モル%含む窒素とトルエンとの混合ガスを50mL/分の流量で反応器内に供給した。この状態で黒鉛粒子を120分間熱化学蒸着処理した。

0103

上記の熱化学蒸着処理して得られた炭素被覆圧密化黒鉛粒子を負極材料として用いて、表5の条件で、評価試験用のリチウムイオン二次電池を作製した。この電池を用い、上記炭素被覆圧密化黒鉛粒子について、表5の条件でリチウムイオン二次電池用負極材料としての評価試験を行った。その評価試験結果を、上記炭素被覆圧密化黒鉛粒子の比表面積、タップ密度と共に表6に示す。

0104

ID=000006HE=135 WI=111 LX=0495 LY=0300
*1PVDF:ポリビニリデンフルオライド
*2 PC:プロピレンカーボネート
*3 EC:エチレンカーボネート
*4 MEC:メチルエチルカーボネート

0105

ID=000007HE=035 WI=105 LX=0525 LY=1900
表6に示すように、実施例9の炭素被覆圧密化黒鉛粒子は、タップ密度は1.24g/cm3と極めて高いものであった。

0106

リチウムイオン二次電池負極の作製に際しては、所定量の黒鉛粒子を少量の溶剤で濡らすことができ、スラリー調製時の作業性は極めて良好であった。

0107

リチウムイオン二次電池用負極材料としての評価試験においては、表6に示すように、充電容量、放電容量、及び効率とも極めて高いものであった。

発明の効果

0108

本発明の圧密化黒鉛粒子は、アスペクト比が低い粒子を所定量以上含み、且つ嵩密度が高い黒鉛粒子であるため、黒鉛密度が高く、等方性が高い成型品を得ることができる、成型品のフィラーとして適した黒鉛粒子である。特に、上記の高密度成型品の作製に際しては、所定量の黒鉛粒子を少量の溶剤で濡らすことができ、高濃度のスラリーを容易に調製時することができる。

0109

本発明の圧密化黒鉛粒子の製造方法は、原料黒鉛粒子に例えば振動ミルを用いて行うように衝撃を加えて前記黒鉛を圧密化することにより、上記の圧密化黒鉛粒子の実用的な規模経済的な製造を可能にしている。

0110

上記の圧密化黒鉛粒子の製造方法は、原料としての黒鉛の結晶性を低下させずに圧密化することができるので、圧密化黒鉛粒子の製造方法として、より好ましいものである。

0111

上記の黒鉛粒子の圧密化に際して、圧密化された粒子を粒度別に分けること、圧密化を連続式にすること、粒度別に分けた粗粒分の再圧密化を繰り返すこと等によって、上記の黒鉛粒子の圧密化を更に高くすることができる。

0112

ところで、通常の炭素が低結晶性であり真密度が低いのに対して、黒鉛は高結晶性であり真密度が高いものである。そのため、フィラーとして黒鉛を用いたリチウムイオン二次電池負極は、黒鉛粒子個々の体積当たりの放電容量は高いものである。

0113

その結果、本発明の圧密化黒鉛粒子を用いたリチウムイオン二次電池負極は、本来通常の黒鉛粒子を用いた負極が有している黒鉛粒子個々の体積当たりの放電容量が高いのみならず、負極そのものの体積当たりの放電容量が高いという特性も有するものである。

0114

また、本発明の圧密化黒鉛粒子の低いアスペクト比に起因して、負極の成型時において黒鉛の選択的配向を防止することができ、黒鉛の配向の均一性は極めて高いものである。そのため、本発明の圧密化黒鉛粒子を用いたリチウムイオン二次電池負極は、負極厚み方向にも高い導電性を有するものである。

0115

更に、前記圧密化黒鉛粒子の表面を炭素で被覆した圧密化黒鉛粒子を用いてリチウムイオン二次電池を形成する場合は、負極そのものの密度が高く、負極の容積当たりの放電容量が高いばかりでなく、充放電時における電解液溶媒の分解を抑制するリチウムイオン二次電池を得ることができる。

0116

一方、本発明の圧密化黒鉛粒子を燃料電池用セパレーターに用いる場合は、セパレーターの黒鉛密度が高いことに起因してガス透過性が低く、同時にセパレーターの厚み方向にも導電性が高い燃料電池用セパレーターを得ることができる。

図面の簡単な説明

0117

図1本発明の圧密化黒鉛粒子を製造する際に用いる連続式圧密化装置の一例を示す概略図である。
図2本発明の圧密化黒鉛粒子を製造する際に用いる連続式圧密化装置の他の例を示す概略図である。
図3円盤状圧密化黒鉛粒子の一例を示す電子顕微鏡写真である。
図4紡錘状圧密化黒鉛粒子の一例を示す電子顕微鏡写真である。

--

0118

2ホッパー
4定量供給機
6振動ミル
8篩
10篩下の圧密化黒鉛粒子
12 篩上の圧密化黒鉛粒子
22 ホッパー
24 定量供給機
26 振動ミル
28 篩
30 篩下の圧密化黒鉛粒子
32 篩上の圧密化黒鉛粒子
34粉体搬送機

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