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技術 インクカートリッジの製造方法

出願人 セイコーエプソン株式会社
発明者 品田聡中隆廣小池尚志横山富夫伊藤和徳
出願日 2000年2月2日 (21年0ヶ月経過) 出願番号 2000-025725
公開日 2001年8月7日 (19年6ヶ月経過) 公開番号 2001-212977
状態 拒絶査定
技術分野 インクジェット(インク供給、その他)
主要キーワード 押圧器 下押し 押圧圧縮 押し込み面 板状治具 容器内底面 各多孔質体 多孔室
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

容器に対して容易に多孔質体の挿入を行うことができるインクカートリッジの製造方法を提供すること。

解決手段

多孔質体収納室14の並び方向の1室おきに、底面を治具28により多孔質体収納室14の底面形状と略同じ形状に圧縮変形した多孔質体12を、両側面から板状治具22で挟み込んだ状態で交互に挿入する。その挿入方向は、凸部19上端と多孔質体収納室14の底面の一端部とを結ぶ仮想面41に対して多孔質体12の底面を略平行とする。そして、蓋部材13の内面形状と相似形を有する押圧器25を用いて多孔質体12を多孔質体収納室14の深さの3分の2以下であって、蓋部材13のリブ21高さの2倍以下押し込む。その後1分以内に各多孔質体収納室14の上面開口に蓋部材13を振動溶着する。これにより、部品点数を増すことなく、容器に容易に多孔質体を挿入できる、インクカートリッジの製造方法を提供できる。

概要

背景

従来、インクカートリッジ内インクを保持させる部材として、スポンジに代表される多孔質体が採用されていた。その理由として、多孔質体が毛管現象を呈するため、ポアサイズや全体体積圧縮率の設定等により、適量のインクを保持して外部装置に適切に供給することが可能であることや、容易にかつ比較的廉価に製造可能であること等が挙げられる。

また、一般にインクカートリッジ容器の形状は、比較的単純な直方体状であったため、インクカートリッジに充填される多孔質体の形状を容器の形状に合わせたものを用いていた。

概要

容器に対して容易に多孔質体の挿入を行うことができるインクカートリッジの製造方法を提供すること。

多孔質体収納室14の並び方向の1室おきに、底面を治具28により多孔質体収納室14の底面形状と略同じ形状に圧縮変形した多孔質体12を、両側面から板状治具22で挟み込んだ状態で交互に挿入する。その挿入方向は、凸部19上端と多孔質体収納室14の底面の一端部とを結ぶ仮想面41に対して多孔質体12の底面を略平行とする。そして、蓋部材13の内面形状と相似形を有する押圧器25を用いて多孔質体12を多孔質体収納室14の深さの3分の2以下であって、蓋部材13のリブ21高さの2倍以下押し込む。その後1分以内に各多孔質体収納室14の上面開口に蓋部材13を振動溶着する。これにより、部品点数を増すことなく、容器に容易に多孔質体を挿入できる、インクカートリッジの製造方法を提供できる。

目的

本発明の目的は、部品点数を増すことなく、容器に対して容易に多孔質体を挿入でき、組み立てが容易なインクカートリッジの製造方法を実現することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

インクを外部装置に供給するインク供給孔を有する略直方体状容器に、略直方体状の多孔質体を挿入するインクカートリッジの製造方法において、容器底面に対して多孔質体の底面を傾けた状態で、多孔質体を容器の上面開口から挿入することを特徴とするインクカートリッジの製造方法。

請求項2

インク供給孔を有する凸部を容器内底面に設け、当該凸部に多孔質体を押圧する請求項1に記載のインクカートリッジの製造方法。

請求項3

前記凸部を容器内底面の中心より一側面側に偏して配置した容器に、凸部側挿入方向後方側となるように傾けた状態で多孔質体を挿入する請求項2に記載のインクカートリッジの製造方法。

請求項4

インクを外部装置に供給するインク供給孔を有する容器に、多孔質体の側面を板状治具で挟み込んでその多孔質体を挿入するインクカートリッジの製造方法において、多孔質体の底面を、容器の底面形状と略同じ形状に圧縮変形させた後、前記挿入を行うことを特徴とするインクカートリッジの製造方法。

請求項5

容器に多孔質体を挿入した後、容器の上面開口に蓋部材接合するインクカートリッジの製造方法において、多孔質体の挿入後、容器の上面開口と蓋部材とを接合する前に、多孔質体を挿入方向へ押し込む追押し込み工程を含む請求項1〜4のいずれかに記載のインクカートリッジの製造方法。

請求項6

前記追押し込み工程の押し込み量が、容器の深さの3分の2以下である請求項5に記載のインクカートリッジの製造方法。

請求項7

前記追押し込み工程の押し込み量が蓋部材に設けられたリブ高さの2倍以下である請求項5又は6に記載のインクカートリッジの製造方法。

請求項8

前記追押し込み工程の終了後、1分以内に蓋部材の接合を行なうことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のインクカートリッジの製造方法。

請求項9

前記追押し込み工程に用いられる押し込み部材の形状が、蓋部材の内面相似形である請求項5〜8のいずれかに記載のインクカートリッジの製造方法。

請求項10

隔壁によって容器の内側に区画形成された複数の多孔質体収納室に、多孔質体を挿入するインクカートリッジの製造方法において、多孔質体収納室に対する多孔質体の収納を、特定の多孔質体収納室から順次行うインクカートリッジの製造方法。

請求項11

複数の隔壁によって容器の内側に並列状に区画形成された3以上の多孔質体収納室に、多孔質体を挿入するインクカートリッジの製造方法において、多孔質体収納室の並び方向の1室おきの多孔質体収納室に多孔質体を収納し、次に多孔質体を挿入していない別の多孔室体収納室に多孔質体を挿入するインクカートリッジの製造方法。

請求項12

請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法を適用する請求項10又は11に記載のインクカートリッジの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、プリンタに用いられるインクカートリッジの製造方法に係る。

背景技術

0002

従来、インクカートリッジ内インクを保持させる部材として、スポンジに代表される多孔質体が採用されていた。その理由として、多孔質体が毛管現象を呈するため、ポアサイズや全体体積圧縮率の設定等により、適量のインクを保持して外部装置に適切に供給することが可能であることや、容易にかつ比較的廉価に製造可能であること等が挙げられる。

0003

また、一般にインクカートリッジの容器の形状は、比較的単純な直方体状であったため、インクカートリッジに充填される多孔質体の形状を容器の形状に合わせたものを用いていた。

発明が解決しようとする課題

0004

しかし、従来、多孔質体と容器とを同じ向きで平行にして、その状態で多孔質体を容器内に挿入していたため、多孔質体の挿入が困難であるという問題があった。

0005

具体的には、図8(a),(b)に示すように、多孔質体51を容器52に挿入する場合、多孔質体51をその下部から容器52内にその上部開口部から挿入する必要があるが、多孔質体51の底部周辺が容器52の開口縁に引っかかり、挿入しにくかった。そして、最終的には、容器52の底面まで多孔質体51を充填することができないという問題があった。更に、図8(c)に示すように、容器52の内底面に凸部53が設けられている場合は、容器52内の底部に多孔質体51が充填されないブランクを生じてしまうという問題もあった。

0006

また、特開平8−224887号公報で挙げられるインクカートリッジにおいては、容器が複雑な形状であっても、多孔質体を容器内に挿入できるように、容器及び多孔質体を単純な形状の部品分割構成して、それらの部品を組み合わせることにより目的を達成するようにしている。そのため、部品や部材同士液密接合するという製造工程を必要とするため、その製造工程が複雑であった。

0007

本発明の目的は、部品点数を増すことなく、容器に対して容易に多孔質体を挿入でき、組み立てが容易なインクカートリッジの製造方法を実現することにある。

課題を解決するための手段

0008

上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、インクを外部装置に供給するインク供給孔を有する略直方体状の容器に、略直方体状の多孔質体を挿入するインクカートリッジの製造方法において、容器底面に対して多孔質体の底面を傾けた状態で、多孔質体を容器の上面開口から挿入することを要旨とする。

0009

容器底面に対して多孔質体の底面を傾けた状態で挿入することにより、多孔質体の一端を容器内にその上面開口から確実かつ容易に挿入ができる。また、多孔質体を傾けて挿入することにより、容器の内底部に凸部が形成されていても、容器内のブランクを減らすことができることとなる。

0010

請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクカートリッジの製造方法において、インク供給孔を有する凸部を容器内底面に設け、当該凸部に多孔質体を押圧することを要旨とする。

0011

凸部に多孔質体を押圧すると、その部分、すなわちインク供給孔付近の多孔質体のポアが圧縮され、インク供給孔付近の多孔質体に他の部分よりも大きな毛管現象が発揮される。従って、多孔質体に吸収保持されているインクがインク供給孔方向へ移動しやすくなるため、外部装置にインクを供給しやすくなり、インクカートリッジ内に残留するインクを減少させることとなる。

0012

請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のインクカートリッジの製造方法において、前記凸部を容器内底面の中心より一側面側に偏して配置した容器に、凸部側挿入方向後方側となるように傾けた状態で多孔質体を挿入することを要旨とする。

0013

多孔質体を傾けた状態で挿入すると、凸部上方の多孔質体の一端部が容器の上面開口部より突出するため、この突出した部分を押圧すると凸部に多孔質体を確実に押圧することができる。そして、凸部周辺における多孔質体を押圧することにより、多孔質体のポアが圧縮され、強い毛管現象が発揮されることとなり、インクカートリッジ内のインク使用効率を向上させることができる。また、このように多孔質体を傾けて挿入することによって、容器内のブランクを減らすことができる。

0014

請求項4に記載の発明は、インクを外部装置に供給するインク供給孔を有する容器に、多孔質体の側面を板状治具で挟み込んでその多孔質体を挿入するインクカートリッジの製造方法において、多孔質体の底面を、容器の底面形状と略同じ形状に圧縮変形させた後、前記挿入を行うことを要旨とする。

0015

多孔質体の側面を板状治具で多孔質体を挟み込んでその多孔質体を挿入することにより、多孔質体と容器内側面との間で生じる摩擦抵抗を減少させることとなるため、多孔質体を容器に挿入し、充填させることが容易となる。また、多孔質体の底面を、容器の底面形状と略同じ形状に圧縮変形させた後、板状治具で挟み込んで容器に挿入することにより、容器の底面形状に従って多孔質体を配置することができる。そのため、ブランクを生じることなく多孔質体を挿入でき、効率よく多孔質体を容器内に充填することとなる。更に、圧縮変形された部分は強い毛管現象を発揮するため、このように予め多孔質体の底面を圧縮することにより、多孔質体のインクの移動を惹起することができる。

0016

請求項5に記載の発明は、容器に多孔質体を挿入した後、容器の上面開口に蓋部材を接合するインクカートリッジの製造方法において、多孔質体の挿入後、容器の上面開口と蓋部材とを接合する前に、多孔質体を挿入方向へ押し込む追押し込み工程を含むことを要旨とする。

0017

これにより、容器の上面開口から突出した多孔質体を、容器上面の蓋部材に干渉しない位置に押し込むができ、蓋部材の接合工程を容易に行うことができる。また、追押し込みを行うと多孔質体が圧縮し変形するため、これを利用することにより、直方体状の容器はもちろんのこと、複雑な形状を有する容器であっても、多孔質体をその隅々まで充填することができる。

0018

請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のインクカートリッジの製造方法において、前記追押し込み工程の押し込み量が、容器の深さの3分の2以下であることを要旨とする。

0019

追押し込み量を容器の深さの3分の2以上にすると、追押し込み工程において多孔質体のポアが破損又は破裂を起こす場合があるため、追押し込み量を制限することにより、多孔質体のポアの破損又は破裂を防止しつつも、容器内に多孔質体を隅々まで充填することができる。

0020

請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載のインクカートリッジの製造方法において、前記追押し込み工程の押し込み量が蓋部材に設けられたリブ高さの2倍以下であることを要旨とする。

0021

押し込み量を蓋部材のリブ高さの2倍以上にすると、追押し込み工程において多孔質体のポアが破損又は破裂を起こす場合があるため、追押し込み量を制限することにより、多孔質体のポアの破損又は破裂を防止しつつも、容器内に多孔質体を隅々まで充填することができる。

0022

請求項8に記載の発明は、請求項5〜7のいずれかに記載のインクカートリッジの製造方法において、前記追押し込み工程の終了後、1分以内に蓋部材の接合を行なうことを要旨とする。

0023

追押し込み工程後、圧縮された多孔質体が原形回復するまでの時間内に、蓋部材の接合を行なうと、多孔質体が蓋部材に干渉しないため、蓋部材の接合を容易に行なうことができる。そして、多孔質体が原形回復するまでにかかる時間は1分以内であるため、追押し込み工程を終了後1分以内に蓋部材の接合を行なうことにより、蓋部材の接合を容易に行なうことができ、容器内に多孔質体を隅々まで充填することができる。

0024

請求項9に記載の発明は、請求項5〜8のいずれかに記載のインクカートリッジの製造方法において、前記追押し込み工程に用いられる押し込み部材の形状が、蓋部材の内面相似形であることを要旨とする。

0025

従って、追押し込み工程において追押し込み工程の押し込み形状を蓋部材の内面形状と相似形にすることにより、多孔質体を容器の内面形状に従って配置収納できるため、蓋部材と多孔質体との間にブランクが生じることを防止することができる。

0026

請求項10に記載の発明は、隔壁によって容器の内側に区画形成された複数の多孔質体収納室に、多孔質体を挿入するインクカートリッジの製造方法において、多孔質体収納室に対する多孔質体の収納を、特定の多孔質体収納室から順次行うことを要旨とする。

0027

従って、隣接する多孔質体収納室に対する多孔質体の挿入作業が同時に行われることがなく、多孔質体の挿入作業を隣接する多孔質体収納室への多孔質体の挿入作業に邪魔されることなく、円滑に行なうことができる。

0028

請求項11に記載の発明は、複数の隔壁によって容器の内側に並列状に区画形成された3以上の多孔質体収納室に、多孔質体を挿入するインクカートリッジの製造方法において、多孔質体収納室の並び方向の1室おきの多孔質体収納室に多孔質体を収納し、次に多孔質体を挿入していない別の多孔室体収納室に多孔質体を挿入することを要旨とする。

0029

複数の多孔質収納室が並列状に容器に配置されている場合に、並び方向の1室おきの収納室に多孔質体を挿入し、次に多孔質体が挿入されていない収納室に多孔質体を挿入すると、多孔質体収納室が多数あっても、隣接する多孔質体収納室への多孔質体の挿入作業に邪魔されることなく、円滑に多孔質体の挿入を行なうことができる。

0030

請求項12に記載の発明は、請求項10又は11に記載のインクカートリッジの製造方法において、請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法を適用することを要旨とする。

0031

これにより、多孔質体を複数の多孔質体収納室を有する容器に容易に挿入でき、インクカートリッジの組み立てが容易となる。

発明を実施するための最良の形態

0032

以下、本発明を具体化した実施形態を図1図2に従って説明する。

0033

図1図2に示すように、外部装置としてのプリンタ本体(図示しない)に搭載されるインクカートリッジは、略直方体状の合成樹脂製の容器11とスポンジに代表される多孔質体12と蓋部材13とから構成されている。容器11内には、隔壁17によって複数(この実施形態では5つ)の多孔質体収納室14が並列的に区画形成されている。また、蓋部材13の内面には、多孔質体収納室14に対応して各一対のリブ21が設けられており、また、各リブ21間において、各多孔質体収納室14それぞれに対向する位置にインク注入口15と空気孔16とを備えている。

0034

各多孔質体収納室14の底面には、プリンタ本体に供給するインク供給孔18を備えた凸部19が底面の中心より一側面側に偏して設けられており、インク供給孔18の上端フィルタ(図示しない)が装着されるフィルタ装着部20になっている。インク供給孔18の内部には弁機構23が設けられ、容器11をプリンタに装着することにより、プリンタ本体側インク供給針(図示しない)がインク供給孔18内に挿入され、このインク供給針により弁機構23が開放される。

0035

蓋部材13の上面には、細溝や細孔等よりなるエア通路16aが設けられ、上記空気孔16は、エア通路16aを介して、インクカートリッジ外に開口するエア外部口16bと連通している。そして、蓋部材13の上面には、シール部材26aにより前記インク注入口15及び空気孔16が、シール部材26bにより空気孔16と連通(図示しない)しているエア通路16aのエア外部口16bがそれぞれ封止されている。

0036

そのため、インクカートリッジの使用前においては、容器11は密閉状態となっており、容器11内のインクが液漏れすることはない。また、インクカートリッジの使用時には、シール部材26bを開封することにより、エア外部口16bを大気解放することにより、空気孔16が外気と連通し、インクを外部に供給する機能を発揮する。

0037

前記多孔質体12は弾性材よりなるとともに、連泡性の多数のポアを有し、各多孔質体収納室14に挿入充填されている。そして、容器11の上面開口と蓋部材13とは振動溶着等により液密に接合されている。インクカートリッジのインクは、インク注入口15から注入され、各多孔質体収納室14内の多孔質体12に含有されている。すなわち、インク注入口15から供給されたインクは、多孔質体12が呈する毛管現象によって多孔質体12に吸収保持され、多孔質体12から、インク供給孔18へと移動し、プリンタ本体側へ給出する。これによって、インクカートリッジは、その機能を発揮することとなる。

0038

以下、本実施形態におけるインクカートリッジの製造方法について、図3図7に従って説明する。

0039

さて、多孔質体12は、前述のように弾性材よりなるが、外力による圧縮等により変形された場合、その形状復元が徐々になされる材質が用いられている。

0040

多孔質体12の挿入は、図3(a)に示すように、多孔質体収納室14の並び方向の1室おきに行われ、次に図3(b)に示すように、多孔質体12を挿入していない多孔質体収納室14に対して行われる。

0041

図4(a)に示すように、多孔質体収納室14に挿入する多孔質体12の底面形状は、治具28により多孔質体収納室14の底面形状と略同じ形状に圧縮変形される。治具28により多孔質体12の底面形状を圧縮変形したため、図4(b)に示すように、多孔質体12の圧縮変形された部分は、ポアサイズが小さくなる。一方、多孔質体12の両側面を板状治具22で挟み込み、多孔質体12を幅方向押圧圧縮した状態で、多孔質体収納室14に挿入する。

0042

多孔質体12を多孔質体収納室14に挿入する方向として、図5(a)(b)に示すように、多孔質体収納室14の底面の凸部19側が挿入方向後方側となるよう傾けて挿入する。その傾きは、多孔質体収納室14の一側面側に偏して設けられている凸部19の上端と多孔質体収納室14の底面の端部とを結ぶ仮想面41に対し、多孔質体12底面が略平行とした状態とする。挿入された多孔質体12は、図5(c)に示すように、凸部19に斜め上方から係合することとなり、凸部19の上方において多孔質体12の上端角部が多孔質体収納室14の上面開口部から突出した状態となる。

0043

更に、図6(a)に示すように、多孔質体収納室14に挿入された多孔質体12の多孔質体収納室14の上面開口部より突出している部分を、多孔質体収納室14の底面方向へ押圧する。多孔質体12の底面形状は、多孔質体収納室14の底面形状と略同じ形状となっているため、多孔質体12が凸部19の形状に従って配置されることとなる。そして、この押圧挿入を行うと、図6(b)に示すとおり、凸部19により多孔質体12が押圧圧縮された状態が維持される。

0044

前述した多孔質体12の上面の押圧に際しては、図7(a),(b)に示すように押圧器25により、多孔質体12を多孔質体収納室14の上面開口から底面方向へと押圧する追押し込みを行う。この押し込み量は、多孔質体収納室14の深さに対して3分の2以下であって、蓋部材13のリブ21の高さの2倍以下とし、また、この追押し込み工程は、蓋部材13の内面形状と相似形の押し込み面を有する押圧器25を用いる。

0045

以上の作業を、多孔質体収納室14の並び方向の1室おきに行なった後、多孔質体12を挿入していない多孔質体収納室14に対して同様に行う。

0046

そして、各多孔質体収納室14に多孔質体12を押圧して挿入し、追押し込み工程により押圧圧縮すると、時間の経過と共に多孔質体12は原型回復し、1分程度で多孔質体収納室14の上面開口部まで復元する。そのため、始めの各多孔質体収納室14に対する多孔質体12の追押し込み工程を行った後、図7(c)に示すように、1分以内に各多孔質体収納室14の上面開口部を閉鎖するように、容器11の上面開口部に対して蓋部材13を振動溶着により液密に接合する接合工程を行う。以上の作業により、インクカートリッジの容器11に対する多孔質体12の収納工程が終了される。そして、その作業の終了後には、多孔質体12が多孔質体収納室14内の隙間を充填するように復元する。従って、インク注入口15からインクを多孔質体収納室14内に供給すれば、そのインクが多孔質体12に吸収保持される。その後、シール部材26a,26bによりインク注入口15及びエア外部口16bがそれぞれ覆われ、容器11は密閉状態となる。

0047

上記実施形態によれば、以下のような効果(特徴)を奏する。

0048

・多孔質体12を、多孔質体収納室14の並び方向の1室おきに挿入し、次に多孔質体12を挿入していない多孔質体収納室14に多孔質体を挿入する2回の挿入工程を時間差をおいて行うことにより、全ての多孔質体12を容器11内に円滑に挿入することができる。つまり、多孔質体収納室14が多数あっても、隣接する多孔質体収納室14への多孔質体12の挿入作業に邪魔されることなく、かつ、多孔質体収納室14の数に関係なく円滑に多孔質体12の挿入作業を行なうことができる。

0049

・治具28を用いて多孔質体収納室14の底面形状と略同じ形状に圧縮変形した多孔質体12を多孔質体収納室14に挿入するため、多孔質体収納室14の底面の形状に従って多孔質体12を配置することができる。そのため、容器11内にブランクをほとんど生じることなく多孔質体12を多孔質体収納室14内に挿入でき、効率よく多孔質体12を多孔質体収納室14内に充填することができる。従って、単純な形状の容器11はもちろんのこと、部品点数を増すことなく、複雑な形状の容器11にも容易に多孔質体12を挿入を行なうことができ、多孔質体収納室14の隅々にまで多孔質体12を充填することができる。

0050

・治具28を用いて圧縮変形され、凸部19に圧接された多孔質体12の部分は、圧縮されることによってポアサイズが小さくなる。そのため、圧縮されていない他の多孔質体12の部分と比べて大きな毛管現象を発揮することとなる。これにより、多孔質体12に吸収保持されたインクが、インク供給孔18を有する凸部19の方向へ流動することとなり、多孔質体収納室14内に供給されたインクを効率よく外部へ給出して使用することができる。

0051

・多孔質体12の両側面を板状治具22で挟み込み、多孔質体12の幅方向を押圧圧縮した状態で多孔質体収納室14に挿入するため、多孔質体収納室14の内側壁との接触圧力を低下させることとなり、多孔質体収納室14内に多孔質体12を挿入することが容易となる。

0052

・容器11の底面に対して多孔質体12の底面を傾けた状態で、多孔質体12を容器11の上面開口から挿入することにより、多孔質体12の一端を容易に容器11の上面開口部にほとんど干渉することなく挿入することができる。このため、多孔質体12の挿入がきわめて容易になる。

0053

・多孔質体収納室14の底面の凸部19側が挿入方向後方側となるように傾けて、すなわち多孔質体収納室14の一側面側に偏して設けられている凸部19の上端と多孔質体収納室14の底面の一端部とを結ぶ仮想面41に対し、多孔質体12底面を略平行とした状態で挿入すると、凸部19が存在するような複雑な形状の多孔質体収納室14にも容易に多孔質体を挿入を行なうことができることとなる。このため、多孔質体収納室14内にスムーズに多孔質体12を充填することができるとともに、多孔質体12を多孔質体収納室14の底面に沿って収まりよく挿入できる。

0054

・多孔質体12を多孔質体収納室14に挿入していくと、多孔質体12は、傾いた状態で凸部19に係合することとなり、凸部19の上方において多孔質体収納室14の上面開口部から突出した状態となる。この状態で多孔質体収納室14の上面開口方向から底面方向へ多孔質体12を押圧すると、多孔質体12は凸部19の形状に従って変形し、多孔質体12が凸部19に対して押圧圧縮され、凸部19に圧接することとなる。そして、凸部19に係合している部分の多孔質体12はポアサイズが小さくなる。従って、多孔質体12の毛管現象は、ポアサイズが小さく、圧縮率が大きいと大きくなるため、多孔質体収納室14に供給されたインクは凸部19方向へ流動しやすくなり、インクを無駄なく外部に給出できる。

0055

・多孔質体収納室14が複雑な形状をしている場合、多孔質体収納室14に、多孔質体12を隅々まで充填することは困難である。しかし、追押し込み工程を行うことによって、多孔質体12が多孔質体収納室14の形状に従って変形することにより、多孔質体収納室14内の隅々まで多孔質体12を充填することができる。そのため、複雑な形状の容器11に対して、容易に多孔質体12を挿入充填することができることとなる。

0056

・多孔質体12は、押圧により過度圧縮圧力を受けると、多孔質体12のポアが破裂又は破損するおそれがある。従って、押し込み量を多孔質体収納室14の深さに対して3分の2以下であって、蓋部材13のリブ21の高さの2倍以下と規制することにより、多孔質体12のポアが破裂又は破損をさせずに、追押し込みを行うことができるようになる。

0057

・ 追押し込み工程における押圧器25の押し込み形状を、蓋部材13の内面形状と相似形にしたため、接合工程を行なった後において、蓋部材13の形状に従って多孔質体12を配置することが容易となり、多孔質体12を蓋部材13形状に従って充填することが容易となる。従って、インク注入口15から注入されたインクは、近接する多孔質体12に速やかに吸収保持されることとなり、多孔質体12に対するインク供給の際、インクが逆流してインク注入口15から液漏れすることがなくなる。

0058

・多孔質体収納室14内の多孔質体12が形状復元して蓋部材13の位置に至る前に、蓋部材13の接合工程を行うことにより、接合を多孔質体12に邪魔されることなく容易に行うことができる。

0059

尚、本発明の前記実施形態は、以下のようにして、変更実施することも可能である。

0060

・板状治具22で多孔質体12を挟み込んだ状態で多孔質体収納室14に挿入する際、多孔質体12の他の方向、例えば正面方向からも板状冶具で挟み込んだ状態で挿入すること。このようにすれば、更に挿入工程が容易となる。

0061

・多孔質体収納室14を一対のみ有する容器11に対してこの発明を適用すること。従って、この場合は、両多孔質体収納室14に対して多孔質体12の挿入が時間差をおいて順次行われ、前記実施形態と同様な効果を得ることができる。

0062

・ 1つの多孔質体収納室14のみを有する容器11に対してこの発明を適用すること。従って、この場合においても、多孔質体収納室14に対して多孔質体12の挿入が容易であることは前記実施形態と同様である。

発明の効果

0063

請求項1に記載の発明によれば、傾けて多孔質体を挿入するため、部品点数を増すことなく、複雑な形状の容器にも容易に多孔質体を挿入を行なうことができる。

0064

請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、凸部に多孔質体を押圧して挿入するため、容器内に補給されたインクを効率よく使用することができる。

0065

請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の効果に加えて、容器底面の凸部側が挿入方向後方側となるように多孔質体を傾けて挿入するため、部品点数を増すことなく複雑な形状の容器にも容易に多孔質体を挿入を行なうことができ、また、容器内に補給されたインクを効率よく使用することができる。

0066

請求項4に記載の発明によれば、容器の底面形状と略同じ形状に圧縮変形させた後、容器に挿入するため、多孔質体の挿入が容易になるとともに、容器の形状に従って配置できるため、容器内の隅々まで多孔質体を充填することができ、また、容器内に補給されたインクを効率よく使用することができる。

0067

請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、多孔質体を挿入後、蓋部材を接合する前に、多孔質体を挿入方向へ押し込む追押し込み工程を行うことにより、容器の隅々まで容易に多孔質体を充填させることができる。

0068

請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載の発明の効果に加えて、追押し込み工程の押し込み量が、容器の深さの3分の2以下としたことにより、多孔質体のポアを破壊又は破裂させることなく、追押し込み工程を行うことができる。

0069

請求項7に記載の発明によれば、請求項5又は6に記載の発明の効果に加えて、押し込み量が蓋部材のリブ高さの2倍以下としたことにより、多孔質体のポアを破壊又は破裂させることなく、追押し込み工程を行うことができる。

0070

請求項8に記載の発明によれば、請求項5〜7のいずれかに記載の発明の効果に加えて、追押し込み工程を終了後、1分以内に蓋部材の接合を行なうことにより、容易に蓋部材の接合工程を行うことができる。

0071

請求項9に記載の発明によれば、請求項5〜8のいずれかに記載の発明の効果に加えて押し込み部材の形状が、蓋部材の容器内面形状と略同一としたことにより、多孔質体を蓋部材の形状に従って充填することが容易となり、蓋部材の接合工程を容易に行うことができる。

0072

請求項10に記載の発明によれば、多孔質体収納室に対する多孔質体の収納を、特定の多孔質体収納室から順次行うことにより、円滑に挿入工程を行うことができる。

0073

請求項11に記載の発明によれば、並び方向の1室おきの多孔質体収納室に多孔質体を収納し、次に多孔質体を挿入していない多孔室体収納室に多孔質体を挿入するため、円滑に挿入工程を行うことができる。

0074

請求項12に記載の発明によれば、請求項1〜9のいずれかに記載の発明の効果に加えて、多孔質体を複数の多孔質体収納室を有する容器に容易に挿入でき、インクカートリッジの組み立てが容易となり、更に、能率よく円滑に挿入工程を行なうことができる。

図面の簡単な説明

0075

図1インクカートリッジの斜視図。
図2インクカートリッジの断面図。
図3一室おきに多孔質体を挿入する挿入工程を示す参考断面図。
図4多孔質体を変形させた後挿入工程を行う参考断面図。
図5挿入方向を傾けた挿入工程を示す参考断面図。
図6押圧挿入を示す参考断面図。
図7追押し込み工程を示す参考断面図。
図8従来におけるインクカートリッジの製造方法を示す参考断面図。

--

0076

11…容器
12…多孔質体
13…蓋部材
14…多孔質体収納室
17…隔壁
18…インク供給孔
19…凸部
21…リブ
22…板状治具

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