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技術 摩擦摩耗試験装置および摩擦摩耗試験方法

出願人 NOK株式会社
発明者 西嶌裕一小野茂之
出願日 2000年1月28日 (20年10ヶ月経過) 出願番号 2000-024839
公開日 2001年8月3日 (19年4ヶ月経過) 公開番号 2001-208665
状態 未査定
技術分野 機械的応力負荷による材料の強さの調査
主要キーワード 試験片ホルダ 分子吸着膜 シール性低下 シール製品 摩擦摩耗試験装置 試験片ホルダー 摩擦面間 潤滑油供給ノズル
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

試験片摩擦摺動面に十分にかつ安定して潤滑剤を供給できるとともに、試験片の摩擦摺動面の潤滑状態を任意に制御でき、流体潤滑状態から潤滑油不足した混合潤滑状態まで連続的に潤滑状態を変えて試験片の摩擦摩耗特性を評価することができる摩擦摩耗試験装置および摩擦摩耗試験方法を提供する。

解決手段

試験片2が押し付けられる摩擦面16aを備える摩擦板16を支持し、摩擦板16を所定の回転数で回転させ、試験片2を保持し、試験片2を摩擦板16の摩擦面16aに所定の押圧力で押し付けつつ摩擦面16a上を移動させ、摩擦面16a上に潤滑剤を供給し、摩擦面16a上に供給された潤滑剤の試験片2と摩擦面16aとの間への侵入を摩擦面16aに潤滑油払拭板19を接触させて制限しながら試験片2の摩擦摩耗特性を試験する。

概要

背景

従来、材料の摩耗特性を評価する方法として、たとえば、実開昭62−8643号公報に開示されているようなピンオンディスク式や、テーバー式等が知られている。上記のような方式の試験機摩擦摩耗試験を行う工業製品のうち、例えば、オイルシール往復動パッキンのように潤滑油を介して摺動するエラストマー部材摩擦摺動面は、一般に、摺動面の面粗さに比べ、十分に厚い潤滑油膜が存在するいわゆる”流体潤滑”の状態で使用される。しかしながら、オイルシールや往復動パッキンは、摩擦摺動面の潤滑油膜の厚みが薄くなり、分子吸着膜境界膜)を有する摩擦面間直接接触が生じるいわゆる”境界潤滑”の状態のような過酷な使用環境で使用されることもある。このような流体潤滑と境界潤滑とが混在する”混合潤滑”の状態では、摩擦係数の増加や長期使用後潤滑油中に存在するスラッジによる摩擦摺動面の摩耗の発生等が知られており、これらがエラストマー摺動部材耐摩耗性シール性等、製品性能低下の一因となる可能性がある。このため、エラストマー摺動部材の摩擦摩耗試験においては、流体潤滑状態のみならず混合潤滑状態での摩擦摩耗の評価が必要である。

概要

試験片の摩擦摺動面に十分にかつ安定して潤滑剤を供給できるとともに、試験片の摩擦摺動面の潤滑状態を任意に制御でき、流体潤滑状態から潤滑油が不足した混合潤滑状態まで連続的に潤滑状態を変えて試験片の摩擦摩耗特性を評価することができる摩擦摩耗試験装置および摩擦摩耗試験方法を提供する。

試験片2が押し付けられる摩擦面16aを備える摩擦板16を支持し、摩擦板16を所定の回転数で回転させ、試験片2を保持し、試験片2を摩擦板16の摩擦面16aに所定の押圧力で押し付けつつ摩擦面16a上を移動させ、摩擦面16a上に潤滑剤を供給し、摩擦面16a上に供給された潤滑剤の試験片2と摩擦面16aとの間への侵入を摩擦面16aに潤滑油払拭板19を接触させて制限しながら試験片2の摩擦摩耗特性を試験する。

目的

本発明は、上述の問題に鑑みて成されたものであって、試験片の摩擦摺動面に十分にかつ安定して潤滑剤を供給できるとともに、試験片の摩擦摺動面の潤滑状態を任意に制御でき、流体潤滑状態から潤滑油が不足した混合潤滑状態まで連続的に潤滑状態を変えて試験片の摩擦摩耗特性を評価することができる摩擦摩耗試験装置および摩擦摩耗試験方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

試験片押し付けられる摩擦面を備える摩擦体を支持し、かつ当該摩擦体を所定の回転数で回転させる摩擦体支持手段と、前記試験片を保持し、かつ、当該試験片を前記摩擦体の摩擦面に所定の押圧力で押し付けつつ当該摩擦面上を移動させる試験片保持手段と、前記摩擦体の摩擦面上に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段とを有する摩擦摩耗試験装置

請求項2

前記摩擦体の摩擦面上に供給された潤滑剤の前記試験片と前記摩擦面との間への侵入を制限する潤滑剤制限手段をさらに有する請求項1に記載の摩擦摩耗試験装置。

請求項3

前記摩擦体支持手段は、前記摩擦体の摩擦面に供給された潤滑剤が遠心力により飛散しない程度の回転数で前記摩擦体を回転させる請求項1または2に記載の摩擦摩耗試験装置。

請求項4

前記潤滑剤制限手段は、前記回転する摩擦体の摩擦面に接触可能に設けられた潤滑剤払拭部材を有し、前記潤滑剤払拭部材は、回転する前記摩擦体の摩擦面への接触によって、前記試験片の配設位置に運搬される前記摩擦面に付着した潤滑剤の量を制限する請求項1〜3のいずれかに記載の摩擦摩耗試験装置。

請求項5

前記試験片保持手段は、当該試験片を前記摩擦体の摩擦面に所定の押圧力で押し付けつつ、所定の軸の回りに回転させる請求項1〜4のいずれかに記載の摩擦摩耗試験装置。

請求項6

前記潤滑剤払拭部材は、前記潤滑剤を吸収する性質を有する材料からなる請求項4または5に記載の摩擦摩耗試験装置。

請求項7

前記潤滑剤払拭部材は、前記摩擦体の回転中心から半径方向に沿って前記摩擦面に接触可能に設けられている請求項4〜6のいずれかに記載の摩擦摩耗試験装置。

請求項8

摩擦面を有する摩擦体を所定の回転数で回転させるステップと、前記摩擦体の摩擦面上に潤滑剤を供給するステップと、前記潤滑剤が供給された摩擦面に前記試験片を所定の押圧力で押し付けつつ当該試験片を前記摩擦面内で運動させるステップと、前記試験片の摩耗量から前記当該試験片の前記摩擦体に対する摩擦摩耗特性を評価するステップとを有する摩擦摩耗試験方法。

請求項9

前記試験片を前記摩擦面内で運動させるステップは、前記試験片の配設位置に運搬される前記摩擦面に供給された潤滑剤の量を制限して前記摩擦面と前記試験片との間に潤滑剤が不足した状態で行う請求項8に記載の摩擦摩耗試験方法。

請求項10

回転する前記摩擦体の摩擦面へ潤滑剤払拭部材を接触させて前記試験片の配設位置に運搬される前記摩擦面に付着した潤滑剤の量を制限する請求項9に記載の摩擦摩耗試験方法。

技術分野

0001

本発明は、摺動材料試験する摩擦摩耗試験装置および摩擦摩耗試験方法に関する。

背景技術

0002

従来、材料の摩耗特性を評価する方法として、たとえば、実開昭62−8643号公報に開示されているようなピンオンディスク式や、テーバー式等が知られている。上記のような方式の試験機で摩擦摩耗試験を行う工業製品のうち、例えば、オイルシール往復動パッキンのように潤滑油を介して摺動するエラストマー部材摩擦摺動面は、一般に、摺動面の面粗さに比べ、十分に厚い潤滑油膜が存在するいわゆる”流体潤滑”の状態で使用される。しかしながら、オイルシールや往復動パッキンは、摩擦摺動面の潤滑油膜の厚みが薄くなり、分子吸着膜境界膜)を有する摩擦面間直接接触が生じるいわゆる”境界潤滑”の状態のような過酷な使用環境で使用されることもある。このような流体潤滑と境界潤滑とが混在する”混合潤滑”の状態では、摩擦係数の増加や長期使用後潤滑油中に存在するスラッジによる摩擦摺動面の摩耗の発生等が知られており、これらがエラストマー摺動部材耐摩耗性シール性等、製品性能低下の一因となる可能性がある。このため、エラストマー摺動部材の摩擦摩耗試験においては、流体潤滑状態のみならず混合潤滑状態での摩擦摩耗の評価が必要である。

発明が解決しようとする課題

0003

ところが、上記したテーバー試験機は基本的に乾燥条件下での評価で用いられており、潤滑油を介した摩擦摩耗特性の評価には不向きである。また、ビンオンディスク型摩擦摩耗試験機は、試験片ホルダーに潤滑油を溜めて試験片を浸漬した状態で試験する事により、摩擦摺動面に十分な潤滑油が存在する状態での試験は可能であるが摺動速度が高い条件では、潤滑油が遠心力のため試験片ホルダーの外側に偏在してしまうため、摩擦摺動面に潤滑油がゆきわたらなくなるなどの不具合が発生しやすい。また、高速摺動面に潤滑油を供給する方法として、たとえば、特開平3−146844号公報に開示されているように、回転円筒内壁面を利用した摩耗試験方法が知られているが、この方法は、円筒の回転速度が低いと、潤滑油や潤滑油中の不溶成分重力により下部に溜まりやすいという欠点がある。その他、摩擦摺動面への潤滑油の供給法方法としては、たとえば、実開平4−38551号公報、特開平6−102160号公報等に互いに押し付ける試験片の一方に潤滑材供給用口を設ける方法が提案されているが、これらの方法によれば、十分な潤滑状態を得ることはできるが上述した混合潤滑の状態に制御することは困難である。このため、従来においては、シール性低下の一因と考えられる混合潤滑の状態で発生する特異的な摩擦摩耗の評価が困難であった。

0004

本発明は、上述の問題に鑑みて成されたものであって、試験片の摩擦摺動面に十分にかつ安定して潤滑剤を供給できるとともに、試験片の摩擦摺動面の潤滑状態を任意に制御でき、流体潤滑状態から潤滑油が不足した混合潤滑状態まで連続的に潤滑状態を変えて試験片の摩擦摩耗特性を評価することができる摩擦摩耗試験装置および摩擦摩耗試験方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

本発明の摩擦摩耗試験装置は、試験片が押し付けられる摩擦面を備える摩擦体を支持し、かつ当該摩擦体を所定の回転数で回転させる摩擦体支持手段と、前記試験片を保持し、かつ、当該試験片を前記摩擦体の摩擦面に所定の押圧力で押し付けつつ当該摩擦面上を移動させる試験片保持手段と、前記摩擦体の摩擦面上に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段とを有する。

0006

本発明の摩擦摩耗試験装置は、前記摩擦体の摩擦面上に供給された潤滑剤の前記試験片と前記摩擦面との間への侵入を制限する潤滑剤制限手段をさらに有する。

0007

前記摩擦体支持手段は、前記摩擦体の摩擦面に供給された潤滑剤が遠心力により飛散しない程度の回転数で前記摩擦体を回転させる。

0008

好適には、前記潤滑剤制限手段は、前記回転する摩擦体の摩擦面に接触可能に設けられた潤滑剤払拭部材を有し、前記潤滑剤払拭部材は、回転する前記摩擦体の摩擦面への接触によって、前記試験片の配設位置に運搬される前記摩擦面に付着した潤滑剤の量を制限する。

0009

好適には、前記試験片保持手段は、当該試験片を前記摩擦体の摩擦面に所定の押圧力で押し付けつつ、所定の軸の回りに回転させる。

0010

好適には、前記潤滑剤払拭部材は、前記潤滑剤を吸収する性質を有する材料からなる。

0011

好適には、前記潤滑剤払拭部材は、前記摩擦体の回転中心から半径方向に沿って前記摩擦面に接触可能に設けられている。

0012

本発明の摩擦摩耗試験方法は、摩擦面を有する摩擦体を所定の回転数で回転させるステップと、前記摩擦体の摩擦面上に潤滑剤を供給するステップと、前記潤滑剤が供給された摩擦面に前記試験片を所定の押圧力で押し付けつつ当該試験片を前記摩擦面内で運動させるステップと、前記試験片の摩耗量から前記当該試験片の前記摩擦体に対する摩擦摩耗特性を評価するステップとを有する。

0013

前記試験片を前記摩擦面内で運動させるステップは、前記試験片の配設位置に運搬される前記摩擦面に供給された潤滑剤の量を制限して前記摩擦面と前記試験片との間に潤滑剤が不足した状態で行う。

0014

本発明では、回転する摩擦体の摩擦面に潤滑剤を供給し、試験片をこの摩擦面内で運動させながら試験片の摩擦摩耗試験を行う。このとき、摩擦体を摩擦面に供給された潤滑剤が遠心力により飛散しない程度の回転数で回転させることで、潤滑剤を十分にかつ安定して試験片と摩擦面との間に供給され、流体潤滑状態で摩擦摩耗試験を行うことができる。また、本発明では、回転する摩擦体の摩擦面に潤滑剤を供給することで、試験片と摩擦面との間に潤滑剤を安定して供給できるとともに、試験片の摩擦面内での移動速度、具体的には、回転数を変化させることで、試験片と摩擦面との間の摺動速度を任意に設定でき、高い摺動速度にしても安定的に試験片と摩擦面との間に潤滑剤を供給することができる。さらに、本発明では、摩擦体の摩擦面に供給された潤滑剤の試験片と摩擦面との間への侵入を潤滑剤制限手段によって適宜制限することで、試験片と摩擦面との間の潤滑状態が潤滑剤が不足した混合潤滑状態とすることができる。たとえば、回転する摩擦面に潤滑剤払拭部材を接触させることで、試験片の配設位置に運搬される摩擦体の摩擦面に供給された潤滑剤の量を制限することができる。また、回転する摩擦面に潤滑剤が十分に供給された状態で潤滑剤払拭部材を接触させることで、試験片と摩擦面との間に供給される潤滑剤の量は徐々に減少し、流体潤滑状態から混合潤滑状態に連続的に変化する。

発明を実施するための最良の形態

0015

以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る摩擦摩耗試験装置の構成図である。図1において、本実施形態に係る摩擦摩耗試験装置1は、試験片2を保持する試験片ホルダ3と、試験片ホルダ3とトルク計4を介して回転軸5によって連結されたモータ6と、回転軸5のモータ6側の軸端に固定されたウエイト7と、モータ6と一端が連結され支持柱9に設けられた支軸9aを中心に回転自在に支持された支持部材8と、支持部材8の他端部に設けられた連結軸11に移動可能に設けられたカウンタウエイト10と、支持部材8の変位量を測定する変位計21とを備えている。上記の試験片ホルダ3、ウエイト7、モータ6、支持部材8およびカウンタウエイト10によって本発明の試験片保持手段を構成している。また、摩擦摩耗試験装置1は、円盤状の摩擦板16を支持する回転ディスク17と、回転ディスク17を回転自在に保持し回転ディスク17を所定の回転数で回転させるモータ18とを備えている。摩擦板16は、本発明の摩擦体の一具体例に対応しており、摩擦板16、回転ディスク17およびモータ18は本発明の摩擦体支持手段を構成している。さらに、摩擦摩耗試験装置1は、潤滑油を貯留する潤滑油貯留槽31と、潤滑油貯留槽31に貯留された潤滑油を吸い上げるマイクロポンプ32と、マイクロポンプ32が吸い上げた潤滑油を摩擦板16の摩擦面16aに供給する潤滑油供給ノズル33とを備えている。これら潤滑油貯留槽31、マイクロポンプ32および潤滑油供給ノズル33が本発明の潤滑剤供給手段を構成している。また、摩擦摩耗試験装置1は、図示しない移動装置によって保持され、摩擦板16の摩擦面16aに接触可能に設けられた潤滑油払拭板19を備えており、この潤滑油払拭板19は本発明の潤滑剤払拭部材の一具体例に対応している。

0016

試験片2は、摩擦板16に対する摩擦摩耗特性を評価する対象であり、たとえば、Oリング等のシール製品に使用されるエラストマー材料である。この試験片2の形状は、限定しないが、例えば、試験片ホルダー3に装着しやすいように円筒状にあらかじめ成形されたものが用いられ、一端面が摩擦板16の摩擦面16aに押し付けられる。

0017

試験片ホルダ3は、試験片2を保持しているとともに、モータ6の回転軸5に連結されており、モータ6の駆動によって回転軸5を中心に回転する。試験片ホルダ3の形状は、限定しないが、例えば、2個の同形状の試験片2を回転軸5に関して対称な位置に保持して用いることができる。

0018

トルク計4は、モータ6の回転軸5に印加されるトルクを検出する。モータ6の回転軸5にかかるトルクは、試験片ホルダ3に保持された試験片2の端面(摩擦摺動面)を摩擦板16の摩擦面16aに押し付けたとき、試験片2の摩擦摺動面と摩擦板16の摩擦面16aとの間に発生する摩擦力に応じて変化する。このため、トルク計4の測定したトルクから試験片2の摩擦摺動面と摩擦板16の摩擦面16aとの間に発生する摩擦力を測定することができる。

0019

モータ6は、試験片ホルダ3を所定の回転数で図1に示す矢印R2の向きに回転させる。試験片ホルダ3の回転数は、試験片2の摩擦摺動面の摩擦板16の摩擦面16aに対する所望の摺動速度に応じて設定される。

0020

ウエイト7は、所定の質量の重りであり、モータ6の回転軸5の端部に固定されており、試験片2を摩擦板16の摩擦面16aに押圧する押圧力を試験片ホルダ3に与える。支持部材8の一端は、トルク計4およびモータ6と連結されており、他端には連結軸11が固定され、この連結軸11にはねじ部が形成されている。カウンタウエイト10は、所定の重量の重りであり、この連結軸11に螺合するねじ孔が形成されており、カウンタウエイト10を回転させることによって、連結軸11に対するカウンタウエイト10の位置が調整可能になっている。支持部材8は、支軸9aを介して支持柱9に回転自在に支持されており、カウンタウエイト10の荷重は試験片2を摩擦板16の摩擦面16aから離隔させる向きの力として作用し、カウンタウエイト10の位置を調整することにより、試験片2を摩擦板16の摩擦面16aに押圧する押圧力を任意に調整することができる。

0021

変位計21は、支持部材8の回転位置を検出する。すなわち、試験片2が摩擦板16の摩擦面16aとの摩擦によって摩耗すると、この摩耗量の分だけ、支持部材8は支軸9aを中心に回転する。この回転量を変位計21で計測することにより、試験片2の摩耗量を特定することができる。

0022

摩擦板16は、円盤状の部材からなり、試験片2の摩擦摺動面の面積に比べて十分に広い面積の摩擦面16aを備えている。この摩擦板16の形成材料は、たとえば、アルミニウム等の金属板樹脂、エラストマー等の材料が挙げられるが、これらの材料に特に、限定されるわけではない。また、摩擦板16の摩擦面16aは、たとえば、サンドペーパ等を用いて粗面加工してもよい。

0023

回転ディスク17は、摩擦板16の摩擦面16aの反対面を支持する支持面を備えており、この支持面に摩擦板16は、たとえば、接着剤等の接合手段によって固定されている。モータ18は、回転ディスク17を図1に示す矢印R2の向きに所定の回転数で回転させる。回転の向きは、上記の試験片ホルダ3とは逆向きになっている。この回転数は、たとえば、500rpm以下であり、好適には、6〜60rpm程度である。

0024

潤滑油貯留槽31は、試験片2の摩擦摺動面と摩擦板16の摩擦面16aとの間を潤滑するための潤滑油(潤滑剤)を貯留している。マイクロポンプ32は、潤滑油貯留槽31に貯留された潤滑油を吸い上げ、一定の供給量で潤滑油供給ノズル33に供給する。

0025

潤滑油供給ノズル33は、摩擦板16の摩擦面16aの上方に配置されており、マイクロポンプ32から供給された潤滑油を摩擦面16aに供給する。潤滑油供給ノズル33の摩擦板16の摩擦面16aに対する配置は特に限定されないが、摩擦板16の摩擦面16aの回転中心付近が好ましい。摩擦板16の摩擦面16aの回転中心付近に潤滑油を供給することで、潤滑油は回転する摩擦板16の遠心力によって、摩擦面16aの全面に拡散しやすいからである。

0026

潤滑油払拭板19は、図1に示す矢印A1およびA2方向に潤滑油払拭板19を移動させる図示しない移動機構によって保持されており、この移動機構により回転する摩擦板16の摩擦面16aへ接触することによって、試験片2の配設位置に運搬される摩擦面16Aに付着した潤滑油の量を制限する。具体的には、潤滑油払拭板19は、また、潤滑油払拭板19の摩擦板16の摩擦面16a上での配置は特に限定されないが、たとえば、摩擦板16の摩擦面16aの中心部付近から摩擦板16の半径方向に配置する。また、潤滑油払拭板19の長さは、少なくとも摩擦板16の半径程度とする。また、潤滑油払拭板19の形成材料は、摩擦板16の摩擦面16aとの間で発生する摩擦力が比較的小さい材料であれば特に限定されないが、たとえば、紙や布等の潤滑油を吸収する性質の材料を用いることができる。また、ゴムや樹脂等の非吸収性の材料を用いてもよい。

0027

次に、上記構成の摩擦摩耗試験装置1を用いた摩擦摩耗試験方法について説明する。試験片2と摩擦板16の摩擦面16aとの間に潤滑油が十分に介在した状態(流体潤滑状態)での摩擦摩耗試験について図2を参照して説明する。なお、図2(a)は摩擦摩耗試験装置1において摩擦摩耗試験を行っている際の平面図であり、図2(b)は側面図である。

0028

まず、摩擦摩耗特性を評価すべき試験片2を試験片ホルダ3に固定し、図2(b)に示すように、上記したカウンタウエイト11の位置を調整して試験片2の摩擦摺動面を摩擦板16の摩擦面16aに所定の押圧力Fで押し付ける。

0029

次いで、図2に示すように、モータ18を駆動して摩擦板16を矢印R1の向きに所定の回転数で回転させる。摩擦板16の回転数は、たとえば、500rpm以下とし、好ましくは、6〜60rpm程度の値とする。すなわち、摩擦板16の回転数が高すぎると、摩擦板16の摩擦面16aに供給される潤滑油が遠心力によって、摩擦板16の外周に飛散してしまい、試験片2の摩擦摺動面と摩擦板16の摩擦面16aとの間に潤滑油が十分に供給されない。また、摩擦板16の回転数が極端に低いと、潤滑油が摩擦板16の摩擦面16a上に供給されてから試験片2の配設位置まで運搬されるまで長時間を要し潤滑油の供給が滯ってしまい、また、摩擦板16の摩擦面16a上に供給された潤滑油が摩擦面16a上で拡がりにくい。このため、摩擦板16の摩擦面16aに供給された潤滑油が遠心力により飛散しない程度の回転数で回転させるのが好ましい。

0030

また、モータ6を駆動して、試験片2が摩擦板16の摩擦面16aに押し付けられた状態にある試験片ホルダ3を矢印R2の向きに所定の回転数で回転させる。これにより、試験片ホルダ3に固定された試験片2は、摩擦板16の摩擦面16a内で回転軸5から所定の半径の位置を回転するように運動する。試験片ホルダ3の回転数は、試験片2の摩擦板16の摩擦面16aに対する摺動速度が所定の値になるように設定する。

0031

次いで、潤滑油供給ノズル33から摩擦板16の摩擦面16a上に潤滑油Oを一定の供給量で供給する。摩擦板16の摩擦面16a上に供給された潤滑油Oは、摩擦板16が回転していることから、回転する試験片ホルダ3に固定された試験片2まで運搬される。また、摩擦板16の摩擦面16a上に供給された潤滑油Oは、遠心力によって、摩擦面16aの全体に拡がる。これにより、回転する試験片ホルダ3に固定された試験片2の摩擦摺動面と摩擦板16の摩擦面16aとの間には、常に安定的にかつ十分な量の潤滑油Oが供給され、試験片2の摩擦摺動面と摩擦板16の摩擦面16aとの間が潤滑される。また、試験片ホルダ3の回転数を変更して試験片2の摺動速度を変更しても、摩擦板16の回転数は一定であるので、試験片2の摩擦摺動面と摩擦板16の摩擦面16aとの間には、常に安定的にかつ十分な量の潤滑油Oが供給され、試験片2の摺動速度を高くしても試験片2の摩擦摺動面と摩擦板16の摩擦面16aとの間に供給される潤滑油Oの供給量が不足することがない。

0032

試験片2の摩擦摺動面と摩擦板16の摩擦面16aとの間が潤滑されていない状態から潤滑状態に変化したことは、試験片ホルダ3を回転させるモータ6の回転軸5にかかるトルクをトルク計4で検出することで検知できる。すなわち、試験片2の摩擦摺動面と摩擦板16の摩擦面16aとの間が非潤滑状態では、試験片2の摩擦摺動面と摩擦板16の摩擦面16aとの間に発生する摩擦力が大きく、試験片2の摩擦摺動面と摩擦板16の摩擦面16aとの間が潤滑油Oによって潤滑されると、試験片2の摩擦摺動面と摩擦板16の摩擦面16aとの間に発生する摩擦力が低下し、これに応じてトルク計4で検出するトルクの値も低下することから検知できる。

0033

上記のように、十分量の潤滑油Oによって試験片2の摩擦摺動面と摩擦板16の摩擦面16aとの間が潤滑された状態で、試験片2を摩擦板16の摩擦面16aに対して摺動させた後、所定の評価方法にしたがって試験片2の摩擦板16に対する摩擦摩耗特性を評価する。試験片2の摩擦摩耗特性の評価の際に必要な試験片2の摩耗量は、上記した変位計21の測定量から求めることができる。あるいは、試験終了後の試験片2の形状または重量を試験開始前の試験片2の形状または重量と比較することで求めることができる。

0034

次に、流体潤滑状態の摩擦摺動面から潤滑油を徐々に取り除き、摩擦摺動面を潤滑不足の状態(混合潤滑状態)に制御した場合における摩擦摩耗試験方法について図3を参照して説明する。なお、図3(a)は摩擦摩耗試験装置1において混合潤滑状態で摩擦摩耗試験を行っている際の平面図であり、図3(b)は側面図である。まず、上記したように、試験片2と摩擦板16の摩擦面16aとの間に潤滑油が十分に介在した状態にある摩擦摩耗試験装置1において、潤滑油供給ノズル33からの潤滑油Oの供給を少なくするか、停止した状態とする。この状態から、図3(b)に示すように、潤滑油払拭板19を下降させて、摩擦板16の摩擦面16aに接触させる。

0035

潤滑油払拭板19を摩擦板16の摩擦面16aに接触させると、摩擦板16の摩擦面16aに付着した過剰な潤滑油Oは、図3(a)に示すように、潤滑油払拭板19の一側面によって運搬が阻止され、潤滑油払拭板19の一側面側滞留した状態になる。潤滑油払拭板19の形成材料として、紙や布等の吸油性の材料を用いれば、運搬が阻止され潤滑油払拭板19の一側面側に滞留した潤滑油Oは潤滑油払拭板19に吸収されることになる。

0036

この潤滑油払拭板19による潤滑油Oの運搬の阻止作用によって、試験片2の摩擦摺動面と摩擦板16の摩擦面16aとの間に運ばれる潤滑油の量は徐々に減少する。試験片2の摩擦摺動面と摩擦板16の摩擦面16aとの間に運ばれる潤滑油の量が減少すると、試験片2の摩擦摺動面と摩擦板16の摩擦面16aとの間の潤滑状態は、流体潤滑と境界潤滑とが混在する混合潤滑の状態に移行する。

0037

この試験片2の摩擦摺動面と摩擦板16の摩擦面16aとの間の潤滑状態が混合潤滑状態になったことは、トルク計4の検出値から検知できる。すなわち、混合潤滑の状態では、試験片2と摩擦板16の摩擦面16aとの間に発生する摩擦力が、流体潤滑状態での摩擦力より大きく、乾燥状態での摩擦力より小さい範囲になるので、潤滑状態に応じてトルク計4の検出値も変化するため、トルク計4の値から混合潤滑の状態を確認できる。

0038

このような混合潤滑状態で、試験片2を摩擦板16の摩擦面16aに対して摺動させた後、所定の評価方法にしたがって試験片2の摩擦板16に対する摩擦摩耗特性を評価する。上述したのと同様に、試験片2の摩擦摩耗特性の評価の際に必要な試験片2の摩耗量は、上記した変位計21の測定量から求めることができる。あるいは、試験終了後の試験片2の形状または重量を試験開始前の試験片2の形状または重量と比較することで求めることができる。

0039

実施例
次に、上記構成の摩擦摩耗試験装置による潤滑状態の制御の具体例について説明する。図4は、上記構成の摩擦摩耗試験装置1において潤滑状態を種々に変化させたときの摩擦力の変化を示すグラフである。また、表1はこのとき使用した試験片2の材料の組成を示している。

0040

0041

試験片2は、表1に示した組成の材料を1次加硫170℃、6分間の金型圧縮成形により外径30mm、内径26mm、高さ20mmの円筒状に成形した後、2次加硫を200℃で22時間実施して架橋を完了させて作製した。また、試験片2は、試験片ホルダ3に固定し、試験片2の回転速度(摩擦面16aに対する摺動速度)が200rpm(0.6m/s)となるように試験片ホルダ3を回転させた。摩擦板16には、アルミニウム円板を用い、表面をサンドペ−パ−#1500で研磨して摩擦面16aとし、60rpmで回転させた。さらに、試験片2は、摩擦板16に対して11.8Nの荷重で接触摺動させた。

0042

上記の条件(無潤滑状態)における試験片2の摩擦摺動面と摩擦板16の摩擦面16aとの間の摩擦係数は約0.54であり、図4のa領域に示すように、試験片2と摩擦板16との間に発生する摩擦力は約6Nであった。

0043

この状態で、潤滑油(キャッスルディゼルオイルニュスペシャル10W−30)を0.4g/minの供給量で30秒間摩擦板16の摩擦面16a上に供給した。図4の領域bに示すように、試験片2の摩擦摺動面と摩擦板16の摩擦面16aとの間の摩擦係数は急激に低下し、約0.04となり、試験片2と摩擦板16との間に発生する摩擦力も0.5N程度となった。

0044

さらに、上記の状態から、試験片2の回転数(摺動速度)を600rpm(1.8m/s)に約30秒間増加させると、図4の領域cに示すように、試験片2と摩擦板16との間の摩擦係数は約0.05となり僅かに増加した。試験片2と摩擦板16との間に発生する摩擦力も1.0N程度となった。試験片2を保持する試験片ホルダ3の回転数を200rpmに戻すと、試験片2と摩擦板16との間の摩擦係数も約0.04に戻った。これらのことから、試験片2の摩擦摺動面と摩擦板16の摩擦面16aとは油膜を介した潤滑状態にあると考えられる。

0045

次に、図4の領域dに示すように、吸油性の紙で作製した潤滑油払拭板19を、摩擦板16の摩擦面16aに約30秒間接触させると、試験片2の摩擦摺動面と摩擦板16の摩擦面16aとの間の摩擦係数が乾燥摺動時(領域a)の約半分の約0.25まで上昇した。

0046

さらに、図4の領域eに示すように、この状態から約1分間、試験片2の回転速度(摺動速度)を600rpm(1.8m/s)に増加させると、試験片2の摩擦摺動面と摩擦板16の摩擦面16aとの間の摩擦係数は約0.54となり、潤滑油無しの時(領域a)と同等のレベルまで上昇した。このことから、試験片2の回転速度(摺動速度)を増加させると、試験片2の摩擦摺動面と摩擦板16の摩擦面16aとの間の油膜切れがさらに進行した状態になったと考えられる。

0047

この状態から、図4の領域dに示すように、試験片2の回転数を200rpmに戻すと、試験片2の摩擦摺動面と摩擦板16の摩擦面16aとの間の摩擦係数も約0.25に戻った。このことから、摩擦摺動面が部分的に油膜を介した潤滑不足の摺動状態にあると考えられる。

0048

以上のように、本実施形態に係る摩擦摩耗試験装置1によれば、試験片2の摩擦摺動面と摩擦板16の摩擦面16aとの間の潤滑状態を、潤滑油が無い状態、十分量の潤滑油が供給された流体潤滑状態あるいは潤滑油が不足した混合潤滑状態のように種々の潤滑状態に制御できる。さらに、各潤滑状態への移行を連続的に行うことができる。この結果、試験片2の摩擦板16の摩擦面16aに対する摩擦摩耗特性を任意の潤滑状態で行うことができ、特に、混合潤滑状態で発生する特異的な摩擦摩耗特性を評価することができる。

発明の効果

0049

本発明によれば、試験片の摩擦摺動面に十分にかつ安定して潤滑剤を供給できる。また、本発明によれば、試験片の摩擦摺動面の潤滑状態を任意に制御でき、流体潤滑状態から潤滑油が不足した混合潤滑状態まで連続的に潤滑状態を変えて試験片の摩擦摩耗特性を評価することができる。

図面の簡単な説明

0050

図1本発明の一実施形態に係る摩擦摩耗試験装置の構成図である。
図2(a)は摩擦摩耗試験装置1において流体潤滑状態で摩擦摩耗試験を行っている際の平面図であり、(b)は側面図である。
図3(a)は摩擦摩耗試験装置1において混合潤滑状態で摩擦摩耗試験を行っている際の平面図であり、(b)は側面図である。
図4潤滑状態を種々に変化させたときの摩擦力の変化を示すグラフである。

--

0051

1…摩擦摩耗試験装置
2…試験片
3…試験片ホルダ
4…トルク計
5…回転軸
6…モータ
7…ウエイト
8…支持部材
9…支持柱
10…カウンタウエイト
11…連結軸
16…摩擦板
16a…摩擦面
17…回転ディスク
18…モータ
19…潤滑油払拭板
21…変位計
31…潤滑油貯留槽
32…マイクロポンプ
33…潤滑油供給ノズル

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