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技術 吸収液濃縮器及び該吸収液濃縮器を用いた吸収冷凍機

出願人 川重冷熱工業株式会社
発明者 中島邦彦斉藤健一荒井英治大田益臣
出願日 2000年1月18日 (20年3ヶ月経過) 出願番号 2000-008433
公開日 2001年7月27日 (18年9ヶ月経過) 公開番号 2001-201202
状態 特許登録済
技術分野 蒸気ボイラの種類 収着式冷凍機械 ボイラ、アナライザ、精溜器、吸収器、吸着器
主要キーワード コントロール盤 二重遮断 構造規格 気液分離板 連成計 省エネルギー率 加熱交換器 溶液導入路
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図面 (14)

課題

吸収冷凍機の小型化、簡素化を図り、かつ、省エネルギーとなる運転を行うことができるようにする。

解決手段

吸収液蒸気とを分離する貫流ボイラ式の吸収液濃縮器68と、吸収冷凍機70とを一体的に組み合わせ、吸収液濃縮器68からの蒸気を蒸気抜導管28を介して高温再生器87の加熱側に供給できるように接続し、吸収液濃縮器68からの吸収液を吸収液抜出導管30を介して高温再生器87の被加熱側に供給できるように接続し、吸収冷凍機70からの吸収液を吸収液供給管42を介して吸収液濃縮器68の下部管寄せに供給できるように接続する。

概要

背景

従来の蒸気二重効用式吸収冷凍機は、他に設置されたボイラから蒸気(スチーム)の供給を受け、それを加熱用熱源として内部溶液濃縮に利用し、濃縮した溶液によって容器内を高真空に維持し、冷媒を連続的に吸収することで冷房運転サイクルが成り立っている。

特許第2960805号公報には、希溶液を再生器内に導入する希溶液導入路と、再生された再生液導出される再生器出口部に気液分離器とを備えた吸収式冷温水機の再生器であって、再生器内における希溶液の加熱・沸騰貫流方式でおこなう加熱・沸騰系を備えるとともに、気液分離器で分離された溶液が、気液分離器から希溶液導入路に導かれる連通戻り路を設け、この連通戻り路に希溶液導入路から気液分離器へ溶液が移流するのを防止する逆止弁を備えた再生器が記載されている。

概要

吸収冷凍機の小型化、簡素化を図り、かつ、省エネルギーとなる運転を行うことができるようにする。

吸収液と蒸気とを分離する貫流ボイラ式の吸収液濃縮器68と、吸収冷凍機70とを一体的に組み合わせ、吸収液濃縮器68からの蒸気を蒸気抜導管28を介して高温再生器87の加熱側に供給できるように接続し、吸収液濃縮器68からの吸収液を吸収液抜出導管30を介して高温再生器87の被加熱側に供給できるように接続し、吸収冷凍機70からの吸収液を吸収液供給管42を介して吸収液濃縮器68の下部管寄せに供給できるように接続する。

目的

本発明は上記の諸点に鑑みなされたもので、本発明の目的は、吸収液と蒸気とを分離する貫流ボイラ式の、吸収冷凍機と一体に組み合わせるための専用の吸収液濃縮器を提供することにある。また、本発明の目的は、上記の吸収液濃縮器と吸収冷凍機との一体的な組合せにより、装置の小型化や装置の簡素化が可能になり、かつ、省エネルギーとなる運転を行うことができ、また、熱回収による効率アップも可能になる貫流ボイラ式の吸収液濃縮器を備えた吸収冷凍機を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

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請求項1

上部と下部に環状の管寄せを備え、これらの管寄せ間に多数の上昇管を設け、上部中央部に燃焼装置を備え、吸収液を下部管寄せに導入して加熱濃縮し上部管寄せから気液混合物を取り出すようにした貫流濃縮器と、この貫流式濃縮器に気液混合物導管を介して接続された気液分離器と、気液分離器の上部に接続された蒸気抜出導管と、気液分離器の下部近傍に接続された吸収液抜出導管と、気液分離器の下部と貫流式濃縮器の下部管寄せとを接続する吸収液循環導管と、この吸収液循環導管に接続された、吸収液供給ポンプを有する吸収液供給管とを備えたことを特徴とする吸収液濃縮器。

請求項2

吸収液循環導管と吸収液供給管の合流部の上流側の吸収液循環導管に絞り部が設けられた請求項1記載の吸収液濃縮器。

請求項3

絞り部がオリフィス又は弁である請求項2記載の吸収液濃縮器。

請求項4

蒸気抜出導管に温度センサーが、気液分離器の本体側部の略中央部に液センサーが、吸収液抜出導管に温度センサーが設けられるとともに、燃焼装置に接続された燃料供給管燃料遮断弁が設けられ、上記二つの温度センサー、液センサー、燃料遮断弁及び吸収液供給ポンプが運転コントロール盤電気的に接続されて、吸収液温度蒸気温度を単独に又は同時に検知して該温度が設定温度から外れると燃料遮断弁を閉として燃料供給を停止し、液センサーにより吸収液供給量の低下を検知すると燃料遮断弁を閉として燃料供給を停止するように安全回路が構成された請求項1、2又は3記載の吸収液濃縮器。

請求項5

吸収液供給ポンプとインターロックを組み、該ポンプが停止した場合にも燃料供給を停止するように二重遮断回路が構成された請求項4記載の吸収液濃縮器。

請求項6

二重効用式吸収冷凍機と請求項1〜5のいずれかに記載の吸収液濃縮器とからなり、吸収液濃縮器からの蒸気を蒸気抜出導管を介して高温再生器加熱側に供給できるように接続し、吸収液濃縮器からの吸収液を吸収液抜出導管を介して高温再生器の被加熱側に供給できるように接続し、吸収冷凍機からの吸収液を吸収液供給管を介して吸収液濃縮器の下部管寄せに供給できるように接続したことを特徴とする吸収液濃縮器を用いた吸収冷凍機。

請求項7

一重効用式吸収冷凍機と請求項1〜5のいずれかに記載の吸収液濃縮器とからなり、吸収液濃縮器からの蒸気を蒸気抜出導管を介して再生器の加熱側に供給できるように接続し、吸収液濃縮器からの吸収液を吸収液抜出導管を介して再生器の被加熱側に供給できるように接続し、吸収冷凍機からの吸収液を吸収液供給管を介して吸収液濃縮器の下部管寄せに供給できるように接続したことを特徴とする吸収液濃縮器を用いた吸収冷凍機。

請求項8

吸収液を吸収器から順に低温熱交換器低温再生器高温熱交換器、高温再生器、高温熱交換器及び低温熱交換器を経て吸収器に循環させるように構成され、低温再生器を出て高温再生器へ供給される中間濃縮吸収液の一部を、吸収器へ戻る濃吸収液配管バイパスさせるバイパス管を備えるリバースサイクル蒸気式吸収冷凍機において、高温再生器から高温熱交換器へ戻る吸収液配管に、高温再生器からの吸収液の少なくとも一部を抽出して請求項1〜5のいずれかに記載の吸収液濃縮器の下部管寄せに供給する溶液供給手段と、溶液供給手段からの吸収液を加熱濃縮する上記吸収液濃縮器とを直列に接続し、溶液供給手段と吸収液濃縮器との間に、高温再生器からの濃吸収液と吸収液濃縮器で加熱濃縮された吸収液とを熱交換する付加熱交換器を設け、吸収液濃縮器で加熱濃縮された吸収液を付加熱交換器の加熱側に戻すように、吸収液濃縮器と付加熱交換器とが吸収液抜出導管で接続され、一方、吸収液濃縮器において加熱濃縮された吸収液から蒸発した冷媒蒸気を高温再生器に加熱源として供給するように、吸収液濃縮器と高温再生器とが蒸気抜出導管で接続されたことを特徴とする吸収液濃縮器を用いた吸収冷凍機。

請求項9

吸収液を吸収器から順に低温熱交換器、再生器及び低温熱交換器を経て吸収器に循環させるように構成された蒸気式吸収冷凍機において、再生器から低温熱交換器へ戻る吸収液配管に、再生器からの吸収液の少なくとも一部を抽出して請求項1〜5のいずれかに記載の吸収液濃縮器の下部管寄せに供給する溶液供給手段と、溶液供給手段からの吸収液を加熱濃縮する上記吸収液濃縮器とを直列に接続し、溶液供給手段と吸収液濃縮器との間に、再生器からの濃吸収液と吸収液濃縮器で加熱濃縮された吸収液とを熱交換する付加熱交換器を設け、吸収液濃縮器で加熱濃縮された吸収液を付加熱交換器の加熱側に戻すように、吸収液濃縮器と付加熱交換器とが吸収液抜出導管で接続され、一方、吸収液濃縮器において加熱濃縮された吸収液から蒸発した冷媒蒸気を再生器に加熱源として供給するように、吸収液濃縮器と再生器とが蒸気抜出導管で接続されたことを特徴とする吸収液濃縮器を用いた吸収冷凍機。

技術分野

(2)吸収液循環導管オリフィス、弁などの絞り部を設ける場合は、本体上昇管内部の蒸気圧水位差液位差)及び絞り(抵抗)の効果により、吸収液供給ポンプから加圧、供給される吸収液の逆流を防止することができ、円滑な運転を継続することができる。

背景技術

0001

本発明は、吸収液と蒸気とを分離する貫流ボイラ式の吸収液濃縮器及びこの吸収液濃縮器を一体に組み合わせた吸収冷凍機に関するものである。ここに、吸収冷凍機には、吸収冷温水機も含まれるものとする。

0002

従来の蒸気二重効用式吸収冷凍機は、他に設置されたボイラから蒸気(スチーム)の供給を受け、それを加熱用熱源として内部溶液濃縮に利用し、濃縮した溶液によって容器内を高真空に維持し、冷媒を連続的に吸収することで冷房運転サイクルが成り立っている。

発明が解決しようとする課題

0003

特許第2960805号公報には、希溶液を再生器内に導入する希溶液導入路と、再生された再生液導出される再生器出口部に気液分離器とを備えた吸収式冷温水機の再生器であって、再生器内における希溶液の加熱・沸騰貫流方式でおこなう加熱・沸騰系を備えるとともに、気液分離器で分離された溶液が、気液分離器から希溶液導入路に導かれる連通戻り路を設け、この連通戻り路に希溶液導入路から気液分離器へ溶液が移流するのを防止する逆止弁を備えた再生器が記載されている。

0004

前述の従来の蒸気二重効用式吸収冷凍機において、ボイラと吸収冷凍機を完全閉サイクルとなるように配管で接続し、一体化して運転できるサイクルを組むことができれば、従来の二重効用サイクルに比べて大幅に省エネルギーとなる運転を行うことが可能になる。すなわち、ボイラと吸収冷凍機を一体に組み合わせることで、新しい運転サイクル(高効率サイクル)が成立する。

0005

前記の特許第2960805号公報記載の再生器においては、気液分離器から再生器に希液を導入するための通路に、気液分離器へ溶液が移流するのを防止するための逆止弁が設けられている。しかしながら、この位置に逆止弁を付けると、起動時や低負荷時に吸収液が循環し難くなるという問題が生じる。詳細は図12及び図13に基づいて後述する。

課題を解決するための手段

0006

本発明は上記の諸点に鑑みなされたもので、本発明の目的は、吸収液と蒸気とを分離する貫流ボイラ式の、吸収冷凍機と一体に組み合わせるための専用の吸収液濃縮器を提供することにある。また、本発明の目的は、上記の吸収液濃縮器と吸収冷凍機との一体的な組合せにより、装置の小型化や装置の簡素化が可能になり、かつ、省エネルギーとなる運転を行うことができ、また、熱回収による効率アップも可能になる貫流ボイラ式の吸収液濃縮器を備えた吸収冷凍機を提供することにある。

0007

上記の目的を達成するために、本発明の吸収液濃縮器は、上部と下部に環状の管寄せを備え、これらの管寄せ間に多数の上昇管を設け、上部中央部に燃焼装置を備え、吸収液を下部管寄せに導入して加熱濃縮し上部管寄せから気液混合物を取り出すようにした貫流式濃縮器と、この貫流式濃縮器に気液混合物導管を介して接続された気液分離器と、気液分離器の上部に接続された蒸気抜出導管と、気液分離器の下部近傍に接続された吸収液抜出導管と、気液分離器の下部と貫流式濃縮器の下部管寄せとを接続する吸収液循環導管と、この吸収液循環導管に接続された、吸収液供給ポンプを有する吸収液供給管とを備えて構成されている(図1図3参照)。

0008

この吸収液濃縮器において、吸収液循環導管と吸収液供給管の合流部の上流側の吸収液循環導管に絞り部が設けられた構成とすることが好ましい(図2参照)。絞り部としてはオリフィス又は弁が用いられる(図2参照)。

0009

上記の吸収液濃縮器において、蒸気抜出導管に温度センサーが、気液分離器の本体側部の略中央部に液センサーが、吸収液抜出導管に温度センサーが設けられるとともに、燃焼装置に接続された燃料供給管燃料遮断弁が設けられ、上記二つの温度センサー、液センサー、燃料遮断弁及び吸収液供給ポンプが運転コントロール盤電気的に接続されて、吸収液温度蒸気温度を単独に又は同時に検知して該温度が設定温度から外れると燃料遮断弁を閉として燃料供給を停止し、液センサーにより吸収液供給量の低下を検知すると燃料遮断弁を閉として燃料供給を停止するように安全回路が構成されるようにすることが好ましい(図1図3参照)。さらに、吸収液供給ポンプとインターロックを組み、該ポンプが停止した場合にも燃料供給を停止するように二重遮断回路が構成されるようにすることが好ましい。

0010

本発明の吸収液濃縮器を用いた吸収冷凍機は、二重効用式吸収冷凍機と上記のいずれかの吸収液濃縮器とからなり、吸収液濃縮器からの蒸気を蒸気抜出導管を介して高温再生器加熱側に供給できるように接続し、吸収液濃縮器からの吸収液を吸収液抜出導管を介して高温再生器の被加熱側に供給できるように接続し、吸収冷凍機からの稀薄な吸収液を吸収液供給管を介して吸収液濃縮器の下部管寄せに供給できるように接続したことを特徴としている(図4図5参照)。

0011

また、本発明の吸収液濃縮器を用いた吸収冷凍機は、一重(単)効用式吸収冷凍機と上記のいずれかの吸収液濃縮器とからなり、吸収液濃縮器からの蒸気を蒸気抜出導管を介して再生器の加熱側に供給できるように接続し、吸収液濃縮器からの吸収液を吸収液抜出導管を介して再生器の被加熱側に供給できるように接続し、吸収冷凍機からの稀薄な吸収液を吸収液供給管を介して吸収液濃縮器の下部管寄せに供給できるように接続したことを特徴としている(図6図7参照)。

0012

また、本発明の吸収液濃縮器を用いた吸収冷凍機は、吸収液を吸収器から順に低温熱交換器低温再生器高温熱交換器、高温再生器、高温熱交換器及び低温熱交換器を経て吸収器に循環させるように構成され、低温再生器を出て高温再生器へ供給される中間濃縮吸収液の一部を、吸収器へ戻る濃吸収液配管にバイパスさせるバイパス管を備えるリバースサイクル蒸気式吸収冷凍機において、高温再生器から高温熱交換器へ戻る吸収液配管に、高温再生器からの吸収液の少なくとも一部を抽出して上記のいずれかの吸収液濃縮器の下部管寄せに供給する溶液供給手段と、溶液供給手段からの吸収液を加熱濃縮する上記吸収液濃縮器とを直列に接続し、溶液供給手段と吸収液濃縮器との間に、高温再生器からの濃吸収液と吸収液濃縮器で加熱濃縮された吸収液とを熱交換する付加熱交換器を設け、吸収液濃縮器で加熱濃縮された吸収液を付加熱交換器の加熱側に戻すように、吸収液濃縮器と付加熱交換器とが吸収液抜出導管で接続され、一方、吸収液濃縮器において加熱濃縮された吸収液から蒸発した冷媒蒸気を高温再生器に加熱源として供給するように、吸収液濃縮器と高温再生器とが蒸気抜出導管で接続されたことを特徴としている(図8図9参照)。

0013

さらに、本発明の吸収液濃縮器を用いた吸収冷凍機は、吸収液を吸収器から順に低温熱交換器、再生器及び低温熱交換器を経て吸収器に循環させるように構成された蒸気式吸収冷凍機において、再生器から低温熱交換器へ戻る吸収液配管に、再生器からの吸収液の少なくとも一部を抽出して上記のいずれかの吸収液濃縮器の下部管寄せに供給する溶液供給手段と、溶液供給手段からの吸収液を加熱濃縮する上記吸収液濃縮器とを直列に接続し、溶液供給手段と吸収液濃縮器との間に、再生器からの濃吸収液と吸収液濃縮器で加熱濃縮された吸収液とを熱交換する付加熱交換器を設け、吸収液濃縮器で加熱濃縮された吸収液を付加熱交換器の加熱側に戻すように、吸収液濃縮器と付加熱交換器とが吸収液抜出導管で接続され、一方、吸収液濃縮器において加熱濃縮された吸収液から蒸発した冷媒蒸気を再生器に加熱源として供給するように、吸収液濃縮器と再生器とが蒸気抜出導管で接続されたことを特徴としている(図10図11参照)。

0014

従来の二重効用形吸収冷凍機は、理論的にも実際面でも大気圧未満の運転となり、構造上や取扱上の規制はない。安全性については「JIS B 8622−1994吸収式冷凍機」で定められており、JISに則って設計・製作している。また、外部より供給を受ける熱源の種類によって、吸収液の加熱部が圧力容器構造規格の適用をうけるものがあるが、大多数のものが無規格で製作できる真空容器の構造になっている。本発明の吸収冷凍機における新しい運転サイクルは、従来の二重効用式に比べ、エネルギー消費量が約30%削減できる。伝熱面積を増やせば省エネルギーに効果があることは分かっているが、コスト・容積が増加してしまうのでコスト・容積とのバランスを考えて、冷凍機と吸収液濃縮器(ボイラ)の内部伝熱面積割合を決定することが重要になる。この割合をコントロールすることで成績係数を変える事が可能になる。

0015

本発明の吸収冷凍機における新しい運転サイクルでは、二重効用式の場合、吸収器、蒸発器凝縮器、低温再生器、高温再生器、吸収液濃縮器(ボイラ)及び、低温中温高温溶液熱交換器の計9つの熱交換器から構成されている。新しい運転サイクルでは、濃縮器部で運転中に溶液が加熱されて発生する冷媒蒸気が、大気圧を越え、この濃縮器で発生する冷媒蒸気によって順次加熱される他の熱交換器は、液シールなどにより、内部が大気圧以下になるように設計、計画される。液シールには、Uシールフロート弁式シールが含まれる。従って、濃縮器部のみ圧力容器あるいはボイラの構造規格によって設計・計画し、他の部位は真空容器として設計・計画される。その他に、伝熱面積を増やさずに省エネルギー率を高める方策として、必要に応じて排ガス真空部を循環する吸収液とを熱交換する熱回収器を追加する場合がある。

0016

吸収式の場合、加熱方式として蒸気による加熱と、燃料を直接燃焼することによる加熱の2つの方式がある。加熱方式が蒸気の場合には濃縮器部は圧力容器構造規格の適用を受ける。燃料を直接燃焼させる方式の場合は、次の条件が満たされるとボイラ構造規格の適用を受ける。すなわち、「燃焼装置で直接加熱する」、「蒸気を他に供給する」及び「内部圧力が大気圧を越える」である。燃料を直接燃焼させる濃縮器(ボイラ)の伝熱面積、容積については次の通りである。
(1) 燃料を直接燃焼させる濃縮器の構造は貫流式(ボイラ)とする。伝熱面積により、5m2以下は簡易ボイラ構造規格、10m2以下は小型ボイラ構造規格に区分けして対応する。簡易ボイラとする場合は、気液分離器の内容積を20リッター以下とする。小型ボイラとする場合は、気液分離器の内容積を70リッター以下とする。
(2)吸収冷凍機とボイラの容積割合は10:1〜20:1程度で吸収冷凍機側容積が格段に大きい。その為、万一、濃縮器側の圧力が上昇して安全弁が開き、吹き出した蒸気が冷凍機側に流入しても冷凍機側の容積が十分に大きく、濃縮器側の圧力を設計圧力以下に下げる事が可能になるため、安全弁の吹出し口を大気開放せずに、吸収冷凍機(真空容器)に接続する。これにより、安全弁の機能を損なうことなく、同時に大気開放を避けることができ、吸収冷凍機にとって最も重要な真空を維持する事が可能になる。

0017

本発明の吸収冷凍機における蒸気の流れは、以下の通りである。
(1) 吸収冷凍機側に附属する吸収液循環ポンプから、吸収液と水の混合液が吸収液濃縮器(以下、貫流ボイラと称す)に供給される。
(2) 貫流ボイラの中で混合液は加熱され、水が蒸発して蒸気になり吸収液と共に上昇管内を上昇する。上部管寄せから気液分離器に流れた蒸気と吸収液は、気液分離器内で蒸気と吸収液に分離して蒸気は吸収冷凍機の加熱源として高温再生器へ流れる。
(3)高温再生器内で、蒸気は中間濃度の吸収液と熱交換して冷やされ凝縮して次の低温再生器へ流れる。
(4) 低温再生器へ供給された凝縮水と、高温再生器で発生した冷媒蒸気とは、再び低温再生器内で稀吸収液の加熱源として利用され、凝縮水と冷媒蒸気は低濃度の吸収液と熱交換してさらに冷やされ凝縮して凝縮器へ流れる。
(5) 凝縮器へ流れた凝縮水と、低温再生器で発生した冷媒蒸気とは、凝縮器で冷却水により冷やされ十分に冷却され凝縮して蒸発器に流れる。凝縮器と低温再生器は共に、例えば、約15分の1気圧程度の真空状態にあるため、水は35〜40℃程度で凝縮する。
(6) 蒸発器では、外部熱負荷から熱を奪って再び真空状態の中で水(冷媒)は蒸発する。蒸発器内は、例えば、約150分の1気圧程度の高真空のために水(冷媒)は3〜5℃程度で蒸発し、外部から入る熱負荷を冷却して冷房効果を発揮する。
(7) 蒸発器で外部からの熱を奪って蒸発した冷媒は、吸収器内で散布される吸収液に吸収され凝縮する。吸収液は、水に比べ蒸気分圧が低く容易に水と混合しやすい性質を持つので、蒸発器内の高真空を維持するのに重要な意味を持っている。
(8) 吸収器で吸収液と混合した水(冷媒)は、吸収液と水に分離するため再び貫流ボイラへ供給される。

0018

また、吸収液の流れは、以下の通りである。
(1)気液分離器で蒸気と吸収液に分離した後、吸収液は複数の熱交換器で低温度(低濃度)の吸収液と熱交換してから吸収器に流れ、液散布装置により吸収器で散布され水(冷媒)を吸収する。
(2) 吸収液は水を吸収し混合したために、低濃度の吸収液となり連続して水を吸収する事が困難になる。そこで再度吸収液を加熱して吸収液と水に分離する事が必要になる。
(3) 吸収液を加熱、濃縮するために、再生器、加熱器、濃縮器、貫流ボイラなどの熱交換器を設け、さらに効率を上げるためにそれらをシリーズに又はパラレル複数組み合わせる。

発明を実施するための最良の形態

0019

上記の蒸気の流れと吸収液の流れを円滑に行わせるために、従来の吸収冷凍機と、稀吸収液を供給して吸収液と蒸気とに分離する貫流ボイラとを組み合わせ、完全閉循環回路を形成する。このように、吸収液と蒸気を分離する気液分離器を装備した貫流ボイラと吸収冷凍機の組合せにより、装置の小型化や装置の簡素化が可能になり、また、熱回収による効率アップも可能になる。気液分離器の構造も内部に仕切板を設ける方法や、出口配管途中から分岐させる方法などが考えられる。また、貫流ボイラと吸収冷凍機とを組み合わせる場合には、貫流ボイラの定義を逸脱する事がないように「濃縮器を貫流式ボイラとするための条件」を満たす必要があり、最大給液量に対する循環液量の比を2以下にすること。多管式では加熱管のすべてが上昇管であること。を考慮して計画する必要がある。また、二重効用式吸収冷凍機のほかに、一重(単)効用式吸収冷凍機と前記貫流ボイラを組み合わせることで、従来の一重効用吸収冷凍機より省エネルギーになる二重効用サイクルの運転を行うことが可能になる。勿論、三重効用式以上の吸収冷凍機にも適用することも可能である。

0020

以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定されるものではなく、適宜変更して実施することができるものである。図1は本発明の実施の第1形態による吸収液濃縮器を示し、図2図1における鎖線円で囲まれた合流部の一例を示している。10は貫流式濃縮器で、上部と下部に環状の上部管寄せ(上部ヘッダー)12及び下部管寄せ(下部ヘッダー)14を有し、これらの管寄せ12、14間に鉛直方向の多数の上昇管16を略円筒状に配設し、上部中央部に燃焼装置18、例えばバーナーを有し、稀吸収液を下部管寄せ14に導入して加熱濃縮し、上部管寄せ12から気液混合物を取り出すことができるように構成されている。20は燃焼室、22は掃除検査用短管である。

0021

この貫流式濃縮器10に気液混合物導管24を介して気液分離器26が接続されている。気液分離器26の上部には蒸気抜出導管28が接続され、気液分離器26の下側部には吸収液抜出導管30が接続されている。32は上部仕切板気液分離板)、34は下部仕切板である。気液分離器26の下部と貫流式濃縮器10の下部管寄せ14とは、吸収液循環導管36を介して接続されている。38は流量調節弁又は絞り弁である。吸収液循環導管36には、吸収液供給ポンプ40を有する吸収液供給管42が接続されている。

0022

蒸気抜出導管28には温度センサー44が、気液分離器26の本体側部の略中央部には液センサー46が、吸収液抜出導管30には温度センサー48が設けられている。さらに、燃焼装置18に接続された燃料供給管50に燃料遮断弁52、54が設けられており、上記の温度センサー44、48、液センサー46、燃料遮断弁52、54及び吸収液供給ポンプ40が運転コントロール盤56に電気的に接続されて、吸収液温度、蒸気温度を単独に又は同時に検知して該温度が設定温度から外れると燃料遮断弁52、54を閉として燃料供給を停止し、液センサー46により吸収液供給量の低下を検知すると燃料遮断弁52、54を閉として燃料供給を停止するように安全回路が構成されている。58は連成計、60は安全弁である。なお、安全弁60の吹出し配管62は吸収冷凍機(真空容器)に接続されている。さらに、吸収液ポンプ40とインターロックを組み、このポンプ40が停止した場合にも燃料供給を停止するように二重遮断回路が構成されて組み込まれている。

0023

吸収液循環導管36と吸収液供給管42の合流部64は、図2(a)〜(c)に示すように、合流部64の上流側の吸収液循環導管36に、オリフィス66又は弁等の絞り部が設けられている。合流部64は、図2(a)に示すように、循環導管36内に供給管42を挿入したり、又は図2(b)に示すように、循環導管36に供給管42を単に接続したり、又は図2(c)に示すように、供給管42を下部管寄せ14に直接接続したりする等の構成が採用される。

0024

上記のように構成された吸収液濃縮器68において、吸収液、例えば、臭化リチウム水溶液を加熱、濃縮する。加熱、濃縮された水溶液及び水溶液から分離された蒸気(例えば、1.8kg/cm2G)は吸収冷凍機(真空容器)に供給される。また、ボイラ液不足を防止する安全対策として、前述のように、吸収液温度、蒸気温度を単独又は同時に測定して温度が設定温度から大きくずれると燃焼停止し、フロートスイッチレベルスイッチ等の液センサーにより吸収液供給量の低下を検知すると燃焼停止するように電気的に制御する安全回路を装備している。また、吸収液を供給するポンプ40とインターロックを組みポンプ40が停止した場合にも燃焼を停止する二重遮断回路が組まれている。また、吸収液供給ポンプ40は連続運転する。臭化リチウム水溶液と蒸気は、吸収冷凍機内で吸収・混合して稀液になり貫流式濃縮器10に循環して戻る。

0025

図3は本発明の実施の第2形態による吸収液濃縮器68aを示している。本実施形態は、気液分離器26aの下部からの吸収液循環導管36を分岐させて吸収液抜出導管30aとしたものである。なお、気液分離器26内の下部仕切板は不要となる。他の構成及び作用は実施の第1形態の場合と同様である。

0026

図4は本発明の実施の第3形態による吸収冷凍機を示し、二重効用式吸収冷凍機70と実施の第1形態による吸収液濃縮器68とを組み合わせた場合を示している。72は真空ポンプである。なお、制御コントール盤まわりの図示を省略している。吸収液濃縮器68からの蒸気は高温再生器の加熱側に供給され、吸収液濃縮器68からの吸収液は高温再生器の被加熱側に供給されるように接続される。このようにして、吸収液濃縮器68で加熱、濃縮された水溶液、及び水溶液から分離された蒸気を吸収冷凍機(真空容器)70に供給し全量回収する閉回路が組まれる。吸収液供給ポンプ40(循環ポンプ)は連続運転される。吸収液、例えば、臭化リチウム水溶液と蒸気は、吸収冷凍機70内で混合して稀溶液になり吸収液濃縮器68に循環して戻る。停止時は、濃縮器68内部、冷凍機70内部ともに真空となる。停止中に外部から空気が侵入しないように、配管その他、可能な限り溶接による接続を行う必要がある。

0027

図5は本発明の実施の第4形態による吸収冷凍機を示し、二重効用式吸収冷凍機70と実施の第2形態による吸収液濃縮器68aとを組み合わせた場合を示している。他の構成及び作用は実施の第3形態の場合と同様である。

0028

図6は本発明の実施の第5形態による吸収冷凍機を示し、一重(単)効用式吸収冷凍機74と実施の第1形態による吸収液濃縮器68とを組み合わせた場合を示している。なお、制御コントール盤まわりの図示を省略している。吸収液濃縮器68からの蒸気は再生器の加熱側に供給され、吸収液濃縮器68からの吸収液は、再生器の被加熱側に供給されるように接続される。このようにして、吸収液濃縮器68で加熱、濃縮された水溶液、及び水溶液から分離された蒸気を吸収冷凍機(真空容器)74に供給し全量回収する閉回路が組まれる。吸収液供給ポンプ40(循環ポンプ)は連続運転される。吸収液、例えば、臭化リチウム水溶液と蒸気は、吸収冷凍機74内で混合して稀溶液になり吸収液濃縮器68に循環して戻る。停止時は、濃縮器68内部、冷凍機74内部ともに真空となる。停止中に外部から空気が侵入しないように、配管その他、可能な限り溶接による接続を行う必要がある。

0029

図7は本発明の実施の第6形態による吸収冷凍機を示し、一重(単)効用式吸収冷凍機74と実施の第2形態による吸収液濃縮器68aとを組み合わせた場合を示している。他の構成及び作用は実施の第5形態の場合と同様である。

0030

図8は本発明の実施の第7形態による吸収冷凍機を示し、図4に示す構成を詳細に表わしたものである。本実施形態は、吸収器81、ポンプ(稀液ポンプ)82、低温熱交換器83、低温再生器84、ポンプ(中間液ポンプ)85、高温熱交換器86、高温再生器87、凝縮器88、蒸発器89、冷媒ポンプ90及びこれらの機器を接続する吸収液配管、冷媒配管等を構成要素とするリバースサイクル式の二重効用式吸収冷凍機に対し、吸収液濃縮器68、溶液供給手段としての吸収液(濃液)ポンプ93、付加熱交換器94等を組み合わせて一体化したものである。なお、図8において、実線に付した矢印は吸収液、冷媒液又は水の流れ方向を示し、破線に付した矢印は冷媒蒸気、又は冷媒蒸気と凝縮冷媒冷媒ドレン)との混合物の流れ方向を示す。

0031

95は第一バイパス管で、低温再生器84からの吸収液の一部を高温熱交換器86からの濃吸収液配管にバイパスさせるためのものである。また、96は第二バイパス管で、高温再生器87からの吸収液の一部を付加熱交換器94からの戻り濃吸収液配管にバイパスさせるためのものである。99は冷温水ポンプ、100は冷却水ポンプである。なお、高温再生器87と吸収液濃縮器68との間に別の濃縮器を設置することも可能である。

0032

つぎに、上記のように構成された吸収冷凍機において、吸収液の循環サイクルについて順に説明する。まず、吸収器81で多量の冷媒蒸気を吸収して濃度が薄められた稀吸収液が、稀液ポンプ82によって吸収器81から低温熱交換器83に送給され、この低温熱交換器83により加熱された後に低温再生器84に送給される。そして、この稀吸収液は、この低温再生器84において低温再生され、吸収している冷媒の一部を放出し濃度がその分高くなって中間濃度の中間吸収液となる。

0033

この中間濃縮吸収液の大部分は、低温再生器84から中間吸収液ポンプ85によって高温熱交換器86に送給され、この高温熱交換器86により加熱された後に高温再生器87に送給される。この中間濃縮吸収液は、この高温再生器87において高温再生され、吸収している冷媒の一部を放出し濃度がさらに高くなって高濃度の濃吸収液となる。低温再生器84からの中間濃縮吸収液の残部は、吸収器81へ戻る濃吸収液配管にバイパス管95を経てバイパス供給される。

0034

高温再生器87からの濃吸収液の一部又は全部は、吸収液ポンプ93により付加熱交換器94へ送給され、ここで、吸収液濃縮器68からの濃吸収液と熱交換して加熱された後、吸収液濃縮器68に供給される。高温再生器87からの濃吸収液の残部(の場合もあり得る)は、第二バイパス管96を経て付加熱交換器94からの加熱側の吸収液配管に合流する。

0035

吸収液濃縮器68において、燃料の燃焼熱により加熱濃縮された濃吸収液は、付加熱交換器94の加熱側に導入されて高温再生器87からの濃吸収液を加熱した後、高温熱交換器86の加熱側に導入される。高温再生器87からの濃吸収液の残部(零の場合もあり得る)は、第二バイパス管96を経て付加熱交換器94からの加熱側の吸収液配管に合流する。吸収液濃縮器68からの冷媒蒸気は蒸気抜出導管28を経て高温再生器87へ導入され、ここで吸収液を加熱濃縮させた後、冷媒ドレンは低温再生器84へ導入される。

0036

高温再生器87からの冷媒蒸気は冷媒蒸気配管97を経て、高温再生器87からの冷媒ドレンとともに低温再生器84に送られ、ここで吸収液を加熱濃縮させる。低温再生器84からの冷媒蒸気は冷媒蒸気配管98を経て、低温再生器84からの冷媒ドレンとともに凝縮器88に導入される。なお、吸収液濃縮器68からの燃焼排ガス排ガス熱交換器に導入して、吸収液又は冷媒を加熱し、排ガスの保有熱を回収するように構成する場合もある。

0037

図9は本発明の実施の第8形態による吸収冷凍機を示し、図5に示す構成を詳細に表わしたものである。本実施形態は、図3に示す吸収液濃縮器68aと二重効用式吸収冷凍機70とを組み合わせたものである。他の構成及び作用は実施の第7形態の場合と同様である。

0038

図10は本発明の実施の第9形態による吸収冷凍機を示し、図6に示す構成を詳細に表わしたものである。本実施形態は、図1に示す吸収液濃縮器68と一重(単)効用式吸収冷凍機74とを組み合わせたものである。101は再生器である。他の構成及び作用は実施の第7形態の場合と同様である。

0039

図11は本発明の実施の第10形態による吸収冷凍機を示し、図7に示す構成を詳細に表わしたものである。本実施形態は、図3に示す吸収液濃縮器68aと一重(単)効用式吸収冷凍機74とを組み合わせたものである。101は再生器である。他の構成及び作用は実施の第7形態の場合と同様である。

0040

上記の吸収冷凍機における吸収液濃縮器における吸収液の流れについて、図12及び図13に基づいて説明する。図12は上昇管16を加熱する場合の気液分離器26まわりの流体の流れを示し、図13は上昇管16を加熱しない場合の気液分離器まわりの流体の流れを示している。通常運転中(上部管寄せ12から蒸気を発生する状態)の吸収液と水(蒸気)の流れは下記のようになる(図12参照)。
(1) 吸収液と水の混合液が吸収液供給ポンプにより、吸収液供給管42から合流管102を通過してボイラ下部管寄せ14に供給される。
(2)燃焼熱により加熱された吸収液と水の混合体は、上昇管16内で蒸気を発生し気液混合の状態で上昇管16を上昇し、気液混合物導管24から出て気液分離器26で、蒸気と気化していない水分と吸収液が分離され、蒸気は蒸気抜出導管28を通って吸収冷凍機の熱源として吸収液の加熱に利用される。
(3) 一方、完全に気化していない水分と吸収液は、一部が再循環液として吸収液循環導管36を通って下部管寄せ14に戻るが、供給ポンプにより供給された吸収液はほとんどが吸収液抜出導管30を通って冷凍機側に戻って行き、真空容器内で冷水から熱を奪って蒸発した冷媒(水)を吸収する冷房効果に利用される。
(4) 気液分離器26には液が溜まり水位があるが、本体上昇管16内は気液混合体があり明確な水位はない。つまり、気液分離器26と本体上昇管16内に圧力差(水位差)が生じ、完全に気化していない水分と吸収液の一部は圧力差により再循環液として吸収液循環導管36を通って循環する。
(5)燃焼室での加熱を止めると、図13に示すように、気液分離器26と本体上昇管16内の水位が同一レベルとなり、圧力差による再循環はとまる。
(6)燃焼が止まっても吸収液供給ポンプが運転を続けると、ポンプ圧により吸収液は供給されるので管内は液が充満する。
(7) 充満した液は抵抗が少ない方を流れようとするので、本体内部配管にも液は流れるが、多くは吸収液循環導管36を逆流して気液分離器26に入り吸収液抜出導管30を通って、冷凍機側に戻る。

0041

ここで、前記の特許第2960805号公報に示されているように、連通戻り路(吸収液循環導管36に相当)の途中に逆止弁を取り付けると、つぎのような問題が生じる。
(1)起動時、燃焼停止時、制御運転時など、本体の圧力が上昇していない時や蒸気発生量の少ない時にもポンプから供給される吸収液と水を全量、本体側に供給することになる。
(2)循環する液を逆流させないために、逆止弁は一見効果があるように感じられるが、逆の見方をすると、どのような運転状況でも必ず本体側上昇管内を吸収液と水が充満しないと液の循環ができないことになる。
(3) 吸収液を冷凍機側に循環させ、完全な閉回路を組んで再度その吸収液を吸収液供給ポンプの吹込み側に戻す液の循環サイクルを組む場合には、本体内の圧力条件が変わっても内部を循環する液の量が変動しないようにしないと、循環量不足などの悪い条件が起こった時にはポンプがキャビテーションを起こす。
(4) 逆止弁があるために、循環する液は必ず本体内部を液で充満させないと吸収液抜出導管30の方へ液は流れていかない。運転中と比べると管内を液で充満させる分だけ循環量不足が起こりやすくなる。特に、気液混合物導管24は上部管寄せ12からさらに上へ配管を立ち上げるために、液は本体上昇管16、上部管寄せ12、気液混合物導管24を充満させ、気液分離器26まで液が満たされてからでないと、冷凍機側へ戻る配管内に液を流すことができないので、当然冷凍機から循環してポンプ吸込み側に戻る液も不足する。
(5) 逆止弁があるために、燃焼している場合など特定の運転条件がそろわないと液の円滑な循環ができなくなり、循環ポンプの損傷など悪影響がでる事が予想され、好ましい装置とは考えにくい。

0042

本発明の吸収冷凍機における吸収液濃縮器においては、逆止弁を設けずに、オリフィス、弁などの絞り部を設けるので、つぎのような利点がある。
(1) 吸収液の一部が再循環する循環導管36の途中に弁、オリフィスなどで抵抗を付け、圧力と流量を調整する方法を採用すると、起動時など本体内部の圧力が低い時には、本体上昇管16内に液が充満されるが、循環導管36を逆流して同じレベルで吸収液が上昇するので、気液混合物導管24まで液で充満させる事が無く、その前に、吸収液抜出導管30から供給ポンプの吹込み側へ液が戻る系統に早く液が戻り円滑に循環させることができるので、ポンプのキャビテーションが起こりにくい。
(2)運転に入り、上昇管16内を気液混合の状態で吸収液と水が循環を始め、蒸気が発生して内部の圧力が上昇すると、上記(1)での説明の通り液位差が生じて気液分離器26と本体上昇管16の液循環が起こり円滑な運転に移行する。
(3) 通常の運転時には、循環導管36から液が逆流しないようにしないと液のバイパスにより、十分な蒸気の発生が得られなくなる。
(4) 循環導管36の途中に弁、オリフィスなどの絞りを設け、本体内部の蒸気圧と水位差及び絞り(抵抗)の効果により、ポンプから加圧して供給される吸収液の逆流を防止することができ、円滑な運転を継続して行うことが可能になる。

図面の簡単な説明

0043

本発明は上記のように構成されているので、つぎのような効果を奏する。
(1)吸収液と蒸気とを分離する貫流ボイラ式の吸収液濃縮器と吸収冷凍機とを一体的に組み合わせることにより、装置の小型化や簡素化を図ることができ、かつ、省エネルギーとなる運転を行うことができ、また、熱回収による効率アップも可能になる。

--

0044

図1本発明の実施の第1形態による吸収液濃縮器の概略構成図である。
図2図1において鎖線円で囲まれた合流部の拡大詳細図である。
図3本発明の実施の第2形態による吸収液濃縮器の概略構成図である。
図4本発明の実施の第3形態による吸収冷凍機の概略構成図である。
図5本発明の実施の第4形態による吸収冷凍機の概略構成図である。
図6本発明の実施の第5形態による吸収冷凍機の概略構成図である。
図7本発明の実施の第6形態による吸収冷凍機の概略構成図である。
図8本発明の実施の第7形態による吸収冷凍機の系統的概略構成図である。
図9本発明の実施の第8形態による吸収冷凍機の系統的概略構成図である。
図10本発明の実施の第9形態による吸収冷凍機の系統的概略構成図である。
図11本発明の実施の第10形態による吸収冷凍機の系統的概略構成図である。
図12本体上昇管を加熱する場合の気液分離器まわりを示す断面説明図である。
図13本体上昇管を加熱しない場合の気液分離器まわりを示す断面説明図である。

0045

10貫流式濃縮器
12 上部管寄せ
14 下部管寄せ
16上昇管
18燃焼装置
20燃焼室
22掃除・検査用短管
24気液混合物導管
26、26a気液分離器
28蒸気抜出導管
30吸収液抜出導管
32 上部仕切板
34 下部仕切板
36 吸収液循環導管
38流量調節弁又は絞り弁
40 吸収液供給ポンプ
42吸収液供給管
44、48温度センサー
46液センサー
50燃料供給管
52、54燃料遮断
56運転コントロール盤
58連成計
60安全弁
62吹出し配管
64合流部
66オリフィス
68、68a 吸収液濃縮器
70二重効用式吸収冷凍機
72真空ポンプ
74 一重(単)効用式吸収冷凍機
81吸収器
82 稀液ポンプ
83低温熱交換器
84低温再生器
85中間液ポンプ
86高温熱交換器
87高温再生器
88凝縮器
89蒸発器
90冷媒ポンプ
93吸収液ポンプ
94 付加熱交換器
95、96バイパス管
97、98冷媒蒸気配管
99冷温水ポンプ
100冷却水ポンプ
101再生器
102 合流管

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