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技術 実体顕微鏡および透過照明装置

出願人 株式会社ニコン
発明者 大内由美子
出願日 1999年12月28日 (20年3ヶ月経過) 出願番号 1999-374448
公開日 2001年7月10日 (18年8ヶ月経過) 公開番号 2001-188176
状態 特許登録済
技術分野 顕微鏡、コンデンサー
主要キーワード 調節スライド スライダスイッチ 倍率倍 遮蔽面 双眼実体顕微鏡 収容場所 補助部品 伸縮型
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

簡単な構成で、高倍率から低倍率まで幅広倍率範囲で、安定した偏斜照明で観察することが可能な実体顕微鏡を提供する。

解決手段

低倍率または高倍率の対物レンズ付け替え可能な実体顕微鏡である。その透過照明部は、光源1と、光束の一部を遮蔽するための遮蔽部11と、遮蔽部11を通過した光束を集光する第1および第2集光レンズと、第1および第2集光レンズの一方を選択して前記光軸上に配置する機構部10,71,72、73とを含む。第1集光レンズ8は、低倍率の対物レンズの入射瞳と共役な位置を遮蔽部11の位置に形成し、第2集光レンズは、高倍率の対物レンズの入射瞳と共役な位置を遮蔽部11の位置に形成する。

概要

背景

従来の実体顕微鏡透過照明装置としては、実公昭41−5808号公報に開示されたものが知られている。この透過照明装置は、図10に示したように、光源101が発した発散光コレクタレンズ102によって光軸108とほぼ平行な光束に変換し、この光束を拡散板103によって広がりを持った光束にする。これをミラー104で光路を上向きに偏向し、コンデンサーレンズ105によって集光して標本106に照射照明する。このとき、拡散板103は、2次光源として対物レンズの瞳を照明している。また、拡散板103近傍には、ナイフエッジ107が挿脱自在に配置されている。よって、ナイフエッジをスライドさせ、対物レンズの瞳を部分的に遮蔽することにより、標本106を偏斜照明することができる。これにより、標本106が位相物体である場合にも、透過光に対する回折光の割合を大きくでき、コントラストよく観察することが可能である。また、遮蔽の度合いを大きくし、対物レンズに直接光が入らないようにすることにより、標本106の回折光や散乱光のみを観察する暗視野照明も可能である。

また、別の従来の透過照明装置として、特開平11−133308号公報に開示されたものがある。これは、図11に示すように、光源111からの光をコレクタレンズ112によってほぼ平行光束に変換し、第1の拡散板113により拡散する。この光を第1の集光部材114で集光し、第2の拡散板115で拡散した後、偏向ミラー116によって上に向けて偏向する。偏向ミラー116からの光を、第2の集光部材によって集光して標本118に照射し照明する。第2の拡散板115と偏向ミラー116との間には、偏斜照明のための遮光体121c,121dが配置されている。また、対物レンズが低倍率レンズから高倍率レンズに切り替えられた場合には、対物レンズの瞳の共役位置がずれるため、遮光体121c,121dをはずし、遮光体121a、121bを挿入する。また、開口数の大きい高倍率対物レンズのために、集光を強める補助レンズ119,120も挿入する。

概要

簡単な構成で、高倍率から低倍率まで幅広倍率範囲で、安定した偏斜照明で観察することが可能な実体顕微鏡を提供する。

低倍率または高倍率の対物レンズを付け替え可能な実体顕微鏡である。その透過照明部は、光源1と、光束の一部を遮蔽するための遮蔽部11と、遮蔽部11を通過した光束を集光する第1および第2集光レンズと、第1および第2集光レンズの一方を選択して前記光軸上に配置する機構部10,71,72、73とを含む。第1集光レンズ8は、低倍率の対物レンズの入射瞳と共役な位置を遮蔽部11の位置に形成し、第2集光レンズは、高倍率の対物レンズの入射瞳と共役な位置を遮蔽部11の位置に形成する。

目的

本発明は、簡単な構成で、高倍率から低倍率まで幅広い倍率範囲で、安定した偏斜照明で観察することが可能な実体顕微鏡を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
5件

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請求項1

光軸上に順に配置された、標本照明するための照明部と、標本載置部と、対物レンズを取り付けるための取付部とを有し、前記取付部には、前記対物レンズとして、予め定められた低倍率の対物レンズおよび、前記低倍率の対物レンズよりも高倍率の対物レンズのうちから一方を選択して取り付け可能であり、前記照明部は、光源と、前記光源からの光束の一部を遮蔽するための遮蔽部と、前記遮蔽部を通過した前記光束を前記標本に向けて集光するための第1および第2集光レンズと、該第1および第2集光レンズの一方を選択して前記光軸上に配置する機構部とを含み、前記第1集光レンズは、前記取付部に取り付けられた前記低倍率の対物レンズの入射瞳と共役な位置を前記遮蔽部の位置またはその近傍に形成する光学特性を有し、前記第2集光レンズは、前記取付部に取り付けられた前記高倍率の対物レンズの入射瞳と共役な位置を前記遮蔽部の位置またはその近傍に形成する光学特性を有することを特徴とする実体顕微鏡

請求項2

光軸上に順に配置された、標本を照明するための照明部と、標本載置部と、対物レンズを取り付けるための取付部とを有し、前記取付部には、前記対物レンズとして、予め定められた低倍率の対物レンズおよび、前記低倍率の対物レンズよりも高倍率の対物レンズのうちから一方を選択して取り付け可能であり、前記照明部は、光源と、前記光源からの光束の一部を遮蔽するための遮蔽部と、前記遮蔽部を通過した前記光束を前記標本に向けて集光するための第1集光レンズと、該第1集光レンズを前記光軸上に出没させる機構部とを含み、前記遮蔽部は、前記対物レンズとして前記高倍率の対物レンズが前記取付部に取り付けられている場合の前記高倍率の対物レンズの入射瞳の位置またはその近傍に配置され、前記第1集光レンズは、前記取付部に取り付けられた前記低倍率の対物レンズの入射瞳と共役な位置を前記遮蔽部の位置またはその近傍に形成する光学特性を有することを特徴とする実体顕微鏡。

請求項3

光軸上に順に配置された、標本を照明するための照明部と、標本載置部と、対物レンズを取り付けるための取付部と、変倍レンズとを有し、前記変倍レンズは、倍率を変化させるために前記光軸方向に沿って移動可能な可動レンズを含み、前記照明部は、光源と、前記光源からの光束の一部を遮蔽するための遮蔽部とを含み、前記遮蔽部は、前記変倍レンズが最も低倍率のときの前記対物レンズの入射瞳と共役な位置またはその近傍に配置されていることを特徴とする実体顕微鏡。

請求項4

請求項1、2または3に記載の実体顕微鏡において、前記照明部は、前記光源と前記遮蔽部との間に配置された第3の集光レンズを有し、該第3の集光レンズは、前記光源の像を前記遮蔽部の位置に形成することを特徴とする実体顕微鏡。

請求項5

請求項1、2または3に記載の実体顕微鏡において、前記照明部の前記遮蔽部の位置には、前記光軸を折り曲げるための反射部が配置され、前記遮蔽部は、前記反射部の反射面の一部を覆う被覆部材を有することを特徴とする実体顕微鏡。

請求項6

請求項5に記載の実体顕微鏡において、前記遮蔽部は、遮蔽する前記光束の量を調節するために、前記被覆部材を前記反射面上に出没させて前記反射面を被覆する面積増減させる機構部を有することを特徴とする実体顕微鏡。

請求項7

請求項4に記載の実体顕微鏡において、前記遮蔽部と前記第1または第2の集光レンズとの間には、前記光軸を折り曲げるための反射部が配置されていることを特徴とする実体顕微鏡。

請求項8

請求項4に記載の実体顕微鏡において、前記遮蔽部は、伸縮可能な遮光部材と、前記遮光部材を伸縮させる機構部とを有することを特徴とする実体顕微鏡。

請求項9

請求項1に記載の実体顕微鏡において、前記第2集光レンズが集光する前記光束の集光角は、前記高倍率の対物レンズの開口角よりも大きな角度であることを特徴とする実体顕微鏡。

請求項10

請求項5に記載の実体顕微鏡において、前記被覆部材は、前記先端部分の反射率が、他の部分の反射率よりも大きいことを特徴とする実体顕微鏡。

技術分野

0001

本発明は、透過照明装置を備えた実体顕微鏡に関し、特に対物レンズとして高倍率対物レンズと低倍率倍レンズとを付け替え可能な実体顕微鏡に関するものである。

背景技術

0002

従来の実体顕微鏡の透過照明装置としては、実公昭41−5808号公報に開示されたものが知られている。この透過照明装置は、図10に示したように、光源101が発した発散光コレクタレンズ102によって光軸108とほぼ平行な光束に変換し、この光束を拡散板103によって広がりを持った光束にする。これをミラー104で光路を上向きに偏向し、コンデンサーレンズ105によって集光して標本106に照射照明する。このとき、拡散板103は、2次光源として対物レンズの瞳を照明している。また、拡散板103近傍には、ナイフエッジ107が挿脱自在に配置されている。よって、ナイフエッジをスライドさせ、対物レンズの瞳を部分的に遮蔽することにより、標本106を偏斜照明することができる。これにより、標本106が位相物体である場合にも、透過光に対する回折光の割合を大きくでき、コントラストよく観察することが可能である。また、遮蔽の度合いを大きくし、対物レンズに直接光が入らないようにすることにより、標本106の回折光や散乱光のみを観察する暗視野照明も可能である。

0003

また、別の従来の透過照明装置として、特開平11−133308号公報に開示されたものがある。これは、図11に示すように、光源111からの光をコレクタレンズ112によってほぼ平行光束に変換し、第1の拡散板113により拡散する。この光を第1の集光部材114で集光し、第2の拡散板115で拡散した後、偏向ミラー116によって上に向けて偏向する。偏向ミラー116からの光を、第2の集光部材によって集光して標本118に照射し照明する。第2の拡散板115と偏向ミラー116との間には、偏斜照明のための遮光体121c,121dが配置されている。また、対物レンズが低倍率レンズから高倍率レンズに切り替えられた場合には、対物レンズの瞳の共役位置がずれるため、遮光体121c,121dをはずし、遮光体121a、121bを挿入する。また、開口数の大きい高倍率対物レンズのために、集光を強める補助レンズ119,120も挿入する。

発明が解決しようとする課題

0004

実体顕微鏡は、部品工場等における検査用に用いられたり、遺伝子等の研究室における生体操作に用いられたりと、その用途、使用目的が多岐に渡っているため、要求される性能も様々であるが、近年では、倍率範囲を広くするために、複数の対物レンズを付け替え可能であり、かつ、広い視野高解像力の実体顕微鏡が望まれる傾向にある。

0005

従来の実公昭41−5808号公報の透過照明装置で、広い視野を確保するために照明範囲を広くしようとすると、拡散板103の拡散度を大きくする必要がある。しかしながら、拡散度を大きくすると単位面積あたりの光の強度が低減するため、照明が暗くなってしまう。また、高解像力を実現するために、高解像力の対物レンズの開口数を満たす照明をするために瞳径を大きくすると、拡散板を大きくせざるを得ず、照明装置の厚みが増大する。このため、操作用の実体顕微鏡としては、使い勝手が悪くなってしまう。

0006

また、従来の特開平11−133308号公報の透過照明装置は、高倍対物レンズ低倍対物レンズとの付け替えに対応可能であるが、対物レンズの瞳の共役位置が高倍対物レンズと低倍対物レンズとでずれるのに合わせて、2カ所に配置した遮光体を光軸から抜き差しする必要がある。また、同時に補助レンズを2群も挿入する必要がある。このため、部品点数が多く、装置が複雑であり、コストがかかる。また、1カ所について2枚以上の遮光体の組み合わせによって開口の形状を決定する機構のため、最適なコントラストを与える状態を見つけ出すのが困難である上、一旦別の観察方法で観察した後、次に同じようなコントラストに再現して観察することが難しいという問題もある。

0007

本発明は、簡単な構成で、高倍率から低倍率まで幅広い倍率範囲で、安定した偏斜照明で観察することが可能な実体顕微鏡を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記目的を達成するために、本願によれば以下のような実体顕微鏡が提供される。

0009

すなわち、光軸(70)上に順に配置された、標本を照明するための照明部と、標本載置部(60)と、対物レンズ(61)を取り付けるための取付部とを有し、前記取付部には、前記対物レンズ(61)として、予め定められた低倍率の対物レンズおよび、前記低倍率の対物レンズよりも高倍率の対物レンズのうちから一方を選択して取り付け可能であり、前記照明部は、光源(1)と、前記光源(1)からの光束の一部を遮蔽するための遮蔽部(11)と、前記遮蔽部(11)を通過した前記光束を前記標本に向けて集光するための第1および第2集光レンズ(8,9)と、該第1および第2集光レンズ(8,9)の一方を選択して前記光軸(70)上に配置する機構部(74)とを含み、前記第1集光レンズ(8)は、前記取付部に取り付けられた前記低倍率の対物レンズの入射瞳と共役な位置を前記遮蔽部(11)の位置に形成する光学特性を有し、前記第2集光レンズは、前記取付部に取り付けられた前記高倍率の対物レンズの入射瞳と共役な位置を前記遮蔽部(11)の位置に形成する光学特性を有することを特徴とする実体顕微鏡が提供される。

0010

なお、上記記載において各構成要件の後に括弧書きで示した符号は、後述する実施の形態でその構成要件に対応する構成の符号であるが、その構成要件を実施の形態の構成に限定するものではない。

発明を実施するための最良の形態

0011

本発明の一実施の形態について図面を用いて説明する。
(実施の形態1)本発明の第1の実施の形態の実体顕微鏡について説明する。

0012

本実施の実体顕微鏡は、単対物双眼実体顕微鏡であり、図9に示したように、透過照明装置を内蔵するベース51、対物レンズ61、変倍レンズ鏡筒53、接眼レンズ54、焦点合わせ装置55を有している。ベース51の上面には、透明部材64をはめ込んだ標本載置台60が設けられている。

0013

対物レンズ61は、変倍レンズ鏡筒53の下部に設けられた対物レンズ取付部(不図示)に取り付けられている。対物レンズ61としては、予め定められた複数の低倍率の対物レンズおよび複数の高倍率の対物レンズのうちから、一つを選択して取り付けることができる。ここでは、高倍率対物レンズは、左右の光軸のなす角度が20゜以上のものであり、低倍率対物レンズは、左右の光軸のなす角度が20゜未満のものである。

0014

変倍レンズ鏡筒53の内部には左眼用右眼用の変倍レンズ群(不図示)および結像レンズ群(不図示)がそれぞれ配置され、鏡筒の外側には変倍ノブ56が配置されている。変倍レンズ群には、ズーム可動レンズが含まれており、変倍ノブ56の回転によりこのズーム用可動レンズが光軸方向に沿って移動するように構成されている。また、変倍レンズ群には可変絞りが含まれており、変倍レンズ鏡筒53には、この可変絞りを調節するスライダスイッチ59が取り付けられている。

0015

また、焦点合わせ装置55は、焦点合わせノブ57と、ノブ57の回転に伴い変倍レンズ鏡筒53を軸58に沿って上下動させる機構部(不図示)とを有している。対物レンズ61および接眼レンズ54は、変倍レンズ鏡筒53と一体に上下動する。

0016

ベース51の内部に配置された透過照明装置は、図1および図2に示すように、対物レンズ61の光軸70上に順に配置された、光源1、コレクタレンズ2、拡散板4、フィールドレンズ6、偏向ミラー7、コンデンサレンズ8および9を含んでいる。コンデンサレンズ8および9は、図2に示すように、コンデンサレンズ8またはコンデンサレンズ9の一方を選択して光軸70上に配置させるためのスライド機構部74に搭載されている。光源1は、ハロゲンランプであり、フィールドレンズ6は、正の屈折力をもつプラスチック製のフレネルレンズである。

0017

スライド機構部74は、コンデンサレンズ8および9を搭載したレンズ枠71と、レンズ枠71に部材73を介して固定されたレバー10と、ベース51の側面に設けられたスリット72とを備えている。レバー10をスリット72に沿ってスライドさせることにより、コンデンサレンズ8およびコンデンサレンズ9のいずれかを選択して光軸70上に配置させることができる。

0018

また、偏向ミラー7は、偏斜照明のための遮光機能を備えている。遮光機能は、偏向ミラー7の反射面の一部を覆うための被覆部材11と、偏向ミラー7の背面に配置され、被覆部材11を巻き取る巻き取り機構75とにより実現されている。巻き取り機構75は、不図示のダイヤルをユーザが回転させることにより回転し、被覆部材11を巻き取ったり、繰り出したりする。これにより、被覆部材11は、偏向ミラー7の上面を覆い、光束が偏向ミラー7に入射するのを遮る。これにより、偏向ミラー7により反射される光束の一部を遮られ、偏斜照明をすることができる。被覆部材11が偏向ミラー7を被覆する量を調節することにより、遮光する光束量を連続的に調節できる。よって、偏斜照明の角度が調整でき、遮蔽の度合いを大きくして対物レンズ61に直接光が入らないようにすれば、暗視野照明も可能である。

0019

被覆部材11は、撓みを生じる程度に薄い金属の薄板の上面に、光を反射しない不織布76を貼り付けた構成である。なお、金属の薄板上面の先端部分から予め定めた幅の領域には、不織布76の代わりに、反射率50%の反射膜77と、反射率30%の反射膜78が先端側から順に張り付けられている。これにより、被覆部材11の先端部において、反射率は先端側から50%、30%、0%と徐々に減少する構成にしている。このように、遮光部材の先端部では遮光率を低くし、遮光部材の内側にいくほど遮光率を高めることにより、偏斜照明時にコントラスト差の大きい標本の縁に、光の回折現象による光の回り込みで、端面のギラツキ見え現象を防ぐことができ、鮮明な標本像を得ることができる。なお、遮光率(反射率)の設定は、上述のように必ずしも3段階にする必要はなく、少なくとも2段階に反射率が小さくなれば上記の効果を得ることができる。また、連続的に徐々に反射率が小さくなる構成にすることも可能である。

0020

また、光源1、コレクタレンズ2、拡散板4およびフィールドレンズ6は、光源1の像を、遮光機能を備えた偏向ミラー7の反射面に結像するように配置されている。ここでは、光源1からの発散光は、コレクタレンズ2によってほぼ平行光束に変換され、拡散板4で光束が拡散され、フィールドレンズ6が拡散光束を集光して偏向ミラー7上に光源1の像を形成するように配置している。これにより、明視野観察において、明るくムラのない照明が実現される効果がある。また、光束が細くなる位置にミラーを配置するので、ミラーの大きさを小さくでき、装置の厚みを薄くできる効果もある。

0021

また、コレクタレンズ2と拡散板4との間には、断熱フィルタ3を配置してあり、観察に必要のない長波の光をカットする。また、拡散板4とフィールドレンズ6との間には、波長選択等の各種フィルタ5a,5b,5cが必要に応じて配置される。

0022

つぎに、遮光機能を備えた偏向ミラー7の位置と、コレクタレンズ8,9の光学特性と、対物レンズ61の入射瞳との関係について説明する。

0023

偏斜照明を実視野全体にむらなく行うためには、対物レンズ61の入射瞳面で遮光を行うことが望ましい。そのため、遮光機能を備えた偏向ミラー7の反射面を、対物レンズ8および9の入射瞳の位置、もしくは、入射瞳に共役な位置に配置することが望ましい。しかしながら、変倍レンズ群の可動レンズを移動させて倍率を連続的に変更する、いわゆるズーミングによって、対物レンズ61の入射瞳面は移動する。しかも、本実施の形態の場合には、対物レンズ61として、低倍率対物レンズと高倍率対物レンズとで付け替え可能であり、低倍率対物レンズと高倍率対物レンズとで入射瞳の位置が異なる。そこで、本実施の形態では、コレクタレンズ8,9の光学特性を以下のように設計することにより、対物レンズ61の付け替えやズーミングを行った場合でも、遮光機能を備えた偏向ミラー7付近に、対物レンズ61の入射瞳と共役な位置を位置させることができるようにした。

0024

まず、対物レンズ61として高倍率の対物レンズが取り付けられているときの光路を図4(a)、(b)に示す。図4(a)は、変倍レンズ群のズーム倍率が最も高倍率である場合の光路を示し、図4(b)は、変倍レンズ群のズーム倍率が最も低倍率である場合の光路を示している。なお、図4(a),(b)のいずれにおいても、高倍率対物レンズ用のコンデンサレンズ9が光軸70上に配置されている。一方、対物レンズ61として低倍率の対物レンズが取り付けられているときの光路を図5(a)、(b)に示す。図5(a)は、変倍レンズ群のズームが最も高倍である場合の光路を示し、図5(b)は、変倍レンズ群のズームが最も低倍である場合の光路を示している。なお、図5(a),(b)のいずれにおいても、低倍率対物レンズ用のコンデンサレンズ8が光軸70上に配置されている。単対物双眼実体顕微鏡の特徴として、対物レンズより後の光軸は、右眼用光軸70aと左眼用光軸70bとに分かれ、変倍レンズ群(不図示)は、右眼および左眼用光軸70a,70bを光軸として配置される。

0025

図4(a),(b)の対物レンズ61の入射瞳と共役な面の位置を比較するとわかるように、変倍レンズ群のズーミングを高倍から低倍に変化させるのにともない、対物レンズ61の射出瞳も入射瞳と共役な面も光軸70に沿って変動している。図5(a),(b)についても同様に、変倍レンズ群のズームを高倍から低倍に変化させるのに伴い、対物レンズ61の射出瞳も入射瞳と共役な面も光軸70に沿って変動していることがわかる。このようにズーミングに伴い対物レンズ61の瞳の位置が移動するするため、固定的に配置された偏向ミラー7の位置と入射瞳と共役な面とを完全に一致させることは難しいが、本実施の形態ではこれを次のようにして解決した。

0026

図4(a)、(b)において、最大物高を通る主光線と光軸70bに注目すると、対物レンズ61の入射瞳と共役な面を通過するときの主光線と光軸70bとがなす角度は、図4(a)のズーム高倍のときの角度θ1の方が、図4(b)のズーム低倍のときの角度θ2より小さい。よって、この面での焦点深度は、図4(a)のズーム高倍の場合の方が、図4(b)のズーム低倍の場合よりも深いことがわかる。同様に、対物レンズ61が低倍率対物レンズの場合も、対物レンズ61の入射瞳を通過するときの主光線と光軸70bとがなす角度は、図5(a)のズーム高倍のときの角度θ3の方が、図5(b)のズーム低倍のときの角度θ4より小さい。すなわち、対物レンズ61が低倍率対物レンズであっても高倍率対物レンズであっても、入射瞳の焦点深度は、ズーム高倍の場合の方が、ズーム低倍の場合よりも深い。よって、ズーム高倍では、瞳の焦点深度により、遮光面の少々の位置ずれ許容できる。そこで、本実施の形態では、遮光機能を備えた偏向ミラー7を、入射瞳の焦点深度の浅いズーム低倍の時の入射瞳の位置に配置することで、幅広いズーム域で蹴られの少ない偏斜照明を可能にする。

0027

このように、遮光機能を備えた偏向ミラー7を、ズーム低倍時の入射瞳の位置に配置するとしても、高倍率対物レンズの場合と低倍率対物レンズの場合とでズーム低倍時の入射瞳の位置がずれてしまうのでは、対物レンズを付け替えるたびに遮光機能の位置をずらさなければならなくなる。そこで、本実施の形態では、高倍率対物レンズと低倍率対物レンズとで異なる光学特性のコンデンサレンズ9,8を用い、ズーム低倍時の入射瞳と共役な面の位置を一致させるようにした。

0028

具体的には、高倍率対物レンズ用のコンデンサレンズ9、低倍率対物レンズ用コンデンサレンズ8を以下の条件を満たすように設計した。

0029

0.5<(fH/dH)/(fL/dL)<6.0
ただし、fLは、コンデンサレンズ8の合成焦点距離、fHは、コンデンサレンズ9の合成焦点距離、dLは、コンデンサレンズ8の最も偏向ミラー7側のレンズ面中心から偏向ミラー7の反射面までの光軸70に沿った距離、dHは、コンデンサレンズ9の最も偏向ミラー7側のレンズ面中心から偏向ミラー7の反射面までの光軸70に沿った距離である。

0030

このように定めたのは、(fH/dH)/(fL/dL)が0.5よりも小さいと低倍対物レンズの入射瞳が高倍対物レンズの入射瞳よりも光源1側にできるからである。また、(fH/dH)/(fL/dL)が6.0よりも大きいと、逆に低倍対物レンズの入射瞳が高倍対物レンズの入射瞳よりも標本搭載部60側にできるからである。より好ましくは
1.1<(fH/dH)/(fL/dL)<3.0
にするのがよい。

0031

このようにコンデンサレンズ8,9の光学特性を設計しておき、観察時には、対物レンズ61として低倍対物レンズを取り付ける場合、コンデンサレンズ8を光軸70上に配置し、高倍対物レンズを取り付ける場合、コンデンサレンズ9を光軸70上に配置するようにスライド機構部を操作する。これにより、ズーム低倍時の対物レンズの入射瞳と共役な位置を、ほぼ一致させることができる。よって、この入射瞳と共役な位置に遮光機能付きの偏向ミラー7の反射面を配置しておくことにより、高倍率対物レンズのときも低倍率対物レンズのときも、ズーム低倍時の対物レンズの入射瞳の位置を、遮光位置とほぼ一致させることができる。また、ズーム高倍時には、対物レンズの入射瞳の焦点深度内に遮光位置が存在するため、入射瞳と共役な位置と遮光位置とが一致しているのと同じ効果を得ることができる。

0032

これにより、対物レンズ61を高倍率対物レンズと低倍率対物レンズとで付け替えた場合も、変倍レンズ群を高倍から低倍までズーミングした場合も、対物レンズの入射瞳と共役な位置と遮光位置とをほぼ一致させることができ、偏斜照明を実視野全体にむらなく行うことができる。

0033

また、コンデンサレンズ8、9は、標本面から離れすぎるとベース51が厚くなりすぎ、逆に標本面に近すぎると標本とコンデンサとの間にフィルタ等の補助部品を置くスペースがなくなって使い勝手が悪くなる。そこで、本実施の形態では、この観点からさらにコンデンサレンズ8,9が以下の条件を満たすように設計した。

0034

−0.1<(1/|fL|)−(1/|dL|)<0.1
−0.1<(1/|fH|)−(1/|dH|)<0.1
この条件は、レンズの公式に、コンデンサレンズ8,9の上面と標本面との距離を7mmより大きく30mmより小さくする条件を加味して導いたものである。7mm以上30mm未満という条件は、コンデンサレンズ8,9の上にフィルタを挿入できて、しかも、装置が厚くなり過ぎない現実的な値の範囲である。より好ましくは、上限下限を下記の範囲内に入るようにすることが望ましい。

0035

−0.05<(1/|fL|)−(1/|dL|)<0.02
−0.1<(1/|fH|)−(1/|dH|)<0.016
また、本実施の形態の高倍率対物レンズは、片眼の開口数が0.2、角度にして図4(a)のβ=11.5゜、両眼の光軸70のなす角α=24゜、総合開口角θ=47゜と大きな開口角のものを用いている。そのため、照明光を無駄なく高倍率対物レンズに入射させるために、コンデンサレンズ9は、上述の種々の条件の他に、上記開口角θよりも大きい開口角θcに光束を集光するように設計することが望ましい。

0036

そこで本実施の形態の種々の条件を満たすように設計した高倍率対物レンズ用のコンデンサレンズ9の具体的なレンズデータの一例を以下に示す。

0037

ID=000003HE=025 WI=064 LX=0280 LY=1800
遮蔽面
焦点距離=64.1
ただし、rはレンズ面の曲率半径、dはレンズ面間隔、ndは硝材のd線の屈折率、vdは硝材のd線のアッベ数である。なお、標本面から第1面の間には透明な標本載置台60があるが、上記レンズデータでは空気に換算している。

0038

また、本実施の形態の低倍率対物レンズは、実視野が非常に広い上、対物レンズの入射瞳が標本よりも対物レンズ側にあるのが普通であるので、コンデンサレンズ8は、すでに述べた条件の他に、必要な実視野よりも大きい径を有し、かつ、偏向ミラー7の近傍にある光源1像を対物レンズの入射瞳に投影する作用を持つように設計している。

0039

ここで本実施の形態の種々の条件を満たすように設計した低倍率対物レンズ用のコンデンサレンズ8の具体的なレンズデータの一例を以下に示す。

0040

ID=000004HE=035 WI=064 LX=1180 LY=1350
遮蔽面
焦点距離=30.5
上記コンデンサレンズ8,9のレンズデータの場合、fH=64.1、dH=18.5、fL=30.5、dL=21.7であるから、(fH/dH)/(fL/dL)=2.5であり、
0.5<(fH/dH)/(fL/dL)<6.0
の条件を満たしている。

0041

つぎに、本実施の形態の実体顕微鏡により、標本の観察を行う場合の各部の動作について説明する。

0042

対物レンズ61として、高倍率対物レンズもしくは低倍率対物レンズを取り付ける。高倍率対物レンズを取り付けた場合には、レバー10をスライドさせてコンデンサレンズ9を光軸70上に配置し、低倍率対物レンズを取り付けた場合には、コンデンサレンズ8を光軸70上に配置する。つぎに、標本載置台60に標本を搭載し、光源1に電源52から電流を供給する。これにより光源1から発せられた光は、コレクタレンズ2およびフィールドレンズ6により、偏向ミラー7の反射面付近に結像し、上向きに偏向される。コレクタレンズ8,9は、光束を集光して、標本を照明する。標本を透過した光は、対物レンズ61、変倍レンズ群、結像レンズ群により透過光像拡大結像される。変倍レンズ群の可動レンズをノブ56の回転させズーミングすることにより、倍率を連続的に変化させることができる。この透過光像を接眼レンズ54を介して観察する。これにより、標本の透過光像の観察を行うことができる。このとき、コンデンサレンズ9は、開口角の大きな高倍率対物レンズよりも大きな角度に光を集光しているので、照明光を効率よく対物レンズに入射させることができ、明るい透過光像を得ることができる。

0043

また、偏斜照明を行う場合には、不図示のダイアルを回転させることにより、巻き取り機構75から被覆部材11を繰り出し、光束の一部を遮る。このとき、上述したようにコンデンサレンズ8,9が、対物レンズ61の入射瞳を偏向ミラー7付近に形成している。しかも、変倍レンズ群をズーミングしても、対物レンズ61の入射瞳位置もしくは入射瞳の焦点深度内に偏向ミラーがある。このため、広い倍率範囲内で、入射瞳の位置で遮光を行うことができる。したがって、明るくむらなく偏斜照明を行うことができる。

0044

このとき、遮光を偏向ミラー7の反射面を被覆部材11で覆うことにより実現する構成としているため、偏向ミラー7と遮光とを、同じ反射面で行うことができる。したがって、偏向ミラー7とは別の位置に遮光板を配置する必要がなく、ベース51を小型にすることができる。また、被覆部材11は、偏向ミラー7の背面の巻き取り機構75によって巻き取られるため、被覆部材11を繰り出しおよび巻き取りスペース確保のために、ベース51の厚さを厚くする必要もない。これらにより、薄型のベース51で配置可能な、小型な透過照明装置にすることができる。

0045

また、被覆部材11の先端には、先端から反射率が段階的に小さくなるように構成しているため、コントラスト差の大きい標本像の縁で、光の回折現象により縁端でのギラツキが見える現象を防ぐことができる。これにより、鮮明な偏斜照明像を得ることができる。

0046

また、本実施の形態では、対物レンズ61の付け替えに合わせて、移動させる必要がある部品がコンデンサレンズ8,9のみであり、遮光手段を移動させる必要がないため、操作が簡単で操作性が向上する。また、可動部が少なく構造が簡単であるため、安価に装置を製造することができる。

0047

また、本実施の形態では、同じ偏向ミラー7の遮光機能により遮光を行うため、倍率が変わっても再現性よく偏斜照明を得ることができ、観察しやすいという利点がある。

0048

なお、本実施の形態の偏向ミラー7は、被覆部材11を反射面の下部から上部に向かって巻き取り機構75が繰り出す構成であったが、図3のように上部から下部に向かって被覆部材11を繰り出す構成にすることも可能である。
(実施の形態2)つぎに、本発明の第2の実施の形態の実体顕微鏡について図6を説明する。

0049

本実施の形態の実体顕微鏡は、高倍率対物レンズを取り付けているときには、標本と偏向ミラーとの間にコンデンサレンズを配置せず、低倍対物レンズを取り付けているときのみコンデンサレンズ24を光軸70上に配置することに特徴がある。コンデンサレンズ24は、第1の実施の形態と同様のスライド機構74に搭載され、レバー10をスライドさせることにより光軸70から挿脱される。また、本実施の形態の実体顕微鏡では、偏向ミラー24は、遮光機能を備えず、偏向ミラー24とフィールドレンズ27との間に、伸縮式の遮光板21を配置している。これ以外の部分は、第1の実施の形態の実体顕微鏡と同じであるので説明を省略する。

0050

本実施の形態において、高倍率対物レンズを取り付けているときには、標本と偏向ミラーとの間にコンデンサレンズを配置しない構成にしたのは次のような理由による。第1の実施の形態で述べたように、高倍率対物レンズの入射瞳は、標本面よりも光源1側にあり、コンデンサレンズが無くても自然と高倍率対物レンズの入射瞳が偏向ミラー23の近傍にある。よって、フィールドレンズ27が光源1の像を、高倍率対物レンズの入射瞳の位置に結像するようにフィールドレンズ27を設計することにより、コンデンサレンズが無くとも、高倍率対物レンズの入射瞳へ投影することが可能である。また、光源1の像の開口角は、フィールドレンズのFナンバーで決まるので、フィールドレンズの焦点距離を短くして開口角を大きくとれば、コンデンサレンズ無しでも、光源1の像の開口角を高倍率対物レンズの開口角以上にすることができる。よって、本実施の形態では、フィールドレンズ27を上記のように設計することにより、高倍率対物レンズを取り付けているときには、コンデンサレンズを用いないことにした。

0051

一方低倍率対物レンズを取り付けているときには、第1の実施の形態で述べたように低倍率対物レンズの入射瞳が、標本面よりも対物レンズ側にあるため、コンデンサレンズ24無しでは、入射瞳の位置に光源1の像を投影することできない。そこで、コンデンサレンズ24が低倍率対物レンズの入射瞳と共役な位置を、フィールドレンズ27の結像位置に形成するように、コンデンサレンズ24の光学特性を設計した。

0052

これにより、高倍率対物レンズが取り付けられているときも、低倍対物レンズが取り付けられているときも、対物レンズの入射瞳もしくはその共役な位置をフィールドレンズ27の結像位置に一致させることができる。なお、対物レンズの入射瞳は、第1の実施の形態で説明したように変倍レンズ群のズーミングにより移動するので、入射瞳の焦点深度が浅いズーム倍率が低倍の時に、対物レンズの入射瞳もしくはその共役な位置をフィールドレンズ27の結像位置に一致させるようコンデンサレンズ24およびフィールドレンズ27を設計する。ズーム高倍のときには入射瞳の焦点深度が深いので、焦点深度で入射瞳の位置ずれを許容するようにする。

0053

具体的に、高倍対物レンズの入射瞳の位置に、低倍対物レンズの入射瞳の位置を一致させるために、以下の条件を満たすようにコンデンサレンズ24を設計する。

0054

0.5<(fL/dL)<4.0
0.5<(dS/fL)<4.0
ただし、dSは、標本面から遮光板21までの光軸70に沿った距離である。

0055

また、高倍率対物レンズおよび低倍率対物レンズの入射瞳またはその共役位置に配置される伸縮式の遮光板21は、複数の短冊状の遮光フィルター81,82,83等と、その両端を支持する支持枠20と、巻き取り機構84、巻き取り機構84を回転させるダイヤル22とを有している。遮光フィルター81等は、両端に穴85がそれぞれ設けられている。この穴には、糸が通され、穴と糸とは固定されている。ダイヤル22を回転させると、巻き取り機構84がこの糸を巻き取って、短冊状の遮光フィルター81,82,83等を引き出し、光束中に配置して光を遮光させる。巻き取り機構84の糸の巻き取り量に応じて、遮光フィルター81,82,83等は伸縮し、遮光する光束量を連続的に調節することができる。これにより、偏斜照明の角度が調整でき、暗視野照明も可能である。

0056

このように、本実施の形態では、遮光板21を伸縮式にしたことにより、遮光フィルター81,82,83等を完全に光束中から退避させた状態のときには遮光フィルター81,82,83等はベース51の底面上に重なって配置されるため、ほとんど収容場所を必要としない。よって、遮光フィルター81,82,83等の退避のためにベース51を厚くする必要がない。

0057

また、遮光フィルター81,82,83等のうち、最も先端側の遮光フィルター81は透過率が50%、2番目の遮光フィルター82は透過率が30%、3番目以降の遮光フィルター83は透過率が0%のものを用いる。このように、遮光部材の先端部では遮光率を低くし、遮光部材の内側にいくほど遮光率を高めることにより、偏斜照明時にコントラスト差の大きい標本像の縁で光の回折現象により、縁端のギラツキが見える現象を防ぐことができ、鮮明な標本像を得ることができる。なお、透過率の設定は、上述のように必ずしも3段階にする必要はなく、少なくとも2段階に透過率が小さくなっていれば上記の効果を得ることができる。

0058

ここで第2の実施の形態で用いたコンデンサレンズ24の具体的なレンズデータを示す。

0059

ID=000005HE=025 WI=050 LX=1250 LY=0350
遮蔽面
第1面の非球面計数K=1.0、C2=0、C4=-2.59440×10-6、C6=-1.73710×10-9、C8=-6.8898×10-13、C10=-8.60320×10-16
焦点距離=57
このコンデンサレンズ24は、fL=57、dL=44、dS=61.9であるので、(fL/dL)=1.3、(dS/fL)=1.1であり、
0.5<(fL/dL)<4.0
0.5<(dS/fL)<4.0
の条件を満たしている。

0060

第2の実施の形態の実体顕微鏡は、第1の実施の形態よりもコンデンサレンズが一つ少ない構成でありながら、低倍率から高倍率まで対物レンズの瞳位置遮蔽板21の位置とをほぼ一致させることができる。よって、高倍率から低倍率まで偏斜照明を実視野全体にむらなく行うことができる。

0061

なお、第2の実施の形態の実体顕微鏡では、ベース51を薄くするため標本載置台60と偏向ミラー23との距離を小さくしているため、高倍率対物レンズの入射瞳が、偏向ミラー23よりも光源側1に位置する。このため、伸縮型の遮光板21を用いている。しかしながら、高倍率対物レンズによっては、入射瞳の位置が異なるため、入射瞳の位置を偏向ミラー23の反射面に位置させる構成にすることも可能である。その場合には、偏向ミラー23として第1の実施の形態の遮光機能付き偏向ミラー7を用いることができる。

0062

上述してきたように、本発明の実施の形態によれば、簡単な構成で、高倍率から低倍率まで幅広い倍率範囲で、安定した偏斜照明で観察することが可能な実体顕微鏡を提供することができる。

0063

なお、上述してきた各実施の形態において、複数の低倍率の対物レンズと複数の高倍率の対物レンズの中から一つを選択して取り付けることを説明したが、実際の製品の対物レンズをどのようにして低倍率の対物レンズと高倍率の対物レンズとに分けるかについて説明する。実際の製品の対物レンズは、0.3倍から2倍まで複数種類のものがある。先に説明したように、左右の光軸のなす角20度を基準にすることにより、高倍と低倍の2つのグループに分けることができる。このようにして2つのグループに分けた場合、瞳の位置およびその変動の傾向は、グループ内で似ているため、概ね適した明視野および偏斜照明が可能である。

0064

本願の特許請求の範囲に記載の実体顕微鏡の発明のより好ましい態様を実施するためには、以下の特徴を有することが効果的である。

0065

すなわち、特許請求の範囲の請求項3に記載の実体顕微鏡において、前記取付部には、前記対物レンズとして、予め定められた低倍率の対物レンズおよび、前記低倍率の対物レンズよりも高倍率の対物レンズのうちから一方を選択して取り付け可能であり、前記照明部は、前記遮蔽部を通過した前記光束を前記標本に向けて集光するための第1および第2集光レンズと、該第1および第2集光レンズの一方を選択して前記対物レンズの光軸上に配置する機構部とを含み、前記第1集光レンズは、少なくとも前記変倍レンズが最も低倍率の場合に、前記取付部に取り付けられた前記低倍率の対物レンズの入射瞳と共役な位置を前記遮蔽部の位置に形成する光学特性を有し、前記第2集光レンズは、少なくとも前記変倍レンズが最も低倍率の場合に、前記取付部に取り付けられた前記高倍率の対物レンズの入射瞳と共役な位置を前記遮蔽部の位置に形成する光学特性を有する構成にすることができる。

0066

また、特許請求の範囲の請求項3に記載の実体顕微鏡において、前記取付部には、前記対物レンズとして、予め定められた低倍率の対物レンズおよび、前記低倍率の対物レンズよりも高倍率の対物レンズのうちから一方を選択して取り付け可能であり、前記照明部は、前記遮蔽部を通過した前記光束を前記標本に向けて集光するための第1集光レンズと、該第1集光レンズを前記光軸上に出没させる機構部とを含み、前記遮蔽部が配置されている位置は、少なくとも前記変倍レンズが最も低倍率の場合に、前記取付部に取り付けられた前記高倍率の対物レンズの入射瞳の位置であり、前記第1集光レンズは、少なくとも前記変倍レンズが最も低倍率の場合に、前記取付部に取り付けられた前記低倍率の対物レンズの入射瞳と共役な位置を前記遮蔽部の位置に形成する光学特性を有する構成にすることができる。

0067

また、特許請求の範囲の請求項1に記載の実体顕微鏡において、前記第1および第2集光レンズは、以下の式を満たす光学特性を有する構成にすることができる。

0068

0.5<(fH/dH)/(fL/dL)<6.0
ただし、fLは、第1集光レンズの合成焦点距離、fHは、第2集光レンズの合成集光距離、dLは、第1集光レンズの最も前記遮蔽部側のレンズ面中心から前記遮蔽部までの前記光軸に沿った距離、dHは、第2集光レンズの最も前記遮蔽部側のレンズ面中心から前記遮蔽部までの前記光軸に沿った距離である。

0069

このような構成にすることにより、低倍率および高倍率対物レンズの入射瞳をほぼ一致させる条件を具体的に示すことができ、高倍率から低倍率まで幅広い倍率範囲で、安定した偏斜照明で観察することが可能な実体顕微鏡を提供することができる。

0070

また、特許請求の範囲の請求項1に記載の実体顕微鏡において、前記第1および第2集光レンズは、以下の2つの式
−0.1<(1/|fL|)−(1/|dL|)<0.1
−0.1<(1/|fH|)−(1/|dH|)<0.1
を満たす光学特性を有する構成にすることができる。

0071

また、特許請求の範囲の請求項2に記載の実体顕微鏡において、前記第1集光レンズは、以下の式を満たす光学特性を有する構成にすることができる。

0072

−0.1<(1/|fL|)−(1/|dL|)<0.1
0.5<(dS/fL)<4.0
ただし、fLは、第1集光レンズの合成焦点距離、dLは、第1集光レンズの最も前記遮蔽部側のレンズ面中心から前記遮蔽部までの前記光軸に沿った距離、dSは、前記標本載置部の標本面から前記遮蔽部までの前記光軸に沿った距離である。

0073

このような構成にすることにより、第1(および第2)の集光レンズと標本載置台との距離を適切な範囲に設定することが可能な実体顕微鏡を提供することができる。

0074

また、特許請求の範囲の請求項8に記載の実体顕微鏡において、前記遮光部材は、先端部分の透過率が他の部分の透過率よりも大きい構成にすることができる。

0075

このような構成にすることにより、偏斜照明時の回折光の回り込み込みにより、標本像の周囲に縁端のギラツキが生じるのを防ぐことのできる実体顕微鏡を提供することができる。

0076

また、本実施の形態に記載した構成は、実体顕微鏡として使用する場合のみならず、透過照明装置の部分を他の実体顕微鏡に取り付けて用いることもできる。この場合透過照明装置の構成としては、対物レンズとして、予め定められた低倍率の対物レンズおよび前記低倍率の対物レンズよりも高倍率の対物レンズのうちから一方を選択して取り付け可能な実体顕微鏡の透過照明装置であって、光源と、前記光源からの光束の一部を遮蔽するための遮蔽部と、前記遮蔽部を通過した前記光束を前記標本に向けて集光するための第1および第2集光レンズと、該第1および第2集光レンズの一方を選択して前記対物レンズの光軸上に配置する機構部とを含み、前記第1集光レンズは、前記低倍率の対物レンズが取り付けられている場合に、該低倍率の対物レンズの入射瞳と共役な位置を前記遮蔽部の位置に形成する光学特性を有し、前記第2集光レンズは、前記高倍率の対物レンズが取り付けられている場合に、該高倍率の対物レンズの入射瞳と共役な位置を前記遮蔽部の位置に形成する光学特性を有する実体顕微鏡の透過照明装置とすることができる。

0077

また、対物レンズとして、予め定められた低倍率の対物レンズおよび前記低倍率の対物レンズよりも高倍率の対物レンズのうちから一方を選択して取り付け可能な実体顕微鏡の透過照明装置であって、光源と、前記光源からの光束の一部を遮蔽するための遮蔽部と、前記遮蔽部を通過した前記光束を前記標本に向けて集光するための第1集光レンズと、該第1集光レンズを前記光軸上に出没させる機構部とを含み、前記遮蔽部は、前記対物レンズとして前記高倍率の対物レンズが前記取付部に取り付けられている場合の前記高倍率の対物レンズの入射瞳の位置に配置され、前記第1集光レンズは、前記取付部に取り付けられた前記低倍率の対物レンズの入射瞳と共役な位置を前記遮蔽部の位置に形成する光学特性を有する透過照明装置とすることもできる。

0078

また、倍率を変化させるための変倍レンズと対物レンズとを有し、該対物レンズとして、予め定められた低倍率の対物レンズおよび前記低倍率の対物レンズよりも高倍率の対物レンズのうちから一方を選択して取り付け可能な実体顕微鏡の透過照明装置であって、光源と、前記光源からの光束の一部を遮蔽するための遮蔽部とを含み、前記遮蔽部は、前記変倍レンズが最も低倍率のときの前記対物レンズの入射瞳と共役な位置に配置されている実体顕微鏡の透過照明装置とすることもできる。

0079

これらの透過照明装置は、それぞれ、簡単な構成で、高倍率から低倍率まで幅広い倍率範囲で、安定した偏斜照明をすることのできる。

発明の効果

0080

本願の請求項1〜3に記載の発明はそれぞれ、簡単な構成で、高倍率から低倍率まで幅広い倍率範囲で、安定した偏斜照明で観察することが可能な実体顕微鏡を提供することができる。

0081

本願の請求項4に記載の発明によれば、対物レンズの入射瞳またはその共役な位置に光源像を形成できるため明るくむらのない透過照明が可能な実体顕微鏡を提供することができる。

0082

本願の請求項5に記載の発明によれば、反射部と遮蔽部とを同じ位置に配置することができるため、小型な実体顕微鏡を提供することができる。

0083

本願の請求項6に記載の発明によれば、連続的に光束の遮蔽量を調節することができるため、任意の偏斜照明の可能な実体顕微鏡を提供することができる。

0084

本願の請求項7に記載の発明によれば、遮蔽部と第1及び第2集光レンズとの間で光軸を折り曲げるため、薄型の照明部を実現可能な実体顕微鏡を提供することができる。

0085

本願の請求項8に記載の発明によれば、遮蔽部を伸縮式にしたことにより、遮蔽部を収納するためのスペースが小さくて済み、薄型の照明部を実現可能な実体顕微鏡を提供することができる。

0086

本願の請求項9に記載の発明によれば、対物レンズの開口角に応じて、効率よく照明光を対物レンズに入射させることができるため、明るい像を得ることのできる実体顕微鏡を提供することができる。

0087

本願の請求項10に記載の発明によれば、偏斜照明時の回折光の回り込み込みにより、標本像の周囲に縁端のギラツキが生じるのを防ぐことのできる実体顕微鏡を提供することができる。

図面の簡単な説明

0088

図1本発明の第1の実施の形態の実体顕微鏡のベース51内の透過照明装置の構成を示す断面図。
図2図1のベース51のA−A’断面図。
図3本発明の第1の実施の形態の実体顕微鏡の照明装置に用いる偏向ミラー7の別の構成例を示す側面図。
図4第1の実施の形態の実体顕微鏡において、対物レンズ61として高倍率対物レンズが取り付けられており、(a)変倍レンズ群のズームが最高倍率のとき(b)変倍レンズ群のズームが最低倍率のとき、についての光路をそれぞれ示す説明図。
図5第1の実施の形態の実体顕微鏡において、対物レンズ61として低倍率対物レンズが取り付けられており、(a)変倍レンズ群のズームが最高倍率のとき(b)変倍レンズ群のズームが最低倍率のとき、についての光路をそれぞれ示す説明図。
図6本発明の第2の実施の形態の実体顕微鏡のベース51内の透過照明装置の構成を示す断面図。
図7図6のベース51のB−B’断面図。
図8本発明の第2の実施の形態の実体顕微鏡の照明装置に用いる遮蔽部21の正面図。
図9本発明の第1の実施の形態の実体顕微鏡の全体構成を示す斜視図。
図10従来の実体顕微鏡用透過照明装置の構成を示すブロック図。
図11従来の実体顕微鏡用透過照明装置の構成を示すブロック図。

--

0089

1…光源、2…コレクタレンズ、3…断熱フィルタ、4…拡散板、5a,5b,5c…フィルタ、6…フィールドレンズ、7…偏向ミラー、8、9…コンデンサレンズ、10…レバー、11…被覆部材、20…支持枠、21…遮光板、23…偏向ミラー、51…ベース、52…照明電源、53…変倍レンズ鏡筒、54…接眼レンズ、55…焦点合わせ装置、56…変倍ノブ、57…焦点合わせノブ、58…支柱、59…可変絞り調節スライドスイッチ、60…標本載置台、61…対物レンズ、70…光軸、71レンズ枠、72…スリット、74…スライド機構部、75…巻き取り機構、81,82,83…遮光フィルタ、84…巻き取り機構、85…穴。

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