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技術 ArFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置

出願人 ウシオ電機株式会社
発明者 柿崎弘司佐々木陽一
出願日 1999年12月21日 (20年2ヶ月経過) 出願番号 1999-362688
公開日 2001年6月29日 (18年8ヶ月経過) 公開番号 2001-177172
状態 特許登録済
技術分野 レーザ(1)
主要キーワード 片側開放 残留インピーダンス 高純度アルミナセラミックス 繰返し動作 回路ループ ロングパルス パルス整形回路 励起回路
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

繰返し周波数が2kHzを越えてもレーザパルス幅Tisが40ns以上が可能な露光用ArFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置

解決手段

レーザチェンバー内に配置されたレーザ放電電極とそれに並列に接続されたピーキングコンデンサとを有するArFエキシマレーザ装置等において、磁気パルス圧縮回路からピーキングコンデンサを介して放電電極エネルギー注入する1次電流と、磁気パルス圧縮回路の最終段コンデンサから放電電極へエネルギーを注入する2次電流とを重畳させ、かつ、2次電流の振動周期を1次電流の振動周期より長く設定して、2次電流が重畳した1次電流の極性反転する放電振動電流波形の始めの半周期と、それに続く少なくとも2つの半周期とによって1パルスレーザ発振動作を行わせる。

概要

背景

半導体集積回路微細化、高集積化につれて、その製造用投影露光装置においては解像力の向上が要請されている。このため、露光用光源から放出される露光光短波長化が進められており、次世代の半導体露光用光源として、ArFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置等の紫外線を放出するガスレーザ装置が有力である。

ArFエキシマレーザ装置においては、フッ素(F2 )ガスアルゴン(Ar)ガス及びバッファーガスとしてのネオン(Ne)等の希ガスからなる混合ガス、あるいは、フッ素レーザ装置においては、フッ素(F2 )ガス及びバッファーガスとしてヘリウム(He)等の希ガスからなる混合ガスであるレーザガスが数百kPaで封入されたレーザチェンバの内部で放電を発生させることにより、レーザ媒質であるレーザガスが励起される。

この中、ArFエキシマレーザ装置は、放出するレーザ光スペクトル幅が400pm程度と広いので、露光装置投影光学系における色収差の問題を回避するためには、スペクトル幅を1pm以下に狭帯域化することが必要となる。スペクトル線幅の狭帯域化は、例えば拡大プリズム回折格子からなる狭帯域化光学系をレーザ共振器内に配置することにより実現される。

ところで、ArFエキシマレーザ装置は、中心発振波長が193.3nmであり、現在露光用光源として使用されているKrFエキシマレーザ装置の中心発振波長248nmより短い。このため、ステッパー等の露光装置の投影レンズ系に使用されている硝材である石英に与えるダメージがKrFエキシマレーザ装置を使用した場合と比較して大きく、レンズ系の寿命が短くなるという問題がある。

石英のダメージとしては、2光子吸収によるカラーセンターの形成とコンパクション屈折率上昇)がある。前者は透過率の減少、後者はレンズ系の分解能の減少として現れる。この影響は、レーザパルスエネルギーを一定とした場合、次式で定義されるレーザパルス幅(Tis)に反比例する。

概要

繰返し周波数が2kHzを越えてもレーザパルス幅Tisが40ns以上が可能な露光用ArFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置。

レーザチェンバー内に配置されたレーザ放電電極とそれに並列に接続されたピーキングコンデンサとを有するArFエキシマレーザ装置等において、磁気パルス圧縮回路からピーキングコンデンサを介して放電電極へエネルギーを注入する1次電流と、磁気パルス圧縮回路の最終段コンデンサから放電電極へエネルギーを注入する2次電流とを重畳させ、かつ、2次電流の振動周期を1次電流の振動周期より長く設定して、2次電流が重畳した1次電流の極性反転する放電振動電流波形の始めの半周期と、それに続く少なくとも2つの半周期とによって1パルスレーザ発振動作を行わせる。

目的

本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、繰返し周波数が2kHzを越えてもロングパルス化が可能な露光用ArFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
3件

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請求項1

磁気パルス圧縮回路出力端に接続され、レーザチェンバー内に配置された一対のレーザ放電電極とその一対のレーザ放電電極と並列に接続されたピーキングコンデンサとを有するArFエキシマレーザ装置において、前記磁気パルス圧縮回路から前記ピーキングコンデンサを介して前記放電電極エネルギー注入する1次電流と、前記磁気パルス圧縮回路の最終段の前記ピーキングコンデンサ充電用コンデンサから前記放電電極へエネルギーを注入する2次電流とを重畳させ、かつ、前記2次電流の振動周期を前記1次電流の振動周期より長く設定して、前記2次電流が重畳した前記1次電流の極性反転する放電振動電流波形の始めの半周期と、それに続く少なくとも2つの半周期とによって1パルスレーザ発振動作を行うように構成したことを特徴とするArFエキシマレーザ装置。

請求項2

前記磁気パルス圧縮回路は、半導体スイッチと少なくとも1段以上のコンデンサ及び磁気スイッチからなる磁気パルス圧縮部を備え、前記ピーキングコンデンサと前記主放電電極とが形成する回路ループインダクタンスが5〜8nH、前記レーザチャンバ内の全ガス圧が2.5〜3.7気圧であり、この中のフッ素分圧が0.1%以下であって、さらに、前記主放電電極に印加される電圧ブレークダウンが発生するまでの立ち上がり時間が30〜80nsであるとき、前記ピーキングコンデンサの容量Cpと、前記磁気パルス圧縮回路の最終段の前記ピーキングコンデンサ充電用のコンデンサの容量Cnとが、0.45<Cp/Cn<0.75の関係にあることを特徴とする請求項1記載のArFエキシマレーザ装置。

請求項3

前記ピーキングコンデンサの容量Cpは10nF未満であることを特徴とする請求項2記載のArFエキシマレーザ装置。

請求項4

前記主放電電極の一方には予備電離電極近接して配置されており、前記ピーキングコンデンサと並列に接続され、かつ、前記予備電離電極と直列に接続された予備電離用コンデンサの容量Ccは、前記ピーキングコンデンサの容量Cpの5%以下であることを特徴とする請求項2又は3記載のArFエキシマレーザ装置。

請求項5

前記レーザチャンバ内に配置された光共振器出力鏡反射率が50%以上であることを特徴とする請求項2から4の何れか1項記載のArFエキシマレーザ装置。

請求項6

前記光共振器のラウンドトリップ回数が6回以上であることを特徴とする請求項2から5の何れか1項のArFエキシマレーザ装置。

請求項7

前記主放電電極は、長さが550〜750mm、電極間距離が14〜18mmであることを特徴とする請求項2から6の何れか1項記載ののArFエキシマレーザ装置。

請求項8

磁気パルス圧縮回路の出力端に接続され、レーザチェンバー内に配置された一対のレーザ放電電極とその一対のレーザ放電電極と並列に接続されたピーキングコンデンサとを有するフッ素レーザ装置において、前記磁気パルス圧縮回路から前記ピーキングコンデンサを介して前記放電電極へエネルギーを注入する1次電流と、前記磁気パルス圧縮回路の最終段の前記ピーキングコンデンサ充電用のコンデンサから前記放電電極へエネルギーを注入する2次電流とを重畳させ、かつ、前記2次電流の振動周期を前記1次電流の振動周期より長く設定して、前記2次電流が重畳した前記1次電流の極性が反転する放電振動電流波形の始めの半周期と、それに続く少なくとも2つの半周期とによって1パルスのレーザ発振動作を行うように構成したことを特徴とするフッ素レーザ装置。

技術分野

0001

本発明は、紫外線を放出するガスレーザ装置に関し、特に、ArFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置において、レーザ発振パルス幅の長いレーザ動作を行うガスレーザ装置に関するものである。

背景技術

0002

半導体集積回路微細化、高集積化につれて、その製造用投影露光装置においては解像力の向上が要請されている。このため、露光用光源から放出される露光光短波長化が進められており、次世代の半導体露光用光源として、ArFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置等の紫外線を放出するガスレーザ装置が有力である。

0003

ArFエキシマレーザ装置においては、フッ素(F2 )ガスアルゴン(Ar)ガス及びバッファーガスとしてのネオン(Ne)等の希ガスからなる混合ガス、あるいは、フッ素レーザ装置においては、フッ素(F2 )ガス及びバッファーガスとしてヘリウム(He)等の希ガスからなる混合ガスであるレーザガスが数百kPaで封入されたレーザチェンバの内部で放電を発生させることにより、レーザ媒質であるレーザガスが励起される。

0004

この中、ArFエキシマレーザ装置は、放出するレーザ光スペクトル幅が400pm程度と広いので、露光装置投影光学系における色収差の問題を回避するためには、スペクトル幅を1pm以下に狭帯域化することが必要となる。スペクトル線幅の狭帯域化は、例えば拡大プリズム回折格子からなる狭帯域化光学系をレーザ共振器内に配置することにより実現される。

0005

ところで、ArFエキシマレーザ装置は、中心発振波長が193.3nmであり、現在露光用光源として使用されているKrFエキシマレーザ装置の中心発振波長248nmより短い。このため、ステッパー等の露光装置の投影レンズ系に使用されている硝材である石英に与えるダメージがKrFエキシマレーザ装置を使用した場合と比較して大きく、レンズ系の寿命が短くなるという問題がある。

0006

石英のダメージとしては、2光子吸収によるカラーセンターの形成とコンパクション屈折率上昇)がある。前者は透過率の減少、後者はレンズ系の分解能の減少として現れる。この影響は、レーザパルスエネルギーを一定とした場合、次式で定義されるレーザパルス幅(Tis)に反比例する。

0007

Tis=(∫T(t)dt)2 /∫(T(t))2 dt ・・・(1)
ここで、T(t)は時間的なレーザ形状である。

0008

ここで、このレーザパルス幅Tisの定義について説明しておく。光学素子のダメージが2光子吸収により生じると仮定すると、ダメージは、レーザ光強度の2乗に比例するため、1パルス当たり蓄積されるダメージDは次式で与えられる。

0009

D=k・∫(P(t))2 dt ・・・(2)
ここで、kは物質により決まる定数、P(t)は時間的なレーザ強度(MW)である。

0010

レーザ強度P(t)は、次式により、時間とエネルギーに分離することができる。

0011

P(t)=I・T(t)/∫T(t’)dt’ ・・・(3)
ここで、Iはエネルギー(mJ)、T(t)は時間的なレーザ形状である。

0012

P(t)を時間的に積分するとIになり、ArFエキシマレーザの場合、Iは例えば5mJである。

0013

ここで、(3)式を(2)式に代入すると、ダメージDは以下の式で表される。

0014

D=k・I2 ・∫(T(t)/∫T(t’)dt’)2 dt
=k・I2 ・∫(T(t))2 dt/(∫T(t)dt)2
・・・(4)
ここで、(1)式を代入すると、
D=k・I2 /Tis ・・・(5)
となる。この(5)式より、k・I2 は一定であるため(Iは一定に維持される。)、ダメージDに反比例するパルス幅Tisが(1)式により定義される。

0015

従来、レーザパルス幅を時間的なレーザ形状の半値全幅FWHMで定義する場合があった。半値全幅でレーザパルス幅を定義する場合、図8モデル図に示すように、時間的なレーザ形状が互いに異なっても同じ値となる。しかしながら、図8に示す例では、実際のレーザパルスの継続時間は、三角形形状の方が矩形形状よりも長い。一方、(1) 式で定義されるレーザパルス幅Tisでは、図8に示す三角形形状の方が矩形形状よりも長い。例えば図8に示す例では、三角形形状のレーザパルス幅Tisは、矩形形状のレーザパルス幅Tisの2倍となる。

0016

上記のように、レーザパルスのエネルギーを一定とした場合、2光子吸収による透過率の減少、コンパクションによる分解能の減少は、(1)式で与えられるレーザパルス幅Tisに反比例するので、レーザパルス幅Tisを長くすること(ロングパルス化)が望まれている。

0017

現状、商品化されている露光用狭帯域化ArFエキシマレーザ装置は、発振動作繰返し周波数(以後、繰返し周波数と呼ぶ。)1kHz、レーザ光出力が5Wのものが一般的であり、半導体露光装置載される光学系のダメージを回避するためには、レーザパルス幅Tisは30ns以上であることが必要とされている。

0018

上記したように、露光装置に塔載される光学系のダメージを低減するためには、レーザパルス幅Tisを長くするロングパルス化が求められるが、このロングパルス化は、以下の点からも要請される。

0019

投影露光装置において、回路パターン等が施されたマスクの像が、投影レンズを介してフォトレジストが塗布されたウエーハ等のワークに投影される投影像解像度Rと焦点深度DOFは、次式で表される。

0020

R=k1 ・λ/NA ・・・(6)
DOF=k2 ・λ/(NA)2 ・・・(7)
ここで、k1 、k2 はレジストの特性等を反映する係数、λは露光用光源から放出される露光光の波長、NAは開口数である。

0021

解像度Rを向上させるため、(6)式から明らかなように、露光光の波長の短波長化、高NA化が進んでいるが、その分、(7)式が示す通り、焦点深度DOFが小さくなる。そのため、色収差の影響が大きくなるので、露光光のスペクトル線幅をより狭くする必要がある。すなわち、ArFエキシマレーザ装置から放出されるレーザ光のスペクトル線幅のさらなる狭帯化が要請される。

0022

ここで、Proc.SPIEVol.3679.(1999)1030〜1037には、レーザパルス幅が長くなると、それに伴って、レーザ光のスペクトル線幅が狭くなって行くことが記載されており、実際、本発明者等の実験でもこれは証明された。すなわち、解像度Rを向上させるためには、レーザ光のスペクトル線幅のさらなる狭帯化が要請され、そのためにはレーザパルス幅のロングパルス化が必要となる。

0023

以上のように、露光装置の光学系へ与えるダメージの回避、及び、解像度の向上のために、レーザパルス幅Tisのロングパルス化が必須となってきた。レーザパルス幅Tisは、レーザチェンバに封入されるレーザガス中のフッ素ガス濃度に依存することが知られており(前出:Proc.SPIEVol.3679.(1999)1030〜1037)、フッ素ガス濃度を調整することにより、レーザパルス幅TisをTis≧30nsとなるようにロングパルス化することが可能となる。

0024

また、特願平11−261628号では、本発明者等により、極性反転する1パルス放電振動電流波形の始めの半周期と、それに続く少なくとも1つの半周期によってレーザ発振動作を行わせるように構成して、Tis≧30nsのレーザパルスを形成する方法が提案されている。

発明が解決しようとする課題

0025

次世代の半導体露光用光源として有力視されているArFエキシマレーザ装置あるいはフッ素レーザ装置に対し、さらなる高解像度化高スループット化、石英に対する低ダメージ化が要請されている。

0026

しかしながら、高解像度化、低ダメージ化に効果のあるロングパルス化と、高スループット化のための高繰り返し化は、放電の安定持続性の観点から相反する技術であり、両立は困難と考えられていた。

0027

本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、繰返し周波数が2kHzを越えてもロングパルス化が可能な露光用ArFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0028

上記目的を達成するための本発明のArFエキシマレーザ装置は、磁気パルス圧縮回路出力端に接続され、レーザチェンバー内に配置された一対のレーザ放電電極とその一対のレーザ放電電極と並列に接続されたピーキングコンデンサとを有するArFエキシマレーザ装置において、前記磁気パルス圧縮回路から前記ピーキングコンデンサを介して前記放電電極へエネルギーを注入する1次電流と、前記磁気パルス圧縮回路の最終段の前記ピーキングコンデンサ充電用コンデンサから前記放電電極へエネルギーを注入する2次電流とを重畳させ、かつ、前記2次電流の振動周期を前記1次電流の振動周期より長く設定して、前記2次電流が重畳した前記1次電流の極性が反転する放電振動電流波形の始めの半周期と、それに続く少なくとも2つの半周期とによって1パルスのレーザ発振動作を行うように構成したことを特徴とするものである。

0029

この場合に、前記磁気パルス圧縮回路は、半導体スイッチと少なくとも1段以上のコンデンサ及び磁気スイッチからなる磁気パルス圧縮部を備え、前記ピーキングコンデンサと前記主放電電極とが形成する回路ループインダクタンスが5〜8nH、前記レーザチャンバ内の全ガス圧が2.5〜3.7気圧であり、この中のフッ素分圧が0.1%以下であって、さらに、前記主放電電極に印加される電圧ブレークダウンが発生するまでの立ち上がり時間が30〜80nsであるとき、前記ピーキングコンデンサの容量Cpと、前記磁気パルス圧縮回路の最終段の前記ピーキングコンデンサ充電用のコンデンサの容量Cnとが、0.45<Cp/Cn<0.75の関係にあることが望ましい。

0030

この場合に、ピーキングコンデンサの容量Cpは10nF未満であることが望ましい。

0031

また、主放電電極の一方には予備電離電極近接して配置されており、ピーキングコンデンサと並列に接続され、かつ、予備電離電極と直列に接続された予備電離用コンデンサの容量Ccが、ピーキングコンデンサの容量Cpの5%以下であることが望ましい。

0032

また、レーザチャンバ内に配置された光共振器出力鏡反射率が50%以上であることが望ましい。

0033

また、光共振器のラウンドトリップ回数が6回以上であることが望ましい。

0034

また、主放電電極は、長さが550〜750mm、電極間距離が14〜18mmであることが望ましい。

0035

本発明のフッ素レーザ装置は、磁気パルス圧縮回路の出力端に接続され、レーザチェンバー内に配置された一対のレーザ放電電極とその一対のレーザ放電電極と並列に接続されたピーキングコンデンサとを有するフッ素レーザ装置において、前記磁気パルス圧縮回路から前記ピーキングコンデンサを介して前記放電電極へエネルギーを注入する1次電流と、前記磁気パルス圧縮回路の最終段の前記ピーキングコンデンサ充電用のコンデンサから前記放電電極へエネルギーを注入する2次電流とを重畳させ、かつ、前記2次電流の振動周期を前記1次電流の振動周期より長く設定して、前記2次電流が重畳した前記1次電流の極性が反転する放電振動電流波形の始めの半周期と、それに続く少なくとも2つの半周期とによって1パルスのレーザ発振動作を行うように構成したことを特徴とするものである。

0036

本発明においては、磁気パルス圧縮回路からピーキングコンデンサを介して放電電極へエネルギーを注入する1次電流と、磁気パルス圧縮回路の最終段のピーキングコンデンサ充電用のコンデンサから放電電極へエネルギーを注入する2次電流とを重畳させ、かつ、2次電流の振動周期を1次電流の振動周期より長く設定して、2次電流が重畳した1次電流の極性が反転する放電振動電流波形の始めの半周期と、それに続く少なくとも2つの半周期とによって1パルスのレーザ発振動作を行うように構成したので、繰返し周波数2kHz以上の場合において、高繰返しロングパルス化狭帯域ArFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置を実現することができる。

発明を実施するための最良の形態

0037

以下、本発明の原理とその実施例について、図面に基づいて説明する。

0038

本発明者は、上記のような要請に対応するために、レーザ放電回路において高繰返し動作に対応するロングパルス化回路を形成することにより、繰返し周波数が2kHz以上でも、安定に動作可能なTis≧40nsとなるロングパルス露光用ArFエキシマレーザ装置を開発した。

0039

その原理としては、ロングパルス化回路の具体的な動作として、レーザチェンバー内に配置された一対のレーザ放電電極と並列に接続されたピーキングコンデンサから放電空間に流れる1次電流の立上りを速く、かつ、ピーク値を高くし、さらに、その周期を短くし、放電を安定持続しやすくすると共に、ピーキングコンデンサから放電空間に流れる1次電流の第2周期に、磁気パルス圧縮回路のピーキングコンデンサ充電用のコンデンサに残留している電荷(放電までにピーキングコンデンサに移行せずに残った分)を合わせて流れるようにすることによって、1次電流極性が反転する1パルスの放電振動電流波形の始めの半周期と、それに続く少なくとも2つの半周期によってレーザ発振動作をするようにすることである。

0040

この状態の概念図を図1に示す。ピーキングコンデンサから流れる1次電流の立上りが速く、ピーク値が高く、その周期が短くなるように回路定数を定めることにより(具体的な回路構成、回路定数は後述する。)、放電を安定持続しやすくする。

0041

一方、放電開始時に、磁気パルス圧縮回路のピーキングコンデンサ充電用のコンデンサ(最終段のコンデンサ)に電荷が残留するように回路定数を定めて(具体的な回路構成、回路定数は後述する。)、その残留電荷が放電空間に流れる2次電流の周期を1次電流の周期より長く(例えば3倍以上6倍以下)に設定する。

0042

そして、放電電極間に流れる電流をこの1次電流と2次電流とが重畳したものとして、図1のように、重畳した電流の極性が反転する振動電流波形の始めの半周期と、それに続く少なくとも2つの半周期とによって1パルスのレーザ発振動作を行うようにする。

0043

補足的に説明すると、図1の重畳した振動電流の第1の半周期と第3の半周期は同じ極性であり、電流が重畳して強度が大きくなっており、その間に放電空間に注入されるエネルギーは、2次電流がない従来の場合に比較して大きくなっており、発振エネルギーも大きくなる。しかし、振動電流の第2の半周期においては、電流値は逆に小さくなるため、注入されるエネルギーは少なくなるが、この間も第1の半周期に続いて放電空間内で極性は反転するものの放電が持続していて効率的にエネルギーが注入されるので、レーザ発振動作は第1の半周期から第2の半周期、そして第3の半周期と持続させることができる。

0044

このように、磁気パルス圧縮回路からピーキングコンデンサを介して放電電極へエネルギーを注入する1次電流と、磁気パルス圧縮回路のピーキングコンデンサ充電用のコンデンサから放電電極へエネルギーを注入する2次電流とを重畳させ、かつ、2次電流の振動周期を1次電流の振動周期より長く設定し、2次電流が重畳した1次電流の極性が反転する放電振動電流波形の始めの半周期と、それに続く少なくとも2つの半周期とによって1パルスのレーザ発振動作を行うように構成することにより、Tis≧40nsとロングパルス化が可能になり、線幅が0.5pm(半値)より狭くなり、解像度が向上し、また、そのロングパルス化によりピーク光強度が低下したことにより、石英材料のダメージを軽減することもできる。

0045

以下、本発明のArFエキシマレーザ装置とその励起回路の具体例を示す。

0046

図2は、本発明の露光用ArFエキシマレーザ装置の構成例を示す図であり、図中、1はレーザチェンバであり、両端に窓部が設けられ、フッ素ガスアルゴンガス及びバッファーガス(例えばネオンガス)からなる混合ガスであるレーザガスが封入されている。

0047

レーザチェンバ1の内部には、所定間隔だけ離間して対向した一対の放電電極2、2が設けられ、高電圧パルス発生装置3より高電圧パルスを印加して放電電極2、2間に放電を発生させることにより、レーザ媒質であるレーザガスが励起される。 レーザチェンバ1内に設置されたファン4によって、レーザガスはレーザチェンバ1内部を循環する。

0048

このレーザガス循環により、放電電極2間のレーザガスは、放電発生後、次の放電が発生する前に新しいガスに置換されるので、次の放電は安定な放電となる。

0049

本発明者等はレーザチェンバ1のレーザガス循環構造、ファン4の形状等の改良を行い、繰返し周波数2kHz以上を実現した。

0050

レーザチェンバ1の一方の端部側には、レーザ光のスペクトル幅を狭帯域化するための狭帯域化光学系を有する狭帯域化モジュール5が設けられる。狭帯域化モジュール5は、例えば、1個以上のプリズムからなるビーム径拡大光学系リトロー配置反射型回折格子とから構成される。レーザチェンバ1の他方の端部側には出力鏡6が設けられ、この出力鏡6と狭帯域化モジュール5に設置された狭帯域化光学系によりレーザ共振器が構成される。

0051

出力鏡6より放出されたArFエキシマレーザ光の一部はビームサンプラー7により取り出され、レーザ光の時間的波形を検出する波形検出手段8に導かれる。波形検出手段8、例えば、フォトダイオード又は光電子増倍管光電変換手段として備えている。波形検出手段8で得られた波形データは、パルス幅算出手段9に送られる。パルス幅算出手段9は、受け取ったパルス幅データに基いて、前記した式(1)に従って、レーザパルス幅Tisを算出する。

0052

このようなArFエキシマレーザ装置の主放電電極2、2の間に図3に示すような励起回路により主放電電圧が、また、コロナ予備電離部10の電極11と13の間に予備電離用コンデンサCcを介して予備放電電圧が印加される。なお、この例において、コロナ予備電離部10は、例えば、第1電極11が高純度アルミナセラミックス等の誘電体物質製の片側開放チューブ12内に円柱状電極を挿入して構成され、第2電極13が矩形の板状体電極から構成され、第2電極13の板状体はその1つの直線状のエッジ近傍屈曲されており、そのエッジにおいて第1電極11の誘電体チューブ12の外面に平行に線接触してなり、その接触位置が、主放電電極2、2の間のレーザ励起空間を見込むことができる位置の一方の主放電電極2に近接して配置されてなるものである。

0053

図3の励起回路は、可飽和リアクトルからなる3個の磁気スイッチSL0、SL1、SL2を用いた2段の磁気パルス圧縮回路からなる。磁気スイッチSL0は固体スイッチSW保護用のものであり、第1の磁気スイッチSL1と第2の磁気スイッチSL2により2段の磁気パルス圧縮回路を構成している。

0054

図3に従って回路の構成と動作を以下に説明する。まず、高電圧電源HVの電圧が所定の値に調整され、磁気スイッチSL0、インダクタンスL1を介して主コンデンサC0が充電される。このとき、固体スイッチSWはオフになっている。主コンデンサC0の充電が完了し、固体スイッチSWがオンとなったとき、固体スイッチSW両端にかかる電圧は磁気スイッチSL0の両端にかかるよう移り、固体スイッチSWを保護する。磁気スイッチSL0の両端にかかる主コンデンサC0の充電電圧V0の時間積分値が磁気スイッチSL0の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSL0が飽和して磁気スイッチが入り、主コンデンサC0、磁気スイッチSL0、固体スイッチSW、コンデンサC1のループに電流が流れ、主コンデンサC0に蓄えられた電荷が移行してコンデンサC1に充電される。

0055

この後、コンデンサC1における電圧V1の時間積分値が磁気スイッチSL1の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSL1が飽和して磁気スイッチが入り、コンデンサC1、コンデンサC2、磁気スイッチSL2のループに電流が流れ、コンデンサC1に蓄えられた電荷が移行してコンデンサC2に充電される。

0056

さらに、この後、コンデンサC2における電圧V2の時間積分値が磁気スイッチSL2の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSL2が飽和して磁気スイッチが入り、コンデンサC2、ピーキングコンデンサCp、磁気スイッチSL2のループに電流が流れ、コンデンサC2に蓄えられた電荷が移行してピーキングコンデンサCpが充電される。

0057

図3の説明から明らかなように、予備電離のためのコロナ放電は、誘電体チューブ12と第2電極13とが接触している個所基点として誘電体チューブ12の外周面に発生するが、図3のピーキングコンデンサCpの充電が進むにつれてその電圧V3が上昇し、V3が所定の電圧になるとコロナ予備電離部の誘電体チューブ12表面にコロナ放電が発生する。このコロナ放電によって誘電体チューブ12の表面に紫外線が発生し、主放電電極2、2間のレーザ媒質であるレーザガスが予備電離される。

0058

ピーキングコンデンサCpの充電がさらに進むにつれて、ピーキングコンデンサCpの電圧V3が上昇し、この電圧V3がある値(ブレークダウン電圧)Vbに達すると、主放電電極2、2間のレーザガスが絶縁破壊されて主放電が開始し、この主放電によりレーザ媒質が励起され、レーザ光が発生する。

0059

この後、主放電によりピーキングコンデンサCpの電圧が急速に低下し、やがて充電開始前の状態に戻る。

0060

このような放電動作が固体スイッチSWのスイッチング動作によって繰り返し行なわれることにより、所定の繰り返し周波数でのパルスレーザ発振が行われる。

0061

ここで、磁気スイッチSL1、SL2及びコンデンサC1、C2で構成される各段の容量移行型回路のインダクタンスを後段に行くにつれて小さくなるように設定することにより、各段を流れる電流パルスのパルス幅が順次狭くなるようなパルス圧縮動作が行われ、主放電電極2、2間に短パルスの強い放電が実現される。

0062

ところで、半導体露光用の光源としてのArFエキシマレーザ装置の場合、露光に必要なレーザ出力エネルギーからそれに必要な放電体積が自ずから決まり、その放電体積から主放電電極2、2間の間隔は14〜18mm程度、長さは550〜750mm程度ある必要がある。

0063

また、そのレーザ出力エネルギーは一般にはピーキングコンデンサCpの容量で決まり(放電による入力エネルギーは1/2×Cp・Vb2 )、Cpは大きい方が良いが、ピーキングコンデンサCpから主放電電極2、2間を流れる電流の周期を短くするにはCpは小さくしなけばならない。しかも、図1に関して説明したように、Cpから主放電電極2、2間を電流が流れても、C2に電荷が残留しているようにするには、Cpは余り大きくできない。これらの条件からピーキングコンデンサCpの容量は10nF未満にする必要がある。

0064

ここで、上記したように、本発明に基づいて、ピーキングコンデンサCpから主放電電極2、2間を流れる電流の立上りを速く、かつ、電流のピーク値を高くするように回路定数を定める必要がある。電流のピーク値を大きくするには、主放電電極2、2間で放電が開始する電圧(ブレークダウン電圧)Vbが主放電電極2、2間に加えられる電圧の立ち上がりに依存し、立上り時間高速である場合に放電開始電圧Vbが高くなる(過電圧の発生)ので、その印加電圧を急激に上昇するようにする必要がある。ここで、主放電電極2、2に印加される電圧のブレークダウンが発生するまでの立ち上がり時間は、30〜80nsの範囲にあることが重要である。ここで、ブレークダウン電圧Vbまでの立上り時間の定義は、主放電電極2、2間に印加される電圧V3の最初の1/2周期の立ち上がり部の最も急峻になる部分を直線近似し、その直線が電圧0の直線と交差する点からブレークダウン電圧Vbに至る点までの時間である。ここで、立ち上がり時間が30nsより短い場合、予備電離に必要な時間がとれなくなる。逆に、立上り時間が80nsより大きい場合、出力するレーザ光パルス幅が減少し、所望のパルス幅40ns以上を得ることができない。

0065

なお、この主放電電極2、2に印加される電圧のブレークダウンが発生するまでの立ち上がり時間の規定によって、磁気スイッチSL2の残留インダクタンスが決まるので、この規定によって、コンデンサC2、磁気スイッチSL2、主放電電極2、2のループに流れる電流(図1のコンデンサC2から放電空間に流れる電流)の周期を決めるインダクタンスが決まる。

0066

次に、ピーキングコンデンサCpから主放電電極2、2間を流れる電流の周期を短くして放電を安定持続しやすくするには、以下のように構成する。すなわち、図3の励起回路のピーキングコンデンサCpと主放電電極2、2が形成するループ(放電電流回路)中の容量と浮遊インダクタンスであり、両者の積のルートがその周期に比例する。したがって、その周期を短くするには、上記放電電流回路の浮遊インダクタンスを可能な限り小さくすればよい。しかし、この浮遊インダクタンスの大きさはレーザキャビティ断面積で決まるから、実際上4〜8nH程度より小さくできない。

0067

また、主放電電極2、2間を流れる振動電流の2番目以降の1/2周期の電流のピーク値を大きくして2番目以降の1/2周期においてもレーザ発振を行わせるには、レーザガスの電気抵抗を小さくする必要がある。ArFにおいては、Ar+F2 +Neからなる2.5〜3.7気圧のレーザガスを用いる場合に、フッ素分圧が小さい程抵抗が小さくなるので、レーザガスの全圧に対するフッ素分圧を0.1%以下にすることが望ましい。なお、レーザガスの圧力が2.5気圧以下の場合、注入できるエネルギーが小さくなりすぎ、露光装置に必要な出力エネルギーが得られないくなる、逆に、3.7気圧のより大きい場合は、抵抗が大きくなりすぎ、2番目以降の1/2周期においてレーザ発振を行わせることが困難になる。

0068

このような知見の下で、図2に示すArFエキシマレーザ装置において、レーザ放電電極長600mm、間隔16mm、レーザチェンバ1内圧力を3.5気圧(約350kPa)、フッ素濃度を0.09%、バッファーガスをネオンとし、また、図3のような2段の磁気パルス圧縮回路からなる励起回路により、繰返し周波数を2kHzとし、ブレークダウンまでの立上り時間50〜60ns、予備電離用コンデンサCc容量0.4nF、出力鏡6の反射率60%、Cp容量9nFとして、C2容量を変化させ、図1の原理に基づいてレーザ発振をさせたときのレーザパルス幅Tisと1パルス当たりのレーザ出力エネルギーの関係を調べたところ、図4のような結果が得られた。なお、C2の変化に対して、C2≒C1≒C0となるようにした。また、レーザチェンバ1内圧力はガス温度を25℃に換算したときの値である。

0069

図4の結果より、C2が12nF(Cp/C2=0.75)以上、20nF(Cp/C2=0.45)以下のときに、レーザパルス幅TisをTis≧40nsとすることができることが分った。逆に、C2が12nF以下、20nF以上になると、Tis<40nsとなった。しかも、レーザ出力エネルギーも、C2が12nF以下、20nF以上で減少している。その理由は、C2が12nF以下(Cp/C2>0.75)のとき、C2から放電空間に注入されるエネルギーが減少する結果、Tisもレーザ出力エネルギーも減少するのであり、逆に、C2が20nF以上(Cp/C2<0.45)のとき、放電空間に注入されるエネルギーが大きくなりすぎ、放電が不安定になる結果、Tisもレーザ出力エネルギーも減少し始める。

0070

ここで、図4はCp容量9nFのときの結果であるが、このCpの値を減少させても、レーザー出力が減るだけで、それに応じてC2の範囲を変えれば、図1の1次電流の周期と2次電流の周期との関係が変わらないので、図3の関係と同様の関係になり、Tis≧40nsを得るには、CpとCnの比が、0.45<Cp/Cn<0.75の範囲にあることが必要であることが分かった。ここで、Cnは磁気パルス圧縮回路の最終段のコンデンサ(ここでは、コンデンサC2)の容量である。

0071

図5に、1例として、上記条件でC2=15nF(Cp/C2=0.6)としたときの、波形検出手段8で得られた時間的なレーザ形状である波形データを示す。このとき、パルス幅算出手段9により求められたレーザパルス幅Tisの値は52nsであった。

0072

図6には、図5の条件のときに電極間を流れる電流波形(予備電離コンデンサ容量Cc=0.4nF:実線)を示す。

0073

以上の実施例から明らかなように、以下の条件を満たすことにより、Tis>40nsが実現される。
(1)Cpを10nF未満と小さくし、放電ループのインダクタンスLdを4〜8nHと小さくすることで、放電空間に流れる電流の周期(∝√(Cp・Ld)
)を短くする。(2)立ち上がり時間30〜80nsの高速立上り電源を用いることにより、放電開始電圧を高めて、電流ピークを大きくする。
(3)上記高速立上り電源の使用により、CpとC2間のインダクタンス(磁気スイッチSL2の残留インピーダンス)を非常に小さくし、Cpから流れる電流の第2周期に、C2に残留した電荷による電流を重ねて流れるようにする。

0074

これらの結果、(1)、(2)により放電の安定持続性が高まり、その持続中に(3)によりエネルギーが注入されるため、効率良いロングパルス発振が可能となる。

0075

このとき、図6中に破線で示すように、予備電離コンデンサ容量Ccを0.8nFと大きくすると、Ccに残留した電荷による電流が放電空間に流れるときに位相がずれることにより、Cp、C2から流れる電流の第2周期以降が妨げられる。したがって、Ccは予備電離放電に必要最低限の値にした方がよい。実験の結果、Cpの5%以下が望ましいことが分かった。上記実施例では、Cc/Cp=0.4nF/9nF(4.4%)とした。

0076

ところで、Tis>40nsのロングパルス波形においては、ラウンドトリップ数(光共振器中でのレーザ光の往復の回数)が多くなる。したがって、光共振器の出力鏡6の反射率を50%以上に高くすると、2回目以降のラウンドトリップ数の割合が増加し、レーザ出力が増加すると共に、レーザ波形の安定性が高くなり、パルス間のエネルギー安定性も向上する。上記実施例では、反射率60%の出力鏡を使用した。

0077

また、ラウンドトリップに対応する出力波形ピークの間隔時間は、共振器長の2倍を光速で割ったものになる。したがって、Tis>40nsにおいてラウンドトリップ数が多いとピークの数が多くなる。そして、ラウンドトリップ数を相対的に多くするには共振器長を短くする必要があり、電極長(ゲイン領域)が一定の場合には、共振器長を短くしてラウンドトリップ数を多くすると、ゲイン領域以外の長さが減り損失が少なくなるので望ましい。上記実施例では、Tis>40nsをラウンドトリップ数が6以上になる条件で達成している。

0078

以上のように、本発明に基いて、従来のようにレーザチェンバ内のフッ素濃度を調整するという技術とは異なる新規な技術である、ロングパルス化放電回路パルス整形回路)の新たな考案という技術により、繰返し周波数2kHz以上、レーザパルス幅Tisが40ns以上の、高繰返しロングパルス化の狭帯域ArFエキシマレーザ装置を実現することに成功した。

0079

以上の本発明に基づいて、ピーキングコンデンサの容量Cpと、磁気パルス圧縮回路の最終段のピーキングコンデンサ充電用のコンデンサの容量Cnとを、0.45<Cp/Cn<0.75を満たすように設定することにより、繰返し周波数2kHz以上の場合において、レーザパルス幅Tisが40ns以上である高繰返しロングパルス化狭帯域ArFエキシマレーザ装置を実現することができる。

0080

図7に、本発明によるArFエキシマレーザ装置を3kHzまで動作させたときのレーザ出力、レーザパルス幅(Tis)、出力安定性(3σ)を示す。本発明により、Tis>40nsが3kHzまで確実に得られていることが分かる。また、本発明では、パルス幅を広げているにも係わらず、出力の3σが5%以内であり、通常のパルス幅で発振させたときと同等の高い安定性が得られることも分かる。

0081

以上は、ArFエキシマレーザ装置について説明してきたが、上記の基本原理は、フッ素(F2 )ガス及びバッファーガスとしてヘリウム(He)等の希ガスからなる混合ガスをレーザガスとして、同様に放電励起するフッ素レーザ装置にも適用できることは明らかである。

0082

以上、本発明のArFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置をその原理と実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。

発明の効果

0083

以上の説明から明らかなように、本発明の露光用ArFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置によれば、磁気パルス圧縮回路からピーキングコンデンサを介して放電電極へエネルギーを注入する1次電流と、磁気パルス圧縮回路の最終段のピーキングコンデンサ充電用のコンデンサから放電電極へエネルギーを注入する2次電流とを重畳させ、かつ、2次電流の振動周期を1次電流の振動周期より長く設定して、2次電流が重畳した1次電流の極性が反転する放電振動電流波形の始めの半周期と、それに続く少なくとも2つの半周期とによって1パルスのレーザ発振動作を行うように構成したので、繰返し周波数2kHz以上の場合において、高繰返しロングパルス化狭帯域ArFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置を実現することができる。

図面の簡単な説明

0084

図1本発明に基づくArFエキシマレーザ装置の原理を説明するための波形図である。
図2本発明を適用するArFエキシマレーザ装置の構成例を示す図である。
図3本発明に基づく一例の励起回路を示す回路図である。
図4ピーキングコンデンサに対する磁気パルス圧縮回路の最終段のコンデンサの容量を変化させてレーザパルス幅と1パルス当たりのレーザ出力エネルギーの関係を調べた結果を示す図である。
図51つの具体例におけるArFエキシマレーザ装置から得られたレーザ出力波形データを示す図である。
図6図5の条件のときに放電電極間を流れる電流波形を示す図である。
図7本発明によるArFエキシマレーザ装置を3kHzまで動作させたときのレーザ出力、レーザパルス幅、出力安定性を示す図である。
図8レーザパルス幅について説明するための図である。

--

0085

1…レーザチェンバ
2…放電電極
3…高電圧パルス発生装置
4…ファン
5…狭帯域化モジュール
6…出力鏡
7…ビームサンプラー
8…波形検出手段
9…パルス幅算出手段
10…コロナ予備電離部
11…コロナ予備電離第1電極
12…誘電体チューブ
13…コロナ予備電離第2電極
SL0…固体スイッチ保護用磁気スイッチ
SL1…第1の磁気スイッチ
SL2…第2の磁気スイッチ
HV…高電圧電源
L1…インダクタンス
SW…固体スイッチ
C0…主コンデンサ
C1…第1のコンデンサ
C2…第2のコンデンサ
Cp…ピーキングコンデンサ
Cc…予備電離用コンデンサ

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