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技術 溶銑の予備処理方法

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 加藤規泰
出願日 1999年12月14日 (21年0ヶ月経過) 出願番号 1999-353880
公開日 2001年6月26日 (19年6ヶ月経過) 公開番号 2001-172708
状態 特許登録済
技術分野 溶融状態での鋼の処理 銑鉄の精製;鋳鉄の製造;転炉法以外の製鋼
主要キーワード 原料供給設備 原料搬送装置 熱源不足 珪素濃度 試験操業 切り出し装置 ガス攪拌 予備処理設備
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2001年6月26日)のものです。
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図面 (4)

課題

溶銑予備処理において、炭材添加歩留りが良く、且つ、溶銑の予備処理時間を延長させず、迅速に溶銑の炭素濃度を上昇させて溶銑の熱源を確保する。

解決手段

気体酸素源若しくは固体酸素源6を溶銑2に供給して溶銑の脱珪精錬又は脱燐精錬を行う際に、溶銑中の炭素濃度が低下して4.4wt%以下となった時点から、炭素純分で溶銑1トン当り3〜6kgの炭材3を溶銑に添加して溶銑の炭素濃度を高める。その際に、炭材を直径が1mm以下の微粉状とすること、及び炭材と同時に石灰源4を添加することが好ましい。

概要

背景

近年、転炉生産性向上及びスラグ発生量の削減を目的に、高炉から出銑された溶銑に対して脱珪精錬脱燐精錬、及び脱硫精錬を行う予備処理が、転炉精錬事前処理として実施されている。これらの予備処理の中で脱珪精錬及び脱燐精錬は、溶銑に酸素ガス等の気体酸素源鉄鉱石スケール等の固体酸素源を供給して、溶銑中珪素及び燐と酸素とを反応させ、珪素及び燐を除去するものである。

その際に、溶銑中の炭素も酸素と反応して脱炭反応が進行してしまう。この結果、次工程の転炉精錬では、炭素の燃焼による発熱量が減少して熱源不足となり、熱源を確保するために溶銑配合比を高めたり、又は、Fe−Si合金硫黄濃度の少ない黒鉛発熱剤として添加したりする必要が発生し、転炉精錬に支障を招いていた。この問題点を解決するため、溶銑の予備処理中に微粉炭コークス等の炭材を添加して炭素を補う方法が多数提案されている。

例えば、特開昭62−170409号公報には、CaOを主成分とするフラックスを溶銑表面に上置きした後、脱珪フラックスを搬送ガスによって溶銑中に吹き込みつつ、溶銑表面に気体酸素源若しくは固体酸素源を供給して、溶銑の脱珪精錬・脱燐精錬を行う際に、脱珪フラックスと共に又は脱珪反応完了後に、炭材を搬送ガスにより溶銑中に吹き込んで溶銑の炭素濃度を高める予備処理方法が開示されている。

特開平1−147012号公報には、上下吹き機能を有する転炉型精錬炉に溶銑を注入した後、転炉滓主体とする精錬剤と炭材とを添加し、次いで、底吹きガス攪拌を行いつつ酸素ガスを上吹きして、溶銑の脱燐精錬を行うと共に溶銑の炭素濃度を高める溶銑の予備処理方法が開示されている。

又、特開平2−228412号公報には、溶銑表面に酸素ガスを吹き込むか又は固体酸素源を添加しつつ、溶銑中に予備精錬用フラックスを吹き込んで精錬反応を行う際に、予備精錬用フラックスの吹き込み完了後、又は完了の直前のフラックス吹き込みが80%完了した時点で炭材を吹き込み、溶銑の炭素濃度を高める予備処理方法が開示されている。

概要

溶銑の予備処理において、炭材の添加歩留りが良く、且つ、溶銑の予備処理時間を延長させず、迅速に溶銑の炭素濃度を上昇させて溶銑の熱源を確保する。

気体酸素源若しくは固体酸素源6を溶銑2に供給して溶銑の脱珪精錬又は脱燐精錬を行う際に、溶銑中の炭素濃度が低下して4.4wt%以下となった時点から、炭素純分で溶銑1トン当り3〜6kgの炭材3を溶銑に添加して溶銑の炭素濃度を高める。その際に、炭材を直径が1mm以下の微粉状とすること、及び炭材と同時に石灰源4を添加することが好ましい。

目的

本発明は上記事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、炭材の歩留りが良く、且つ、溶銑の予備処理時間を延長させず、迅速に溶銑の炭素濃度を上昇させることができる予備処理方法を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

気体酸素源若しくは固体酸素源溶銑に供給して溶銑の脱珪精錬又は脱燐精錬を行う際に、溶銑中炭素濃度が4.4wt%以下となった時点から、炭素純分で溶銑1トン当り3〜6kgの炭材を溶銑に添加して溶銑の炭素濃度を高めることを特徴とする溶銑の予備処理方法

請求項2

前記炭材を直径が1mm以下の微粉状とすることを特徴とする請求項1に記載の溶銑の予備処理方法。

請求項3

前記炭材と同時に石灰源を添加することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の溶銑の予備処理方法。

技術分野

0001

本発明は、熱源としての炭素を十分に含有する予備処理溶銑を製造する溶銑の予備処理方法に関するものである。

背景技術

0002

近年、転炉生産性向上及びスラグ発生量の削減を目的に、高炉から出銑された溶銑に対して脱珪精錬脱燐精錬、及び脱硫精錬を行う予備処理が、転炉精錬事前処理として実施されている。これらの予備処理の中で脱珪精錬及び脱燐精錬は、溶銑に酸素ガス等の気体酸素源鉄鉱石スケール等の固体酸素源を供給して、溶銑中珪素及び燐と酸素とを反応させ、珪素及び燐を除去するものである。

0003

その際に、溶銑中の炭素も酸素と反応して脱炭反応が進行してしまう。この結果、次工程の転炉精錬では、炭素の燃焼による発熱量が減少して熱源不足となり、熱源を確保するために溶銑配合比を高めたり、又は、Fe−Si合金硫黄濃度の少ない黒鉛発熱剤として添加したりする必要が発生し、転炉精錬に支障を招いていた。この問題点を解決するため、溶銑の予備処理中に微粉炭コークス等の炭材を添加して炭素を補う方法が多数提案されている。

0004

例えば、特開昭62−170409号公報には、CaOを主成分とするフラックスを溶銑表面に上置きした後、脱珪フラックスを搬送ガスによって溶銑中に吹き込みつつ、溶銑表面に気体酸素源若しくは固体酸素源を供給して、溶銑の脱珪精錬・脱燐精錬を行う際に、脱珪フラックスと共に又は脱珪反応完了後に、炭材を搬送ガスにより溶銑中に吹き込んで溶銑の炭素濃度を高める予備処理方法が開示されている。

0005

特開平1−147012号公報には、上下吹き機能を有する転炉型精錬炉に溶銑を注入した後、転炉滓主体とする精錬剤と炭材とを添加し、次いで、底吹きガス攪拌を行いつつ酸素ガスを上吹きして、溶銑の脱燐精錬を行うと共に溶銑の炭素濃度を高める溶銑の予備処理方法が開示されている。

0006

又、特開平2−228412号公報には、溶銑表面に酸素ガスを吹き込むか又は固体酸素源を添加しつつ、溶銑中に予備精錬用フラックスを吹き込んで精錬反応を行う際に、予備精錬用フラックスの吹き込み完了後、又は完了の直前のフラックス吹き込みが80%完了した時点で炭材を吹き込み、溶銑の炭素濃度を高める予備処理方法が開示されている。

発明が解決しようとする課題

0007

溶銑中に添加された炭材が溶銑中に溶解して溶銑の炭素濃度が上昇する速度(以下、「加炭速度」と記す)は、炭材の形状や添加方法同一条件としても、溶銑中の炭素濃度及び溶銑温度によって変化する。具体的には、加炭速度は溶銑の炭素濃度とその時の溶銑の飽和炭素濃度との差に比例する。即ち、炭素濃度が飽和炭素濃度よりも低い時期には加炭速度は速いが、飽和炭素濃度に近づけば加炭速度は遅くなる。又、飽和炭素濃度に近い時期に炭材を添加しても、溶銑の炭素濃度の上昇には寄与することはなく、炭材は酸素源と反応して却って予備処理の精錬反応を阻害するのみで、炭材の歩留り低下を招く。尚、飽和炭素濃度は溶銑温度により決まる値であり、溶銑温度をT(℃)とした時、例えば(1)式で与えられる(第3版鉄鋼便覧「I基礎」丸善、p82)。
飽和炭素濃度=1.34+2.54×10-3×T …(1)

0008

従って、炭材の歩留りを高くし、且つ溶銑の炭素濃度を迅速に上昇させるには、炭材の添加時期とその添加量が重要であるが、上記従来技術には予備処理後半の添加が好ましいことが定性的には記載されているが、溶銑の炭素濃度との関係に基づいた定量的な記載はなく、従って、必ずしも歩留り良く且つ迅速な加炭速度で処理しているとは言い難い。

0009

本発明は上記事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、炭材の歩留りが良く、且つ、溶銑の予備処理時間を延長させず、迅速に溶銑の炭素濃度を上昇させることができる予備処理方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0010

第1の発明による溶銑の予備処理方法は、気体酸素源若しくは固体酸素源を溶銑に供給して溶銑の脱珪精錬又は脱燐精錬を行う際に、溶銑中の炭素濃度が4.4wt%以下となった時点から、炭素純分で溶銑1トン当り3〜6kgの炭材を溶銑に添加して溶銑の炭素濃度を高めることを特徴とするものである。

0011

第2の発明による溶銑の予備処理方法は、第1の発明において、炭材を直径が1mm以下の微粉状とすることを特徴とするものである。

0012

第3の発明による溶銑の予備処理方法は、第1又は第2の発明において、炭材と同時に石灰源を添加することを特徴とするものである。

0013

本発明者等は、後述する実施例に示す予備処理設備を用いて脱珪精錬を行い、その脱珪精錬中に、炭材として直径が1mm以下の微粉炭を使用して、炭材添加時の溶銑の炭素濃度及び炭材添加量を変更した試験操業を実施し、炭材の歩留りを調査した。調査結果を図1に示す。図1は、炭材添加時の溶銑中炭素濃度と炭材歩留りとの関係を示す図であり、図1に示す結果は、処理前の溶銑温度を1320〜1360℃とし、炭材添加量を炭素純分で溶銑1トン当り3〜6kg(以下、「kg/t」と記す)とした試験操業の結果である。図1に示すように、炭材の歩留りは、溶銑中炭素濃度の減少と共に増加し、溶銑の炭素濃度が4.4wt%以下になると飽和して65〜90%程度になることが分かった。尚、炭材添加量が炭素純分で6kg/tを越えた試験操業では、飽和炭素濃度に対して炭材添加量が過剰となり、炭材の歩留りは65%以上を安定して達成することはできなかった。逆に、炭材添加量が炭素純分で3kg/t未満の試験操業では、飽和炭素濃度に対して炭材添加量が少なすぎて、炭素濃度を十分に高めることはできなかった。

0014

本発明では、溶銑中炭素濃度が4.4wt%以下となった時点で炭材の添加を開始し、且つ、炭材添加量を炭素純分で3〜6kg/tとするので、65%以上の高い炭材歩留りで溶銑の炭素濃度を上昇させることができる。

0015

その際、炭材の溶解速度が速くなり、迅速に溶銑の炭素濃度を上昇させることができ、更には迅速に溶解することで歩留り向上にも寄与するので、直径が1mm以下の微粉状の炭材を使用することが好ましい。又、石炭やコークス等の安価な炭材には硫黄が1wt%前後含まれているので、安価な炭材の添加により溶銑の硫黄濃度が上昇する。これを防止するために、炭材と同時に生石灰等の石灰源を添加することが好ましい。生石灰は溶銑の脱硫剤として作用して、炭材による硫黄濃度の上昇を抑えることができるからである。

発明を実施するための最良の形態

0016

以下、本発明を図面に基づき説明する。図2は、本発明の実施の形態の1例を示す図であって、本発明を実施した溶銑の予備処理設備の概略図である。

0017

図2において、高炉(図示せず)から出銑された溶銑2を収納した取鍋型の溶銑保持容器8は、台車9に搭載されて予備処理設備1に搬入されている。予備処理設備1には、上吹き酸素ランス10と炭材吹き込みランス11とインジェクションランス12とが設置されており、上吹き酸素ランス10、炭材吹き込みランス11、及びインジェクションランス12は、溶銑保持容器8内を上下移動可能となっている。上吹き酸素ランス10からは酸素ガス等の気体酸素源を溶銑2に吹き付けることができる。

0018

炭材吹き込みランス11は、貯蔵タンク14とリフトタンク17とディスペンサー20、及び、貯蔵タンク15とリフトタンク18とディスペンサー20とから構成される2系統原料供給設備と接続されており、窒素ガスを搬送ガスとして、貯蔵タンク14に収納された炭材3及び貯蔵タンク15に収納された生石灰4を溶銑2中に吹き込み添加することができる。又、炭材吹き込みランス11の先端を溶銑2の直上に配置することで、炭材3及び生石灰4を窒素ガスと共に溶銑2の表面に投射して添加することもできる。炭材3は、石炭やコークス等を用いれば良く、その直径が1mm以下の微粉状のものとすることが好ましい。尚、貯蔵タンク14内の炭材3及び貯蔵タンク15内の生石灰4は、リフトタンク17、18にて、それぞれ独立に添加量及び添加時間を制御して吹き込むことができる。

0019

インジェクションランス12は、貯蔵タンク13とリフトタンク16とディスペンサー19とから構成される原料供給設備と接続されており、窒素ガスを搬送ガスとして、貯蔵タンク13に収納された精錬用フラックス7を溶銑2中に吹き込み添加することができる。尚、インジェクションランス12から窒素ガスのみ吹き込み、溶銑2を攪拌することもできる。

0020

更に、予備処理設備1には、ホッパー21、22、23と、切り出し装置24、25、26と、原料搬送装置27と、シュート28とからなる原料供給設備が設置されており、この原料供給設備を用いて、ホッパー21内の生石灰4、ホッパー22内の蛍石5、及びホッパー23内の鉄鉱石やミルスケール等の固体酸素源6を、溶銑保持容器8内に上置き添加することができる。

0021

次に、このような構成の予備処理設備1を用いた本発明による溶銑の処理方法を説明する。先ず、予備処理が脱珪精錬の場合について説明する。

0022

脱珪精錬の場合には、固体酸素源6を上置き添加するか、又は上吹き酸素ランス10から酸素ガス等の気体酸素源を吹き付けるか、若しくは固体酸素源6を上置き添加し且つ上吹き酸素ランス10から気体酸素源を吹き付けると共に、インジェクションランス12から窒素ガスを吹き込んで溶銑2を攪拌させ、溶銑中の珪素と固体酸素源6又は気体酸素源とを反応させて脱珪精錬を行う。脱珪精錬の進行に伴い、溶銑中の炭素も固体酸素源6又は気体酸素源と反応して脱炭され、溶銑2の炭素濃度が徐々に低下する。

0023

そして、脱珪精錬中に溶銑2からサンプルを採取して溶銑中の炭素濃度を随時測定し、溶銑2の炭素濃度が4.4wt%以下であることが確認された時点から、炭材吹き込みランス11を介して炭材3を溶銑2に添加する。炭材3は、溶銑2の内部に吹き込んで添加しても、又、溶銑2の表面に投射して添加してもどちらでも良い。炭材3の添加量は炭素純分で3〜6kg/tとする。尚、溶銑2中の炭素濃度は排ガス中のCO、CO2 のバランスから推定することもできる。

0024

炭材3が添加されたなら、貯蔵タンク15内の生石灰4を炭材3と共に炭材吹き込みランス11を介して溶銑2に添加することが好ましい。そして、所定量の炭材3の添加が完了したならば、脱珪精錬を終了する。但し、所定量の炭材3を添加完了した後も溶銑2の珪素濃度所定値まで低下していない場合には、珪素濃度が所定値となるまで脱珪精錬を継続する。

0025

尚、脱珪精錬中、粉状の固体酸素源6を精錬用フラックス7としてインジェクションランス12を介して溶銑2中に吹き込んでも良く、又、生石灰4をシュート28を介して予め上置き添加しても良い。

0026

次に、予備処理が脱燐精錬の場合について説明する。脱燐精錬の場合も本質的には脱珪精錬と同一であるが、脱燐反応を促進させるために、固体酸素源6に加えて生石灰4及び蛍石5等を上置き添加し、更に、インジェクションランス12から窒素ガスを搬送ガスとして精錬用フラックス7を吹き込むことが好ましい。精錬用フラックス7としては、それぞれ粉状の生石灰4、蛍石5、固体酸素源6、及びこれらの混合物を用いるものとする。そして、上吹き酸素ランス10から気体酸素源を吹き付けて脱燐精錬を実施する。溶銑2は窒素ガスにより攪拌し、溶銑中の燐と固体酸素源6又は気体酸素源とが反応して脱燐反応が進行する。又、生石灰4は脱燐剤として有効であり、生石灰4の添加により脱燐反応が促進される。蛍石5は生石灰4の粘性調整剤として必要に応じて添加する。

0027

脱燐精錬の進行に伴い、溶銑中の炭素も酸素源と反応して脱炭され、溶銑2の炭素濃度が徐々に低下するので、上述した脱珪精錬の場合に準じて、炭材3を溶銑2に添加する。但し、脱硫に十分な量の生石灰4が予め添加されている場合には、炭材3と共に生石灰4を添加する必要はない。そして、所定量の炭材3の添加が完了したならば、脱燐精錬を終了する。但し、所定量の炭材3を添加完了した後も溶銑2の燐濃度が所定値まで低下していない場合には、燐濃度が所定値となるまで脱燐精錬を継続する。

0028

このように脱珪精錬と脱燐精錬とは、溶銑中の珪素及び燐を酸化させて除去する点において共通するので、脱燐精錬においても脱珪が進行するし、又、脱珪精錬においてもその精錬末期には一部脱燐が進行する。従って、上記説明では脱珪精錬と脱燐精錬とに分けているが、この区分は精錬の主たる目的を表示するものであり、脱珪が伴う脱燐精錬も、又、脱燐が伴う脱珪精錬も、当然本発明に含まれるものとする。又、脱珪精錬と脱燐精錬とを連続して行う場合にも、上記に準じて溶銑2の炭素濃度が4.4wt%以下になった時点から炭材3を溶銑2に添加すれば良い。

0029

このようにして、溶銑2の予備処理を行うことで、溶銑2の脱珪精錬又は脱燐精錬を行いつつ、65%以上の高い炭材3の歩留りを確保して、溶銑2の炭素濃度を迅速に上昇させることが可能となる。その結果、その後の転炉脱炭精錬では熱源が確保され、状況に応じた柔軟な精錬を行うことが可能となる。

0030

尚、上記説明は取鍋型の溶銑保持容器8を用いた予備処理設備1について説明したが、溶銑保持容器8は上記の取鍋型に限るものではなくトーピードカーであっても、本発明は上記に準じて何ら支障なく実施できる。又、図2に示す予備処理設備1の各装置も上記に限るものではなく、例えばインジェクションランス12が炭材吹き込みランス11を兼ねても良く、その機能が上記の説明を満足するものであれば、どのような型式としても良い。更に、予備処理設備1は上記の設備に限るものではなく、上下吹き機能を有する転炉型精錬炉としても良い。転炉型精錬炉の場合には、インジェクションランス12の代りに底吹きガスを用い、炭材3、生石灰4、固体酸素源6等の原料は、全てを上置き添加としても、一部を底吹きインジェクションとしても、どちらでも良い。

0031

図2に示す予備処理設備を用いて、高炉から出銑された200トンの溶銑を脱燐精錬した実施例を説明する。脱燐精錬は固体酸素源として鉄鉱石を5200kg上置きし、気体酸素源として酸素ガスを吹き付け、インジェクションランスから窒素ガスを吹き込んで行った。精錬前の溶銑温度は1335℃で、炭素濃度は4.68wt%、燐濃度は0.105wt%、硫黄濃度は0.024wt%であった。

0032

脱燐精錬開始後、12分経過時点で溶銑炭素濃度は0.28wt%低下して4.4wt%となったので、炭材吹き込みランスから溶銑中に4.5kg/tの微粉炭を炭材として溶銑中に吹き込み添加した。その際、微粉炭の吹き込みと同時に19.0kg/tの生石灰を溶銑中に吹き込み添加した。使用した微粉炭は、炭素純分が89wt%で、直径が1mm以下のものであり、微粉炭の炭素純分当りの添加量は4kg/tとなる。

0033

そして、脱燐精錬開始から25分経過した時点で微粉炭及び生石灰の吹き込みを完了すると共に、酸素ガスの吹き付けも停止して脱燐精錬を終了した。酸素ガスの使用量は1040Nm3 となった。脱燐精錬終了時の溶銑の炭素濃度は脱燐精錬前よりも0.22wt%低下して、4.46wt%となり、燐濃度は0.015wt%、硫黄濃度は0.015wt%、溶銑温度は1315℃であった。

0034

図3に脱燐精錬中の炭素濃度の推移を示す。図3には、微粉炭を添加せずに、その他の条件を実施例と同一とした従来例における炭素濃度の推移を合せて示す。但し、従来例における脱燐精錬前の溶銑の炭素濃度は4.65wt%で、溶銑温度は1337℃であった。図3に示すように、微粉炭を添加しない従来例では、脱燐精錬後の炭素濃度は、脱燐精錬前に比べて0.53wt%減少して、4.12wt%となった。微粉炭を添加しない場合には、同様に炭素濃度が減少するものとして実施例における微粉炭の歩留りを(2)式により算出すると、歩留りは77%となった。尚、(2)式においてαは微粉炭の歩留りである。
α=(0.53−0.22)×1000/(4.5×0.89)…(2)
又、微粉炭を4.5kg/t吹き込んだにもかかわらず、生石灰を吹き込んだことにより、溶銑の硫黄濃度は脱燐精錬前よりも低下していた。

発明の効果

0035

本発明によれば、溶銑の脱珪精錬又は脱燐精錬において、65%以上の高い炭材の歩留りで、溶銑の炭素濃度を迅速に上昇させることが可能となる。その結果、溶銑の熱源が確保され、脱炭吹錬では状況に応じた柔軟な精錬を行うことが可能となり、多大な工業的効果がもたらさせる。

図面の簡単な説明

0036

図1炭材添加時の溶銑中炭素濃度と炭材歩留りとの関係を調査した結果を示す図である。
図2本発明を実施した溶銑の予備処理設備の概略図である。
図3実施例における溶銑の炭素濃度の推移を、従来例と比較して示す図である。

--

0037

1予備処理設備
2溶銑
3炭材
4生石灰
5蛍石
6固体酸素源
7精錬用フラックス
8溶銑保持容器
9台車
10 上吹き酸素ランス
11 炭材吹き込みランス
12 インジェクションランス

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