図面 (/)

技術 紫外線を放出するガスレーザ装置

出願人 ウシオ電機株式会社
発明者 柿崎弘司新井基尋
出願日 1999年12月8日 (20年3ヶ月経過) 出願番号 1999-348637
公開日 2001年6月22日 (18年8ヶ月経過) 公開番号 2001-168432
状態 特許登録済
技術分野 レーザ(1)
主要キーワード 放電破壊電圧 導電性ベース 誘電体筒 励起回路 高圧ガス雰囲気 主放電用電極 固体スイッチ 電流導入
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2001年6月22日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

紫外線を放出するガスレーザ装置励起回路中の放電回路ループ断面積を小さくしてそのインダクタンスをより小さくし、レーザ発振効率を向上させる。

解決手段

封入されたレーザガスを内部で循環させる循環手段を有するレーザチェンバ1と、レーザチェンバ1内に所定間隔離間して配置された一対の主放電電極3、4と、主放電電極3、4に並列に接続されたピーキングコンデンサC3 とからなる放電回路と、誘電体8を介して第1電極9と第2電極7が対向配置されてなる予備電離手段15とを有し、予備電離手段15が一方の主放電電極4に沿うようにその両側に近接して配置されてなる紫外線を放出するガスレーザ装置において、一方の主放電電極4とピーキングコンデンサC3 とが、一方の主放電電極4と予備電離手段15との間を通る通電部材25により接続されている。

概要

背景

半導体集積回路微細化、高集積化につれ、投影露光装置においては解像力の向上が要請されている。このため、露光用光源から放出される露光光短波長化が進められており、次世代の半導体露光用光源としてArFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置等の紫外線を放出するガスレーザ装置が有力である。

ArFエキシマレーザ装置においては、フッ素(F2 )ガスアルゴン(Ar)ガス及びバッファーガスとしてのネオン(Ne)等の希ガスからなる混合ガス、また、フッ素レーザ装置においては、フッ素(F2 )ガス及びバッファーガスとしてのヘリウム(He)等の希ガスからなる混合ガスであるレーザガスが数100kPaでレーザチェンバ内封入され、そのレーザチェンバ内部に所定間隔離間して対向配置された一対の主放電電極が設けられている。レーザチェンバの内部でこの主放電用電極放電を発生されることにより、レーザ媒質であるレーザガスが励起される。

効率良くレーザ光を発生させるには、主放電電極間で一様な放電を発生させることが必要であるが、数100kPaという高圧ガス雰囲気で一様な放電を発生させるためには、通常、主放電開始前に主放電電極間の放電空間に存在するレーザガスを予備電離することが一般的である。

上記したような予備電離を発生させるための手段の一つとして、誘電体を介して2つの電極が対向配置されている予備電離方式がある。その予備電離部の例が、特開平5−327070号、特許第2,794,792号、特開平10−242553号、特表平8−502145号等に記載されている。何れに記載の予備電離部も、誘電体で形成される筒体の外部表面と接触する第1の電極(以下、外電極呼称する。)と、上記筒体内部に挿入されている第2の電極(以下、内電極と呼称する。)とを備えた構成であり、上記外電極と内電極との間に電位差を発生させることにより、外電極と誘電体筒体との間でコロナ放電を発生させ、このとき発生した紫外光により、上記した主放電電極間の放電空間に存在するレーザガスを予備電離するものである。なお、上記予備電離手段においては、他に、誘電体筒体と外電極とが接触せず、近接している場合や、外電極も誘電体物質で覆われている場合もある。

上記した予備電離方式を採用した紫外線を放出するガスレーザ装置(以下、単にガスレーザ装置とする。)の励起回路の構成例を図5に示す。この励起回路においては、IGBTのような固体スイッチSWを用いて容量移行型回路と呼ばれる回路構成になっている。この回路図に従って簡単に動作を説明すると、スイッチSWが開いた状態においては、高圧電源HVからの電荷コンデンサC1 に溜められる。コンデンサC1 に電荷が溜まった状態でスイッチSWを閉じると、コンデンサC1 の電荷はコンデンサC2 に移行する。コンデンサC2 に移行した電荷は、磁気スイッチあるいは過飽和インダクタンスと呼ばれる非線形インダクタンスLm を経てピーキングコンデンサC3 に移行する。この際、磁気スイッチLm の作用により印加電圧パルス幅圧縮される。なお、磁気スイッチLm の作用は、コンデンサC1 の電荷がコンデンサC2 に移行する間はインダクタンスが大きく、その磁束密度が大きく飽和するとインダクタンスが急激に減少するもので、効率良くコンデンサC2 の電荷をピーキングコンデンサC3 に移行させる。ピーキングコンデンサC3 の電圧が高くなり、放電破壊電圧に達すると、レーザチェンバ1内に対向配置された主放電電極3と4の間にパルス放電が生じ、レーザガスの励起が行われる。すなわち、この放電により、図5の太線で示した放電回路ループ電流が流れる。

主放電電極3、4と並列にコンデンサC11とC12、及び、インダクタンスL0からなる分圧回路が接続されており、後述する図6に示すように、主放電電極3と4の間に加わるパルス電圧分圧してその25%〜75%の範囲に降圧して、主放電電極3、4間の主放電空間上流側と下流側に近接して配置されたコロナ予備電離部15の内電極7と外電極9の間にコロナ放電のための電圧を印加するようになっている。この分圧回路中の分圧比、コンデンサC11、C12の容量、インダクタンスL0 の値を最適に選択して時定数を所望の値にして、主放電に対するコロナ予備放電のタイミングを調整する。この分圧回路の合成容量はピーキングコンデンサC3 の10%以下に調整される。

ところで、一般に、上記した放電回路ループが作るインダクタンスが低い程、レーザの発振効率が向上することが知られている(前田三編「エキシマレーザ」第64〜65頁、(株)学会出版センター1983年8月20日初版)。

概要

紫外線を放出するガスレーザ装置の励起回路中の放電回路ループの断面積を小さくしてそのインダクタンスをより小さくし、レーザ発振効率を向上させる。

封入されたレーザガスを内部で循環させる循環手段を有するレーザチェンバ1と、レーザチェンバ1内に所定間隔離間して配置された一対の主放電電極3、4と、主放電電極3、4に並列に接続されたピーキングコンデンサC3 とからなる放電回路と、誘電体8を介して第1電極9と第2電極7が対向配置されてなる予備電離手段15とを有し、予備電離手段15が一方の主放電電極4に沿うようにその両側に近接して配置されてなる紫外線を放出するガスレーザ装置において、一方の主放電電極4とピーキングコンデンサC3 とが、一方の主放電電極4と予備電離手段15との間を通る通電部材25により接続されている。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

レーザガス封入され、このレーザガスを内部で循環させる循環手段を有するレーザチェンバと、このレーザチェンバ内所定間隔離間して配置された一対の主放電電極と、この一対の主放電電極に並列に接続されたピーキングコンデンサとからなる放電回路と、誘電体を介して第1電極と第2電極が対向配置されてなる予備電離手段とを有し、この予備電離手段が一方の主放電電極に沿うようにその両側に近接して配置されてなる紫外線を放出するガスレーザ装置において、前記一方の主放電電極と前記ピーキングコンデンサとが、前記一方の主放電電極と前記予備電離手段との間を通る通電部材により接続されていることを特徴とする紫外線を放出するガスレーザ装置。

請求項2

前記通電部材が開口を設けた導電板で構成され、その開口は、前記主放電電極間主放電空間を通過するレーザガスが通過し、かつ、前記予備電離手段からの紫外線が前記主放電空間に達するように配置されていることを特徴とする請求項1記載の紫外線を放出するガスレーザ装置。

請求項3

前記予備電離手段は、誘電体物質で覆われた第2電極と、第2電極の周囲の誘電体物質の外面に当接する第1電極とから構成され、前記通電部材と前記第1電極とが一体化されていることを特徴とする請求項2又は3記載の紫外線を放出するガスレーザ装置。

技術分野

0001

本発明は、紫外線を放出するガスレーザ装置に関し、特に、発振効率が高いエキシマレーザ装置等の紫外線を放出するガスレーザ装置に関するものである。

背景技術

0002

半導体集積回路微細化、高集積化につれ、投影露光装置においては解像力の向上が要請されている。このため、露光用光源から放出される露光光短波長化が進められており、次世代の半導体露光用光源としてArFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置等の紫外線を放出するガスレーザ装置が有力である。

0003

ArFエキシマレーザ装置においては、フッ素(F2 )ガスアルゴン(Ar)ガス及びバッファーガスとしてのネオン(Ne)等の希ガスからなる混合ガス、また、フッ素レーザ装置においては、フッ素(F2 )ガス及びバッファーガスとしてのヘリウム(He)等の希ガスからなる混合ガスであるレーザガスが数100kPaでレーザチェンバ内封入され、そのレーザチェンバ内部に所定間隔離間して対向配置された一対の主放電電極が設けられている。レーザチェンバの内部でこの主放電用電極放電を発生されることにより、レーザ媒質であるレーザガスが励起される。

0004

効率良くレーザ光を発生させるには、主放電電極間で一様な放電を発生させることが必要であるが、数100kPaという高圧ガス雰囲気で一様な放電を発生させるためには、通常、主放電開始前に主放電電極間の放電空間に存在するレーザガスを予備電離することが一般的である。

0005

上記したような予備電離を発生させるための手段の一つとして、誘電体を介して2つの電極が対向配置されている予備電離方式がある。その予備電離部の例が、特開平5−327070号、特許第2,794,792号、特開平10−242553号、特表平8−502145号等に記載されている。何れに記載の予備電離部も、誘電体で形成される筒体の外部表面と接触する第1の電極(以下、外電極呼称する。)と、上記筒体内部に挿入されている第2の電極(以下、内電極と呼称する。)とを備えた構成であり、上記外電極と内電極との間に電位差を発生させることにより、外電極と誘電体筒体との間でコロナ放電を発生させ、このとき発生した紫外光により、上記した主放電電極間の放電空間に存在するレーザガスを予備電離するものである。なお、上記予備電離手段においては、他に、誘電体筒体と外電極とが接触せず、近接している場合や、外電極も誘電体物質で覆われている場合もある。

0006

上記した予備電離方式を採用した紫外線を放出するガスレーザ装置(以下、単にガスレーザ装置とする。)の励起回路の構成例を図5に示す。この励起回路においては、IGBTのような固体スイッチSWを用いて容量移行型回路と呼ばれる回路構成になっている。この回路図に従って簡単に動作を説明すると、スイッチSWが開いた状態においては、高圧電源HVからの電荷コンデンサC1 に溜められる。コンデンサC1 に電荷が溜まった状態でスイッチSWを閉じると、コンデンサC1 の電荷はコンデンサC2 に移行する。コンデンサC2 に移行した電荷は、磁気スイッチあるいは過飽和インダクタンスと呼ばれる非線形インダクタンスLm を経てピーキングコンデンサC3 に移行する。この際、磁気スイッチLm の作用により印加電圧パルス幅圧縮される。なお、磁気スイッチLm の作用は、コンデンサC1 の電荷がコンデンサC2 に移行する間はインダクタンスが大きく、その磁束密度が大きく飽和するとインダクタンスが急激に減少するもので、効率良くコンデンサC2 の電荷をピーキングコンデンサC3 に移行させる。ピーキングコンデンサC3 の電圧が高くなり、放電破壊電圧に達すると、レーザチェンバ1内に対向配置された主放電電極3と4の間にパルス放電が生じ、レーザガスの励起が行われる。すなわち、この放電により、図5太線で示した放電回路ループ電流が流れる。

0007

主放電電極3、4と並列にコンデンサC11とC12、及び、インダクタンスL0からなる分圧回路が接続されており、後述する図6に示すように、主放電電極3と4の間に加わるパルス電圧分圧してその25%〜75%の範囲に降圧して、主放電電極3、4間の主放電空間上流側と下流側に近接して配置されたコロナ予備電離部15の内電極7と外電極9の間にコロナ放電のための電圧を印加するようになっている。この分圧回路中の分圧比、コンデンサC11、C12の容量、インダクタンスL0 の値を最適に選択して時定数を所望の値にして、主放電に対するコロナ予備放電のタイミングを調整する。この分圧回路の合成容量はピーキングコンデンサC3 の10%以下に調整される。

0008

ところで、一般に、上記した放電回路ループが作るインダクタンスが低い程、レーザの発振効率が向上することが知られている(前田三編「エキシマレーザ」第64〜65頁、(株)学会出版センター1983年8月20日初版)。

発明が解決しようとする課題

0009

上記した放電回路ループの実際の構成例を図6に示す。図6は、ガズレザ装置の要部のレーザ発振方向に垂直な断面図であり、図5と同じ符号を付した構成要素は図5に示した構成要素に対応している。

0010

簡単に説明すると、レーザチェンバ1の上部壁に放電空間の長手に沿うように絶縁ベース21が気密に嵌め込まれ、そのレーザチェンバ1内側中央に他方の主電極(例えばカソード)3が取り付けられ、絶縁ベース21を貫通して電流導入部材23により高圧電源10に接続されている。ここで、高圧電源10は、図5のピーキングコンデンサC3 より左側の非線形インダクタンスLm を含む回路部分に対応する。レーザチェンバ1内において主電極3の両側に沿うように一対の通電部材25が略平行に絶縁ベース21に取り付けられており、通電部材25先端間には導電性ベース26が張り渡されており、その中央であって上部の主電極3に対向する位置に一方の主電極4(例えばアノード)が取り付けられている。そして、レーザチェンバ1外部には、電流導入部材23両側に並列接続の多数のコンデンサからなるピーキングコンデンサC3 が接続され、そのピーキングコンデンサC3 は絶縁ベース21を貫通している電流導入部材24を介して通電部材25に接続されている。また、導電性ベース26の上部の矢印で示したレーザガス流2の上流側と下流側であって、主電極3、4間の主放電空間を見込む位置には、誘電体筒体8を介して外電極9と内電極7が対向配置されてなる予備電離部15が配置され、外電極9は導電性ベース26に直接接続されており、内電極7は図示しない端子を介して、高圧電源10のコンデンサC11とC12の間に接続されている。

0011

この図6の構成において、一点鎖線に囲まれた部分が図5に関して説明した放電回路ループであり、絶縁ベース21を貫通した電流導入部材23、電流導入部材23に接続されている主電極3、主電極4、主電極4が設置されている導電性ベース26、導電性ベース26に接続されている通電部材25、通電部材25と接続され、絶縁ベース21を貫通した電流導入部材24、電流導入部材24と電流導入部材23とが接続されたピーキングコンデンサC3 から構成されている。

0012

上記したように、この放電回路ループが作るインダクタンスが低い程、レーザの発振効率が向上する。このインダクタンスは放電回路ループの断面積図6の断面の面積)に比例するので、この断面積ができるだけ小さくなるよう構成する必要がある。すなわち、図6の一点鎖線に囲まれた電流導入部材23、主電極3、主電極4、導電性ベース26、通電部材25、電流導入部材24、ピーキングコンデンサC3 で囲まれる空間の断面積が小さくなるように構成する必要がある。

0013

しかしながら、電流導入部材23、主電極3、ピーキングコンデンサC3 と、通常接地されているレーザチェンバ1とは、電位差が20〜30kV程度と大きく、これらの距離が近すぎると絶縁破壊が生じる。したがって、絶縁ベース21の大きさを余り小さくできない。

0014

また、主電極3、4間距離は、放出されるレーザ光の大きさを規定するが、レーザ光の大きさは用途に応じてある程度限定され、例えば半導体露光用ArFエキシマレーザの場合は15〜18mmとなるので、むやみに短くできない。

0015

また、導電性ベース26の大きさは、主電極4の両側に予備電離部15を配置するので、余り小さくできない。

0016

また、導電性ベース26と電流導入部材24を繋ぐ通電部材25の位置を予備電離部15側に近づければ、上記放電回路ループの断面積を小さくすることができる。しかし、通電部材25は予備電離部15を形成する外電極9と同電位であるので、通電部材25を予備電離部15に近づけすぎると、通電部材25が外電極9と同様に作用することになる。すると、コロナ放電が主電極3、4間の放電空間と反対側でも発生し、このコロナ放電によって生じる紫外線が放電空間に達しないことになり、放電空間に存在するレーザガスの予備電離に寄与しない。すなわち、外電極9と誘電体筒体8との間で発生するコロナ放電への供給エネルギーが上記した余分なコロナ放電により少なくなり、予備電離が不十分となる恐れが生じる。

0017

また、UVアーク予備電離方式においても、Applied PhysicsB 63巻,1〜7頁や、特開平3−283785号等に記載されているように、通電部材が一対の予備電離用電極の外側(電極とは反対側)に位置し、かつ、予備電離電極に近づけすぎると、予備電離電極の高電圧側との間で放電破壊が発生するため、余り近づけることができないので、放電回路ループの断面積を小さくすることはできない。

0018

本発明者らが従来製作したエキシマレーザ装置の場合、図6の放電回路ループが作るインダクタンスは最小で10nHであった。

0019

本発明は従来技術のこのような問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、紫外線を放出するガスレーザ装置の励起回路中の放電回路ループの断面積を小さくしてそのインダクタンスをより小さくし、レーザ発振効率等の特性を向上させることである。

課題を解決するための手段

0020

上記目的を達成する本発明の紫外線を放出するガスレーザ装置は、レーザガスが封入され、このレーザガスを内部で循環させる循環手段を有するレーザチェンバと、このレーザチェンバ内に所定間隔離間して配置された一対の主放電電極と、この一対の主放電電極に並列に接続されたピーキングコンデンサとからなる放電回路と、誘電体を介して第1電極と第2電極が対向配置されてなる予備電離手段とを有し、この予備電離手段が一方の主放電電極に沿うようにその両側に近接して配置されてなる紫外線を放出するガスレーザ装置において、前記一方の主放電電極と前記ピーキングコンデンサとが、前記一方の主放電電極と前記予備電離手段との間を通る通電部材により接続されていることを特徴とするものである。

0021

この場合に、その通電部材が開口を設けた導電板で構成され、その開口は、主放電電極間の主放電空間を通過するレーザガスが通過し、かつ、予備電離手段からの紫外線が主放電空間に達するように配置されていることが望ましい。

0022

また、予備電離手段は、誘電体物質で覆われた第2電極と、第2電極の周囲の誘電体物質の外面に当接する第1電極とから構成され、その通電部材と第1電極とが一体化されているものとしてもよい。

0023

本発明においては、一方の主放電電極とピーキングコンデンサとが、一方の主放電電極と予備電離手段との間を通る通電部材により接続されているので、励起回路中の放電回路ループの断面積が小さくなり、その放電回路ループのインダクタンスをより小さくすることができるので、紫外線を放出するガスレーザ装置のレーザ発振効率等の特性を向上させることができる。

発明を実施するための最良の形態

0024

以下、本発明のガスレーザ装置の実施例について説明する。

0025

図1は、本発明の第1の実施例のガスレーザ装置の要部のレーザ発振方向に垂直な断面図であり、図2は、その側面図である。この実施例において、励起回路は、従来と同様に例えば図5に示すような構成のものを用いる。なお、図1図2において、レーザチェンバ1内に封入されているレーザガスをその中で循環させるファン、レーザガスを冷却する熱交換器等は図示を省いてある。また、図2の側面図においては、予備電離部15の図示は省いてある。

0026

このガスレーザ装置は、レーザチェンバ1の上部壁に放電空間の長手に沿うように絶縁ベース21が気密に嵌め込まれ、そのレーザチェンバ1内側中央に他方の主電極(例えばカソード)3が取り付けられ、絶縁ベース21を貫通して電流導入部材23により高圧電源10に接続されている。ここで、高圧電源10は、図5のピーキングコンデンサC3 より左側の非線形インダクタンスLm を含む回路部分に対応する。

0027

レーザチェンバ1内において主電極3の両側に沿うように一対の通電部材25が先端に向かうにつれて相互に近づくように絶縁ベース21に取り付けられており、通電部材25の先端間とその両側に広がるように導電性ベース26が張り渡されており、一対の通電部材25の先端間の主電極3に対向する位置の導電性ベース26上には一方の主電極4(例えばアノード)が取り付けられている。

0028

また、導電性ベース26の一対の通電部材25の先端が接続されている位置の両方の外側の上部領域であって、それぞれの通電部材25を通して主電極3、4間の主放電空間を見込む位置には、誘電体筒体8を介して外電極9と内電極7が対向配置されてなる予備電離部15が配置されており、外電極9は導電性ベース26に直接接続されており、また、内電極7は図示しない端子を介して、高圧電源10のコンデンサC11とC12の間に接続されている。

0029

また、レーザチェンバ1外部には、電流導入部材23両側に並列接続の多数のコンデンサからなるピーキングコンデンサC3 が接続され、そのピーキングコンデンサC3 は絶縁ベース21を貫通している電流導入部材24を介して通電部材25に接続されている。

0030

そして、通電部材25は、図2の側面図から明らかなように、所定間隔で縦に伸びる細い通電部を除いてくり抜いて開口部27とした導電板で構成されており、この開口部27を通って主電極3、4間の主放電空間にレーザガス流2が妨げなく流れるようになっており、また、予備電離部15でのコロナ放電によって生じる紫外線16が開口部27を通過して主電極3、4間の主放電空間に達するようになっている。

0031

この図1の構成において、一点鎖線に囲まれた部分が図5に関して説明した放電回路ループを構成しており、絶縁ベース21を貫通した電流導入部材23、電流導入部材23に接続されている主電極3、主電極4、主電極4が設置されている導電性ベース26、導電性ベース26に接続されている通電部材25、通電部材25と接続され、絶縁ベース21を貫通した電流導入部材24、電流導入部材24と電流導入部材23とが接続されたピーキングコンデンサC3 から構成されている。

0032

この実施例と図6の従来技術との相違点は、導電性ベース26と絶縁ベース21を貫通した電流導入部材24とに、各端部が接続された通電部材25の配置にある。図6の従来技術においては、通電部材25と導電性ベースと21の接続点が予備電離部15の外側(主電極4と反対側)に配置されているのに対し、本実施例においては、通電部材25と導電性ベース21との接続点が主電極4と予備電離部15との間となるように配置されている。

0033

このように、一方の主電極4と予備電離部15との間を通電部材25が通るようにすることにより、主電極4の両側に予備電離部15を配置することにより導電性ベース21の大きさを余り小さくできないのにも係わらず、放電回路ループにおける主電極4から、導電性ベース26、通電部材25を経由して電流導入部材24に至る経路を短くすることができ、放電回路ループの断面積をより小さくすることができる。

0034

なお、上記したように、予備電離部15で発生した予備電離用の紫外線16が主放電空間に到達するように、通電部材25には図2に示すような開口部27が設けられている。

0035

ところで、一般に、ガスレーザ装置においては、主電極3、4間で主放電発生後は、その主放電空間に存在するレーザガスの温度分布等が不均一となり、そのままでは次回の主放電が不均一となって効率良くレーザ発振をさせることができない。そのため、次回の主放電が発生する前に、主放電空間に位置するレーザガスを置換するために、レーザチェンバ1内でレーザガスを不図示のファンで循環させている。そのレーザガス流を図1に符号2で示してある。通電部材25の上記開口部27は、この主放電空間を流れる循環レーザガス流2が主放電空間へ到達するのを阻害しないという作用も有する。開口部27の一枚の金属板における開口率は90%以上とすると効果的である。

0036

通電部材25は、複数の薄い平板をレーザガス流2、紫外線16が通過する開口部27を確保するよう、所定間隔毎に配置して構成しても、一枚の金属板に開口部27を抜いて設けるように構成してもよいが、後者の方が以下の点で有利である。

0037

図1図2の構成では、通電部材25は、主電極4と予備電離部15との間に配置される。複数の薄い平板を所定間隔毎に配置して開口部27を確保する場合、複数の薄い平板の厚みはそれ自体の強度を確保するため、ある程度の厚さが必要となる。その際、レーザガス流2の方向と垂直方向に厚くするとレーザガス流2の妨げとなるので、レーザガス流2の方向と平行な方向に厚くすることになる。すると、この厚み分だけ主放電空間から予備電離部15が遠ざかるので、放電部材の厚みが厚くなるにつれて主放電空間に到達する紫外線16の強度がその分低下して予備電離が弱くなり、レーザ特性が低下していくことになる。

0038

一方、後者の場合は、一枚の金属板に開口部27を抜いて設けた一体構造であるので、レーザガス流2の方向と平行な方向の厚みを前者に比べて薄くしても、強度を確保することができる。そのため、前者の場合に比べ主放電空間に予備電離部15を近づけることができ、主放電空間に到達する紫外線16の強度が強くなって予備電離が強くなり、レーザ特性を向上させることができる。

0039

上記実施例を変形した本発明の第2の実施例のガスレーザ装置の要部のレーザ発振方向に垂直な断面図を図3に、図4にその側面図を示す。この実施例の第1の実施例との相違点は、図1図2の通電部材25と、予備電離部15の外電極9を一体化した点にある。その他は第1の実施例と同じである。

0040

本実施例の場合、通電部材25の側面に、予備電離部15の誘電体筒体8に近接する位置に外電極9を構成する直線状の金属部材溶接等で一体化し、この外電極9が予備電離部15の内電極7の周囲の誘電体筒体8の外面に当接するように取り付ければよい。

0041

この実施例においては、通電部材25と外電極9とが一体化しているので、第1の実施例より主放電空間に予備電離部15を近づけることができ、主放電空間に到達する紫外線16の強度が強くなって予備電離が強くなり、レーザ特性を向上させることができる。

0042

上記第1の実施例若しくは第2の実施例の構成を採用することにより、本発明者が製作したガスレーザ装置において、放電回路のインダクタンスを従来の10nHあったものを6nHとすることができた。

0043

以上、本発明の紫外線を放出するガスレーザ装置を実施例に基いて説明してきたが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく種々の変形が可能である。

発明の効果

0044

以上の説明から明らかなように、本発明の紫外線を放出するガスレーザ装置においては、通電部材25と導電性ベース26との接続点を主電極4と予備電離部15との間となるように配置したので、放電回路ループにおける主電極4から、導電性ベース26、通電部材25を経由して電流導入部材24に至る経路を短くすることができ、放電回路ループの断面積を小さくすることができる。

0045

また、通電部材25に開口部27を設けることにより、予備電離用の紫外線16が通電部材25に遮られることなく、主放電空間に到達でき、また、主放電空間を流れる循環レーザガス流2の主放電空間への到達が阻害されない。

0046

特に、通電部材25を一枚の金属板に開口部27を抜いて設けた一体構造とすれば、レーザガス流2の方向と平行な方向の厚みを薄くすることができるので、主放電空間に予備電離部15を近づけることができ、主放電空間に到達する紫外線16の強度が強くなって予備電離が強くなり、レーザ特性を向上させることができる。

0047

また、通電部材25と外電極9とを一体化すれば、主放電空間に予備電離部15を近づけることができ、主放電空間に到達する紫外線16の強度が強くなって予備電離が強くなり、レーザ特性を向上させることができる。

図面の簡単な説明

0048

図1本発明の第1の実施例のガスレーザ装置の要部のレーザ発振方向に垂直な断面図である。
図2図1のガスレーザ装置の要部の側面図である。
図3本発明の第2の実施例のガスレーザ装置の要部のレーザ発振方向に垂直な断面図である。
図4図3のガスレーザ装置の要部の側面図である。
図5ガスレーザ装置の励起回路の一構成例を示す図である。
図6従来のガスレーザ装置の要部のレーザ発振方向に垂直な断面図である。

--

0049

SW…固体スイッチ
HV…高圧電源
C1 、C2 …コンデンサ
Lm …非線形インダクタンス(磁気スイッチ)
C3 …ピーキングコンデンサ
C11、C12…コンデンサ
L0 …インダクタンス
1…レーザチェンバ
2…レーザガス流
3、4…主放電電極
7…内電極
8…誘電体筒体
9…外電極
10…高圧電源
15…コロナ予備電離部
16…紫外線
21…絶縁ベース
23…電流導入部材
24…電流導入部材
25…通電部材
26…導電性ベース
27…開口部

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 三菱電機株式会社の「 ガスレーザ発振器及びガスレーザ加工装置」が 公開されました。( 2019/09/05)

    【課題】電極間で発生する放電の状態が正常か否かを精度良く判定すること。【解決手段】ガスレーザ発振器は、インバータ部3、4で発生した高周波電圧を昇圧する変圧器5と、変圧器5により昇圧された高周波高電圧に... 詳細

  • 日本エア・リキード株式会社の「 レーザガスリサイクルシステムおよびその方法」が 公開されました。( 2019/08/29)

    【課題】エキシマレーザ発振装置から排出された排ガスから、所定の不純物を除去した精製ガスを得ることができる、レーザガスリサイクルシステムおよびその方法を提供する。【解決手段】レーザガスリサイクルシステム... 詳細

  • 住友重機械工業株式会社の「 レーザ発振器」が 公開されました。( 2019/08/08)

    【課題】チェンバの熱変形の影響を受けにくいレーザ発振器を提供する。【解決手段】チェンバにレーザ媒質ガスが収容される。一対の放電電極が、チェンバの内部の放電空間に放電を生じさせる。チェンバの内部空間に配... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ