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技術 銅製パイプとアルミニウム製パイプの共晶接合方法および共晶接合装置並びにパイプ接合体

出願人 昭和電工株式会社
発明者 上田真史渡辺勲脇田直志
出願日 1999年12月8日 (21年0ヶ月経過) 出願番号 1999-349299
公開日 2001年6月22日 (19年6ヶ月経過) 公開番号 2001-165362
状態 未査定
技術分野 キー形結合・及び収縮による結合・圧力ばめ・ とりはずし不納な摩擦握り 固着及びねじ継手 棒・管の相互結合
主要キーワード 押込速度 ホーン形 接合距離 パイプ挿通孔 共晶融点 流路内径 銅製パイプ パイプ接合
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2001年6月22日)のものです。
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図面 (10)

課題

銅製パイプアルミニウム製パイプ接合時間の短縮化が図れるとともに、安価にして接合品質を高めることができるパイプ共晶接合方法および共晶接合装置並びにパイプ接合体を提供する。

解決手段

銅製パイプ1の一端側に形成された先細り状部1aにアルミニウム製パイプ2の一端側開口端部2aを外嵌めして接合するパイプの共晶接合方法において、パイプ嵌合部位径方向外方から拘束する拘束治具3におけるパイプ挿通孔4を、該拘束治具3における前記パイプ嵌合方向における一方の側面3aから他方の側面3bに渡って同じ内径となるように設定する。これにより、加熱時に、両パイプ1,2と拘束治具3とが広範囲密着し、パイプ加熱時間が短縮されるうえ、加熱温度の軸方向でのばらつきがなくなり、接合不良の発生が抑制され、さらに、共晶合金粒子の排出も適正に行わせることができる。

概要

背景

従来、銅製パイプアルミニウム製パイプ接合方法として、例えば特開平11ー216576号公報に示すような共晶接合方法がある。これは、図9に示すように、銅製パイプ101の一端側に先細り状部101aを形成し、この先細り状部101aにアルミニウム製パイプ102の一端側開口端部102aを外嵌する一方、このアルミニウム製パイプ102側から銅製パイプ101側に至るにつれて径大化するホーン形パイプ挿通孔104を持った拘束治具103の上記パイプ挿通孔104に、アルミニウム製パイプ102を挿通して嵌合部位径方向外方から拘束し、この状態で銅製パイプ101をバーナなどにより、両パイプ101,102の接合部の温度が共晶融点(548°C)になるように加熱した後、銅製パイプ101とアルミニウム製パイプ102に嵌合方向(管軸方向)の押込力を付与して両パイプ101,102の接触面に共晶を生成させて、両パイプを接合する方法である。

しかし、この場合、銅製パイプ101をバーナなどで加熱しているので、アルミニウム製パイプ102の一端部の温度が上がりにくく、従って銅製パイプ101のアルミニウム製パイプ102への挿入量が小さく、接合距離が長くとれないなどの問題がある。

そこで、両パイプ101,102を適正に加熱して上記問題を解決するために、拘束治具にヒータを内蔵させることにより、この拘束治具を介して両パイプ101,102を加熱することも考えられる。

概要

銅製パイプとアルミニウム製パイプの接合時間の短縮化が図れるとともに、安価にして接合品質を高めることができるパイプの共晶接合方法および共晶接合装置並びにパイプ接合体を提供する。

銅製パイプ1の一端側に形成された先細り状部1aにアルミニウム製パイプ2の一端側開口端部2aを外嵌めして接合するパイプの共晶接合方法において、パイプ嵌合部位を径方向外方から拘束する拘束治具3におけるパイプ挿通孔4を、該拘束治具3における前記パイプ嵌合方向における一方の側面3aから他方の側面3bに渡って同じ内径となるように設定する。これにより、加熱時に、両パイプ1,2と拘束治具3とが広範囲密着し、パイプ加熱時間が短縮されるうえ、加熱温度の軸方向でのばらつきがなくなり、接合不良の発生が抑制され、さらに、共晶合金粒子の排出も適正に行わせることができる。

目的

この発明は、上記問題を解消するためになされたもので、パイプ接合時間の短縮化が図れるとともに、共晶合金粒の排出なども良好になされ、安価にして接合品質を高めることができるパイプの共晶接合方法および共晶接合装置並びにパイプ接合体を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

銅製パイプの一端側に形成された先細り状部にアルミニウム製パイプの一端側開口端部を外嵌めして共晶接合する、銅製パイプとアルミニウム製パイプの共晶接合方法において、前記両パイプの嵌合方向における一方の側面から他方の側面に渡って同じ内径で形成されたパイプ挿通孔を有する拘束治具を用い、該拘束治具の前記挿通孔に、前記両パイプの嵌合部位挿入状態に配置して、パイプ嵌合部位を拘束治具により径方向外方から拘束し、この状態で拘束治具により両パイプを加熱しながら両パイプに嵌合方向への相対的押込力を付与することを特徴とする、銅製パイプとアルミニウム製パイプの共晶接合方法。

請求項2

両パイプの加熱時に、前記アルミニウム製パイプに対して、嵌合部位から長さ方向に離間するにつれて共晶接合部よりも温度が低くなる温度勾配を生じさせる請求項1に記載の銅製パイプとアルミニウム製パイプの共晶接合方法。

請求項3

銅製パイプの先細り状部の先端に、この先端の外径と同径の筒形延設部を一体形成してなる請求項1に記載の銅製パイプとアルミニウム製パイプの共晶接合方法。

請求項4

銅製パイプの一端側に形成された先細り状部にアルミニウム製パイプの一端側開口端部を外嵌めして共晶接合する、銅製パイプとアルミニウム製パイプの共晶接合装置において、前記両パイプの嵌合方向における一方の側面から他方の側面に渡って同じ内径で形成されたパイプ挿通孔を有し、該挿通孔に、前記両パイプの嵌合部位を挿入状態に配置して、パイプ嵌合部位を径方向外方から拘束する拘束治具と、該拘束治具を加熱することによって前記両パイプを加熱する加熱手段と、を備えたことを特徴とする、銅製パイプとアルミニウム製パイプの共晶接合装置。

請求項5

銅製パイプの一端側に形成された先細り状部にアルミニウム製パイプの一端側開口端部が外嵌めされ、かつ共晶接合されたパイプ接合体であって、接合部及び該接合部の両側の銅製パイプとアルミニウム製パイプの各外径が同一ないし略同一であることを特徴とするパイプ接合体。

請求項6

銅製パイプの先細り状部の先端に、この先端の外径と同径の筒形延設部が一体形成されている請求項5に記載のパイプ接合体。

技術分野

0001

この発明は、熱交換器等の配管部に適用される技術に関連し、特に、銅製パイプの一端側に形成された先細り状部にアルミニウム製パイプの一端側開口端部を外嵌めして接合する、銅製パイプとアルミニウム製パイプの共晶接合方法および共晶接合装置並びにパイプ接合体に関する。

0002

なお、この明細書において、「銅」、「アルミニウム」の語は、それぞれ銅合金アルミニウム合金を含む意味で用いる。

背景技術

0003

従来、銅製パイプとアルミニウム製パイプの接合方法として、例えば特開平11ー216576号公報に示すような共晶接合方法がある。これは、図9に示すように、銅製パイプ101の一端側に先細り状部101aを形成し、この先細り状部101aにアルミニウム製パイプ102の一端側開口端部102aを外嵌する一方、このアルミニウム製パイプ102側から銅製パイプ101側に至るにつれて径大化するホーン形パイプ挿通孔104を持った拘束治具103の上記パイプ挿通孔104に、アルミニウム製パイプ102を挿通して嵌合部位径方向外方から拘束し、この状態で銅製パイプ101をバーナなどにより、両パイプ101,102の接合部の温度が共晶融点(548°C)になるように加熱した後、銅製パイプ101とアルミニウム製パイプ102に嵌合方向(管軸方向)の押込力を付与して両パイプ101,102の接触面に共晶を生成させて、両パイプを接合する方法である。

0004

しかし、この場合、銅製パイプ101をバーナなどで加熱しているので、アルミニウム製パイプ102の一端部の温度が上がりにくく、従って銅製パイプ101のアルミニウム製パイプ102への挿入量が小さく、接合距離が長くとれないなどの問題がある。

0005

そこで、両パイプ101,102を適正に加熱して上記問題を解決するために、拘束治具にヒータを内蔵させることにより、この拘束治具を介して両パイプ101,102を加熱することも考えられる。

発明が解決しようとする課題

0006

しかし、加熱手段を兼ねた拘束治具として、前述した従来のホーン形パイプ挿通孔104を有する拘束治具103を採用した場合には、以下のような問題が生じる。

0007

まず、第1に、パイプ挿通孔104の内径が銅製パイプ101側に至る程、径大化しているので、この拘束治具103とアルミニウム製パイプ102との接触面積が小さいうえ、アルミニウム製パイプ102の一端開口端部102a側では拘束治具103のパイプ挿通孔104の内周面に対して密着せずに間隙Gが存在するため、両パイプ101,102を適正温度まで上昇させるには、かなりの加熱時間がかかってしまう。

0008

さらに、拘束治具103がアルミニウム製パイプ102に接触しているだけであるから、両パイプ101,102の昇温速度が管軸方向でばらつき、このために、接合部の溶融状態の過不足から接合不良が多発しやすい傾向にある。

0009

また、前記パイプ挿通孔104の内径が銅製パイプ101側に至る程、径大化しているので、銅製パイプ101とアルミニウム製パイプ102との径方向での加圧力が弱く、接合のための両パイプの押し込み時に、パイプ表面酸化皮膜破壊・除去がスムーズになされないうえ、両パイプ101,102の接合時に発生する不純物としての共晶合金が接合部から排出しきれず、これが接合面の障害となって強固な接合状態が得られない。

0010

さらに、前記酸化皮膜を除去するために、バーナによる補助加熱を用いることも考えられるが、バーナーによる加熱では、煩雑な温度管理を厳密に行わないと、却って不良品の発生を招くことになる。

0011

一方また、銅製パイプの先端最小内径を一定以上に確保する観点から銅製パイプ101の先細り状部101aの軸方向の長さが制約されており、この銅製パイプ101のアルミニウム製パイプ102への入り代Lは比較的短い。このため、接合部から前記先細り状部101aに沿って先端側(アルミニウム製パイプ側)に押し出された共晶合金が玉状になり、そのままアルミニウム製パイプ102内に排出されて固化し、流路の障害となる。

0012

この発明は、上記問題を解消するためになされたもので、パイプ接合時間の短縮化が図れるとともに、共晶合金粒の排出なども良好になされ、安価にして接合品質を高めることができるパイプの共晶接合方法および共晶接合装置並びにパイプ接合体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

上記課題は、銅製パイプの一端側に形成された先細り状部にアルミニウム製パイプの一端側開口端部を外嵌めして共晶接合する、銅製パイプとアルミニウム製パイプの共晶接合方法において、前記両パイプの嵌合方向における一方の側面から他方の側面に渡って同じ内径で形成されたパイプ挿通孔を有する拘束治具を用い、該拘束治具の前記挿通孔に、前記両パイプの嵌合部位を挿入状態に配置して、パイプ嵌合部位を拘束治具により径方向外方から拘束し、この状態で拘束治具により両パイプを加熱しながら両パイプに嵌合方向への相対的押込力を付与することを特徴とする、銅製パイプとアルミニウム製パイプの共晶接合方法によって解決される。

0014

この共晶接合方法によれば、拘束治具におけるパイプ挿通孔が、パイプ嵌合方向における一方のパイプの周面から他方のパイプの周面に渡って同じ内径に形成されているので、加熱時に、両パイプと加熱治具とが広範囲で密着し、パイプへの伝熱が良くなり、パイプ加熱時間が短縮される。さらに、加熱温度の軸方向でのばらつきが抑制され、接合不良の発生が抑制される。

0015

また、上記両パイプと拘束治具との接触性が高められることにより、両パイプに押込力を付与した際の両パイプの互いの径方向での加圧力が強まり、酸化皮膜の除去、さらには不純物としての共晶合金の排出が良好に行われる。

0016

さらに、拘束治具により両パイプを加熱して上記酸化皮膜の破壊・除去が行われることにより、接合工程とは別に、バーナなどを使用して酸化皮膜を加熱・除去する工程などが不要となる。

0017

上記において、両パイプの加熱時に、前記アルミニウム製パイプに対して、嵌合部位から長さ方向に離間するにつれて共晶接合部よりも温度が低くなる温度勾配を生じさせる構成としても良い。この場合には、アルミニウム製パイプ内に押し出されようとする共晶合金を早めに固化させることにより、アルミニウム製パイプ内に排出されるのが防止される。

0018

さらに、銅製パイプの先細り状部の先端に、この先端の外径と同径の筒形延設部を一体形成してなる構成としても良い。

0019

この場合には、接合部で生成されてアルミニウム製パイプ内に押し出されようとする共晶合金を、上記延設部外周面上に留めることができ、該共晶合金がアルミニウム製パイプ内に排出されるのが防止される。

0020

また、前記課題は、銅製パイプの一端側に形成された先細り状部にアルミニウム製パイプの一端側開口端部を外嵌めして共晶接合する、銅製パイプとアルミニウム製パイプの共晶接合装置において、前記両パイプの嵌合方向における一方の側面から他方の側面に渡って同じ内径で形成されたパイプ挿通孔を有し、該挿通孔に、前記両パイプの嵌合部位を挿入状態に配置して、パイプ嵌合部位を径方向外方から拘束する拘束治具と、該拘束治具を加熱することによって前記両パイプを加熱する加熱手段と、を備えたことを特徴とする、銅製パイプとアルミニウム製パイプの共晶接合装置によっても解決される。

0021

この装置では、両パイプの接合を短時間、かつ適正に行え、共晶合金などが流路に残存したりするおそれのないパイプ接合体を容易に得ることができる。

0022

さらに、この発明の他のものは、銅製パイプの一端側に形成された先細り状部にアルミニウム製パイプの一端側開口端部が外嵌めされ、かつ共晶接合されたパイプ接合体であって、接合部及び該接合部の両側の銅製パイプとアルミニウム製パイプの各外径が同一ないし略同一であることを特徴とするパイプ接合体にある。

0023

このパイプ接合体によれば、接合部及びその近傍部位における外周面凹凸がなくなるから、例えば冷蔵庫等に用いた場合には、外径の違いによる段差部分に水分が溜まる等の不都合がなくなる。

0024

この場合も、銅製パイプの先細り状部の先端に、この先端の外径と同径の筒形延設部が一体形成されている構成とするのが、接合部で生成されてアルミニウム製パイプ内に押し出されようとする共晶合金を、上記延設部外周面上に留めることができ、該共晶合金がアルミニウム製パイプ内に排出されるのが防止される点で望ましい。

発明を実施するための最良の形態

0025

以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。

0026

図1は、この発明の一実施形態に係るパイプの共晶接合方法を適用するためのパイプの共晶接合装置を示す。

0027

このパイプ共晶接合装置Aは、一端側に先細り状部が形成された銅製パイプ1と、一端開口端部2aが銅製パイプ1の先細り状部1aに外嵌めされるアルミニウム製パイプ2とを共晶接合させて、図2に示すようなパイプ接合体Mを製作することができものであり、両パイプ1,2に対する拘束治具3、パイプ押圧部材PM、各パイプ冷却手段としてのエアーブローBW1、BW2を備えている。

0028

拘束治具3は、前記パイプ1,2の嵌合方向における一方の側面3aから他方の側面3bに渡って同じ内径D4で形成されたパイプ挿通孔4を有し、このパイプ挿通孔4に両パイプ1,2を挿通させて、パイプ嵌合部位を径方向外方から拘束するように設定されている。さらに、この拘束治具3には、加熱ヒータ5が配設されており、加熱ヒータ5によって拘束治具3を加熱し、さらにこの拘束治具3により両パイプ1,2を加熱できるようになっている。

0029

なお、この拘束治具3の材質は、パイプ嵌合部位、とくに銅製パイプ1の先細り状部1aの圧入により膨張するアルミニウム製パイプ2の一端側の外形状を保持可能なものであれば、任意に選択すればよい。また、拘束治具3は、固定型に限らず、割り型であってもよく、組付けの作業性の点からすれば、割り型の方が好ましい場合もある。

0030

パイプ押圧部材PMは、拘束治具3により両パイプ1,2が加熱されている時に銅製パイプ1をアルミニウム製パイプ2に対して嵌合方向へ沿って押し込むためのものである。

0031

エアーブローBW1,BW2は、両パイプ1,2の接合部に共晶が生成される際に所定のタイミングで各パイプ1,2を冷却するものである。

0032

つぎに、上記装置Aにより両パイプ1,2を共晶接合する方法について説明する。

0033

まず、図3に示すように、外径D1が例えば8mmで、肉厚t1が例えば0.6mmの銅製パイプ1と、同じく外径D2が例えば8mmで、肉厚t2が例えば1.25mmのアルミニウム製パイプ2を用意する。銅製パイプ1の一端部1aは、内外径が連続して小さくなった先細り状に形成され(管軸方向の長さがLa)、さらに、この先細り状部1aの先端には、該先端の外径D3と同径の筒形の延設部(管軸方向の長さがLb)1bが一体形成されている。

0034

アルミニウム製パイプ2の一端開口端部2aに内嵌される銅製パイプ1の外径D1は、アルミニウム製パイプ2の外径D2と同寸(アルミニウム製パイプ2の内径d2よりは大きく)に設定されており、また、銅製パイプ1の先細り状部1aの先端の外径D3は、アルミニウム製パイプ2に内嵌させる必要からアルミニウム製パイプ2の内径d2よりも小さく設定されている。

0035

銅製パイプ1の先細り状部1aの外面形状は、外径が連続的に縮小するテーパ形状に限定されることはなく、アルミニウム製パイプ2に内嵌した際に、先細り状部1aの外周面がアルミニウム製パイプ2の開口端部2aの内周面に強く圧接する形状であればよい。

0036

次に、前記銅製パイプ1の先細り状部1aに、図4に示すように、アルミニウム製パイプ2の一端開口端部2aを、入り代Lで外嵌する一方、拘束治具3のパイプ挿通孔4にパイプ1,2を挿入し、長さLの嵌合部位及び銅製パイプ1の先細り状部1aが拘束治具3の挿通孔4の長さ方向の中間部に位置するように、拘束治具3をセットする。これにより、接合時における両パイプ1,2の嵌合部位を径方向外方から拘束可能となるとともに、拘束治具3の挿通孔4の長さ方向の端部内周面が、嵌合部位の両側において、銅製パイプ1及びアルミニウム製パイプ2の外周面に、それぞれ密着状態ないしほぼ密着状態となる。

0037

なお、前記拘束治具3のパイプ挿通孔4の直径D4を、両パイプ1,2の外径D1,D2よりも僅かに(0.1mm以下)大きく設定しておくことにより、パイプ挿入操作が容易に行える。

0038

この後、拘束治具3を加熱する加熱ヒータ5に通電して、拘束治具3を前記両パイプ1,2の共晶融点(548°C)よりも高めの温度、例えば約590°Cに設定する。これにより、この拘束治具3を介して両パイプ1,2が加熱される。拘束治具3の設定温度を、約590°Cに設定したのは、両パイプ1,2が加熱される際の実体温度を550〜580°Cにさせるためであり、この範囲になるように、上記拘束治具3の設定温度は、微調整可能となっている。

0039

なお、拘束治具3による加熱開始から20〜30秒経過すれば、両パイプ1,2は前記実体温度(550〜580°C)に安定する。

0040

この実体温度が安定したときに、押圧部材PMにより銅製パイプ1に嵌合方向への押込力Fを付与する。すると、銅製パイプ1の一端先細り状部1aが図5に示すように、アルミニウム製パイプ2の一端開口端部2aに次第に圧入される。この圧入時にパイプ嵌合部位においてアルミニウム製パイプ2が拡径方向へ膨張変形しようとするが、前記拘束治具3によっての変形が抑制される。従って、接合部を含むパイプの長さ方向の全体が同一外径ないし略同一外径に保持される。

0041

而して、上記圧入・接合時においては、まず、図6(a)に示すように、両パイプ1,2の接触部において、銅製パイプ1の外周面の酸化皮膜10が破れ原子拡散が起きる。さらに押し込むことにより、図6(b)に示すように、原子拡散が進み、共晶(液相)が生成され、酸化皮膜10が共晶(液相)に浮いた状態となり、上記押し込みが続けるれると、図6(c)に示すように、共晶・酸化皮膜10が排出され、両パイプ1,2が接触し、その界面には、薄い共晶がのこるだけの接合状態となる。

0042

前記銅製パイプ1に押込力Fを付与する際の押込速度は、例えば圧入量(長さ)が12mmの場合、20mm/secで操作するのがよい。これよりも速い押込速度では、両パイプ1,2の接合界面に形成される共晶相が均一な厚さに形成されにくく、気密性が悪くなるうえ、接合強度も弱くなる。

0043

なお、銅製パイプ1をアルミニウム製パイプ2の一端開口端部2aに圧入しながら共晶を起こさせる際には、銅製パイプ1の内周面の酸化を防止する点から、パイプ1、2内に、窒素ないしはアルゴンなどの不活性ガス流通させるのが好ましい。

0044

前記両パイプ1,2の被接合部が共晶により接合された際には、エアーブローBW1、BW2を所定の短時間(例えば約10秒間)作動させてパイプ1,2を冷却し、両パイプ1,2の実体温度を550°C以下まで降下させる。前記拘束治具3による加熱時からの両パイプ1,2の昇温パターンは、例えば図7に示すようになる。上記冷却によって、前記共晶が固化され、図2に示すような全長にわたって同一外径ないしほぼ同一外径のパイプ接合体Mが製作される。

0045

ここで、拘束治具3におけるパイプ挿通孔4が、パイプ嵌合方向における一方の側面3aから他方の側面3bに渡って同じ直径D4に形成されているので、加熱時に両パイプ1,2と拘束治具3とが広範囲で密に接触し、伝熱性が高まり、パイプ加熱時間が短縮され、もって省エネルギー化に対応できる。

0046

さらに、拘束治具3が両パイプ1,2の外周面にそれぞれ密着しているので、両パイプ1,2の温度の管軸方向でのばらつきがなくなり、管軸方向での均一的な接合状態を得ることがきる。

0047

また、上記両パイプ1,2と拘束治具3とが広範囲で密着することにより、銅製パイプ1に押込力Fを付与した際の両パイプ1,2の互いの径方向での加圧力が大きくなる。このため、銅製パイプ1の押し込みによって、前述した酸化皮膜10が十分に除去されるとともに、接合時に生成される不純物としての共晶合金粒の排出が良好に行われ、もって適正な接合強度を確保することができる。

0048

さらに、拘束治具3により両パイプ1,2を加熱し、かつ前記酸化皮膜10の破壊・除去が行われることにより、酸化皮膜10を、別途、バーナなどを使用して加熱・除去する必要がなくなり、生産性が高められることになる。

0049

ところで、前記共晶接合時において、銅製パイプ1の一端側先細り状部1aの外周面には、共晶合金粒が生成される。これが先細り状部1aの外周面に沿って押し出され移動して、先端からアルミニウム製パイプ2内に排出されると、パイプ接合体Mにおける流路の障害となる。前記先細り状部1aの突出長さLaを大きくするこにより、共晶合金粒に対する沿面路を長くすることも考えられるが、その場合は、先細り状部1aの先端内径が小さくなって一定の流路内径を確保できなくなる。

0050

これに対して、本実施形態では、前記銅製パイプ1の一端側先細り状部1aの先端に、この先端の外径D3と同径の筒形の延設部1bを一体形成してあるので、前記先細り状部1aの外周面に沿って移動した共晶合金粒を延設部1bの外周面上に留めること可能となる。従って、共晶合金粒がアルミニウム製パイプ2内に排出されるのが極力抑止され、その結果、パイプ接合体Mにおける流路の障害物の生成を防止できる。

0051

ところで、従来のように、銅製パイプのみをバーナーで加熱するだけでは、アルミニウム製パイプ2側での温度が十分上がらず、両パイプ1,2の接合部の管軸方向の長さを大きくすることは不可能である。

0052

しかし、この実施形態のように、上記拘束治具3により両パイプ1,2を加熱すると、軸方向での高い温度分布が得られるので、両パイプ1,2の接合部の管軸方向の長さが比較的大きくなる。しかも、拘束治具3の温度制御ならびに冷却タイミングの制御により、接合部に対して、図8に示すような温度勾配をつけることができる。図8は、銅製パイプ1の押し込み開始時(図7のt0時)におけるパイプの長さ方向における各部の温度を示したものである。つまり、接合長さ範囲内においてはアルミニウムパイプの温度が接合に良好な温度範囲に設定され、接合長さ範囲を超える部分についてはアルミニウム製パイプの温度が接合に良好な温度範囲の下限値よりも低い温度となるように、パイプの長さ方向に温度勾配を設けておくことによって、共晶合金粒が、前記銅パイプ1における先細り状部1aの先端部から延長部1bに至るまでに接合適正温度を下回って固化状態となり、アルミニウム製パイプ2内に排出滞留するのが一層確実に防止される。

0053

なお、両パイプ1,2の接合部の長さは5mm以上に設定するのが好ましい。また前記銅製パイプ1側から押込力Fを付与する代わりに、アルミニウム製パイプ2側から押込力Fを付与してもよく、また、両者1,2ともに押込力Fを付与してもよい。

0054

ちなみに、外径D1が8mmで、肉厚t1が0.6mmの銅製パイプ1と、同じく外径D2が8mmで、肉厚t2が1.25mmのアルミニウム製パイプ2を使用し、銅製パイプ1の先細り状部1aの管軸方向の長さLaを16mmに、筒形延設部1bの管軸方向の長さLbを5mmに設定した。

0055

そして、このようなパイプ1,2を用いて、前記した共晶接合方法により、パイプ接合体Mを製作した。

0056

このパイプ接合体Mについて、接合後外観漏洩試験耐圧試験破壊試験、引っ張り試験冷熱試験曲げ試験耐熱試験塩水噴霧試験振動試験、銅製パイプ曲げ試験、ピンチ試験、ねじり試験などを実施した。その結果、すべての項目で問題のない試験結果を得ることができた。

発明の効果

0057

以上のように、この発明は、拘束治具におけるパイプ挿通孔が、パイプ嵌合方向における一方の端面から他方の端面に渡って同じ内径に形成されているので、加熱時に両パイプと加熱治具とが広範囲で良好に接触し、パイプ加熱時間を短縮することができるとともに、加熱時の温度分布が管軸軸方向で均一的となり、好条件での共晶接合を行わせることができる。

0058

また、上記両パイプと拘束治具との接触性が広範囲で高められるので、銅製パイプに相対的な押込力を付与した際の両パイプの互いの径方向での加圧力が強まり、酸化皮膜を十分に除去でき、さらには不純物としての共晶合金の排出が良好に行われ、もって適正な接合強度を確保することができる。

0059

さらに、拘束治具により両パイプを加熱し、かつ上記酸化皮膜の破壊・除去が行われることにより、接合工程とは別に、バーナなどを使用して酸化皮膜を加熱・除去する工程が不要となり、生産コストを低減することができる。

0060

また、アルミニウム製パイプの他端側の温度が低くなるように温度勾配を付与するようにした場合には、共晶合金がアルミニウム製パイプ内に移動する前に固化させることが可能となる。

0061

さらに、銅製パイプの先細り状部の先端に、この先端の外径と同径の筒形延設部が一体形成されている場合には、接合部で生成されてアルミニウム製パイプ内に移動しようする共晶合金を、上記延設部外周面に留めることができ、アルミニウム製パイプ内への排出を防止できる。

0062

また、銅製パイプの一端側に形成された先細り状部にアルミニウム製パイプの一端側開口端部を外嵌めして共晶接合する、銅製パイプとアルミニウム製パイプの共晶接合装置において、前記両パイプの嵌合方向における一方の側面から他方の側面に渡って同じ内径で形成されたパイプ挿通孔を有し、該挿通孔に、前記両パイプの嵌合部位を挿入状態に配置して、パイプ嵌合部位を径方向外方から拘束する拘束治具と、該拘束治具を加熱することによって前記両パイプを加熱する加熱手段とを備えている場合には、両パイプの接合を短時間、かつ適正に行え、共晶合金などがアルミニウム製パイプ内に排出残存したりするおそれのないパイプ接合体を容易に得ることができる。

0063

また、銅製パイプの一端側に形成された先細り状部にアルミニウム製パイプの一端側開口端部が外嵌めされ、かつ共晶接合されたパイプ接合体であって、接合部及び該接合部の両側の銅製パイプとアルミニウム製パイプの各外径が同一ないし略同一であることを特徴とするパイプ接合体によれば、接合部及びその近傍部位における外周面の凹凸がなくなるから、例えば冷蔵庫等に用いた場合には、外径の違いによる段差部分に水分が溜まる等の不都合がなくなる。

0064

また、上記パイプ接合体において、銅製パイプの先細り状部の先端に、この先端の外径と同径の筒形延設部が一体形成されている構成となされている場合には、接合部で生成されてアルミニウム製パイプ内に押し出されようとする共晶合金を、上記延設部外周面上に留めることができ、該共晶合金がアルミニウム製パイプ内に排出されるのを防止できる。

図面の簡単な説明

0065

図1この発明の一実施形態にかかるパイプの共晶接合方法を適用するためのパイプの共晶接合装置を示す構成図である。
図2同じくパイプの共晶接合装置を製作されたパイプ接合体を示す縦断面図である。
図3同じくパイプの共晶接合方法において使用されるパイプを示す縦断面図である。
図4銅製パイプとアルミニウム製パイプとを嵌合して、拘束治具のセット状態を示縦断面図である。
図5同じく銅製パイプのアルミニウム製パイプに対する圧入状態を示す縦断面図である。
図6共晶接合の生成の説明図である。
図7加熱時のパイプの昇温パターンを示す特性図である。
図8パイプの管軸方向の温度分布状態を示す特性図である。
図9従来の拘束治具を使用したパイプの共晶接合方法の説明図である。

--

0066

1・・・・・・・・・・銅製パイプ
1a・・・・・・・・・銅製パイプの先細り状部
1b・・・・・・・・・銅製パイプの筒形延設部
2・・・・・・・・・・アルミニウム製パイプ
2a・・・・・・・・・アルミニウム製パイプの一端開口端部
3・・・・・・・・・・拘束治具(加熱手段)
3a・・・・・・・・・拘束治具の一端面
3b・・・・・・・・・拘束治具の他端面
4・・・・・・・・・・拘束治具のパイプ挿通孔
5・・・・・・・・・・加熱ヒータ(加熱手段)
F・・・・・・・・・・押込力

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