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技術 リチウムマンガン酸化物およびその製造方法、並びにこれを用いた二次電池

出願人 東ソー株式会社
発明者 庄司孝之岩田英一前田貢司鈴木直人
出願日 2000年9月28日 (20年1ヶ月経過) 出願番号 2000-300584
公開日 2001年6月19日 (19年5ヶ月経過) 公開番号 2001-163622
状態 特許登録済
技術分野 重金属無機化合物(II) 二次電池(その他の蓄電池) 電池の電極及び活物質
主要キーワード 攪拌混合器 本加熱処理 結晶一次粒子 理論計算値 攪拌混合造粒機 微細多孔膜 単一結晶相 ランダムサンプリング
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2001年6月19日)のものです。
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図面 (1)

課題

本願発明の目的は、Li二次電池用正極材料として、長期間のサイクル定性に優れる高性能スピネル構造リチウムマンガン系酸化物およびその製造方法並びにそれを用いた高性能なリチウム二次電池を提供するものである。

解決手段

{Li}[LixMn2-x]O4(ここで、{}は8aサイト、[]は16dサイトを示し、0.08<x≦0.15)で表され、Na含有量が0.001wt%以上0.1wt%以下、SEM観察による平均一次粒子径が0.5〜2.0μmであることを特徴とするスピネル構造リチウムマンガン系酸化物、及び、スピネル構造立方晶スピネル構造であり、当該立方晶格子定数(a)が以下の式に従うことを特徴とするスピネル構造リチウムマンガン系酸化物。

a≦8.2476−0.25×x

概要

背景

リチウム二次電池は、高エネルギー密度、高出力であることより、近年の電子機器の小型・軽量化に伴う新しい高性能電池として注目を浴びている。

リチウム二次電池用正極材料は、電圧作動領域が高いこと、高放電容量であること及びサイクル定性が高いことが求められ、Liと各種金属、例えば、Co、Ni、Mn、V等の複合酸化物が検討されている。LiとMnの複合酸化物の一種であるスピネル構造のLiMn2O4は、正極活物質として有望であると考えられているが、長期間にわたり可逆的にサイクルをさせることが困難であり、その電池の電気化学容量が減少していくという問題がある。特に50℃〜60℃の高温条件下で作動させた場合、電気化学容量の減少が頭著なものとなることがわかった。

また、LiとMnの複合酸化物であるために、スピネル構造リチウムマンガン系酸化物を製造する場合に、組成のばらつき発生し、スピネル構造リチウムマンガン系酸化物をリチウム二次電池の正極に使用する場合の電池性能に与える影響が問題となる。

液相合成等、均一性を上げるための製造方法が種々提案されているが、原料が高価である、反応が激しい、装置が高価であるなど実用化が難しい。

概要

本願発明の目的は、Li二次電池用の正極材料として、長期間のサイクル安定性に優れる高性能なスピネル構造リチウムマンガン系酸化物およびその製造方法並びにそれを用いた高性能なリチウム二次電池を提供するものである。

{Li}[LixMn2-x]O4(ここで、{}は8aサイト、[]は16dサイトを示し、0.08<x≦0.15)で表され、Na含有量が0.001wt%以上0.1wt%以下、SEM観察による平均一次粒子径が0.5〜2.0μmであることを特徴とするスピネル構造リチウムマンガン系酸化物、及び、スピネル構造が立方晶スピネル構造であり、当該立方晶格子定数(a)が以下の式に従うことを特徴とするスピネル構造リチウムマンガン系酸化物。

a≦8.2476−0.25×x

目的

本願発明の目的は、Li二次電池用の正極材料として、長期間のサイクル安定性に優れる高性能なスピネル構造リチウムマンガン系酸化物およびその製造方法として、安価な原料を使用した固相反応で均一性の高いスピネル構造リチウムマンガンの製造方法、並びにそれを用いた高性能なリチウム二次電池を提供するものである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
4件

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請求項1

立方晶スピネル構造を有し、その組成が{Li}[LixMn2-x]O4(ここで、{}は8aサイト、[]は16dサイトを示し、0.08<x≦0.15)で表され、当該立方晶格子定数(a、単位:オングストローム)が以下の式であることを特徴とするリチウムマンガン酸化物。a≦8.2476−0.25×x

請求項2

請求項1に記載のスピネル構造リチウムマンガン酸化物において、xの値が0.09≦x≦0.12であることを特徴とするリチウムマンガン酸化物。

請求項3

請求項1〜2に記載のスピネル構造リチウムマンガン酸化物において、不純物として含有されるNaの含有量が0.001wt%以上0.1wt%以下であることを特徴とするスピネル構造リチウムマンガン酸化物。

請求項4

請求項3に記載のスピネル構造リチウムマンガン酸化物において、不純物として含有されるNaの含有量が0.001wt%以上0.05wt%以下であることを特徴とするスピネル構造リチウムマンガン酸化物。

請求項5

請求項3に記載のスピネル構造リチウムマンガン酸化物において、不純物として含有されるNaの含有量が0.001wt%以上0.02wt%以下であることを特徴とするスピネル構造リチウムマンガン酸化物。

請求項6

請求項1〜3に記載のスピネル構造リチウムマンガン酸化物において、BET比表面積が0.1m2/g以上2.0m2/g以下であることを特徴とするスピネル構造リチウムマンガン酸化物。

請求項7

請求項6に記載のスピネル構造リチウムマンガン酸化物において、BET比表面積が0.3m2/g以上1.0m2/g以下であることを特徴とするスピネル構造リチウムマンガン酸化物。

請求項8

請求項1〜3に記載のスピネル構造リチウムマンガン酸化物において、SEM観察による平均一次粒子径が0.5μm以上2.0μm以下であることを特徴とするスピネル構造リチウムマンガン酸化物。

請求項9

請求項8に記載のスピネル構造リチウムマンガン酸化物において、SEM観察による平均一次粒子径が0.8μm以上1.2μm以下であることを特徴とするスピネル構造リチウムマンガン酸化物。

請求項10

リチウム原料マンガン原料を混合し焼成してなるスピネル構造リチウムマンガン酸化物の製造方法において、マンガン酸化物リチウム化合物とを混合した後、少なくとも一度900℃未満の温度で仮加熱処理を行い、再混合を行った後、少なくとも一度750℃〜950℃で保持する本加熱処理を行うことを特徴とする請求項1〜9のいずれかの請求項に記載のスピネル構造リチウムマンガン酸化物を製造する方法。

請求項11

750℃〜950℃で保持する本加熱処理後に、酸素含有雰囲気中600℃〜900℃で保持する後加熱処理を行うことを特徴とする請求項10記載のスピネル構造リチウムマンガン系酸化物の製造方法。

請求項12

750℃〜950℃で保持する本加熱処理後に、連続的に酸素含有雰囲気中600℃〜900℃で保持する後加熱処理を行うことを特徴とする請求項10記載のスピネル構造リチウムマンガン系酸化物の製造方法。

請求項13

750℃〜950℃で保持する本加熱処理後に、酸素含有雰囲気中600℃〜900℃で保持する後加熱処理を複数回行うことを特徴とする請求項10記載のスピネル構造リチウムマンガン系酸化物の製造方法。

請求項14

加熱処理を全て酸素含有雰囲気中で行うことを特徴とする請求項10記載のスピネル構造リチウムマンガン系酸化物の製造方法。

請求項15

Na含有量が0.1wt%以下である電解二酸化マンガン大気中600〜1100℃で加熱処理して得られる実質的にMn2O3単一結晶相、または、Mn3O4単相結晶であるマンガン酸化物を使用することを特徴とする請求項10に記載のスピネル構造リチウムマンガン酸化物の製造方法。

請求項16

電解二酸化マンガンを大気中600〜1100℃で加熱処理して得られる実質的にMn2O3単一結晶相、または、Mn3O4単一結晶相であるマンガン酸化物を洗浄し、Na含有量が0.1wt%以下として使用することを特徴とする請求項10に記載のスピネル構造リチウムマンガン酸化物の製造方法。

請求項17

請求項10に記載のスピネル構造リチウムマンガン酸化物の製造方法において、リチウム原料とマンガン原料の平均粒子径の比が1/5以上1/30以下、より望ましくは1/10以上1/20以下であることを特徴とするスピネル構造リチウムマンガン酸化物の製造方法。

請求項18

平均粒子径が5μm以下の炭酸リチウムをリチウム原料として使用することを特徴とする請求項17に記載のスピネル構造リチウムマンガン酸化物の製造方法。

請求項19

平均粒子径が2μm以下の炭酸リチウムをリチウム原料として使用することを特徴とする請求項18に記載のスピネル構造リチウムマンガン酸化物の製造方法。

請求項20

平均粒子径が30μm以下のマンガン原料を使用することを特徴とする請求項17に記載のスピネル構造リチウムマンガン酸化物の製造方法。

請求項21

請求項17に記載のスピネル構造リチウムマンガン酸化物の製造方法において、リチウム原料とマンガン原料を30℃以下の温度で攪拌混合することを特徴とするスピネル構造リチウムマンガン酸化物の製造方法。

請求項22

請求項21に記載のスピネル構造リチウムマンガン酸化物の製造方法において、リチウム原料とマンガン原料を30℃以下の温度で攪拌混合し、造粒体を作製することを特徴とするスピネル構造リチウムマンガン酸化物造粒体の製造方法。

請求項23

請求項1〜9に記載のスピネル構造リチウムマンガン酸化物を正極として使用することを特徴とするLi二次電池

請求項24

電気化学的にリチウムイオンがドープ・脱ドープする炭素系材料を負極とすることを特徴とする請求項23に記載のLi二次電池。

技術分野

0001

本願発明は、スピネル構造リチウムマンガン系酸化物及びその製造方法並びにそれを用いたリチウム二次電池に関するものである。

0002

マンガン酸化物は、電池活物質として、古くから使用されている材料であり、マンガンリチウム複合物質であるリチウムマンガン複合酸化物は、リチウム二次電池の正極活物質として、近年注目されている材料である。

背景技術

0003

リチウム二次電池は、高エネルギー密度、高出力であることより、近年の電子機器の小型・軽量化に伴う新しい高性能電池として注目を浴びている。

0004

リチウム二次電池用正極材料は、電圧作動領域が高いこと、高放電容量であること及びサイクル定性が高いことが求められ、Liと各種金属、例えば、Co、Ni、Mn、V等の複合酸化物が検討されている。LiとMnの複合酸化物の一種であるスピネル構造のLiMn2O4は、正極活物質として有望であると考えられているが、長期間にわたり可逆的にサイクルをさせることが困難であり、その電池の電気化学容量が減少していくという問題がある。特に50℃〜60℃の高温条件下で作動させた場合、電気化学容量の減少が頭著なものとなることがわかった。

0005

また、LiとMnの複合酸化物であるために、スピネル構造リチウムマンガン系酸化物を製造する場合に、組成のばらつき発生し、スピネル構造リチウムマンガン系酸化物をリチウム二次電池の正極に使用する場合の電池性能に与える影響が問題となる。

0006

液相合成等、均一性を上げるための製造方法が種々提案されているが、原料が高価である、反応が激しい、装置が高価であるなど実用化が難しい。

発明が解決しようとする課題

0007

本願発明の目的は、Li二次電池用の正極材料として、長期間のサイクル安定性に優れる高性能なスピネル構造リチウムマンガン系酸化物およびその製造方法として、安価な原料を使用した固相反応で均一性の高いスピネル構造リチウムマンガンの製造方法、並びにそれを用いた高性能なリチウム二次電池を提供するものである。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは鋭意検討した結果、一般式{Li}[LixMn2-x]O4(ここで、{}は8aサイト、[]は16dサイトを示し、0.08<x≦0.15)で表され、Na含有量が0.1wt%以下、SEM観察による平均一次粒子径が0.5〜2.0μmであることを特徴とするスピネル構造リチウムマンガン系酸化物が上記目的を達成できることを見出した。

0009

さらに、本願発明のスピネル構造リチウムマンガン系酸化物の製造方法として、リチウム原料マンガン原料を混合後、焼成するスピネル構造リチウムマンガン系酸化物の製造方法において、リチウム原料とマンガン原料の平均粒子径の比が1/5〜1/30である原料を使用することを特徴とするスピネル構造リチウムマンガン系酸化物の製造方法が上記目的を達成できることを見出した。

0010

別の製造方法として、リチウム原料とマンガン原料を混合後、焼成するスピネル構造リチウムマンガン系酸化物の製造方法において、リチウム原料とマンガン原料の混合を冷却しながら行うスピネル構造リチウムマンガン系酸化物の製造方法が上記目的を達成できることを見出した。

0011

更に、別の製造方法にとして、リチウム原料とマンガン原料を混合後、焼成するスピネル構造リチウムマンガン系酸化物の製造方法において、900℃未満の温度で保持する仮加熱処理、750℃〜950℃で保持する本加熱処理さらに600℃〜900℃で保持する後加熱処理を行えば、上記目的を達成できることを見出した。

0012

また、本願発明のスピネル構造リチウムマンガン系酸化物を正極活物質として用いた高性能なリチウム二次電池を見出し、本願発明を完成した。

0013

以下、本願発明を具体的に説明する。

0014

本願発明のスピネル構造リチウムマンガン系酸化物は、一般式{Li}[LixMn2-x]O4(ここで、{}は8aサイト、[]は16dサイトを示し、0.08<x≦0.15)で表され、Liが8aサイトおよび16dサイトにMnが16dサイトに存在する。

0015

ここで、式中のxの値は0.08<x≦0.15である。

0016

該x値が0.08以下では、生成スピネル構造リチウムマンガン系酸化物のサイクル安定性が悪く、0.15より大きいと、利用できる電気容量が少なく、いずれも有利ではない。

0017

該x値は0.09≦x≦0.12であることが好ましい。

0018

本願発明のスピネル構造リチウムマンガン系酸化物は、X線回折パターンはJCPDS35−782に近いパターンを示す立方晶スピネルであり、その格子定数(a)が以下の式に従うことを特徴とする。

0019

a≦8.2476−0.25×x
該格子定数が上記値より大きいとサイクル安定性が悪くなり、好ましくない。

0020

本願発明のスピネル構造リチウムマンガン系酸化物は、Na含有量が0.001wt%以上0.1wt%以下である。

0021

該Na含有量が0.1wt%より多いと、正極活物質として使用した場合に、負極等の汚染などの原因となり、好ましくない。

0022

該Na含有量は0.05wt%以下であることが好ましい。

0023

本願発明のスピネル構造リチウムマンガン系酸化物は、SEM観察による平均一次粒子径が0.5〜2.0μmである。

0024

本願発明において、SEM観察による平均一次粒子径は、粉末のSEM観察像写真画像解析を行い、円相当径を求めたものの平均値である。

0025

該平均一次粒子径が0.5μmより小さいと電解液中での安定性が悪くなりやすく、2.0μmより大きいと電気容量が少なくなりやすく、いずれも電池活物質として高性能とならない。

0026

該平均一次粒子径は0.8〜1.2μmであるのが好ましい。

0027

本願発明のスピネル構造リチウムマンガン系酸化物はBET比表面積が0.1〜2.0m2/gであることが好ましい。

0028

該BET比表面積が0.1m2/gより小さいと使用できる電気容量が低下し好ましくない。また、2.0m2/gより大きいと、活物質導電材料等をスラリー化し、電極シートを作製する時に溶媒が多量に必要となり、作製スラリー粘度上昇を招きやすく、電池正極の作製時のトラブルの原因となる為に好ましくない。

0029

該BET比表面積は0.3〜1.0m2/gであることがより好ましい。

0030

本願発明のスピネル構造リチウムマンガン系酸化物の製造方法としては、マンガン原料としては、平均粒子径が30μm以下のマンガン原料を使用することが好ましい。

0031

尚、平均粒子径は、マイクロトラック法で測った体積換算50%径(d50)である。

0032

マンガン原料の内、電解二酸化マンガンは、その一次粒子の均一性が高いために好ましく、30μm以下のものは、反応性がよく好ましい。

0033

さらに、マンガン原料として、平均粒子径が30μm以下の電解二酸化マンガンを加熱処理して得た実質的に単一結晶相であるマンガン酸化物を使用するのは、結晶相も均一となり、リチウム原料との反応が均一となるため好ましい。Na含有量が0.1wt%以下である電解二酸化マンガンをMn原料として使用することが好ましい。

0034

電解二酸化マンガンは他のマンガン酸化物および化合物に比べて、生成するスピネル構造リチウムマンガン系酸化物が緻密となり、平均一次粒子径も大きくなり、好ましいが、生成するスピネル構造リチウムマンガン系酸化物の電池性能が低くなりやすかった。

0035

本発明者らは、鋭意検討した結果、Na含有量を0.1wt%以下である電解二酸化マンガンをMn原料として使用することにより、平均一次粒子径も大きく、電池性能の低下の少ないスピネル構造リチウムマンガン系酸化物を得ることが可能になった。

0036

該Na含有量は0.05wt%以下であることが好ましく、0.02wt%以下であるのが特に好ましい。

0037

一般に電解二酸化マンガンは硫酸酸性浴中電解を行うため、電解後苛性ソーダ水溶液中和処理をすることが多く、これがNa含有量を増大させる原因である。

0038

該Na含有量が0.1wt%以下である電解二酸化マンガンは、電解後に中和処理を行わず、水または温水洗浄し、さらには、水酸化リチム水溶液アンモニア水溶液アミン水溶液等で中和処理をすることにより得られる。

0039

特に、電解浴中からの付着した硫酸分、含有した硫酸分を除去するためには、生成した電解二酸化マンガンを洗浄、中和等を組み合わせて実施するのが好ましい。

0040

さらに、本発明者らは、電解二酸化マンガンを加熱処理して得た実質的に単一結晶相であるマンガン酸化物をMn原料として使用することにより、Li原料との反応が均一に進むことを見出した。

0041

すなわち、該Na含有量が0.1wt%以下である電解二酸化マンガン加熱処理して得た実質的に単一結晶相であるマンガン酸化物をMn原料として使用することが好ましい。

0042

該Na含有量を0.1wt%以下である電解二酸化マンガンを使用する代わりに電解二酸化マンガンを加熱処理して得たマンガン酸化物を洗浄し、Na含有量が0.1wt%以下とした実質的に単一結晶相であるマンガン酸化物をMn原料として使用することが好ましい。

0043

電解二酸化マンガンの加熱処理は大気中、600〜1100℃で行うのが好ましい。

0044

前記、電解二酸化マンガンを加熱処理して得られるマンガン酸化物は実質的にMn2O3単相、または、Mn3O4単相であるものを使用するのが好ましい。特にMn2O3は、Mnの価数がLiMn2O4中のMnの価数に近く好ましい。

0045

前記マンガン化合物のBET比表面積は20m2/g以下であるのが反応性および取り扱い性より好ましい。

0046

Li化合物としては炭酸塩硝酸塩塩化物塩水酸化物酸化物等が例示され、特にBET比表面積が1m2/g以上である炭酸リチウムは、反応性が良好であり、吸湿性が低く好ましい。

0047

炭酸リチウムを使用する場合、平均粒子径が5μm以下であることが好ましい。特に2μm以下が好ましい。

0048

この粒子径が5μmを超える場合には、炭酸リチウムの反応性が悪く好ましくない。

0049

原料の混合は均一にすることができれば、通常の方法のいかなる方法も採用でき、ローターキルン等のように混合しながら加熱処理することも好適である。本願発明では、前述のようにして準備したマンガン酸化物とリチウム化合物とを混合した後、少なくとも一度、900℃未満の温度で保持する仮加熱処理を行い、再混合を行った後、750℃〜950℃で保持する本加熱処理を行うことが均一性を向上できるために好ましい。

0050

さらに、生成物酸素欠損構造欠陥を低減させるために、750℃〜950℃で保持する本加熱処理後に、酸素含有雰囲気中、600℃〜900℃で保持する後加熱処理を行うことが好ましい。

0051

前記、後加熱処理は750℃〜950℃で保持する本加熱処理後に、連続的に酸素含有雰囲気中、600℃〜900℃で保持する後加熱処理を行うことが、さらに好ましく、複数回行うことが特に好ましい。

0052

加熱処理は全て酸素含有雰囲気中で行うことが好ましい。

0053

加熱処理条件が前記範囲外であると、生成物の平均一次粒子径が所望の範囲外となる、酸素欠損、構造欠陥が生成するなど好ましくない。

0054

製造したスピネル構造リチウムマンガン系酸化物は適時、粉砕分級を行うことが好ましい。前述の製造方法により本発明のスピネル構造リチウムマンガン系酸化物を作製できる。

0055

本発明者らは鋭意検討した結果、リチウム原料とマンガン原料を混合後、焼成するスピネル構造リチウムマンガン系酸化物の製造方法において、リチウム原料とマンガン原料の平均粒子径の比が1/5〜1/30である原料を使用することを特徴とするスピネル構造リチウムマンガン系酸化物の製造方法でも上記目的を達成できることを見出した。

0056

本願発明の製造方法において、5μmより大きい場合には、炭酸リチウムの反応性が悪く好ましくない。

0057

リチウム原料は、平均粒子径が2μm以下の炭酸リチウムであることが好ましい。

0058

本願発明のマンガン原料は、平均粒子径が30μm以下のマンガン原料を使用することが好ましい。

0059

マンガン原料の内、電解二酸化マンガンは、その一次粒子の均一性が高いために好ましく、30μm以下のものは、反応性がよく好ましい。

0060

さらに、マンガン原料として、平均粒子径が30μm以下の電解二酸化マンガンを加熱処理して得た実質的に単一結晶相であるマンガン酸化物を使用するのは、結晶相も均一となり、リチウム原料との反応が均一となるため好ましい。

0061

更に、本願発明のスピネル構造リチウムマンガン系酸化物の製造方法において、リチウム原料とマンガン原料の混合を冷却するか、又は、混合後、造粒体を冷却しながら行うことが好ましい。

0062

本願発明のように冷却を行わずに混合を行うと、混合時に発生する熱で原料が変性しやすく、リチウム原料とマンガン原料を均一に混合することが難しい。

0063

冷却は、通常のいかなる方法も使用でき、混合時の温度は30℃以下の温度ですることが好ましい。

0064

本願発明では、混合を攪拌混合器で行うことが均一性を向上させれために好ましいが、原料を均一に混合することができれば、通常の方法のいかなる方法も採用でき、ローターキルン等のように混合しながら加熱処理することも好適である。

0065

本願発明のスピネル構造リチウムマンガン系酸化物造粒体の製造方法は、リチウム原料とマンガン原料を混合後、冷却しながら造粒体を作製することが好ましい。

0066

特に、一般に混合後、混合粉末成形または造粒を行うと、粉末である場合と異なり、取り扱いが安易になるという特徴がある。

0067

本願発明のように冷却しながら造粒体を作製することにより、均一な混合粉末を造粒することができ、さらに加熱処理を行った場合には、均一に反応が進行し好ましい。

0068

さらに、本願発明のスピネル構造リチウムマンガン系酸化物を正極活物質として用いたLi二次電池を作製した。

0069

本願発明のLi二次電池で用いる負極活物質には、金属リチウム並びにリチウムまたはリチウムイオン吸蔵放出可能な物質を用いることができる。例えば、金属リチウム、リチウム/アルミニウム合金、リチウム/スズ合金、リチウム/鉛合金および電気化学的にリチウムイオンを挿入・脱離することができる炭素材料が例示され、電気化学的にリチウムイオンを挿入・脱離することができる炭素材料が安全性および電池の特性の面から特に好適である。

0070

また、本願発明のLi二次電池で用いる電解質としては、特に制限はないが、例えば、カーボネート類スルホラン類ラクトン類エーテル顆等の有機溶媒中にリチウム塩を溶解したものや、リチウムイオン導電性固体電解質を用いることができる。

0071

また、本願発明のLi二次電池で用いるセパレーターとしては、特に制限はないが、例えば、ポリエチレンまたポリプロピレン製微細多孔膜等を用いることができる本願発明のスピネル構造リチウムマンガン系酸化物を正極括物質として用いて、図1に示す電池を構成した。

0072

図中において、:蓋、:テフロン登録商標)製絶縁体、:負極集電用メッシュ、:負極、:セパレーター、:正極、:正極集電用メッシュ、:容器を示す。

0073

本願発明では、以上述べてきた正極活物質、負極活物質およぴリチウム塩含有非水電解液を用いて、安定な高性能なLi二次電池を得ることができた。

0074

本願発明の実施例および比較例における各測定は、以下の条件で実施した。

0075

XRDパターンは以下の条件で測定した。

0076

測定機種:マックサイエンス社MXP−3
照射X線CuKα線
測定モード:ステップスキャン
スキャン条件毎秒0.04度
計測時間:3秒
測定範囲:2θとして5度から80度
組成分析はICP分光法で行った。

0077

『スピネル構造リチウムマンガン系酸化物の製造』実施例および比較例として、以下の方法で製造した。

0078

実施例1
平均粒径15μm、Na含有量が0.01wt%の電解二酸化マンガンを大気中800℃で12時間の加熱処理を行い、JCPDSカード:41−1442と同等のパターンを示すMn2O3を合成した。このMn2O3と平均粒径2μm、BET比表面積3m2/gの炭酸リチウムをLi/Mn比が0.58になるように量し混合した。混合は、攪拌混合造粒機パウレック社製FM−VG−50)を使用してジャケット通水して25℃に冷却しながら行った。

0079

この様にして得た混合粉を、大気中600℃で6時間の仮加熱処理を行い、室温まで冷却した後に再度混合し、大気中800℃で24時間の本加熱処理、更に、大気中700℃で24時間の後加熱処理を行った。

0080

生成物は、粉末X繰回折によりJCPDS35−782(LiMn204;格子定数8.24762オングストローム)と同等の回折パターンを示し格子定数が若干異なる立方晶スピネル(格子定数8.220オングストローム)と同定された。ICP分光分析法により、化学組成は{Li}[Li0.1Mn1.9]O4且つ、Na含有量は0.01wt%であった。

0081

また、SEM観察の結果、本生成物は0.7μm程度の結晶粒子(一次粒子)が均一に揃った集合体を形成しており、BET比表面積は0.7m2/gであった。

0082

この様にして得られたリチウムマンガン系酸化物を正極とする以下に示す電池を作成し、正極特性試験を行った。正極試料導電性ポリテトラフルオロエチレンアセチレンブラックの混合物商品名:TAB−2)を重量比で2:1の割合で混合し、SUS316製メッシュ上に1ton/cm2の圧力でぺレット状に成形した後、200℃で24時間減圧乾燥した。これを電池の正極に用い、負極には金属リチウム箔(厚さ0.2mm)を、電解液にはプロピレンカーボネートジエチルカーボネート混合溶媒に六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1モル/dm3の濃度で溶解した溶液をセパレーターに含浸させて電池を横成した。

0083

この様にして作製した電池を用いて、試験温度は50℃、電池電圧が4.5Vから3.5Vの間で一定電流1.0mA/cm2の充放電を繰り返した。その結果、容量維持率(10サイクル目に対する50サイクル日の放電容量の%)は95%を示した。

0084

実施例2
合成時の加熱処理条件として、大気中600℃で6時間の仮加熱処理を行い、室温冷却後再度混合を実施し、大気中900℃で24時間の本加熱処理し、更に、大気中800℃で24時間の後加熱処理を行った以外は、実施例1と同一として、合成と電池評価を行った。

0085

生成物は、粉末X繰回折により立方晶スピネル(格子定数8.222オングストローム)と同定され、ICP分光分析法により、化学組成は{Li}[Li0.1Mn1.9]O4且つ、Na含有量は0.01wt%であった。また、SEM観察の結果、本生成物は0.8μm程度の結晶粒子(一次粒子)が均一に揃った集合体を形成しており、BET比表面積は0.4m2/gであった。

0086

また、電池試験の結果、容量維持率(10サイクル目に対する50サイクル日の放電容量の%)は92%を示した。

0087

実施例3
合成時の混合条件として、2wt%のポリビニルアルコール水溶液を添加して15分間攪拌して造粒を行った以外は、実施例1と同一として、合成と電池評価を行った。造粒終了時にはほとんどが1〜5mmφの造粒体となっており、該造粒体のランダムサンプリングによる組成ずれは1%以内であった。

0088

この様にして得られた生成物は、実施例1と同等な物性と電池特性を示した。

0089

比較例1
Mn原料に使用した電解二酸化マンガンのNa含有量が0.2wt%であること以外は、実施例1と同一の条件で合成を行った。

0090

その結果、結晶相、組成は同様であったが、格子定数が8.218オングストロームと若干小さく、平均一次粒子径1.0μm、BET比表面積0.9m2/gと粉体物性が異なるものであった。電池試験の結果、容量維持率は85%と実施例1と比較して著しく劣るものであった。

0091

比較例2
Mn原料に使用した電解二酸化マンガンのNa含有量が0.2wt%であること以外は、実施例2と同一の条件で合成を行った。

0092

その結果、結晶相、組成は同様であったが、格子定数が8.220オングストロームと若干小さく、平均一次粒子径1.2μm、BET比表面積1.2m2/gと粉体物性が異なるものであった。電池試験の結果、容量維持率は80%と実施例2と比較して著しく劣るものであった。

0093

比較例3
合成過程で、本加熱処理後、後加熱処理を行わなかった以外は、実施例1及び2と同一の条件で合成を行った。

0094

その結果、結晶相は同様であったが、格子定数はそれぞれ実施例1及び2よりも大きなものであった。また、化学分析の結果、Mn平均酸化数理論計算値よりも小さく、酸素欠陥があるものと考えられた。これらの生成物の電池性能は、実施例1及び2と比較して著しく劣るものであった。

0095

比較例4
Li原料に、平均粒径10μmの炭酸リチウムを用いた以外は、実施例1と同一の条件で合成を行った。

0096

その結果、平均粒径2μmの炭酸リチウムを用いた実施例1では大気中600℃6時間の仮加熱処理で立方晶スピネルの単相となっていたのに対して、平均粒径10μmの炭酸リチウムを用いた場合には700℃の加熱処理でも単一相が得られなかった。また、800℃の本加熱処理により、立方晶スピネル単相とはなったが、SEM観察により結晶一次粒子の大きさが揃っておらず、反応が不均一に起きた為と考えられた。このような生成物の電池性能は、実施例1と比較して著しく劣るものであった。

0097

比較例5
Li原料とMn原料の混合時に、ジャケットに通水せず冷却を行わなかった以外は、実施例1及び3と同一の条件で合成を行った。

0098

その結果、混合終了時の温度は45℃まで上昇しており、混合器内壁には炭酸リチウムの白い粉が付着していることが確認できた。ランダムサンプリングによる組成分析を行った結果、仕込み組成からのずれは3%にも達した。また、2wt%のポリビニルアルコール水溶液を添加して攪拌造粒を行った場合には、混合器内壁に強固な付着物となり均一な造粒体が得られなかった。

発明の効果

0099

本願発明では、以上述べてきた正極活物質、負極活物質およぴリチウム塩含有非水電解液を用いて、安定な高性能なLi二次電池を得ることができた。

図面の簡単な説明

0100

図1本願発明のスピネル構造リチウムマンガン系酸化物を正極括物質として用いた電池の構成図を示す。

--

0101

:蓋
:テフロン製絶縁体
:負極集電用メッシュ
:負極
:セパレーター
:正極
:正極集電用メッシュ
:容器

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