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技術 磁気共鳴イメージング装置

出願人 株式会社日立ヘルスケア・マニュファクチャリング
発明者 常木隆史
出願日 1999年12月9日 (20年3ヶ月経過) 出願番号 1999-350456
公開日 2001年6月19日 (18年8ヶ月経過) 公開番号 2001-161658
状態 特許登録済
技術分野 マイクロ波、NMR等による材料の調査 磁気共鳴イメージング装置
主要キーワード パルス図 補正済みデータ トレース図 計測パラメータ 信号補正処理 取得信号 常電導磁石 度パルス
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

1回の励起で複数の信号を得るETLの多いシーケンス磁気共鳴イメージング装置において、位相方向信号不連続性から発生するアーチファクトSN比を低下させないで抑制する。

解決手段

k空間上の位相エンコード開始から信号が最大となる位相エンコード0までのデータについて補正を行い、急激に減衰する部分の位相方向のフーリエ変換前の値を平滑化し、信号が最大となる位相エンコード0以降のデータについては補正を行わずノイズを増加しないので、アーチファクトを抑制しつつSN比を低下させない。

概要

背景

MRIでは、被検体静磁場中で高周波(以下「RF」という)パルス傾斜磁場印加して特定の部位の断面を選択して励起し、その断面の1軸方向の位置情報RFパルス位相に、また他の軸方向の位置情報をRFパルスの周波数エンコードし、得られたエコー信号フーリエ変換によりデコードして、その部位の断面を表す断層像を得るイメージングを行っている。このMRIでは、Fast Spin Echo(以下「FSE」という)法、Fast Inversion Recovery(以下「FIR」という)法、Echo Planer Imaging(以下「EPI」という)法等、1回の励起で複数のエコー信号を得る方法が知られている。これらの方法には、励起され取得される信号は時間が進むにつれ指数関数に従い減衰するので、1回の励起で取得される信号の数(Echo Train Length、以下「ETL」という)が多くなると、取得される信号の値は最初の信号の値より極端に小さいものとなり、ETLが多いときは位相方向に信号の不連続性が発生しそれに起因するアーチファクトが起こる等の共通の特徴がある。さらに、上記のFSE法FIR法、およびEPI法にハーフスキャンを併用した場合には、推定部分と取得信号部分の間に値の不連続が生じ、それによるアーチファクトが特に発生しやすい。

このアーチファクトはMRIにおいて一般的に発生するが、その防止のためあらかじめ被検体に対して行った事前計測により位相エンコードをかけないデータを得て、k空間上の各々のデータにその振幅逆数乗算する振幅補正が行われている。

概要

1回の励起で複数の信号を得るETLの多いシーケンス磁気共鳴イメージング装置において、位相方向信号の不連続性から発生するアーチファクトをSN比を低下させないで抑制する。

k空間上の位相エンコード開始から信号が最大となる位相エンコード0までのデータについて補正を行い、急激に減衰する部分の位相方向のフーリエ変換前の値を平滑化し、信号が最大となる位相エンコード0以降のデータについては補正を行わずノイズを増加しないので、アーチファクトを抑制しつつSN比を低下させない。

目的

しかしながら、上記の振幅補正では信号強度は指数関数により減衰するので、ETLが多い場合に最初に取得した信号の強度と、それ以降の信号の強度の比が時間を追って著しく小さくなるために、信号の著しい低下と相反して補正量が極端に増大するのでノイズを同時に増大させることになり、相対的にSN比が極端に悪化していた。本発明の目的は、ETLの多いシーケンスにおいてSN比を低下させないでk空間上の信号の位相方向における不連続性に由来するアーチファクトを低減した、描出能の高い磁気共鳴イメージング装置を提供することにある。本発明の他の目的は、被検体固有の特性を加味した補正を行いつつ、ETLの多いシーケンスにおいてSN比を低下させないでk空間上の信号の位相方向における不連続性に由来するアーチファクトを低減した、描出能の高い磁気共鳴イメージング装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

静磁場発生手段と、スライスエンコード位相エンコード周波数エンコードの各方向の傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生手段と、被検体組織を構成する原子核励起して磁気共鳴を生じさせる高周波パルスを発生する送信系と、磁気共鳴による被検体からのNMR信号を検出する受信系と、前記受信系で検出したNMR信号を用いて画像を再構成する信号処理系と、前記傾斜磁場及び高周波磁場を所定のシーケンスにて印加するシーケンサとを有する磁気共鳴イメージング装置において、前記シーケンサは1回の励起で位相エンコード傾斜磁場を順次変化させ複数のNMR信号を得るシーケンスを実行すると共に前記信号処理系は前記位相エンコード傾斜磁場の印加開始後からNMR信号が最大となる測定値までの間の測定値に対して補正処理を行うことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。

請求項2

静磁場発生手段と、スライスエンコード、位相エンコード、周波数エンコードの各方向の傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生手段と、被検体の組織を構成する原子核を励起して磁気共鳴を生じさせる高周波パルスを発生する送信系と、磁気共鳴による被検体からのNMR信号を検出する受信系と、前記受信系で検出したNMR信号を用いて画像を再構成する信号処理系と、前記傾斜磁場及び高周波磁場を所定のシーケンスにて印加するシーケンサを有する磁気共鳴イメージング装置において、前記シーケンサは1回の励起で位相エンコード傾斜磁場を順次変化させ複数のNMR信号を得るシーケンスを実行すると共に前記信号処理系はk空間上の信号の値が所定の軸について対称となるような補正をNMR信号に対して行う信号補正処理を行うことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。

請求項3

前記信号処理系は、位相エンコード傾斜磁場を印加しないで得たNMR信号に基づいて補正データを作成し、補正処理する請求項1または2に記載の磁気共鳴イメージング装置。

技術分野

0001

本発明は、核磁気共鳴現象を用いて被検体断層像を得る磁気共鳴イメージング(以下「MRI」という)の装置に係り、特に1回の励起で複数の信号を得て被検体の断層像を得る、MRIの装置に関する。

背景技術

0002

MRIでは、被検体に静磁場中で高周波(以下「RF」という)パルス傾斜磁場印加して特定の部位の断面を選択して励起し、その断面の1軸方向の位置情報RFパルス位相に、また他の軸方向の位置情報をRFパルスの周波数エンコードし、得られたエコー信号フーリエ変換によりデコードして、その部位の断面を表す断層像を得るイメージングを行っている。このMRIでは、Fast Spin Echo(以下「FSE」という)法、Fast Inversion Recovery(以下「FIR」という)法、Echo Planer Imaging(以下「EPI」という)法等、1回の励起で複数のエコー信号を得る方法が知られている。これらの方法には、励起され取得される信号は時間が進むにつれ指数関数に従い減衰するので、1回の励起で取得される信号の数(Echo Train Length、以下「ETL」という)が多くなると、取得される信号の値は最初の信号の値より極端に小さいものとなり、ETLが多いときは位相方向に信号の不連続性が発生しそれに起因するアーチファクトが起こる等の共通の特徴がある。さらに、上記のFSE法FIR法、およびEPI法にハーフスキャンを併用した場合には、推定部分と取得信号部分の間に値の不連続が生じ、それによるアーチファクトが特に発生しやすい。

0003

このアーチファクトはMRIにおいて一般的に発生するが、その防止のためあらかじめ被検体に対して行った事前計測により位相エンコードをかけないデータを得て、k空間上の各々のデータにその振幅逆数乗算する振幅補正が行われている。

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、上記の振幅補正では信号強度は指数関数により減衰するので、ETLが多い場合に最初に取得した信号の強度と、それ以降の信号の強度の比が時間を追って著しく小さくなるために、信号の著しい低下と相反して補正量が極端に増大するのでノイズを同時に増大させることになり、相対的にSN比が極端に悪化していた。本発明の目的は、ETLの多いシーケンスにおいてSN比を低下させないでk空間上の信号の位相方向における不連続性に由来するアーチファクトを低減した、描出能の高い磁気共鳴イメージング装置を提供することにある。本発明の他の目的は、被検体固有の特性を加味した補正を行いつつ、ETLの多いシーケンスにおいてSN比を低下させないでk空間上の信号の位相方向における不連続性に由来するアーチファクトを低減した、描出能の高い磁気共鳴イメージング装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0005

上記の目的を達成するために、本発明の磁気共鳴イメージング装置は、静磁場発生手段と、スライスエンコード、位相エンコード、周波数エンコードの各方向の傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生手段と、被検体の組織を構成する原子核を励起して磁気共鳴を生じさせる高周波パルスを発生する送信系と、磁気共鳴による被検体からのNMR信号を検出する受信系と、前記受信系で検出したNMR信号を用いて画像を再構成する信号処理系と、前記傾斜磁場及び高周波磁場を所定のシーケンスにて印加するシーケンサを有する磁気共鳴イメージング装置において、前記シーケンサは1回の励起で位相エンコード傾斜磁場を順次変化させ複数のNMR信号を得るシーケンスを実行すると共に前記信号処理系は前記位相エンコード傾斜磁場の印加開始後からNMR信号が最大となる測定値までの間の測定値に対して補正処理を行うことを特徴とする。かかる構成により本発明によると、ETLの多いシーケンスにおいてアーチファクトにつながる信号の不連続性が元の信号強度の大きさにより強調された位相エンコード開始後からNMR信号が最大となる位相エンコード0までのデータについてのみ補正が行われ、急激に減衰する部分の位相方向のフーリエ変換前の値が平滑化されアーチファクトの発生が有効に防止されるのに対し、信号が最大となる値以降のデータについては補正が行われないので比較的になだらかに減衰する部分のデータについてはSN比を悪化させるノイズの増大が発生せず、SN比を低下させないでk空間上の信号の位相方向における不連続性に由来するアーチファクトを低減した、描出能の高い磁気共鳴イメージング装置が提供される。

0006

また本発明に記載の磁気共鳴イメージング装置は、静磁場発生手段と、スライスエンコード、位相エンコード、周波数エンコードの各方向の傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生手段と、被検体の組織を構成する原子核を励起して磁気共鳴を生じさせる高周波パルスを発生する送信系と、磁気共鳴による被検体からのNMR信号を検出する受信系と、前記受信系で検出したNMR信号を用いて画像を再構成する信号処理系と、前記傾斜磁場及び高周波磁場を所定のシーケンスにて印加するシーケンサを有する磁気共鳴イメージング装置において、前記シーケンサは1回の励起で位相エンコード傾斜磁場を順次変化させ複数のNMR信号を得るシーケンスを実行すると共に前記信号処理系はk空間上の信号の値が所定の軸について対称となるような補正をNMR信号に対して行う信号補正処理を行うことを特徴とする。かかる構成により本発明によると、補正手段は指数関数に従い急激に減衰する部分のNMR信号がk空間上の所定の軸について対称となるような補正を測定値に施し、アーチファクトにつながる信号の不連続性が元の信号の大きさにより強調された急激に減衰する部分のデータがなだらかに増加するように補正され位相方向のフーリエ変換前の値が平滑化されてアーチファクトの発生が有効に防止され、元の信号のなだらかに減衰する部分はSN比を悪化させるノイズの増大が行われないので、ETLの多いシーケンスにおいてSN比を低下させないでk空間上の信号の位相方向における不連続性に由来するアーチファクトを低減した、描出能の高い磁気共鳴イメージング装置が提供される。

0007

また本発明の磁気共鳴イメージング装置は、前記信号処理系は位相エンコード傾斜磁場を印加しないで得たNMR信号に基づいて補正データを作成し、補正処理する。かかる構成により、被検体から直接に補正のためのデータを得ているので、被検体固有の特性を加味した補正を行いつつ、ETLの多いシーケンスにおいてSN比を低下させないでk空間上の信号の位相方向における不連続性に由来するアーチファクトを低減した、描出能の高い磁気共鳴イメージング装置が提供される。

0008

また本発明の補正には理論的計算に基づく補正関数を用いることができる。このようにすることにより、補正データは予めMRI装置に形成されており補正データの取得のために被検体に対して事前の計測を行う必要がなく、計測の初回から即ちに良好な被検体の断層像データを得ることができ、データ取得に時間を要せず被検体をMRI装置に束縛する時間が短縮されるので、被検体への負担を増加させることなくETLの多いシーケンスにおいてSN比を低下させないでk空間上の信号の位相方向における不連続性に由来するアーチファクトを低減した、描出能の高い磁気共鳴イメージング装置が提供される。

発明を実施するための最良の形態

0009

以下本発明に記載の磁気共鳴イメージング装置の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明を適用したMRI装置の概略の全体構成を示すブロック図、図2は、本発明のMRI装置の動作のフロー図、図3は、1ショットFSEシーケンスの信号を示す図、図4は、本発明のMRI装置により得られた測定値、図5は、補正前の信号を示す図、図6は、補正のための補正データを示す図、図7は、補正後の信号を示す図、図8および図9は、本発明のMRI装置により得られた位相画像トレース図図10は、1ショットEPIシーケンスの信号を示す図である。

0010

図1は、本発明を適用するMRI装置の概略の全体構成を示すブロック図である。このMRI装置は、磁気共鳴現象を利用して被検体の断層像を得るためのもので、静磁場発生手段1、傾斜磁場発生手段2、送信系3、受信系4、信号処理系5、シーケンサ6、中央処理装置7および図示しない操作部とからなっている。静磁場発生手段1は、被検体8の周りのある広がりを持った空間に配置された永久磁石常電導磁石または超電導磁石のいずれかからなり、被検体8の周囲にその体軸方向または被検体の体軸と直交する方向に均一な静磁場を発生させる。傾斜磁場発生手段2は、X、Y、Zの3軸方向に巻かれた傾斜磁場コイル9とこれらの各々のコイル磁化させる傾斜磁場電源10とからなり、シーケンサ6からの命令に従って傾斜磁場電源10の各々のコイルを磁化させることによりX、Y、Zの3軸方向の傾斜磁場Gs、Gp、Gfを被検体8に印加する。この傾斜磁場の加え方により、被検体8の撮影して表示する断面が設定される。

0011

送信系3は、高周波発振器11、変調器12、高周波増幅器13および高周波照射コイル14とからなり、傾斜磁場発生手段2で設定された被検体8の撮影断面生体組織を構成する原子の原子核を励起して核磁気共鳴を起こさせるために、高周波発振器11から出力された高周波パルスを高周波増幅器13で増幅した後に、被検体8に近接して設置された高周波照射コイル14に供給して被検体に照射する。受信系4は、高周波受信コイル15、受信回路16およびアナログディジタル(以下「A/D」という)変換器17とからなり、送信系3の高周波照射コイル14から照射された電磁波による被検体8の生体組織の原子核の磁気共鳴によるエコー信号であるNMR信号を、被検体8に近接して配置された高周波受信コイル15で検出し、受信回路16を介してA/D変換器17に入力し、ディジタル信号に変換して、さらにシーケンサ6からの命令によるタイミングでサンプリングされた収集データとして、その信号を信号処理系5に送る。

0012

信号処理系5は、収集データに対しフーリエ変換およびシーケンサ6の制御を行うCPU7、本発明の補正手段を含み補正計算や収集データを断層像に再構成するために必要な処理を行う信号処理装置18、経時的な画像解析処理および指定された計測のシーケンスのプログラムやその実行の際に用いられるパラメーター等を記憶し、被検体に対して行った事前の計測で得た計測パラメーターや受信系4で検出したNMR信号からの収集データおよび関心領域設定に用いる画像を一時保管すると共にその関心領域を設定するためのパラメーター等を記憶するメモリ19、再構成された画像データを記憶するデータ格納部となる磁気ディスク20・光ディスク21およびこれらのディスクから読み出した画像データを映像化して断層像として表示するディスプレイ22とからなり、受信系4で検出したNMR信号を用いて画像再構成演算を行うとともに画像表示を行う。シーケンサ6は、CPU7の制御で動作しスライスエンコード、位相エンコード、周波数エンコードの各傾斜磁場及び高周波磁場パルスをある所定のパルスシーケンスで繰り返し発生するためのもので、被検体8の断層像のデータ取得に必要な種々の命令を傾斜磁場発生手段2、送信系3および受信系4に送る。操作部は、トラックボールまたはマウスキーボード等からなり信号処理系5で行う処理の制御情報を入力する。

0013

本発明のMRI装置の動作は、図2に示されたフローに従って進行し、FSE法の場合は図3に、EPI法の場合は図10に、それぞれ示されるシーケンスのパルスが被検体に印加され、図4に示されたk空間にデータを構成するために図5−7に示されるデータを取得するので、以下では図2に示されたフローに基づいてステップごとの動作を説明し、必要の都度その他の図面を参照する。本発明の補正には、予め作成してメモリ19に記憶された理論的計算に基づく補正関数を用いることができる。この場合計測の初回から直ちに良好な被検体の断層像データを得ることができる。また被検体に対して位相エンコード傾斜磁場を印加しないで行った事前の計測により取得した補正用のデータを用いることも可能である。この場合補正データには被検体固有の特性が加味される。これらのどちらかの方式のみをMRI装置に装備することも、また双方を装備してその都度選択して指定することも可能である。以下では、FSE法で補正関数を用いた例を2例、EPI法で事前の計測で取得した補正用データを用いた例を1例説明する。いずれの場合も補正に関する動作のフローは図2に示されるように同一で、断層像を撮影するパルスシーケンスと補正演算のためのデータの作成方法が異なっている。

0014

図2は、本発明のMRI装置における計測および画像処理の手順を説明するフロー図である。本発明のMRI装置が起動されると、最初にステップ101において、操作部によりETLの多い撮像シーケンスが選択され、この実施形態ではFSE法が設定される。このシーケンスに必要な撮像パラメーターが、メモリ19から出力される。ついで、CPU7は補正を行うか、またその補正は関数を使うか問い合わせる。この実施形態では予め作成した補正関数により行うので操作部にそのように入力すると、CPU7は予め作成された画像処理に必要な後述する補正関数を読み出して、メモリ19に格納する。補正を行わない場合は、ステップ303・305へ進み、従来と同じ撮像を行うのでここでは説明しない。補正関数を使用しない場合は、別の実施形態で詳述する。

0015

ついで、ステップ103においてETLの多いFSE法のシーケンスが実行される。図3には、ここで行った1回の励起でk空間の半分の128ヶのデータを取り込み、残りの128ヶのデータを推定する、1ショットFSEシーケンスが示されている。このシーケンスでは図3に示すように、断面を選択する傾斜磁場パルスGsと同時に高周波90度パルスRFを印加した後、傾斜磁場パルスGsと同時にスピンエコー信号を発生させる高周波180度パルスRFを印加し、読み出し傾斜磁場パルスGfとエコー信号を位相エンコードする傾斜磁場Gpを印加してエコー信号を計測する手順が、ここではETLが128であるので位相エンコードGpを総計128通りに変化させながら128回繰り返され、k空間を充填していく。

0016

次にステップ105で、得られたデータをメモリ19に格納する。図4は、本発明のMRI装置により得られた断層像の測定値を示す図である。CPU7は測定値を処理し、実測データから推定部データを計算してk空間内のky=15〜112に格納し、得られたデータはk空間内のky=113〜241に格納される。

0017

次いで、この実施形態では補正関数による補正が選択されているので、画像の再構成時にはステップ107で測定値に対し補正関数による補正が実施される。この補正は、実測部データの位相エンコード開始後の1回目のデータをky=p+1(ここでは図4のky=113)として、直前の測定値との大小関係を常に監視して最大の測定値が得られる位相エンコード0(ここでは図4のky=128)のデータまでのnヶ(ここではn=16)のky=p+mのデータ(ここではky=112+m)に対して、以下で現される補正関数w(p+m)=exp(2×エコー間隔×(m−n)/時定数)を元の測定値に乗算する事により行われる。ここでmは1〜nであり、m>nのmに対しては補正は行われない。即ちky=p+1(ここでは、ky=113)のデータからky=p+n(ここではky=128)までのn(ここでは16)ヶのデータについて補正を行う。ky=p+nのデータに対しては、m=nなので補正の係数は1となる。時定数は任意の値で、シーケンスのTEからアーチファクトの原因となっている信号のT2値までの値から画像での効果を見ながら選択することが好ましく、ここではシーケンスのTEである248msを選択している。

0018

以上の説明のようにこの実施形態では、位相エンコード開始後からNMR信号の測定値が最大となるまで、k空間上の信号の値が位相エンコード0点を軸として対称になるような補正を行っている。図5は補正前の測定値を、図6は上記の補正関数で得られた補正用データを、図7乗算後補正済みデータを、それぞれ示す図である。図7において位相エンコード開始直後のデータがなだらかに補正され、ここではky=128である0エンコード点を軸としてky方向に対称的に整列していることが読みとれる。ステップ107で補正手段により上記の補正が実行されたデータに基づいて、ステップ109で画像の再構成が行われ被検体のMRIが完了する。

0019

次に他の実施の形態について説明する。この例は、上述の実施の形態とは補正関数にさらに補正係数αを加えた点が異なっており、その他の撮像シーケンス・補正関数の使用等は同様である。ここでは第一の実施の形態と同様に、位相エンコード開始後1回目のky=p+1(ここではky=113)のデータから、信号の最大値が得られる位相エンコード0(ここでは図4のky=128)のデータまでのnヶ(ここではn=16)のky=p+mのデータに対して、以下で現される補正関数
w(p+m)=exp(α×2×エコー間隔×(m−n)/時定数)
を乗算する事により補正が行われている。第一の実施の形態と同様にmは1〜nであり、m>nのmに対しては補正は行われない。補正係数αは0〜1の任意の値でシーケンスの種類により最適値が異なるが、各シーケンスの実際の取得データの位相画像が最もアーチファクトが小さくなるように画像を確認しつつ適宜選択すればよい。

0020

図8・9は、FSE法のシーケンスを用いて補正係数αを変化させて2種類のテストファントムを撮像した、位相画像の撮像結果のトレース図である。図8a・bは、通常の塩化ニッケルファントム、図9a・bはMRCPファントムの、それぞれ図8a・図9aはα=1、図8b・図9bは補正係数乗算後の結果であり、図8bはα=0.7、図9bはα=0.4で、これらは時定数を全てシーケンスのTEである248msとしたときを示す。図8b・図9bでは、アーチファクトの縞模様の渦が解消され各ファントム像が正確に円形に表示されていることが見て取れる。この式を使用すると、第一の実施形態の式での時定数の選択が必要なくなりシーケンスのTEまたはそれに近似した任意の値に固定することで作業を簡略化でき、位相画像で結果を確認しながら係数αを0〜1の範囲で決定していけばよい。

0021

第三の実施の形態は、ステップ101においてETLの多いシーケンスとしてEPI法を設定し、補正データとして、事前に行った計測により得た被検体固有の補正データを用いる点が第一および第二の実施形態とは異なっている。図10は、この実施形態で行った1回の励起でk空間の半分の128ヶのデータを取り込み、残りの128ヶのデータを推定する1ショットEPIシーケンスの信号を表す図である。このシーケンスは図10に示すように、高周波パルスRFの印加と同時に断面選択傾斜磁場Gsを印加して所定の断面に相当する共鳴周波数でRFパルスによる励起を行い、次に断面傾斜磁場Gsと同時に位相エンコード傾斜磁場Gpを印加した後、極性反転する読み出し磁場Gfと位相エンコード磁場Gpを印加する。この例ではETLが128であるので、128回繰り返して傾斜磁場が反転する都度128のエコー信号を検出してk空間を充填していく。

0022

第三の実施形態では、補正データは被検体固有のデータを用いるので、ステップ201において図10に示すパルスシーケンスで、事前にGpを印加することなく、ここでも位相エンコード開始後1回目のデータはky=p+1(ここではky=113)とすると、直前の測定値との大小関係を常に監視して最大の測定値が得られる位相エンコード0のデータをky=p+n(ここではky=128)としてky=113〜113+2nのデータを取得し、以下で現される式m番目の補正データ=(2n−m)番目のデータ/m番目のデータで変換して補正データを得る。ここでは m=1〜n、 n=16であり、m>nのデータに対しては補正を行わない。

0023

上式ではm番目のデータであるky=p+mは、m番目のデータの値自身で除算され(2n−m)番目のデータであるky=p+2n−mの値で乗算されるので、(2n−m)番目のデータと値が同じ、即ち位相エンコードが0であるky=p+n(ここではky=128)のデータを対称の軸としてky方向に対称に分布することが明瞭に理解できる。この規則に従い補正データを取得してメモリ19に記憶した後、ステップ203で今度はGpを印加して位相エンコードを行いながら、第一の実施形態と同様に被検体を撮像してステップ205で測定値を収集し、ステップ207で補正手段がky=p+mの測定値に対して上記の補正データを乗算して補正を行い、ステップ109で画像データを再構成して断層像を表示してMRIを終了する。これによりこの実施形態でも、位相エンコード開始後からNMR信号の測定値が最大となるまで、かつ位相エンコードをかけないで得たk空間上のNMR信号の値が位相エンコード0点を軸として対称になるような補正を行っている。

0024

なお、上記の実施の形態では画像再構成のためのフーリエ変換前にデータの補正を行った例について説明しているが、本発明の補正は位相方向のフーリエ変換前に行われればよいので、周波数方向へのフーリエ変換後に本発明の補正を行っても同様の効果を奏する。また上記の実施の形態では1ショットハーフスキャンシーケンスについて説明されているが、本発明の装置は、ショットの数の補正を繰り返せばマルチショットシーケンスにも、また同じくフルスキャンシーケンスにも、随意のETLの多いシーケンスに適用可能である。

0025

また、第一および第二の実施の形態で、補正計算後に補正値が位相エンコード0点を軸とした軸対称となるものとしているが、NMR信号として得られた測定値が最大となる位相エンコード0点まで補正を行えば、位相方向の信号の不連続性が元の信号の強度により強調されていた部分が解消されるので従来行われていた振幅補正でも十分な効果を奏することができる。この場合、位相エンコードをかけないで得たNMR信号に補正を行うと、k空間上のNMR信号の値は位相エンコード0点までは直線に、それ以降は指数関数で滑らかに減衰する曲線となる。

0026

また、上記の実施形態では、理論的計算に基づく補正関数を共に指数関数としているが、補正後に測定値のグラフが位相エンコード0点を軸とした対称になるものであれば、これに近似する任意の関数を用いることができる。さらに上記の実施形態では、補正手段を信号処理装置18内部にハードウェアとして構成した例を説明したが、補正関数や補正データをソフトウェアのプログラムとしてメモリ19に記憶させ、CPU7により実行させることも可能である。

発明の効果

0027

本発明は、以上に説明したように構成されているので、以下のような効果を奏する。本発明のMRI装置によれば、ETLの多いシーケンスにおいてアーチファクトにつながる信号の不連続性が元の信号強度の大きさにより強調された位相エンコード開始後からNMR信号が最大となる位相エンコード0までのデータについてのみ補正が行われ、急激に減衰する部分の位相方向のフーリエ変換前の値が平滑化されアーチファクトの発生が有効に防止されるのに対し、信号が最大となる値以降のデータについては補正が行われないので比較的になだらかに減衰する部分のデータについてはSN比を悪化させるノイズの増大が発生せず、SN比を低下させないでk空間上の信号の位相方向における不連続性に由来するアーチファクトを低減した、描出能の高い磁気共鳴イメージング装置が提供される。

0028

また本発明のMRI装置によれば、補正手段は指数関数に従い急激に減衰する部分のNMR信号がk空間上の所定の軸について対称となるような補正を測定値に施し、アーチファクトにつながる信号の不連続性が元の信号の大きさにより強調された急激に減衰する部分のデータがなだらかに増加するように補正され位相方向のフーリエ変換前の値が平滑化されてアーチファクトの発生が有効に防止され、元の信号のなだらかに減衰する部分はSN比を悪化させるノイズの増大が行われないので、ETLの多いシーケンスにおいてSN比を低下させないでk空間上の信号の位相方向における不連続性に由来するアーチファクトを低減した、描出能の高い磁気共鳴イメージング装置が提供される。さらに本発明のMRI装置によれば、被検体から直接に補正のためのデータを得ているので、被検体固有の特性を加味した補正を行いつつ、ETLの多いシーケンスにおいてSN比を低下させないでk空間上の信号の位相方向における不連続性に由来するアーチファクトを低減した、描出能の高い磁気共鳴イメージング装置が提供される。

図面の簡単な説明

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図1MRI装置の概略のブロック図。
図2本発明のMRI装置の動作のフロー図。
図31ショットFSEシーケンスのパルス図
図4本発明のMRI装置により得られた断面の測定値。
図5補正前の取得データを示す図。
図6補正のための補正データを示す図。
図7補正後の信号を示す図。
図8本発明のMRI装置により得られた位相画像のトレース図。
図9本発明のMRI装置により得られた位相画像のトレース図。
図101ショットEPIシーケンスのパルス図。

--

0030

1………静磁場発生手段
2………傾斜磁場発生手段
3………送信系
4………受信系
5………信号処理系
6………シーケンサ
7………CPU
8………被検体

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