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技術 偏光光源装置

出願人 国立研究開発法人産業技術総合研究所ランテクニカルサービス株式会社山下電装株式会社小貫英雄蔀洋司
発明者 小貫英雄蔀洋司松本好家山下正昭
出願日 1999年11月30日 (21年0ヶ月経過) 出願番号 1999-340040
公開日 2001年6月8日 (19年6ヶ月経過) 公開番号 2001-154150
状態 特許登録済
技術分野 その他の光学系・装置、光の干渉・色の制御 その他の光学系・装置、色の干渉・色の制御
主要キーワード ニコルプリズム ウェッジ型 等方性結晶 利用波長 凸型レンズ 直接光源 利用光 反射現象
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

高偏光度を持つ直線偏光を高効率で取り出せ、しかも、大照射面積の直線偏光を低コストで作り出せ、かつ、波長依存性が少ない。

解決手段

この偏光光源装置は、光源ランプ10と光源ランプからの光を反射して一方向に導く第1の反射鏡12を具えた光源14と、光源からの光34を偏光面がお互いに直交する二種類の直線偏光に分離する偏光分離器16と、偏光分離器を透過した光40を再び偏光分離器に戻す第2の反射鏡18と、光源と偏光分離器との間の光路中に設けられた偏光解消作用を持つ偏光解消装置20とを具えている。また、第2の反射鏡により偏光分離器に再び入射し反射した光を、再び偏光分離器に戻す第3の反射鏡22を具えている。偏光分離器は、光源からの光の入射角ブルースター角になるように配置された平行平面板としてある。偏光解消装置には、くさび偏光解消板デポライザー)を用いている。

概要

背景

従来、直線偏光は様々な分野において利用されており、例えば、液晶分子配向させる配向膜偏光露光、及び液晶ライトバルブにより形成した画像を投射レンズにより拡大投射する投写型液晶表示などに用いられている。

無偏光光源ランプから直線偏光を取り出すためには、一般に偏光分離器が用いられる。この取り出される直線偏光は、光源ランプから偏光分離器に入射する入射光の一部である。この偏光分離器には、偏光板偏光プリズム等がある。しかしながら、いずれの偏光分離器を用いても、取り出される直線偏光の偏光方向と直角な方向の偏光成分は利用されず捨てられていたため、光源ランプから照射される無偏光の強度に対する偏光光の強度の割合、すなわち偏光光源装置の効率は低かった。

この問題を解決する方法として、偏光分離器として用いられる偏光プリズムに加えて、位相子反射鏡等で構成された偏光変換素子が最近開発され、液晶プロジェクター等に用いられている。この方法においては、偏光プリズムで分離された2種類の直線偏光、すなわちS偏光及びP偏光のうち、偏光プリズムを透過したP偏光を利用光として取り出すのに加えて、従来捨てられていたS偏光を利用する構造になっている。すなわち、偏光プリズムで反射されたS偏光を位相子である1/2波長板に入射させることによりP偏光に変換させ、その後反射鏡で反射させて利用光として取り出す。従って、高偏光度のP偏光を高効率で得ることができる。

概要

高偏光度を持つ直線偏光を高効率で取り出せ、しかも、大照射面積の直線偏光を低コストで作り出せ、かつ、波長依存性が少ない。

この偏光光源装置は、光源ランプ10と光源ランプからの光を反射して一方向に導く第1の反射鏡12を具えた光源14と、光源からの光34を偏光面がお互いに直交する二種類の直線偏光に分離する偏光分離器16と、偏光分離器を透過した光40を再び偏光分離器に戻す第2の反射鏡18と、光源と偏光分離器との間の光路中に設けられた偏光解消作用を持つ偏光解消装置20とを具えている。また、第2の反射鏡により偏光分離器に再び入射し反射した光を、再び偏光分離器に戻す第3の反射鏡22を具えている。偏光分離器は、光源からの光の入射角ブルースター角になるように配置された平行平面板としてある。偏光解消装置には、くさび偏光解消板デポライザー)を用いている。

目的

そこで、この発明の目的は、高偏光度を持つ直線偏光を高効率で取り出せ、しかも、波長依存性が少なく、かつ、大照射面積の直線偏光を低コストで作り出すことができる偏光光源装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

光源ランプ及び当該光源ランプからの光を反射して一方向に導く第1の反射鏡を具えた光源と、当該光源からの光を偏光面がお互いに直交する二種類の直線偏光に分離する偏光分離器と、当該偏光分離器を透過した光を再び該偏光分離器に戻す第2の反射鏡と、該光源と該偏光分離器との間の光路中に設けられた偏光解消作用を持つ偏光解消装置とを具えたことを特徴とする偏光光源装置

請求項2

請求項1に記載の偏光光源装置において、前記第2の反射鏡により前記偏光分離器に再び入射して反射された光を、再び前記偏光分離器に戻す第3の反射鏡を具えたことを特徴とする偏光光源装置。

請求項3

請求項1及び2のいずれか一項に記載の偏光光源装置において、前記偏光分離器を、前記光源からの光の入射角ブルースター角になるように配置された平行平面板としたことを特徴とする偏光光源装置。

請求項4

請求項1〜3のいずれか一項に記載の偏光光源装置において、前記偏光解消装置を、光学軸が前記偏光面がお互いに直交する二種類の直線偏光のそれぞれの偏光面に対して約45°の角度をなしているくさび型(ウェッジ型偏光解消板としたことを特徴とする偏光光源装置。

技術分野

0001

この発明は、反射鏡及び偏光解消装置を具えた偏光光源装置に関する。

背景技術

0002

従来、直線偏光は様々な分野において利用されており、例えば、液晶分子配向させる配向膜偏光露光、及び液晶ライトバルブにより形成した画像を投射レンズにより拡大投射する投写型液晶表示などに用いられている。

0003

無偏光光源ランプから直線偏光を取り出すためには、一般に偏光分離器が用いられる。この取り出される直線偏光は、光源ランプから偏光分離器に入射する入射光の一部である。この偏光分離器には、偏光板偏光プリズム等がある。しかしながら、いずれの偏光分離器を用いても、取り出される直線偏光の偏光方向と直角な方向の偏光成分は利用されず捨てられていたため、光源ランプから照射される無偏光の強度に対する偏光光の強度の割合、すなわち偏光光源装置の効率は低かった。

0004

この問題を解決する方法として、偏光分離器として用いられる偏光プリズムに加えて、位相子、反射鏡等で構成された偏光変換素子が最近開発され、液晶プロジェクター等に用いられている。この方法においては、偏光プリズムで分離された2種類の直線偏光、すなわちS偏光及びP偏光のうち、偏光プリズムを透過したP偏光を利用光として取り出すのに加えて、従来捨てられていたS偏光を利用する構造になっている。すなわち、偏光プリズムで反射されたS偏光を位相子である1/2波長板に入射させることによりP偏光に変換させ、その後反射鏡で反射させて利用光として取り出す。従って、高偏光度のP偏光を高効率で得ることができる。

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、上述の偏光変換素子を用いた方法では、偏光変換素子に位相子を用いているため、波長依存性があった。すなわち、位相子の厚みを利用波長光路差が1/2波長になるように調整するため、波長が変化したり、幅の広い波長領域を持った無偏光の光源ランプからの光に対して、位相子によりS偏光を完全にP偏光に変換させることができない。従って、高偏光度を保つには、利用波長が限定されていた。

0006

また、配向膜の偏光露光や投写型液晶表示等に直線偏光を利用する場合には、偏光光を広い領域に照射できる方法が望まれる。すなわち、取り出す偏光ビーム照射面積断面積)を大きくするためには、偏光プリズムも大きくしなければならない。しかしながら、上述の偏光プリズムは多層膜を挟んだ構造になっているため、小さい物でも高価であり、従って大きい物を作製しようとすると、さらにコストは急激に増大する。

0007

そこで、この発明の目的は、高偏光度を持つ直線偏光を高効率で取り出せ、しかも、波長依存性が少なく、かつ、大照射面積の直線偏光を低コストで作り出すことができる偏光光源装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

上述の目的の達成を図るため、この出願の発明者が鋭意研究・検討を重ねた結果、偏光分離器での分離光のうち、従来捨てられていた光を反射鏡により光源に再度戻すと共に、この戻ってくる光を偏光解消装置で偏光解消すれば良いことを見いだした。すなわち、光源と偏光分離器との間に偏光解消装置を、偏光分離器の後方に反射鏡を配設すればよい。この結果、戻ってきた無偏光光を、光源ランプからの光と共に、再度偏光分離できると考えた。

0009

従って、この発明の偏光光源装置によれば、光源ランプ及びこの光源ランプからの光を反射して一方向に導く第1の反射鏡を具えた光源と、この光源からの光を偏光面がお互いに直交する二種類の直線偏光に分離する偏光分離器と、この偏光分離器を透過した光を再び偏光分離器に戻す第2の反射鏡と、光源と偏光分離器との間の光路中に設けられた偏光解消作用を持つ偏光解消装置とを具えている。

0010

ここで光源ランプからの光を反射して一方向に導くとは、第1の反射鏡で当該光を反射させることにより、当該光を一方向に進行させることを意味する。また、一方向とは、進行方向が同一のことを意味するが、平行光線(実質的に平行光線である場合も含む)であるのが好ましい。平行光線であると、入射光全体として偏光分離器で高偏光度の直線偏光が得られるからである。ここで、偏光度とは、取り出す光の強度に対する目的とする偏光光の強度の割合である。第1の反射鏡は、このような機能を果たすものであれば形状、材質にとらわれなく、表面形状は曲面であっても、平面であっても良い。しかしながら、第1の反射鏡のみでは、平行光線にできない場合、又は他の目的で平行光線としない場合は、別の何らかの手段(レンズ集光鏡等)を別に設けて、平行光線にすることも考えられる。また、光源ランプそのものが平行光線を照射するものであるときは、第1の反射鏡は必要ない。しかしながら、後述する光源に戻ってきた光を第1の反射鏡で再び反射させる目的のため、いずれにせよ必要になる。

0011

また、光源ランプは、照射される光の波長範囲が偏光分離器及び偏光解消装置において吸収されない波長範囲であることが望ましい。吸収されると、効率が低くなってしまうからである。

0012

また、偏光分離器は偏光子と同じ意味である。一般に、偏光分離器により分離された光のうち、入射光の光軸に対してほぼ90°方向に反射された光は強くS偏光をした直線偏光であり、またこの偏光分離器を透過した光はP偏光成分を多く含んだ直線偏光である。この発明では、S偏光を利用光として取り出し、P偏光成分を多く含んだ直線偏光(厳密には、P偏光に近い楕円偏光と言うべきであるが)を捨てずに、S偏光に変換して再利用するものである。従って、まず第1に、反射された光がなるべくP偏光を含まずに、高偏光度のS偏光となる偏光分離器が望ましい。第2に、透過光はS偏光を含んでいても問題ないが、後述の効率のことを考えると、透過光もなるべくS偏光を含んでいない方が望ましい。第3に、反射光及び透過光共に結果的に利用することになるので、偏光分離器内で光が吸収されない構造であることが望ましい。ここで、反射光(以後、偏光分離器における反射)とは、入射光が偏光分離器で2つの光に分離されるとき、光の進行方向が曲げられた方の光のことを意味する。つまり、偏光分離器内又は表面で物理的に反射現象が起こること以外に、屈折等による分離光をも含む。また、透過光(以後、偏光分離器における透過は同様)とは、入射光が偏光分離器で2つの光に分離されるとき、光の進行方向が直進に近い光のことを言う。つまり、偏光分離器中で物理的に透過現象が起こること以外に、屈折等によって進行方向を曲げられた分離光をも含む。

0013

また、第2の反射鏡は、偏光分離器の透過光と同じ光路を、逆向きで偏光分離器に入射させるような構造であるのが好ましい。第2の反射鏡としては、一般的には、物理的反射現象を起こさせるものが考えられるが、このような機能を持つものであれば形状、構造は問わなく、例えば光導波路等も含む。

0014

偏光解消装置は、直線偏光が入射したとき、偏光面の異なる様々な直線偏光、円偏光若しくは楕円偏光、又はこれらの組み合わせによる無偏光に変換する装置のことを意味する。ここで無偏光とは、完全な無偏光以外に、概ね無偏光である光も含む。

0015

このような構成にすることにより、光源から照射された光は偏光分離器に入射し、透過光と反射光とに分離される。ほぼS偏光である反射光は利用光として取り出され、また透過光は第2の反射鏡に達する。ここまでを第1過程とする。その後、この透過光が第2の反射鏡により再び偏光分離器に戻されて入射し、透過光と反射光とに分離される。このうち透過光は偏光解消装置に入射し、偏光が解消される。この無偏光となった光は光源に入るが、第1の反射鏡により反射される。ここまでを第2過程とする。その後、光源から出た無偏光光は再び第1過程に進行し、前述の光源から照射される光と同様に偏光分離器で分離され、反射光であるほぼS偏光の直線偏光が利用光として取り出される。この第1過程及び第2過程が何回か繰り返されるので、偏光分離器で分離されたS偏光である直線偏光の強度が増大する。従って、高効率の偏光光源装置となりうる。同時に、偏光度も、従来の偏光分離器のみの構成と同程度の高さが期待できる。また、この発明では、位相子を用いていなく、偏光解消装置を用いているので、波長依存性がなく、偏光分離器及び偏光解消装置自体で吸収が起こる波長領域以外は、幅広い波長領域にわたって利用できる。同時に精密性が要求される位相子を用いていないので、装置全体のコストも安くなる。

0016

また、この発明の実施に当たり、好ましくは、第2の反射鏡により偏光分離器に再び入射してこの偏光分離器で反射された光を、再び偏光分離器に戻す第3の反射鏡を具えると良い。

0017

また、第3の反射鏡は、偏光分離器での反射光と同じ光路を、逆向きで偏光分離器に入射させるような構造であるのが好ましい。第3の反射鏡としては、第2の反射鏡と同様に、一般的には、物理的反射現象を起こさせるものが考えられるが、このような機能を持つものであれば形状、構造は問わなく、例えば光導波路等も含む。

0018

このような構成にすることにより、第2過程において偏光分離器で分離された光のうち、ほぼS偏光である反射光を、再び第3の反射鏡により偏光分離器に戻すことができる。さらに、その後偏光分離器で分離された光のうち透過光は、ほぼS偏光である利用光として取り出される。また、偏光分離器で分離された光のうち反射光は、再び第2の反射鏡に達し、第2過程に進行する。これらの過程を第3過程とする。尚、再び第2過程に進行したS偏光も、その後第3過程又は第1過程に進行するので、結果的には利用光として取り出される。つまり、この第1過程、第2過程及び第3過程が何回か繰り返されるので、偏光分離器で分離されたS偏光である直線偏光の強度がさらに増大する。従って、さらに高効率の偏光光源装置となりうる。

0019

また、この発明の実施に当たり、好ましくは、偏光分離器を、光源からの光の入射角ブルースター角になるように配置された平行平面板とすると良い。

0020

ここでブルースター角とは、誘電体表面で反射する光に対し、この光の電気ベクトルが入射面内にある光(P偏光)の反射率が0になる入射角である。また、ブルースター角になるようにとは、理想的には正にブルースター角が好ましいが、要求される偏光度によっては、ブルースター角の近傍の角度であっても良いという趣旨である。平行平面板は、偏光光源装置が高効率を必要とされる場合、少なくとも使用する波長光に対し光学的に透明かつ等方媒質からなる平行平面板とするのが好ましい。

0021

このような構成にすることにより、平行平面板に入射する光のうちS偏光成分の一部は平行平面板で反射され、P偏光成分及び残りのS偏光成分は平行平面板を透過する。この反射されたS偏光は、高偏光度の直線偏光となっており、これを直線偏光として利用する。また、平行平面板が光学的に透明である波長領域において直線偏光に分離可能なので、波長依存性がない。さらに、大面積の直線偏光を得るためには、平行平面板の面積を大きくすればよく、コストもあまりかからない。従って、大面積の直線偏光を低コストで作製できる。

0022

また、この発明の実施に当たり、好ましくは、偏光解消装置を、光学軸が、偏光面がお互いに直交する二種類の直線偏光のそれぞれの偏光面に対して約45°の角度をなしているくさび型(ウェッジ型偏光解消板とすると良い。ここで、偏光面がお互いに直交する二種類の直線偏光とは、S偏光面及びP偏光面のことを意味する。

0023

くさび型(ウェッジ型)偏光解消板とは、直線偏光の入射位置に対する解消板中の光路長に差を生じさせ、その結果、様々な偏光面を持った直線偏光、円偏光及び楕円偏光に変化させるものである。従って、出射光は全体としてS偏光成分及びP偏光成分を半分ずつ持った無偏光光になっている。

0024

このような構成にすることにより、位相板を用いる必要がなく、従って、波長依存性がないと共に、コストの安い偏光光源装置となりうる。また、この発明のように入射光の大部分がP偏光成分である偏光光に対しても、無偏光光に変化させることができるので、再度偏光分離器で分離させたとき、取り出すことができるS偏光の光量が大幅に増加する。従って、高効率の偏光光源装置となりうる。

0025

また、この発明の実施に当たり、第1の反射鏡を楕円面鏡とし、偏光解消装置と偏光分離器との間に、光源から近い順に、インテグレータ及び凸型レンズを配設しても良い。ここでインテグレータとは、光強度の空間分布を均一にするためのものである。また、凸型レンズは、広がりを持った光を平行光線にするためのものである。

0026

このような構成にすることにより、光源から照射された光が楕円面鏡で反射されて収束された後、インテグレータを通過して広がりを持った光を、凸型レンズで平行光にすることができる。従って、大面積の直線偏光を容易に得ることができる。また、光源と偏光解消装置との間に、光の進行方向を変化させる第4の反射鏡を設けても良い。

発明を実施するための最良の形態

0027

以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、図中、各構成成分の大きさ、形状および配置関係は、この発明が理解できる程度に概略的に示してあるにすぎず、また、以下に説明する数値的条件は単なる例示にすぎない。

0028

[第1の実施の形態]まず、第1の実施の形態の偏光光源装置の構成について、図1図2図3及び図4を参照して説明する。図1は第1の実施の形態の偏光光源装置の構成を示す図であり、図2は光源の構成を示す図であり、図3は平行平面板の構成を示す図であり、及び図4はくさび型偏光解消板の構成を示す図である。

0029

この偏光光源装置は、図1及び図2に示すように、光源ランプ10及び光源ランプ10からの光24及び26を反射して一方向に導く第1の反射鏡12を具えた光源14と、光源14からの光34を偏光面がお互いに直交する二種類の直線偏光38及び40に分離する偏光分離器16と、偏光分離器16を透過した光40を、反射光すなわち偏光分離器への入射光42として、再び偏光分離器16に戻す第2の反射鏡18と、光源14と偏光分離器16との間の光路中に設けられた偏光解消作用を持つ偏光解消装置20とを具えている。また、第2の反射鏡18により偏光分離器16に再び入射して反射された光44を、反射光すなわち偏光分離器への入射光58として、再び偏光分離器16に戻す第3の反射鏡22を具えている。

0030

光源ランプ10には、直線偏光として利用する波長に合わせて、そのような波長の無偏光光を放射する普通の光源ランプを使用すればよい。例えば、普通の放電ランプでよいが、この実施の形態では、水銀・キセノンランプを用いている。水銀・キセノンランプは、主に約250nm〜550nmの範囲の波長領域を持った紫外光及び可視光を放射する。第1の反射鏡12は集光型反射鏡である放物面鏡としている。従って、図2に示すように、光源ランプ10から放射された概ね無偏光(今後無偏光と記述する)の光24及び26が第1の反射鏡12で反射されることにより、平行光28及び30になる。この場合、図2に示すように、無偏光光24及び26は反射されて平行光となるが、無偏光光32は直接光源14から出てゆくので、厳密には平行光とはならない。従って、より高効率及び高偏光度の偏光光源装置にするには、なるべく第1の反射鏡12で反射される構造とするのがよい。また、光源ランプ10から照射される光がすでに平行光線である場合には、上述の目的では第1の反射鏡12は必要ない。しかし、後述の第2過程により光源に戻ってきた光を再び第1過程に戻すためには、構造上不可欠である。

0031

偏光分離器16は、図3に示すように、光源14からの光64の入射角θがブルースター角になるように配置された平行平面板66としてある。平行平面板66はシリカガラス石英ガラス)からなるガラス板を6枚重ねた構造となっている。ガラス板は、例えば、10cm×16cmの長方形とし、厚さは約1mmとすれば良い。シリカガラスは、160nm以上の波長領域の光に対して透明であり、この透明な波長領域内の光の入射角θがブルースター角になるよう配置されていれば、反射光68として完全なS偏光を、平行光として取り出すことができる。また、透過光70は、S偏光成分及びP偏光成分を含む。この反射光68として取り出すことができるS偏光は、入射光64のS偏光成分のうち約60%である。尚、ブルースター角は、透明媒質の材質及び入射光の波長に依存しており、ブルースター角をα、透明媒質の屈折率をnとすると、n=tanαの関係を満たしている。この実施の形態では、シリカガラスを用いてあるので、波長が約330nmの光に対してはブルースター角は約56°である。入射光の波長が変化すると、同じ透明媒質に対する屈折率が変化する(分散現象)ので、ブルースター角も変化する。しかし、光源14からの光の波長領域に幅がある場合でも、それによるブルースター角の変動は小さく、偏光度に対してほとんど影響はない。また、透明波長領域においては直線偏光に分離可能であるので、波長依存性もない。さらに、大面積の直線偏光を得るためには、大面積の平行平面板が必要になるが、他の偏光分離器と比較してコストが安い。また、大面積の平行平面板を作製するに当たって、小面積の平行平面板をつなぎ合わせて作製すれば、さらにコストが安くなる。

0032

第2及び第3の反射鏡18及び22としては、例えば、普通の平面鏡を用いれば良い。

0033

偏光解消装置(デポライザー)20には、図4(A)に示すようなくさび型偏光解消板72を用いている。くさび型偏光解消板72は、異方性を持った材料で構成されており、光学軸74が、偏光面がお互いに直交する二種類の直線偏光(S偏光及びP偏光)のそれぞれの偏光面に対して約45°の角度をなしている。すなわち、S偏光及びP偏光の偏光方向76及び78に対して約45°の角度をなしている。従って、直線偏光の入射方向80のうち、入射位置に対する解消板中の光路長82、84、86及び88に差を生じさせ、その結果、様々な偏光面を持った直線偏光、円偏光及び楕円偏光に変化させることができる。従って、出射光は全体としてS偏光成分及びP偏光成分を半分ずつ持った無偏光光になっている。尚、入射光が無偏光光の場合のときは、出射光も無偏光光である。また、くさび型偏光解消板72内で、屈折することにより、入射光と出射光の光路にずれが生じるのをさけるには、図4(B)に示すように、等方性の材料から成っており、かつ、くさび型偏光解消板72と対称的な構造で屈折率がほぼ同じの媒質90を接合させた偏光解消装置(デポライザー)20を用いればよい。このくさび型偏光解消板72を用いることにより、この発明のように入射光の大部分がP偏光成分である偏光光に対しても、無偏光光に変化させることができるので、再度偏光分離器で分離させたとき、取り出すことができるS偏光の光量が大幅に増加する。従って、高効率の偏光光源装置となりうる。また、くさび型偏光解消板72は構造が簡単で、精密性が要求されないので、作製コストも安い。

0034

次に、この第1の実施の形態の偏光光源装置で偏光光が得られる過程を、図1及び図2を参照して説明する。

0035

光源ランプ10から照射された無偏光の光24及び26は、第1の反射鏡12により反射されて無偏光の平行光28及び30(図1の34に相当)となる。光源14から出た無偏光の平行光34は偏光解消装置20を通るが、透過光36は入射光34と同じで無偏光である。この透過光36は偏光分離器16に入射し、約90°方向への反射光38及び透過光40に分離する。偏光分離器16への入射光36の入射角はブルースター角になっているので、反射光38は一般に100%近いS偏光が得られる。つまり、入射光36のP偏光成分は大部分偏光分離器16を透過する。また入射光36のS偏光成分の一部も透過する。従って、透過光40はS偏光及びP偏光が混在した光となっている。ここまでを第1過程とする。

0036

透過光40は第2の反射鏡18により反射される。この反射された光42は再度偏光分離器16に入射し、反射光44及び透過光46に分離する。このときも、偏光分離器16への入射光42の入射角はブルースター角になっているので、反射光44は100%近いS偏光である。つまり、P偏光成分は大部分偏光分離器を透過する。また入射光42のS偏光成分の一部も透過する。従って、透過光46はS偏光及びP偏光が混在した光となっているが、S偏光成分はわずかになっている。なぜならば、この実施の形態の平行平面板の分離により、上述したように、S偏光成分の光は60%が反射光として取り除かれるので、2回分離した後の透過光46には、最初のS偏光成分のうちの10〜20%しか残っていないからである。この透過光46は偏光解消装置20を通ることにより無偏光光48となる。この無偏光光48は光源14の第1の反射鏡12で反射される。つまり、図2に示すように、光源14に戻ってきた無偏光光50及び52(図1の48に相当)は第1の反射鏡12で反射されて、平行光線である無偏光光54及び56になる。ここまでを第2過程とする。

0037

この反射された無偏光光54及び56は、光源14からの無偏光光34と共に、再び第1過程に進む。また、第2過程における反射光44は100%近いS偏光であるが、第3の反射鏡22で反射される。この反射光58は、再び偏光分離器16に入射し、一部は透過してS偏光60として反射光38と共に利用光として取り出される。また、反射光62は再び第2の反射光18に向かう。ここまでを第3過程とする。この反射光62は再び第2の反射鏡18で反射され、反射光42と共に再び第2過程へ進行する。このように光源を出た光34は、第1,第2及び第3過程を繰り返し、利用光38および60であるS偏光の光量を増大させる。

0038

その結果、偏光解消装置20、第2及び第3の反射鏡18及び22がない構成と比較して、利用光38及び60の光量は約2倍増大し、波長依存性もほとんど観測されなかった。また、偏光度も99%以上であった。

0039

[第2の実施の形態]次に、第2の実施の形態の偏光光源装置の構成について、図5を参照して説明する。図5は、第2の実施の形態の偏光光源装置の構成を示す図である。

0040

第2の実施の形態の偏光光源装置は、第1の実施の形態の偏光光源装置の構成を改良した実施の形態であり、第1の反射鏡12を楕円面鏡とし、さらに、偏光解消装置20と偏光分離器16との間に、光源14から近い順に、インテグレータ92及び凸型レンズ94を配設した構造になっている。また、光源14と偏光解消装置20との間に、第4の反射鏡96を具えている。その他は、第1の実施の形態の偏光光源装置と同じなので、説明を省略する。

0041

次に、この第2の実施の形態の偏光光源装置で偏光光が得られる過程を、図5を参照して説明する。

0042

光源ランプ10から照射された光98は第1の反射鏡12で反射し、収束される(第1の反射鏡12を楕円面鏡のため)が、第4の反射鏡96により進行方向を変える(この第4の反射鏡96は、第2の実施の形態に於いては、光源に含まれる赤外線を抑制するのと、偏光光源装置全体が長くならないために用いられている)。この無偏光光100は偏光解消装置20を通るが、偏光状態光線方向は入射光100とほとんど変わらない。この偏光解消装置20を通った光102はインテグレータ92を通る。インテグレータ92を透過した広がりを持った光104は凸型レンズ94により平行光106に変換される。平行光となった光106は偏光分離器16により反射光108と透過光110とに分離される。反射光108は、第1の実施の形態と同様にS偏光の直線偏光であり、利用光として取り出される。透過光110は反射鏡18に向かう。透過光110は、第1の実施の形態と同様の過程により、第1,第2及び第3過程を繰り返し、利用光108であるS偏光の光量を増大させる。

0043

その結果、第1の実施の形態の偏光光源装置と同様に、偏光解消装置20、第2及び第3の反射鏡18及び22がない構成と比較して、利用光108の光量は約2倍増大し、波長依存性もほとんど観測されなかった。また、偏光度も99%以上であった。また、第2の実施の形態の偏光光源装置によれば、インテグレータ92、凸型レンズ94を用いた構成になっているので、大面積の偏光光を容易に得ることができる。尚、この実施の形態では、第4の反射鏡を用いたが、第4の反射鏡を用いずに、光源14から直接偏光解消装置20に入射させても良い。

0044

第1及び第2の実施の形態の偏光光源装置を用いることにより、幅広い波長範囲において、大面積で高偏光度の直線偏光ビームを低コストで得ることができる。従って、液晶分子を配向させる配向膜の偏光露光、及び液晶ライトバルブにより形成した画像を投射レンズにより拡大投射する投写型液晶表示などに用いて好適である。

0045

尚、本発明の偏光光源装置の構成は上述のものに限定されるものではなく、様々な変形例が考えられる。

0046

例えば、光源ランプ10としては、単色光を放射するものであっても良い。

0047

また、偏光分離器16として用いた平行平面板の材質は、シリカガラス以外に、LiF、MgF2又はCaF2等の等方性結晶を用いても良い。

0048

また、偏光分離器16には、ニコルプリズムグラン・トムソンプリズムウォラストンプリズム等の偏光板その他のものを用いても良い。

0049

さらに、偏光解消装置20としては、ポッケルス効果型偏光解消装置、位相子回転型偏光解消装置を用いても良い。

発明の効果

0050

以上詳細に説明したように、この発明の偏光光源装置によれば、偏光分離器を透過した光を再び光源に戻す反射鏡及び偏光解消装置を具えた構成であるので、高偏光度を持つ直線偏光を高効率で取り出せ、しかも、波長依存性が少なく、かつ、大照射面積の直線偏光を低コストで作り出すことができる。

図面の簡単な説明

0051

図1第1の実施の形態の偏光光源装置の構成を示す図である。
図2光源の構成を示す図である。
図3平行平面板の構成を示す図である。
図4くさび型偏光解消板の構成を示す図である。
図5第2の実施の形態の偏光光源装置の構成を示す図である。

--

0052

10:光源ランプ
12:第1の反射鏡
14:光源
16:偏光分離器
18:第2の反射鏡
20:偏光解消装置
22:第3の反射鏡
24、26:光源ランプからの光
28、30:第1の反射鏡で反射された光
32:直接光源から出てゆく光
34:光源からの光
36:偏光分離器への入射光
38:偏光分離器での反射光
40:偏光分離器での透過光
42:偏光分離器への入射光
44:偏光分離器での反射光
46:偏光分離器での透過光
48:偏光解消装置を出射した光
50、52:光源に戻ってきた光
54、56:第1の反射鏡で反射された光
58:偏光分離器への入射光
60:偏光分離器での透過光
62:偏光分離器での反射光
64:偏光分離器への入射光
66:平行平面板
68:偏光分離器での反射光
70:偏光分離器での透過光
72:くさび型偏光解消板
74:光学軸
76:S偏光の偏光方向
78:P偏光の偏光方向
80:くさび型偏光解消板への入射方向
82、84、86、88:光路長
90:くさび型偏光解消板と対称的な構造の媒質
92:インテグレータ
94:凸型レンズ
96:第4の反射鏡
98:光源ランプからの光
100:第4の反射鏡で反射された光
102:偏光解消装置を出射した光
104:インテグレータを出射した光
106:偏光分離器への入射光
108:偏光分離器での反射光
110:偏光分離器での透過光

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