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技術 積層パネル

出願人 住友化学株式会社
発明者 古田明寛臼井信裕北山威夫松原重義
出願日 1999年11月30日 (21年0ヶ月経過) 出願番号 1999-340101
公開日 2001年6月5日 (19年6ヶ月経過) 公開番号 2001-150587
状態 未査定
技術分野 積層体(2)
主要キーワード 低圧エアー 固化部分 金型間隔 供給ピン 供給操作 背面構造 内方位置 硬質板間
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (15)

課題

例えば金型での樹脂成形を利用することによる少ない作業工数で製造でき、かつ各層間で高い接着強度を有する積層パネルを提供する。

解決手段

積層パネル1は、接着性樹脂を含有した熱可塑性樹脂層2と、この熱可塑性樹脂層2の少なくとも一方の面に接して積層され、少なくとも表面に多孔質による孔または凹凸を有する多孔質性硬質層3とを備えている。

概要

背景

この種の従来の積層パネルの構造に関し、例えば特開平11−100851号には、発泡樹脂層せき板基板とし、このせき板基板に窯業系化粧板を積層したコンクリート型枠が開示されている。上記の窯業系化粧板は、セメント硬化物陶器あるいは磁器等からなるものとされている。

このコンクリート型枠は、これを使用して例えば建築物の壁を形成した場合に、コンクリート硬化後にも取り外すことなく、上記窯業系化粧板の表面を壁面とし、そのまま壁材として使用されるものである。

上記コンクリート型枠においては、図14に示すように、窯業系化粧板101が接着剤モルタルからなる接着剤層102により、例えば発泡樹脂からなるせき板基板103に接着されている。

概要

例えば金型での樹脂成形を利用することによる少ない作業工数で製造でき、かつ各層間で高い接着強度を有する積層パネルを提供する。

積層パネル1は、接着性樹脂を含有した熱可塑性樹脂層2と、この熱可塑性樹脂層2の少なくとも一方の面に接して積層され、少なくとも表面に多孔質による孔または凹凸を有する多孔質性硬質層3とを備えている。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
1件

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請求項1

接着性樹脂を含有した熱可塑性樹脂層と、この熱可塑性樹脂層の少なくとも一方の面に接して積層され、少なくとも表面に多孔質による孔または凹凸を有する多孔質性硬質層とを備えていることを特徴とする積層パネル

請求項2

前記熱可塑性樹脂層がオレフィン系熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の積層パネル。

請求項3

前記接着性樹脂が無水マレイン酸変性した重量平均分子量5万以下のポリプロピレンからなることを特徴とする請求項1または2に記載の積層パネル。

請求項4

前記熱可塑性樹脂層が前記接着性樹脂を0.1〜20重量%含有していることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の積層パネル。

請求項5

前記熱可塑性樹脂層が強化繊維を5〜60重量%含有していることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の積層パネル。

請求項6

前記熱可塑性樹脂層が内部に空気層を有することを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の積層パネル。

請求項7

前記空気層が中空部であることを特徴とする請求項6に記載の積層パネル。

請求項8

前記空気層が発泡層であることを特徴とする請求項6に記載の積層パネル。

技術分野

0001

本発明は、例えば住宅の壁材として使用される積層パネルに関するものである。

背景技術

0002

この種の従来の積層パネルの構造に関し、例えば特開平11−100851号には、発泡樹脂層せき板基板とし、このせき板基板に窯業系化粧板を積層したコンクリート型枠が開示されている。上記の窯業系化粧板は、セメント硬化物陶器あるいは磁器等からなるものとされている。

0003

このコンクリート型枠は、これを使用して例えば建築物の壁を形成した場合に、コンクリート硬化後にも取り外すことなく、上記窯業系化粧板の表面を壁面とし、そのまま壁材として使用されるものである。

0004

上記コンクリート型枠においては、図14に示すように、窯業系化粧板101が接着剤モルタルからなる接着剤層102により、例えば発泡樹脂からなるせき板基板103に接着されている。

発明が解決しようとする課題

0005

ところが、上記従来の構造では、窯業系化粧板101とせき板基板103とを別々に製造するとともに、後工程として、接着剤(接着剤層102)により上記両者を接着する独立した工程が必要となる。この結果、製造工程における作業工数が多くなっている。

0006

また、窯業系化粧板101とせき板基板103との接着は、窯業系化粧板101と接着剤層102との界面、およびせき板基板103と接着剤層102との界面の2箇所で行なわれているため、窯業系化粧板101とせき板基板103の間に接着のための界面が多く、窯業系化粧板101とせき板基板103との間で剥がれを生じる可能性が高くなるという問題点を有している。

課題を解決するための手段

0007

上記の課題を解決するために、本発明の積層パネルは、接着性樹脂を含有した熱可塑性樹脂層と、この熱可塑性樹脂層の少なくとも一方の面に接して積層され、少なくとも表面に多孔質による孔または凹凸を有する多孔質性硬質層とを備えていることを特徴としている。

0008

上記の構成によれば、例えば、積層パネルの成形型内に多孔質板を配した状態で熱可塑性樹脂層の成形を行うことにより、熱可塑性樹脂層の成形と同時に、この熱可塑性樹脂層と多孔質性硬質層(多孔質性硬質板)とを積層し、積層パネルを形成することができる。

0009

また、多孔質性硬質層と熱可塑性樹脂層とが積層された状態において、熱可塑性樹脂層は接着性樹脂を含有しているので、上記両者は剥がれを生じ難くなっている。

0010

しかも、多孔質性硬質層と熱可塑性樹脂層とが積層された状態において、熱可塑性樹脂層が多孔質性硬質層表面の孔または凹部に入り込んだ状態となるので、両者の物理的な結合力が増加し、両者はさらに剥がれを生じ難くなる。

0011

前記の積層パネルは、前記熱可塑性樹脂層がオレフィン系熱可塑性樹脂を含んでいる構成としてもよい。

0012

上記の構成によれば、熱可塑性樹脂層がオレフィン系熱可塑性樹脂とともに接着性樹脂を含んでいるので、オレフィン系熱可塑性樹脂単独の場合と比べて、前記熱可塑性樹脂層と多孔質性硬質層との接着力がより強くなる。

0013

前記の積層パネルは、前記接着性樹脂が無水マレイン酸変性した重量平均分子量5万以下のポリプロピレンからなる構成であってもよい。

0014

上記の構成によれば、接着性樹脂が無水マレイン酸変性した重量平均分子量5万以下のポリプロピレンからなるので、前記熱可塑性樹脂層の熱可塑性樹脂と接着性樹脂とがよく混和し、熱可塑性樹脂層と多孔質性硬質層との間に大きな接着力が生じる。

0015

前記の積層パネルは、前記熱可塑性樹脂層が前記接着性樹脂を0.1〜20重量%含有している構成であってもよい。

0016

上記の構成によれば、熱可塑性樹脂層が接着性樹脂を0.1〜20重量%含有しているので、積層パネルの成形時において、接着性樹脂により多孔質板と熱可塑性樹脂層との良好な接着性を確保し得るとともに、接着性樹脂を含有することによる熱可塑性樹脂層の物性の低下を抑制することができる。

0017

前記の積層パネルは、前記熱可塑性樹脂層が強化繊維を5〜60重量%含有している構成であってもよい。

0018

上記の構成によれば、熱可塑性樹脂層が強化繊維を5〜60重量%含有しているので、成形上の問題を生じることなく、積層パネルの強度を高めることができる。

0019

前記の積層パネルは、前記熱可塑性樹脂層が内部に空気層を有する構成であってもよい。この構成によれば、熱可塑性樹層の空気層により、積層パネルは高い断熱性を備えることができる。

0020

前記の積層パネルは、前記空気層が中空部である構成としてもよい。この構成によれば、空気層が中空部であるので、積層パネルは、高い断熱性と高い剛性とを兼ね備えることができる。

0021

前記の積層パネルは、前記空気層が発泡層である構成としてもよい。この構成によれば、空気層が発泡層であるので、積層パネルは、高い断熱性と高い剛性とを兼ね備えることができる。

発明を実施するための最良の形態

0022

本発明の実施の一形態を図1ないし図13に基づいて以下に説明する。

0023

図1に示すように、本実施の形態の積層パネル1は、熱可塑性樹脂層2と多孔質性硬質層3とが積層されたパネル構造を有している。

0024

熱可塑性樹脂層2は接着性樹脂を含有する熱可塑性樹脂からなるものである。多孔質性硬質層3は、その層中に微細な空隙(孔)を有しているものであり、その空隙は連通孔であっても独立気泡であってもよい。但し、表面には、多孔質による孔または凹凸を有している。

0025

熱可塑性樹脂を含有する熱可塑性樹脂層2と多孔質性硬質層3とは、図2に示すように、一つの界面にて接着されている。また、熱可塑性樹脂層2と多孔質性硬質層3とは、上記界面において、多孔質性硬質層3の例えば凹部3bに熱可塑性樹脂層2が入り込むことにより、接着面積が広くなり、かつアンカー効果により両者に物理的な連結が生じ、接着強度が高くなっている。

0026

上記の熱可塑性樹脂層2は、一般的な射出成形射出圧縮成形押出成形あるいはスタンピング成形等により形成することができる。熱可塑性樹脂層2の材料としては、前述のような成形法において通常使用される熱可塑性樹脂を使用することができるが、本発明においては、下記の接着性樹脂を併用する。

0027

熱可塑性樹脂層2の熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂ポリスチレンポリカーボネートアクリロニトリルスチレンブタジエンブロック共重合体ナイロンなどの一般的な熱可塑性樹脂、エチレンプロピレンブロック共重合体、スチレン・ブタジエンブロック共重合体などの熱可塑性エラストマー、あるいはこれらのポリマーアロイなどが挙げられる。

0028

熱可塑性樹脂層2が含有する接着性樹脂としては、不飽和カルボン酸不飽和カルボン酸無水物エポキシ基含有ビニルモノマー不飽和カルボン酸エステルおよびビニルエステルからなる群より選ばれる一種以上のモノマーオレフィンモノマーとの共重合体や、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸無水物でグラフト化した酸変性オレフィン系重合体等が挙げられる。

0029

前記不飽和カルボン酸としてはアクリル酸メタクリル酸等が、不飽和カルボン酸無水物としては無水マレイン酸等が、エポキシ基含有ビニルモノマーとしてはグリシジルメタクリレート等が、不飽和カルボン酸エステルとしてはメチルアクリレートエチルアクリレートメチルメタクリレートエチルメタクリレート等が、ビニルエステルとしては酢酸ビニル等が挙げられる。

0030

不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、エポキシ基含有ビニルモノマー、不飽和カルボン酸エステルおよびビニルエステルからなる群より選ばれる一種以上のモノマーとオレフィンモノマーとの共重合体としては、エチレン/(メタアクリル酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体金属架橋物、エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/グリシジルメタクリレート/酢酸ビニル共重合体、エチレン/グリシジルメタクリレート/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸エステル無水マレイン酸共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。

0031

不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸無水物でグラフト化した酸変性オレフィン系重合体としては、無水マレイン酸グラフト変性エチレン系共重合体、無水マレイン酸グラフト変性プロピレン系重合体などが挙げられる。

0032

具体的にどの接着性樹脂を使用するかは、用いられる熱可塑性樹脂層2と多孔質性硬質層3の材質等によって、適宜決定される。

0033

上記接着性樹脂の配合量は、熱可塑性樹脂層2と多孔質性硬質層(多孔質性硬質板)3とを接着させることが可能であれば特に限定されないが、熱可塑性樹脂層2と多孔質性硬質層3との目的とする接着強度、製品性能等によって適宜選択され、好ましくは熱可塑性樹脂層2中に0.1〜20重量%の接着性樹脂が含有されるように設定される。

0034

このように接着性樹脂を熱可塑性樹脂層2が含有することにより、熱可塑性樹脂層2と多孔質性硬質層3との良好な接着強度を得ることができるとともに、接着性樹脂を含有することによる熱可塑性樹脂層の物性の低下を抑制することができる。

0035

即ち、熱可塑性樹脂層に含まれる接着性樹脂が0.1重量%よりも少ない場合、所望の接着強度が得られない一方、20重量%よりも多い場合、熱可塑性樹脂層の物性が低下する。したがって、接着性樹脂の含有量を上記の範囲とすることにより、このような問題を生じることなく、接着性樹脂を含有することの利点を得ることができる。

0036

また、このような樹脂は、タルクマイカ繊維などの充填材顔料滑剤帯電防止剤酸化防止剤などの通常使用される各種の添加剤を含有していてもよい。

0037

多孔質性硬質層3は、積層パネル1が例えば建築物の壁材や打込み型のコンクリート型枠として適用される場合、積層パネル1に高い曲げ剛性を付与し得るものとなる必要がある。したがって、多孔質性硬質層3としては、例えばJISA1408に規定される建築用ボード類の曲げ試験方法において、5号試験体(200×150mm)を用いた試験での曲げ破壊荷重が10N(1kgf)以上の硬さのものが好ましく用いられる。

0038

多孔質性硬質層3の厚みは、1〜50mmの範囲が好ましく、形状は、板状であり、例えば、外周部にフランジを有するものや、穴あるいは凹凸を有するものであってもよい。

0039

多孔質性硬質層3の材質としては、建築物の外装材あるいは内装材として適する材質が好ましく用いられる。一般には、珪酸カルシウム系、セメント系、石膏系、あるいは焼成して得られる陶器、磁器などが使用可能であり、好ましくは鉱物原料とした無機系の材質が用いられる。また、珪酸カルシウム系、セメント系、石膏系材料パルプガラス繊維などの補強繊維を添加したものも用いることができる。また、目的に応じて断熱性能不燃性能、あるいは遮音吸音性能電磁波障害対策性能を有する多孔質性硬質層3を積層することにより、積層パネル1に様々な機能を付加することができる。

0040

多孔質性硬質層3としては、板を構成する粒子あるいは繊維などが極性を有するもの、あるいはそれらの表面に水酸基または水分子が存在するものが好ましい。このような多孔質性硬質層3を使用した場合には、上記極性、水酸基あるいは水分子によって熱可塑性樹脂層2の接着性樹脂と多孔質性硬質層3との間に化学的な接着力が生じ、多孔質性硬質層3と熱可塑性樹脂層2との接着がさらに強固なものとなる。

0041

積層パネル1を構成する上での以上の各材料例において、最も好ましい組合せの例の一つは次のとおりである。

0042

熱可塑性樹脂層2:ポリプロピレン+無水マレイン酸変性ポリプロピレン(接着性樹脂)
多孔質性硬質層3:珪酸カルシウム板あるいは石膏ボード
また、積層パネル1の用途別での好ましい組合せ例は、次のとおりである。
・積層パネル1を打込み型コンクリート型枠として使用する場合
熱可塑性樹脂層2:ポリプロピレン+無水マレイン酸変性ポリプロピレン(接着性樹脂)
多孔質性硬質層3:珪酸カルシウム板あるいは石膏ボード
・積層パネル1をユニットバスの壁として使用する場合
熱可塑性樹脂層2:ポリプロピレン+無水マレイン酸変性ポリプロピレン(接着性樹脂)
多孔質性硬質層3:表面に化粧加工を施した珪酸カルシウム板

0043

多孔質性硬質層3の表面には、図3に示すように、印刷化粧紙の貼り付け、塗装吹付け合成樹脂フイルムシートの貼り付け、あるいは凹凸模様転写などにより加飾(加飾部3a)が施されていてもよい。この加飾の有無、あるいは加飾を施す場合のその種類等は、使用する場合の用途、目的によって適宜選択することができる。多孔質性硬質層3の表面に加飾、即ち化粧加工を施した場合には、積層パネル1の意匠性を高めることができ、壁などを施工する際の後加工を削減することが可能となる。また、多孔質性硬質層3に防水機能防カビ防虫機能、あるいは不燃機能を有する加飾を設けることにより、積層パネル1に様々な機能を付加することができる。

0044

多孔質性硬質層3は、図4に示す積層パネル11のように、熱可塑性樹脂層2の両面に積層されることが意匠性の面から好ましいものの、図1に示した積層パネル1のように、熱可塑性樹脂層2の両面のうちの少なくとも一方、あるいは表面の少なくとも一部に積層されていればよい。なお、これらは用途に応じて適宜選択される。また、多孔質性硬質層3には穴などの開口部や切り欠きが形成されていてもよく、特に形状は制限されない。

0045

また、積層パネル1(他の積層パネルも含む。以下、同様)において、熱可塑性樹脂層2に積層される多孔質性硬質板(多孔質性硬質層3)は、1枚状のものでもよいし、熱可塑性樹脂層2の同一面上に並べて積層された複数枚からなるものであってもよい。

0046

上記の複数枚からなる多孔質性硬質板の場合、それらは互いに同材質のもの、あるいは異材質のものの何れであってもよく、形状や厚みも互いに同じものあるいは異なるものであってもよい。

0047

また、熱可塑性樹脂層2は、中身の詰まった中実構造であってもよいし、内部に空気層を有していてもよい。この空気層としては、発泡構造でも、図5に示す積層パネル12のように、中空構造、即ち中空部(空気層)2aを有するものであってもよい。このように、熱可塑性樹脂層2が空気層を有する構造とすることにより、積層パネル12は断熱機能が付加され、あるいは剛性を高めることが可能となる。

0048

このような点は、図6に示すように、熱可塑性樹脂層2に中空部2aを有し、熱可塑性樹脂層2の両面に多孔質性硬質層3が積層された積層パネル13においても同様である。

0049

また、積層パネル1においては、多孔質性硬質層3が設けられていない部分、例えば外周部、あるいは多孔質性硬質層3の切欠き部あるいは開口部に対応する部分等に、熱可塑性樹脂層2のリブボス、あるいは他の部材と連結するためのフック部やジョイント部などを有していてもよい。また、積層パネル1同士を組み合わせた時に隣接する積層パネル1を嵌合するための嵌合部を積層パネル1の外側面に設けてもよい。

0050

上記のように、熱可塑性樹脂層2にリブを設けた場合には、積層パネル1の剛性を高めることができる。また、多孔質性硬質層3のみからなる従来のパネルでは、それら同士の組み付けに多くの工数を要していたが、熱可塑性樹脂層2と多孔質性硬質層3との積層体からなる積層パネル1では、熱可塑性樹脂層2にフックやジョイント、嵌合部を設けることによって建て込み時の目違いを防止し、施工の効率を向上させることができる。

0051

本発明の積層パネルの製造に使用される製造装置は、例えば図7(a)に示す金型21を備えている。この金型21は、上型22と下型23からなり、上型22には例えば2本の吸引通路26が形成されている。この吸引通路26は、キャビティ内を吸引する際に使用されるものであり、キャビティ側の端部は上型22の下面に開口している。吸引通路26には、キャビティ内空気の吸引動作を行う吸引装置(図示せず)が接続されている。

0052

下型23には、キャビティ内に溶融状熱可塑性樹脂を供給するための樹脂通路24と、上記溶融状熱可塑性樹脂内に圧縮流体、例えば圧縮空気を供給するための流体通路25とが形成されている。上記樹脂通路24には、溶融状熱可塑性樹脂を供給する樹脂供給装置(図示せず)が接続され、流体通路25には、空気供給装置が接続されている。

0053

次に、上記の積層パネルの製造方法を図7ないし図10に基づいて説明する。先ず、熱可塑性樹脂層2の片面に多孔質性硬質層3が積層されている積層パネル1、12の製造方法について説明する。

0054

先ず、図7(a)に示すように、下型23に対して上型22が開いた状態に金型21を型開きし、この状態において、図7(b)に示すように、下型23上に多孔質性硬質層3となる多孔質性硬質板6を配する。

0055

次に、図7(c)に示すように、上型22を降下させて金型21内にキャビティを形成した状態において、樹脂通路24を通じて下型23の上面と多孔質性硬質板6との間に溶融状熱可塑性樹脂2’を供給する。

0056

次に、図7(d)に示すように、型締めを行い、溶融状熱可塑性樹脂2’を賦形する。また、型締めの開始と同時に、吸引通路26に接続された吸引装置を作動させ、多孔質性硬質板6の水分を吸引し、この水分を金型21外に排出する。

0057

以上の工程によって熱可塑性樹脂層2内に中空部(空気層)2aを有していない積層パネル1が製造される。この積層パネル1の製造を目的とする場合には、この段階で作業を終了し、その後、金型21を開き、製造された積層パネル1を取り出す。また、熱可塑性樹脂層2内に中空部2aを有する積層パネル12を製造する場合には、図1(d)の工程に続いて以下の工程を行う。

0058

図8(a)に示すように、流体通路25を通じて溶融状熱可塑性樹脂2’内に圧縮流体として例えば空気を送り込む。これによって、図8(b)に示すように、熱可塑性樹脂層2内に中空部2aが形成される。

0059

その後、金型21を開き、熱可塑性樹脂層2の片面に多孔質性硬質層3が積層され、かつ内部に中空部2aを有する構造の積層パネル12を金型21内から取り出す。

0060

次に、熱可塑性樹脂層2の両面に多孔質性硬質層3が積層されている積層パネル11、13の製造方法について説明する。

0061

先ず、図9(a)に示すように、下型23に対して上型22が開いた状態に金型21を型開きし、この状態において、図9(b)に示すように、下型23上に多孔質性硬質層3となる多孔質性硬質板5、6を配する。下側の多孔質性硬質板5には、多孔質性硬質板5・6間に樹脂通路24を連通させるための切欠き部5aと流体通路25を連通させるための切欠き部5bとが形成されている。

0062

次に、図9(c)に示すように、上型22を降下させて金型21内にキャビティを形成した状態において、樹脂通路24を通じて多孔質性硬質板5と多孔質性硬質板6との間に溶融状熱可塑性樹脂2’を供給する。

0063

次に、図9(d)に示すように、型締めを行い、溶融状熱可塑性樹脂2’を賦形する。また、型締めの開始と同時に、吸引通路26に接続された吸引装置を作動させ、多孔質性硬質板6の水分を吸引し、この水分を金型21外に排出する。

0064

以上の工程によって熱可塑性樹脂層2内に中空部(空気層)2aを有していない積層パネル11が製造される。この積層パネル11の製造を目的とする場合には、この段階で作業を終了し、その後、金型21を開き、製造された積層パネル11を取り出す。また、熱可塑性樹脂層2内に中空部2aを有する積層パネル13を製造する場合には、さらに以下の工程を行う。

0065

図10(a)に示すように、流体通路25を通じて溶融状熱可塑性樹脂2’内に圧縮流体として例えば空気を送り込む。これによって、図10(b)に示すように、熱可塑性樹脂層2内に中空部2aが形成される。

0066

その後、金型21を開き、熱可塑性樹脂層2の両面に多孔質性硬質層3が積層され、かつ内部に中空部2aを有する構造の積層パネル13を金型21内から取り出す。

0067

なお、上記の製造方法において、溶融状熱可塑性樹脂2’内に空気を送り込んで中空部2aを形成する際には(例えば図2(a)(b)の工程)、空気の注入に伴って上型22を上昇させている。このときには、多孔質性硬質板6が上型22の下面に吸着され、上型22の上昇に伴って上昇するので、中空部2aの形成を円滑かつ良好に行うことができる。

0068

上記積層パネルの製造方法については、熱可塑性樹脂層2の成形と同時にその熱可塑性樹脂層2に多孔質性硬質層3となる多孔質性硬質板を貼り合わせる方法であれば特に限定されず、射出成形、射出圧縮成形、圧縮成形押し出し成形、あるいはブロー成形など、一般的に熱可塑性樹脂の成形に用いられている積層方法を適用可能である。多用される積層方法は、上述したように、多孔質性硬質板を雌雄一対(上型22と下型23との一対)のキャビティ内に配置し、次いで溶融状熱可塑性樹脂を供給し、賦形し、積層するものである。この場合におけるキャビティ内への溶融状熱可塑性樹脂2’の供給方法としては、供給された溶融状熱可塑性樹脂を不必要に冷却させないためにも、例えば図7(c)に示したように、金型21に設けた樹脂通路24を経由して直接キャビティ内に射出供給する方法が好ましいが、型締めを溶融状熱可塑性樹脂2’の供給完了後に行う場合には樹脂供給ノズルなどを備えた外部供給手段によって金型内に供給する方法であってもよく、これらの方法が適宜採用される。

0069

また、他の方法としては、溶融状熱可塑性樹脂2’を予め型締めされた金型21内に射出供給する方法でもよい。さらに、未閉鎖の金型21に溶融状熱可塑性樹脂を供給し、この樹脂の供給完了後に金型21の型締めを開始して金型21を閉じ、予め設定された加圧力で型締めすることにより溶融状熱可塑性樹脂2’を加圧してキャビティ内に押し広げる方法でもよい。

0070

また、溶融状熱可塑性樹脂2’の供給中に型締めを開始したり、あるいは連続的な型締め動作中に溶融状熱可塑性樹脂2’の供給を開始して、金型21を閉じる動作と溶融状熱可塑性樹脂2’の供給動作とを並行して行い、型締め完了と同時または型締めが完了する前に溶融状熱可塑性樹脂2’の供給が完了するようにしてもよい。

0071

また、熱可塑性樹脂層2の一方の面にのみ多孔質性硬質層3が積層された構成の積層パネルを得る場合には、少なくとも金型(下型23)と多孔質性硬質板6との間に溶融状熱可塑性樹脂2’を供給することにより、多孔質性硬質板6上への樹脂の乗り上げ等の不具合を防ぐことができる。

0072

また、熱可塑性樹脂層2の両面に多孔質性硬質層3を積層する構成の場合には、少なくとも2枚の多孔質性硬質板5、6の間に溶融状熱可塑性樹脂を供給することにより、多孔質性硬質板6上への樹脂の乗り上げ等の不具合を防ぐことができる。このとき、金型21に設けた樹脂通路24を経由して直接2枚の多孔質性硬質板5、6間に溶融状熱可塑性樹脂2’を供給する場合には、前述のように、多孔質性硬質板5に樹脂供給口と同等以上の切欠き部5a(開口部)を設け、その切欠き部5aを通じて2枚の多孔質性硬質板5、6間に溶融状熱可塑性樹脂2’を供給することが好ましい。

0073

さらに好ましくは、多孔質性硬質板6の裏面側のほぼ中央に溶融状熱可塑性樹脂2’を供給することにより、多孔質性硬質板6の位置ずれや多孔質性硬質板6の破損を防ぐことができる。なお、溶融状熱可塑性樹脂2’を多孔質性硬質板6の裏面のほぼ中央に供給するには、多孔質性硬質板6のほぼ中央の1点に供給する他、多孔質性硬質板6の裏面側の2点以上に供給された溶融状熱可塑性樹脂2’が一体化して中央部付近に供給されるようにしてもよい。

0074

また、熱可塑性樹脂層2に対し多孔質性硬質板6を積層する位置が例えば積層パネル1全体の中で偏った位置である場合には、溶融状熱可塑性樹脂2’の供給は、多孔質性硬質板6の裏面のほぼ中央のみならず、溶融状熱可塑性樹脂2’の流れのバランスがとれる位置でも行なうことが好ましい。なお、溶融状熱可塑性樹脂2’を多孔質性硬質板6の裏面における2ヶ所以上の位置に供給する場合には、樹脂2’が多孔質性硬質板6の表面と金型面との間にもぐり込まないようにするために、各供給樹脂量を多孔質性硬質板6の大きさ、形状、供給位置の間隔等に応じて調整することが必要である。

0075

また、溶融状熱可塑性樹脂2’の供給に先立って、前述のように多孔質性硬質板5、6(特に多孔質性硬質板6)を金型面に吸引により、あるいは粘着剤粘着テープ等により保持させてもよい。このように金型面に多孔質性硬質板を保持することによって多孔質性硬質板(多孔質性硬質層3)の割れなどの不具合を防ぐことができる。

0076

また、賦形完了後には、所定の加圧面圧(型締力を積層パネルの投影面積で割ったもの)で熱可塑性樹脂層2を加圧、冷却して、積層パネルを得ている。この場合には、同一の加圧面圧にて加圧を継続してもよいし、加圧中に加圧面圧を適宜変化させてもよい。例えば、溶融状熱可塑性樹脂の賦形完了から所定時間の経過後には加圧面圧を低下させることによって、多孔質性硬質板の破損をさらに確実に防ぐことができる。

0077

また、ほぼ製品厚みに型締めした金型間に溶融状熱可塑性樹脂を供給する場合にも、所定の加圧面圧で加圧、冷却して成形体を得てもよい。あるいは、そのままの型閉め位置から型締めせずに、ほぼ無負荷の状態で冷却を行うことにより、多孔質性硬質板に過剰な圧力をかけず、多孔質性硬質板の破損を防ぐようにしてもよい。

0078

上記の加圧面圧は、成形品の大きさや成形条件によっても異なるが、溶融状熱可塑性樹脂を金型のキャビティ間に拡げて賦形させる時には通常0.3〜15MPaとし、所定の時間の経過後には通常0〜10MPaに低下させており、このように設定するのが好ましい。加圧面圧を変化させるタイミングとしては、型締めによる賦形完了後から、成形品を取出すまでの任意の時間が適宜選択されるが、好ましくは型締めによる賦形完了1秒後から20秒の間である。

0079

熱可塑性樹脂層2中に中空部2aを形成する方法としては、一般的な熱可塑性樹脂の中空成形方法が適用できる。例えば、熱可塑性樹脂の賦形完了後、熱可塑性樹脂の未固化部分の少なくとも一部に、圧縮流体を供給し、中空部2aを形成する。この際、一部を可動とした金型21のその可動部を移動させることにより中空部2aを形成してもよいし、金型21の間隔(上型22と下型23との間隔)を増大させることにより、熱可塑性樹脂層2中に中空部2aを形成するようにしてもよい。

0080

また、熱可塑性樹脂層2中には、空気層として発泡層を形成してもよい。この場合には、発泡剤を含有した熱可塑性樹脂を用いて発泡層を形成してもよいし、上記中空部2aを一旦形成した後、金型21内において、あるいは成形品を取出した後に、中空部2aに発泡剤を含有する熱可塑性樹脂を注入して発泡層を形成してもよい。その際、注入する熱可塑性樹脂は、熱可塑性樹脂層2を形成する材料と同じ材料でもよいし、異なる材料でもよい。また、中空部2aにジイソシアネートジオール混合液を注入してウレタン発泡を行ってもよい。このように、積層パネル1に空気層を形成することにより、積層パネル1の剛性を高めることや、積層パネル1の断熱性を高めることが容易に可能となる。

0081

空気層として中空部2aを形成する場合に溶融状熱可塑性樹脂2’に注入される圧縮流体としては、一般的には圧縮気体が多いものの、液体でもよい。即ち、上記圧縮流体として空気、窒素二酸化炭素などの圧縮気体が一般的であるものの、溶融状熱可塑性樹脂2’の熱により容易に気化する液化炭酸ガスや水等の液体も用いることができる。圧縮気体は1MPa以上の高圧ガスであってもよいし、1MPa未満の低圧ガスであってもよいが、製造コストの点からは後者が好ましい。また、圧縮気体の注入圧力は、注入開始から終了まで一定であってもよいし、注入中に任意に変化させてもよい。

0082

上記の圧縮流体を供給するタイミングは、キャビティ内に供給された溶融状熱可塑性樹脂2’がキャビティ内の圧縮流体注入口(流体通路25)に到達した後、中空部2aを形成することが可能である間なら特に限定されない。圧縮流体の供給のし易さの点から、好ましくは、溶融状熱可塑性樹脂2’の賦形完了後1秒から20秒の間である。

0083

圧縮流体の供給は、圧縮流体の供給開始後、溶融状熱可塑性樹脂2’が金型内で冷却、固化されるまでの間において連続的に行ってもよいし、断続的に行ってもよい。また、中空部2aが形成された後は、溶融状熱可塑性樹脂2’を冷却固化させている途中で流体の供給を停止して圧力を保持するような形態でもよい。

0084

上記圧縮流体の供給は、一箇所のみから行なう必要はなく、成形品の形状や大きさなど必要に応じて適宜複数個所から行なってもよい。また、溶融状熱可塑性樹脂2’への圧縮流体の供給は、溶融状熱可塑性樹脂2’のどの部分から行なってもよい。即ち、溶融状熱可塑性樹脂2’への圧縮流体の供給は、溶融状熱可塑性樹脂2’の多孔質性硬質層3が積層さていない部分から行ってもよいし、多孔質性硬質層3に圧縮流体供給用の開口部を設け、その開口部から行なってもよい。

0085

熱可塑性樹脂に供給した圧縮流体は、圧縮流体の供給開始と同時、または供給開始後に、金型21内へ供給しながら金型21内の成形品の一部分から放出するとともに、中空部2a内を循環させてもよい。これによって熱可塑性樹脂の冷却が促進されて成形サイクルを短縮することができる。

0086

溶融状熱可塑性樹脂2’からの圧縮流体の放出方法としては、多点から圧縮流体の供給操作を行い、圧縮流体の供給圧力に差を設けて圧力の低い方から流体が放出されるようにしてもよいし、放出専用の媒体放出口を設けてもよい。あるいは圧縮流体を供給した供給口から放出するようにしてもよく、この場合には圧縮流体の供給と放出とを繰り返し行ってもよい。これら圧縮流体の放出方法は、適宜選択でき、特に限定されない。

0087

圧縮流体を放出するタイミングは、圧縮流体の供給開始と同時でも、圧縮流体の供給開始から一定時間経過後でもよい。もちろん、圧縮流体の供給と放出を並行して行ってもよいし、これらを交互に行ってもよく、また、圧縮流体の供給終了後にも圧縮流体の放出を継続してもよい。

0088

また、圧縮流体を供給するための部材としては、通常の熱可塑性樹脂の中空成形に用いられる供給部材が用いられるものの、特に限定されず、固定あるいは可動式の圧縮流体供給ピン多孔質部材が用いられる。

0089

また、前述のように、圧縮流体の供給と並行して、一部を可動とした金型のその可動部を移動させ、金型の間隔(上型22と下型23との間隔)、即ちキャビティ空間を拡大させて中空部2aを形成する場合、キャビティ空間を増大させるタイミングは、キャビティ空間の増大により中空部2aを形成可能な時期なら特に制限されず、圧縮流体の供給開始後、任意のタイミングで行うことができる。好ましくは、中空部2aの形成のし易さの点から、圧縮流体の供給開始後1秒から20秒のタイミングである。このタイミングは、成形品の大きさ、成形条件、流体圧力、キャビティ空間の増大量等によって適宜選択される。

0090

また、金型21に供給される溶融状熱可塑性樹脂2’の温度、供給圧力、供給速度、溶融状熱可塑性樹脂2’の供給時の金型間隔圧縮速度型締速度)、金型温度などの本発明に特定されない各種の成形条件は、使用樹脂の種類、金型形状、積層パネルの大きさなどに応じて適宜選択され、本発明において特に限定されるものではない。

0091

また、以上の積層パネルは、図11ないし図13に示す打込み型コンクリート型枠31に適用することができる。ここでは、図1に示した積層パネル1および図5に示した積層パネル12を適用した場合について例示する。

0092

この打込み型コンクリート型枠31は、図11(a)(b)に示すように、熱可塑性樹脂層2に相当する型枠部材32と多孔質性硬質層3との積層体からなる。

0093

型枠部材32は、せき板部34と枠板状リブ35とリテーナ係合部36とを備えている。せき板部34は型枠部材32の平板部分を構成する。枠板状リブ35は、せき板部34の背面から所定の立ち上がり高さで立ち上がった形状を有する。枠板状リブ35は、せき板部34の外形に対応した長方形枠状をなし、せき板部34の全外周に沿うように形成され、せき板部34を補強している。リテーナ係合部36は、せき板部34の背面における枠板状リブ35の内方位置に、突起状に多数個設けられている。各リテーナ係合部36には、リテーナ37(図12(a)参照)の端部を嵌入するための、3個のリテーナ嵌合孔6a…が形成されている。

0094

多孔質性硬質層3としては、例えば断熱材あるいは防火材を使用することができる。断熱材としては、発泡珪酸カルシウム板を例示できる。防火材としては、珪酸カルシウム板を例示できる。

0095

打込み型コンクリート型枠31は、図12(a)(b)に示すリテーナ37により連結される。このリテーナ37は、例えば2枚の打込み型コンクリート型枠31・31を背面同士が対向する状態に配置したときに、両打込み型コンクリート型枠31・31同士の間隔を所定の距離に保持するものである。このとき、リテーナ37の一方の端部は一方の型枠部材32におけるリテーナ係合部36のリテーナ嵌合孔36aに嵌入され、同様に、他方の端部は他方の型枠部材32におけるリテーナ係合部36のリテーナ嵌合孔36aに嵌入される。これにより、両打込み型コンクリート型枠31・31は、両者の対向方向の内側および外側に倒れることなく、所定の間隔に保持される。

0096

この状態において、2枚の打込み型コンクリート型枠31・31間にコンクリートが打ち込まれると、各リテーナ37は完全にコンクリート内に埋設され、打込み型コンクリート型枠31も背面側がコンクリートに埋設された状態となる。この打込み型コンクリート型枠31は、コンクリートの硬化後にも取り外すことなく、例えば壁材としてそのまま使用される。

0097

また、打込み型コンクリート型枠31の断面は、図13(a)あるいは図13(b)に示すものとなっている。前者は積層パネル1に対応するものであり、後者は積層パネル12に対応するものである。図13(b)に示す構成では、せき板部34に前記中空部2aに相当する中空部34aが形成されている。

0098

上記のような打込み型コンクリート型枠31の構成では、多孔質性硬質層3を有しているので、コンクリート打設後において、多孔質性硬質層3が予めコンクリート壁面に設けられている状態となる。即ち、予め工場において、多孔質性硬質層3を型枠部材32に積層する作業を効率良く行なっておくことにより、この作業に不向きな例えば建築現場での多孔質性硬質層3の施工工程を省略することができる。

0099

本発明の積層パネルでは、熱可塑性樹脂層2と多孔質性硬質層3とを工程を増やすことなく強固に接着することができる。また、従来の熱可塑性樹脂層のみ、あるいは多孔質性硬質層のみからなるパネルでは得られなかった機能、性能を付加し、かつ施工性がよく、割れにくい積層パネルを提供することができる。そしてこの積層パネルは、特に建築用のパネル、ボード、あるいはコンクリート打ち込み型枠として好適に利用することができる。

0100

本発明の実施例を以下に説明する。なお、以下の説明においては図7ないし図10を参照することができる。また、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、射出成形、射出圧縮成形、圧縮成形、スタンピング成形にも適用可能であることは言うまでもない。

0101

〔実施例1〕雌雄(上下)一対の未閉鎖の金型21の下型23上に、所定の形状に切断された、多孔質性硬質層3としての珪酸カルシウム板(浅野スレート(株)製、ハイラックN #80、厚み:5mm)を載置した。

0102

次に、上型22を20mm/secの速度で降下させ、型締めを行った。このとき、上型22と下型23の金型クリアランスが20mmの位置で型締めを一旦停止した。この位置でポリプロピレン84.5重量部(住友化学工業(株)製、住友ノーブレンAX568、メルトフローインデックス65g/10min)と、ガラス繊維15重量部(日本板硝子(株)製 RES03X−TP69A、繊維長3mm、繊維径13μm)と、変性剤0.5重量部(三洋化成工業(株)製、ユーメックス1001)とを混練した溶融状熱可塑性樹脂2’を260℃で下型23に設けた樹脂通路24から珪酸カルシウム板と下型23との間に供給した。

0103

溶融状熱可塑性樹脂2’の供給完了後、型締め動作を再開して上型22を再下降させ、1MPaの成形圧力で加圧賦形する。その後、60秒間加圧冷却し、熱可塑性樹脂層2と珪酸カルシウム板との接着性が良好な積層パネルを得た。

0104

〔実施例2〕実施例1に記載の方法において、上下型22・23の間に2枚の珪酸カルシウム板を重ね合わせて載置し、下型23と接する側の珪酸カルシウム板に開口部を設け、この開口部を通じて下型23に設けた樹脂通路24から2枚の珪酸カルシウム板間に溶融状熱可塑性樹脂2’を供給した。この処理以外は、実施例1と同様にして成形を行った。その結果、熱可塑性樹脂層2の両面に珪酸カルシウム板を有する積層パネルを得る。この積層パネルは、熱可塑性樹脂層2と両珪酸カルシウム板とが良好に接着されたものであった。

0105

〔実施例3〕実施例2に記載の方法において、下型23にエアー供給用の切欠き部を設けた珪酸カルシウム板を載置して溶融状熱可塑性樹脂2’の賦形を行った。この賦形完了から2秒後に、下型23に設けた8個所の流体通路25から0.6MPaの低圧エアーを供給した。次に、エアー供給開始から10秒後に上型22を8mm上昇させ、60秒間冷却した後、成形品の取出しのための型開き開始5秒前にエアーの供給を停止した。以上の処理以外は前記実施例2と同様の処理を行った。その結果、熱可塑性樹脂層2に中空部2aを有する積層パネルを得た。この積層パネルは、熱可塑性樹脂層2と珪酸カルシウム板とが良好に接着されたものであった。

発明の効果

0106

以上のように、本発明の積層パネルは、接着性樹脂を含有した熱可塑性樹脂層と、この熱可塑性樹脂層の少なくとも一方の面に接して積層され、少なくとも表面に多孔質による孔または凹凸を有する多孔質性硬質層とを備えている構成である。

0107

これにより、例えば、積層パネルの成形型内に多孔質板を配した状態で熱可塑性樹脂層の成形を行うことにより、熱可塑性樹脂層、即ち積層パネルの成形と同時に多孔質性硬質層(多孔質性硬質板)と熱可塑性樹脂層とを積層することができる。

0108

また、多孔質性硬質層と熱可塑性樹脂層とが積層された状態において、熱可塑性樹脂層は接着性樹脂を含有しているので、上記両者は剥がれを生じ難くなっている。

0109

しかも、多孔質性硬質層と熱可塑性樹脂層とが積層された状態において、熱可塑性樹脂層が多孔質性硬質層表面の孔または凹部に入り込んだ状態となるので、両者の物理的な結合力が増加し、両者はさらに剥がれを生じ難くなる。

0110

前記の積層パネルは、前記熱可塑性樹脂層がオレフィン系熱可塑性樹脂を含んでいる構成としてもよい。

0111

上記の構成によれば、熱可塑性樹脂層がオレフィン系熱可塑性樹脂とともに接着性樹脂を含んでいるので、オレフィン系熱可塑性樹脂単独の場合と比べて、前記熱可塑性樹脂層と多孔質性硬質層との接着力がより強くなる。

0112

前記の積層パネルは、前記接着性樹脂が無水マレイン酸変性した重量平均分子量5万以下のポリプロピレンからなる構成であってもよい。

0113

上記の構成によれば、接着性樹脂が無水マレイン酸変性した重量平均分子量5万以下のポリプロピレンからなるので、前記熱可塑性樹脂層の熱可塑性樹脂と接着性樹脂とがよく混和し、熱可塑性樹脂層と多孔質性硬質層との間に大きな接着力が生じる。

0114

前記の積層パネルは、前記熱可塑性樹脂層が前記接着性樹脂を0.1〜20重量%含有している構成であってもよい。

0115

これにより、積層パネルの成形時において、接着性樹脂により多孔質板と熱可塑性樹脂層との良好な接着性を確保し得るとともに、接着性樹脂を含有することによる熱可塑性樹脂層の物性の低下を抑制することができる。

0116

前記の積層パネルは、前記熱可塑性樹脂層が強化繊維を5〜60重量%含有している構成であってもよい。

0117

これにより、成形上の問題を生じることなく、積層パネルの強度を高めることができる。即ち、熱可塑性樹脂層における強化繊維の含有量が、上記の範囲よりも少ない場合、強化繊維を含有することによる強度の向上効果が得られず、また、上記の範囲よりも多い場合、強化繊維の量が多過ぎて、良好な成形を行い難くなり、成形上に問題を生じる。したがって、強化繊維の含有量を上記の範囲とすることにより、このような問題を生じることなく、積層パネルの強度を高めることができる。

0118

前記の積層パネルは、前記熱可塑性樹脂層が内部に空気層を有する構成であってもよい。この構成によれば、熱可塑性樹層の空気層により、積層パネルは高い断熱性を備えることができる。

0119

前記の積層パネルは、前記空気層が中空部である構成としてもよい。この構成によれば、空気層が中空部であるので、積層パネルは、高い断熱性と高い剛性とを兼ね備えることができる。

0120

前記の積層パネルは、前記空気層が発泡層である構成としてもよい。この構成によれば、空気層が発泡層であるので、積層パネルは、高い断熱性と高い剛性とを兼ね備えることができる。

図面の簡単な説明

0121

図1本発明の実施の一形態の積層パネルの構成を示す断面図である。
図2図1に示した積層パネルにおける各層の接合部の構造を示す断面図である。
図3図1に示した積層パネルにおいて、多孔質性硬質層の表面に加飾部を有する構成を示す断面図である。
図4図1に示した積層パネルの他の例を示すものであって、熱可塑性樹脂層の両面に多孔質性硬質層を有する積層パネルの断面図である。
図5図1に示した積層パネルの他の例を示すものであって、熱可塑性樹脂層内に中空部(空気層)を有する積層パネルの断面図である。
図6図1に示した積層パネルの他の例を示すものであって、熱可塑性樹脂層の両面に多孔質性硬質層を有し、かつ熱可塑性樹脂層内に中空部(空気層)を有する積層パネルの断面図である。
図7図7(a)は、本発明の実施の一形態の積層パネルの製造に使用する金型例において、この金型の型開きの状態を示す断面図、図7(b)は、熱可塑性樹脂層の片面に多孔質性硬質層が積層された積層パネルを製造する場合に、金型に多孔質性硬質板をセットする工程を示す断面図、図7(c)は下型と多孔質性硬質板との間に溶融状熱可塑性樹脂を供給する工程を示す断面図、図7(d)は、型締め、賦形工程を示す断面図である。
図8図8(a)は、図7(d)に続く製造工程であって、熱可塑性樹脂層への空気注入工程を示す断面図、図8(b)は、中空部の形成に伴う上型上昇工程を示す断面図である。
図9図9(a)は、本発明の実施の一形態の積層パネルの製造に使用する金型例において、この金型の型開きの状態を示す断面図、図9(b)は、熱可塑性樹脂層の両面に多孔質性硬質層が積層された積層パネルを製造する場合に、金型に2枚の多孔質性硬質板をセットする工程を示す断面図、図9(c)は2枚の多孔質性硬質板間に溶融状熱可塑性樹脂を供給する工程を示す断面図、図9(d)は、型締め、賦形工程を示す断面図である。
図10図10(a)は、図9(d)に続く製造工程であって、熱可塑性樹脂層への空気注入工程を示す断面図、図10(b)は、中空部の形成に伴う上型上昇工程を示す断面図である。
図11図11(a)は、本発明の積層パネルが適用された打込み型コンクリート型枠の背面構造を示す斜視図、図11(b)は、同表面構造を示す斜視図である。
図12図12(a)は、図11(a)に示した打込み型コンクリート型枠の使用状態を示す斜視図、図12(b)は、同縦断面図である。
図13図13(a)は、図1に示した積層パネルに対応する打込み型コンクリート型枠を示す断面図、図13(b)は、図5に示した積層パネルに対応する打込み型コンクリート型枠を示す断面図である。
図14従来の積層パネルを示す断面図である。

--

0122

1積層パネル
2熱可塑性樹脂層
3多孔質性硬質層
5 多孔質性硬質板
6 多孔質性硬質板
11 積層パネル
12 積層パネル
13 積層パネル
21金型
22上型
23下型
24樹脂通路
25流体通路
26 吸引通路

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