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技術 調味料

出願人 宝ホールディングス株式会社
発明者 横山定治福井裕鳥居数敏川北貞夫
出願日 1999年11月24日 (20年3ヶ月経過) 出願番号 1999-333046
公開日 2001年6月5日 (18年9ヶ月経過) 公開番号 2001-149033
状態 特許登録済
技術分野 肉類、卵、魚製品 調味料
主要キーワード 防腐能 保存作用 非加熱状態 原料利用率 小麦粉グルテン 火入れ処理 乾製品 圧搾ろ過
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2001年6月5日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

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課題

節抽出残渣醤油麹を用いて、醤油香気を有さず、だし汁様の節香気旨味豊富に有する調味料を提供する。

解決手段

節抽出残渣、醤油麹及びエタノールの3成分を含有する諸味を、分解及び熟成して得られる、醤油香気を有さず、だし汁様の節香気と旨味を豊富に有する調味料。該エタノールの含有量は、諸味仕込み時にエタノールを2v/v%〜6v/v%含有する量であることが好ましい。

概要

背景

食品加工業においては、食品加工業者が自社で独自に節類からだし汁を製造して、食品加工に用いてきたが、近年、作業の省力化及び品質の均一化等の理由により、自社でのだし汁製造は、少なくなりつつある。すなわち、だし汁製造業者が、市販の種々の節類から抽出しただし汁製品を製造し、食品加工業者へ提供している。該だし汁製造業者は、限られており、大量かつ専門的にだし汁製造を担当しつつある。その結果、副生する節抽出残渣が限られた箇所で大量に出る。これらの節抽出残渣は、一部が家畜飼料として使用されるが、大部分が肥料に使用されたり、産業廃棄物として埋め立て処分をされている。だし汁製造においては、魚肉蛋白の焙乾製品である節類を用いて、工業生産が容易である点から香気主体に抽出しているが、旨味の主体を成す節中の蛋白質及びアミノ酸の90%は抽出残渣中に未抽出のまま残っている。

節抽出残渣の利用の方法としては、一番だし汁を取った後のかつお節残渣に、酵素分解により旨味アミノ酸を生成するような、昆布海老小麦粉グルテン椎茸等を加え、酵素分解することで旨味、苦味雑味等のバランスの取れただし汁を取る方法(特開平1−300872号公報)、節抽出残渣と醤油麹食塩水と共に仕込み、これと同時又はその直後に醤油酵母を添加し、5〜14日間発酵させて調味料を製造する方法(特開平6−46793号公報)が知られているが、更に香気と旨味に優れた調味料が求められている。

概要

節抽出残渣と醤油麹を用いて、醤油香気を有さず、だし汁様の節香気と旨味を豊富に有する調味料を提供する。

節抽出残渣、醤油麹及びエタノールの3成分を含有する諸味を、分解及び熟成して得られる、醤油香気を有さず、だし汁様の節香気と旨味を豊富に有する調味料。該エタノールの含有量は、諸味仕込み時にエタノールを2v/v%〜6v/v%含有する量であることが好ましい。

目的

本発明の目的は、節抽出残渣を有効利用する調味料を提供することにある。すなわち、節抽出残渣と醤油麹を用いて、醤油香気を有さず、だし汁様の節香気と旨味を豊富に有する調味料を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

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請求項1

節抽出残渣醤油麹及びエタノールの3成分を含有する諸味を、分解及び熟成して得られる、醤油香気を有さず、だし汁様の節香気旨味豊富に有する調味料

請求項2

該エタノールの含有量が、諸味仕込み時にエタノールを2v/v%〜6v/v%含有する量であることを特徴とする請求項1に記載の調味料。

技術分野

0001

本発明は、節抽出残渣より得られる調味料に関する。

背景技術

0002

食品加工業においては、食品加工業者が自社で独自に節類からだし汁を製造して、食品加工に用いてきたが、近年、作業の省力化及び品質の均一化等の理由により、自社でのだし汁製造は、少なくなりつつある。すなわち、だし汁製造業者が、市販の種々の節類から抽出しただし汁製品を製造し、食品加工業者へ提供している。該だし汁製造業者は、限られており、大量かつ専門的にだし汁製造を担当しつつある。その結果、副生する節抽出残渣が限られた箇所で大量に出る。これらの節抽出残渣は、一部が家畜飼料として使用されるが、大部分が肥料に使用されたり、産業廃棄物として埋め立て処分をされている。だし汁製造においては、魚肉蛋白の焙乾製品である節類を用いて、工業生産が容易である点から香気主体に抽出しているが、旨味の主体を成す節中の蛋白質及びアミノ酸の90%は抽出残渣中に未抽出のまま残っている。

0003

節抽出残渣の利用の方法としては、一番だし汁を取った後のかつお節残渣に、酵素分解により旨味アミノ酸を生成するような、昆布海老小麦粉グルテン椎茸等を加え、酵素分解することで旨味、苦味雑味等のバランスの取れただし汁を取る方法(特開平1−300872号公報)、節抽出残渣と醤油麹食塩水と共に仕込み、これと同時又はその直後に醤油酵母を添加し、5〜14日間発酵させて調味料を製造する方法(特開平6−46793号公報)が知られているが、更に香気と旨味に優れた調味料が求められている。

発明が解決しようとする課題

0004

本発明の目的は、節抽出残渣を有効利用する調味料を提供することにある。すなわち、節抽出残渣と醤油麹を用いて、醤油香気を有さず、だし汁様の節香気と旨味を豊富に有する調味料を提供することにある。

課題を解決するための手段

0005

本発明を概説すると、節抽出残渣、醤油麹及びエタノールの3成分を含有する諸味を、分解及び熟成して得られる、醤油香気を有さず、だし汁様の節香気と旨味を豊富に有する調味料に関する。

0006

本発明者らは、節抽出残渣を用いる調味料を提供すべく、鋭意検討した。その結果、節抽出残渣、醤油麹及びエタノールを含有する諸味を分解及び熟成することで、分解及び熟成中の醤油酵母の生育増殖を抑えることができるために醤油香気を有さず、だし汁様の節香気と旨味を豊富に有する調味料を効率良く製造できることを見出し本発明の完成に至った。

発明を実施するための最良の形態

0007

以下、本発明について具体的に説明する。本発明で用いる節抽出残渣とは、節からだしを抽出した後の節残渣をいう。節は、その種類に限定されず、例えば、かつお節、そうだ節、まぐろ節、さば節、むろ節、うるめ節、いわし節、さんま節等がある。だし抽出は、その抽出方法(節の形態、節と溶媒比率、溶媒の種類・濃度、抽出温度・時間等)に限定されず、例えば、節を削ったもの又は粉砕したものを、水及び/又はアルコール(例えば、エタノール)を用い、加熱又は非加熱状態での抽出でもよい。該だし抽出の段階で魚類油が抽出されているため、節抽出残渣を用いることは、その後の調味料の製造において油分による調味料の酸化劣化等が生じにくいので、好都合である。残渣は、その状態、保存条件に限定されず、例えば、抽出直後の湿潤な残渣又は保存性能を高めるために乾燥させた残渣、保存しないで直ぐに又は保存後(常温低温)、粉砕したもの又は粉砕しないものを使用してもよい。

0008

本発明で用いる醤油麹としては、その種類、製麹方法に限定されず、醤油麹であれば、すべて使用することができる。例えば、蛋白質原料デンプン質天然物原料を、加熱処理、原料蛋白質の変性処理、原料穀類組織軟化処理デンプンアルファー化処理等により、麹菌はぜ込み能及び資化能を高めた後、通常の醤油麹であるアスペルギルスオリーゼ又はアスペルギルス・ソーヤを接種して25℃〜30℃で40時間〜48時間通気培養して得られる醤油麹等を使用することができる。蛋白質原料としては、生大豆脱脂大豆脱脂加工大豆)、大豆粉末大豆蛋白小麦蛋白等が使用できる。

0009

本発明では、節抽出残渣(乾燥減量50%)と醤油麹の原料比は、重量換算比で4:1から1:4の間で自由に調節が可能である。通常の醤油製造においては、原料穀類の全量を麹でをつくる、いわゆる全麹法が行われていることに比べ、本発明では非常に経済的、かつ効率的である。

0010

本発明では、節抽出残渣、醤油麹及びエタノールの3成分を含有する諸味を、分解及び熟成する。本発明でいう諸味は、節抽出残渣、醤油麹及びエタノールを含有していればよく、水の添加の有無、食塩添加の有無、その他添加物の有無は特に限定されない。但し、醤油香気を付与させない点から、醤油酵母は添加しない。

0011

本発明では、諸味にエタノールを含有させる。諸味に、新たにエタノールを添加してもよいし、他の原料由来のエタノール分であってもよい。諸味仕込み時のエタノール濃度は、酵母を増殖させず醤油香気を付加させない点から、2.0v/v%以上にすることが好ましい。

0012

まず、酵母を添加しなくても、酵母が増殖することについて説明する。醤油工場で醤油麹を製造した場合には、工場内に生息している醤油酵母の醤油麹中への混入は避け難いものであり、醤油麹を用いた熟成の過程では、新たな醤油酵母の添加、未添加に関わらず、麹持ち込みの醤油酵母菌により、諸味中に自然に醤油酵母の増殖が生じるのが通例である。これまでに、醤油香気の主成分である4−エチルグアヤコール及び4−ハイドロキシ−2(又は5)−エチル−5(又は2)−メチル−3(2H)フラノンは、カンジダ属の酵母群及び醤油諸味主発酵酵母であるサッカロミセスルキシによりリブロース−5−リン酸などのペントース燐酸代謝経路を経て生成されることが判明している。したがって、本発明でいう醤油香気を有さずとは、醤油酵母菌の生産する醤油香気を有さないことをいい、、官能検査で実質上醤油香気を感じない。

0013

エタノール添加による醤油酵母の生育増殖抑制現象は、以下の理由で生じているものと推察される。すなわち、節類製造の際に実施される焙乾は、食品保存作用防腐能力を高めることは良く知られている。また、焙乾の際に得られるくん液食品保存用にも使用されている。焙乾により、節抽出残渣中に残存するフェノール化合物と、諸味中に含有するエタノールの効果により醤油酵母の生育増殖が抑えられたものと考えられる。

0014

諸味仕込み時のエタノール濃度は、上記に説明したことに併せて、主要因としてだし汁様の節香気を豊富に得る点から、好ましくは2.0v/v%以上〜6.0v/v%以下、更に好ましくは2.0v/v%以上〜4.0v/v%以下がよい。詳述すると、諸味仕込み時のエタノール濃度が2.0v/v%未満の場合には、分解及び熟成の過程で醤油酵母の生育増殖が生じ、得られる調味料は醤油香気が強く、だし汁様の節香気が微少である。諸味仕込み時のエタノール濃度が2.0/v%以上〜6.0v/v%以下の場合には、分解及び熟成の過程で醤油酵母の増殖はなく、得られる調味料は醤油香気を有さず、だし汁様の節香気を豊富に有する。一方、エタノール濃度が5.0v/v%程度から醤油麹中の蛋白質分解酵素活性、特にエキソ型蛋白分解酵素活性が強く阻害を受けるために、苦みペプチドが生成され、苦味を感じる。すなわち、苦味を緩和する又は無い点で、諸味仕込み時のエタノール濃度が2.0v/v%以上〜4.0v/v%未満がよい。なお、エタノールは食塩に比べて高価であるため、エタノール濃度が高くなると製造コストが上昇するため、エタノール濃度が低いことが好ましい。諸味仕込み時のエタノール濃度が6.0v/v%を超える場合には、醤油麹中の蛋白分解酵素活性が非常に阻害され、原料利用率が低下するだけでなく、得られる調味料は醤油香気を有さないが、だし汁様の節香気が低下する傾向が大きく、また苦味を感じる。

0015

諸味に食塩を添加することは、任意であるが、諸味の雑菌汚染防止、腐敗防止の点から好都合である。添加する場合の添加量は、用いる節抽出残渣の条件(節の種類、節抽出残渣の状態、節抽出残渣の保存条件等)、諸味の分解及び熟成条件(エタノール濃度、温度等)等に応じて、適宜設定すればよい。食塩を、諸味仕込み時の食塩濃度が通常は、5w/v%〜12w/v%、好ましくは8w/v%〜10w/v%になるように添加すればよい。エタノールを含有するために、食塩濃度を従来の醤油製造時の16w/v%〜17w/v%に比べ、低く抑えることが可能であり、食塩による蛋白分解酵素活性の抑制力が少ない。その結果、麹の蛋白分解酵素活性が、充分原料蛋白質に作用し、麹原料の蛋白質のみならず節抽出残渣中の蛋白質をも充分加水分解することができる。なお、分解及び熟成終了後の食塩の添加は任意である。

0016

本発明では、諸味の分解及び熟成の温度は、常法の温度25℃〜45℃でよく、好ましくは、冷却、加熱費用の点から30℃〜40℃で行う。本発明では、諸味の分解及び熟成の期間は、14日(2週間)以上〜70日(10週間)以下、好ましくは14日(2週間)以上〜56日(8週間)以下、更に好ましくは14日(2週間)以上〜42日(6週間)以下で行う。すなわち、得られるだし汁様の節香気は、14日未満では弱く、14日以上から徐々に増加し、42日を超えると増加は徐々に少なくなり、56日を超えると増加は更に少なくなり、70日を超えると増加はほとんどみられない。製造コストの面からも、70日を超えるとよくない。

0017

本発明の調味料は、諸味をそのまま、圧搾遠心分離、又はろ過等をして利用することが可能であり、通常火入れ処理をして製品とする。本発明の調味料の製造工程において、他の材料、例えば、食品添加物、旨味料、酸味料甘味料香料等の添加は任意であるが、醤油様香気を付加せず、だし汁様の節香気と旨味を生かすような材料、添加量を選択することが好ましい。

0018

以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。

0019

実施例1
調味料の製造を行った。諸味の仕込み配合を表1に示す。

0020

0021

かつお節抽出残渣は、熱アルコール水及び熱水で抽出を行ったものを用いた。醤油麹は、浸漬、蒸煮した脱脂大豆に小麦を炒って割砕したものを等量加え、これに市販の醤油種麹を接種し、33℃で2日間、通風製麹を行ったものを用いた。かつお節抽出残渣198kg(水分50w/w%、窒素濃度7w/w%)、醤油麹137kg(水分30w/w%、窒素濃度4w/w%、原料重量脱脂大豆48kg、原料重量小麦48kg)、仕込み水353.1リットル、95v/v%エタノール36.9リットル及び食塩70kgを仕込んで諸味を調製した。なお、エタノールは、諸味仕込み時のエタノールの濃度が5v/v%になるように添加した。なお、食塩は、諸味仕込み時の濃度が10w/v%となるように添加した。時々かくはんしつつ、30℃で56日間分解及び熟成させた。その後、諸味を圧搾ろ過をして、調味料を得た。なお、諸味仕込み時エタノール濃度を1v/v%にする以外は同様の方法で行って得られた調味料を比較例とした。

0022

本発明例では、分解及び熟成の全期間中に、醤油酵母の増殖はなかった。比較例では分解及び熟成開始日めから醤油酵母の増殖が盛んとなった。

0023

両方の諸味を滓下げ、それぞれの半量を85℃、30分間火入れ処理を行い、調味料を得た。得られた調味料(調整前調味料)の分析結果を表2に示す。また、両方の調味料の分析結果を基に、滓下げ後の残りの半量を、全窒素1.6w/v%、塩化ナトリウム10w/v%に調整し85℃、30分間火入れ処理を行い、全窒素及び塩化ナトリウム含量を調整した調味料(調整後調味料)を得た。調整前と調整後の調味料の官能検査を行った結果を表3に示す。なお、調整前調味料と調整後調味料の官能検査の結果は同様であったので併記する。

0024

0025

本発明例の場合、エタノール濃度は仕込み開始時の5.0v/v%から分解及び熟成終了時の4.5v/v%に減少した。この理由は、分解及び熟成中の自然揮発又は分解及び熟成水による諸味容量の増加と考えられる。比較例の場合、エタノール濃度は仕込み開始時の1.0v/v%から分解及び熟成終了時の2.0v/v%に増加した。この理由は、醤油酵母の増殖による発酵が行われたことを示唆している。

0026

0027

表3に示したように、比較例の場合は、こく味が弱く、先味はあるが後味がなく、醤油香気が強く、だし汁様の節香気が弱いという評価であったが、本発明例の場合は、こく味が強く、先味があり後味も強く、醤油香気を有さず、及びだし汁様の節香気が強いという評価が得られ、すなわち、醤油香気を有さず、だし汁様の節香気と旨味を豊富に有する調味料であった。

発明の効果

0028

本発明により、節抽出残渣の有効利用法を提供できる。また本発明により、節抽出残渣、醤油麹及びエタノールの3成分を含有する諸味を、分解及び熟成して得られる、醤油香気を有さず、だし汁様の節香気と旨味を豊富に有する調味料を提供できる。

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