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技術 光学的造形用樹脂組成物、その製造方法及び光学的造形物

出願人 株式会社ダイセル
発明者 圓尾且也三宅弘人
出願日 1999年11月12日 (20年4ヶ月経過) 出願番号 1999-323318
公開日 2001年5月22日 (18年10ヶ月経過) 公開番号 2001-139663
状態 特許登録済
技術分野 高分子組成物 重合方法(一般) アクリル系重合体 エポキシ樹脂 付加系(共)重合体、後処理、化学変成
主要キーワード セラミック型 光造形技術 水平台 照射用光源 半硬化塗膜 シクロヘキセンオキシド構造 上がり高さ カチオン硬化性樹脂組成物
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課題

粘度が低くて作業性に優れ、光硬化性の良好な樹脂組成物であり、立体造形物の強度、精度、層間密着性耐湿性および耐水性バランスの良い光学的造形用樹脂組成物、その製造方法及び光学造形物を提供すること。

解決手段

カチオン重合性を有するエポキシ化合物20〜90質量%、およびカチオン種と反応する官能基を有するアクリル樹脂80〜10質量%からなる樹脂分100質量部に対して、リン酸アルキルエステル0.1〜20質量部、及びカチオン重合開始剤5〜30質量部を配合してなるカチオン硬化性樹脂組成物50〜80質量部とエチレン性不飽和モノマー10〜20質量部、ラジカル性光重合開始剤0.1〜8質量部、及びポリオール7〜20質量部を加えた光造形用樹脂組成物光硬化させる。

概要

背景

光学的立体造形(以下、光造形ともいう。)法は、コネクタ試作に応用されて以来、家電製品事務用機器自動車部品航空機部品などのモデル設計や、得られた光造形物マスターモデルに使用して、石膏型鋳造セラミック型鋳造が行われている。光造形技術は、光硬化性樹脂の改良、レーザー走査による微細パターン形成技術の改良、光計測及びコンピューターによる3次元設計技術の進歩によりもたらされたものである。光造形技術に使用される光硬化性樹脂としては、従来ウレタン系やエポキシ樹脂系が多く用いられている。例えば、アクリル化合物エポキシ化合物を含む組成物を使用して、紫外線レーザー等により選択的に、短時間で架橋硬化させて部分的に硬化層を形成させながら、所定のパターン硬化樹脂層立体的に積層される。最近では、QUICK-CAST法やACES成形法が提案され、レーザー光微細絞り込み、例えば各層毎に走査位置を半ピッチづつずらしながら積層させ、ライン収縮を抑えて0.1mm以下の精度で造形できるようになってきた。この光造形法を使用すれば、所望の立体形状物を、容易に、精度良く、短時間で製作することができる。例えばインペラー光造形モデルは12時間で製作できるようになった。

光造形用樹脂としては、種々の分野に利用される樹脂が検討されている。特開昭60−247515号公報、特開昭62−35966号公報、特開昭62−101408号公報、特開平5−24119号公報には、紫外線硬化型硬化性樹脂組成物及びそれを使用した光学的立体造形法が開示されている。特開平10−168106号公報には、水添ビスフェノールジグリシジルエーテルシクロヘキセンオキシド構造化合物カチオン性光重合開始剤ラジカル性光重合開始剤エチレン性不飽和モノマー及び多官能ポリオールからなる光硬化性樹脂組成物が開示されている。また、特開平1−213304号公報には、エポキシ化合物、環状エーテル化合物環状ラクトン化合物等のカチオン重合性化合物からなる樹脂組成物が例示されている。特開平3−128975号公報には、紫外線硬化型エポキシシリコンポリオ−ルの系が、特開昭59−202264号公報には、エポキシ化合物とヒドロキシアルキル基を有するポリシロキサンの系が紫外線硬化型カチオン重合組成物として挙げられている。特開平11−1631号公報には、エポキシ化合物と樹脂粒子光カチオン重合開始剤を用いた組成物が挙げられている。特開平10−251484号公報には、エポキシ化合物とオルガノポリシロキサンワックス、光カチオン重合開始剤からなる樹脂組成物が挙げられている。

しかし上記光硬化性樹脂組成物を使用した場合には、得られた立体造形物が、硬化性、強度、精度、密着性耐湿性および耐水性が充分でないばかりでなく、硬化収縮歪みによる立体形状物の経時的な変形が生じたり、立体造形物の経時変化により、使用寿命が短いという問題がある。

本明細書では、新計量法施行に伴い、単位として国際単位系を使用する。従って、従来、質量の意味で使用されていた「重量」は「質量」と記載する。これに合わせて、「重量%」、「重量部」等を「質量%」、「質量部」等と記載する。

概要

粘度が低くて作業性に優れ、光硬化性の良好な樹脂組成物であり、立体造形物の強度、精度、層間密着性、耐湿性および耐水性のバランスの良い光学的造形用樹脂組成物、その製造方法及び光学造形物を提供すること。

カチオン重合性を有するエポキシ化合物20〜90質量%、およびカチオン種と反応する官能基を有するアクリル樹脂80〜10質量%からなる樹脂分100質量部に対して、リン酸アルキルエステル0.1〜20質量部、及びカチオン重合開始剤5〜30質量部を配合してなるカチオン硬化性樹脂組成物50〜80質量部とエチレン性不飽和モノマー10〜20質量部、ラジカル性光重合開始剤0.1〜8質量部、及びポリオール7〜20質量部を加えた光造形用樹脂組成物光硬化させる。

目的

本発明の目的は、粘度が低くて作業性に優れ、光硬化性の良好な樹脂組成物であり、立体造形物の強度、精度、層間密着性、耐湿性および耐水性のバランスの良い光学的造形用樹脂組成物、その製造方法及び光学的造形物を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
4件

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請求項1

カチオン重合性を有するエポキシ化合物(A)20〜90質量%、およびカチオン種と反応する官能基を有するアクリル樹脂(B)80〜10質量%、((A)と(B)の合計は100質量%である。)からなる樹脂分100質量部に対して、リン酸アルキルエステル(C)0.1〜20質量部、及びカチオン重合開始剤(D)0.5〜30質量部からなるカチオン硬化性樹脂組成物を含有してなる光造形用樹脂組成物

請求項2

請求項1に記載のカチオン硬化性樹脂組成物50〜80質量部、エチレン性不飽和モノマー(J)10〜20質量部、ラジカル性光重合開始剤(K)0.1〜8質量部、及びポリオール(L)7〜20質量部からなる光造形用樹脂組成物。

請求項3

エポキシ化合物(A)が、1分子中に1〜2個のエポキシ基を持ち、エポキシ基のうち1個以上は、脂環式エポキシ基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光造形用樹脂組成物。

請求項4

アクリル樹脂(B)が水酸基及びエポキシ基を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光造形用樹脂組成物。

請求項5

アクリル樹脂(B)のエポキシ基がグリシジル基及び/又は脂環式エポキシ基であることを特徴とする請求項4に記載の光造形用樹脂組成物。

請求項6

アクリル樹脂(B)が、エポキシ基含有メタアクリル酸エステル(e)5〜45質量%、水酸基を含有する共重合モノマー(f)0.5〜40質量%及びその他の共重合成分としての(メタ)アクリル系共重合成分(g)((e)と(f)と(g)の合計は100質量%である。)からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光造形用樹脂組成物。

請求項7

樹脂分中のオキシラン酸素濃度が6〜11質量%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光造形用樹脂組成物。

請求項8

リン酸アルキルエステル(C)がリン酸モノアルキルエステルリン酸ジアルキルエステル、又はこれらの混合物である請求項1〜7のいずれかに記載の光造形用樹脂組成物。

請求項9

エチレン性不飽和モノマー(J)が1分子中に3個以上のエチレン性不飽和結合を有するモノマーを含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光造形用樹脂組成物。

請求項10

ポリオール(L)が、1分子中に3個以上のアルコール性水酸基を有するものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の光造形用樹脂組成物。

請求項11

カチオン重合性を有するエポキシ化合物(A)20〜90質量%中で、エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル(e)、水酸基を含有する共重合モノマー(f)及び(メタ)アクリル系共重合成分(g)を共重合させてアクリル樹脂(B)80〜10質量%を製造((A)と(B)の合計は100質量%である。)した後、エポキシ化合物(A)およびアクリル樹脂(B)の樹脂分の合計100質量部に対して、リン酸アルキルエステル(C)0.1〜20質量部及びカチオン重合開始剤(D)0.5〜30質量部を配合してなるカチオン硬化性樹脂組成物50〜80質量部に、エチレン性不飽和モノマー(J)10〜20質量部、ラジカル性光重合開始剤(K)0.1〜8質量部、及びポリオール(L)7〜20質量部を添加することを特徴とする光造形用樹脂組成物の製造方法。

請求項12

請求項1〜10に記載の光造形用樹脂組成物を光硬化させてなる光造形物

技術分野

0001

本発明は、光学的立体造形用の樹脂組成物、その製造法、それを使用した光学的立体造形物に関するものである。さらに詳しくは、カチオン重合性を有するエポキシ化合物水酸基及びエポキシ基を有するアクリル樹脂リン酸アルキルエステルカチオン重合開始剤エチレン性不飽和モノマーラジカル性光重合開始剤、及びポリオールからなる光造形用樹脂組成物、その製造法、それを使用した光学的立体造形物に関する。

背景技術

0002

光学的立体造形(以下、光造形ともいう。)法は、コネクタ試作に応用されて以来、家電製品事務用機器自動車部品航空機部品などのモデル設計や、得られた光造形物マスターモデルに使用して、石膏型鋳造セラミック型鋳造が行われている。光造形技術は、光硬化性樹脂の改良、レーザー走査による微細パターン形成技術の改良、光計測及びコンピューターによる3次元設計技術の進歩によりもたらされたものである。光造形技術に使用される光硬化性樹脂としては、従来ウレタン系やエポキシ樹脂系が多く用いられている。例えば、アクリル化合物とエポキシ化合物を含む組成物を使用して、紫外線レーザー等により選択的に、短時間で架橋硬化させて部分的に硬化層を形成させながら、所定のパターン硬化樹脂層立体的に積層される。最近では、QUICK-CAST法やACES成形法が提案され、レーザー光微細絞り込み、例えば各層毎に走査位置を半ピッチづつずらしながら積層させ、ライン収縮を抑えて0.1mm以下の精度で造形できるようになってきた。この光造形法を使用すれば、所望の立体形状物を、容易に、精度良く、短時間で製作することができる。例えばインペラー光造形モデルは12時間で製作できるようになった。

0003

光造形用樹脂としては、種々の分野に利用される樹脂が検討されている。特開昭60−247515号公報、特開昭62−35966号公報、特開昭62−101408号公報、特開平5−24119号公報には、紫外線硬化型硬化性樹脂組成物及びそれを使用した光学的立体造形法が開示されている。特開平10−168106号公報には、水添ビスフェノールジグリシジルエーテルシクロヘキセンオキシド構造化合物カチオン性光重合開始剤、ラジカル性光重合開始剤、エチレン性不飽和モノマー及び多官能ポリオールからなる光硬化性樹脂組成物が開示されている。また、特開平1−213304号公報には、エポキシ化合物、環状エーテル化合物環状ラクトン化合物等のカチオン重合性化合物からなる樹脂組成物が例示されている。特開平3−128975号公報には、紫外線硬化型エポキシシリコンポリオ−ルの系が、特開昭59−202264号公報には、エポキシ化合物とヒドロキシアルキル基を有するポリシロキサンの系が紫外線硬化型カチオン重合組成物として挙げられている。特開平11−1631号公報には、エポキシ化合物と樹脂粒子光カチオン重合開始剤を用いた組成物が挙げられている。特開平10−251484号公報には、エポキシ化合物とオルガノポリシロキサンワックス、光カチオン重合開始剤からなる樹脂組成物が挙げられている。

0004

しかし上記光硬化性樹脂組成物を使用した場合には、得られた立体造形物が、硬化性、強度、精度、密着性耐湿性および耐水性が充分でないばかりでなく、硬化収縮歪みによる立体形状物の経時的な変形が生じたり、立体造形物の経時変化により、使用寿命が短いという問題がある。

0005

本明細書では、新計量法施行に伴い、単位として国際単位系を使用する。従って、従来、質量の意味で使用されていた「重量」は「質量」と記載する。これに合わせて、「重量%」、「重量部」等を「質量%」、「質量部」等と記載する。

発明が解決しようとする課題

0006

本発明の目的は、粘度が低くて作業性に優れ、光硬化性の良好な樹脂組成物であり、立体造形物の強度、精度、層間密着性、耐湿性および耐水性のバランスの良い光学的造形用樹脂組成物、その製造方法及び光学造形物を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、カチオン重合性を有するエポキシ化合物に、エポキシ基とヒドロキシル基を有するアクリル樹脂を加え、リン酸アルキルエステル、カチオン重合開始剤、エチレン性不飽和モノマー、ラジカル性光重合開始剤、及びポリオールを加えて硬化させることにより、上記問題点を解決できることを見い出し、本発明を完成するに至った。

0008

すなわち本発明の第1は、カチオン重合性を有するエポキシ化合物(A)20〜90質量%、およびカチオン種と反応する官能基を有するアクリル樹脂(B)80〜10質量%、((A)と(B)の合計は100質量%である。)からなる樹脂分100質量部に対して、リン酸アルキルエステル(C)0.1〜20質量部、及びカチオン重合開始剤(D)0.5〜30質量部からなるカチオン硬化性樹脂組成物を含有してなる光造形用樹脂組成物を提供する。本発明の第2は、本発明の第1に記載のカチオン硬化性樹脂組成物50〜80質量部、エチレン性不飽和モノマー(J)10〜20質量部、ラジカル性光重合開始剤(K)0.1〜8質量部、及びポリオール(L)7〜20質量部からなる光造形用樹脂組成物を提供する。本発明の第3は、エポキシ化合物(A)が、1分子中に1〜2個のエポキシ基を持ち、エポキシ基のうち1個以上は、脂環式エポキシ基であることを特徴とする本発明の第1又は2に記載の光造形用樹脂組成物を提供する。本発明の第4は、アクリル樹脂(B)が水酸基及びエポキシ基を有することを特徴とする本発明の第1〜3のいずれかに記載の光造形用樹脂組成物を提供する。本発明の第5は、アクリル樹脂(B)のエポキシ基がグリシジル基及び/又は脂環式エポキシ基であることを特徴とする本発明の第4に記載の光造形用樹脂組成物を提供する。本発明の第6は、アクリル樹脂(B)が、エポキシ基含有メタアクリル酸エステル(e)5〜45質量%、水酸基を含有する共重合モノマー(f)0.5〜40質量%及びその他の共重合成分としての(メタ)アクリル系共重合成分(g)((e)と(f)と(g)の合計は100質量%である。)からなることを特徴とする本発明の第1〜5のいずれかに記載の光造形用樹脂組成物を提供する。本発明の第7は、樹脂分中のオキシラン酸素濃度が6〜11質量%であることを特徴とする本発明の第1〜6のいずれかに記載の光造形用樹脂組成物を提供する。本発明の第8は、リン酸アルキルエステル(C)がリン酸モノアルキルエステルリン酸ジアルキルエステル、又はこれらの混合物である本発明の第1〜7のいずれかに記載の光造形用樹脂組成物を提供する。本発明の第9は、エチレン性不飽和モノマー(J)が1分子中に3個以上のエチレン性不飽和結合を有するモノマーを含有することを特徴とする本発明の第1〜8のいずれかに記載の光造形用樹脂組成物を提供する。本発明の第10は、ポリオール(L)が、1分子中に3個以上のアルコール性水酸基を有するものであることを特徴とする本発明の第1〜9のいずれかに記載の光造形用樹脂組成物を提供する。本発明の第11は、カチオン重合性を有するエポキシ化合物(A)20〜90質量%中で、エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル(e)、水酸基を含有する共重合モノマー(f)及び(メタ)アクリル系共重合成分(g)を共重合させてアクリル樹脂(B)80〜10質量%を製造((A)と(B)の合計は100質量%である。)した後、エポキシ化合物(A)およびアクリル樹脂(B)の樹脂分の合計100質量部に対して、リン酸アルキルエステル(C)0.1〜20質量部及びカチオン重合開始剤(D)0.5〜30質量部を配合してなるカチオン硬化性樹脂組成物50〜80質量部に、エチレン性不飽和モノマー(J)10〜20質量部、ラジカル性光重合開始剤(K)0.1〜8質量部、及びポリオール(L)7〜20質量部を添加することを特徴とする光造形用樹脂組成物の製造方法を提供する。本発明の第12は、本発明の第1〜10に記載の光造形用樹脂組成物を光硬化させてなる光造形物を提供する。

発明を実施するための最良の形態

0009

光造形法の概要は、光造形用樹脂組成物を所定の反応容器に入れ、紫外線レーザーを照射して、マスクに応じて所定のパターンを有する硬化樹脂層の第一層を形成する。同様にして、第一層の上に順次、硬化樹脂層を形成して、目的の立体を一体的に造形する。本発明では、上記に使用する光造形用樹脂組成物は、カチオン重合性を有するエポキシ化合物(A)、カチオン種と反応する官能基を有するアクリル樹脂(B)、リン酸アルキルエステル(C)、カチオン重合開始剤(D)からなるカチオン硬化性樹脂組成物に、エチレン性不飽和モノマー(J)、ラジカル性光重合開始剤(K)、及びポリオール(L)を添加してなる。

0010

I.光造形用樹脂組成物
初めに、本発明の光造形用樹脂組成物に使用する各成分について説明する。
1.カチオン重合性を有するエポキシ化合物(A)
カチオン重合性を有するエポキシ化合物(A)としては、エポキシ基を有する低粘度な化合物が使用可能であり、グリシジルエーテルグリシジルエステルなどの末端エポキシ基を持つ化合物;内部エポキシ基を持つ化合物;脂環式エポキシ基を持つ化合物等が挙げられる。上記のエポキシ化合物(A)のエポキシ基は後述するカチオン重合開始剤(D)由来カチオン(M+とする。)により、以下の例のようにエポキシ基が開環重合する。

0011

0012

これらのエポキシ化合物(A)の中でカチオン重合性、粘度等の点を比較すると、分子内に1個以上の脂環式エポキシ基を持つエポキシ化合物が望ましい。脂環式エポキシ基を持つエポキシ化合物としては、例えばCEL−2021P(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3',4'-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、エポキシ当量128〜140、粘度200〜350mPa・s(従来の単位でcP)/25℃),CEL−2021A(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3',4'-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、エポキシ当量130〜145、粘度200〜450mPa・s(cP)/25℃)、CEL−2000(1-ビニル-3,4-エポキシシクロヘキサン)、CEL−3000(1,2,8,9-ジエポキシリモネン、エポキシ当量93)(以上、ダイセル化学工業社製);デナコ−ルEX−421、同201(レゾルシンジグリシジルエーテル)、同211(ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル)、同911(プロピレングリコールジグリシジルエーテル)、同701(アジピン酸ジグリシジルエステル)(以上、ナガセ化成工業社製)が挙げられる。

0013

さらに、エポキシ化合物(A)にはカチオン重合性を持つ化合物であるビニルエーテル(例えばシクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルジエチレングリコールジビニルエーテル等が挙げられる。)や、オキセタンなどを併用することができる。これらビニルエーテルや、オキセタンを配合する場合は、エポキシ化合物(A)100質量%に対して40質量%以下にすることが望ましい。

0014

2.カチオン種と反応する官能基を有するアクリル樹脂(B)
カチオン種と反応する官能基を有するアクリル樹脂(B)とはエポキシ基及び水酸基を持つアクリル樹脂のことである。また、カチオン種とはカチオン重合開始剤(D)により、上記エポキシ化合物(A)が開環重合して生じたものである。したがって、カチオン種と反応する官能基とはアクリル樹脂(B)中のエポキシ基のことである。アクリル樹脂(B)は、エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル(e)と水酸基を含有する共重合モノマー(f)、その他の共重合成分としての(メタ)アクリル系共重合成分(g)及び必要に応じて加えられる芳香族系共重合成分(h)を重合開始剤(i)により重合して得られる。

0015

以下、アクリル樹脂(B)を構成する成分及びそれらの組成比を説明する。
2.1.エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル(e)
エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル(e)としては、グリシジルエステル基、類似の末端エポキシ基や、脂環式エポキシ基などを有する(メタ)アクリル酸エステルが使用できる。エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル(e)としては、具体的には、グリシジルメタクリレートGMA)、グリシジルアクリレートの他に、2−メチル−グリシジルメタアクリレート(M−GMA)、2−メチル−グリシジルアクリレート、エポキシ化イソプレニル(メタ)アクリレート、脂環式エポキシ基を有するメタクリル酸エステルであるCYM M−100(エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート、エポキシ当量約190)、脂環式エポキシ基を有するアクリル酸エステルであるCYM A−200(エポキシ当量約205)(以上ダイセル化学工業製)等が挙げられる。アクリル樹脂(B)中のエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル(e)の比率は、5〜45質量%である。(e)の比率が上記範囲より少なすぎると硬化不良となり、上記範囲より多すぎるとコストが上昇する等の問題が生じる。

0016

2.2.水酸基を含有する共重合モノマー(f)
水酸基を含有する共重合モノマー(f)は、1個以上の水酸基を有し、(メタ)アクリル酸、又は(メタ)アクリル酸エステルと共重合するものであれば特に制限はない。具体的には、ヒドロキシエチルアクリレートHEA)、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、及びこれら水酸基含有(メタ)アクリレートをε−カプロラクトンにより変性したものとしてPCL−FM1(HEMAのカプロラクトン付加物水酸基価230mg-KOH/g)、PCL−FM3(HEMAのカプロラクトン付加物、水酸基価119mg-KOH/g)、PCL−FM10(HEMAのカプロラクトン付加物、水酸基価46mg-KOH/g)、PCL−FA1(HEAのカプロラクトン付加物、水酸基価244mg-KOH/g)、PCL−FA3(HEAのカプロラクトン付加物、水酸基価122mg-KOH/g)(ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。水酸基を含有する共重合モノマー(f)中の水酸基の量は、水酸基価として1〜300mg-KOH/g、好ましくは、1.5〜250mg-KOH/gである。アクリル樹脂(B)中の共重合モノマー(f)の比率は、0.1〜50質量%、好ましくは0.5〜40質量%である。(f)の比率が上記範囲より少なすぎると密着性低下や硬化不良を生じ、上記範囲より多すぎると粘度上昇、硬化不良、コストアップを生じる。

0017

2.3.その他の共重合成分である(メタ)アクリル系共重合成分(g)
(メタ)アクリル系共重合成分(g)としては、アルキル基炭素原子数が2〜10個、好ましくは1〜5個のアルキル(メタ)アクリレート単量体が使用できる。具体的には、アクリル酸メチルメタクリル酸メチルアクリル酸n−ブチルメタクリル酸n−ブチルなどが挙げられる。アクリル樹脂(B)中の(メタ)アクリル系共重合成分(g)の比率は、100質量%から上記(e)及び(f)を差し引いた値である。

0018

2.4.任意成分である芳香族系共重合成分(h)
その他の共重合成分(メタ)アクリル系共重合成分(g)には、必要に応じて芳香族系共重合成分(h)を加えることができる。芳香族系共重合成分(h)としては、スチレン類が使用できる。具体的には、スチレンα−メチルスチレンビニルトルエンなどが挙げられる。芳香族系共重合成分(h)の添加量は、(メタ)アクリル系共重合成分(g)100質量部に対して、30質量部以下、好ましくは1〜20質量部である。(h)の比率が上記範囲より多すぎると可撓性が低下する。

0019

2.5.重合開始剤(i)
これらエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル(e)、水酸基を含有する共重合モノマー(f)、(メタ)アクリル系共重合成分(g)、及び必要に応じて加えられる芳香族系共重合成分(h)を共重合させてアクリル樹脂(B)を得る場合、開始剤(i)を用いることができる。開始剤(i)としては、過硫酸カリウム過硫酸アンモニウム過酸化ベンゾイル過酸化水素ジ−t−ブチルパーオキシドジクミルパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、デカノイルパーオキシド、ラウリルパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルヒドロパーオキシドアセチルパーオシキド、メチルエチルケトンパーオキシドコハク酸パーオキシド、ジセチルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテートAIBN(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル)、ABN−E(2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ABN−V(2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、パーブチルO(t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート)など使用することができる。開始剤(i)の使用量は、得られるアクリル樹脂(B)100質量部に対して1〜10質量部、好ましくは、3〜6質量部である。開始剤(i)は、一部をあらかじめ反応器仕込んでおいてもよいし、単量体に配合して、又は配合せず別々に滴下してもよい。また、単量体を仕込んだ後に開始剤(i)を追加仕込みを行ってもよい。共重合反応の温度については、90〜130℃、好ましくは、100〜120℃である。130℃以上では、重合が不安定になり高分子量の化合物が多く生成し、90℃以下では、反応時間がかかりすぎる。

0020

また、通常のカチオン重合性を持たない溶剤を共重合時の溶媒として使用してアクリル樹脂(B)を合成した後、脱溶剤を行ってからエポキシ化合物(A)で希釈し組成物とすることができる。使用できる溶剤は、トルエンキシレンなどの芳香族類メチルエチルケトンメチルイソブチルケトン等のケトン類メトキシプロピレングリコールアセテート等のエーテル類などを単独または、混合して使用することができる。共重合時の溶媒として、エポキシ基を有する上記化合物(A)を使用することができる。この場合、共重合反応後溶媒を留去する必要がないという利点がある。

0021

エポキシ化合物(A)とアクリル樹脂(B)の組成比は、エポキシ化合物(A)とアクリル樹脂(B)の合計である樹脂分100質量%中に、エポキシ化合物(A)、20〜90質量%、好ましくは、40〜80質量%であり、残りはアクリル樹脂(B)である。(B)の比率が上記範囲より少なすぎると硬化層の乾燥性や可撓性が低下し、上記範囲より多すぎると組成物の粘度が上昇して硬化時の作業性やレベリングが悪くなる。エポキシ化合物(A)とアクリル樹脂(B)を合わせた樹脂分中のオキシラン酸素濃度は、7.5〜10.5質量%、好ましくは、7.5〜9.5質量%である。オキシラン酸素濃度が上記範囲より少なすぎると硬化層の硬化不良を生じ、上記範囲より多すぎると可撓性が低下する。

0022

3.リン酸アルキルエステル(C)
リン酸アルキルエステル(C)としては、リン酸モノアルキルエステル、リン酸ジアルキルエステル又はリン酸トリアルキルエステル、又はこれらの混合物が使用できるが、潤滑性を与える点では、リン酸モノアルキルエステルがもっともよい。これは、アルキル基の鎖状構造滑り性に影響するものと考えられる。さらに、通常の2官能型エポキシ化合物のリン酸エステルも使用できる。リン酸アルキルエステル(C)としては、例えば、ネオネンペンチグリコールジグリジルエーテルリン酸付加物であるNPGPO、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3',4'-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(CEL−2021)のリン酸付加物であるCEL−2021PO、CEL−2021のモノデシルホスフェート付加物であるCEL−2021POMD(以上、ダイセル化学工業製)、ジブチルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルホスフェート、モノイソデシルホスフェート(MiDPO))、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート(以上、大八化学工業製)などが挙げられる。これらは、1種又は2種以上混合して使用してもよい。これらリン酸アルキルエステル(C)の配合量は、カチオン重合性を有するエポキシ化合物(A)とカチオン種と反応する官能基を持つアクリル樹脂(B)とリン酸アルキルエステル(C)の合計である樹脂分100質量部に対して0.1〜20質量%、好ましくは0.3〜15質量%である。(C)が上記範囲より少なすぎると潤滑性が不足し、上記範囲より多すぎると硬化不良を生じたり、組成物の安定性が低下する。

0023

4.カチオン重合開始剤(D)
カチオン重合開始剤(D)はカチオン重合触媒とも言われ、光又は熱によりカチオン種を発生させるものであるなら特に制限はない。カチオン重合開始剤(D)としては、スルホニウム塩系、ヨードニウム塩系、ジアゾニウム塩系、アレンイオン錯体系等の化合物が使用できる。例えばスルホニウム塩系のUVACURE1590、UVACURE1591(以上、ダイセルUCB社製)、DAICAT11(ダイセル化学社製)、CD−1011(サートマー社製)、SI−60L、SI−80L、SI−100L(以上、三新化学社製)等;ヨードニウム塩系のDAICAT12(ダイセル化学社製)、CD−1012(サートマー社製);ジアゾニウム塩系のSP−150,SP−170(旭電化工業社製)などが挙げられる。さらに、トリフェニルシラノールなどのシラノール系のカチオン触媒も使用することができる。上記カチオン重合開始剤(D)の混合割合は、カチオン重合性を有するエポキシ化合物(A)及びカチオン種と反応する官能基を持つアクリル樹脂(B)の合計である樹脂分100質量部に対して0.5〜30質量部、好ましくは、1〜25質量部である。(D)が上記範囲より少なすぎると硬化不良を生じ、上記範囲より多すぎると硬化物白化、重合開始剤のブリードアウトが発生し、経済性も低下する。

0024

5.エチレン性不飽和モノマー(J)
本発明で使用するエチレン性不飽和モノマー(J)は、エチレン性不飽和結合を分子中に有する化合物であり、1分子中に1個のエチレン性不飽和結合を有するもの、1分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合を有するもの、又はこれらの混合物を使用することができる。

0025

5.1.1分子中に1個のエチレン性不飽和結合を有するモノマー
1分子中に1個のエチレン性不飽和結合を有するモノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、tert−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド類;2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエン(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、テトラクロロフェニル(メタ)アクリレート、2−テトラクロロフェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラブロモフェニル(メタ)アクリレート、2−テトラブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−トリクロロフェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタクロロフェニル(メタ)アクリレート、ペンタブロモフェニル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、メチルトリエチレンジグリコール(メタ)アクリレート、ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、(メタ)アクリロイルモルホリンが挙げられ、これらは混合して使用することができる。

0026

5.2.1分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合を有するモノマー
1分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合を有するモノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレートテトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジイルジメチレンジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA又はFのジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリル酸付加物、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールA又はFのジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性ビスフェノールA又はFのジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性水添ビスフェノールA又はFのジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性水添ビスフェノールA又はFのジ(メタ)アクリレート、フェノールノボラックポリグリシジルエーテル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらは混合して使用することができる。

0027

上記の中で、特に3〜6官能のモノマーが好ましく、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが特に好ましい。(J)成分には、1分子中に3個以上のエチレン性不飽和結合を有するモノマーが60質量%以上、好ましくは80質量%以上、特に好ましくは100質量%である。3官能以上のモノマーの含有割合が上記範囲未満であると、得られる樹脂組成物の光硬化性が低下すると共に、造形物が経時的に変形し易くなる。

0028

本発明の光造形用樹脂組成物中の(J)成分の割合は、カチオン硬化性樹脂組成物50〜80重量部に対して、5〜30質量部、好ましくは7〜25質量%部、更に好ましくは10〜20質量部である。(J)成分の含有割合が上記範囲よりも少なすぎると、樹脂組成物の光硬化性が低下し、十分な機械的強度を有する立体形状物を造形することができない。(J)成分の割合が上記範囲よりも多すぎると、造形物が収縮しやすく、また機械的強度が低下する。

0029

6.ラジカル性光重合開始剤(K)
本発明で使用するラジカル性光重合開始剤(K)は、光及び/又は熱により分解してラジカルを発生し、これにより(J)成分がラジカル重合する。上記ラジカル性光重合開始剤としては、例えばアセトフェノン、3−メチルアセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタールベンジルジメチルケタール、;ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン(BTTB)、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−2−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリ−メチルペンチルフォスフィンオキサイドベンズアルデヒドベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、1,1−ジメトキシデオキシベンゾイン、アントラキノンカルバゾールキサントンフルオレノンフルオレンチオキサントントリフェニルアミン、及びこれらの混合物等が挙げられる。これらのラジカル性光重合開始剤(K)は増感剤と組み合わせて使用し、感度を向上させることができる。増感剤としてはキサンテンチオキサンテンクマリンケトクマリン等が挙げられる。

0030

光造形用樹脂組成物中の(K)成分の割合は、カチオン硬化性樹脂組成物50〜80重量部に対して、0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜8質量部、特に好ましくは0.5〜5質量部である。(K)成分の割合が上記範囲より少なすぎると、樹脂組成物の硬化が遅くなりすぎる。(K)成分の割合が上記範囲より多すぎると、残存する(K)成分が樹脂組成物の硬化性、造形物の物性低下を生じる。

0031

7.ポリオール(L)
本発明に使用されるポリオール(L)は、樹脂組成物の光硬化性、造形物の形状安定性、及び機械物性の安定性を与えるために用いられる。上記ポリオールとしては、1分子中に3個以上、好ましくは3〜6個のアルコール性水酸基を有するものである。

0032

上記(L)成分としては、例えばトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリンジグリセリンポリグリセリンペンタエリスルトール、ジペンタエリスルトール、ソルビトールしょ糖、クォドロールなどの3価以上の多価アルコール;それらの多価アルコールのエチレンオキシド変性物、プロピレンオキシド変性物、ブチレンオキシド変性物、テトラヒドロフラン変性物などのポリエーテルポリオール;カプロラクトン変性物ポリオール;ジカルボン酸ジオールで変性することにより得られるポリエステルポリオール等及びこれらの混合物が挙げられる。

0033

上記ポリオールの数平均分子量は、150〜2,000、好ましくは1,000以下である。数平均分子量が上記範囲より大きすぎると樹脂組成物の粘度が高くなりすぎて取り扱い性が悪くなり、また光造形物の強度が低下する。また、上記ポリオールの代りに、ジオールを使用すると、充分な光硬化性や造形物の機械物性を得ることができない。

0034

上記(L)成分の割合は、カチオン硬化性樹脂組成物50〜80重量部に対して、5〜30質量部、好ましくは6〜25質量部、さらに好ましくは7〜20質量部である。(L)成分の割合が上記範囲より少なすぎると、樹脂組成物の光硬化性が不充分となり、また、形状安定性および物性安定性に問題を生じる。(L)成分の割合が上記範囲より多すぎると、光造形物の機械的強度が低下し、湿度や水分により軟らかくなりやすい。

0035

8.その他の任意成分
本発明の光造形用組成物には、必要に応じて、反応性希釈剤有機溶媒、上記以外のその他のカチオン重合性有機化合物;エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリアミドポリウレタンポリエーテルポリブタジエン、スチレン−ブタジエンスチレンブロック共重合体石油樹脂セルロース樹脂等のポリマーまたはオリゴマー重合開始助剤重合促進剤重合禁止剤老化防止剤レベリング剤沈降防止剤タレどめ剤;付着性付与剤脱水剤消泡剤;レベリング剤;湿潤剤濡れ性改良剤界面活性剤可塑剤紫外線安定剤紫外線吸収剤シランカップリング剤無機充填剤;樹脂粒子;体質顔料防錆顔料着色顔料等の顔料類;染料類を挙げることができる。

0036

上記、エポキシ化合物(A)とアクリル樹脂(B)からなる樹脂分、リン酸アルキルエステル(C)及びカチオン重合開始剤(D)、エチレン性不飽和モノマー(J)、ラジカル性光重合開始剤(K)、及びポリオール(L)の配合の順序や装置には特に制限はなく、従来の光造形用樹脂組成物を製造する方法、装置が使用できる。このようにして得られた光造形用樹脂組成物の粘度(25℃)は50〜1500mPa・s(cP)、好ましくは100〜500mPa・s(cP)である。

0037

II.硬化
本発明の光造形用樹脂組成物は、硬化させて所望の立体形状物を得るために反応容器に入れられ、硬化のための光を液面上からないし液中から、及び/又は容器光透過性器壁を介して照射される。硬化に使用される光は、光造形用樹脂組成物の硬化が生じるに必要な波長を有するものが使用される。照射光としては紫外光可視光赤外光等が挙げられるが、光のみならず、必要に応じて、熱、又はこれらの併用により、パターンに応じて選択的に硬化させることができる。光造形用樹脂組成物を選択的に層状に、必要であれば多層を一度に硬化させるには、所定のビーム径に絞られた光、特にレーザー光を使用し、パーターンに応じた走査照射、マスク介在照射など従来の露光・硬化手段が使用可能である。光造形物を形成するために、必要であれば外部から加熱又は冷却させることができる。

0038

III.光造形物
光造形物は、光照射後に反応容器から取り出し、未反応の光造形用樹脂組成物を除いた後、必要に応じて有機溶媒、含水有機溶媒水系溶媒などを使用して洗浄する。有機溶媒としては、メタノールエタノールイソプロパノール、グリコール等のアルコール類酢酸メチル酢酸エチル酢酸グリコールエーテル等のエステル類アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;イソプロピルエーテルなどのエーテル類;トルエン、キシレン等の芳香族類;メタン塩化物フロン類等のハロゲン系炭化水素類等が挙げられる。また、表面の平滑性が要求される造形物を作製する場合には、本発明の光造形用樹脂組成物を使用したり、他の熱硬化性樹脂を使用して洗浄することができる。但しこの場合には、洗浄後に、後述する光照射又は熱照射等により、洗浄に使用した樹脂の後硬化処理が必要である。

0039

洗浄後の光造形物は、表面ないし内部に残存する未反応の光造形用樹脂組成物をも硬化させるために、通常、熱、光、又は両者により後硬化処理が行われる。得られた光造形物は、必要に応じて、熱硬化性または光硬化性の表面処理剤を使用して表面の強度や耐熱性を賦与することができる。熱源としては、赤外線遠赤外線熱風高周波加熱等を、光源としては、高圧水銀灯超高圧水銀灯メタルハライド灯、ガリウム灯、キセノン灯カーボンアーク灯等を使用することができる。またこれらの光源と熱源を併用も可能である。

0040

以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、部及び%は、それぞれ質量部及び質量%を示す。

0041

[合成例1〜3]撹拌器還流冷却管滴下ろうと温度計を備えたフラスコにエポキシ化合物としてCEL−2021(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3',4'-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、エポキシ当量128〜140、粘度200〜400mPa・s(cP)/25℃)(a1)を所定量仕込んだ。エアを吹き込みながら105〜110℃に昇温した後、表1に示すエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル(e1)、(e2)、水酸基を含有する共重合モノマー(f1)、(f4)、その他の共重合成分としての(メタ)アクリル系共重合成分(g1)〜(g3)と開始剤アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、安定剤としてパラメトキシフェノール(MEHQ)を3時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間反応を継続させた。

0042

[合成例4]撹拌器、還流冷却管、滴下ろうと、温度計を備えたフラスコにトルエンを所定量仕込んだ。エアを吹き込みながら105〜110℃に昇温し、表1に示す所定のモノマーと開始剤、安定剤を3時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間反応を継続させた。表1における略号は次のものを表す。
AIBN:アソ゛ヒ゛スイソフ゛チロニトリル
MEHQ:ハ゜ラメトキシフェノール

0043

0044

[配合例1〜4]合成例1〜4で得られた樹脂分に(リン酸アルキルエステル(C1)〜(C3))、カチオン重合開始剤(D1)〜(D2)を表2に示す比率で混合し、均一なカチオン硬化性樹脂組成物を得た。表2における略号は次のものを表す。
NPGPO:ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルのリン酸付加物
CEL2021PO:CEL2021のリン酸付加物(ダイセル化学工業(株)製)
DAICAT12:ヨ−ドニウム塩系のカチオン触媒(ダイセル化学工業(株)製)
UVACURE1591:スルホニウム塩系のカチオン触媒(ダイセルユーシービー製)

0045

0046

[実施例1〜3及び比較例1]配合例1〜4で得られたカチオン硬化性樹脂組成物に、エチレン性不飽和モノマーとしてペンタエリスリトールトリアクリレート(J1)、ラジカル性重合開始剤としてp−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル(KAYAKURE EPA)(K1)、任意成分のラジカル重合性開始剤としてジエチルチオキサントン(KAYAKUREDETX)(K2)、ポリオールとしてプラクセル308(ダイセル化学工業(株)製、3官能開始ポリカプロラクトン、分子量約850、水酸基価195)(L1)を表3に示す比率で混合し、均一な光造形用樹脂組成物を得た。実施例1〜3の光造形用樹脂組成物はいずれも、200〜500mPa・s(cP)/25℃と低粘度であった。

0047

0048

得られた光造形用樹脂組成物の各々について、下記の評価法に従って、光硬化物におけるヤング率の経時変化および経時的変形量を測定した。
[ヤング率の経時的変化]
(i)試験片の作製:光造形用樹脂組成物を、ガラス板上にアプリケータを用いて、厚みが200μmの塗膜を形成し、メタルハライドランプ装備したコンベア硬化装置を用いて、当該塗膜の表面に紫外線を照射(照射量0.5J/cm2)して、ガラス板上に半硬化塗膜を形成した。次いで、ガラス板から半硬化塗膜を剥離し、離型紙に載せ、最初に紫外線を照射した面とは反対側の面から紫外線を照射(照射量0.5J/cm2)して、硬化樹脂塗膜を作製した。得られた硬化塗膜を、下記の条件下に静置して試験片を作製した。
試験片1:23℃、相対湿度50%、24時間
試験片2:23℃、相対湿度50%、30日間
試験片3:23℃、相対湿度95%、30日間
試験片4:23℃、水中、30日間
(ii)試験片のヤング率測定:温度23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室内で、試験片(初期値測定用)、試験片(経時的変化測定用)の各々について、引張速度1mm/min、標線間距離25mmの条件で測定した。
[経時的変形量]
(1)試験片の作製:光造形装置ソリッドクリエーターJSC−2000」(ソニー(株)製、照射用光源Arイオンレーザー(波長351nm及び365nm))を使用して、装置内の容器に液状の光造形用樹脂組成物を入れ、液面に100mW、走査速度400mm/秒で、レーザー光を照射して、一層あたり0.2mmの厚さの硬化樹脂層を形成する工程を繰り返すことにより、板状部と複数の脚部を有する造形物を作製した。
板状部:50mm角、厚み20mm
脚部:高さ20mm
得られた造形物を照射装置から取り出し、未硬化の樹脂組成物を拭き取り、さらに溶媒により洗浄して、未硬化の樹脂組成物を除去した。
(2)反り量の測定:得られた硬化物を脚部を下にして水平台に載せ、硬化物の一端側の脚部を水平台に固定した場合の、他端側の脚部の水平台からの持ち上がり高さを反り量とした。評価結果を表4に示す。表4の実施例1〜3に示すように本発明の光造形用樹脂組成物から得られた光造形物では、比較例1に比べて、ヤング率の経時的変化が小さく、且つ反りの経時的変化も小さい。

0049

発明の効果

0050

本発明によれば、粘度が低くて作業性に優れ、光硬化性の良好な樹脂組成物であり、立体造形物の強度、精度、層間密着性、耐湿性および耐水性のバランスの良い光学的造形用樹脂組成物、その製造方法及び光学的造形物が得られる。

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