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技術 記録及び消去装置及びそれを用いた記録及び/又は消去方法

出願人 沖電気工業株式会社
発明者 岡田幸久西岡洋一
出願日 1999年10月28日 (21年1ヶ月経過) 出願番号 1999-307536
公開日 2001年5月8日 (19年7ヶ月経過) 公開番号 2001-121730
状態 拒絶査定
技術分野 サーマルプリンタ(構造)
主要キーワード 温度変化範囲 自己制御型 直鎖飽和カルボン酸 破壊記録 無記録領域 熱発生源 無記録状態 記録予定領域
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図面 (13)

課題

感熱記録媒体及び熱可逆性記録媒体に対して、良好な記録及び消去状態を形成することができ、特に大面積媒体用の記録及び/又は消去に効果的である。

解決手段

記録及び消去装置は、加熱ヘッド10を具え、この加熱ヘッドは、熱安定性を有する、少なくとも一つのブロック12で構成されている。また、ブロック内に熱発生源18を設けてあり、熱発生源として自己制御型ヒートセルを用いてある。また、加熱ヘッドを用いて、記録媒体に対する情報の記録及び/又は消去を行う方法では、一定温度に保持された加熱ヘッドと記録媒体との間の相対走査速度を一定に保つと共に、その間の距離を選択して、記録、無記録及び消去の各処理のうちの少なくとも1つの処理を行う方法と、一定温度に保持された加熱ヘッドと記録媒体との間の距離を一定に保つと共に、その間の相対走査速度を選択して、記録、無記録及び消去の各処理のうちの少なくとも1つの処理を行う方法とがある。

概要

背景

従来、感熱紙に代表される感熱記録媒体及び感熱記録装置は、記録方式が簡便であり、かつ記録装置メンテナンスが容易なため、家庭用ファックス等を初めとして広く世の中に普及した。近年では、記録時の排出物が他の記録方式と比較して少ないことにより、環境保護の観点からも見直されている。また、この環境保護の観点からは、OA用紙などのリサイクルが盛んに行われている一方で、熱により記録・消去が繰り返して可能な熱可逆性記録媒体が提案されている。この熱可逆性記録媒体は、リサイクルではなくリユースであるという点で、さらに優れた機能性記録媒体である。

この熱可逆性記録媒体として、例えば、マトリクスポリマと、このマトリクスポリマ中に分散された直鎖飽和カルボン酸を主成分とする有機低分子とから構成された熱可逆性記録材料を用いた記録媒体があり、カードなどへの応用で実用化されている。この熱可逆性記録媒体では、熱エネルギーによって熱可逆性記録材料の光散乱性を可逆的に変化させることによって、透明・不透明(白濁)部分を形成する。従って、画像形成部と未形成部とのコントラストが不十分であるという問題点があった。

さらに、この問題を解決すべく、可逆的に発色及び消色を繰り返す発色・消色型の熱可逆性記録媒体等が提案されている。この発色・消色型の熱可逆性記録媒体として、例えば、特開平2−188294に開示されている、ロイコ染料及び顕減色剤を主成分とする熱可逆性記録材料を用いた記録媒体がある。

これらの熱可逆性記録媒体には、情報の記録及び消去が異なる温度で行われるもの(温度差型)と、記録及び消去が加熱後に急冷されるか徐冷されるかによって行われるもの(急・徐冷型)とがある。このうち前者の温度差型は、記録媒体を記録可能温度範囲又は消去可能温度範囲に加熱することによってそれぞれ記録又は消去を行っている。この方法によれば、記録可能温度範囲と消去可能温度範囲とが異なっているために、記録と消去とを別々に行うことができる。また、後者の急・徐冷型は、一般に、媒体所定温度に加熱した後、急冷することにより記録され、及び徐冷することにより消去される。一般に、上述の光散乱性の変化を利用した熱可逆性記録媒体には温度差型が多く、発色・消色型の熱可逆性記録媒体には急・徐冷型が多い。

これらの熱可逆性記録媒体に記録及び消去を行う記録装置としては、現存する記録装置のすべてにおいて、従来の感熱記録媒体に対する記録で使用されていたサーマルヘッドと呼ばれるドット方式加熱装置が使用されている。

このサーマルヘッドにおいては、サーマルヘッド中の熱容量が小さな発熱体パルス電圧印加することで発熱させるので、記録媒体のサーマルヘッドで加熱した部分を急冷させることができるという特徴がある。

感熱記録媒体及び熱可逆性記録媒体に対する情報の記録方法としては、記録媒体を記録可能温度範囲に加熱できる程度の温度に、サーマルヘッドを加熱することにより、記録を行う。急・徐冷型の熱可逆性記録媒体においては、上述のように、サーマルヘッドによる加熱後は急冷になる性質を利用して、記録を行う。

また、記録情報消去方法としては、サーマルヘッドとは別に用意したヒートブロックヒートローラで、熱可逆性記録媒体の全面を消去可能温度範囲(急・徐冷型にあっては記録可能温度範囲とほぼ同じ)に加熱することにより徐冷となり、従って消去できる。しかしながら、急・徐冷型にあっては、消去可能温度範囲より低い温度のヒートブロックで長時間(0.5〜1.0s)加熱することにより、熱可逆性記録媒体の記録を劣化消去させることができ、一般的に用いられている。

概要

感熱記録媒体及び熱可逆性記録媒体に対して、良好な記録及び消去状態を形成することができ、特に大面積媒体用の記録及び/又は消去に効果的である。

記録及び消去装置は、加熱ヘッド10を具え、この加熱ヘッドは、熱安定性を有する、少なくとも一つのブロック12で構成されている。また、ブロック内に熱発生源18を設けてあり、熱発生源として自己制御型ヒートセルを用いてある。また、加熱ヘッドを用いて、記録媒体に対する情報の記録及び/又は消去を行う方法では、一定温度に保持された加熱ヘッドと記録媒体との間の相対走査速度を一定に保つと共に、その間の距離を選択して、記録、無記録及び消去の各処理のうちの少なくとも1つの処理を行う方法と、一定温度に保持された加熱ヘッドと記録媒体との間の距離を一定に保つと共に、その間の相対走査速度を選択して、記録、無記録及び消去の各処理のうちの少なくとも1つの処理を行う方法とがある。

目的

この発明の目的は、上述の問題点の一部分又は全部を解決することによって、感熱記録媒体及び熱可逆性記録媒体に対して、良好な記録及び消去状態を形成することができ、特に大面積媒体に対する記録及び/又は消去に効果的な、記録及び消去装置及びそれを用いた記録及び/又は消去方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

加熱ヘッドを具え、該加熱ヘッドにより記録媒体に対し情報の記録及び/又は消去を行う記録及び消去装置において、前記加熱ヘッドは、熱安定性を有する、少なくとも一つのブロックで構成されていることを特徴とする記録及び消去装置。

請求項2

請求項1に記載の記録及び消去装置において、前記ブロックは、前記加熱ヘッドの記録時における温度変化を、前記記録媒体の記録予定領域の温度を当該記録媒体での記録可能温度に維持できる範囲内に抑えるような前記熱安定性を有していることを特徴とする記録及び消去装置。

請求項3

請求項2に記載の記録及び消去装置において、前記温度変化範囲が、±5℃であることを特徴とする記録及び消去装置。

請求項4

請求項1〜3のいずれか1項に記載の記録及び消去装置において、前記ブロック内に熱発生源を設けたことを特徴とする記録及び消去装置。

請求項5

請求項4に記載の記録及び消去装置において、前記熱発生源として、自己制御型ヒートセルを用いたことを特徴とする記録及び消去装置。

請求項6

請求項1〜5のいずれか1項に記載の記録及び消去装置において、前記加熱ヘッドは複数個の前記ブロックで構成されており、各々の該ブロックは、前記記録媒体と対向する該ブロックの対向面が、該加熱ヘッドの走査方向と垂直方向に並ぶように配列されており、各々の該ブロックは該記録媒体の主表面と垂直方向に、該ブロック間の相対位置が変化するように、可動であることを特徴とする記録及び消去装置。

請求項7

請求項1〜5のいずれか1項に記載の記録及び消去装置において、前記加熱ヘッドは複数個の前記ブロックで構成されており、各々の該ブロックは、前記記録媒体と対向する該ブロックの対向面が、該加熱ヘッドの走査方向と平行方向に並ぶように配列されており、各々の該ブロックは該記録媒体の主表面と垂直方向に、該ブロック間の相対位置が変化するように、可動であることを特徴とする記録及び消去装置。

請求項8

請求項1〜5のいずれか1項に記載の記録及び消去装置において、前記加熱ヘッドは複数個の前記ブロックで構成されており、各々の該ブロックは、前記記録媒体と対向する該ブロックの対向面が、該加熱ヘッドの走査方向と垂直及び平行の両方向に並ぶように配列されており、各々の該ブロックは該記録媒体の主表面と垂直方向に、該ブロック間の相対位置が変化するように、可動であることを特徴とする記録及び消去装置。

請求項9

請求項1〜8のいずれか1項に記載の記録及び消去装置において、複数個の前記加熱ヘッドを具えたことを特徴とする記録及び消去装置。

請求項10

請求項1〜9のいずれか1項に記載の記録及び消去装置において、さらに、前記加熱ヘッドが前記記録媒体の主表面上を移動するための可動軸を具えたことを特徴とする記録及び消去装置。

請求項11

加熱ヘッドを用いて、記録媒体に対する情報の記録及び/又は消去を行うに当たり、一定温度に保持された前記加熱ヘッドと前記記録媒体との間の相対走査速度を一定に保つと共に、その間の距離を選択して、記録、無記録及び消去の各処理のうちの少なくとも1つの処理を行うことを特徴とする記録及び/又は消去方法

請求項12

加熱ヘッドを用いて、感熱記録媒体に対する情報の記録を行うに当たり、一定温度に保持された前記加熱ヘッドと前記感熱記録媒体の記録予定領域との間の相対走査速度を一定値に保つと共に、その間の距離を、該記録予定領域が該感熱記録媒体の記録可能温度範囲内の温度に変化する距離に保ち、及び前記一定温度に保持された該加熱ヘッドと該感熱記録媒体の記録予定外領域との間の相対走査速度を前記一定値に保つと共に、その間の距離を、該記録予定外領域が前記記録可能温度範囲内の温度に変化しない距離に保つことによって記録を行う、ことを特徴とする記録方法

請求項13

加熱ヘッドを用いて、記録可能温度範囲と消去可能温度範囲との差を利用して、熱可逆性記録媒体に対する情報の記録及び/又は消去を行うに当たり、記録を行うときは、一定温度に保持された前記加熱ヘッドと前記熱可逆性記録媒体の記録予定領域との間の相対走査速度を一定値に保つと共に、その間の距離を、該記録予定領域が前記記録可能温度範囲内の温度に変化する距離に保ち、及び前記一定温度に保持された該加熱ヘッドと該熱可逆性記録媒体の記録予定外領域との間の相対走査速度を前記一定値に保つと共に、その間の距離を、該記録予定外領域が前記記録可能温度範囲内の温度に変化しない距離に保つことによって行い、記録済熱可逆性記録媒体に対して消去を行うときは、前記一定温度に保持された前記加熱ヘッドと該記録済熱可逆性記録媒体との間の相対走査速度を前記一定値に保つと共に、その間の距離を、前記消去可能温度範囲内の温度に変化する距離に保つことによって行うことを特徴とする記録及び/又は消去方法。

請求項14

加熱ヘッドを用いて記録媒体に対する情報の記録及び/又は消去を行うに当たり、一定温度に保持された前記加熱ヘッドと前記記録媒体との間の距離を一定に保つと共に、その間の相対走査速度を選択して、記録、無記録及び消去の各処理のうちの少なくとも1つの処理を行うことを特徴とする記録及び/又は消去方法。

請求項15

加熱ヘッドを用いて、記録可能温度範囲と消去可能温度範囲との差を利用して、熱可逆性記録媒体に対する情報の記録及び/又は消去を行うに当たり、記録を行うときは、一定温度に保持された前記加熱ヘッドと前記熱可逆性記録媒体の記録予定領域との間の距離を一定値に保つと共に、その間の相対走査速度を、該記録予定領域が前記記録可能温度範囲内の温度に変化する相対走査速度に保ち、及び前記一定温度に保持された該加熱ヘッドと該熱可逆性記録媒体の記録予定外領域との間の距離を前記一定値に保つと共に、その間の相対走査速度を、該記録予定外領域が前記記録可能温度範囲内の温度に変化しない相対走査速度に保つことによって行い、記録済熱可逆性記録媒体に対して消去を行うときは、前記一定温度に保持された前記加熱ヘッドと該記録済熱可逆性記録媒体との間の距離を前記一定値に保つと共に、その間の相対走査速度を、前記消去可能温度範囲内の温度に変化する相対走査速度に保つことによって行うことを特徴とする記録及び/又は消去方法。

請求項16

加熱ヘッドを用いて、加熱後の冷却速度の差を利用して、熱可逆性記録媒体に対する情報の記録及び/又は消去を行うに当たり、記録を行うときは、一定温度に保持された前記加熱ヘッドと前記熱可逆性記録媒体の記録予定領域との間の距離を一定値に保つと共に、その間の相対走査速度を、該記録予定領域が記録可能冷却速度範囲内の冷却速度で冷却される相対走査速度に保ち、及び前記一定温度に保持された該加熱ヘッドと該熱可逆性記録媒体の記録予定外領域との間の距離を前記一定値に保つと共に、その間の相対走査速度を、該記録外領域が前記記録可能冷却速度範囲内の冷却速度で冷却されない相対走査速度に保つことによって行い、記録済熱可逆性記録媒体に対して消去を行うときは、前記一定温度に保持された前記加熱ヘッドと該記録済熱可逆性記録媒体との間の距離を前記一定値に保つと共に、その間の相対走査速度を、消去可能冷却速度範囲内の冷却速度で冷却される相対走査速度に保つことによって行うことを特徴とする記録及び/又は消去方法。

請求項17

加熱ヘッドを用いて、記録可能温度範囲と消去可能温度範囲との差を利用して、熱可逆性記録媒体に対する情報の記録及び/又は消去を行うに当たり、一定温度に保持された前記加熱ヘッドと前記熱可逆性記録媒体の記録予定領域との間の相対走査速度を一定値に保つと共に、その間の距離を、該記録予定領域が前記記録可能温度範囲内の温度に変化する距離に保ち、及び前記一定温度に保持された該加熱ヘッドと該熱可逆性記録媒体の記録外予定領域との間の相対走査速度を前記一定値に保つと共に、その間の距離を、該記録予定外領域が前記消去可能温度範囲内の温度に変化する距離に保つことによって、オーバーライト記録を行うことを特徴とする記録及び/又は消去方法。

請求項18

加熱ヘッドを用いて、記録可能温度範囲と消去可能温度範囲との差を利用して、熱可逆性記録媒体に対する情報の記録及び/又は消去を行うに当たり、一定温度に保持された前記加熱ヘッドと前記熱可逆性記録媒体の記録予定領域との間の距離を一定値に保つと共に、その間の相対走査速度を、該記録予定領域が前記記録可能温度範囲内の温度に変化する相対走査速度に保ち、及び前記一定温度に保持された該加熱ヘッドと該熱可逆性記録媒体の記録予定外領域との間の距離を前記一定値に保つと共に、その間の相対走査速度を、該記録予定外領域が前記消去可能温度範囲内の温度に変化する相対走査速度に保つことによって、オーバーライト記録を行うことを特徴とする記録及び/又は消去方法。

請求項19

加熱ヘッドを用いて、加熱後の冷却速度の差を利用して、熱可逆性記録媒体に対する情報の記録及び/又は消去を行うに当たり、一定温度に保持された前記加熱ヘッドと前記熱可逆性記録媒体の記録予定領域との間の距離を一定値に保つと共に、その間の相対走査速度を、該記録予定領域が記録可能冷却速度範囲内の冷却速度で冷却される相対走査速度に保ち、及び前記一定温度に保持された該加熱ヘッドと該熱可逆性記録媒体の記録予定外領域との間の距離を前記一定値に保つと共に、その間の相対走査速度を、該記録予定外領域が消去可能冷却速度範囲内の冷却速度で冷却される相対走査速度に保つことによって、オーバーライト記録を行うことを特徴とする記録及び/又は消去方法。

請求項20

請求項11に記載の記録及び/又は消去方法において、前記加熱ヘッドは、熱安定性を有する、少なくとも一つのブロックで構成されていることを特徴とする記録及び/又は方法。

請求項21

請求項13〜19のいずれか1項に記載の記録及び/又は消去方法において、前記加熱ヘッドは、熱安定性を有する、少なくとも一つのブロックで構成されていることを特徴とする記録及び/又は方法。

請求項22

請求項20又は21に記載の記録及び/又は消去方法において、前記ブロックは、前記加熱ヘッドの記録時における温度変化を、前記記録媒体の記録予定領域の温度を当該記録媒体での記録可能温度に維持できる範囲内に抑えるような前記熱安定性を有していることを特徴とする記録及び/又は消去方法。

請求項23

請求項22に記載の記録及び/又は消去方法において、前記温度変化範囲が、±5℃であることを特徴とする記録及び/又は消去方法。

技術分野

0001

この発明は、主として、感熱記録媒体及び熱可逆性記録媒体使用可能な、加熱ヘッドを具える記録及び消去装置とそれを用いた記録及び/又は消去方法とに関する。

背景技術

0002

従来、感熱紙に代表される感熱記録媒体及び感熱記録装置は、記録方式が簡便であり、かつ記録装置メンテナンスが容易なため、家庭用ファックス等を初めとして広く世の中に普及した。近年では、記録時の排出物が他の記録方式と比較して少ないことにより、環境保護の観点からも見直されている。また、この環境保護の観点からは、OA用紙などのリサイクルが盛んに行われている一方で、熱により記録・消去が繰り返して可能な熱可逆性記録媒体が提案されている。この熱可逆性記録媒体は、リサイクルではなくリユースであるという点で、さらに優れた機能性記録媒体である。

0003

この熱可逆性記録媒体として、例えば、マトリクスポリマと、このマトリクスポリマ中に分散された直鎖飽和カルボン酸を主成分とする有機低分子とから構成された熱可逆性記録材料を用いた記録媒体があり、カードなどへの応用で実用化されている。この熱可逆性記録媒体では、熱エネルギーによって熱可逆性記録材料の光散乱性を可逆的に変化させることによって、透明・不透明(白濁)部分を形成する。従って、画像形成部と未形成部とのコントラストが不十分であるという問題点があった。

0004

さらに、この問題を解決すべく、可逆的に発色及び消色を繰り返す発色・消色型の熱可逆性記録媒体等が提案されている。この発色・消色型の熱可逆性記録媒体として、例えば、特開平2−188294に開示されている、ロイコ染料及び顕減色剤を主成分とする熱可逆性記録材料を用いた記録媒体がある。

0005

これらの熱可逆性記録媒体には、情報の記録及び消去が異なる温度で行われるもの(温度差型)と、記録及び消去が加熱後に急冷されるか徐冷されるかによって行われるもの(急・徐冷型)とがある。このうち前者の温度差型は、記録媒体を記録可能温度範囲又は消去可能温度範囲に加熱することによってそれぞれ記録又は消去を行っている。この方法によれば、記録可能温度範囲と消去可能温度範囲とが異なっているために、記録と消去とを別々に行うことができる。また、後者の急・徐冷型は、一般に、媒体所定温度に加熱した後、急冷することにより記録され、及び徐冷することにより消去される。一般に、上述の光散乱性の変化を利用した熱可逆性記録媒体には温度差型が多く、発色・消色型の熱可逆性記録媒体には急・徐冷型が多い。

0006

これらの熱可逆性記録媒体に記録及び消去を行う記録装置としては、現存する記録装置のすべてにおいて、従来の感熱記録媒体に対する記録で使用されていたサーマルヘッドと呼ばれるドット方式加熱装置が使用されている。

0007

このサーマルヘッドにおいては、サーマルヘッド中の熱容量が小さな発熱体パルス電圧印加することで発熱させるので、記録媒体のサーマルヘッドで加熱した部分を急冷させることができるという特徴がある。

0008

感熱記録媒体及び熱可逆性記録媒体に対する情報の記録方法としては、記録媒体を記録可能温度範囲に加熱できる程度の温度に、サーマルヘッドを加熱することにより、記録を行う。急・徐冷型の熱可逆性記録媒体においては、上述のように、サーマルヘッドによる加熱後は急冷になる性質を利用して、記録を行う。

0009

また、記録情報の消去方法としては、サーマルヘッドとは別に用意したヒートブロックヒートローラで、熱可逆性記録媒体の全面を消去可能温度範囲(急・徐冷型にあっては記録可能温度範囲とほぼ同じ)に加熱することにより徐冷となり、従って消去できる。しかしながら、急・徐冷型にあっては、消去可能温度範囲より低い温度のヒートブロックで長時間(0.5〜1.0s)加熱することにより、熱可逆性記録媒体の記録を劣化消去させることができ、一般的に用いられている。

発明が解決しようとする課題

0010

しかしながら、従来のサーマルヘッド(以下、ヘッドと称する)を用いる記録装置においては、以下に示すような様々な問題点がある。

0011

第1の問題点として、上述したように、従来のヘッドは熱容量の小さな発熱体をパルス的電圧を印加することで発熱させていたが、この発熱体の抵抗値にはばらつきがあるために、発熱体によって20℃〜30℃のばらつきが生じてしまう。このため、ヘッドの位置によって温度にばらつきが生じ、記録時において記録状態が悪くなるという問題が生じていた。具体的には、記録媒体の加熱領域、すなわち記録予定領域記録温度に達せず、その結果、記録できない部分があった。これに対して、ヘッドによる加熱温度を高く設定して、ヘッドの位置による温度のばらつきにも拘わらず、記録媒体を確実に記録可能温度範囲に加熱するようにできる。しかし、この場合には、記録媒体の保護層が高熱により破壊されてしまうことがある。その理由は、一般に記録媒体は、基板上に、記録層及び保護層を順次に設けた構造になっているため、記録層が所定温度に達するとき、保護層はそれ以上の温度に加熱されるからである。この破壊記録は、記録のみ可能な感熱媒体においては問題ないが、何度も記録と消去とを繰り返す必要のある熱可逆性記録媒体においては用いることができない。一般的に、良好な記録状態を保つには、発熱体の温度のばらつきを10℃以内にすることが望ましいが、このような発熱体を具えるヘッドを作製するのは困難であり、また、コストがかかってしまう。

0012

第2の問題点として、従来のヘッドで記録を進めるにつれて、ヘッド自体が全体的に加熱されてしまい、そのため、記録予定領域以外まで室温以上に加熱されてしまう。その結果、記録媒体の加熱領域、すなわち記録予定領域が急冷でなく徐冷になってしまう。なぜなら、急冷却は、加熱された記録予定領域の記録層と、その周辺の室温の領域(特に基板)との温度差が大きいときに行われるのであって、記録領域以外まで室温以上に加熱されたり、また基板が温まるほど熱を加えられてしまうと、徐冷状態になるからである。従って、急・徐冷型の記録媒体においては、記録予定領域において記録ではなく、消去が行われてしまうことがあった。特に、ヘッドによる一回の走査ごとの記録を、幅が広い領域にわたって行ったとき、すなわち、具体的には太い印字をしたときにおいて、この問題は顕著になる。この場合、例えば、記録領域の中心部分が抜け落ちて無記録になったり、または記録領域のエッジがにじんだりする。大面積の記録媒体に記録するときは記録領域の面積も大きくなるので、記録領域の幅も広くする必要がある。また、大面積の記録では、ヘッド自体が加熱されてヘッド温度が高くなりやすい。

0013

この他にも、いくつかの構造上の問題点があった。例えば、記録媒体とヘッドが接触するために、記録媒体の表面が傷つけられ、又は、ヘッド自体が劣化・摩耗する。また、記録用ヘッドとは別に、消去用ヘッドが必要である。さらに、感熱記録媒体の普及により、A3〜A0といった大面積媒体への記録が必要になっている。これに対して、ライン式記録装置におけるヘッドで対応しようとすると、ヘッドを整列するのが困難であったり、シリアル式記録装置におけるヘッドで対応しようとすると、大面積になるほど操作時間が必要になるという問題点がそれぞれあった。

0014

この発明の目的は、上述の問題点の一部分又は全部を解決することによって、感熱記録媒体及び熱可逆性記録媒体に対して、良好な記録及び消去状態を形成することができ、特に大面積媒体に対する記録及び/又は消去に効果的な、記録及び消去装置及びそれを用いた記録及び/又は消去方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0015

この目的を達成するため、本発明の発明者が鋭意研究・検討を重ねた結果、以下に示すような構造を持った加熱ヘッドを具えた装置及び加熱ヘッドを操作する方法であれば良いことを見いだした。すなわち、加熱ヘッドにおいては、記録等の処理中に一定温度に常に保たれていればよく、一定温度に保たれた加熱ヘッドの操作方法としては、記録等の処理の種類に対応して、記録媒体とヘッドとの距離又は走査速度を選択すればよい。これらにより、記録媒体の記録層を、所望の処理が行える温度にばらつきなく加熱できることがわかった。

0016

この発明の装置によれば、加熱ヘッドを具え、加熱ヘッドにより記録媒体に対し情報の記録及び/又は消去を行う記録及び消去装置において、加熱ヘッドは、熱安定性を有する、少なくとも一つのブロックで構成されている。

0017

熱安定性を有するとは、ブロックが記録等の作動時及び無作動時において、時間的に温度変動が少なく、かつ、ブロック内の位置により温度差が少ないことを意味している。また、ブロックが熱安定性を有するためには、ブロックの熱容量が大きいことが当然必要であるが、ブロックの材質を選ぶ際には熱容量に加えて熱伝導性が良い材質であることが好ましい。この理由として、ブロック内の一部で温度変化があったときに、熱容量が大きいことによりブロック全体の温度変化が小さくなり、また、熱伝導性が良いことにより早く安定温度に達すると考えられるからである。また、熱伝導性が良い材質であることにより、ブロックを加熱するときに、所定温度に達する時間を短くする効果もある。従って、熱安定性を有するためには、熱伝導性の良い材質を選び、ブロックの大きさをある程度持たせることにより、熱容量を大きくすることが望ましいと考えられる。しかし、微細記録の必要性により、ブロックの大きさを小さくしなければならない場合は、材質として、なるべく比熱が大きい物を選ぶべきである。ここでブロックとは、塊状のものを意味し、形状・大きさ・材質等は限定されず、またブロック内は詰まっていても空洞であっても良い。

0018

このようなヘッドを用いると、ヘッド内の位置及び時間によらず、温度のばらつきが小さくなるため、記録媒体に対して良好な熱制御を行うことができる。

0019

この発明の装置の実施に当たり、好ましくは、ブロックは以下に述べるような熱安定性を有していると良い。加熱ヘッドは記録時において温度変化を生ずる。しかし、温度変化が生じても、記録媒体の記録予定領域の温度を記録媒体での記録可能温度に維持できる、すなわち、記録を喪失することがなければ問題ない。すなわち、ブロックは、このような温度変化の範囲内に抑えることができる熱安定性を、有しているのが良い。

0020

ここで記録予定領域とは、記録処理時において、記録媒体のうち記録を行う予定である領域のことを意味する。また、記録可能温度とは記録のみ可能な感熱記録媒体においては、記録ができる最低温度以上の温度であり、熱可逆性記録媒体においては、記録ができる最低温度以上の温度であり、かつ、保護層を破壊してしまう温度以下の温度を意味する。このような熱安定性を有すると、記録時において、記録媒体の記録層は確実に記録状態になるので、良好な記録状態を得ることができる。また、このような熱安定性を持つと、消去時においても、記録媒体の記録層は確実に消去状態になるので、良好な消去状態を得ることができる。

0021

また、好ましくは、上述の加熱ヘッドの温度変化の範囲が、±5℃であると良い。

0022

ヘッドによる加熱温度のばらつきが±5℃以内であると、記録媒体の温度のばらつきも、実際の記録媒体における記録可能温度範囲に近い±5℃以内に維持されるので、実用的に、熱可逆性記録媒体に対して良好な記録又は消去を行うことができる。

0023

また、ブロック内に熱発生源を設けると良い。これにより、ブロックを所定温度に加熱することができる。

0024

このとき、熱発生源として、自己制御型ヒートセルを用いても良い。

0025

自己制御型ヒートセルとは、通常、正の温度係数を有する抵抗体であって、温度の上昇に伴って自身の抵抗が高くなり、従って、同一電圧を印加した場合には流れる電流が少なくなるので発熱量が小さくなる。その結果、上限温度が決まり、一定となるものである。この自己制御型ヒートセルを用いると、温度制御するための外付けのシステムが不必要になり、一定の電圧を印加する電源があればよいので、装置が簡略化できる。

0026

また、この発明の装置の実施に当たり、加熱ヘッドは複数個のブロックで構成されており、各々のブロックは、記録媒体と対向するブロックの対向面が、加熱ヘッドの走査方向と垂直方向に並ぶように配列されており、各々のブロックは記録媒体の主表面と垂直方向に、ブロック間の相対位置が変化するように、可動であっても良い。

0027

このような構成の加熱ヘッドにすることにより、あらかじめ各々のブロックを所定の位置関係に設定し、記録等の処理を行うと、記録等の領域の幅を選択でき、また、記録中にブロック間の相対位置を自由に変動させることができる構造とすると、従来のサーマルヘッドと同等のドット方式の記録ができる。

0028

また、この発明の装置の実施に当たり、加熱ヘッドは複数個のブロックで構成されており、各々のブロックは、記録媒体と対向するブロックの対向面が、加熱ヘッドの走査方向と平行方向に並ぶように配列されており、各々のブロックは記録媒体の主表面と垂直方向に、ブロック間の相対位置が変化するように、可動であっても良い。

0029

このような構成の加熱ヘッドにすることにより、ブロックを所定の位置関係に設定した後に、加熱ヘッドを走査させることにより、ブロックによって記録用消去用とに使い分けることができ、従って、記録済の記録媒体に対して、消去及び記録を同時に行うことができる。

0030

また、この発明の装置の実施に当たり、加熱ヘッドは複数個のブロックで構成されており、各々のブロックは、記録媒体と対向するブロックの対向面が、加熱ヘッドの走査方向と垂直及び平行の両方向に並ぶように配列されており、各々のブロックは記録媒体の主表面と垂直方向に、ブロック間の相対位置が変化するように、可動であっても良い。

0031

このような構成の加熱ヘッドにすることにより、記録等の領域の幅を選択できたり、従来のサーマルヘッドと同等のドット方式の記録ができたり、記録済の媒体に対して、消去及び記録を一つのヘッドで同時に行うことができる。

0032

また、この発明の装置の実施に当たり、複数個の加熱ヘッドを具えた構造としても良い。

0033

このとき、それぞれの加熱ヘッドにおいて、記録媒体と対向するそれぞれの加熱ヘッドの対向面の大きさを変化させると共に、加熱ヘッドを使い分けることにより、記録等の領域の幅を変化させることができる。また、記録用と消去用のヘッドを個別に設けて、使い分けることもできる。

0034

さらに、この発明の装置の実施に当たり、加熱ヘッドが記録媒体の主表面上を移動するための可動軸を具えても良い。

0035

また、この発明の第1の方法によれば、加熱ヘッドを用いて、記録媒体に対する情報の記録及び/又は消去を行うに当たり、一定温度に保持された加熱ヘッドと記録媒体との間の相対走査速度を一定に保つと共に、その間の距離を選択して、記録、無記録及び消去の各処理のうちの少なくとも1つの処理を行う。

0036

この方法を用いることにより、一定温度に保持された加熱ヘッドと記録媒体との間の距離に応じて、記録媒体に伝わる熱量が変化する。このとき、記録媒体が加熱される温度も距離に応じて決定する。従って、一定温度の加熱ヘッドで一定の相対走査速度を保ちながら、距離を所定値に設定することで、記録媒体の記録層を、所定の温度にばらつきが生ずることなく加熱することができる。従って、記録媒体の記録層を記録、無記録及び消去可能温度範囲内の温度に加熱できる各距離のうちの1つを選択することにより、記録、無記録及び消去の各処理のうちの1つの所定の処理を行うことができると共に、所定としない残りの2つの処理が行われてしまうことがない。従って、各処理が確実に行われ、記録状態及び消去状態は共に良好になる。また、同一加熱ヘッド中に、加熱ヘッドと記録媒体との間の距離が異なる部分を持つ構造の場合には、記録媒体を異なる温度に加熱できるので、同一加熱ヘッドにより、記録、無記録及び消去の各処理のうちの2つ以上の処理を同時に行うことができる。ここで無記録とは、記録媒体の記録が行われていない領域に記録を行わない処理を行うことを意味する。

0037

この場合、上述のように、所定の処理を行う場合、記録媒体をばらつきなく所定温度に加熱できるので、例えば記録を行う場合、所定温度を記録できる最低温度より少し高い程度の温度に設定でき、従って、従来のように記録媒体を高温に加熱しすぎて、保護層を破壊してしまうことはない。

0038

また、一つの加熱ヘッドで記録、無記録又は消去のすべての処理を行うことができるので、従来のように消去用のヘッドを別に設ける必要がなくなる。

0039

また、この発明の第2の方法によれば、加熱ヘッドを用いて、感熱記録媒体に対する情報の記録を行うに当たり、一定温度に保持された加熱ヘッドと感熱記録媒体の記録予定領域との間の相対走査速度を一定値に保つと共に、その間の距離を、記録予定領域が感熱記録媒体の記録可能温度範囲内の温度に変化する距離に保ち、及び一定温度に保持された加熱ヘッドと感熱記録媒体の記録予定外領域との間の相対走査速度を上述の一定値に保つと共に、その間の距離を、記録予定外領域が記録可能温度範囲内の温度に変化しない距離に保つことによって記録を行う。

0040

この方法を用いることにより、記録のみ行うことができる感熱記録媒体に対して、所定の記録領域及び無記録領域を良好な状態で作製することができ、従って、良好な記録状態を得ることができる。ここで記録領域とは、記録時において、記録媒体のうち記録を行った領域であり、及び無記録領域とは、記録時において、記録媒体のうち記録を行わなかった領域のことを意味する。また、記録予定外領域とは、記録時において、記録媒体のうち記録を行わない予定の領域のことを意味する。

0041

また、この発明の第3の方法によれば、加熱ヘッドを用いて、記録可能温度範囲と消去可能温度範囲との差を利用して、熱可逆性記録媒体に対する情報の記録及び/又は消去を行うに当たり、記録を行うときは、一定温度に保持された加熱ヘッドと熱可逆性記録媒体の記録予定領域との間の相対走査速度を一定値に保つと共に、その間の距離を、記録予定領域が記録可能温度範囲内の温度に変化する距離に保ち、及び一定温度に保持された加熱ヘッドと熱可逆性記録媒体の記録予定外領域との間の相対走査速度を上述の一定値に保つと共に、その間の距離を、記録予定外領域が記録可能温度範囲内の温度に変化しない距離に保つことによって行い、記録済熱可逆性記録媒体に対して消去を行うときは、一定温度に保持された加熱ヘッドと記録済熱可逆性記録媒体との間の相対走査速度を上述の一定値に保つと共に、その間の距離を、消去可能温度範囲内の温度に変化する距離に保つことによって行う。

0042

この方法を用いることにより、記録可能温度範囲と消去可能温度範囲との差を利用して記録及び消去を行う熱可逆性記録媒体に対して、記録時には所定の記録領域及び無記録領域を、及び消去時には消去領域を良好な状態で作製することができ、従って、良好な記録状態又は消去状態を得ることができる。

0043

また、この発明の第4の方法によれば、加熱ヘッドを用いて記録媒体に対する情報の記録及び/又は消去を行うに当たり、一定温度に保持された加熱ヘッドと記録媒体との間の距離を一定に保つと共に、その間の相対走査速度を選択して、記録、無記録及び消去の各処理のうちの少なくとも1つの処理を行う。

0044

この方法を用いることにより、一定温度に保持された加熱ヘッドと記録媒体との間の相対走査速度に応じて、記録媒体に伝わる熱量が変化する。このとき、記録媒体が加熱される温度も相対走査速度に応じて決定する。従って、一定温度の加熱ヘッドで一定の距離を保ちながら、相対走査速度を所定値に設定することで、記録媒体の記録層を、所定の温度にばらつきが生ずることなく加熱することができる。

0045

また、相対走査速度に応じて、記録媒体の記録層のみが加熱されるか、記録層以外に基板等の全体まで加熱されるか等の、加熱範囲が変化する。このとき、記録媒体が冷却される速度も相対走査速度に応じて決定する。従って、一定温度の加熱ヘッドで一定の距離を保ちながら、相対走査速度を所定値に設定することで、記録媒体の記録層を、加熱後にばらつきが生ずることなく所定の冷却速度で冷却させることができる。

0046

従って、記録可能温度範囲と消去可能温度範囲との差を利用して記録及び消去を行う熱可逆性記録媒体に対しては、記録媒体の記録層を記録、無記録及び消去可能温度範囲内の温度に加熱できる各相対走査速度のうちの1つを選択することにより、記録、無記録及び消去の各処理のうちの1つの所定の処理を行うことができると共に、所定としない残りの2つの処理が行われてしまうことがない。従って、各処理が確実に行われ、記録状態及び消去状態は共に良好になる。また、同一加熱ヘッド中に、加熱ヘッドと記録媒体との間の距離が異なる部分を持つ構造の場合には、記録媒体を異なる温度に加熱できるので、同一加熱ヘッドにより、記録、無記録及び消去の各処理のうちの2つ以上の処理を同時に行うことができる。

0047

また、加熱後の冷却速度の差を利用して記録及び消去を行う熱可逆性記録媒体に対しては、記録媒体の記録層を記録、無記録及び消去できる冷却速度範囲内の冷却速度で冷却できる各相対走査速度のうちの1つを選択することにより、記録、無記録及び消去の各処理のうちの1つの所定の処理を行うことができると共に、所定としない残りの2つの処理が行われてしまうことがない。従って、各処理が確実に行われ、記録状態及び消去状態は共に良好になる。

0048

この場合、上述のように、所定の処理を行う場合、記録媒体をばらつきなく所定温度に加熱できるので、例えば記録を行う場合、所定温度を記録できる最低温度より少し高い程度の温度に設定でき、従って、従来のように記録媒体を高温に加熱しすぎて、保護層を破壊してしまうことはない。

0049

また、一つの加熱ヘッドで記録、無記録又は消去のすべての処理を行うことができるので、従来のように消去用のヘッドを別に設ける必要がなくなる。

0050

また、この発明の第5の方法によれば、加熱ヘッドを用いて、記録可能温度範囲と消去可能温度範囲との差を利用して、熱可逆性記録媒体に対する情報の記録及び/又は消去を行うに当たり、記録を行うときは、一定温度に保持された加熱ヘッドと熱可逆性記録媒体の記録予定領域との間の距離を一定値に保つと共に、その間の相対走査速度を、記録予定領域が記録可能温度範囲内の温度に変化する相対走査速度に保ち、及び一定温度に保持された加熱ヘッドと熱可逆性記録媒体の記録予定外領域との間の距離を上述の一定値に保つと共に、その間の相対走査速度を、記録予定外領域が記録可能温度範囲内の温度に変化しない相対走査速度に保つことによって行い、記録済熱可逆性記録媒体に対して消去を行うときは、一定温度に保持された加熱ヘッドと記録済熱可逆性記録媒体との間の距離を上述の一定値に保つと共に、その間の相対走査速度を、消去可能温度範囲内の温度に変化する相対走査速度に保つことによって行う。

0051

この方法を用いることにより、記録可能温度範囲と消去可能温度範囲との差を利用して記録及び消去を行う熱可逆性記録媒体に対して、記録時には、所定の記録領域及び無記録領域を、及び消去時には消去領域を良好な状態で作製することができ、従って、良好な記録状態又は消去状態を得ることができる。

0052

また、この発明の第6の方法によれば、加熱ヘッドを用いて、加熱後の冷却速度の差を利用して、熱可逆性記録媒体に対する情報の記録及び/又は消去を行うに当たり、記録を行うときは、一定温度に保持された加熱ヘッドと熱可逆性記録媒体の記録予定領域との間の距離を一定値に保つと共に、その間の相対走査速度を、記録予定領域が記録可能冷却速度範囲内の冷却速度で冷却される相対走査速度に保ち、及び一定温度に保持された加熱ヘッドと熱可逆性記録媒体の記録予定外領域との間の距離を上述の一定値に保つと共に、その間の相対走査速度を、記録外領域が記録可能冷却速度範囲内の冷却速度で冷却されない相対走査速度に保つことによって行い、記録済熱可逆性記録媒体に対して消去を行うときは、一定温度に保持された加熱ヘッドと記録済熱可逆性記録媒体との間の距離を上述の一定値に保つと共に、その間の相対走査速度を、消去可能冷却速度範囲内の冷却速度で冷却される相対走査速度に保つことによって行う。

0053

この方法を用いることにより、加熱後の冷却速度の差を利用して記録及び消去を行う熱可逆性記録媒体に対して、記録時には所定の記録領域及び無記録領域を、及び消去時には消去領域を、良好な状態で作製することができ、従って、良好な記録状態又は消去状態を得ることができる。

0054

また、この発明の第7の方法によれば、加熱ヘッドを用いて、記録可能温度範囲と消去可能温度範囲の差を利用して、熱可逆性記録媒体に対する情報の記録及び/又は消去を行うに当たり、一定温度に保持された加熱ヘッドと熱可逆性記録媒体の記録予定領域との間の相対走査速度を一定値に保つと共に、その間の距離を、記録予定領域が記録可能温度範囲内の温度に変化する距離に保ち、及び一定温度に保持された加熱ヘッドと熱可逆性記録媒体の記録外予定領域との間の相対走査速度を上述の一定値に保つと共に、その間の距離を、記録予定外領域が消去可能温度範囲内の温度に変化する距離に保つことによって、オーバーライト記録を行う。

0055

ここでオーバーライト記録とは、記録済の媒体に対して新たな記録を行うとき、新たな記録としての記録予定領域には記録処理を行い、記録予定外領域には消去処理を行うことによって、記録が行われていない記録媒体にその新たな記録を行ったのと同様の記録状態を得る記録方法のことを意味する。この方法を用いることにより、記録可能温度範囲と消去可能温度範囲との差を利用して記録及び消去を行う熱可逆性記録媒体であって、記録済の媒体に対して、新たな記録を行うとき、記録媒体全体に対して消去を行ってから新たな記録を行う必要がなく、一行程で新たな記録を行える。従って、行程が簡略化され、記録に要する時間が短縮される。また、この方法においても、良好な記録状態を得ることができる。

0056

また、この発明の第8の方法によれば、加熱ヘッドを用いて、記録可能温度範囲と消去可能温度範囲の差を利用して、熱可逆性記録媒体に対する情報の記録及び/又は消去を行うに当たり、一定温度に保持された加熱ヘッドと熱可逆性記録媒体の記録予定領域との間の距離を一定値に保つと共に、その間の相対走査速度を、記録予定領域が記録可能温度範囲内の温度に変化する相対走査速度に保ち、及び一定温度に保持された加熱ヘッドと熱可逆性記録媒体の記録予定外領域との間の距離を上述の一定値に保つと共に、その間の相対走査速度を、記録予定外領域が消去可能温度範囲内の温度に変化する相対走査速度に保つことによって、オーバーライト記録を行う。

0057

この方法を用いることにより、記録可能温度範囲と消去可能温度範囲との差を利用して記録及び消去を行う熱可逆性記録媒体であって、記録済の媒体に対して、新たな記録を行うとき、記録媒体全体に対して消去を行ってから新たな記録を行う必要がなく、一行程で新たな記録を行える。従って、行程が簡略化され、記録に要する時間が短縮される。また、この方法においても、良好な記録状態を得ることができる。

0058

また、この発明の第9の方法によれば、加熱ヘッドを用いて、加熱後の冷却速度の差を利用して、熱可逆性記録媒体に対する情報の記録及び/又は消去を行うに当たり、一定温度に保持された加熱ヘッドと熱可逆性記録媒体の記録予定領域との間の距離を一定値に保つと共に、その間の相対走査速度を、記録予定領域が記録可能冷却速度範囲内の冷却速度で冷却される相対走査速度に保ち、及び一定温度に保持された加熱ヘッドと熱可逆性記録媒体の記録予定外領域との間の距離を上述の一定値に保つと共に、その間の相対走査速度を、記録予定外領域が消去可能冷却速度範囲内の冷却速度で冷却される相対走査速度に保つことによって、オーバーライト記録を行う。

0059

この方法を用いることにより、加熱後の冷却速度の差を利用して記録及び消去を行う熱可逆性記録媒体であって、記録済の媒体に対して、新たな記録を行うとき、記録媒体全体に対して消去を行ってから新たな記録を行う必要がなく、一行程で新たな記録を行える。従って、行程が簡略化され、記録に要する時間が短縮される。また、この方法においても、良好な記録状態を得ることができる。

0060

また、上述した第1又は第3〜第9の方法のうちいずれか1つの発明の実施に当たり、好ましくは、加熱ヘッドは、熱安定性を有する、少なくとも一つのブロックで構成されていると良い。

0061

この構成にすることにより、加熱ヘッドを一定温度に保つことが容易に行え、従って、良好な記録又は消去状態を得ることができる。

0062

また、上述した第1及び第2の方法の発明の実施に当たり、好ましくは、ブロックは以下に述べるような熱安定性を有していると良い。加熱ヘッドは記録時において温度変化を生ずる。しかし、温度変化が生じても、記録媒体の記録予定領域の温度を記録媒体での記録可能温度に維持できる、すなわち、記録を喪失することがなければ問題ない。すなわち、ブロックは、このような温度変化の範囲内に抑えることができる熱安定性を有していると良い。

0063

このような熱安定性を有すると、記録時において、記録媒体の記録層は確実に記録状態になるので、良好な記録状態を得ることができる。また、このような熱安定性を持つと、消去時においても、記録媒体の記録層は確実に消去状態になるので、良好な消去状態を得ることができる。

0064

また、好ましくは、上述の温度変化の範囲が、±5℃であると良い。

0065

この構成にすることにより、記録媒体の温度のばらつきも、実際の記録媒体における記録可能温度範囲に近い±5℃以内に維持されるので、実用的に、熱可逆性記録媒体に対して良好な記録又は消去を行うことができる。

発明を実施するための最良の形態

0066

以下、この発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、図中、各構成成分の大きさ、形状および配置関係は、この発明が理解できる程度に概略的に示してあるにすぎず、また、以下に説明する数値的条件は単なる例示にすぎない。

0067

(記録及び消去装置の構造)まず、実施の形態の加熱ヘッドを具えた記録及び消去装置について説明する。

0068

記録及び消去装置は、加熱ヘッドを具え、この加熱ヘッドにより記録媒体に対し情報の記録及び/又は消去を行う。

0069

この加熱ヘッドについて図面を用いて説明する。図1は実施の形態の加熱ヘッドの構成を示す図であり、3方向から見た構成を示している。すなわち、図1(A)は正面から見た正面図、図1(B)は上から見た平面図、及び図1(C)は右側から見た右側面図である。

0070

加熱ヘッド10は、熱安定性を有する、少なくとも一つのブロックで構成されているが、この実施の形態の加熱ヘッド10においては1つのブロック12で構成されている。

0071

ブロック12は以下に述べるような熱安定性を有しているように構成する。加熱ヘッド10は記録時において温度変化を生ずる。しかし、温度変化が生じても、記録媒体14の温度が記録媒体14での記録可能温度に維持できる、すなわち、記録を喪失することがなければ問題ない。そして、このような加熱ヘッド10の温度変化の範囲内に抑えることができる熱安定性を有している。また、この加熱ヘッド10の温度変化の範囲が、±5℃とする。

0072

ブロック12が上述の熱安定性を有するためには、ブロック12の熱容量が大きく、好ましくは熱伝導性が良いことが必要である。熱容量の大きさは、ブロック12の大きさにも左右されるので、ブロック12を構成する材質としては、熱伝導性が良いものを選ぶとよく、この実施の形態においては真鍮黄銅)を用いた。真鍮は銅と亜鉛合金であり、熱伝導率及び比熱共に良好である。また、真鍮は延性展性に富み、鋳造しやすいので、ブロック12の材質としては好適である。しかし、熱伝導率及び比熱が大きければ他の材質も使用可能で、例えば、金、銀、銅、アルミニウムステンレス及びその他の金属や、シリコン系ゴムなどであっても良い。

0073

また、ブロック12の大きさにより熱容量を制御できるが、実用的には、使用される記録媒体14の面積及び記録領域の幅(印字の太さ)に依存して適当な大きさに定める。実用性の面から、ブロック12の大きさを小さくする必要があり、しかしながら、同等の熱安定性を持たせるには、より熱伝導率及び比熱が大きい材質を使用する必要がある。

0074

形状としては、記録媒体14に良好に接し、かつ、記録媒体14表面を操作するときに記録媒体14表面を傷つけない形状及び材質が好ましい。

0075

この実施の形態では、真鍮を2cm(奥行:D)×2cm(幅:W)×6cm(高さ:H)の四角柱状に切り出し、記録媒体14に対向する面、すなわち対向面16の4つの角を半径3mmほどの曲面状になるように角をとり、ブロック12とした。角をとることによって、記録媒体14表面を傷つけにくくなる。

0076

しかし、大きさ及び形状はこれにとらわれず、例えば、記録媒体14と対向する対向面16の面積を小さくすることにより記録領域の幅を小さくし、しかしながら、熱安定性を持たせるために、対向面16から離れたブロック12の上部を大きくすることも考えられる。また、ブロック12の傾きを変化させることにより、対向面16の面積を変化させるような形状にして、記録領域の幅を変化させられる構造にしても良い。

0077

また、ブロック12内に熱発生源18を設けてあり、熱発生源18として、自己制御型ヒートセル18を用いてある。ブロック12内に熱発生源18を内蔵させるために、ブロック12の内部を一部削り取ってある。1つのブロック12に4つの自己制御型ヒートセル18を内蔵させ、それぞれの自己制御型ヒートセル18の両面に電極20を設け、各自己制御型ヒートセル18に並列的に交流100Vの電圧を印加できるような電源22を、ブロック12の外部に設けた。自己制御型ヒートセル18として、設定温度が、80℃、110℃及び150℃のそれぞれのものを用意し、ブロック12内に内蔵することによって、3種類のブロック12を作製した。

0078

熱発生源18に自己制御型ヒートセル18を用いると、温度制御するための外付けのシステムが不必要になり、一定の電圧を印加する電源22があればよいので、装置が簡略化できる。尚、熱発生源18は、所定温度に加熱することができ、その後、所定温度を安定に保つことができる必要がある。この条件を満たす物であれば別の物を用いてもよく、例えば、ブロック12の一部にニクロム線などの加熱用抵抗線巻き付けて熱発生源18としたり、外部より電圧を制御することによって温度制御するようなヒートセルを熱発生源18としても良い。

0079

1つのブロック12を上述のように作製することにより、この実施の形態の加熱ヘッド10が完成する。

0080

この加熱ヘッド10を空気中において、熱発生源18に電圧をかけることにより加熱し、所定温度に達すると使用可能になる。この所定温度は、用いた自己制御型ヒートセル18の設定温度であり、所定温度に達するには、それぞれ80℃、110℃及び150℃の自己制御型ヒートセル18を内蔵した加熱ヘッド10において、数分を要する。しかしながら、一度所定温度に達すると、加熱ヘッド10は所定温度を保ち、しかも、加熱ヘッド10の位置による温度分布は生じなかった。尚、所定温度に達するのに要する時間を短縮させるためには、ブロック12は熱伝導性がなるべく良好であると良い。

0081

次に、この実施の形態の加熱ヘッド10の変形例につき説明する。

0082

まず、加熱ヘッド10が複数個のブロック12で構成されている変形例を、図2図4を参照して説明する。図2(A)は、ブロックが加熱ヘッド10の走査方向と垂直方向に配列された変形例1の構成を示す斜視図である。この変形例1の加熱ヘッド10は3つのブロック12ax,12bx,12cxで構成されている。各々のブロック12ax,12bx,12cxは、記録媒体14と対向するブロックの対向面16ax,16bx,16cxが、加熱ヘッド10の走査方向24と垂直方向26に並ぶように配列されており、各々のブロック12ax,12bx,12cxは記録媒体14の主表面と垂直方向28に、ブロック12ax,12bx,12cx間の相対位置が変化するように、可動である構造になっている。

0083

このとき、各ブロックの対向面16ax,16bx,16cxと記録媒体14との距離30をそれぞれ等しくすると、記録媒体14を記録可能温度に加熱するように加熱ヘッド10を走査させることにより、対向面16ax,16bx,16cxの辺のうち加熱ヘッドの走査方向と垂直方向26の辺の長さの合計である幅32の記録ができる。また、例えば、図2(B)に示すように、ブロック12cxのみ他のブロック12ax,12bxに対して相対位置を変化させても良い。このとき、対向面16cxと記録媒体14との距離30を大きくして、ブロック12ax,12bxにより記録媒体14を記録可能温度に加熱し、ブロック12axにより記録媒体14を記録可能温度外に加熱するように、加熱ヘッド10を走査させることにより、対向面16ax,16bxの辺のうち加熱ヘッドの走査方向と垂直方向26の辺の長さの合計である幅32の記録ができる。同様にして、対向面16axの辺のうち加熱ヘッドの走査方向と垂直方向26の辺の長さである幅32の記録もできる。

0084

また、加熱ヘッド10を走査させながら、同時に、各ブロック12ax,12bx,12cxを別個に上下させ、ブロックが上がっている状態のときに記録されなく、下がっている状態のときに記録されるようにすると、各ブロック12ax,12bx,12cxにおいてそれぞれ、記録媒体14に対して記録を行う領域及び行わない領域を形成することができる。従って、記録媒体14の全部を、加熱ヘッド10で走査させることにより、従来のサーマルヘッドと同等のドット方式の記録を行うことができる。実用レベルの微細なドットを形成するには、ブロックの対向面16ax,16bx,16cxを小さくする必要があるが、この変形例1は、太い幅の記録領域が必要とされる大面積の記録媒体14に使用する加熱ヘッド10としては、用いることができる。

0085

図3(A)は、ブロックが加熱ヘッド10の走査方向と平行方向に配列された変形例2の構成を示す斜視図である。この変形例2の加熱ヘッド10は3つのブロック12ax,12ay,12azで構成されている。各々のブロック12ax,12ay,12azは、記録媒体14と対向するブロックの対向面16ax,16ay,16azが、加熱ヘッド10の走査方向24と平行方向に並ぶように配列されており、各々のブロック12ax,12ay,12azは記録媒体14の主表面と垂直方向28に、ブロック12ax,12ay,12az間の相対位置が変化するように、可動である構造になっている。

0086

このとき、図3(B)に示すように、ブロック12azは記録媒体14と対向面16azとの間の距離30を記録媒体14が消去可能温度に加熱される距離に固定し、及びブロック12ax,12ayをそれぞれ別個に上下させ、同時に加熱ヘッド10を走査させると、ブロック12azは記録媒体14の記録を消去し、ブロック12ax,12ayはそれぞれ、記録媒体14に対して記録を行う領域及び行わない領域を形成することができる。従って、記録済の記録媒体14の全部を、加熱ヘッド10で走査させることにより、ブロック12azは消去ヘッドとして働いて記録を消去し、ブロック12ax,12ayは従来のサーマルヘッドと同等のドット方式の記録ヘッドとして働いて、記録を行うことができる。つまり、消去とドット方式記録を同時に行える。結果的に、消去用ヘッドが不要になり、しかも消去時間を省くことができる。

0087

図4は、ブロックが加熱ヘッド10の走査方向と垂直及び平行の両方向に配列された変形例3の構成を示す斜視図である。この変形例3の加熱ヘッド10は9個のブロック12ax,12ay,12az,12bx,12by,12bz,12cx,12cy,12czで構成されている。各々のブロック12ax,12ay,12az,12bx,12by,12bz,12cx,12cy,12czは、記録媒体14と対向するブロックの対向面が、加熱ヘッド10の走査方向24と垂直及び平行の両方向26,24に並ぶように配列されており、各々のブロック12ax,12ay,12az,12bx,12by,12bz,12cx,12cy,12czは記録媒体14の主表面と垂直方向28に、ブロック12ax,12ay,12az,12bx,12by,12bz,12cx,12cy,12cz間の相対位置が変化するように、可動である構造になっている。

0088

このとき、ブロック12az,12bz,12czは記録媒体14と対向面との間の距離を記録媒体14が消去可能温度に加熱される距離に固定し、及びブロック12ax,12ay,12bx,12by,12cx,12cy,をそれぞれ別個に上下させ、同時に加熱ヘッド10を走査させると、ブロック12az,12bz,12czは記録媒体14の記録を消去し、ブロック12ax,12ay,12bx,12by,12cx,12cy,はそれぞれ、記録媒体14に対して記録を行う領域及び行わない領域を形成することができる。従って、記録済の記録媒体14の全部を、加熱ヘッド10で走査させることにより、ブロック12az,12bz,12czは消去ヘッドとして働いて記録を消去し、ブロック12ax,12ay,12bx,12by,12cx,12cy,は従来のサーマルヘッドと同等のドット方式の記録ヘッドとして働いて、記録を行うことができる。つまり、消去とドット方式記録を同時に3列ずつ行える。

0089

次に、上述した加熱ヘッド10を具えたこの実施の形態の記録及び消去装置につき図を参照して説明する。図5は、この実施の形態の記録及び消去装置の構成を示す図であり、上部から見た図になっている。この記録及び消去装置は、加熱ヘッド10、加熱ヘッド10を加熱する外部の電源22、加熱ヘッド10が記録媒体14の主表面上を移動するための可動軸34及び記録媒体14をのせる台36とを具えている。加熱ヘッド10は、可動軸34の方向にのみ可動であり、また、記録媒体14は記録及び消去装置に対して固定されているために、記録及び/又は消去は、可動軸34の方向である一次元の方向にしか行えない。

0090

しかし、例えば、記録媒体14を可動軸34の方向と垂直方向に、ローラー等で移動できる構造としたり、可動軸34自体が可動軸34の方向と垂直方向に可動である構造にすることによって、記録媒体14全体に二次元的に記録及び/又は消去を行うことができる。また、記録方式としては、加熱ヘッド10をペン代わりに用いて、加熱ヘッド10が記録媒体14上を記録の形状に従って移動して記録を行うペンプロッタ方式記録又は加熱ヘッド10が、記録媒体14上全面を走査して、ドット方式記録を行うシリアル型記録のどちらの記録方式を用いた記録及び消去装置であっても良い。

0091

また、この実施の形態の記録及び消去装置の変形例として、複数個の加熱ヘッドを具えても良い。記録媒体と対向するそれぞれの加熱ヘッドの対向面の大きさを変化させ、それぞれの加熱ヘッドを使い分けることにより、記録領域の幅を変化させることができる。また、設定温度の異なる発熱体をそれぞれ内蔵した2つの加熱ヘッドを、それぞれ記録用と消去用の加熱ヘッドとして使い分けることもできる。

0092

(記録及び/又は消去方法)次に、この実施の形態の記録及び/又は消去方法について図面を用いて説明する。

0093

図6は記録等の方法及び記録後の記録媒体を示す模式図である。この方法には大きく分けて2つある。一つは、第1の方法の方法であり、一定温度に保持された加熱ヘッド10と記録媒体14との間の相対走査速度40を一定に保つと共に、その間の距離42を選択して、記録、無記録及び消去の各処理のうちの少なくとも1つの処理を行う方法である。また、もう一つは、第4の方法であり、一定温度に保持された加熱ヘッド10と記録媒体14との間の距離42を一定に保つと共に、その間の相対走査速度40を選択して、記録、無記録及び消去の各処理のうちの少なくとも1つの処理を行う方法である。これら2つの方法は、主に、用いる記録媒体14の種類によって使い分ける。

0094

この実施の形態の記録及び/又は消去方法に用いた記録及び消去装置は、上述した図5に示すこの実施の形態の記録及び消去装置である。この記録及び消去装置では、加熱ヘッド10は一本の可動軸34に沿って一次元的に移動し、また、記録媒体14は固定されているので、記録及び/又は消去は一次元的にしか行えない。しかし、上述した2つの方法を可能にするための構造を具えている。すなわち前者の方法を可能にするために、加熱ヘッド10を、記録媒体14の主表面と垂直方向に、機械的に動かすことができる構造になっている。これにより、加熱ヘッド10と記録媒体14との距離を変化させることができる。また、後者の方法を可能にするために、加熱ヘッド10の可動軸34に沿った走査速度は機械的に変化させられる構造になっている。また、加熱ヘッド10には、上述したこの実施の形態の加熱ヘッド10を用いた。

0095

最初に、記録のみ行うことができる感熱記録媒体14に対して、第2の方法を用いた記録方法につき、図6(A)(B)及び図7を参照して説明する。図6(A)は加熱ヘッドが記録媒体上を走査している様子、すなわち記録等の方法を模式的に示す斜視図であり、図6(B)は記録後の記録媒体を示す模式図である。また、図7は第2及び第3の方法における各種設定条件を示す対比図である。

0096

この感熱記録媒体14は、最初の無記録状態では白色であり、感熱記録媒体14中の記録層が記録温度である80℃以上に加熱されると発色し、記録状態になる。

0097

まず、一定温度TH1に保持された加熱ヘッド10と感熱記録媒体14の記録予定領域44との間の距離42を所定の距離D1に保つ。この距離D1は、記録予定領域44が感熱記録媒体14の記録可能温度範囲内の温度T1に変化するという条件を満たすように選ぶ。その後、加熱ヘッド10を一定値の相対走査速度V1で走査させる。このとき加熱ヘッドの温度、相対走査速度及び距離は一定値に保たれているので、記録媒体の加熱温度を記録可能な温度であるT1に一定に保つことができる。従って、記録を行うことができ、記録領域44を形成できる。次に、一定温度TH1に保持された加熱ヘッド10と感熱記録媒体14の記録予定外領域46との間の距離42を所定の距離D2に保つ。この距離D2は、記録予定外領域46が記録可能温度範囲内の温度に変化しない、すなわち記録可能温度範囲外の温度T2に変化するという条件を満たすように選ぶ。その後、加熱ヘッド10を記録の時と同じ一定値の相対走査速度V1で走査させる。このとき加熱ヘッド10の温度、相対走査速度及び距離は一定値に保たれているので、記録媒体14の加熱温度を記録されない温度であるT2に一定に保つことができる。従って、記録を行うことはなく、無記録領域46を形成できる。

0098

この実施の形態では、記録を行うに当たり、加熱ヘッド10の一回の走査中に、加熱ヘッド10と記録媒体14との距離42を変化させることにより、記録領域44と無記録領域46を形成した。すなわち、加熱ヘッド10の走査距離48が0以上L1以内、L2以上L3以内、及びL4以上の領域を記録予定領域44としたとき、この領域44をT1に加熱し、及びそれ以外の領域46をT2に加熱すればよい。このためには、加熱ヘッド10の奥行きの長さ50をDとすると、走査距離48が0以上(L1−D)以下、L2以上(L3−D)以下及びL4以上の領域において、加熱ヘッド10と記録媒体14との距離42をD1にし、及びそれ以外の領域においてこの距離42をD2とすればよい。ここで、加熱ヘッド10の走査距離48とは、加熱ヘッド10の走査方向41と垂直な加熱ヘッドの面のうち、走査方向に対して後方の面が、走査を始めた時、すなわち記録開始直後から走査方向41に進んだ距離を意味する。このとき、記録領域の幅54は、加熱ヘッドの幅(W)52になる。

0099

実際には、加熱ヘッド10として、設定温度が110℃のヒートセル18を内蔵したものを使用しており、数分後に上述の一定温度TH1であるところの110℃に達した。記録領域44を形成するために、上述の加熱ヘッド10と感熱記録媒体14の記録予定領域44との間の距離D1を接触状態で0.98Nの力で押した状態とし、上述の一定値の相対走査速度V1を20cm/sとした。また、無記録領域46を形成するために、加熱ヘッド10と感熱記録媒体14の記録予定外領域46との間の距離D2を2mmとした。このとき、記録領域では、記録媒体は発色し記録状態は良好に認識可能であり、また無記録領域では記録媒体14は白色のままで良好な無記録状態が得られ、図6(B)に示すような記録状態が得られた。尚、図7は、加熱ヘッドの走査距離に対する、各種パラメーターの変化を概念的に示すものであって、実際にはこの図の通りにはならないことがあることは理解されたい。

0100

次に、記録と消去とが可逆的に可能な熱可逆性記録媒体であって、光散乱タイプのものに対して、第5の方法を用いた記録方法につき、図6(A)(B)及び図8を参照して説明する。図8は第5の方法における各種設定条件を示す対比図である。

0101

この熱可逆性記録媒体14は、無記録状態では透明であり、熱可逆性記録媒体14中の記録層が記録温度以上に加熱されると白濁し、記録状態になる。また、記録状態の熱可逆性記録媒体14の記録層が消去可能温度範囲に加熱されると透明になり、消去される。この実施の形態で用いた光散乱タイプの熱可逆性記録媒体14の記録層は、塩化ビニル酢酸ビニルポリマーパルミチン酸及びベヘン酸の混合物から構成されている。記録可能温度範囲は、約80℃以上であり、消去可能温度範囲は、約60〜78℃である。

0102

まず、一定温度TH2に保持された加熱ヘッド10と熱可逆性記録媒体14の記録予定領域44との間の距離42を一定値の距離D4に保つ。その後、加熱ヘッド10を所定の相対走査速度V2で走査させる。この相対走査速度V2は、記録予定領域44が熱可逆性記録媒体14の記録可能温度範囲内の温度T4に変化するという条件を満たすように選ぶ。このとき加熱ヘッド10の温度、相対走査速度及び距離は一定値に保たれているので、記録媒体14の加熱温度を記録可能な温度であるT4に一定に保つことができる。従って、記録を行うことができ、記録領域44を形成できる。次に、一定温度TH2に保持された加熱ヘッド10と熱可逆性記録媒体14の記録予定外領域46との間の距離42を記録の時と同じ一定値の距離D4に保つ。その後、加熱ヘッド10を所定の相対走査速度V3で走査させる。この相対走査速度V3は、記録予定外領域46が記録可能温度範囲内の温度に変化しない、すなわち記録可能温度範囲外の温度T5に変化するという条件を満たすように選ぶ。このとき加熱ヘッド10の温度、相対走査速度及び距離は一定値に保たれているので、記録媒体14の加熱温度を記録されない温度であるT5に一定に保つことができる。従って、記録を行うことはなく、無記録領域46を形成できる。さらに、一定温度TH2に保持された加熱ヘッド10と記録済の熱可逆性記録媒体14との間の距離42を記録の時と同じ一定値の距離D4に保つ。その後、加熱ヘッド10を所定の相対走査速度V4で走査させる。この相対走査速度V4は、記録予定外領域46が消去可能温度範囲内の温度T6に変化するという条件を満たすように選ぶ。このとき加熱ヘッド10の温度、相対走査速度及び距離は一定値に保たれているので、記録媒体14の加熱温度を消去可能な温度であるT6に一定に保つことができる。従って、消去を行うことができる。ここで、図8中では、V4>V3及びT6>T5になっているが、消去可能温度範囲と記録可能温度範囲外は重なっている部分が多いため、大きさは反対になることもある。

0103

この実施の形態では、記録を行うに当たり、加熱ヘッド10の一回の走査中に、加熱ヘッド10と記録媒体14との相対走査速度40を変化させることにより、記録領域44と無記録領域46を形成した。すなわち、加熱ヘッド10の走査距離48が0以上L1以内、L2以上L3以内、及びL4以上の領域を記録予定領域44としたとき、この領域44をT4に加熱し、及びそれ以外の領域46をT5に加熱すればよい。このためには、走査距離48が0以上(L1−D)以下、L2以上(L3−D)以下及びL4以上の領域において、加熱ヘッド10と記録媒体14との相対走査速度40をV2にし、及びそれ以外の領域においてこの相対走査速度40をV3とすればよい。このとき、記録領域の幅54は、加熱ヘッドの幅(W)52になる。また、消去を行うに当たり、記録とは別に加熱ヘッド10の一回の走査を行った。このとき、記録媒体14のすべての領域にわたってT6に加熱するために、相対走査速度40をV4にすればよい。

0104

実際には、加熱ヘッド10として、設定温度が110℃ヒートセル18を内蔵したものを使用しており、数分後に上述の一定温度TH2であるところの110℃に達した。記録領域44を形成するために、上述の一定値の距離D4を接触状態で0.98Nの力で押した状態とし、上述の所定の相対走査速度V2を20cm/s以下とした。また、無記録領域46を形成するために、上述の所定の相対走査速度V3を、20cm/s以上とした。このとき、記録領域44においては熱可逆性記録媒体14は白濁し、記録状態は良好に認識可能であり、また無記録領域46においては、熱可逆性記録媒体14は透明のままで何の変化もなく、良好な無記録状態が得られ、図6(B)に示すような記録状態が得られた。また、消去を行うために、上述の所定の相対走査速度V4を、25〜30cm/s以上とした。このとき、熱可逆性記録媒体14は透明化し、良好な消去状態が得られた。

0105

また、加熱ヘッド10として設定温度が150℃のヒートセル18を内蔵したものを使用して上述の一定温度TH2を150℃とし、及び上述の一定値の距離D4を約2mmとして、所定の相対走査速度40で走査を行った。このときも、良好な記録、無記録及び消去を行えた。

0106

このとき、加熱ヘッド10と記録媒体14とは接触しないので、記録媒体14を傷つけることがなく、また、加熱ヘッド10が摩耗することもない。

0107

さらに、記録用と消去用とで加熱ヘッド10を使い分けて記録及び消去を行った。記録用としては上述のものと同じ一定温度TH2が110℃のものを用い、消去用には一定温度TH2が80℃のものを用いた。このときも、記録及び消去は、良好に行えた。

0108

尚、図8は、加熱ヘッドの走査距離に対する、各種パラメーターの変化を概念的に示すものであって、実際にはこの図の通りにはならないことがあることは理解されたい。

0109

また、この実施の形態では、この光散乱タイプの熱可逆性記録媒体に対して、第5の方法を用いたが、第3の方法を用いることもできる。この理由として、第3の方法と第5の方法共に、記録媒体14の加熱温度を変化させることができるので、従って、光散乱タイプのような温度差型の熱可逆性記録媒体14にはどちらの方法を用いても記録及び/又は消去は行えるからである。この場合、各種設定条件は図7に示すように設定する。記録時においては、第3の方法と同様であり、消去時においては、記録媒体14のすべての領域にわたって消去可能温度であるT3に加熱するために、加熱ヘッド10と記録媒体14との距離42をD3にすればよい。このときも、記録及び消去は、良好に行えた。

0110

次に、記録と消去とが可逆的に可能な熱可逆性記録媒体であって、発色・消色型のものに対して、第6の方法を用いた記録方法につき、図6(A)(C)及び図9を参照して説明する。図6(C)は記録媒体に記録された状態を示す図であり、及び図9は第6の方法における各種設定条件を示す対比図である。

0111

この熱可逆性記録媒体は、無記録状態では白色であり、記録媒体中の記録層が加熱後に、記録可能冷却速度範囲内の速度で冷却されると発色し、記録状態になる。また、記録状態の媒体の記録層が加熱後に、消去可能冷却速度範囲内の速度で冷却されると透明になり、消去される。この実施の形態で用いた発色・消色型の熱可逆性記録媒体の記録層は、ロイコ染料とフェノール顕色剤バインダー樹脂であるポリビニルアルコールとから構成されている。

0112

まず、一定温度TH3に保持された加熱ヘッド10と熱可逆性記録媒体14の記録予定領域44との間の距離42を一定値の距離D5に保つ。その後、加熱ヘッド10を所定の相対走査速度V5で走査させる。この相対走査速度V5は、記録予定領域44が熱可逆性記録媒体14の記録可能冷却速度範囲内の冷却速度C1で冷却されるという条件を満たすように選ぶ。このとき加熱ヘッド10の温度、相対走査速度及び距離は一定値に保たれているので、記録媒体14の冷却速度を記録可能な冷却速度であるC1に一定に保つことができる。従って、記録領域を形成できる。次に、一定温度TH3に保持された加熱ヘッド10と熱可逆性記録媒体14の記録予定外領域46との間の距離を上述の一定値の距離D5に保つ。その後、加熱ヘッド10を所定の相対走査速度V6で走査させる。この相対走査速度V6は、記録予定外領域46が記録可能冷却速度範囲内の冷却速度で冷却されない、すなわち記録可能冷却速度範囲外の冷却速度C2で冷却されるという条件を満たすように選ぶ。このとき加熱ヘッド10の温度、相対走査速度及び距離は一定値に保たれているので、記録媒体14の冷却速度を記録されない冷却速度であるC2に一定に保つことができる。従って、記録を行うことはなく、無記録領域を形成できる。さらに、一定温度TH3に保持された加熱ヘッド10と記録済の熱可逆性記録媒体14との間の距離42を上述の一定値の距離D5に保つ。その後、加熱ヘッド10を所定の相対走査速度V7で走査させる。この相対走査速度V7は、記録予定外領域46が消去可能冷却速度範囲内の冷却速度C3で冷却されるという条件を満たすように選ぶ。このとき加熱ヘッド10の温度、相対走査速度及び距離は一定値に保たれているので、記録媒体14の冷却速度を消去可能な冷却速度であるC3に一定に保つことができる。従って、消去を行うことができる。ここで、図9中では、V7>V6及びC3>C2になっているが、消去可能冷却速度範囲と記録可能冷却速度範囲外とは重なっている部分が多いため、大きさは反対になることもある。

0113

この実施の形態では、記録を行うに当たり、加熱ヘッド10の一回の走査中に、加熱ヘッド10と記録媒体14との相対走査速度40を変化させることにより、記録領域44と無記録領域46を形成した。すなわち、加熱ヘッド10の走査距離48がL1以上L2以内及びL3以上L4以内の領域を記録予定領域44としたとき、この領域44がC1で冷却され、及びそれ以外の領域46がC2で冷却されればよい。このためには、走査距離48がL1以上(L2−D)以下及びL3以上(L4−D)以下の領域において、加熱ヘッド10と記録媒体14との相対走査速度40をV5にし、及びそれ以外の領域においてこの相対走査速度40をV6とすればよい。このとき、記録領域の幅54は、加熱ヘッドの幅(W)52になる。また、消去を行うに当たり、記録とは別に加熱ヘッド10の一回の走査を行った。このとき、記録媒体14のすべての領域にわたってC3で冷却させるために、相対走査速度40をV7にすればよい。

0114

実際には、加熱ヘッド10として、設定温度が150℃ヒートセルを内蔵したものを使用しており、数分後に上述の一定温度TH3であるところの150℃に達した。記録領域44を形成するために、上述の一定値の距離D5を接触状態で0.98Nの力で押した状態とし、上述の所定の相対走査速度V5を13〜20cm/sとした。ここで、V5に上限があるのは、相対走査速度40があまり大きいと、記録媒体14が低温にしか加熱されず、従って、発色に必要な最低温度に達しないからである。また、無記録領域46を形成するために、上述の所定の相対走査速度V6を、10cm/s以下とした。このとき、記録領域44においては、熱可逆性記録媒体14が発色し記録状態は良好に認識可能であり、また、無記録領域46においては、熱可逆性記録媒体14は白色のままで何の変化もなく良好な無記録状態が得られ、図6(C)に示す記録状態が得られた。また、消去を行うために、上述の所定の相対走査速度V7を、10cm/s以下とした。このとき、熱可逆性記録媒体14は白色に戻り、良好な消去状態が得られた。

0115

上述の第6の方法を用いると、この実施の形態のような大きい幅の記録領域を形成しても、良好な記録状態が得られた。従って、急・徐冷型の記録媒体に対する記録において、記録領域の中心付近記録濃度が薄くなるという、従来の方法においての欠点を解消できる。その結果、従来特に問題になっていた大面積記録媒体に対しても、良好な記録を行えることが期待できる。

0116

尚、図9は、加熱ヘッドの走査距離に対する、各種パラメーターの変化を概念的に示すものであって、実際にはこの図の通りにはならないことがあることは理解されたい。

0117

また、上述の第1、3、4,5又は6の方法を用いると熱可逆性記録媒体に対して、記録と消去とが同一ヘッドで行えるので、従来のような消去ヘッドを具える必要がなく、装置が簡略化される。また、この実施の形態においては、1次元的方向のみに記録及び/又は消去を行ったが、実用的には、2次元的に行う。この場合、ペンプロッター式で行うこともできる。この方法は、記録時において、記録予定領域のみを走査するので、記録が短時間で行えるという利点があり、従って、従来問題であった大面積の記録媒体に対して効果的であると考えられる。

0118

次に、この実施の形態で用いた光散乱タイプの熱可逆性記録媒体に対して、第7の方法を用いたオーバーライト記録と言われる記録及び/又は消去方法につき、図10を参照して説明する。図10は、第7の方法における各種設定条件を示す対比図である。

0119

まず、一定温度TH1に保持された加熱ヘッド10と熱可逆性記録媒体14の記録予定領域44との間の距離42を所定の距離D1に保つ。この距離D1は、記録予定領域44が熱可逆性記録媒体14の記録可能温度範囲内の温度T1に変化するという条件を満たすように選ぶ。その後、加熱ヘッド10を一定値の相対走査速度V1で走査させることにより、走査している間は記録を行え、記録領域44を形成できる。次に、一定温度TH1に保持された加熱ヘッド10と熱可逆性記録媒体14の記録予定外領域46との間の距離42を所定の距離D3に保つ。この距離D2は、記録予定外領域46が消去可能温度範囲内の温度T3に変化するいう条件を満たすように選ぶ。その後、加熱ヘッド10を一定値の相対走査速度V1で走査させることにより、走査している間は消去を行うことができる。

0120

次に、この実施の形態で用いた光散乱タイプの熱可逆性記録媒体に対して、第8の方法を用いたオーバーライト記録と言われる記録及び/又は消去方法につき、図11を参照して説明する。図11は、第8の方法における各種設定条件を示す対比図である。

0121

まず、一定温度TH2に保持された加熱ヘッド10と熱可逆性記録媒体14の記録予定領域44との間の距離42を一定値の距離D4に保つ。その後、加熱ヘッド10を所定の相対走査速度V2で走査させる。この相対走査速度V2は、記録予定領域44が熱可逆性記録媒体14の記録可能温度範囲内の温度T4に変化するという条件を満たすように選ぶ。これにより、走査している間は記録を行え、記録領域44を形成できる。次に、一定温度TH2に保持された加熱ヘッド10と熱可逆性記録媒体14の記録予定外領域46との間の距離42を一定値の距離D4に保つ。その後、加熱ヘッド10を所定の相対走査速度V4で走査させる。この相対走査速度V4は、記録予定外領域46が消去可能温度範囲内の温度T6に変化するいう条件を満たすように選ぶ。これにより、走査している間は消去を行うことができる。

0122

次に、この実施の形態で用いた発色・消色型の熱可逆性記録媒体に対して、第9の方法を用いたオーバーライト記録と言われる記録及び/又は消去方法につき、図12を参照して説明する。図12は、第9の方法における各種設定条件を示す対比図である。

0123

まず、一定温度TH3に保持された加熱ヘッド10と熱可逆性記録媒体14の記録予定領域44との間の距離42を一定値の距離D5に保つ。その後、加熱ヘッド10を所定の相対走査速度V5で走査させる。この相対走査速度V5は、記録予定領域44が熱可逆性記録媒体14の記録可能冷却速度範囲内の冷却速度C1で冷却されるという条件を満たすように選ぶ。これにより、走査している間は記録を行え、記録領域44を形成できる。次に、一定温度TH3に保持された加熱ヘッド10と熱可逆性記録媒体14の記録予定外領域46との間の距離42を一定値の距離D5に保つ。その後、加熱ヘッド10を所定の相対走査速度V7で走査させる。この相対走査速度V7は、記録予定外領域46が消去可能冷却速度範囲内の冷却速度C3で冷却されるという条件を満たすように選ぶ。これにより、走査している間は消去を行うことができる。

0124

この実施の形態では、オーバーライトを行う前の記録済記録媒体14を、まず一次元的な意味で全体に記録を行った。次に、上述のオーバーライト方法を行うに当たり、その記録領域をなぞるように加熱ヘッド10を走査させた。このとき、第2,3,5及び6の方法で説明したのと同様にして、加熱ヘッドと記録媒体との間の距離及び相対走査速度を図10から図12に示す設定条件を満たすように変化させた。

0125

その結果、3種類のオーバーライトとも、所定の記録領域及び無記録領域が良好に得られ、第7及び第8の方法においては図6(B)に示す記録状態、及び第9の方法においては図6(C)に示す記録状態が得られた。

0126

この実施の形態においては、1次元方向のみオーバーライトを行ったが、2次元的に行うことも可能である。しかし、オーバーライトにおいては、不必要な前の記録を消去する行程も含んでいるので、ペンプロッター式記録は使用できなく、従ってシリアル型もしくはライン型の装置でなくてはならない。

0127

オーバーライト記録を使用すると、消去行程が不要になるために、消去用ヘッドを別に用いなくても良いと共に、消去行程時間が短縮できる。従って、シリアル型記録装置において、大面積媒体に対する記録及び/又は消去に操作時間がかかるという従来の問題点が解決される。

発明の効果

0128

以上詳細に説明したように、この発明の装置によれば、加熱ヘッドを具え、加熱ヘッドにより記録媒体に対し情報の記録及び/又は消去を行う記録及び消去装置において、この加熱ヘッドは、熱安定性を有する、少なくとも一つのブロックで構成されている。従って、従来のサーマルヘッドのように、記録中に加熱温度にばらつきが出ることがなく、結果的に、記録媒体に対して良好な熱制御を行うことができる。

0129

また、複数個のブロックからなる加熱ヘッドを用いることにより、記録等の領域の幅の変化、ドット方式記録、又は記録及び消去の同時処理を行うことも可能になる。

0130

また、この発明の方法によれば、加熱ヘッドを用いて、記録媒体に対する情報の記録及び/又は消去を行うにあたり、一定温度に保持された加熱ヘッドと記録媒体との間の相対走査速度を一定に保つと共に、その間の距離を選択して、記録、無記録及び消去の各処理のうちの少なくとも1つの処理を行うので、記録媒体に対し良好な熱制御を行うことができ、従って、良好な状態で記録及び/又は消去が行える。

0131

また、この発明の方法によれば、加熱ヘッドを用いて、記録媒体に対する情報の記録及び/又は消去を行うにあたり、一定温度に保持された加熱ヘッドと記録媒体との間の距離を一定に保つと共に、その間の相対走査速度を選択して、記録、無記録及び消去の各処理のうちの少なくとも1つの処理を行うので、記録媒体に対し良好な熱制御を行うことができ、従って、良好な状態で記録及び/又は消去が行える。

0132

また、記録済の記録媒体に対しても、この方法を応用して、オーバーライト記録を行うことができるので、消去行程が不必要になり、記録及び/又は消去に要する時間が短縮される。

0133

また、本発明の装置及び方法は、従来特に問題であった大面積記録媒体における記録及び/又は消去を、高速に、かつ、良好な状態で行うのに好適であるので、特に大面積記録及び/又は消去用の装置及び方法として効果的である。

図面の簡単な説明

0134

図1加熱ヘッドの構成を示す図である。
図2加熱ヘッドの変形例1の構成を示す斜視図である。
図3加熱ヘッドの変形例2の構成を示す斜視図である。
図4加熱ヘッドの変形例3の構成を示す斜視図である。
図5記録及び消去装置の構成を示す図である。
図6記録等の方法及び記録後の記録媒体を示す模式図である。
図7第2及び第3の方法における各種設定条件を示す対比図である。
図8第5の方法における各種設定条件を示す対比図である。
図9第6の方法における各種設定条件を示す対比図である。
図10第7の方法における各種設定条件を示す対比図である。
図11第8の方法における各種設定条件を示す対比図である。
図12第9の方法における各種設定条件を示す対比図である。

--

0135

10:加熱ヘッド
12:ブロック
12ax,12ay,12az,12bx,12by,12bz,12cx,12cy,12cz:ブロック
14:記録媒体
16:対向面
16ax,16ay,16az,16bx,16cx:対向面
18:熱発生源(自己制御型ヒートセル)
20:電極
22:電源
24:加熱ヘッドの走査方向
26:加熱ヘッドの走査方向と垂直方向
28:記録媒体の主表面と垂直方向
30:記録媒体と対向面との距離
32:記録領域の幅
34:可動軸
36:記録媒体を載せる台
38:加熱ヘッドの可動方向
40:加熱ヘッドと記録媒体との間の相対速
41:加熱ヘッドの走査方向
42:加熱ヘッドと記録媒体との間の距離
44:記録領域(記録予定領域)
46:無記録領域(記録予定外領域)
48:加熱ヘッドの走査距離
50:加熱ヘッドの奥行(D)
52:加熱ヘッドの幅(W)
54:記録領域の幅

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