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技術 金属部材と導電性樹脂部材との接合方法およびその接合物

出願人 アイシン精機株式会社
発明者 松本晃和谷垣健志野田孝巳井沢省吾
出願日 1999年10月7日 (21年4ヶ月経過) 出願番号 1999-286916
公開日 2001年4月20日 (19年10ヶ月経過) 公開番号 2001-111204
状態 未査定
技術分野 印刷回路に対する電気部品等の電気的接続
主要キーワード 加熱送風機 導電性部材内 導電性樹脂部材 導電性樹脂材 接合穴 ソフトビーム コンデンサ式 熱風送風機
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図面 (10)

課題

簡便で、信頼性の高い金属部材導電性樹脂部材との接合方法および接合物を提供すること。

解決手段

本発明の金属部材と導電性樹脂部材との接合方法は、熱可塑性の導電性樹脂部材の金属部材と接合すべき部分の温度を軟化点以上に加熱するとともに該金属部材を加熱された部分に押圧して融着させることを特徴とする。すなわち、導電性樹脂部材の金属部材と接合すべき部分への加熱により導電性樹脂部材を軟化させることによって、金属部材が容易に導電性樹脂部材に密着し、金属部材と導電性樹脂部材とが接合されるのである。

概要

背景

従来、電子部品リード等の金属部材電気回路等を構成する導電性樹脂部材とを接合する方法として、特開平10−237315号公報は、導電性樹脂部材で回路射出成形するときに、電子部品のリードを同時に埋め込み成形品内に接合することを開示している。

また、その他の方法として、電子部品のリードをハンダ導電性接着剤(Ag系)を用いて導電性樹脂部材に接合する方法、電子部品のリードを導電性樹脂部材に機械的に押し込む方法が行われている。

概要

簡便で、信頼性の高い金属部材と導電性樹脂部材との接合方法および接合物を提供すること。

本発明の金属部材と導電性樹脂部材との接合方法は、熱可塑性の導電性樹脂部材の金属部材と接合すべき部分の温度を軟化点以上に加熱するとともに該金属部材を加熱された部分に押圧して融着させることを特徴とする。すなわち、導電性樹脂部材の金属部材と接合すべき部分への加熱により導電性樹脂部材を軟化させることによって、金属部材が容易に導電性樹脂部材に密着し、金属部材と導電性樹脂部材とが接合されるのである。

目的

以上の不都合を鑑み、本発明は、簡便に信頼性の高い接合方法および接合物を提供することを解決すべき課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

熱可塑性導電性樹脂部材金属部材接合すべき部分の温度を軟化点以上に加熱するとともに該金属部材を加熱された部分に押圧して融着させることを特徴とする金属部材と導電性樹脂部材との接合方法

請求項2

前記押圧により前記金属部材の一部を前記導電性樹脂部材内に圧入させる請求項1に記載の金属部材と導電性樹脂部材との接合方法。

請求項3

前記加熱は、前記金属部材と前記導電性樹脂部材との間に電流を流すことにより行う請求項1に記載の金属部材と導電性樹脂部材との接合方法。

請求項4

前記加熱は、前記金属部材と前記導電性樹脂部材とを高速振動させることにより行う請求項1に記載の金属部材と導電性樹脂材との接合方法。

請求項5

前記導電性樹脂部材はマトリックスとしての樹脂と該マトリックス中に形成された網目状の金属組織とで形成されている請求項1に記載の金属部材と導電性樹脂部材との接合方法。

請求項6

前記金属組織は、低融点金属を含み、前記金属部材は、該金属組織と融着している請求項5に記載の金属部材と導電性樹脂部材との接合方法。

請求項7

前記金属部材はその接合部分の表面に、該金属部材よりも低融点である金属の皮膜が形成されている請求項1に記載の金属部材と導電性樹脂部材との接合方法。

請求項8

金属部材と熱可塑性の導電性樹脂部材との接合物であって、前記金属部材と前記導電性樹脂部材とは該導電性樹脂部材を構成する熱可塑性樹脂により融着接合されていることを特徴とする金属部材と導電性樹脂部材との接合物。

請求項9

前記導電性樹脂部材はマトリックスとしての樹脂成分と該マトリックス中に形成された低融点金属を含む網目状の金属組織とで形成されており、前記金属部材は、該金属組織と融着している請求項8に記載の金属部材と導電性樹脂部材との接合物。

請求項10

前記金属部材の一部が前記導電性樹脂部材内に埋設されている請求項8に記載の金属部材と導電性樹脂部材との接合物。

請求項11

前記金属部材は、その表面にスズを含有した金属でメッキされており、前記導電性樹脂は、その樹脂成分がポリブチレンテレフタレートであり、前記金属組織がスズと銅とからなる請求項9に記載の金属部材と導電性樹脂部材との接合物。

技術分野

0001

本発明は、主に電子部品リードとしての金属部材導電性樹脂部材との接合方法と、その接合物に関する。

背景技術

0002

従来、電子部品のリード等の金属部材と電気回路等を構成する導電性樹脂部材とを接合する方法として、特開平10−237315号公報は、導電性樹脂部材で回路射出成形するときに、電子部品のリードを同時に埋め込み成形品内に接合することを開示している。

0003

また、その他の方法として、電子部品のリードをハンダ導電性接着剤(Ag系)を用いて導電性樹脂部材に接合する方法、電子部品のリードを導電性樹脂部材に機械的に押し込む方法が行われている。

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、上記従来技術の金属部材と導電性樹脂部材との接合方法は、以下の不都合な点があった。

0005

射出成形時に同時に接合する方法では、射出成型時に電子部品を金型内に配置しておく必要があり、その接合形態に自由度が少なく、接合が煩雑であるという不都合があった。

0006

そして、単に機械的にリードを押し込む方法では、その接合はハンダ付けによるものと比較して弱く、電子部品のリードと基板回路の導電性樹脂部材との接合、特に電気的接合振動熱衝撃等によって剥離しやすく接合の信頼性の確保が困難であるという不都合があった。

0007

また、近年の環境問題への対応から、ハンダの材料は鉛非含有の材料を使用するようになってきている。ハンダ材料を鉛非含有とすると、ハンダ材料の融点が高くなり、電子部品を接合する際の温度が高くなる。その結果、ハンダを使用する接合方法では、電子部品を破壊するおそれがあるという不都合があった。

0008

以上の不都合を鑑み、本発明は、簡便に信頼性の高い接合方法および接合物を提供することを解決すべき課題とする。

課題を解決するための手段

0009

上記課題を解決する金属部材と導電性樹脂部材との接合方法は、熱可塑性の導電性樹脂部材の金属部材と接合すべき部分の温度を軟化点以上に加熱するとともに該金属部材を加熱された部分に押圧して融着させることを特徴とする。

0010

すなわち、導電性樹脂部材の金属部材と接合すべき部分への加熱により導電性樹脂部材を軟化させることによって、金属部材が容易に導電性樹脂部材に密着し、金属部材と導電性樹脂部材とが接合されるのである。

0011

ここで一般的に「軟化点」とは、加熱された物質が軟化し、変形を始める温度をいうが、本明細書において「軟化点」というときには、温度が前述の一般的な「軟化点」以下であっても接合時に導電性樹脂部材を金属部材によって押圧した際に、その押圧力により導電性樹脂部材が変形可能な温度であれば温度が「軟化点」以上にあるものとする。

0012

さらに導電性樹脂部材の金属部材と接合すべき部分の加熱温度は、導電性樹脂部材が溶融する温度以上とすることが好ましい。導電性樹脂部材の金属部材と接合すべき部分を溶融点以上に加熱することによって、導電性樹脂部材の一部が溶融し、より強固に金属材に接合されるからである。

0013

また、金属部材を導電性部材が軟化した部分に押圧する際に、その金属部材の一部を導電性樹脂部材内に圧入させることが好ましい。金属部材を導電性部材内に圧入することによって、金属部材と導電性樹脂部材との接触面積が増加して、より強固な接合が達成できるからである。このように、金属部材を導電性部材内に圧入する場合には、圧入がなされる間の金属部材と導電性樹脂部材との界面における導電性部材の温度が軟化点以上に保持されることが必要である。金属部材と導電性樹脂部材との界面温度が導電性樹脂部材の軟化点以上に保持されることにより金属部材の導電樹脂部材内への圧入をより容易に達成できるからである。また、界面温度が導電性樹脂部材の軟化点より低い温度のときに導電性樹脂部材内に金属部材を圧入すると、圧入に大きな荷重を必要とする。また、金属部材と導電性樹脂部材と接合が不完全となって接合強度の低下や接合界面における界面抵抗が高くなる。

0014

また、導電性樹脂部材の金属部材と接合すべき部分への加熱は、金属部材と導電性樹脂部材との間に電流を流すことにより行うことがより好ましい。金属部材と導電性樹脂部材との間に電流を流すことによって、金属部材と導電性樹脂部材との間の界面抵抗に由来するジュール熱により発熱する。これにより導電性樹脂部材の金属部材が接触する部分の温度が軟化点以上となり導電性樹脂部材は金属部材の押圧によって変形可能となるのである。

0015

この発熱は、主に金属部材と導電性樹脂部材との界面で生起するので、導電性樹脂部材の金属に接触する部分が特に加熱される。そうであるから、導電性樹脂部材の金属部材と接触する部分は、加熱により軟化しているが、その他の部分は、加熱され難い。

0016

したがって、不必要な部分への加熱が極力抑えられるという利点がある。導電性樹脂部材は、その加熱・軟化によって劣化が生じるおそれがあるので、できるだけ加熱する部分は限定することが好ましいからである。

0017

本接合方法によれば、導電性樹脂部材は金属部材と接触する部分で発熱しているので、導電性樹脂部材の全体を加熱することなく、金属材をわずかな力で導電性樹脂部材中に圧入することができるという利点がある。

0018

ここで、金属部材と導電性樹脂部材との間に電流を流す方法としては、できるだけ不要な部分に電流が流れないように、金属部材と導電性樹脂部材との接合すべき面の近傍に電極等を接触させて行うことが好ましい。そして、金属部材が電子部品のリード等のような場合には、電子部品に対して電流が流れないように対策を施すことが好ましい。また、電子部品のリードを基板状の導電性樹脂部材に接続する場合には、この電極を電子部品配置用ロボットマニピュレータ把持部に配置することで、電子部品の基板状への配置とともに電子部品の基板への電気的・機械的な接合を行うことができる。

0019

金属部材と導電性樹脂部材との間に流す電流は、交流であると直流であるとを問わない。

0020

また、界面に流す電流の量は、あまりに大電流とすると、不必要な部分をも加熱することとなるので、金属部材を導電性部材に接合するために最低限必要な導電性樹脂部材の部分の温度のみが軟化点を超えるように、制御されていることが好ましい。その制御方法としては、接合部分の温度を測定し、フィードバック制御を行う方法、あらかじめ電流量と、接合面の温度との関係を求めておき、その関係式にしたがって必要な電流量を流す方法等がある。

0021

さらに、導電性樹脂部材の金属部材と接合すべき部分への加熱は、金属部材と導電性樹脂部材とを高速で振動させ、その摩擦熱によって行うこともできる。高速振動は、特に規則的なものである必要はないが、界面の温度を高めるにはある程度高周波である必要がある。高速で振動させる方法としては、超音波照射する方法、金属部材もしくは導電性樹脂部材の少なくともいずれか一方を機械的に保持して高速で動かすことによっても行うことができる。本加熱方法は、金属部材を導電性樹脂部材の表面に接合する場合に効果的である。

0022

本発明の金属部材と導電性樹脂部材との接合方法が適用できる導電性樹脂部材としては、熱可塑性樹脂を少なくともその一部に含有する樹脂であることが必要である。熱可塑性をもつものでないと導電性樹脂の加熱によって樹脂が軟化しないからである。ただし、熱硬化性樹脂を単独で使用する樹脂であっても、加熱して硬化させる以前の樹脂であって、加熱によって未だ軟化しうる状態にある場合には本発明の金属部材と導電性樹脂部材との接合方法の適用は可能である。

0023

したがって、本明細書において「熱可塑性樹脂」とは、一般的な定義である「加熱により反応が起こることなく軟化して、塑性を示し成形できるが、冷却すると固化する樹脂」以外にも、加熱により一時的にでも軟化して塑性を示すようになる樹脂をも含むものとする。たとえば、一般的な熱可塑性樹脂の他に、前述のように、硬化する以前の熱硬化性樹脂であって加熱によって軟化しうるものである。したがって、一度軟化した後に、固化して再び軟化できないものであってもかまわない。

0024

そして本発明の金属部材と導電性樹脂部材との接合方法が適用できる導電性樹脂部材としては、樹脂自身に電気伝導性性質として有する高分子の他に、マトリックスとしての樹脂(マトリックス樹脂)と電気を伝導することができる導電性物質充填剤)を混合して、樹脂中に導電性物質の網目構造を形成したものであってもよい。

0025

この場合にマトリックス樹脂として用いることができる樹脂は、電気伝導性をもつ必要はなく通常の電気絶縁性の熱可塑性樹脂を用いることができる。充填剤としては、たとえば金属やカーボンブラック等を用いることができる。充填剤としては、マトリックス樹脂中に分散可能であり、樹脂内部で相互に電気的に連結した網目構造を形成できるものであればよい。たとえば、粉末状、繊維状等の形態である。そのなかでも粉末状とすることが、導電性樹脂部材の成形性向上の点等により好ましい。射出成形等で導電性樹脂部材を成形する際に充填剤が繊維状であると成形品に異方性が生じるからである。

0026

そして、充填剤としては、金属とすることが好ましく、さらに低融点金属(もしくは合金)を含むことがより好ましい。このように、充填剤が金属、それも低融点の金属を含むことによって、接合した金属部材の接合面において単に接触による電気的接合でなく、充填剤が加熱により溶融して金属部材に融着し金属結合による導電性樹脂部材との電気的接合が達成されるからである。なお、充填剤には、低融点金属のみでなく、銅等の高融点金属も含有することが好ましい。充填剤をすべて低融点金属とすると充填剤の溶融により充填剤とマトリックス樹脂とが分離するおそれがあるからである。

0027

したがって、充填剤は、高融点金属とマトリックス樹脂の軟化点程度で溶融する金属、少なくともマトリックス樹脂の溶融点程度で溶融する金属を含むことが好ましい。そのような金属としては、単独のものとするほか、合金とすることにより達成できる。たとえば、銅等の高融点金属とスズ系合金(スズ−銅系合金等)等の低融点金属との混合物が挙げられる。なお、充填剤を高融点金属のみ、もしくは低融点金属のみとすることは排除するものではない。

0028

充填剤は、マトリックス樹脂内で網目構造を形成することでその網目を介して全体として電気伝導性を有することができるだけの割合でマトリックス樹脂に添加される。

0029

このような導電性樹脂に、本発明の金属材と導電性樹脂部材との接合方法を適用すると、金属部材は、マトリックス樹脂と融着し機械的に接合され、また内部の充填剤と接触することによって電気的にも接合される。

0030

また、金属部材の接合部分の表面に、金属部材を構成する金属よりも低融点である金属の被膜が形成されていることが好ましい。金属材に形成された低融点金属の被膜が加熱によって融解し、導電性樹脂と融着するからである。ここで低融点金属とは、導電性樹脂が軟化する温度において、金属が軟化もしくは溶融するような金属であることが好ましい。また、金属部材に低融点金属の皮膜を形成する場合には、導電性樹脂が前述の低融点金属からなる充填剤とマトリックス樹脂とからなる樹脂であることが好ましい。金属材表面低融点金属被膜と導電性樹脂に含まれる充填剤である低融点金属とが溶融混合してより強固な電気的・機械的接合が達成できるからである。なお、金属部材の接合部分以外についても同様に、低融点金属の皮膜を形成することは不利益がない限り特に妨げるものではない。

0031

また、上記課題を解決する金属部材と熱可塑性の導電性樹脂部材との接合物は、その金属部材とその導電性樹脂部材とはその導電性樹脂部材を構成する熱可塑性樹脂により融着接合されていることを特徴とする。

0032

すなわち、金属部材を導電性樹脂部材に接合するに際して、導電性樹脂部材を構成する熱可塑性樹脂自体が一部融解し、金属部材と融着していることにより、他のハンダ等の部材を用いることなく信頼性の高い接合を達成できる。

0033

したがって、導電性樹脂部材としては、熱可塑性を有する樹脂を少なくとも一部に含有する必要がある。この点を含めて、本接合物に用いる導電性樹脂部材に使用できる導電性樹脂は、前述の金属部材と導電性樹脂部材との接合方法で説明した導電性樹脂と同様である。

0034

本発明の接合物の製造は、前述した接合方法で製造することが好ましい。簡易に接合を達成できるからである。

0035

また、本発明の接合物は、その導電性樹脂部材はマトリックスとしての樹脂成分とそのマトリックス中に形成された低融点金属を含む網目状の金属組織とで形成されており、その金属部材は、金属組織と融着していることが好ましい。金属間で融着接合することにより、より強固で信頼性の高い接合となるからである。

0036

さらに本発明の接合物は、金属材の一部が導電性樹脂部材内に埋設されていることが好ましい。接合面積が増加して接合強度が向上するからである。

0037

そして、本発明の接合物の好ましい形態としては、金属部材は、その表面にスズを含有した金属がメッキされており、導電性樹脂は、その樹脂成分がポリブチレンテレフタレートであって、金属組織がスズと銅とからなり、その金属部材表面のスズを含有した金属のメッキ層と導電性樹脂部材の金属組織とが融着しているものである。

発明を実施するための最良の形態

0038

〈金属部材と導電性部材との接合方法〉以下に本発明の金属部材と導電性部材との接合方法の実施形態について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態により限定されるものではない。

0039

本実施形態においては、図1に示すように、導電性樹脂部材により配線が形成された基板に電子部品を実装する方法について説明を行う。すなわち、金属電子部品2のリード21等(リード)と、導電性樹脂部材により基板上に形成された配線部11との接合に用いるものである。なお、本接合方法が適用できる金属部材および導電性樹脂は、その他にも金属部材と導電性樹脂部材との電気的・機械的接合をすることが必要である用途であれば用いることができる。また、機械的に固定することのみが必要である場合でも用いることができる。たとえば、基板上にスペーサ等の電気的接続が必要ない部品を接合する場合である。

0040

本実施形態の金属部材と導電性部材との接合方法は、導電性樹脂部材としての導電部の、金属部材としてのリードと接合すべき部分の温度を軟化点以上に加熱するとともにその金属部材としてのリードを加熱された部分に押圧して融着させて行う。

0041

リードを軟化した導電部に押圧することで導電部は変形し、リードと導電部は密着接合される。その場合に導電部が一部融解する程度まで加熱することにより、リードと導電部との接合はより強固のものとなる。

0042

さらに、リードを導電部に押圧するときに、さらにリードを導電部内に圧入させることによって、リードと導電部との接触面積が増加して、より強固な接合が形成させるという利点がある。

0043

リードは、一般的な金属からなる部材である。金属としては、銅、アルミニウム、金、鉄等や、それらの合金を例として挙げることができる。また、リードが導電性樹脂からなるものであって、本発明の接合方法を導電性樹脂部材同士の接合に使用するものでもよい。そして、リードの形状は、特に限定されるものでなく、針金状、板状等の公知の形状をとることができる。

0044

リードは、表面にリードを形成する金属素材よりも低融点金属の被膜を形成することが好ましい。被膜が存在する状態でリードと導電部とを接合するときに、低融点金属の被膜が融解し、融解した被膜と導電部とが融着しより強固で、電気的性質も良好な接合が達成できる。リードの表面に形成すべき被膜の素材としては、たとえば、スズ等の単体もしくは合金を用いることができる。被膜を形成する方法としては、メッキ等の公知の方法が採用できる。被膜の厚さとしては、特に限定するものではないが、1μm〜15μm程度が好ましい。なお、このように低融点金属をリード表面に被覆することは、低融点金属以外のNi、Ag、Au及びそれら合金のメツキ等により被覆を行うことを除外するものではない。

0045

本実施形態では、導電性樹脂部材によって電気回路基板の配線を形成している。基板の構成としては、電気絶縁性樹脂からなる絶縁部と、導電性樹脂部材としての導電性樹脂からなる導電部とをもつ。

0046

基板の製造方法は、2色成形、各樹脂の接着等により製造することができる。そのなかでも2色成形による製造が好ましい。簡便に複雑な形状を形成可能だからである。2色成形は、融点の低い樹脂から成形することが好ましい。本実施形態では、絶縁部を先に形成し、その後、導電部を形成している。その他にも導電部を形成した後に、絶縁部を形成することも可能である。

0047

こうして絶縁部と導電部との配置を変化させることにより、導電部は、電子部品に電源等を供給できる配線を形成する。そして電子部品以外にその他の金属部分を有する部品を基板上に実装する必要がある場合には、導電部を電子部品への電源等の配線のみでなく形成することができる。

0048

このように、2色成形によって基板に配線を形成することにより、従来の基板形成時に発生するような種々の廃棄物を発生しないという利点がある。

0049

基板において導電部が配線を形成する部分としては、図2に示すように、大きく分けて3通りが考えられる。すなわち、図2aに示すように、基板の電子部品の反対側(基板裏面)、図2bに示すように、基板の電子部品側(基板表面)、図2cに示すように、基板の内部(基板内部)の3通りとその組み合わせである。このうち基板表面に配線を形成するものが電子部品の実装の容易さの点からは好ましい。どの配置を採用するかは、電子部品の実装位置、数等の条件により異なるものとなる。なお、基板裏面および基板内部に導電部を形成した場合において、リードを導電部に接合させるためには、絶縁部にリードを突入させてリードと導電部とを接合しなければならない。この場合には、あらかじめ絶縁部に、もしくは絶縁部と導電部とに穴を形成することによって、容易にリードと導電部とを接触させることができる。

0050

絶縁部は、電気絶縁性樹脂からなる部材である。したがって、絶縁部に用いる電気絶縁性樹脂としては、体積固有抵抗値が高いこと、そして、体積固有抵抗値が経時的に劣化しないこと、また、誘電率が低いこと等の電気的性質が重要である。また、2色成形を行う場合には、射出成形性がよいことも求められる。

0051

このような電気絶縁性樹脂としては、公知の樹脂を用いることができる。たとえば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレートポリフェニレンサルファイドABS樹脂ポリスチレンポリアミドポリアセタールポリエーテルイミドポリエーテルエーテルケトンポリエーテルサルフォンポリエチレンポリプロピレンポリカーボネート、これらの共重合体ポリマーアロイ等の熱可塑性樹脂や、尿素樹脂メラミン樹脂フェノール樹脂エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。そのなかでも基板に用いる電気絶縁性樹脂は、熱可塑性樹脂が好ましい。2色成形が射出成形によって、容易に行うことができるからである。さらにそれらの熱可塑性樹脂のなかでも、PBTが好ましい。溶融粘度が互いに近いので混合しやすいからである。

0052

導電部は、導電性樹脂からなり電子部品に電源等を供給する配線を形成する部材である。したがって、導電部に用いる導電性樹脂としては、絶縁部に用いる電気絶縁性樹脂とは逆に電気の損失を抑える目的で体積固有抵抗値が低いこと等の電気的性質が求められる。たとえば、体積固有抵抗値が10-2Ω・cm以下であることが好ましく、さらには10-4Ω・cm以下であることがより好ましい。

0053

このような導電性樹脂としては、樹脂自体が電気伝導性をもつ導電性高分子を用いる他、電気絶縁性の高分子(マトリックス樹脂)に導電性を有する物質(充填剤)を一定量加えることによって充填剤の3次元網目状の構造を有する金属組織を形成し、導電性を付与した樹脂がある。入手が容易であることや射出成形性を制御しやすいという利点を有するのでマトリックス樹脂に充填剤を一定量加えた導電性樹脂を用いることが好ましい。

0054

マトリックス樹脂としては、前述した電気絶縁性樹脂と同様に、2色成形を行いやすい前述の熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。その場合に、マトリックス樹脂は、充填剤および絶縁部に用いている電気絶縁性樹脂との間で親和性が高いことが好ましい。たとえば、熱可塑性樹脂のなかでも、PBTが好ましい。溶融温度低融点合金に近く細かく分散しやすいからである。

0055

充填剤としては、導電性を有する物質であれば特に限定しない。たとえば、金属、カーボンブラック等の電気伝導性を有する物質を用いることができる。そしてそれらは、粉末状、繊維状として用いることが好ましい。そのなかでも金属の粉末を用いることが好ましい。

0056

充填剤として用いられる金属粉末としては、銅等の高融点金属を含むことができるが、さらに低融点合金を含むことがより好ましい。低融点合金を含むことが好ましい理由は、後述する電子部品の導電部への取り付け方法の説明の際に併せて説明する。低融点合金として好ましいものとしては、スズ−銅系合金、スズ−鉛系合金等のスズ系合金を挙げることができる。そのなかでも、スズ−銅系合金を用いることが、より好ましい。鉛は環境への負荷が大きいからである。また、金属粉末としては、前述の低融点金属単独で用いることもできる。

0057

充填剤をマトリックス樹脂に加える割合としては、生成する導電性樹脂の体積固有抵抗値が前述の望ましい値以下となるように調節する。また、充填剤は、マトリックス樹脂に加えることによって、生成する導電性樹脂の機械的性質が低下するのでできるだけ加える量は少ないことが好ましい。具体的には、PBTにスズ−銅−ニッケルリンからなる合金を50重量%〜95重量%程度加えることが好ましい。

0058

充填剤をマトリックス樹脂に加える方法としては、マトリックス樹脂が熱可塑性樹脂からなる場合には、マトリックス樹脂と充填剤とを必要ならば分散剤とともに加熱下において充分に混練してペレット状に成形する方法が好ましい。マトリックス樹脂が熱硬化性樹脂からなる場合には、硬化前の熱硬化性樹脂に充填剤を充分に分散させるために分散剤とともに充填剤を加えて充分に分散させることが好ましい。

0059

導電部のリードと接合すべき部分の温度を軟化点以上に加熱する方法としては、導電部を直接加熱する方法の他、リードの存在もしくは直接加熱したリードにより間接的に導電部を加熱する方法がある。リードにより間接的に導電部を加熱することにより、接合するために加熱が必要な部分(導電部のうちリードと接触する部分)に選択的に加熱を行うことが可能であるので好ましい。

0060

リードを直接加熱して導電部を加熱する方法としては、熱源ソフトビームキセノン光)、熱風等)により加熱する方法が好ましい例として挙げられる。リードを導電部に接触させる前もしくは接触させながらリードを加熱するものである。加熱する部分としてはリードの導電部と接合すべき面の近傍を加熱することが好ましい。また、加熱による温度上昇によって電子部品が破損しないように熱に対して耐性の低い電子部品に適用するときには、放熱手段を採用する必要がある。これは、以下に説明する間接的に導電部を加熱する方法においても同様である。

0061

リードの存在によって導電部を間接的に加熱する方法としては、リードと導電部との間に電流を流すことによって行う方法と、リードと導電部とを高速で振動させることにより行う方法とが好ましい例として挙げられる。

0062

電流を流して加熱する方法は、リードと導電部とにそれぞれ電極を接触させて、双方の電極間に電流を流し、リードと導電部との間の主に界面抵抗によるジュール熱を利用して発熱させるものである。発熱する部分は導電部とリードとが接触している部分なので、導電部の金属材周辺のみが発熱することとなって好ましい。界面での発熱量の制御方法は、界面に流す電流の量の変化によって制御される。その電流を流す電源としては、コンデンサ式交流式インバータ式等の公知の電源を使用できる。そのなかでも、インバータ式が制御性が高い点で好ましい。電流を流す電極としては、基板の導電部に固定電極を接触させ、他方の電極によりリードを把持する構造とすることが好ましい。たとえば、部品実装用ロボットのアーム先端部の把持部分を電極とすることによって電子部品実装とともに基板への固定を行うことができるからである。

0063

高速振動によって加熱する方法は、リードと導電部との間の摩擦熱によるものである。この方法も発熱する部分は、リードと導電部とが接触する部分であるので、導電部の金属材周辺のみが発熱することとなって好ましい。高速で振動させる方法は、たとえば、超音波による方法やリードもしくは導電部を把持して機械的に振動させる方法等が挙げられる。

0064

〈金属部材と導電性部材との接合物〉以下に本発明の金属部材と導電性部材との接合物の実施形態について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態により限定されるものではない。

0065

本実施形態においても、前述の接合方法とおおむね同様に、導電性樹脂部材により配線が形成された基板に電子部品を実装したものについて説明を行う。すなわち、金属電子部品のリード等(リード)と、導電性樹脂部材により基板上に形成された配線部との接合物である。その他にも、本接合物として、金属部材および導電性樹脂は、その他にも金属部材と導電性樹脂部材との電気的・機械的接合をすることが必要である用途であれば用いることができる。また、機械的に固定することのみが必要である場合でも用いることができる。たとえば、基板上にスペーサ等の電気的接続が必要ない部品を接合した物の場合である。

0066

本実施形態の金属部材と熱可塑性の導電性樹脂部材との接合物は、金属部材としてのリードと、導電性樹脂部材としての導電部とは導電部を構成する熱可塑性樹脂により融着接合されていることを特徴とする。

0067

リードと、導電部と、導電部が形成されている基板とについては、前述の接合方法で説明した物とおおむね同じである。

0068

ここで、融着接合しているとは、リードと導電部とがほぼ隙間なく密着した状態で接合されていることをいう。本接合物は、機械的に圧入した場合と異なり、接合面積が広い物であって、それにより接合強度、電気的性質とも優れたものとなる。

0069

そして、リードの一部が導電部の内部に埋設されている物が、強度等の点でより好ましい。

0070

以下、実施例に基づいて、さらに本発明を具体的に説明する。本実施例は、金属部材としての発光素子のリードと、導電性樹脂部材としての基板上に形成された回路部との接合を行った。

0071

〈実施例1〉射出成形によって、絶縁性の熱可塑性樹脂(PBT樹脂)を成形し図3aに示すような絶縁部としての筐体本体10を作った。そして、この筐体本体10を再度、金型挿入設置し導電性樹脂(スズ−銅系合金:90重量%、PBT樹脂:10重量%)を空隙100内に射出成形して図3bに示すような導電部としての回路部11、12(厚さ3mm)を形成した筐体1とした。射出成形時に、回路部11、12の該当する個所には、接合される発光素子2のリード21(直径0.5mm)を接合するためのリード接合穴110、120(直径0.4mm、深さ2mm)をあらかじめ成形した。

0072

発光素子2は、そのリード21がリン青銅製のものであって、その表面にスズメツキがなされているものを使用した。

0073

そして、成形した基板の回路部11、12とリード21との接合を図4に示すような方法により行った。すなわち、リード21と、導電部11、12の裏面とにそれぞれ電極30、31を接触させた。電極30は、銅合金製であって、リード21を把持し、発光素子2自身を保持する構造となっている。そして、電極31は、銅合金製である。この電極30、31間に、リード21が1本につきリード21をリード接合穴110、120に進入させる方向に9.8N(1Kgf)の荷重をかけながら、インバータ制御直流抵抗溶接機松下電器産業(株)製)を用いて400A、0.1秒の通電を行った。回路部11、12のリード21との界面部分が溶融して冷却固化した結果、リード21は、回路部11、12内にそれぞれ2mm埋入された。この接合物を実施例1のサンプルとして試験を行った。

0074

試験としては熱衝撃試験を行った。熱衝撃試験は、筐体からリードと回路部とが接合された部分を切り出して、熱衝撃炉内に放置して所定時間後のリード21と回路部11、12との接触抵抗を測定した。熱衝撃条件は、−30℃と120℃との間を昇降する時間を5分として、−30℃と120℃とにおける保持時間を30分とした。

0075

また、リード21と回路部11、12との接合部を切り出して前処理をした後、金属顕微鏡で観察した。

0076

〈実施例2〉筐体1は、実施例1と同様の方法によって2色成形によって回路部11、12が形成されたものを使用した。発光素子2は、そのリード21がリン青銅製のものであって、その表面にニッケルメツキがなされているものを使用した。

0077

リード21と回路部11、12との接合は、実施例1と同様な方法で行った。回路部11、12のリード21との界面部分が溶融して冷却固化した結果、リード21は、回路部11、12内にそれぞれ2mm埋入された。この接合物を実施例2のサンプルとして実施例1と同様な熱衝撃試験を行った。

0078

〈実施例3〉筐体1は、実施例1と同様の方法によって2色成形によって回路部11、12が形成されたものを使用した。発光素子2は、そのリード21がリン青銅製のものであって、その表面に銀メツキがなされているものを使用した。

0079

リード21と回路部11、12との接合は、実施例1と同様な方法で行った。回路部11、12のリード21との界面部分が溶融して冷却固化した結果、リード21は、回路部11、12内にそれぞれ2mm埋入された。この接合物を実施例3のサンプルとして実施例1と同様な熱衝撃試験を行った。

0080

〈実施例4〉筐体1は、実施例1と同様の方法によって2色成形によって回路部11、12が形成されたものを使用した。発光素子2についても実施例1と同様なものを使用した。

0081

リード21とリード接合穴110、120とを図5に示すように、加熱送風機4を用いて200℃の熱風で加熱し、加熱された状態でリード21をリード接合穴110、120にリード21が1本あたり9.8N(1Kgf)の荷重で押圧した。回路部11、12のリード21との界面部分が溶融して冷却固化した結果、リード21は、回路部11、12内にそれぞれ2mm埋入された。この接合物を実施例4のサンプルとして実施例1と同様な熱衝撃試験を行った。

0082

〈実施例5〉筐体1は、実施例1と同様の方法によって2色成形によって回路部11、12が形成されたものを使用した。発光素子2についても実施例1と同様なものを使用した。

0083

リード21とリード接合穴110、120とを図6に示すように、キセノン光照射器5を用いて、ソフトビーム(キセノン光)を照射することにより加熱した。加熱された状態でリード21をリード接合穴110、120にリード21が1本あたり9.8N(1Kgf)の荷重で押圧した。回路部11、12のリード21との界面部分が溶融して冷却固化した結果、リード21は、回路部11、12内にそれぞれ2mm埋入された。この接合物を実施例5のサンプルとして実施例1と同様な熱衝撃試験を行った。

0084

〈実施例6〉筐体1は、実施例1と同様の方法によって2色成形によって回路部11、12が形成されたものを使用した。発光素子2についても実施例1と同様なものを使用した。

0085

リード21を図7に示すように、リード固定治具61、62によって、リード接合穴110、120にリード21が1本あたり9.8N(1Kgf)の荷重で押圧しながら、超音波ホーン60により発生した超音波(120000Hz、1秒間)をリード固定治具61、62を介してリード21と回路部11、12の界面に照射した。回路部11、12のリード21との界面部分が溶融して冷却固化した結果、リード21は、回路部11、12内にそれぞれ2mm埋入された。この接合物を実施例6のサンプルとして実施例1と同様な熱衝撃試験を行った。

0086

〈実施例7〉筐体1は、実施例1とおおむね同様の方法によって2色成形によって回路部11、12が形成されたものを使用した。ただし、リード接合穴は設けなかった。発光素子2については実施例1と同様なものを使用した。

0087

リード21を回路部11、12にリード21が1本あたり9.8N(1Kgf)の荷重で押圧しながら、図8に示すように、リード固定治具70、71を介して、リード21に水平方向の高速振動(240Hz、1.5秒間)を行った。回路部11、12のリード21との界面部分が溶融して冷却固化した結果、リード21と回路部11、12が溶融固着した。この接合物を実施例7のサンプルとして実施例1と同様な熱衝撃試験を行った。

0088

〈比較例1〉射出成形によって、絶縁性の熱可塑性樹脂(PBT樹脂)を成形し図2に示すような絶縁部としての筐体本体10を作った。そして、この筐体本体10を再度、金型に挿入設置し導電性樹脂(PBT樹脂:70重量%、カーボン繊維:30重量%)を射出成形して図3に示すような導電部としての回路部11、12を形成した筐体1とした。実施例1と同様に、射出成形時に、回路部11、12の該当する個所には、接合される発光素子2のリード21を接合するための実施例1と同じ大きさのリード接合穴110、120をあらかじめ成形した。発光素子2については、実施例1と同様のものを使用した。

0089

そして、リード21にリード21、1本あたり19.6N(2Kgf)の荷重をかけながら、2mmの深さまで圧入する。この接合物を比較例1のサンプルとして実施例1と同様な熱衝撃試験を行った。

0090

〈比較例2〉射出成形によって、絶縁性の熱可塑性樹脂(PBT樹脂)を成形し図2に示すような絶縁部としての筐体本体10を作った。そして、この筐体本体10を再度、金型に挿入設置し導電性樹脂(PBT樹脂:50重量%、銅繊維:50重量%)を射出成形して図3に示すような導電部としての回路部11、12を形成した筐体1とした。実施例1と同様に、射出成形時に、回路部11、12の該当する個所には、接合される発光素子2のリード21を接合するための実施例1と同じ大きさのリード接合穴110、120をあらかじめ成形した。発光素子2については実施例1と同様なものを使用した。

0091

そして、リード21にリード21が1本あたり19.6N(2Kgf)の荷重をかけながら、2mmの深さまで圧入する。この接合物を比較例2のサンプルとして実施例1と同様な熱衝撃試験を行った。

0092

〈比較例3〉筐体1は、実施例1と同様の方法によって2色成形によって回路部11、12が形成されたものを使用した。発光素子2についても実施例1と同様なものを使用した。

0093

そして、リード21にリード21が1本あたり19.6N(2Kgf)の荷重をかけながら、2mmの深さまで圧入する。この接合物を比較例3のサンプルとして実施例1と同様な熱衝撃試験を行った。

0094

〈比較例4〉図9に示すように、射出成形により、絶縁性の熱可塑性樹脂(PBT樹脂)を成形し筐体本体10を作る。この筐体本体10を金型にインサートし、導電性樹脂(スズ−銅系合金:90重量%、PBT樹脂:10重量%)を射出成形し、回路部11、12を形成した筐体1とした。導電性樹脂を射出成形するときに金型内に発光素子をあらかじめ配置しておき、射出成形と同時に発光部2のリード21と回路部11、12との接合が完了するようにした。リード21と回路部11、12との接合の深さは、2mmであった。発光素子2については実施例1と同様なものを使用した。この接合物を比較例4のサンプルとして実施例1と同様な熱衝撃試験を行った。

0095

〈比較例5〉図9に示すように、射出成形により、絶縁性の熱可塑性樹脂(PBT樹脂)を成形し筐体本体10を作る。この筐体本体10を金型にインサートし、導電性樹脂(スズ−銅系合金:90重量%、PBT樹脂:10重量%)を射出成形し、回路部11、12を形成した筐体1とした。導電性樹脂を射出成形するときに金型内に発光素子をあらかじめ配置しておき、射出成形と同時に発光部2のリード21と回路部11、12との接合が完了するようにした。リード21と回路部11、12との接合の深さは、2mmであった。発光素子2については実施例2と同様なものを使用した。この接合物を比較例5のサンプルとして実施例1と同様な熱衝撃試験を行った。

0096

〈比較例6〉図9に示すように、射出成形により、絶縁性の熱可塑性樹脂(PBT樹脂)を成形し筐体本体10を作る。この筐体本体10を金型にインサートし、導電性樹脂(スズ−銅系合金:90重量%、PBT樹脂:10重量%)を射出成形し、回路部11、12を形成した筐体1とした。導電性樹脂を射出成形するときに金型内に発光素子をあらかじめ配置しておき、射出成形と同時に発光部2のリード21と回路部11、12との接合が完了するようにした。リード21と回路部11、12との接合の深さは、2mmであった。発光素子2については実施例3と同様なものを使用した。この接合物を比較例6のサンプルとして実施例1と同様な熱衝撃試験を行った。

0097

〈結果〉熱衝撃試験の結果を表1に示す。

0098

0099

比較例と比べて実施例は、接合部が熱衝撃耐性に優れ、電気的接合信頼性が高いことがわかった。

0100

実施例1の接合物の断面を図10に示す。

0101

図10より明らかなように、導電性樹脂内の金属粉末の一部とリード表面のメッキとが溶融・混合し、リードと導電性樹脂とが強固な電気的・機械的接合をしていることがわかった。また、導電性樹脂のマトリックス樹脂が溶融し、リード21の表面に隙間なく密着していることがわかった。

0102

〈接合強度〉試験実施例1〜7、比較例1〜6について、接合強度を調べる目的で、接合部分をペンチで引き抜く試験を行った。

0103

結果 実施例1〜7のサンプルでは、大きな引き抜き力が必要で、リード21の接合部分に導電性樹脂の固着が認められ、回路部11を形成する導電性樹脂剤の破壊が生じていた。それに対して、比較例1〜6では、実施例1〜7と比べると引き抜きは比較的容易であって、リード21の接合部分に導電性樹脂の固着は認められず、リード21と回路部11を形成する導電性樹脂の界面が剥がれる界面剥離が生じていた。

発明の効果

0104

以上、本発明は、簡便で、接合部の信頼性が高い金属部材と導電性樹脂部材との接合方法とその接合物を提供できるという効果がある。

図面の簡単な説明

0105

図1本実施形態の接合方法によって電子部品と筐体に形成された回路部とを接合した図である。
図2LEDと導電部との固定方法の具体例を示す図である。
図3筐体を2色成形で成形する工程の模式図である。
図4実施例1〜3の接合方法を示した図である。
図5実施例4の接合方法を示した図である。
図6実施例5の接合方法を示した図である。
図7実施例6の接合方法を示した図である。
図8実施例7の接合方法を示した図である。
図9比較例4〜6の接合方法を示した図である。
図10実施例1の接合物の断面を示した図である。

--

0106

1…筐体10…絶縁部 11、12、13、14…回路部 2…電子部品(発光素子) 21…リード30、31…電極4…熱風送風機5…キセノン光照射器60…超音波ホーン61、62…リード固定治具63…固定治具70、71…リード固定治具 72…固定治具

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