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技術 半導体受光素子

出願人 日本電信電話株式会社
発明者 深野秀樹村本好史松岡裕
出願日 1999年10月4日 (21年2ヶ月経過) 出願番号 1999-282570
公開日 2001年4月20日 (19年8ヶ月経過) 公開番号 2001-111092
状態 特許登録済
技術分野 受光素子3(フォトダイオード・Tr)
主要キーワード 入射界面 走行キャリア ノンアロイ電極 位相調整用 設計指針 位相調整層 受光部分 半導体多層構造
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2001年4月20日)のものです。
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図面 (14)

課題

光受光層を含む半導体多層構造よりなる受光部分と、前記光受光層を入射光層厚方向に対し斜めに通過する半導体受光素子において、受光感度偏光依存性が小さい半導体受光素子を提供することにある。

解決手段

光吸収層13が前記光吸収層13より小さな屈折率を有する一層以上の半導体層で構成される上部半導体層12と前記光吸収層13より小さな屈折率を有ナる一層以上の半体層で構成される下部半導体層14で挟まれた積層構造を有し、前記下部半導体層14側から入射した入射光が、前記光吸収層13を層厚方向に対し斜めに通過する半導体受光素子において、前記積層構造の各界面からの反射透過光の総和によって決まる半導体受光素子の吸収層における受光感度としては前記入射光偏光状態に対しほとんど等しくなるように、前記光吸収層の組成層厚又は層数を調整したことを特徴とする。

概要

背景

従来の光受光層を含む半導体多層構造よりなる受光部分と、前記光受光層を入射光層厚方向に対し斜めに通過するようにしたことを特徴とする半導体受光素子を代表する屈折型半導体受光素子は、図2に示すような構造をしている。図2において、21は光入射端面、22はp−InP層、23は光受光層、24はn−InP層、25は半絶縁性InP基板、26はp電極、27はn電極である。

一般に、光受光層とその上下の半導体層には屈折率に違いがあり、入射光の偏光状態(s偏光、p偏光)によりそれぞれの界面での透過率および反射率に違いが発生するため、受光感度に光の偏光状態による依存性が起きてしまう。図3は、中央のInGaAs光受光層が上下のInP層ではさまれた従来構造において、光の入射角が69.1度(図2の構造において逆メサ角θが60度に対応)における受光感度の偏光依存性の受光層厚に対する変化の計算結果を示す。

偏光依存性は振動的に変化しており、受光層厚が1.5μmでは0.2dBでこれ以上では0.3dB以下と小さい。しかしながら、素子高速化には光受光層の薄層化が必須であるが、薄層化に伴い、偏光依存性が大きくなる(例えば、受光層厚が0.25μmになると偏光依存性が0.6dB以上)という問題点があった。

概要

光受光層を含む半導体多層構造よりなる受光部分と、前記光受光層を入射光が層厚方向に対し斜めに通過する半導体受光素子において、受光感度の偏光依存性が小さい半導体受光素子を提供することにある。

光吸収層13が前記光吸収層13より小さな屈折率を有する一層以上の半導体層で構成される上部半導体層12と前記光吸収層13より小さな屈折率を有ナる一層以上の半体層で構成される下部半導体層14で挟まれた積層構造を有し、前記下部半導体層14側から入射した入射光が、前記光吸収層13を層厚方向に対し斜めに通過する半導体受光素子において、前記積層構造の各界面からの反射透過光の総和によって決まる半導体受光素子の吸収層における受光感度としては前記入射光の偏光状態に対しほとんど等しくなるように、前記光吸収層の組成層厚又は層数を調整したことを特徴とする。

目的

本発明の目的は、光受光層を含む半導体多層構造よりなる受光部分と、前記光受光層を入射光が層厚方向に対し斜めに通過するようにしたことを特徴とする半導体受光素子において、受光感度の偏光依存性が小さい半導体受光素子を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

光吸収層が前記光吸収層より小さな屈折率を有する一層以上の半導体層で構成される上部半導体層と前記光吸収層より小さな屈折率を有する一層以上の半体層で構成される下部半導体層で挟まれた積層構造を有し、前記下部半導体層側から入射した入射光が、前記光吸収層を層厚方向に対し斜めに通過する半導体受光素子において、前記積層構造の各界面からの反射透過光の総和によって決まる半導体受光素子の光吸収層における受光感度としては前記入射光偏光状態に対しほとんど等しくなるように、前記光吸収層の組成層厚又は層数を調整したことを特徴とする半導体受光素子。

請求項2

光吸収層が前記光吸収層より小さな屈折率を有する一層以上の半導体層で構成される上部半導体層と前記光吸収層より小さな屈折率を有する一層以上の半導体層で構成される下部半導体層で挟まれた積層構造を有し、前記下部半導体層側から入射した入射光が、前記光吸収層を層厚方向に対し斜めに通過する半導体受光素子において、前記上部半導体層又は前記下部半導体層に位相調整用半導体層を設け、前記積層構造の各界面からの反射、透過光の総和によって決まる半導体受光素子の光吸収層における受光感度としては前記入射光の偏光状態に対しほとんど等しくなるように、前記位相調整用半導体層の組成、層厚又は層数を調整したことを特徴とする半導体受光素子。

請求項3

前記下部半導体層の側壁と前記光吸収層の面とがなす角を鋭角とし、前記入射光を前記側壁で屈折させて受光部分に入射させることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体受光素子。

技術分野

0001

本発明は、半導体受光素子に関するものである。

背景技術

0002

従来の光受光層を含む半導体多層構造よりなる受光部分と、前記光受光層を入射光層厚方向に対し斜めに通過するようにしたことを特徴とする半導体受光素子を代表する屈折型半導体受光素子は、図2に示すような構造をしている。図2において、21は光入射端面、22はp−InP層、23は光受光層、24はn−InP層、25は半絶縁性InP基板、26はp電極、27はn電極である。

0003

一般に、光受光層とその上下の半導体層には屈折率に違いがあり、入射光の偏光状態(s偏光、p偏光)によりそれぞれの界面での透過率および反射率に違いが発生するため、受光感度に光の偏光状態による依存性が起きてしまう。図3は、中央のInGaAs光受光層が上下のInP層ではさまれた従来構造において、光の入射角が69.1度(図2の構造において逆メサ角θが60度に対応)における受光感度の偏光依存性の受光層厚に対する変化の計算結果を示す。

0004

偏光依存性は振動的に変化しており、受光層厚が1.5μmでは0.2dBでこれ以上では0.3dB以下と小さい。しかしながら、素子高速化には光受光層の薄層化が必須であるが、薄層化に伴い、偏光依存性が大きくなる(例えば、受光層厚が0.25μmになると偏光依存性が0.6dB以上)という問題点があった。

発明が解決しようとする課題

0005

本発明の目的は、光受光層を含む半導体多層構造よりなる受光部分と、前記光受光層を入射光が層厚方向に対し斜めに通過するようにしたことを特徴とする半導体受光素子において、受光感度の偏光依存性が小さい半導体受光素子を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

上記目的を達成する本発明の請求項1に係る半導体受光素子は、光吸収層が前記光吸収層より小さな屈折率を有する一層以上の半導体層で構成される上部半導体層と前記光吸収層より小さな屈折率を有する一層以上の半体層で構成される下部半導体層で挟まれた積層構造を有し、前記下部半導体層側から入射した入射光が、前記光吸収層を層厚方向に対し斜めに通過することを特徴とする半導体受光素子において、前記積層構造の各界面からの反射透過光の総和によって決まる半導体受光素子の光吸収層における受光感度としては前記入射光の偏光状態に対しほとんど等しくなるように、前記光吸収層の組成層厚又は層数を調整したことを特徴とする。

0007

上記目的を達成する本発明の請求項2に係る半導体受光素子は、光吸収層が前記光吸収層より小さな屈折率を有する一層以上の半導体層で構成される上部半導体層と前記光吸収層より小さな屈折率を有する一層以上の半導体層で構成される下部半導体層で挟まれた積層構造を有し、前記下部半導体層側から入射した入射光が、前記光吸収層を層厚方向に対し斜めに通過することを特徴とする半導体受光素子において、前記上部半導体層又は前記下部半導体層に位相調整用半導体層を設け、前記積層構造の各界面からの反射、透過光の総和によって決まる半導体受光素子の光吸収層における受光感度としては前記入射光の偏光状態に対しほとんど等しくなるように、前記位相調整用半導体層の組成、層厚又は層数を調整したことを特徴とする。

0008

上記目的を達成する本発明の請求項3に係る半導体受光素子は、請求項1又は2において、前記下部半導体層の側壁と前記光吸収層の面とがなす角を鋭角とし、前記入射光を前記側壁で屈折させて受光部分に入射させることを特徴とする。

0009

〔作用〕光が、積層構造に対し、斜めに入射される場合、入射光方向に対し、各界面は上下又は左右が対称ではなくなるため、偏光状態によって、反射率(透過率)に差異が生じる。しかしながら、多層構造における入射光の反射率は、定性的には、各界面からの反射光の総和と入射光の位相関係によって決まる。一方、各界面からの反射光の第一の入射界面における位相は、構成する層の層厚や屈折率により変化する。従って、層厚や屈折率の調整又は位相調整層の挿入により、個々の界面からの反射光の量は偏光状態により異なるものの、各界面からの反射光の総和によって決まる反射率としては、異なる偏光に対し、ほとんど等しくなるように調整することが可能になる。

0010

本素子は、光受光層の層厚がある特定の値に選ばれているかまたは、光受光層の上層または下層に一層以上の光の位相調整用半導体層を設けることにより、素子高遠化のために、光吸収層厚の薄層化を図っても、透過光と反射光の位相が調整されているため、s偏光およびp偏光に対する透過率と反射率がほとんど等しくなり、受光感度の偏光依存性がほとんど出ない。また、受光部分が光受光層を含む複雑な半導体多層構造よりなっても、位相調整用半導体層を設けることにより、受光部分への透過光と反射光の位相が調整されるため、s偏光およびp偏光に対する透過率と反射率がほとんど等しくなり、受光感度の偏光依存性がほとんど出ない。光吸収層厚の大幅な薄層化や受光部分の層構成変更により、素子の超高速動作化を図っても、総合的には受光感度の偏光依存性が出ないようにすることが可能となる。

発明を実施するための最良の形態

0011

〔実施例1〕本発明の第1の実施例に係る半導体受光素子を図1に示す。図1において、12は1.5μm厚p−InP層、13は0.466μm厚InGaAs光受光層、14は1μm厚n−InP層、15は半絶縁性InP基板、16はp電極、17はn電極である。素子の受光層面積は30μm×50μmである。波長1.55μm光は、n−InP層14に対し、69.1度の入射角で入射するようにしている。

0012

図3は、中央のInGaAs光受光層13が上下のInP層12,14ではさまれた構造において、光の入射角が69.1度における受光感度の偏光依存性の受光層厚に対する変化の計算結果を示している。この図からわかるように、受光感度の偏光依存性は振動的に変化するため、偏光依存性がゼロとなる点や、振動谷部分に光受光層厚を設定すればよい。本実施例では、光受光層厚を0.466μmに選んでいる。印加逆バイアス1.0Vで受光感度0.4A/W以上の値が得られ、また、受光感度の偏光依存性は約0.2dBであった。

0013

受光感度の偏光依存性測定においては、用いた光源パワー変動偏波ローテーター自身にも偏光依存性がある等のため、測定系自体に約0.2dBの測定誤差がある。このため、フォトダイオード自身の偏光依存性は0.2dB以下であると推定される。ちなみに、光受光層厚を0.6μmとしたものでは、受光感度の偏光依存性は約0.6dBと大きかった。

0014

このように、光受光層厚を特定の値に設定することにより、受光感度の偏光依存性が小さくできた。この実施例では、表面側のp−InP層12は結晶成長によって形成しているが、結晶成長ではアンドープInP層とし、表面側の主たる部分の半導体導電形を、Znの拡散や、イオン注入法とその後のアニールによって決定してもよい。また、この実施例は、波長1.55μmの入射光に対して述べているが、色々な波長の光に対しても光受光層厚を波長にあわせて特定の値に設定することにより、同様の効果が得られる。

0015

また、上面電極光反射率の高い材料を用いたり、ノンアロイ電極として反射率を向上させることにより光の反射を有効利用するような構造にした場合においても、同様の設計指針により受光感度の偏光依存性がほとんどないようにできる。また、InGaAsP/InP系以外のInGaAlAs/InGaAsPやAlGaAs/GaAs系などの他の材料系や歪を内在するような材料系でもよいことは言うまでもない。

0016

〔実施例2〕本発明の第2の実施例に係る半導体受光素子を図4に示す。図4において、41は光入射端面、42は1.5μm厚p−InP層、43は0.466μm厚InGaAs光受光層、44は1μm厚n−InP層、45は半絶縁性InP基板、46はp電極、47はn電極である。素子の受光層面積は30μm×50μmである。波長1.55μm光は、n−InP層44に対し、69.1度(図4の構造において逆メサ角θが60度に対応)の入射角で入射するようにしている。

0017

図3は、中央のInGaAs光受光層43が上下のInP層42,44ではさまれた構造において、光の入射角が69.1度における受光感度の偏光依存性の受光層厚に対する変化の計算結果を示している。この図からわかるように、受光感度の偏光依存性は振動的に変化するため、偏光依存性がゼロとなる点や、振動の谷部分に光受光層厚を設定すればよい。本実施例では、光受光層厚を0.466μmに選んでいる。印加逆バイアス1.0Vで受光感度0.4A/W以上の値が得られ、また、受光感度の偏光依存性は約0.2dBであった。

0018

受光感度の偏光依存性測定においては、用いた光源のパワー変動や偏波ローテーター自身にも偏光依存性がある等のため、測定系自体に約0.2dBの測定誤差がある。このため、フォトダイオード自身の偏光依存性は0.2dB以下であると推定される。ちなみに、光受光層厚を0.6μmとしたものでは、受光感度の偏光依存性は約0.6dBと大きかった。

0019

このように、光受光層厚を特定の値に設定することにより、受光感度の偏光依存性が小さくできた。この実施例では、表面側のp−InP層42は結晶成長によって形成しているが、結晶成長ではアンドープInP層とし、表面側の主たる部分の半導体の導電形を、Znの拡散や、イオン注入法とその後のアニールによって決定してもよい。また、この実施例は、波長1.55μmの入射光に対して述べているが、色々な波長の光に対しても光受光層厚を波長にあわせて特定の値に設定することにより、同様の効果が得られる。

0020

また、上面電極に光反射率の高い材料を用いたり、ノンアロイ電極として反射率を向上させることにより光の反射を有効利用するような構造にした場合においても、同様の設計指針により受光感度の偏光依存性がほとんどないようにできる。また、InGaAsP/InP系以外のInGaAlAs/InGaAsPやAlGaAs/GaAs系などの他の材料系や歪を内在するような材料系でもよいことは言うまでもない。

0021

〔実施例3〕本発明の第3の実施例に係る半導体受光素子を図5に示す。図5において、52は1.5μm厚p−InP層、53は0.6μm厚InGaAs光受光層、54は0.14μm厚n−InGaAsP(1.2μm組成)位相調整層、55はn−InP層、56は半絶縁性InP基板、57はp電極、58はn電極である。素子の受光層面積は30μm×50μmである。

0022

波長1.55μm光は、n−InP層55に対し、69.1°の入射角で入射するようにしている。図6は、この層構造において、光の入射角が69.1度における受光感度の偏光依存性の受光層厚に対する変化の計算結果を示している。この図からわかるように、受光感度の偏光依存性は振動的に変化しているが、光受光層厚が0.3μm以上の領域では、その振幅が小さく、任意の光受光層厚に対し、受光感度の偏光依存性は0.2dB以下になる。本実施例では、光受光層厚を0.6μmに選んでいる。印加逆バイアス1.0Vで受光感度0.5A/W以上の値が得られ、また、受光感度の偏光依存性は約0.2dBであった。

0023

受光感度の偏光依存性測定においては、用いた光源のパワー変動や偏波ローテーター自身にも偏光依存性がある等のため、測定系自体に約0.2dBの測定誤差がある。このため、フォトダイオード自身の偏光依存性は0.2dB以下であると推定される。ちなみに、光受光層厚を0.6μmとし、上下はInP層のみで構成したものでは、受光感度の偏光依存性は約0.6dBと大きかった。このように、本実施例では、光受光層53の下側に位相調整用半導体層54を入れ、組成すなわち屈折率及びその厚さを設計することにより、受光感度の偏光依存性が小さくできた。

0024

この実施例は、pin構造のフォトダイオードについての例であるが、受光部分が単一走行キャリアフォトダイオードのような光受光層を含む複雑な半導体多層構造よりなっている場合においても、同様の設計を行うことにより、受光感度の偏光依存性を小さくできる。この実施例では、表面側のp−InP層は結晶成長によって形成しているが、結晶成長ではアンドープInP層とし、表面側の主たる部分の半導体の導電形を、Znの拡散や、イオン注入法とその後のアニールによって決定してもよい。また、この実施例は、波長1.55μmの入射光に対して述べているが、色々な波長の光に対しても位相調整層厚及び組成を波長にあわせて同様の設計指針で設定することにより、同様の効果が得られる。

0025

また、上面電極に光反射率の高い材料を用いたり、ノンアロイ電極として反射率を向上させることにより光の反射を有効利用するような構造にした場合においても、同様の設計指針により受光感度の偏光依存性がほとんどないようにできる。また、InGaAsP/InP系以外のInGaAlAs/InGaAsPやAlGaAs/GaAs系などの他の材料系や歪を内在するような材料系でもよいことは言うまでもない。

0026

〔実施例4〕本発明の第4の実施例に係る半導体受光素子を図7に示す。図7において、71は光入射端面、72は1.5μm厚p−InP層、73は0.6μm厚InGaAs光受光層、74は0.14μm厚n−InGaAsP(1.2μm組成)位相調整層、75はn−InP層、76は半絶縁性InP基板、77はp電極、78はn電極である。素子の受光層面積は30μm×50μmである。

0027

逆メサ角θは60度で、波長1.55μm光は、n−InP層75に対し、69.1度の入射角で入射するようにしている。図6は、この層構造において、光の入射角が69.1度における受光感度の偏光依存性の受光層厚に対する変化の計算結果を示している。この図からわかるように、受光感度の偏光依存性は振動的に変化しているが、光受光層厚が0.3μm以上の領域では、その振幅が小さく、任意の光受光層厚に対し、受光感度の偏光依存性は0.2dB以下になる。

0028

本実施例では、光受光層厚を0.6μmに選んでいる。印加逆バイアス1.0Vで受光感度0.5A/W以上の値が得られ、また、受光感度の偏光依存性は約0.2dBであった。受光感度の偏光依存性測定においては、用いた光源のパワー変動や偏波ローテーター自身にも偏光依存性がある等のため、測定系自体に約0.2dBの測定誤差がある。このため、フォトダイオード自身の偏光依存性は0.2dB以下であると推定される。

0029

ちなみに、光受光層厚を0.6μmとし、上下はInP層のみで構成したものでは、受光感度の偏光依存性は約0.6dBと大きかった。このように、本実施例では、光受光層73の下側に位相調整用半導体層74を入れ、組成すなわち屈折率及びその厚さを設計することにより、受光感度の偏光依存性が小さくできた。この実施例は、pin構造のフォトダイオードについての例であるが、受光部分が単一走行キャリアフォトダイオードのような光受光層を含む複雑な半導体多層構造よりなっている場合においても、同様の設計を行うことにより、受光感度の偏光依存性を小さくできる。

0030

この実施例では、表面側のp−InP層は結晶成長によって形成しているが、結晶成長ではアンドープInP層とし、表面側の主たる部分の半導体の導電形を、Znの拡散や、イオン注入法とその後のアニールによって決定してもよい。また、この実施例は、波長1.55μmの入射光に対して述べているが、色々な波長の光に対しても位相調整層厚及び組成を波長にあわせて同様の設計指針で設定することにより、同様の効果が得られる。

0031

また、上面電極に光反射率の高い材料を用いたり、ノンアロイ電極として反射率を向上させることにより光の反射を有効利用するような構造にした場合においても、同様の設計指針により受光感度の偏光依存性がほとんどないようにできる。また、InGaAsP/InP系以外のInGaAlAs/InGaAsPやAlGaAs/GaAs系などの他の材料系や歪を内在するような材料系でもよいことは言うまでもない

0032

〔実施例5〕本発明の第5の実施例に係る半導体受光素子を図8に示す。図8において、81は光入射端面、82は1.5μm厚p−InP層、83は0.28μm厚p−InGaAsP(1.2μm組成)位相調整層、84は0.6μm厚InGaAs光受光層、85は0.207μm厚n−InGaAsP(1.2μm組成)位相調整層、86はn−InP層、87は半絶縁性InP基板、88はp電極、89はn電極である。素子の受光層面積は30μm×50μmである。

0033

逆メサ角θは60度で、波長1.55μm光は、n−InP層85に対し、69.1度の入射角で入射するようにしている。図9は、この層構造において、光の入射角が69.1度における受光感度の偏光依存性の受光層厚に対する変化の計算結果を示している。この図からわかるように、受光感度の偏光依存性は振動的に変化しているが、光受光層厚が0.3μm以上の領域では、その振幅が極めて小さく、任意の光受光層厚に対し、受光感度の偏光依存性は約0.01dB以下になる。

0034

本実施例では、光受光層厚を0.6μmに選んでいる。印加逆バイアス1.0Vで受光感度0.5A/W以上の値が得られ、また、受光感度の偏光依存性は約0.2dBであった。受光感度の偏光依存性測定においては、用いた光源のパワー変動や偏波ローテーター自身にも偏光依存性がある等のため、測定系自体に約0.2dBの測定誤差がある。このため、フォトダイオード自身の偏光依存性は0.2dB以下であると推定される。

0035

ちなみに、光受光層厚を0.6μmとし、上下はInP層のみで構成したものでは、受光感度の偏光依存性は約0.6dBと大きかった。このように、本実施例では、光受光層85の両側に位相調整用半導体層83,85を入れ、組成すなわち屈折率及びその厚さを設計することにより、受光感度の偏光依存性が小さくできた。この実施例は、pin構造のフォトダイオードについての例であるが、受光部分が単一走行キャリアフォトダイオードのような光受光層を含む複雑な半導体多層構造よりなっている場合においても、同様の設計を行うことにより、受光感度の偏光依存性を小さくできる。

0036

この実施例では、表面側のp−InP層は結晶成長によって形成しているが、結晶成長ではアンドープInP層とし、表面側の主たる部分の半導体の導電形を、Znの拡散や、イオン注入法とその後のアニールによって決定してもよい。また、この実施例は、波長1.55μmの入射光に対して述べているが、色々な波長の光に対しても位相調整層厚及び組成を波長にあわせて同様の設計指針で設定することにより、同様の効果が得られる。

0037

また、上面電極に光反射率の高い材料を用いたり、ノンアロイ電極として反射率を向上させることにより光の反射を有効利用するような構造にした場合においても、同様の設計指針により受光感度の偏光依存性がほとんどないようにできる。また、InGaAsP/InP系以外のInGaAlAs/InGaAsPやAlGaAs/GaAs系などの他の材料系や歪を内在するような材料系でもよいことは言うまでもない。

0038

〔実施例6〕本発明の第6の実施例に係る半導体受光素子を図10に示す。図10において、101は光入射端面、102は1.5μm厚p−InP層、103は0.45μm厚p−InGaAsP(1.3μm組成)位相調整層、104は1.25μm厚p−InP位相調整層、105は0.6μm厚InGaAs光受光層、106は0.14μm厚n−InGaAsP(1.42μm組成)位相調整層、107はn−InP層、108は半絶縁性InP基板、109はp電極、1010はn電極である。素子の受光層面積は30μm×50μmである。

0039

逆メサ角θは60度で、波長1.55μm光は、n−InP層107に対し、69.1°の入射角で入射するようにしている。図11は、この層構造において、光の入射角が69.1度における受光感度の偏光依存性の受光層厚に対する変化の計算結果を示している。この図からわかるように、受光感度の偏光依存性は振動的に変化しているが、光受光層厚が0.2μm以上の領域では、その振幅が小さく、任意の光受光層厚に対し、受光感度の偏光依存性は0.1dB以下になる。本実施例では、光受光層厚を0.6μmに選んでいる。印加逆バイアス1.0Vで受光感度0.6A/W以上の値が得られ、また、受光感度の偏光依存性は約0.2dBであった。

0040

受光感度の偏光依存性測定においては、用いた光源のパワー変動や偏波ローテーター自身にも偏光依存性がある等のため、測定系自体に約0.2dBの測定誤差がある。このため、フォトダイオード自身の偏光依存性は0.2dB以下であると推定される。ちなみに、光受光層厚を0.6μmとし、上下はInP層のみで構成したものでは、受光感度の偏光依存性は約0.6dBと大きかった。このように、本実施例では、光受光層105の両側に3層よりなる位相調整用半導体層103,104,106を入れ、組成すなわち屈折率及びその厚さを設計することにより、受光感度の偏光依存性が小さくできた。

0041

この実施例は、pin構造のフォトダイオードについての例であるが、受光部分が単一走行キャリアフォトダイオードのような光受光層を含む複雑な半導体多層構造よりなっている場合においても、同様の設計を行うことにより、受光感度の偏光依存性を小さくできる。この実施例では、表面側のp−InP層は結晶成長によって形成しているが、結晶成長ではアンドープInP層とし、表面側の主たる部分の半導体の導電形を、Znの拡散や、イオン注入法とその後のアニールによって決定してもよい。また、この実施例は、波長1.55μmの入射光に対して述べているが、色々な波長の光に対しても位相調整層厚及び組成を波長にあわせて同様の設計指針で設定することにより、同様の効果が得られる。

0042

また、上面電極に光反射率の高い材料を用いたり、ノンアロイ電極として反射率を向上させることにより光の反射を有効利用するような構造にした場合においても、同様の設計指針により受光感度の偏光依存性がほとんどないようにできる。また、InGaAsP/InP系以外のInGaAlAs/InGaAsPやAlGaAs/GaAs系などの他の材料系や歪を内在するような材料系でもよいことは言うまでもない

0043

〔実施例7〕本発明の第7の実施例に係る半導体受光素子を図12に示す。図12において、121は光入射端面、122は1.5μm厚p−InP層、123は0.25μm厚p−InGaAsP(1.42μm組成)層、124は0.6μm厚InGaAs光受光層、125は0.57μm厚n−InP層、126は、0.33μm厚n−InGaAsP(1.3μm組成)層、127はn−InP層、128は半絶縁性InP基板、129はp電極、1210はn電極である。素子の受光層面積は30μm×50μmである。

0044

逆メサ角θは60度で、波長1.55μm光は、n−InP層127に対し、69.1度の入射角で入射するようにしている。図13は、この層構造において、光の入射角が69.1度における受光感度の偏光依存性の受光層厚に対する変化の計算結果を示している。この図からわかるように、受光感度の偏光依存性は振動的に変化しているが、光受光層厚が0.3μm以上の領域では、その振幅が小さく、任意の光受光層厚に対し、受光感度の偏光依存性は0.1dB以下になる。本実施例では、光受光層厚を0.6μmに選んでいる。印加逆バイアス1.0Vで受光感度0.6A/W以上の値が得られ、また、受光感度の偏光依存性は約0.2dBであった。

0045

受光感度の偏光依存性測定においては、用いた光源のパワー変動や偏波ローテーター自身にも偏光依存性がある等のため、測定系自体に約0.2dBの測定誤差がある。このため、フォトダイオード自身の偏光依存性は0.2dB以下であると推定される。ちなみに、光受光層厚を0.6μmとし、上下はInP層のみで構成したものでは、受光感度の偏光依存性は約0.6dBと大きかった。このように、本実施例では、光受光層124の両側に3層よりなる位相調整用半導体層123,125,126を入れ、組成すなわち屈折率及びその厚さを設計することにより、受光感度の偏光依存性が小さくできた。

0046

この実施例は、pin構造のフォトダイオードについての例であるが、受光部分が単一走行キャリアフォトダイオードのような光受光層を含む複雑な半導体多層構造よりなっている場合においても、同様の設計を行うことにより、受光感度の偏光依存性を小さくできる。この実施例では、表面側のp−InP層は結晶成長によって形成しているが、結晶成長ではアンドープInP層とし、表面側の主たる部分の半導体の導電形を、Znの拡散や、イオン注入法とその後のアニールによって決定してもよい。また、この実施例は、波長1.55μmの入射光に対して述べているが、色々な波長の光に対しても位相調整層厚及び組成を波長にあわせて同様の設計指針で設定することにより、同様の効果が得られる。

0047

また、上面電極に光反射率の高い材料を用いたり、ノンアロイ電極として反射率を向上させることにより光の反射を有効利用するような構造にした場合においても、同様の設計指針により受光感度の偏光依存性がほとんどないようにできる。また、InGaAsP/InP系以外のInGaAlAs/InGaAsPやAlGaAs/GaAs系などの他の材料系や歪を内在するような材料系でもよいことは言うまでもない。

発明の効果

0048

以上説明したように、光受光層を含む半導体多層構造よりなる受光部分と、前記光受光層を入射光が層厚方向に対し斜めに通過するようにした半導体受光素子において、光受光層の層厚がある特定の値に選ばれているか、または、光受光層の上層または下層に一層以上の光の位相調整用半導体層を設けているため、素子高速化のために、光吸収層厚の薄層化を図っても、透過光と反射光の位相が調整され、s偏光およびp偏光に対する透過率と反射率がほとんど等しくなり、受光感度の偏光依存性がほとんど出ない。また、受光部分が光受光層を含む複雑な半導体多層構造よりなっても、位相調整用半導体層を設けることにより、受光部分への透過光と反射光の位相が調整されるため、s偏光およびp偏光に対する透過率と反射率がほとんど等しくなり、受光感度の偏光依存性がほとんど出ない。このため、光吸収層厚の大幅な薄層化や受光部分の層構成変更により、素子の超高速動作化を図っても、総合的には受光感度の偏光依存性が出ないような超高速動作の可能な素子が製作可能となる。

図面の簡単な説明

0049

図1本発明の第1の実施例を示す断面斜視図である(素子の受光層面積は30μm×50μmである。)。
図2従来の光受光層を含む半導体多層構造よりなる受光部分と、前記光受光層を入射光が層厚方向に対し斜めに通過するようにしたことを特徴とする半導体受光素子を代表する屈折型半導体受光素子の構造概念図である。
図3中央のInGaAs光受光層が上下のInP層ではさまれた構造において、光の入射角が69.1度における受光感度の偏光依存性の受光層厚に対する変化の計算結果を示したグラフである。
図4本発明の第2の実施例を示す断面斜視図である(素子の受光層面積は30μm×50μmである。)。
図5本発明の第3の実施例を示す断面斜視図である(素子の受光層面積は30μm×50μmである。)。
図6図5の層構造において、光の入射角が69.1度における受光感度の偏光依存性の受光層厚に対する変化の計算結果を示したグラフである。
図7本発明の第4の実施例を示す断面斜視図である(素子の受光層面積は30μm×50μmである。)。
図8本発明の第5の実施例を示す断面斜視図である(素子の受光層面積は30μm×50μmである。)。
図9図8の層構造において、光の入射角が69.1度における受光感度の偏光依存性の受光層厚に対する変化の計算結果を示したグラフである。
図10本発明の第6の実施例を示す断面斜視図である(素子の受光層面積は30μm×50μmである。)。
図11図10の層構造において、光の入射角が69.1度における受光感度の偏光依存性の受光層厚に対する変化の計算結果を示したグラフである。
図12本発明の第7の実施例を示す断面斜視図である(素子の受光層面積は30μm×50μmである。)。
図13図12の層構造において、光の入射角が69.1度における受光感度の偏光依存性の受光層厚に対する変化の計算結果を示したグラフである。

--

0050

12 1.5μm厚p−InP層
13 0.466μm厚InGaAs光受光層
14 1μm厚n−InP層
15半絶縁性InP基板
16 p電極
17 n電極
41光入射端面
42 1.5μm厚p−InP層
43 0.466μm厚InGaAs光受光層
44 1μm厚n−InP層
45 半絶縁性InP基板
46 p電極
47 n電極
52 1.5μm厚p−InP層
53 0.6μm厚InGaAs光受光層
54 0.14μm厚n−InGaAsP(1.2μm組成)位相調整層
55 n−InP層
56 半絶縁性InP基板
57 p電極
58 n電極
71 光入射端面
72 1.5μm厚p−InP層
73 0.6μm厚InGaAs光受光層
74 0.14μm厚n−InGaAsP(1.2μm組成)位相調整層
75 n−InP層
76 半絶縁性InP基板
77 p電極
78 n電極
81 光入射端面
82 1.5μm厚p−InP層
83 0.28μm厚p−InGaAsP(1.2μm組成)位相調整層
84 0.6μm厚InGaAs光受光層
85 0.207μm厚n−InGaAsP(1.2μm組成)位相調整層
86 n−InP層
87 半絶縁性InP基板
88 p電極
89 n電極
101 光入射端面
102 1.5μm厚p−InP層
103 0.45μm厚p−InGaAsP(1.3μm組成)位相調整層
104 1.25μm厚p−InP位相調整層
105 0.6μm厚InGaAs光受光層
106 0.14μm厚n−InGaAsP(1.42μm組成)位相調整層
107 n−InP層
108 半絶縁性InP基板
109 p電極
1010 n電極
121 光入射端面
122 1.5μm厚p−InP層
123 0.25μm厚p−InGaAsP(1.42μm組成)位相調整層
124 0.6μm厚InGaAs光受光層
125 0.57μm厚n−InP位相調整層
126 0.33μm厚n−InGaAsP(1.3μm組成)位相調整層
127 n−InP層
128 半絶縁性InP基板
129 p電極
1210 n電極

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