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課題
解決手段
概要
背景
通常、人工衛星は、太陽電池(セル)を搭載しており、この太陽電池により太陽光を電気エネルギーに変換し、所定の期間にわたって電力が電源系に供給される構成となっている。太陽電池は、例えば太陽電池実装用サブストレートと呼ばれるパネルに実装される。通常では、太陽電池が実装されたパネルを複数枚結合して太陽電池パドルを形成している。従って、各パネルに実装された太陽電池は、パネル間で接続されることによって人工衛星本体の電源系に電力を送ることができるようになる。太陽電池パドルは、衛星打ち上げ時には複数のパネルを折り畳んで収納し、軌道上に打ち上げられた後に展開して使用される。
図6には、従来のパネルでの電気的接続の方法の一例を示している。従来、パネル2の表面に太陽電池などの電気部品4を実装する場合、実装する電気部品4をパネル2上面の配設位置に固定すると共に、接続が必要な電気部品4同士を電気配線6によって接続する。異なるパネルに配設された電気部品4同士を接続する場合も図6に示すようにして電気配線6を引き回すことによって行っている。
概要
ハニカムパネルなどで構成されたパネル10上にフレキシブルプリント基板12を貼り付けて構成される。フレキシブルプリント基板12には、実装する電気部品の配置に応じた配線パターン14が予め形成されている。また、フレキシブルプリント基板12は、パネル10の上面部の面積を越える面積を持っている。このため、矩形状に構成されたパネル10の少なくとも一つの辺において、パネル10の上面部を越えて配線パターン14が配設された部分を含むフレキシブルプリント基板12の一部が延出されている。
目的
効果
実績
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この技術が所属する分野
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技術分野
背景技術
0002
通常、人工衛星は、太陽電池(セル)を搭載しており、この太陽電池により太陽光を電気エネルギーに変換し、所定の期間にわたって電力が電源系に供給される構成となっている。太陽電池は、例えば太陽電池実装用サブストレートと呼ばれるパネルに実装される。通常では、太陽電池が実装されたパネルを複数枚結合して太陽電池パドルを形成している。従って、各パネルに実装された太陽電池は、パネル間で接続されることによって人工衛星本体の電源系に電力を送ることができるようになる。太陽電池パドルは、衛星打ち上げ時には複数のパネルを折り畳んで収納し、軌道上に打ち上げられた後に展開して使用される。
0003
図6には、従来のパネルでの電気的接続の方法の一例を示している。従来、パネル2の表面に太陽電池などの電気部品4を実装する場合、実装する電気部品4をパネル2上面の配設位置に固定すると共に、接続が必要な電気部品4同士を電気配線6によって接続する。異なるパネルに配設された電気部品4同士を接続する場合も図6に示すようにして電気配線6を引き回すことによって行っている。
発明が解決しようとする課題
0004
このように従来のパネルを用いて電気部品4を実装する場合には電気配線6を引き回す必要があった。このため、太陽電池のようにパネル上に実装する電気部品4が多数ある場合には、多数の配線を行なう必要があるため、電気配線6自体の重量が重くなってしまっていた。人工衛星では機体重量の軽減要求が強いために電気配線6による重量増加が問題となってしまう。また、太陽電池パドルの組立作業時には電気部品間の配線作業に多くの時間を要し、また配線数が多くなるに従って誤配線が発生する可能性が高くなるために十分な注意が必要であり作業負担が重くなっていた。
課題を解決するための手段
0006
本発明は、パネルと、前記パネルの上面部に貼り付けられるものであって、実装される電気部品を接続するための配線パターンが予め設けられた、前記パネル上面部の面積を越える面積を持つフレキシブルプリント基板とにより構成されたことを特徴とする。
0007
このような構成によれば、パネルに実装する太陽電池などの電気部品を、フレキシブルプリント基板に予め設けられた配線パターンと接続することで電気部品間の接続が行われるため、電気部品の実装作業が簡単化されると共に実装する電気部品が多くなるに従って電気配線の重量が重くなることもない。
発明を実施するための最良の形態
0008
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本実施形態における電気部品実装用パネルの構成を示す斜視図である。図1に示すように、電気部品実装用パネルは、ハニカムパネルなどの固くて軽量に構成されたパネル10上にフレキシブルプリント基板12を貼り付けて構成されている。フレキシブルプリント基板12には、実装する電気部品の配置に応じた配線パターン14がエッチングにより予め形成され、電気部品が実装される上面部が絶縁層によって絶縁されている。また、フレキシブルプリント基板12は、パネル10の上面部の面積を越える面積を持っている。このため、矩形状に構成されたパネル10の少なくとも一つの辺において、パネル10の上面部を越えて配線パターン14が配設された部分を含むフレキシブルプリント基板12の一部が延出される。図1に示す電気部品実装用パネルでは、パネル10の長手方向の両端部においてフレキシブルプリント基板12の一部が延出されている。複数の電気部品実装用パネルに実装された電気部品の接続は、パネル10の上面部を越えて延出されている部分がフレキシブルとなっているので、この部分を重ね合わせて相互に接続することで実現される(詳細な構成を図4,図5に示す)。
0009
なお、パネル10に対してフレキシブルプリント基板12が延出される箇所は、本実施形態における電気部品実装用パネルを用いて構成される太陽電池パドルの形状に応じて、隣接する電気部品実装用パネルと接続される方向に少なくとも一箇所設けられる。例えば、太陽電池パドルが複数枚の電気部品実装用パネルを一列に配置して構成される場合、両端に位置する電気部品実装用パネルについてはパネル10の一辺においてのみフレキシブルプリント基板12が延出され、両側に隣接する電気部品実装用パネルがある電気部品実装用パネルについてはパネル10の対向する二辺においてフレキシブルプリント基板12が延出された構成となる。また、太陽電池パドルを構成する電気部品実装用パネルの配置によっては、パネル10の三辺、あるいは四辺においてフレキシブルプリント基板12の一部が延出された構成とすることができる。
0010
図2には、電気部品実装用パネルに電気部品20を実装した場合の図1中におけるA−A線における断面図を示している。図2に示すように、心材10aに例えばハニカムやフォーム材を用いたパネル10に対して、接着剤26によりフレキシブルプリント基板12が貼り付けられている。
0011
フレキシブルプリント基板12には、電気部品20が実装される表面側の絶縁層22とパネル10側の絶縁層24との間に配線パターン14が設けられている。絶縁層22には、電気部品20の配設位置に応じて電気部品配線用穴28が設けられており、電気部品20から延びる配線30を接続することができるようになっている。これにより、電気部品20と配線パターン14とは、最小限の長さの配線30によって接続することができる。また、電気部品実装用パネルの上面部側からの作業であるために作業性が良く、また配設位置に応じて設けられた電気部品配線用穴28に接続するだけであるため、電気部品20の数が多くなったとしても誤配線のおそれもない。
0012
図3は複数の電気部品実装用パネルによって構成される太陽電池パドルの概念図を示し、図4は図3に示すように電気部品実装用パネルを結合する際のフレキシブルプリント基板12の接続状態の一例(図1中のBで示す部分の断面図)を示している。
0013
図3(a)は複数の電気部品実装用パネルが折り畳んで収納される状態を示し、図3(b)は複数の電気部品実装用パネルが展開された状態を示している。電気部品実装用パネル間は、ヒンジ(図示せず)などによって構造的に結合されると共に、パネル10の上面部から延出されたフレキシブルプリント基板12のフレキシブルな部分において電気的に接続される。従って、隣接する電気部品実装用パネルの間を折り曲げることができ、図3(b)に示す矢印方向でそれぞれ折り曲げることで図3(a)に示すような状態で折り畳むことができる。
0014
隣接する電気部品実装用パネルのそれぞれに設けられたフレキシブルプリント基板12は、図4に示すようにして、パネル10の上面部から延出された部分において配線パターン14同士が相互に電気的に接続される。これにより、電気部品実装用パネル間においても電気配線を別途引き回す必要がない。
0015
図5には、図4に示すような電気部品実装用パネル間における電気的な接続の方法を示している。電気部品実装用パネル間を電気的に接続する場合には、パネル10の上面部から延出されたフレキシブルプリント基板12の一部において、配線パターン14が設けられた部分において絶縁層22,24の一部を除去して、図5(a)に示すような配線接続用穴32を設けておく。絶縁層22,24に設けられた配線接続用穴32は、図5(b)に示すように、配線パターン14を挟んで相対する位置に設けられている。
0016
フレキシブルプリント基板12を接続する際には、それぞれに設けられた配線接続用穴32の位置を合わせてフレキシブルプリント基板12を密着させる。その際、密着している側の配線接続用穴32によって設けられる空間に配線パターン14を電気的に接続するためにハンダを入れておく。
0017
そして、図5(c)に示すように、密着していない側の各フレキシブルプリント基板12の配線接続用穴32にヒータ34を挿入し、配線パターン14を介してハンダに熱を加えて溶融させた後、ヒータ34を配線接続用穴32から取り出す。これにより、密着された側の配線接続用穴32において、配線パターン14がハンダ付けによって電気的に接続される。
0018
こうして、フレキシブルプリント基板12に予め設けられた配線パターン14同士を接続するので、別に接続配線などを用いる必要がなく、また相互に対応する位置にある配線パターン14と接続するので誤配線などのおそれもない。
0019
このようにして、電気部品実装用パネルに実装する太陽電池などの電気部品20を、フレキシブルプリント基板12に予め設けられた配線パターン14と接続することで電気部品間の接続が行われるため、電気部品20の実装作業が簡単化される。また、電気配線を引き回して接続しないので、実装する電気部品20が多くなるに従って電気配線の重量が重くなることもなく軽量化が実現でき、誤配線のおそれも回避することができる。
0020
なお、前述した説明では、人工衛星に用いられる太陽電池実装用サブストレートに適用するとして説明しているが、宇宙用ではなく一般の電気部品が実装されるパネルに適用することも可能である。勿論、電気部品も太陽電池に限るものではなく、集積回路や電源部品など各種の電気部品を対象とすることができる。また、実装する電気部品に応じて、フレキシブルプリント基板12に設けられる配線パターン14も図1に示すように直線上にするだけでなく任意のパターンに形成することができる。
0021
また、前述した説明では、フレキシブルプリント基板12を軽量で固いパネル10に貼り付けるものとして説明しているが、パネル10に該当する基材の部分もフレキシブルプリント基板12と同様にフレキシブルな膜面(ブランケット)を用いた構成としても良い。これにより、フレキシブルプリント基板12を利用して電気部品の配線を行なうことが可能なフレキシブルタイプの太陽電池パドルを構成することも可能である。
発明の効果
0022
以上詳述したように本発明によれば、パネルに実装する太陽電池などの電気部品を、フレキシブルプリント基板に予め設けられた配線パターンと接続することで電気部品間の接続が行われるため、電気部品の実装作業が簡単化されると共に実装する電気部品が多くなるに従って電気配線の重量が重くなることもないので、軽量化と共に組み立て作業を簡単化することが可能となるものである。
図面の簡単な説明
0023
図1本実施形態における電気部品実装用パネルの構成を示す斜視図。
図2電気部品実装用パネルに電気部品20を実装した場合の図1中におけるA−A線における断面図。
図3複数の電気部品実装用パネルによって構成される太陽電池パドルの概念図。
図4図3に示すように電気部品実装用パネルを結合する際のフレキシブルプリント基板12の接続状態の一例を示す図。
図5図4に示すような電気部品実装用パネル間における電気的な接続の方法を示す図。
図6従来のパネルでの電気的接続の方法の一例を示す図。
--
0024
10…パネル
12…フレキシブルプリント基板
14…配線パターン
20…電気部品
22,24…絶縁層
28…電気部品配線用穴
30…配線
32…配線接続用穴
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