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技術 塩化ビニル系樹脂繊維

出願人 デンカ株式会社
発明者 鎌田慎也吉野善行茂呂居昭松川不三夫
出願日 1999年9月28日 (19年1ヶ月経過) 出願番号 1999-274671
公開日 2001年4月10日 (17年7ヶ月経過) 公開番号 2001-098414
状態 特許登録済
技術分野 造花、かつら、仮面、羽毛 高分子組成物 合成繊維
主要キーワード 加熱円筒 孔断面積 分散部分 蒸気環境 塩化ビニル系組成物 速度アップ アダプター温度 分散領域
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この項目の情報は公開日時点(2001年4月10日)のものです。
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課題

蒸気雰囲気下延伸を行うと延伸糸白濁、即ち透明性を失う失透現象が生じていた。この失透現象が生じると透明性が要求される蛍光色及び淡色の繊維を製造できない。この失透現象を解消する為に種々の手段があるが、熱着色及び糸切れ頻度が増大したり、加熱設備の増強等の製造コスト高になるという新たな課題があった。

解決手段

塩化ビニル系樹脂組成物紡糸した塩化ビニル系樹脂繊維において、該塩化ビニル系樹脂組成物を、PVC(ポリ塩化ビニル樹脂100重量部、ハイドロタルサイト熱安定剤0.8〜3重量部、亜鉛石鹸0.2〜0.6重量部、カルシウム石鹸0.05〜0.4重量部、エポキシ系可塑剤0.5〜2重量部、滑剤0.2〜1.0重量部、βジケトン0.1〜0.4重量部を有し、さらに前記亜鉛石鹸及び前記カルシウム石鹸が、炭素数18〜22の直鎖型脂肪酸及び/又はその誘導体とした。

概要

背景

従来、人工毛髪人工頭髪用繊維として、繊度10〜100デニールが要求される。該繊度の繊維を製造するには、塩化ビニル系樹脂溶媒を使用する湿式および乾式紡糸法、溶媒を用いない溶融紡糸法が知られている。

これら紡糸方法のうち、溶融紡糸方法にあっては、目的の引張強度(1.2グラム/デニール以上)及び引張伸度(130%以下)を与えるため、紡糸した糸を2〜4倍に延伸した後、適度な加熱処理が行われている。

かかる延伸方法について70〜150℃の雰囲気下で延伸する方法が提案されている(特開平11−100714号)が、該繊維への熱伝導効率が低くいため、ライン速度を上げると糸切れが生じるという課題がある。この対策として蒸気雰囲気下で延伸を行って熱伝導効率を向上させる手段がある。

概要

蒸気雰囲気下で延伸を行うと延伸糸白濁、即ち透明性を失う失透現象が生じていた。この失透現象が生じると透明性が要求される蛍光色及び淡色の繊維を製造できない。この失透現象を解消する為に種々の手段があるが、熱着色及び糸切れ頻度が増大したり、加熱設備の増強等の製造コスト高になるという新たな課題があった。

塩化ビニル系樹脂組成物を紡糸した塩化ビニル系樹脂繊維において、該塩化ビニル系樹脂組成物を、PVC(ポリ塩化ビニル樹脂100重量部、ハイドロタルサイト熱安定剤0.8〜3重量部、亜鉛石鹸0.2〜0.6重量部、カルシウム石鹸0.05〜0.4重量部、エポキシ系可塑剤0.5〜2重量部、滑剤0.2〜1.0重量部、βジケトン0.1〜0.4重量部を有し、さらに前記亜鉛石鹸及び前記カルシウム石鹸が、炭素数18〜22の直鎖型脂肪酸及び/又はその誘導体とした。

目的

本発明の目的は、透明性が優れ熱着色せず、かつ蒸気雰囲気下での延伸によっても失透せず、また、蒸気雰囲気下で延伸を行うことにより繊維への熱伝達が良好になり熱不足による糸切れが激減し、ライン速度を上げて生産性飛躍的に向上させることができるポリ塩化ビニル系樹脂繊維を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

塩化ビニル系樹脂組成物紡糸した塩化ビニル系樹脂繊維において、該塩化ビニル系樹脂組成物が、PVC(ポリ塩化ビニル樹脂100重量部、ハイドロタルサイト熱安定剤0.8〜3重量部、亜鉛石鹸0.2〜0.6重量部、カルシウム石鹸0.05〜0.4重量部、エポキシ系可塑剤0.5〜2重量部、滑剤0.2〜1.0重量部、βジケトン0.1〜0.4重量部を有し、さらに前記亜鉛石鹸及び前記カルシウム石鹸が、炭素数18〜22の直鎖型脂肪酸及び/又はその誘導体であることを特徴とする塩化ビニル系樹脂繊維。

技術分野

0001

本発明は、かつらヘアピースブレードなどの頭髪装飾用人工毛髪、或いはドールヘアー等の人工毛髪などとして使用される塩化ビニル系樹脂繊維に関するものである。

背景技術

0002

従来、人工毛髪・人工頭髪用繊維として、繊度10〜100デニールが要求される。該繊度の繊維を製造するには、塩化ビニル系樹脂溶媒を使用する湿式および乾式紡糸法、溶媒を用いない溶融紡糸法が知られている。

0003

これら紡糸方法のうち、溶融紡糸方法にあっては、目的の引張強度(1.2グラム/デニール以上)及び引張伸度(130%以下)を与えるため、紡糸した糸を2〜4倍に延伸した後、適度な加熱処理が行われている。

0004

かかる延伸方法について70〜150℃の雰囲気下で延伸する方法が提案されている(特開平11−100714号)が、該繊維への熱伝導効率が低くいため、ライン速度を上げると糸切れが生じるという課題がある。この対策として蒸気雰囲気下で延伸を行って熱伝導効率を向上させる手段がある。

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、蒸気雰囲気下で延伸を行うと延伸糸白濁、すなわち透明性を失う失透現象が生じてしまっていた。この失透現象が生じると、透明性が要求される蛍光色及び淡色の繊維を製造できない。この失透現象を解消する為に、通常、延伸糸を蒸気雰囲気下での延伸後の熱処理設定温度をより高温にするか該熱処理の時間を長くする必要がある。ところが、設定温度をより高温化する前者の場合には熱着色及び糸切れ頻度が増大するという新たな課題があり、熱処理の時間を長くする場合には加熱設備の増強、冷却時間・設備の増強などを含めて製造コスト高になるという新たな課題があった。

0006

本発明の目的は、透明性が優れ熱着色せず、かつ蒸気雰囲気下での延伸によっても失透せず、また、蒸気雰囲気下で延伸を行うことにより繊維への熱伝達が良好になり熱不足による糸切れが激減し、ライン速度を上げて生産性飛躍的に向上させることができるポリ塩化ビニル系樹脂繊維を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、上記課題を解決するべく組成物の配合系を鋭意研究を重ねた結果、塩化ビニル系樹脂に熱安定剤亜鉛石鹸カルシウム石鹸滑剤等を特定範囲で配合した場合には、透明性が極めて優れ、熱着色せず、さらには蒸気雰囲気下で延伸しても失透しないことを見出し、延伸工程の短縮及び熱処理速度アップを飛躍的に向上させ、本発明を完成するに至った。

0008

すなわち本発明は、塩化ビニル系樹脂組成物を紡糸した塩化ビニル系樹脂繊維において、該塩化ビニル系樹脂組成物が、PVC(ポリ塩化ビニル樹脂100重量部、ハイドロタルサイト系熱安定剤0.8〜3重量部、亜鉛石鹸0.2〜0.6重量部、カルシウム石鹸0.05〜0.4重量部、エポキシ系可塑剤0.5〜2重量部、滑剤0.2〜1.0重量部、βジケトン0.1〜0.4重量部を有し、さらに前記亜鉛石鹸及び前記カルシウム石鹸が、炭素数18〜22の直鎖型脂肪酸及び/又はその誘導体であることを特徴とする塩化ビニル系樹脂繊維である。

発明を実施するための最良の形態

0009

本発明にかかるハイドロタルサイト系熱安定剤を採用したのは、ポリ塩化ビニル系樹脂そのものが高温下に置かれても安定した状態を維持するためであり、これにより蒸気雰囲気下での溶融紡糸繊維の延伸をしても繊維の温水失透を助長しないものである。

0010

該ハイドロタルサイトの配合量は、あまりに少ないと成形時の熱安定性付与効果の発揮が不十分となり、あまりに多いと自身の分散性の悪さから凝集物(ハイドロタルサイト自身)による糸切れ頻度が多くなるため、ポリ塩化ビニル100重量部に対し0.8〜3重量部使用するのが好ましい。また、該ハイドロタルサイトには公知の熱安定化助剤、例えばホスファイト多価アルコール等を1種以上併用できる。

0011

本発明に使用する亜鉛石鹸は、繊維成形時の着色抑制効果を発揮させるために採用するものである。該亜鉛石鹸の配合量は、あまりに少ないと該効果が発揮されず、あまりに多いと蒸気延伸時に繊維の温水失透性が悪くなるため、ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対し0.2〜0.6重量部使用するのが好ましい。また、該亜鉛石鹸は、組成物の温水失透を抑制しプレートアウトを防ぐため、炭素数18〜22の直鎖型脂肪酸及び/又はその誘導体であることが必要である。

0012

本発明に使用するカルシウム石鹸は、ハイドロタルサイトの未分散部分における亜鉛焼けを抑制するために採用されるものである。該カルシウム石鹸の配合量は、あまりに少ないと該効果が発揮されず、あまりに多いと蒸気延伸時に繊維の温水失透性が悪くなるため、ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対し0.05〜0.4重量部が好ましい。また、該カルシウム石鹸は、組成物全体の分散性及び相溶性を高めるため、炭素数18〜22の直鎖型脂肪酸及び/又はその誘導体であることが必要である。

0013

本発明に使用する上記エポキシ系可塑剤は、ポリ塩化ビニル系樹脂繊維に柔軟性を持たせ延伸速度を向上させるために採用されるものであり、従来公知の可塑剤を適宜選択して採用できる。

0014

該エポキシ系可塑剤の配合比は、あまりに少ないと紡糸時のノズル圧力上昇による糸着色が起こるだけでなく曳糸性が著しく低下し、あまりにも多いと繊維の熱収縮率が大きくなり且つ蒸気雰囲気下での延伸時に繊維が失透を起こすので、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し0.5〜2重量部、さらに好ましくは0.8〜1.5重量部が良い。

0015

本発明で使用する塩化ビニル系樹脂は、従来公知の塩化ビニル単独重合物であるホモポリマー、または従来公知の各種のコポリマー樹脂であり、特に限定されるものではない。

0016

本発明に使用する塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、あまりに低いと溶融粘度が低くなり曳糸性が悪くなり、あまりに高いと溶融粘度が高くなってノズル圧力が高くなり繊維が着色してしまうため、600〜1300であることが好ましい。

0017

本発明に用いる上記滑剤は、蒸気環境下での延伸時の失透を抑制するために採用されるものであり、ポリエチレン系滑剤高級脂肪酸系滑剤、エステル系滑剤から選択される単体又は複合体を採用できる。本発明の目的である蒸気延伸時の失透抑制のためには、ポリエチレン系滑剤は平均分子量が4000〜5000のものを用いるのが好ましい。高級脂肪酸系滑剤としては、ステアリン酸パルチミン酸ミリスチン酸などの不飽和脂肪酸、またはこれらの混合物などが例示される。エステル系滑剤としては、各種脂肪酸と高級アルコールエステルを用いることができる。

0018

該滑剤の配合量は、上記塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、あまりに少ないと滑性付与効果が発揮されず、あまりに多いと失透やプレートアウトが生じるため、0.2〜1重量部が好ましい。

0019

本発明に用いる上記βジケトンは、加工時の着色を抑制するために採用されるものであり、組成物の色を透明に近づけるものである。該βジケトンの配合量は、上記塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、あまりに少ないと上記効果が発揮されず、あまりに多くても効果が頭打ちになるため、0.1〜0.4重量部が好ましい。

0020

本発明においては、目的に応じて塩化ビニル系組成物に使用される公知の配合剤を本発明の効果を阻害しない範囲で添加できる。該配合剤の例としては、加工助剤強化剤紫外線吸収剤酸化防止剤帯電防止剤充填剤難燃剤顔料、初着改善剤導電性付与剤香料等がある。

0021

本発明にかかる塩化ビニル系樹脂繊維は、上記塩化ビニル系樹脂組成物を従来公知の混合機(例えばヘンシェルミキサーリボンブレンダー等)を使用して混合したパウダーコンパウンド、またはこれを溶融混合したペレットコンパウンドであってもよい。該パウダーコンパウンドの製造は、従来公知の通常の条件で製造でき、ホットブレンドでもコールドブレンドでも良い。該ペレットコンパウンドは、通常の塩化ビニル系ペレットコンパウンドの製造と同様にして製造できる。例えば、単軸押出機、異方向二軸押出機コニーダーなどの混練機を使用してペレットコンパウンドとすることができる。

0022

前記塩化ビニル系樹脂組成物を繊維状の未延伸糸にする際には、従来公知の押出機を使用できる。例えば単軸押出機、異方向二軸押出機、異方二軸押出機、コニカル二軸押出機などを使用できる。

0023

本発明では、前記塩化ビニル系樹脂組成物を溶融紡糸する際には、1個のノズル孔面積が0.2 mm2以下であるノズルダイ先端部に取りつけて行うことが望ましい。さらに好ましくは、該ノズル孔面積が、特公昭55−76102号において提案されている様に0.04〜0.06mm2であることが望ましい。該断面積が0.2 mm2を越えるものを用いて300デニール以下の未延伸糸を得る為には、ドラフト比率を極端に上げる必要があり、紡糸時の糸切れ頻度が増加するため好ましくない。

0024

本発明においては、未延伸糸の繊度を300デニール以下にしておくことが好ましい。この値に限定したのは、該未延伸糸の繊度があまりに大きいと、低い繊度の繊維を得る為に延伸倍率を大きくする必要が生じ、延伸時の糸切れ頻度が激増し生産性が低下するため好ましくないからである。

0025

前記溶融紡糸で得られた未延伸糸は、蒸気雰囲気下での「延伸処理」がなされた後、熱弛緩処理が施されて、その繊度が100デニール以下になされる。

0026

上記延伸処理の条件としては、90〜120℃の蒸気雰囲気下で3〜4.5倍程度の延伸倍率とするのが好ましい。このような延伸倍率にしたのは、あまりに少ないと繊維の強度発現が不十分となり、あまりに多いと延伸処理時に糸切れを発生しやすく好ましくないためである。

0027

上記熱弛緩処理は、繊維の歪みを取ったり、熱収縮率を低下させることを目的としたものである。該熱弛緩処理における雰囲気温度は、あまりに低いと繊維への熱伝導が不十分で繊維の歪みを十分に除去できず、あまりに高いと繊維が着色してしまうため、100〜150℃が好ましい。

0028

以下、本発明にかかる実施例を、表を参照しながら、比較例と比較しつつ詳細に説明する。表1は、各実施例、各比較例における塩化ビニル系樹脂の主要配合とその配合によって製造された繊維等についての測定結果を示したものである。なお、表1中、記載は省略したが、全ての実施例、比較例において、PVC(ポリ塩化ビニル)樹脂(大洋塩ビ社製TH−1000、平均重合度1050)が100重量部配合され、初着改善剤としてリン系ホスファイト(旭電化社製アデカスタブC)が0.4重量部配合されている。

0029

0030

表1中、ハイドロタルサイト系熱安定剤として合成ハイドロタルサイト協和化学社製アルカマイザー1、亜鉛石鹸として12ヒドロキシステアリン酸亜鉛(日産化学社製NF−12Zn(炭素数18、直鎖型脂肪酸の誘導体))又はラウリン酸亜鉛(堺化学工業社製Z−12)、カルシウム石鹸として12ヒドロキシステアリン酸カルシウム(日産化学社製NF−12Ca(炭素数18、直鎖型脂肪酸の誘導体))又はステアリン酸カルシウム(栄伸化成社製SC−100)、エポキシ系可塑剤としてESBO(エポキシ化大豆油;旭電化社製O−130P)、滑剤としてポリエチレンワックス(三井石油化学社製ハイワックス400P(平均分子量4000)又はハイワックス200P(平均分子量2000))、βジケトンとしてDBM(ジ−ベンゾイルメタン;ローヌプラン社製ローディアスタブ83)を採用したものである。

0031

各実施例・各比較例におけるポリ塩化ビニル系樹脂組成物は、次の工程でパウダーコンパウンドになされた。すなわち、上記ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部5Kgと各添加剤(表1記載の各配合量)が、20リットル・ヘンシェルミキサーに投入され、内容物の温度が120℃になるまで攪拌混合を行い、その後、冷却水をヘンシェルミキサーのジャケットに流しながら攪拌混合を行ない、内容物の温度が60℃になるまで冷却し、これによりパウダー状の塩化ビニル系樹脂コンパウンドを得た。

0032

この塩化ビニル系樹脂コンパウンドを溶融紡糸したのは、次の条件に従って行った。

0033

★押出機
スクリュー:フルフライトタイプ、圧縮比2.3、D=40mm、L/D=20(D;直径、L;スクリュー長さ)
ノズル:孔断面積=0.06mm2、孔形状;メガネ孔数;30、孔配列;円、
シリンダー温度:C1=170℃、C2=170℃、C3=180℃、
アダプター温度:180℃
ターンヘッド温度:185℃
ダイス温度:185℃
押出量:5Kg/時間

0034

ノズルから流出したストランドポリ塩化ビニル樹脂組成物の繊維)は、加熱円筒(加熱円筒温度250℃)に導入されて瞬間的に加熱溶解され、ノズル直下約4.5mの位置に設置した引取機にて巻き取られる。該ストランドは、未延伸糸のままである。この巻き取りの際、該延伸糸の繊度が175〜185デニールになる様に引取速度を調節した。次に、該未延伸糸を延伸機(蒸気雰囲気下105℃)で3倍に延伸後、熱処理機空気雰囲気下130℃)を用いて等倍(収縮なし)で熱処理を施し、繊度が58〜62デニールになるようにした。

0035

表1に示す測定結果である「溶融紡糸時糸切」、「溶融紡糸時着色」は、この未延伸糸を製造した段階で判断した。判断基準は次の通りである。

0036

「溶融紡糸時糸切れ」にあっては、1時間連続紡糸して糸切れ発生件数が0のときを○、1〜3のときを△、4以上のときを×とした。「溶融紡糸時着色」にあっては、溶融紡糸時糸切測定の際の繊維を目視して黄色みがないのを○、わずかに黄色みがあるのを△、黄色みがあるのを×とした。

0037

表1における「熱処理時糸切れ」は、上記熱処理機に溶融紡糸された繊維を連続して1時間流した際の糸切れ発生件数が0のときを○、1〜3のときを△、4以上のときを×とした。

0038

表1における「失透度」は、上記ポリ塩化ビニル系樹脂組成物を後述する製法プレスシート片にしたものの明度で判断したものであり、具体的には、該プレスシート片を70℃の温水中に1時間浸した後に24時間室温で自然放置した際の明度をL2、温水に浸す前の明度をL1とした際の明度の差(ΔL=L2—L1)が14以下のものを○、14より大きいものを×とした。明度の測定には紡績社製分光光度計(COLOR−7)を用いた。該プレスシート片は、表1記載の各組成物を170℃のミキシングロールで3分間混練してから厚さ0.3mmになるようにロールシート化し、このロールシートを170℃のプレス機で5分間120Kg/cm2の荷重をかけて0.5mm厚のプレスシートを作成し、さらに6.0cm×3.0cmに切り取ったものである。

0039

実施例1〜3、比較例1及び2が示すように、ハイドロタルサイトが少ないと熱安定性不足から押出時に炭化物が生じ糸切れが多発し、多いとハイドロタルサイトの凝集物による糸切れが生じた。

0040

実施例4及び5、比較例3及び4が示すように、エポキシ系可塑剤が少ないと樹脂圧の上昇による着色を起こし且つ曳糸性の不足による糸切れが激しくなった。逆に、エポキシ系可塑剤が多いと失透してしまった。

0041

実施例6〜8、比較例5〜8を用いて、金属石鹸の配合量について説明する。比較例5から分かるように亜鉛石鹸が、0.2重量部未満となると繊維の着色が激しくなる為好ましくない。逆に、比較例6から分かるように0.6重量部を越えると失透性が極端に悪くなる為好ましくない。

0042

比較例7から分かるようにカルシウム石鹸が、0.05重量部未満となるとハイドロタルサイトの未分散領域補完が不十分となり亜鉛焼けで生じた炭化物による糸切れが起こる為好ましくない。逆に、比較例8から分かるように0.4重量部を越えると失透性が極端に悪くなる為好ましくない。

0043

実施例9の亜鉛石鹸(12ヒドロキシステアレート)は炭素数18であるが、この炭素数12であるラウリン酸亜鉛を用いた比較例9では失透性が著しく劣った。

0044

実施例10及び11、比較例10〜12を用いて、滑剤の配合量について説明する。該滑剤添加量が0.2重量部未満となると比較例10から分かるように押出時の樹脂圧の上昇による繊維の着色が激しくなる為好ましくない。逆に、1重量部を越えると比較例11から分かるように失透性が極端に悪くなる為好ましくない。

0045

また、ポリエチレンワックスの分子量の影響については、実施例10に対して比較例12の失透性が著しく劣ることから分子量4000以上のものを用いるのが好ましいことが分かる。

0046

比較例13、14から分かるように、βジケトンがあまりに少ないと着色性が悪く、あまりに多くても効果が頭打ちであった。

0047

なお、表1には開示しなかったが、可塑剤を過剰に添加した比較例4以外は、目的の引張強度(1.2グラム/デニール以上)及び引張伸度(130%以下)を達成していた。

発明の効果

0048

以上のように、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物を用いれば、蒸気雰囲気下で繊維を延伸しても失透することがない。また、蒸気雰囲気下で延伸を行うことにより繊維への熱伝達が良好になるため、熱不足による糸切れが激減し、ライン速度を上げることができ、これにより生産性を飛躍的に向上させることができる。

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