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技術 金型内被覆成形方法

出願人 大日本塗料株式会社宇部興産機械株式会社
発明者 米持建司山本義明大田賢治荒井俊夫岡原悦雄小林和明
出願日 2000年7月26日 (20年3ヶ月経過) 出願番号 2000-225580
公開日 2001年4月10日 (19年7ヶ月経過) 公開番号 2001-096573
状態 特許登録済
技術分野 プラスチック等の注型成形、圧縮成形 プラスチック等の射出成形
主要キーワード 内表面温度 合成樹脂成形材料 流動圧力 注入タイミング エッジ構造 一体成形体 時間パターン スタイル毎
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2001年4月10日)のものです。
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図面 (4)

課題

均一な外観品質被覆成形品を製造する成形方法を提供する。

解決手段

金型内被覆成形方法において、(1)被覆剤注入を、熱可塑性樹脂成形品の表面が前記被覆剤の注入圧力および流動圧力に耐えうる程度に固化する時間の経過後に行うこと、(2)前記被覆剤の注入時間を、前記被覆剤の金型内表面温度におけるゲル化時間をt1とした場合に、0.10t1〜0.99t1の範囲内となるようにすること、および(3)前記被覆剤の前記金型の内表面温度におけるゲル化時間をt1とした場合に、前記被覆剤注入開始から再度型締めの完了までの時間を0.20t1〜1.10t1の範囲内とする。

概要

背景

金型内被覆成形方法は、成形品表面の品質向上及び塗装工程の短縮を目的として利用されており、特に外観及び品質に対する要求度の高い自動車においては、その外板外装部品等に広く利用されている。

このような金型内被覆成形方法としては、例えば、USP4,076,788号公報、USP4,081,578号公報、USP4,331,735号公報、USP4,366,109号公報、USP4,668,460号公報、特開平5−301251号公報、特開平5−318527号公報、特開平8−142119号公報等において開示されている。

これら特許公報に記載されている方法では、成形型内で合成樹脂成形材料成形後、成形型の内表面と得られた成形品表面との間に被覆剤注入する際の型締め圧力や被覆剤注入圧力金型離間の規定はあるものの、被覆剤注入時間や被覆剤注入後の再型締め完了時期の規定については、ほとんど注意が払われていない。

ところで、金型内被覆成形における熱硬化性被覆剤は、型内に注入された瞬間から金型表面の熱及び合成樹脂成形材料の熱により硬化反応を開始し、その硬化反応の速度は被覆剤の種類、合成樹脂成形材料の温度や金型温度等の条件によって変動する。

概要

均一な外観品質被覆成形品を製造する成形方法を提供する。

金型内被覆成形方法において、(1)被覆剤の注入を、熱可塑性樹脂成形品の表面が前記被覆剤の注入圧力および流動圧力に耐えうる程度に固化する時間の経過後に行うこと、(2)前記被覆剤の注入時間を、前記被覆剤の金型の内表面温度におけるゲル化時間をt1とした場合に、0.10t1〜0.99t1の範囲内となるようにすること、および(3)前記被覆剤の前記金型の内表面温度におけるゲル化時間をt1とした場合に、前記被覆剤注入開始から再度型締めの完了までの時間を0.20t1〜1.10t1の範囲内とする。

目的

そこで、本発明は、熱可塑性樹脂成形品を成形型内で成形後に、その成形型内で成形品の表面に被覆剤をコーティングする際に、硬化塗膜においてシワクラック色ムラウエルドラインの発生を防止、高い品質の被覆された成形品を確保できる金型内被覆成形方法を提供することを課題としている。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

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請求項1

金型内熱可塑性樹脂成形品成形後、当該金型所定間隔に開いて、得られた熱可塑性樹脂成形品の表面と当該金型のキャビティ表面との間に、被覆剤注入機により所定量の被覆剤を注入し、当該被覆剤の注入完了後に金型を再度型締めし、当該被覆剤を当該金型内で硬化させて、当該熱可塑性樹脂成形品の表面に塗膜密着した一体成形体を製造することからなる金型内被覆成形方法において、(1)前記被覆剤の注入を、前記熱可塑性樹脂成形品の表面が前記被覆剤の注入圧力および流動圧力に耐えうる程度に固化する時間の経過後に行うこと、(2)前記被覆剤の注入時間を、前記被覆剤の前記金型の内表面温度におけるゲル化時間をt1とした場合に、0.10t1〜0.99t1の範囲内となるようにすること、および(3)前記被覆剤の前記金型の内表面温度におけるゲル化時間をt1とした場合に、前記被覆剤注入開始から再度型締めの完了までの時間を0.20t1〜1.10t1の範囲内とすることからなることを特徴とする前記金型内被覆成形方法。

請求項2

前記被覆剤の注入を、前記熱可塑性樹脂非晶性樹脂では熱変形温度以下になった時点に、また、結晶性樹脂では結晶化温度以下になった時点に行うものである請求項1に記載の金型内被覆成形方法。

技術分野

0001

本発明は、熱可塑性樹脂成形品成形型内で成形し、得られた熱可塑性樹脂成形品の表面を、その成形型内で被覆剤注入することにより被覆する金型内被覆成形方法(以下、IMCと称することもある)に関する。

背景技術

0002

金型内被覆成形方法は、成形品表面の品質向上及び塗装工程の短縮を目的として利用されており、特に外観及び品質に対する要求度の高い自動車においては、その外板外装部品等に広く利用されている。

0003

このような金型内被覆成形方法としては、例えば、USP4,076,788号公報、USP4,081,578号公報、USP4,331,735号公報、USP4,366,109号公報、USP4,668,460号公報、特開平5−301251号公報、特開平5−318527号公報、特開平8−142119号公報等において開示されている。

0004

これら特許公報に記載されている方法では、成形型内で合成樹脂成形材料を成形後、成形型の内表面と得られた成形品表面との間に被覆剤を注入する際の型締め圧力や被覆剤注入圧力金型離間の規定はあるものの、被覆剤注入時間や被覆剤注入後の再型締め完了時期の規定については、ほとんど注意が払われていない。

0005

ところで、金型内被覆成形における熱硬化性被覆剤は、型内に注入された瞬間から金型表面の熱及び合成樹脂成形材料の熱により硬化反応を開始し、その硬化反応の速度は被覆剤の種類、合成樹脂成形材料の温度や金型温度等の条件によって変動する。

発明が解決しようとする課題

0006

このため、被覆剤注入時間が短いと、被覆剤中顔料が分離したり、ウエルドラインが発生したりする。逆に被覆剤注入時間が長いと、被覆剤の硬化反応の進行に伴い流動性が低下して、成形品の末端まで被覆されなかったり、塗膜シワクラックが発生したりする。あるいは、再型締め完了時期が遅いと、被覆剤は硬化反応の進行に伴うゲル化により流動性が低下し、成形品の末端まで被覆されなかったり、ゲル化進行中に被覆剤に再型締め圧力がかかり、硬化塗膜にシワやクラックが生じたりする。一方、再型締め完了時期が早すぎると、被覆剤中の顔料が分離したりウエルドラインが発生し、均一な外観品質が得られなかったりする。また、リブボス等のある成形品では、再型締め圧力が適正でないと、ヒケハンプといった不具合が発生しやすい。

0007

特に、熱可塑性樹脂のIMCにおいては、熱可塑性樹脂のIMCと熱硬化性樹脂のIMCとでは金型温度条件が相違すること、及び熱可塑性樹脂のIMCに用いられる被覆剤には熱硬化性樹脂用の被覆剤よりも低温硬化する硬化特性が求められていること等の理由から、塗膜の外観及び密着強度を良好なものとする成形条件の設定が、熱硬化性樹脂のIMCよりも格段に困難なものとなっている。

0008

また、従来の射出成形機樹脂の成形のみを目的としており、IMCを行うことを前提とした設計となっておらず、金型の型締力の制御や金型の位置制御を精密かつ高応答に行う設計がなされていない点も熱可塑性樹脂のIMCを困難なものとする一つの理由となっている。つまり、金型の位置、型締力が高応答に制御されない場合には、被覆剤注入後に被覆剤を十分に金型キャビティ内に広げることができず、或いは注入した被覆剤の一部が部分的に硬化を始める等して、均一な塗膜を得ることが極めて困難であった。これらのことから、従来の型締圧力金型位置制御動作が遅い射出成形機を用いる限りにおいては、被覆剤の硬化条件を制御することが困難であり、必ずしも生産性のよいものではなかった。

0009

そこで、本発明は、熱可塑性樹脂成形品を成形型内で成形後に、その成形型内で成形品の表面に被覆剤をコーティングする際に、硬化塗膜においてシワ、クラック、色ムラ、ウエルドラインの発生を防止、高い品質の被覆された成形品を確保できる金型内被覆成形方法を提供することを課題としている。

課題を解決するための手段

0010

上記の課題を解決するため、本発明の第1の発明においては、金型内で熱可塑性樹脂成形品を成形後、当該金型を所定間隔に開いて、得られた熱可塑性樹脂成形品の表面と当該金型のキャビティ表面との間に、被覆剤注入機により所定量の被覆剤を注入し、当該被覆剤の注入完了後に金型を再度型締めし、当該被覆剤を当該金型内で硬化させて、当該熱可塑性樹脂成形品の表面に塗膜が密着した一体成形体を製造することからなる金型内被覆成形方法において、(1)前記被覆剤の注入を、前記熱可塑性樹脂成形品の表面が前記被覆剤の注入圧力および流動圧力に耐えうる程度に固化する時間の経過後に行うこと、(2)前記被覆剤の注入時間を、前記被覆剤の前記金型の内表面温度におけるゲル化時間をt1とした場合に、0.10t1〜0.99t1の範囲内となるようにすること、および(3)前記被覆剤の前記金型の内表面温度におけるゲル化時間をt1とした場合に、前記被覆剤注入開始から再度型締めの完了(図3のA点)までの時間を0.20t1〜1.10t1の範囲内とすることとしている。

0011

また、第1の発明を主体とする第2の発明においては、前記被覆剤の注入を、前記熱可塑性樹脂が非晶性樹脂では熱変形温度以下になった時点に、また、結晶性樹脂では結晶化温度以下になった時点に行うようにした。

発明を実施するための最良の形態

0012

以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。

0013

すなわち、本発明においては、成形型内にて熱可塑性樹脂成形品を成形後、その成形型内に被覆剤を注入し、被覆剤の注入完了後に金型を再度型締めし、その成形型内で被覆剤を均一に押し広げて硬化させる際、被覆剤のゲル化時間に応じた適正な被覆剤の注入時間と再型締め完了時間を設定することにより、均一な外観品質の塗膜になるように被覆剤を熱可塑性樹脂成形品の表面に被覆している。

0014

(被覆剤の注入開始時期)被覆剤の注入開始時期は、成形材料の種類や成形条件に応じて適宜選択することができるが、成形品の表面が被覆剤の注入圧力、流動圧力に耐えうる程度に固化する時間の経過後、前記被覆剤の注入が行われるのが望ましい。なお、成形品の表面が、被覆剤の注入圧力、流動圧力に耐えうる程度に固化する時点とは、熱可塑性樹脂が非晶性樹脂では熱変形温度以下になった時点であり、結晶性樹脂では結晶化温度以下になった時点である。成形時の成形品の表面温度の変化は各成形に固有時間関数となるので、熱変形温度以下または結晶化温度以下になるまでの時間を各成形スタイル毎にあらかじめ確認しておき、被覆剤の注入開始時期を時間により決定する制御とするのが簡便である。一つの例として、後述する実施例で示されるように、熱可塑性樹脂成形品の冷却時間が20秒経過後に被覆剤を注入することができる。

0015

(被覆剤注入時間)また、被覆剤を成形型の内表面と得られた成形品の表面との間に注入するのに要する時間は0.10t1〜0.99t1、好ましくは0.2t1〜0.8t1の範囲内とする。なお、被覆剤注入時間が前記範囲よりも短いと、顔料分離やウエルドラインの発生が顕著となり、外観品質上好ましくない。一方、被覆剤注入時間が前記範囲よりも長いと、被覆剤の硬化反応の進行に伴い成形品の末端まで被覆しなかったり、硬化塗膜にシワやクラックを生じやすくなったりして好ましくない。ここで、「t1」は、成形品表面に被覆剤を被覆する側にある成形型の内表面温度における、被覆剤のゲル化時間である。ゲル化時間とは被覆剤が流動しなくなるまでに要する時間として定義されるものであり、ゲル化時間はICAM−1000ディエレクトロメーター(Micromet Instruments,Inc.製)にて測定したものである。

0016

(再型締め完了時間)被覆剤をキャビティ内に注入開始してから再型締めの動作を完了(図3のA点)するまでの時間は、0.20t1〜1.10t1、好ましくは0.50t1〜1.00t1の範囲内とする。再型締めを完了するまでの時間が前記範囲よりも早いと、被覆剤の顔料分離が生じやすい。また、アルミフレークの様な鱗片状顔料を使用した場合、ウエルドラインの発生が顕著となり、外観品質上好ましくない。一方、再型締め完了時間が前記範囲よりも遅いと、被覆剤の硬化反応の進行に伴い成形品の末端まで被覆されなかったり、硬化塗膜にシワやクラックを生じやすくなったりして好ましくない。ここでt1は前記と同様である。なお、被覆剤注入完了後、再度型締め開始するまでの時間は、0.00t1〜0.50t1の範囲内とするのが好適である。

0017

(熱可塑性樹脂)なお、本発明において使用される熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンポリプロピレンアクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体ポリカーボネートポリアミドポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレート変性ポリフェニレンエーテルなどの熱可塑性樹脂あるいはこれらのアロイ材、さらにはこれらに繊維状あるいは鱗片状のフィラーを配合したものが挙げられる。

0018

(被覆剤)また、本発明において使用される被覆剤は、従来から公知の各種型内被覆用被覆剤が利用でき、例えば、特開昭54−36369号公報、特開昭54−139962号公報、特開昭55−65511号公報、特開昭57−140号公報、特開昭60−212467号公報、特開昭60−221437号公報、特開平1−229605号公報、特開平5−70712号公報、特開平5−148375号公報、特開平6−107750号公報、特開平8−113761号公報等に記載された被覆剤が代表的なものとして挙げられる。

0019

特に好適なものには、少なくとも2個以上の(メタアクリレート基を有するウレタンアクリレートオリゴマーエポキシアクリレートオリゴマー等のオリゴマーもしくはその樹脂、又は不飽和ポリエステル樹脂20〜70重量%とメチル(メタ)アクリレートエチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸酢酸ビニルトリプロピレングリコールジアクリレートスチレンなどの共重合可能エチレン性不飽和モノマー80〜30重量%からなるビヒクル成分、顔料及び重合開始剤等からなる被覆剤である。また、エポキシ樹脂ポリアミン硬化系、ポリオール樹脂/ポリイソシアネート硬化系などの、型内注入直前に、主剤硬化剤を混合する2液型被覆剤も適用可能である。

0020

(金型温度条件)一方、本発明の金型内被覆成形方法の実施において適用される金型温度条件は、次に説明する成形品の表面固化時間および被覆剤の硬化時間に配慮して、使用される成形材料、被覆剤の種類および成形品に応じて適宜選択されるのが基本である。前述のように、成形品の表面が被覆剤の注入圧力、流動抵抗に耐え得る程度に固化されていることが被覆剤注入の必須条件であり、金型温度が高すぎると、成形品の表面が固化するまでに要する時間が長くなり、成形サイクルが長くなるという問題がある。一方、金型温度が低すぎると、注入された被覆剤の硬化時間が長くなったり、硬化が不完全になったりするという問題がある。成形品の表面固化時間と被覆剤の硬化時間とのバランスが好適となる金型温度は、結果的にそれぞれの成形材料の種類に応じた温度範囲内となるのが一般的であり、各種成形材料に対する金型温度条件は下記の表1に示す金型温度範囲内から選択するのが望ましい。

0021

0022

以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。図1図3はいずれも本発明の実施例に係り図1金型内被覆成形装置の全体構成図、図2図1に示す金型内被覆成形装置を用いて実施例1、2に示す成形を行う場合のフローチャートである。図3は、図1に示す金型内被覆成形装置を用いて実施例1、2に示す成形を行う場合の型締め/型開きのシーケンスを表す図である。

0023

図1に示すように、本発明における金型内被覆成形装置100は、汎用トグル式射出成形機を利用したものであり、大別すると型締め装置10と、射出装置20と、制御装置30と、金型装置50とで構成される。

0024

型締め装置10は、金型装置50を取り付ける固定盤11および可動盤12を備えており、タイロッド14に案内され且つ型締めシリンダ13により前後進される可動盤12が固定盤11に対向して進退することで、金型装置50を開閉するように構成されている。

0025

射出装置20には、スパイラル状のフライト部を有するスクリュ21が円筒状のバレル22の内周面に沿って油圧モニター23により回転駆動され且つ前後進自在に配設されている。スクリュ21の回転に伴ってホッパ25内に供給された、合成樹脂成形材料である樹脂ペレットはスクリュ21の前方へ送られ、この間にバレル22の外周面に取り付けられているヒータ(図示略)による加熱を受けると共に、スクリュ回転による混練作用を受けることにより樹脂ペレットが溶融するようになっている。

0026

スクリュ21の前方へ送られた溶融樹脂の量の予め設定された量に達した時点で油圧モータ23の回転駆動を停止すると共に、射出シリンダ24を駆動してスクリュ21を前進させることにより、スクリュ21前方に貯えられた溶融樹脂はノズル26を経由して金型装置50の金型キャビティ53内へ射出するようになっている。

0027

金型装置50には、前記固定盤11に取り付けられる固定金型51と前記可動盤12に取り付けられる可動金型52が備えられており、可動金型52には被覆剤を金型キャビティ53内に注入する被覆剤注入機55および金型キャビティ53内合成樹脂成形品の表面温度を検出する温度センサ54が配設されている。

0028

次に、制御装置30の構成について述べる。図1に示すように、制御装置30には、型締め装置10の動作と射出装置20の動作を連動させ制御装置30のシステム全体を総括して制御する成形装置制御部31と、射出装置20の動作を制御する射出制御部38とが備えられているが、これら両制御部31,38は通常の射出成形機における制御部と同様の制御機能を有している。一方、金型内被覆成形装置100固有の制御機能を有する制御部として、型締め条件設定部32から成形条件データ信号を受けて被覆剤注入機55の動作を制御する注入機制御部35と、同じく型締め条件設定部32から成形条件データ信号を受けて型締め装置10の動作を制御する型締め制御部33とが備えられている。

0029

前記型締め条件設定部32には、型締め装置10の開閉速度動作タイミング型開量型締め力および被覆剤注入機55の注入量、注入速度、注入タイミング、注入圧力の各成形条件が設定される。前記型締め条件設定部32からは、被覆剤注入機55の注入量、注入速度、注入タイミングおよび注入圧力に関する成形条件については前記注入機制御部35に成形条件データを送り、型締め装置10の開閉速度、動作タイミング、型開量および型締め力に関する成形条件については前記型締め制御部33に成形条件データ信号を送るようになっている。

0030

次に、上記のように構成された制御装置30を有する金型内被覆成形装置100によって、金型内被覆成形を行う際の動作内容の一例を説明する。

0031

型締め制御部33から発信される制御信号型締め用サーボバルブ15によりフィードバック制御しながら、型締め条件設定部32に設定された型閉速度パターンに従って、型締めシリンダ13により可動金型12を型開きの限位置から前進させて固定金型11にタッチさせる。引き続き型締め制御部33から発信される制御信号と型締め用サーボバルブ15によりフィードバック制御しながら、型締め条件設定部32に設定された型締め力パターンに従って、型締めシリンダ13により可動金型12をさらに前進させてタイロッド14を伸ばし所定の型締め力を金型装置50に作用させる。このような型締め装置10動作中の所定の動作タイミングにおいて、射出制御部38から発信される制御信号により射出用サーボバルブ27の開度を制御しながら、射出シリンダ24によりスクリュ21を前進させると、スクリュ21の前方に貯えられている溶融樹脂はノズル26を経由して金型キャビティ53内に射出されて合成樹脂成形品が成形される。なお、型締め装置10動作と射出装置20とが連動するように、成形装置制御部31によって相互の動作タイミング信号を授受するようになっている。

0032

次に、型締めシリンダ13により可動金型12を後退させ、型締め制御部33から発信される制御信号と型締め用サーボバルブ15によりフィードバック制御しながら、型締め条件設定部32に設定された型開量を与えて合成樹脂成形品の表面と金型キャビティ53面との間に隙間を設けた後、型締め条件設定部32に設定された被覆剤注入機55の注入量、注入速度、注入タイミング、注入圧力に従って、注入機制御部35から発信される制御信号により被覆剤注入機55を駆動して被覆剤を金型キャビティ53内に注入する。

0033

続いて、注入機制御部35から発信される注入完了信号を受け、型締め制御部33から発信される制御信号と型締め用サーボバルブ15によりフィードバック制御しながら、型締めシリンダ13により可動金型12を再度前進させ、型締め条件設定部32に設定された型締めタイミング、型開量パターンおよび型締め力時間パターンを実行させる。こうすることにより、注入された被覆剤を合成樹脂成形品の全表面にゆきわたらせると共に、塗膜の外観品質にとって最適な成形条件を与えるようになっている。

0034

そののち、型締め制御部33から発信される制御信号と型締め用サーボバルブ15によりフィードバック制御しながら、型締め条件設定部32に設定された動作タイミングと型開き速度パターンに従って、型締めシリンダ13により可動金型12を型開きの限位置まで後退させ、被覆一体成形品を金型装置50から取り出して成形サクイルが完了する。本実施例では、油圧シリンダーを型締め力発生源としたトグル式型締めの射出成形機を用いたが、油圧シリンダーの代わりにサーボモーターボールネジを使って型締め力を発生させるトグル式型締めの射出成形機を用いてもよい。

0035

実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何らその範囲を限定するものではない。

0036

[実施例1]縦300mm、横210mm、深さ50mm、厚さ3mmの箱状の製品が得られるシェアエッジ構造の金型を使い、まず19600MPa(200t)の型締め力をかけて耐熱ABS樹脂(宇部サイコン製商品名「サイコラックMX40」)を射出成形した。この時の樹脂温度は250℃、金型温度は90℃であった。この樹脂成形の冷却時間を20秒取った。このとき樹脂成形品表面温度は約100℃であった。その後、金型を1.5mm開き、表2に記載の90℃のゲル化時間7秒の被覆剤Aを11.8MPa(120kgf/cm2 )の下で12cc注入した。被覆剤の注入に要した時間は2.5秒であった。被覆剤注入完了0.1秒後再型締めを開始し、1秒かけて1960MPa(20t)まで型締めし、120秒間保持した後に金型を開いて成形品を取り出した。成形品には全面に厚さ約100μmの硬化した塗膜が形成されており、色ムラ、シワ、ワレ等の無い均一な被覆成形品であった。

0037

[実施例2]実施例1で使用した金型を使い、実施例1と同様にまず29400MPa(300t)の型締め力をかけてポリアミド樹脂(宇部興産社製商品名「UBEナイロンPA1013B」)を射出成形した。この時の樹脂温度は250℃、金型温度は120℃であった。この樹脂成形の冷却時間を20秒取った。このとき樹脂成形品表面温度は約140℃であった。その後、金型を1.5mm開き、表2記載の120℃の時のゲル化時間8秒の被覆剤Bを10.8MPa(110kgf/cm2 )の下で12cc注入した。被覆剤の注入に要した時間は2秒であった。被覆剤注入完了3秒後再型締めを開始し、約3秒かけて1960MPa(20t)まで型締めし、120秒間保持した後に金型を開いて成形品を取り出した。成形品には全面に厚さ約100μmの硬化した塗膜が形成されており、アルミ顔料ウエルド配向ムラ、シワ、クラックの無い均一な被覆成形品であった。

0038

[比較例1]実施例1と同一の金型、成形樹脂および被覆剤を用い、被覆剤注入完了後、再型締め開始から完了までの時間を5.5秒とした。それ以外は実施例1と同一条件にて行った。得られた被覆成形品には、被覆剤の流れに沿ってシワおよび黒いすじ状の色ムラが発生し、均一な被覆成形品が得られなかった。

0039

[比較例2]実施例2と同一の金型、成形樹脂および被覆剤を用い、被覆剤の注入に要した時間を0.5秒とした。それ以外は実施例2と同一条件にて行った。得られた被覆成形品には、アルミ顔料の配合によるウエルドラインおよび色ムラが発生し、均一な被覆成形品が得られなかった。

0040

発明の効果

0041

本発明の型内被覆成形方法は、被覆剤注入時間および被覆剤注入開始から再型締め完了までの時間を被覆剤のゲル化時間に応じた所定の条件下で行うので、硬化塗膜に顔料分離やウエルドライン、シワ、クラック等のない均一な外観品質の被覆成形品を製造できる。

図面の簡単な説明

0042

図1本発明の実施例に係わる金型内被覆成形装置の全体構成図である。
図2図1に示す金型内被覆成形装置を用いて実施例1、2に記した成形を行う場合のフローチャートである。
図3図1に示す金型内被覆成形装置を用いて実施例1、2に示す成形を行う場合の型締め/型開きのシーケンスを表す図である。

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0043

10型締め装置
11固定盤
12可動盤
13型締めシリンダ
14タイロッド
15型締め用サーボバルブ
16ストロークセンサ
17型開量センサ
18型締め力センサ
20射出装置
21スクリュ
22バレル
23油圧モータ
24射出シリンダ
25 ホッパ
26ノズル
27射出用サーボバルブ
30制御装置
31成形装置制御部
32型締め条件設定部
33 型締め制御部
35注入機制御部
38射出制御部
50金型装置
51固定金型
52可動金型
53金型キャビティ
54温度センサ
55被覆剤注入機
100金型内被覆成形装置
A 再度型締め完了点

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