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技術 アスファルト乳化物及びその製造方法

出願人 株式会社イーテック
発明者 東慎一竹内誉尚杉本政明
出願日 1999年9月14日 (20年9ヶ月経過) 出願番号 1999-260451
公開日 2001年3月27日 (19年3ヶ月経過) 公開番号 2001-081326
状態 特許登録済
技術分野 回転容器形および振動形混合機 高分子組成物
主要キーワード 所定物性 混合撹拌作用 取出し孔 導入場所 各導入孔 撹拌素子 超音波振動源 交流電流源
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2001年3月27日)のものです。
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図面 (7)

課題

分散性に優れ、皮膜形成性が優れ且つ初期乾繰速度に優れるアスファルト乳化物、及びそれを短時間に製造できる製造方法を提供する。

解決手段

被混合流体を内部に流通する導管と、導管内にその軸方向に沿って移動自在に支持された複数の撹拌羽根を有する撹拌体と、撹拌体にその軸方向の移動運動を与える振動源とを備えるアスファルト乳化物製造装置を用いて、アスファルトとラテックス乳化液とを混合する。この際、例えば導管の下方側からアスファルト(A液)、ラテックス・乳化液(B液)を導入し上方側からアスファルト乳化物を取り出す。この乳化物の固形分濃度は60〜92%、粒子径は0.01〜100μm、粘度は100〜50000mPa・sである。この粒径分布(3ピーク)は、粒子径1.1μm以下が9.9〜60%、1.1μmを越え11μm以下が30〜90%、11μmを越え100μm以下が0.1〜20%である。

概要

背景

従来、アスファルトラテックス乳化液とを混合してアスファルト乳化物を製造ことが知られている(特公平3−5418号、特開平10−273598号)。この前者においては、ラテックスに乳化液を加えたものに、溶融アスファルト攪拌しながら加えている。そして、後者においては、4枚羽根攪拌翼を付けた攪拌機により攪拌している。上記のように、これらのアスファルト等を混合するのに、通常、羽根攪拌によっている。これでは、十分に均一に分散したアスファルト乳化物が得られにくいし、また、混合に30分程度という極めて多くの時間も要した。一方、図1及び図2に示される、攪拌羽根細動(図2では細かい上下動)によって攪拌作用を促進させるという静止混合型ミキサ装置が知られている(特公平2−15247号)。そして、この装置は、食品ファインケミカル分野でのポリマーに利用されることが開示されているのみである。

概要

分散性に優れ、皮膜形成性が優れ且つ初期乾繰速度に優れるアスファルト乳化物、及びそれを短時間に製造できる製造方法を提供する。

被混合流体を内部に流通する導管と、導管内にその軸方向に沿って移動自在に支持された複数の撹拌羽根を有する撹拌体と、撹拌体にその軸方向の移動運動を与える振動源とを備えるアスファルト乳化物製造装置を用いて、アスファルトとラテックスと乳化液とを混合する。この際、例えば導管の下方側からアスファルト(A液)、ラテックス・乳化液(B液)を導入し上方側からアスファルト乳化物を取り出す。この乳化物の固形分濃度は60〜92%、粒子径は0.01〜100μm、粘度は100〜50000mPa・sである。この粒径分布(3ピーク)は、粒子径1.1μm以下が9.9〜60%、1.1μmを越え11μm以下が30〜90%、11μmを越え100μm以下が0.1〜20%である。

目的

本発明者らは、均一に分散したアスファルト乳化物を迅速に得られる方法がないかを種々検討をした結果、上記静止混合型ミキサ装置を用いることにより達成できることを見出して、本発明が完成されたものである。本発明は、分散性に優れ、皮膜形成性が優れ且つ初期乾繰速度に優れるアスファルト乳化物、及びそれを短時間に製造できる製造方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

アスファルトラテックス乳化剤を含有する乳化液とが混合されて製造されたアスファルト乳化物において、粒子径1.1μm以下が9.9〜60.0%、粒子径1.1μmを越え且つ11μm以下が30.0〜90.0%、粒子径11μmを越え且つ100μm以下が0.1〜20.0%であることを特徴とするアスファルト乳化物。

請求項2

アスファルトとラテックスと乳化剤を含有する乳化液とが混合されて製造されたアスファルト乳化物において、粒子径0.01〜100μmの間に、粒子径分布ピークが少なくとも2つ存在することを特徴とするアスファルト乳化物。

請求項3

アスファルトとラテックスと乳化剤を含有する乳化液とが混合されて製造されたアスファルト乳化物において、粒子径0.5〜2.1μmの間に粒子径分布の第1ピーク、粒子径3.0〜17μmの間に粒子径分布の第2ピーク、粒子径23〜55μmの間に粒子径分布の第3ピークが存在することを特徴とするアスファルト乳化物。

請求項4

上記ラテックスを固形分換算にて100重量部とする場合、上記アスファルトが100〜700重量部、上記乳化剤が0.01〜30重量部である請求項1乃至3のいずれかに記載のアスファルト乳化物。

請求項5

アスファルトとラテックスと乳化剤を含有する乳化液とを混合してアスファルト乳化物を製造する方法において、被混合流体を内部に流通する導管と、該導管内にその軸方向に沿って移動自在に支持され、この軸とその周囲に径方向に突出形成された複数の撹拌羽根を有する撹拌体と、該撹拌体の一端に結合され該撹拌体にその軸方向の移動運動を与える振動源と、を備えるアスファルト乳化物製造装置を用いて、上記アスファルトと上記ラテックスと上記乳化液とを混合し、固形分濃度が60〜92重量%、粒子径が0.01〜100μm、粘度が100〜50,000mPa・sであるアスファルト乳化物を製造することを特徴とするアスファルト乳化物の製造方法。

請求項6

アスファルトとラテックスと乳化剤を含有する乳化液とを混合してアスファルト乳化物を製造する方法において、被混合流体を内部に流通する導管と、該導管内にその軸方向に沿って移動自在に支持され、この軸とその周囲に径方向に突出形成された複数の撹拌羽根を有する撹拌体と、該撹拌体の一端に結合され該撹拌体にその軸方向の移動運動を与える振動源と、を備えるアスファルト乳化物製造装置を用いて、上記アスファルトと上記ラテックスと上記乳化液とを混合し、上記導管の一端側に流入させた上記被混合流体の滞留時間が1〜30秒であることを特徴とするアスファルト乳化物の製造方法。

請求項7

上記ラテックスを固形分換算にて100重量部とする場合、上記アスファルトが100〜700重量部、上記乳化剤が0.01〜10重量部である請求項5又は6に記載のアスファルト乳化物の製造方法。

請求項8

上記ラテックスの温度が20〜90℃、上記アスファルトの温度が60〜150℃である請求項5、6又は7に記載のアスファルト乳化物の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、アスファルト乳化物及びその製造方法に関する。本発明の乳化物は、道路舗装植生法面保護防水材モルタル保護材制振材防音材緩衝材目地充填材接着剤パッキング材成形シート原料等に利用される。

背景技術

0002

従来、アスファルトとラテックス乳化液とを混合してアスファルト乳化物を製造ことが知られている(特公平3−5418号、特開平10−273598号)。この前者においては、ラテックスに乳化液を加えたものに、溶融アスファルト攪拌しながら加えている。そして、後者においては、4枚羽根攪拌翼を付けた攪拌機により攪拌している。上記のように、これらのアスファルト等を混合するのに、通常、羽根攪拌によっている。これでは、十分に均一に分散したアスファルト乳化物が得られにくいし、また、混合に30分程度という極めて多くの時間も要した。一方、図1及び図2に示される、攪拌羽根細動図2では細かい上下動)によって攪拌作用を促進させるという静止混合型ミキサ装置が知られている(特公平2−15247号)。そして、この装置は、食品ファインケミカル分野でのポリマーに利用されることが開示されているのみである。

発明が解決しようとする課題

0003

本発明者らは、均一に分散したアスファルト乳化物を迅速に得られる方法がないかを種々検討をした結果、上記静止混合型ミキサ装置を用いることにより達成できることを見出して、本発明が完成されたものである。本発明は、分散性に優れ、皮膜形成性が優れ且つ初期乾繰速度に優れるアスファルト乳化物、及びそれを短時間に製造できる製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0004

本第1発明のアスファルト乳化物は、アスファルトとラテックスと乳化剤を含有する乳化液とが混合されて製造されたアスファルト乳化物において、粒子径1.1μm以下が60.0〜9.9%、粒子径1.1μmを越え且つ11μm以下が30.0〜90.0%、粒子径11μmを越え且つ100μm以下が0.1〜20.0%であることを特徴とする。本第2発明のアスファルト乳化物は、アスファルトとラテックスと乳化剤を含有する乳化液とが混合されて製造されたアスファルト乳化物において、粒子径0.01〜100μmの間に、粒子径分布ピークが少なくとも2つ存在することを特徴とする。このピークの数は2つ以上であればよいが、好ましくは3つ以上であり、特に3つ〜5つが好ましい。これらのうちでは、3つ又は4つ(特に3つ)が最も好ましい。本第3発明のアスファルト乳化物は、アスファルトとラテックスと乳化剤を含有する乳化液とが混合されて製造されたアスファルト乳化物において、粒子径0.5〜2.1μmの間に粒子径分布の第1ピーク、粒子径3.0〜17μmの間に粒子径分布の第2ピーク、粒子径23〜55μmの間に粒子径分布の第3ピークが存在することを特徴とする。

0005

本第5発明のアスファルト乳化物の製造方法は、アスファルトとラテックスと乳化剤を含有する乳化液とを混合してアスファルト乳化物を製造する方法において、被混合流体を内部に流通する導管と、該導管内にその軸方向に沿って移動自在に支持され、この軸とその周囲に径方向に突出形成された複数の撹拌羽根を有する撹拌体と、該撹拌体の一端に結合され該撹拌体にその軸方向の移動運動を与える振動源と、を備えるアスファルト乳化物製造装置を用いて、上記アスファルトと上記ラテックスと上記乳化液とを混合し、固形分濃度が60〜92重量%、粒子径が0.01〜100μm、粘度が100〜50,000mPa・sであるアスファルト乳化物を製造することを特徴とする。本第6発明のアスファルト乳化物の製造方法は、アスファルトとラテックスと乳化剤を含有する乳化液とを混合してアスファルト乳化物を製造する方法において、上記に示すアスファルト乳化物製造装置を用いて、上記アスファルトと上記ラテックスと上記乳化液とを混合し、上記導管の一端側に流入させた上記被混合流体の滞留時間が1〜30秒であることを特徴とする。上記アスファルト乳化物製造装置において、上記被混合流体は一端側から他端側へ移動され、上記導管内で上記撹拌体を所定モードで移動(特に細かい移動、以下、これを「細動」ともいう。)させ、上記撹拌羽根による流体の流れの分割合流の繰返しと、上記撹拌羽根の細動による流体の振動によって上記被混合流体の撹拌作用を促進することができる。

0006

上記「アスファルト」としては、ストレ−トアスファルト、天然アスファルト又はブローンアスファルト等を用いることができる。これらのうち、流動性を得るための温度が一番低いため、ストレ−トアスファルトが好ましい。尚、これらのうちの2種以上をブレンドして使用してもよい。また、このアスファルトは、粘着付与のための樹脂石油樹脂ロジン等)、低温流動性付与のための可塑剤オイル等)等が配合されたものでもよい。このアスファルトの添加温度は60〜150℃(好ましくは70〜140℃、更に好ましくは80〜135℃)が好ましい。60℃未満ではアスファルトの分散が悪く乳化定性が悪化し、150℃を越えると温度上昇により発泡しラテックスが不安定化する。

0007

アスファルトの添加量は、ラテックスを固形分換算にて100重量部とする場合、100〜700重量部(好ましくは150〜650重量部、更に好ましくは175〜600重量部)が好ましい。この添加量が100重量部未満では濃度60重量%以上のアスファルト乳化物を製造することは難しくなり、700重量部を超えると、アスファルト乳化物の安定性が低下する場合がある。

0008

上記「ラテックス」としては、(A)天然ゴム、(B)ブタジエンイソプレンクロロプレン等の共役ジエン単独重合体、(C)スチレンビニルトルエンの如き芳香族ビニル化合物(1)、アクリロニトリルメタアクリルニトリルの如きビニルシアン化合物(2)、アクリル酸メタクリル酸マレイン酸フマール酸イタコン酸などの不飽和カルボン酸(3)及びそれらのエステルの如きモノオレフィン誘導体(4)等より選ばれた一種以上の単量体と、イソプレン、ブタジエン、クロロプレンなどの共役ジオレフインからなる共重合体ブロック共重合体も含む。)、(D)アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸及びそれらのエステルより選ばれた一種以上の単量体の重合体、(E)エチレンプロピレンとの共重合体(EPR)、エチレンとプロピレンとジエン物質との共重合体(EPDM)、(F)エチレンと酢酸ビニルとの共重合体等を用いることができる。これらのうち、SBR、NBR、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴムが好ましく、更に、SBR、アクリルゴムがより好ましい。また、これらのラテックスのガラス転移点(Tg)は、塗膜形成性皮膜強度を高めるため、−70〜100℃(好ましくは−65〜90℃、より好ましくは−60〜80℃)とすることができる。

0009

これらのラテックスの使用温度は、20〜90℃(好ましくは25〜80℃、更に好ましくは30〜70℃)とすることができる。20℃以下の場合は添加溶融アスファルトの分散が悪くなる。90℃を越えると温度上昇により発泡しラテックスが不安定化し、いずれも改質アスファルト乳化物の安定性に悪影響を及ぼすので好ましくない。上記ラテックスは、通常、固形分濃度約40〜70重量%(好ましくは約50〜70重量%)のものが使用されるが、アスファルト乳化物中の含有水分量が所定の範囲以上にならない限り、これに限定されるものではない。

0010

上記「乳化剤」としては、アニオン性ノニオン性カチオン性又は両性のものを使用することができる。これらのうち、ラテックスがアニオン性又はノニオン性のものが一般的であるので、乳化剤も同じように、アニオン系又はノニオン系のものを使用するのが好ましい。アニオン性乳化剤としては、脂肪酸塩高級アルコール硫酸エステル塩アルキルベンゼンスルホン酸塩ロジン酸塩等を使用することができる。ノニオン系乳化剤としては、ポリオキシエチレングリコール型、ソルビタン脂肪酸エステル型、グリセリン脂肪酸エステル型等を使用することができる。またカチオン性乳化剤としては、ポリオキシエチレン(プロピレンを合む)アルキルアミン第四級アンモニウム塩アルキルベタインアミンオキサイドアルキルアミン塩等を使用することができる。但し、ラテックスによつては苛性ソーダのようなアルカリ、又は塩酸希釈液のような酸でpHの調整を必要とする場合がある。

0011

上記乳化剤の添加量は、ラテックスを固形分換算にて100重量部とする場合、0.01〜30重量部(好ましくは0.1〜25重量部、より好ましくは0.5〜20重量部、更に好ましくは0.5〜10重量部)が好ましい。この添加量が0.01重量部未満の場合は、乳化物の安定が悪くなり、30重量部を超えると、耐水性が悪化するので好ましくない。

0012

上記ラテックス、上記アスファルト及び上記乳化剤の3成分の各添加量は、第4発明に示すように、このラテックスを固形分換算にて100重量部とする場合、上記アスファルトが100〜700重量部(好ましくは150〜650重量部、更に好ましくは175〜600重量部)、上記乳化剤が0.01〜30重量部(好ましくは0.1〜25重量部、より好ましくは0.5〜20重量部、更に好ましくは0.5〜10重量部)であるものとすることができる。

0013

本第1発明の乳化物の粒子径分布は、粒子径1.1μm以下が9.9〜60.0%(好ましくは10.0〜50.0%、更に好ましくは20.0〜40.0%)、粒子径1.1μmを越え且つ11μm以下が30.0〜90.0%(好ましくは30.0〜80.0%、更に好ましくは40.0〜70.0%)、粒子径11μmを越え且つ100μm以下が0.1〜20.0%(好ましくは1.0〜20.0%、更に好ましくは5.0〜15.0%)である。

0014

本第2発明の乳化物の粒子径分布は、粒子径0.01〜100μmの間に、粒子径分布のピークが少なくとも2つ存在する。このピークは、第3発明に示すように、粒子径0.5〜2.1μm(好ましくは0.8〜1.8μm、更に好ましくは0.9〜1.6μm)の間に粒子径分布の第1ピーク、粒子径3.0〜17μm(好ましくは3.0〜6.0μm、更に好ましくは3.5〜5.0μm)の間に粒子径分布の第2ピーク、粒子径23〜55μm(好ましくは27〜50μm、更に好ましくは30〜40μm)の間に粒子径分布の第3ピークの3つのピークが存在するものとすることができる。

0015

本第5発明のアスファルト乳化物の固形分濃度は、60〜92重量%と高い。これらが60重量%未満の場合は、乾燥性が悪くなり、また皮膜乾燥収縮性が大きく施工性が悪くなる場合がある。更に、92重量%を越える場合は、アスファルト乳化物の粘度が上昇し、作業性が悪く、均一な高濃度のアスファルト乳化物の製造が難しくなる。また、本第5発明のアスファルト乳化物の粒子径は0.01〜100μmの範囲内にあり、好ましくは0.05〜75μm、更に好ましくは0.1〜75μmとすることができる。更に、本第5発明のアスファルト乳化物の粘度は、100〜50,000mPa・s(好ましくは300〜30,000mPa・s、より好ましくは500〜25,000mPa・s)とすることができる。これらが100mPa・s未満の場合は、乳化した粒子が沈降し、層分離を起こすため好ましくなく、50,000mPa・sを越える場合は、作業性が悪化するため好ましくない。

0016

上記アスファルト、上記ラテックス及び上記乳化液の混合のさせ方は、以下の方法等とすることができる。
(1)上記アスファルト、上記ラテックス及び上記乳化液を上記導管の一端側に流入させ、上記アスファルト乳化物を上記他端側から取り出す。この際、ラテックス及び乳化液は、混合された混合液として流入することができる。
(2)上記アスファルト及び上記ラテックスを上記導管の一端側に流入させ、上記乳化液を上記導管の中間側に流入させ、上記アスファルト乳化物を上記他端側から取り出す。ここで、「中間側」とは、上記導管の両末端部の間という程度の意味であるが、一端側から、導管の全体長さに対して40〜60%程度の中央部近辺が好ましい。以下の場合においても、同様に意味に用いる。
(3)上記アスファルト、上記ラテックス及び上記乳化液の混合のさせ方は、上記アスファルト及び上記乳化剤を上記導管の一端側に流入させ、上記ラテックスを上記導管の中間側に流入させ、上記アスファルト乳化物を上記他端側から取り出す。

0017

また、上記導管の一端側に流入させた上記被混合流体の滞留時間を、第2発明のように、1〜30秒(好ましくは2〜20秒、より好ましくは3〜10秒)とすることができる。この時間は、従来の攪拌法と比べて極めて短い時間である。

0018

本発明のアスファルト乳化物には、充填剤繊維性物質、分散安定剤等を添加することができる。この充填材としては、クレー炭酸カルシウム水酸化アルミニウムタルク硫酸バリウム硅砂雲母粉、ゴム粉等が例示される。この繊維性物質としては、アスベストガラス繊維パルプフロックコットンリンター等が例示される。この分散安定剤としては無機系ではペントイト、クレーが例示され、有機系ではポリビニルアルコールメチルセルロースヒドロキシエチルセルロースカルボキシメチルセルロ−スポリアクリル酸ソーダデンプンカゼイン等が例示される。これら分散安定剤の一種類以上と上記乳化剤とを併用することにより、高濃度のアスファルト乳化物の安定性は良くなる。分散安定剤と乳化剤の併用は、特にラテックスに対してアスファルトの添加量が多い場合、安定性のよいアスファルト乳化物を得ることができる。乳化剤と分散安定剤の総量は、重合体ラテックス又はエマルジョンの種類、重合条件、添加アスファルト量等によって異なるが、ラテックスとアスファルトとの合計100重量部(固形分)に対し0.5〜10重量部、好ましくは1〜6重量である。乳化剤と分散安定剤の総量は、アスファルトの添加量に比例して使用するのが好ましい。また、乳化剤と分散安定剤の重量比は0.4/(0.6〜0.95)/0.05、好ましくは0.5/(0.5〜0.9)/0.1とする。総量が0.5重量部未満又は比が0.95/0.05を超えると、アスファルト乳化物の安定性を低下させる。総量が10重量部を超えるか又は比が0.4/0.6未満では、アスファルト乳化物の粘度が上昇し作業性悪くなる。また分離安定剤の添加濃度は、一般に低濃度水溶液として添加するため、分散安定剤の添加比が大きくなると乳化物の濃度が低くなってしまい、高濃度のアスファルト乳化物を得ることができない。

発明を実施するための最良の形態

0019

以下、実施例により本発明を図面に基づいて具体的に説明する。
(1)アスファルト乳化物製造装置の構成
本実施例において用いたアスファルト乳化物製造装置(冷化工業株式会社製ミキサ装置「VM−HS(J))を、図3〜5に示す。本装置は、導管10と攪拌体24と振動源28とを備える。導管10は、被混合流体に冒されない材質(例えばポリ塩化ビニール等のプラスチックス又はステンレス等)から形成された円筒形状を有する。この導管10の下方底面側(一端側)には2種類の異なる被混合流体A液、B液を導入するための導入孔10aが、その中間側にはC液を導入するための導入孔10bが、その上端側(他端側)には混合後のアスファルト乳化物を取り出すための取出し孔10cが設けられている。そして、両導入孔10a、10b及び取出し孔10cにはそれぞれ枝管11、12,13が固定されている。各枝管11〜13はそれぞれ図示していない流路フランジ(図示せず)を介して接続されている。そして、これらの被混合流体A,B、Cはそれぞれポンプによる圧送によって導管10に送り込まれている。

0020

導管10内には複数の撹拌羽根22を有する撹拌体(プラスチックス製又はステンレス製等)24が設けられている。この撹拌体24はそれ自体基本的に従来の静止型撹拌素子を形成しているが、導管10内において細動自在に支持されている。即ち、撹拌体24は、その軸部24aの一端(上端)は、導管10の内径遊合するスライダ部24bを有する。また、その他端(下端)には小径支持軸24cが設けられ、支持軸24cが導管10内に固定された軸受26によって支持されている。従って、撹拌体24は、導管10内で軸方向又は回転方向にも任意に細かい振動をすることができるように支持されている。

0021

撹拌体24には従来と同様に複数の撹拌羽根22が固定されており、この撹拌羽根22は半月形状を有する。図4は、撹拌体軸24aと各撹拌羽根22の固定状態が軸方向から見た状態が示されており、各撹拌羽根22は固定位置において軸部24aの両側に対称的に固定され、また順次隣接する羽根は60度の位相差にて整列配置されている。この撹拌羽根22は流路の開口面積に対して相当大きな割合で設けられている。各撹拌羽根22が細動運動するときに、隣接する羽根にて分割された流体が羽根22の細動によって振動を受けた時に隣り合う羽根でそれぞれ与えられる各振動が互いに干渉し合って極めて細かい撹拌作用を得ることができる(図5参照)。以上のように、撹拌体24は導管10内において細動自在に軸支され、また、撹拌体24を実際に駆動するために、導管10の一端には振動源28が設けられている。

0022

振動源28は、電磁駆動型振動源からなっており、撹拌体24に振動を伝えるためのダイヤフラム金属薄板製)30を含む。このダイヤフラム30は、その外周が導管10に気密に固定されたフランジ32と固定リング34との間に強固に挟着支持されている。もちろん、上記ダイヤフラム30の両端にはパッキン36が設けられて流体の漏れを防止している。ダイヤフラム30の内周は撹拌体24のスライダ部24bと固定され、このために、フランジ部24bの端部には固定子38がネジ止め固定され、上記ダイヤフラム30が固定子38にて強固にフランジ部24bの端部に固定される。ダイヤフラム30はそれ自体の可撓性により撹拌体24を軸方向に自由に細動自在とし、またフランジ32への固定位置によって撹拌体24をほぼ所定の位置に位置決め保持することができる。固定子38には振動源を形成するための可動コイル40が絶縁支持枠42によって固定されており、図示していない外部の駆動回路から可動コイル40に所望の駆動電流が供給される。この駆動電流は、例えば固定子38及びダイヤフラム30の表面に配設されたフレキシブルプリント回路板等を通して供給することが好ましい。ダイヤフラム30の可撓性を損なうことなく、可動コイル40に所望の駆動電流を供給することができる。即ち、図示していない駆動回路(交流電流源)、ダイヤフラム30表面に配設されたプリント回路板、固定子38表面のプリント回路板、可動コイル40を電気的に接続することにより、可動コイル40に所望の交番電流を供給することができる。尚、電気的な接続は、良導体同士が接触していればよく、適宜手段が採用可能である。

0023

一方、上記可動コイル40と対向した位置にはコア44が固定されており、このコア44はディスクヨーク46,リングマグネット48及びリングヨーク50を介して上記固定リング34に一体に固定されている。各ヨーク46,50はそれぞれ磁性材からなり、またリングマグネット48はその軸方向に着磁されており、リングヨーク50の内周とコア44の右端外周との間に所望の磁気ギャップが設けられ、可動コイル40はこの磁気ギャップ内に配置されるので、可動コイル40に所望の交番電流を供給することによって、可動コイル40には対応した交流磁界が発生し、これにより可動コイル40は軸方向の振動を受け、この結果、導管10内に設けられた撹拌体24が軸方向に細動運動することとなる。

0024

基本的に上記振動源28の運動は、撹拌体24の軸方向に沿った往復運動であるが、ダイヤフラム30のバネした可重側、即ち撹拌体24の質量及び軸支部の構造によって細動モードは単なる軸方向に沿う運動ばかりでなく、撹拌体24に所定のねじりを与えるモードとすることも可能である。図4に示した撹拌羽根24は、所望のモードに従って円周方向にも駆動することができる。以上のように、本実施例によれば、振動源28の可動コイル40に所定の交番電流を供給することによって、撹拌体24又は撹拌羽根22は導管10内で軸方向(若しくは円周方向)に所定モードで細動運動によって効率良く撹拌混合することが可能となる(図5参照)。駆動電流としては、通常商用周波数である50Hzから1KHz位までの繰返し周波数が好ましく、このような周波数を任意に設定することによって撹拌体24はその軸方向に沿って最大5mmから0.2mm程度の軸方向移動を繰返し、これによって効率の良い撹拌混合が行われる。

0025

(2)アスファルト乳化物の製造実験
表1に示す実験例1、2及び3を、同表に示す被混合流体A液、B液及びC液を同表に示す所定配合のもとで、上記(1)に示す装置を用いて、所定の2液(試験例1、2)又は3液(試験例3)の混合を行った。この混合は、図1及び図3に示すように、A液及びB液は下方端部側の導入孔10aに、C液は中央よりやや上の導管の中間部に設けられた導入孔10bに、ポンプを用いて導入させた。表中の組成成分量の単位は重量部である。また、各液の使用温度も同表に併せて示す。

0026

0027

尚、表中の組成成分の略号等の内容は、以下の通りである。
(1)「JSR0561」;JSR(株)製、スチレン−ブタジエンラテックス、固形分:69重量%
(2)「JSR0602」:JSR(株)製、スチレン−ブタジエンラテックス、固形分:52.3重量%
(3)「OSソープ」;花王(株)製、オレイン酸カリウム、固形分:16重量%
(4)「エマルゲン920」:花王(株)製、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、固形分:100重量%
(5)「CF2052」;東レダウコーニング社製、シリコーン、固形分:45重量%
(6)「AS」:コスモアスファルト社製、アスファルト、固形分:100重量%
(7)「JSR0545」;JSR(株)製、スチレン−ブタジエンラテックス、固形分:54重量%

0028

そして、導管内の滞留時間が7〜8秒になるように設定して、2液又は3液を混合した。その混合後のアスファルト乳化物の一般物性(固形分、粘度、pH)を測定し、その結果を同表に示した。また、アスファルト乳化物の分散状態を、実際にクラフト紙に塗布し、乳化物粒子の状態を確認する方法により調べた結果は、いずれも良好であっ。この「良好」とは、アスファルト乳化物が7日後、層分離を起こさない安定な状態を意味する。更に、アスファルト乳化物の粒径分布を、以下の方法により調べた。その結果を表1に併記した。尚、試験例1の結果は図6にも示した。
(粒径分布の測定方法
測定装置;「SEISHIN LMS−24」を用いて、レーザー回折散乱法により測定した。

0029

(3)実施例の効果
これらの結果によれば、固形分濃度が75〜82重量%にもかかわらず、粘度が700〜1200と適度の大きさであり、しかも、分散状態は良好であった。従って、施工の際にたれにくく且つ塗膜を厚くすることが容易であり、皮膜形成性が優れる。また、初期乾繰速度にも優れる。そのため、特に、冷工法アスファルト防水剤として適当である。また、滞留時間が6〜7秒と極めて短いにもかかわらず、均一な分散を達成することができ、極めて有用である。しかも、被混合流体の導入場所及びその種類を種々変えても、即ち、(1)底部の一端側から2液を導入しても、また、(2)2液を底部側から且つ他の液を中間側から導入しても、更には、(3)底部側にアスファルトと乳化液入りラテックスを導入しても、(4)アスファルトと乳化液とを底部側から且つラテックスを中間側から導入しても、いずれも均一混合を達成できた。即ち、被混合流体の導入場所を変えても、更には被混合流体の種類を変えても、良好な分散状態を短時間で得られるので、極めて有用である。更に、本乳化物の粒子径分布は、表1に示すように、幅広分布しており、即ち小さい粒子から大きな粒子まで分布しており、粒子が充填されるに適したものとなっている。特に、実験例1の結果から判るように、0.39〜65μmの間に3つのピークがあり(図6参照)、バランス良く分布している。

0030

尚、本発明においては、前記具体的実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、導管の一端側である底面側に2液を導入させる場合、上記実施例のように1つの導入孔に2液を導入してもよいし(図1参照)、図2に示すように、底面側又は下方側に位置する2つの導入孔を設けて、この各導入孔に所定の被混合流体を導入してもよい。また、本発明において使用するアスファルト乳化物製造装置は、所定の導管10と撹拌体24と振動源28とを含み、撹拌羽根による流体の流れの分割合流の繰返しと、撹拌羽根の細動による流体の振動によって被混合流体の撹拌作用を促進することができるものであれば、特に限定されない。上記実施例においては、可動コイルを用いた電磁駆動型振動源が示されているが、これに限らず、コイルを固定して永久磁石可動側に配置することもできる。また、振動源は、上記電磁駆動型振動源の代わりに超音波振動源を用いることもできる。超音波振動源の場合、図3に示したダイヤフラム30には、チタン酸バリウム等のピエゾ振動子が貼着される。このピエゾ振動子に直接駆動電圧印加することによって、ダイヤフラム30がピエゾ振動子の圧電効果によって振動し、これが撹拌体24に伝わって所望の混合撹拌作用が行われる。また、被混合流体は、導管のどちらの端部側から導入してもよい。

発明の効果

0031

本発明の製造方法によれば、固形分濃度が60〜92重量%と高いアスファルト乳化物であるにもかかわらず、分散性に優れ、所定物性を有するアスファルト乳化物が得られる。従って、施工の際にたれにくく且つ塗膜を厚くすることが容易であり、皮膜形成性が優れる、更に、初期乾繰速度に優れるアスファルト乳化物を容易に製造できる。特に、被混合流体の滞留時間が1〜30秒と極めて短い製造方法においては、製造時間を大幅に短縮でき、極めて有用な方法である。また、本発明の製造方法は、被混合流体の導入場所、その種類を種々変えても、いずれも均一なアスファルト乳化物を短時間で得ることができ、その適用範囲が極めて広い。

図面の簡単な説明

0032

図1実施例において被混合流体の混合をするための方法を示す模式図である。
図2被混合流体の混合をするための他の方法を示す模式図である。
図3実施例において使用したアスファルト乳化物製造装置の要部説明断面図である。
図4図3に示す製造装置における攪拌体の軸方向から見た断面図である。
図5図3に示す製造装置において被混合流体が攪拌混合される状態を示す説明図である。
図6実験例1において製造されたアスファルト乳化物の粒径分布を示す説明図である。

--

0033

10;導管、10a、10b;導入孔、10c;取出し孔、22;攪拌羽根、24;攪拌体、28;振動源。

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