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技術 簡便で増強された核酸増幅法

出願人 東ソー株式会社
発明者 斉藤寿一石黒敬彦
出願日 1999年9月6日 (21年2ヶ月経過) 出願番号 1999-252146
公開日 2001年3月21日 (19年8ヶ月経過) 公開番号 2001-069992
状態 特許登録済
技術分野 突然変異または遺伝子工学 酵素、微生物を含む測定、試験
主要キーワード SR法 黒化度 共存状態 イノシン三リン酸 熱耐性 側末端 SOH 協奏的
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

概ね一定温度で、簡便かつ迅速に、試料中に元来存在した特定RNA配列飛躍的に増幅させる方法を提供する。

解決手段

特定RNA配列を鋳型として、特定RNA配列と相補的及び相同的配列を含み、該配列を転写可能なプロモーター配列を有する2本鎖DNAを生成し、DNA依存性RNAポリレースによって前記特定配列RNA転写産物を生成し、該RNA転写産物を更に前記2本鎖DNAの鋳型とするRNA増幅方法において、前記反応を48℃〜51℃の温度範囲、かつ、0〜3%のジメチルスルホキシドDMSO)濃度範囲で行い、前記課題を解決する。

概要

背景

一般的に、ウイルス感染症診断等では、臨床試料中の標的核酸ウイルス核酸)が極微量であることが多いため、高感度かつ良好な再現性の測定を実現するために信号強度を向上し高感度化する目的から、標的核酸を増幅する方法がとられる。一般的に特定DNA配列を増幅する方法として、ポリレースチェインリアクションPCR)法が知られている。この方法は、特定DNA配列の両末端部相補的あるいは相同な一組のプライマー熱耐性DNAポリメレース存在下で、熱変性、プライマー・アニール伸長反応からなるサイクルを繰り返し行うことによって特定DNA配列を増幅するものである。

一方、特定RNA配列の増幅法としては、逆転写酵素及びDNA依存性RNAポリメレースの協奏的作用によって特定RNA配列を含む標的RNAを増幅するNASBA法や3SR法等が知られている。これらの方法は、標的RNAに対し、プロモーター配列を含むプライマーと逆転写酵素、及びリボクレエースHにより、プロモーター配列を含む2本鎖DNAを合成し、DNA依存性RNAポリメレースにより、特定RNA配列からなるRNAを合成し、該RNAが引き続きプロモーター配列を含む2本鎖DNA合成鋳型となる連鎖反応を行うものである。

一般に、PCRでRNAを増幅する場合、RNAを鋳型とし、逆転写酵素によって、一旦cDNA合成してからPCRを行う、いわゆるRTPCR法を行うこととなり、実質的には2段階の工程を行わなければならない。また、PCRは急激な昇温、降温を必要とするため、特殊なインキュベーターを必要とし、大量処理を目的とした自動化への適用は容易ではないという課題がある。

一方、特定RNA配列の増幅法(NASBA法や3SR法等)を用いた場合、比較的一定温度で反応が可能であるため、自動化への適用が容易である。しかし、試料中に存在する極微量の特定RNA配列をより高感度に、再現性良く検出するためには、反応効率の更なる向上が必要であった。

これらの増幅法では、(1)cDNA合成の結果、生成されるRNA−DNAハイブリッドRNA部分(リボヌクレエースHの消化物)を解離させる、(2)プライマーどうしの結合による非特異産物を低減させる、等の目的で、終濃度15%程度のジメチルスルホキシドDMSO)を添加している。

概要

概ね一定温度で、簡便かつ迅速に、試料中に元来存在した特定RNA配列を飛躍的に増幅させる方法を提供する。

特定RNA配列を鋳型として、特定RNA配列と相補的及び相同的配列を含み、該配列を転写可能なプロモーター配列を有する2本鎖DNAを生成し、DNA依存性RNAポリメレースによって前記特定配列RNA転写産物を生成し、該RNA転写産物を更に前記2本鎖DNAの鋳型とするRNA増幅方法において、前記反応を48℃〜51℃の温度範囲、かつ、0〜3%のジメチルスルホキシド(DMSO)濃度範囲で行い、前記課題を解決する。

目的

そこで本発明の目的は、cDNA合成の結果、生成されるRNA−DNAハイブリッドのRNA部分(リボヌクレエースHの消化物)の解離と、プライマーどうしの結合による非特異産物の低減を達成しつつ、DMSO濃度を使用しないか、又は従来と比較して低濃度のDMSOを使用するのみの、酵素活性の低下を防止できる、増強された特定核酸の増幅方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

特定RNA配列鋳型として、特定RNA配列と相補的及び相同的配列を含み、該配列を転写可能なプロモーター配列を有する2本鎖DNAを生成し、DNA依存性RNAポリレースによって前記特定配列RNA転写産物を生成し、該RNA転写産物を更に前記2本鎖DNAの鋳型とするRNA増幅方法において、前記反応を48℃〜51℃の温度範囲、かつ、0〜3%のジメチルスルホキシドDMSO)濃度範囲で行うことを特徴とする、増強された特定配列の増幅方法。

請求項2

少なくとも、(1)特定RNA配列に対して、それぞれ相補的又は相同的な配列からなる2つのプライマーで、その一方のプライマーが5’末端側にDNA依存性RNAポリメレースのプロモーター配列を有するプロモータープライマー、(2)RNA依存性DNAポリメレース、(3)DNA依存性DNAポリメレース、(4)DNA依存性RNAポリメレース、(5)デオキシリボヌクレオシド三リン酸、(6)リボヌクレオシド三リン酸、及び、特定RNA配列を含む標的RNAの共存下、比較的一定温度で、特定RNA配列に相補的あるいは相同的なRNA増幅産物を得るのに十分な時間反応させることを特徴とする請求項1に記載の増幅方法。

請求項3

RNA依存性DNAポリメレース及びDNA依存性DNAポリメレースがトリ筋芽細胞腫ウイルス逆転写酵素であることを特徴とする請求項2に記載の増幅方法。

請求項4

DNA依存性RNAポリメレースがファージSP6のRNAポリメレースであることを特徴とする請求項2に記載の増幅方法。

請求項5

特定RNA配列又は特定RNA配列を含む標的核酸を、インターカレーター性蛍光色素で標識されたオリゴヌクレオチドプローブの存在下、請求項1乃至4の増幅方法により増幅し、反応液蛍光強度を経時的に測定することを特徴とする、特定RNA配列又は特定RNA配列を含む標的核酸の分析方法

請求項6

前記インターカレーター性蛍光色素で標識されたオリゴヌクレオチドプローブは、そのインターカレーター性蛍光色素部分が、DNA依存性RNAポリメレースによって生成されたRNAと該プローブとの相補結合によって生じた2本鎖部分にインターカレーションする性質を有することを特徴とする請求項5に記載の分析方法。

技術分野

gtgcccccgc gagactgcta 20

背景技術

0001

本発明は、DNAやRNA等の遺伝子混合中に含まれると予想される特定核酸分析する場合の標的核酸増幅方法に関するものであり、遺伝子診断等の臨床診断分野での利用に有用であり、更には、食品中、室内、土壌中、河川中、海洋中等の環境中に存在する微生物定性または定量分析に有用である。

0002

一般的に、ウイルス感染症診断等では、臨床試料中の標的核酸(ウイルス核酸)が極微量であることが多いため、高感度かつ良好な再現性の測定を実現するために信号強度を向上し高感度化する目的から、標的核酸を増幅する方法がとられる。一般的に特定DNA配列を増幅する方法として、ポリレースチェインリアクションPCR)法が知られている。この方法は、特定DNA配列の両末端部相補的あるいは相同な一組のプライマー熱耐性DNAポリメレース存在下で、熱変性、プライマー・アニール伸長反応からなるサイクルを繰り返し行うことによって特定DNA配列を増幅するものである。

0003

一方、特定RNA配列の増幅法としては、逆転写酵素及びDNA依存性RNAポリメレースの協奏的作用によって特定RNA配列を含む標的RNAを増幅するNASBA法や3SR法等が知られている。これらの方法は、標的RNAに対し、プロモーター配列を含むプライマーと逆転写酵素、及びリボクレエースHにより、プロモーター配列を含む2本鎖DNAを合成し、DNA依存性RNAポリメレースにより、特定RNA配列からなるRNAを合成し、該RNAが引き続きプロモーター配列を含む2本鎖DNA合成鋳型となる連鎖反応を行うものである。

0004

一般に、PCRでRNAを増幅する場合、RNAを鋳型とし、逆転写酵素によって、一旦cDNA合成してからPCRを行う、いわゆるRTPCR法を行うこととなり、実質的には2段階の工程を行わなければならない。また、PCRは急激な昇温、降温を必要とするため、特殊なインキュベーターを必要とし、大量処理を目的とした自動化への適用は容易ではないという課題がある。

0005

一方、特定RNA配列の増幅法(NASBA法や3SR法等)を用いた場合、比較的一定温度で反応が可能であるため、自動化への適用が容易である。しかし、試料中に存在する極微量の特定RNA配列をより高感度に、再現性良く検出するためには、反応効率の更なる向上が必要であった。

発明が解決しようとする課題

0006

これらの増幅法では、(1)cDNA合成の結果、生成されるRNA−DNAハイブリッドRNA部分(リボヌクレエースHの消化物)を解離させる、(2)プライマーどうしの結合による非特異産物を低減させる、等の目的で、終濃度15%程度のジメチルスルホキシドDMSO)を添加している。

0007

DMSOは、過剰に添加すると酵素活性を低下させるため、酵素活性の観点からはDMSO濃度はなるべく低いほうが増幅効率は向上できると考えられる。しかしながら、一般に特定RNA配列の増幅法(NASBA法や3SR法等)は41℃で反応を行っているため、DMSO濃度を低下させると、前述の(1)及び(2)が不良となり、増幅効率は低下してしまうという課題があった。

課題を解決するための手段

0008

そこで本発明の目的は、cDNA合成の結果、生成されるRNA−DNAハイブリッドのRNA部分(リボヌクレエースHの消化物)の解離と、プライマーどうしの結合による非特異産物の低減を達成しつつ、DMSO濃度を使用しないか、又は従来と比較して低濃度のDMSOを使用するのみの、酵素活性の低下を防止できる、増強された特定核酸の増幅方法を提供することにある。

0009

前記目的を達成べく、本発明者らが鋭意研究を行った結果、特定RNA配列の増幅反応を48℃〜51℃の温度範囲で行うことによって、cDNA合成の結果、生成されるRNA−DNAハイブリッドのRNA部分(リボヌクレエースHの消化物)の解離、及び、プライマーどうしの結合による非特異産物の低減が可能であり、これによってDMSO濃度を0〜3%という低濃度に抑え、酵素活性に対するDMSOの影響を低減できることが見出され、本発明が完成された。

0010

即ち本発明は、特定RNA配列を鋳型として、特定RNA配列と相補的及び相同的配列を含み、該配列を転写可能なプロモーター配列を有する2本鎖DNAを生成し、DNA依存性RNAポリメレースによって前記特定配列RNA転写産物を生成し、該RNA転写産物を更に前記2本鎖DNAの鋳型とするRNA増幅方法において、前記反応を48℃〜51℃の温度範囲、かつ、0〜3%のジメチルスルホキシド(DMSO)濃度範囲で行うことを特徴とする、増強された特定配列の増幅方法である。

0011

また本発明は、特定RNA配列又は特定RNA配列を含む標的核酸をインターカレーター性蛍光色素で標識されたオリゴヌクレオチドプローブの存在下、上記増幅方法により増幅し、反応液蛍光強度を経時的に測定することを特徴とする特定RNA配列又は特定RNA配列を含む標的核酸の分析方法である。以下、本発明を詳細に説明する。

0012

本願発明の一つの態様は、標的RNAを含むと予想される試料に、少なくとも以下(A)〜(I)の試薬を用意し、試料にこれらを順次添加するか、これらの2つ以上を一度に添加するか、又はこれらを一度に添加する操作((A)〜(I)は、この順に添加することを要しない)を含み、これらの試薬を終濃度0〜3%のDMSO存在下、48℃〜51℃で反応させる工程からなる増強された特定核酸の増幅方法である。

0013

(A)前記1本鎖RNA中の特定RNA配列の3’側末端配列に相補的な配列を有する第1の1本鎖オリゴヌクレオチド
(B)RNA依存性DNAポリメレース、
(C)デオキシリボヌクレオシド三リン酸
(D)リボヌクレエースHまたは同等のRNA分解活性を有する酵素
(E)5’末端側から順に(1)DNA依存性RNAポリメレースのプロモーター配列、(2)該プロモーターエンハンサー配列及び(3)前記1本鎖RNA中の特定RNA配列の5’末端配列と同一の塩基配列を有する第2の1本鎖オリゴヌクレオチド、
(F)DNA依存性DNAポリメレース、
(G)DNA依存性RNAポリメレース、
(H)リボヌクレオシド三リン酸アデノシン三リン酸ウリジン三リン酸シチジン三リン酸グアノシン三リン酸
(I)イノシン三リン酸
本発明の別の態様では、上記試薬(A)及び試薬(E)の第1及び第2の1本鎖オリゴヌクレオチドの組み合わせを用いる以外に、以下の試薬(J)及び試薬(K)の第1及び第2の1本鎖オリゴヌクレオチドの組み合わせを用いてもよい。

0014

(J)5’末端側から順に(1)DNA依存性RNAポリメレースのプロモーター配列、(2)該プロモーターのエンハンサー配列及び(3)前記1本鎖RNA中の特定RNA配列の3’側末端配列に相補的な配列を有する第1の1本鎖オリゴヌクレオチド、
(K)前記1本鎖RNA中の特定RNA配列の5’側末端配列と同一の塩基配列を有する第2の1本鎖オリゴヌクレオチド
特定RNA配列とは、上記(A)及び(E)の第1及び第2の1本鎖オリゴヌクレオチドを使用した場合、5’末端が(E)で述べた第2の1本鎖オリゴヌクレオチドにおける(3)の配列で始まり、3’末端が(A)で述べた第1の1本鎖オリゴヌクレオチドと相補的な配列で終わる、前記1本鎖RNA中に存在する塩基配列部分であり、上記(J)及び(K)の第1及び第2の1本鎖オリゴヌクレオチドを使用した場合、5’末端が(K)で述べた第2の1本鎖オリゴヌクレオチドと同一な配列で始まり、3’末端が(J)で述べた第1の1本鎖オリゴヌクレオチドにおける(3)の配列に相補的な配列で終わる、前記1本鎖RNA中に存在する塩基配列部分である。特定RNA配列は任意に決定することができるが、標的RNAを他の核酸から区別し得る程度に特異的な配列部分を含むようにすることが重要である。

0015

試薬(A)は、特異的塩基配列3‘末端配列に相補的な配列を有する第1の1本鎖オリゴヌクレオチドである。該試薬は標的RNAに相補結合し、後述する試薬(B)及び(C)の共存下で、RNA依存性DNAポリメレースによる該RNAを鋳型とするcDNA合成が行われる際に、該cDNAの5’側末端に特定RNA配列の3’末端と相補的な配列が位置するようにするためのものである。

0016

試薬(B)はRNA依存性DNAポリメレースであり、試薬(C)はその基質となるデオキシリボヌクレオシド三リン酸である。試薬(A)〜(C)の共存下で、標的RNA中の特定RNA配列3’末端に相補的な配列を5’末端に持つcDNAが合成される。このcDNAは、鋳型となったRNAと、DNA−RNA2本鎖を形成した状態である。

0017

試薬(D)は、上記DNA−RNA2本鎖中のRNAを切断する活性を有するリボヌクレエースHであるか、同等のRNA分解活性を有する酵素を用いることもできる。トリ筋芽細胞腫ウイルス逆転写酵素(以下、AMV逆転写酵素)に代表される逆転写酵素は、DNA−RNA2本鎖中のRNAを切断する活性を有しており、この種の酵素を用いてもよい。

0018

試薬(E)は、5’末端側から順に(1)DNA依存性RNAポリメレースのプロモーター配列、(2)該プロモーターのエンハンサー配列及び(3)特定RNA配列の5’末端配列と同一の塩基配列を有する第2の1本鎖オリゴヌクレオチドである。第2のオリゴヌクレオチドにおいて、(3)の部分は試薬(A)〜(D)が共存することで合成されるcDNAの3’末端に結合する。従って試薬(C)と(F)の共存により、第2のオリゴヌクレオチドの3’末端から該cDNAを鋳型として、また同時に該cDNAの3’末端から該第2のオリゴヌクレオチドを鋳型として、DNA依存性DNAポリメレースによりそれぞれの相補鎖が合成され、転写可能なプロモーター配列を有する完全な2本鎖DNAが合成される。

0019

試薬(F)はDNA依存性DNAポリメレースである。AMV逆転写酵素に代表される逆転写酵素には、DNA依存性DNAポリメレース活性を有するものがあり、この種の酵素を用いてもよい。

0020

試薬(G)は、DNA依存性RNAポリメレースであり、試薬(H)と(I)はその基質となるリボヌクレオシド三リン酸及びイノシン三リン酸である。試薬(C)及び(E)及び(F)の共存により合成される2本鎖DNAはDNA依存性RNAポリメレースのプロモーター領域を末端に有する。このため、試薬(G)、(H)及び(I)の共存下では該DNA合成後、直ちに特定RNA配列からなる1本鎖RNAの合成が開始される。試薬(G)におけるDNA依存性RNAポリメレースとしては、具体的に例えばT7 RNAポリメレースやT3 RNAポリメレース、SP6 RNAポリメレース等を例示することができる。

0021

試薬(G)〜(I)の共存により合成される1本鎖RNAは特定RNA配列からなるRNAである。従って、これらが合成されて試薬(A)〜(F)と共存することにより、上述した一連の反応が繰り返し生じることとなる。このように、本発明では試料中に存在する極微量の標的RNAをもとにして前記の如きプロモータ領域を末端にもつ2本鎖DNAが合成され、これが特定RNA配列からなる1本鎖RNAの合成源となる。合成された1本鎖RNAは新たな2本鎖DNAの合成に寄与し、結果として時間の経過とともに特定RNA配列からなる1本鎖RNA量は飛躍的に増大する。

0022

本発明の別の態様は、反応温度48℃〜51℃、DMSO濃度0〜3%で行う前記特定核酸の増幅工程において、試薬(L)を添加し、反応液の蛍光強度を測定する工程を含む、特定核酸の分析方法である。

0023

(L)前記特定RNA配列に相補的な配列を有し、該配列を有する核酸と結合した場合に測定可能蛍光信号を発するように標識された第3の一本鎖オリゴヌクレオチド
試薬(L)は、特定RNA配列に相補的な配列を有し、該配列を有する核酸と結合した場合に測定可能な蛍光信号を発するように標識された第3の1本鎖オリゴヌクレオチドである。第3のオリゴヌクレオチドは、例えばインターカレーター性蛍光色素が結合されたDNAであれば良い。該DNA部分は、特定RNA配列の特異的分析のため、6〜100ヌクレオチド、更に好ましくは10〜30ヌクレオチドとすることが好ましい。むろん該DNA部分は、特定RNA配列中に存在する配列であって、標的核酸以外の核酸と十分に区別可能な配列部分と相補的な配列であることが重要である。

0024

DNA部分は合成された特定RNA配列からなる1本鎖RNAと相補結合を形成した場合に、既に添加されている試薬(C)におけるRNA依存性DNAポリメレースが作用してその3’末端からの伸長が生じないように、該3’末端が特定RNA配列と非相補的な配列が付加されているか、または、その3’末端が化学的に修飾されていることが好ましい。

0025

インターカレーター性蛍光色素は、DNA部分が他の核酸と相補結合を形成すると2本鎖部分にインターカレーションして蛍光特性が変化するものである。この目的のためには、インターカレーター性蛍光色素を、2本鎖部分へのインターレションを妨げない程度の適当な分子長リンカーを介してDNAと結合することが例示できる。かかるリンカーとしては、インターカレーター性蛍光色素が2本鎖部分にインターカレーションすることを妨げない分子であれば特に制限はない。特に両末端に官能基を有する二官能性炭化水素から選択されるリンカー分子は、オリゴヌクレオチドへの修飾を行う上で簡便で好ましい。また、例えば、市販の試薬セット(C6−Thiolmodifier,商品名、Clontech製)等を使用することもできる。

0026

インターカレーター性蛍光色素としては、2本鎖にインターカレーションすることで、例えば発する蛍光波長が変動したりする等、その蛍光特性が変化するものであれば特に制限はないが、測定の容易さ等の観点からインターカレーションにより蛍光強度が増加する性質を有するものが特に好ましい。より具体的には特に蛍光強度の変化が著しいチアゾールオレンジオキサゾールイエロー又はそれらの誘導体を特に好ましいインターカレーター性蛍光色素として例示できる。

0027

インターカレーター性蛍光色素がリンカーを介してDNAに結合される位置は、DNAの5’末端、3’末端または中央部等、インターカレーター性蛍光色素の2本鎖へのインターカレーションが妨げられず、かつ、DNA部分とRNAとの相補結合を阻害しない限り特に制限はない。

0028

プロモーター配列を有する2本鎖DNAを鋳型として試薬(G)〜(I)により合成される1本鎖RNA量は経時的に増加する。

0029

試薬(L)を、上記特定RNA配列を含むと予想される試料に、少なくとも試薬(A)〜(I)とともに共存させ、増加する特定RNA配列を有する1本鎖RNAを、蛍光信号として測定する。ここで、合成された1本鎖RNAと試薬(L)の第3のオリゴヌクレオチドが相補結合を形成し、蛍光信号を発した場合であっても、このRNAは試薬(A)〜(C)共存下でのDNA合成における鋳型として機能することが明らかとなった。即ち本発明では、各試薬の共存状態においてRNAからのcDNA合成、2本鎖DNAの合成、2本鎖DNAからのRNA合成という一連の現象が、第3のオリゴヌクレオチド共存下で生じ、RNAの増加に比例して蛍光強度が増加する。

0030

本発明の別の態様は、反応温度48℃〜51℃、DMSO濃度0〜3%で行う前記分析方法において、上記試薬(A)及び試薬(E)及び試薬(L)の第1及び第2及び第3の1本鎖オリゴヌクレオチドの組み合わせて用いる代わりに、試薬(J)及び試薬(K)及び試薬(M)の第1から第3の1本鎖オリゴヌクレオチドの組み合わせを用いた特定配列の分析方法である。

0031

(M)前記一本鎖RNA中の特定RNA配列に同一な配列を有し、該配列と相補的配列を有する核酸と結合した場合に測定可能な蛍光信号を発するように標識された第3の一本鎖オリゴヌクレオチド
試薬(J)は、5’側末端から順に(1)DNA依存性RNAポリメレースのプロモーター配列、(2)該プロモーターのエンハンサー配列及び(3)前記1本鎖RNA中の特定RNA配列の3’側末端配列に相補的な配列を有する第1の1本鎖オリゴヌクレオチドである。該試薬の(3)の部分は特定RNA配列中の3’側末端に相補結合し、試薬(A)を用いた場合と同様に、試薬(B)及び(C)及び(D)の存在下で、標的RNAに相補的なcDNAが合成される。

0032

試薬(K)は、該cDNAの特定RNA配列中の5’側末端に相補的配列を有する1本鎖オリゴヌクレオチドである。該試薬(K)は、該cDNAの特定RNA配列中の5’側末端に相補的結合をした後、試薬(C)及び試薬(F)の共存により、RNAポリメレースのプロモーター配列を有する2本鎖DNAが合成される。更に該2本鎖DNAは、試薬(G)〜(H)の共存により、特定RNA配列に相補的な第2の1本鎖RNAが合成される。更に試薬(I)を共存させることにより、該1本鎖RNAの合成量は飛躍的に増大する。

0033

更に、該第2のRNAの3’側末端は試薬(K)と相補結合し、試薬(B)〜(D)の共存下で、該第2のRNAの第2のcDNAが合成される。該第2のcDNAは試薬(J)の(3)部分と相補結合し、試薬(C)及び試薬(F)によりプロモーター配列を含有する2本鎖DNAが合成され、試薬(G)〜(I)により該第2のRNAが合成される。合成された特定RNA配列に相補的な該第2のRNAは、新たな2本鎖DNAの合成源となり、一連の反応が繰り返し生じることにより、結果として該第2のRNAの量は飛躍的に増大する。

0034

ここで得られた該第2のRNAは、標的RNA中の特定RNA配列と相補的な配列を有する。特定RNA配列と同一な配列を有し、かつインターカレーター性蛍光色素で標識された第3の1本鎖オリゴヌクレオチドである試薬(M)を共存させることにより、合成された該第2のRNA量に比例して蛍光強度が増加する。

0035

本願発明における蛍光信号の測定は、好ましくは試薬(A)〜(I)及び試薬(L)または試薬(M)の添加直後から、又は、添加後所定時間経過後から経時的に行う。試薬(L)または試薬(M)の第3のDNAは、1本鎖RNAの合成過程において、合成されたRNAと結合・解離を繰り返すが、結合時に測定される蛍光信号は各測定時における該RNAの存在量を反映するため、1本鎖RNAの増加する様子を経時的に追跡することが可能である。なお、測定自体は連続的なものであっても一定時間毎間欠的なものであっても良い。また、蛍光信号の測定装置は、本願発明の一部を構成しないが、1本以上の反応管中の蛍光信号を連続的または一定時間毎の間欠的に測定できるものであれば如何なる装置を用いても良い。

発明を実施するための最良の形態

0036

蛍光信号の測定時間は、一定量の標的RNAを含んだ試験区の蛍光強度が増加する時間が標的RNAを含まない試験区と有為に差の見られる時間を含み、一定量の標的RNAを含んだ試験区の蛍光強度がほぼ一定になるまでの時間で、概ね4時間、好適条件では1時間である。

0037

以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。

0038

実施例1
標的核酸増幅におけるDMSO添加(終濃度14.3%)、非添加の効果を検討した。

0039

(1)標準RNAは、5’側からグアニンアデニン、アデニン、ウラシル、アデニン、シトシン、アデニン、アデニンという塩基配列に引き続いて、ヒトC型肝炎ウイルスRNAの塩基番号11〜300(加ら、Proc.Natl.Sci.、USA、1990年、87、9524〜9528)からなり、260nmの紫外部吸収により定量後、RNA希釈液(10mM Tris−HCl(pH8.0)、0.1mMEDTA、0.5U/μlRNaseInhibitor)を用い5×106/2μlとなるよう希釈した。陰性コントロール(Nega)には、前記RNA希釈液のみを用いた。

0040

(2)以下の組成の反応液9.66μlをPCR用チューブ(Gene Amp Thin−Walled Reaction Tubes、パーキンエルマー製)に分注し、これに上記RNA試料2μlを添加後、ミネラルオイル50μlを重層した。続いて、65℃で5分間加温した。

0041

反応液の組成
62.1mM Tris−酢酸緩衝液(pH8.1)
21.0mM酢酸マグネシウム
194.1mM酢酸カリウム
12.4%ソルビトール
15.5mM DTT
各1.55mMのdATP,dCTP,dGTP,dTTP
0.31μMの第1のオリゴヌクレオチド(配列番号1)
0.31μMのSP6プロモーター配列を有する第2のオリゴヌクレオチド(配列番号2;配列番号2のオリゴヌクレオチドにおいて、5’末端から17番目のアデニンまではSP6プロモータ配列であり、また18番目のグアニンから25番目のアデニンまではエンハンサー配列である)
22.2%(終濃度14.3%)又は0%(非添加)のDMSO
容量調製用蒸留水
(3)上記の反応液を、それぞれ44℃、47℃、50℃で5分間保温後、以下の組成の酵素液2.59μlを添加した。

0042

酵素液の組成
8.1 U/μl AMV逆転写酵素(宝酒造製
33.0 U/μl SP6 RNAポリメレース(宝酒造製)
11.6 U/μlリボヌクレエースインヒビター(宝酒造製)
0.016%牛血清アルブミン
(4)それぞれを44、47、50℃で5分間反応させた後、20mMのNT水溶液(各2.0mMのATP、CTP、GTP、UTP)を0.75μl添加して、それぞれ44、47、50℃で4時間反応させた。

0043

(5)反応液8.3μlを取り出し、2%アガロース電気泳動を行った後、ゲルをSYBR GreenII(宝酒造製)で染色した。

0044

電気泳動の結果を図1に示した。また、この結果で得られた特異産物のバンド黒化度デンシトメーターで定量した結果を図2に示した。反応温度44℃の場合、DMSO添加及びDMSO非添加で特異産物のバンドが認められた。反応温度47℃及び50℃の場合、DMSO添加では特異産物は生成されず、DMSO非添加では顕著な特異産物が認められた。ただし、DMSO非添加の場合、44℃及び47℃では特異産物と同時に顕著な非特異産物も認められた(図1)。このことから、DMSO添加によって非特異産物の生成は低減されるが、同時に増幅効率も低下することが示された。増幅産物量(バンド黒化度)は、50℃、DMSO非添加が最高で、44℃、DMSO添加に比べて増幅効率が向上していると結論された(図2)。

0045

実施例2
標的核酸増幅(反応温度48、50℃)における低濃度DMSO(終濃度0〜3%)の効果を検討した。

0046

(1)ヒトC型肝炎ウイルスRNAの塩基番号113〜267(加藤ら、Proc.Natl.Sci.、USA、1990年、87、9524〜9528)を標準RNA試料とし、260nmの紫外部吸収により定量後、RNA希釈液(10mM Tris−HCl (pH8.0)、0.1mMEDTA、0.5U/μlRNaseInhibitor)を用い104コピー/4μlとなるよう希釈した。陰性コントロール(Nega)には、前記RNA希釈液のみを用いた。

0047

(2)以下の組成の反応液15.2μlをPCR用チューブ(Gene Amp Thin−Walled Reaction Tubes、パーキンエルマー製)に分注し、これに上記RNA試料4μlを添加後、ミネラルオイル100μlを重層した。

0048

反応液の組成
59.2mM Tris−酢酸緩衝液(pH8.1)
13.2mM酢酸マグネシウム
130.2mM酢酸カリウム
15.8%ソルビトール
19.7mM DTT
各1.0mMのdATP,dCTP,dGTP,dTTP
各2.0mMのATP、CTP、GTP、UTP
2.5mMのITP
0.4μMの第1のオリゴヌクレオチド(配列番号3)
0.4μMのSP6プロモーター配列を有する第2のオリゴヌクレオチド(配列番号4;配列番号4のオリゴヌクレオチドにおいて、5’末端から17番目のアデニンまではSP6プロモータ配列であり、また18番目のグアニンからアデニンまではエンハンサー配列である)
0.049μMのインターカレーター性蛍光色素で標識された第3のオリゴヌクレオチド(配列番号5;配列番号5のオリゴヌクレオチドにおいて、5’末端から5番目のシトシンと6番目のグアニンの間にインターカレーター性蛍光色素が標識され、またその3’末端はグリコール酸修飾されている。以後、YO−271と称する)
3.9U/μlリボヌクレエースインヒビター(宝酒造製)
各種濃度(0%、2.0%、4.0%、5.9%)のDMSO、それぞれの終濃度は、0%、1.0%、2.0%、3.0%
容量調製用蒸留水
(3)反応液を65℃で5分間加温した。

0049

(4)上記の反応液を、50℃で5分間保温後、あらかじめ50℃、1分間保温した以下の組成の酵素液10.8μlを添加した。

0050

酵素液の組成
83.3mM Tris−酢酸緩衝液(pH8.1)
18.5mM酢酸マグネシウム
182.4mM酢酸カリウム
22.2%ソルビトール
3.9U/μl AMV逆転写酵素(宝酒造製)
15.7U/μl SP6 RNAポリメレース(宝酒造製)
0.28mg/ml牛血清アルブミン
(5)引き続きPCRチューブ直接測定可能な温調機能蛍光分光光度計を用い、50℃に保温して、励起波長490nm、蛍光波長510nmで、PCRチューブ内の反応溶液の蛍光強度を5分間隔で測定した。

0051

各点の蛍光強度からバックグラウンドの蛍光強度を差し引いた結果を図3に示した。反応温度50℃の場合、DMSO濃度0〜2%で顕著な蛍光増加が認められた。DMSO濃度0%及び1%では、反応時間30分で急激な蛍光強度の増加(立ち上がり)が認められたが、DMSO濃度2%における立ち上がりは約40分であった。反応温度48℃の場合、 DMSO濃度1〜3%で顕著な蛍光増加が認められた。いずれの反応温度の場合もDMSO濃度を上げると増幅効率が低下する傾向が見られた。以上の結果から、反応温度48℃、あるいは50℃と設定した場合、DMSO濃度は0〜3%の範囲で設定するのが妥当であり、特に反応温度50℃、DMSO非添加の条件で最も高い増幅効率が得られることが示された。

0052

実施例 3
DMSO非添加の核酸増幅における反応温度の検討を行った。

0053

(1)ヒトC型肝炎ウイルスRNAの塩基番号113〜267(加藤ら、Proc.Natl.Sci.、USA、1990年、87、9524〜9528)を標準RNA試料とし、260nmの紫外部吸収により定量後、RNA希釈液(10mM Tris−HCl (pH8.0)、0.1mMEDTA、0.5U/μlRNaseInhibitor)を用い106、104コピー/4μlとなるよう希釈した。コントロール試験区(Nega)には、前記RNA希釈液のみを用いた。

0054

(2)以下の組成の反応液15.2μlをPCR用チューブ(Gene Amp Thin−Walled Reaction Tubes、パーキンエルマー製)に分注し、これに上記RNA試料4μlを添加後、ミネラルオイル100μlを重層した。

0055

反応液の組成
59.2mM Tris−酢酸緩衝液(pH8.2)
13.2mM酢酸マグネシウム
118.7mM酢酸カリウム
15.8%ソルビトール
19.7mM DTT
各1.0mMのdATP,dCTP,dGTP,dTTP
各2.0mMのATP、CTP、GTP、UTP
2.0mMのITP
0.4μMの第1のオリゴヌクレオチド(配列番号3)
0.4μMのSP6プロモーター配列を有する第2のオリゴヌクレオチド(配列番号4)
0.049μMのインターカレーター性蛍光色素で標識された第3のオリゴヌクレオチド(YO−271、配列番号5)
3.9U/μlリボヌクレエースインヒビター(宝酒造製)
容量調製用蒸留水
(3)上記の反応液を、50℃で5分間保温後、以下の組成の酵素液10.8μlを添加した。

0056

酵素液の組成
83.3mM Tris−酢酸緩衝液(pH8.2)
18.5mM酢酸マグネシウム
166.7mM酢酸カリウム
22.2%ソルビトール
3.9U/μl AMV逆転写酵素(宝酒造製)
15.8U/μl SP6 RNAポリメレース(宝酒造製)
0.27μg/μl牛血清アルブミン
容量調製用蒸留水
(4)引き続きPCRチューブを直接測定可能な温調機能付蛍光分光光度計を用い、50℃に保温して、励起波長490nm、蛍光波長510nmで、PCRチューブ内の反応溶液の蛍光強度を5分間隔で測定した。

0057

蛍光強度比(各反応時間における蛍光強度値÷バックグランドの蛍光強度値)の経時変化図4に示した。

0058

DMSO非添加、反応温度48℃〜51℃で顕著な蛍光増加が認められたが、50℃における蛍光増加が最高であった。

0059

以上のことから、DMSO非添加の場合、反応温度48℃〜51℃で顕著な増幅効率が得られるが、反応温度を50℃とすることによって最も高い増幅効率が得られることが示された。

0060

実施例 4
標的核酸増幅(反応温度50℃)における低濃度DMSO(終濃度0〜4%)の効果を検討した(プロモーター配列を持つ第一のオリゴヌクレオチドを用いた場合)。

0061

(1)ヒトC型肝炎ウイルスRNAの塩基番号113〜267(加藤ら、Proc.Natl.Sci.、USA、1990年、87、9524〜9528)を標準RNA試料とし、260nmの紫外部吸収により定量後、RNA希釈液(10mM Tris−HCl (pH8.0)、0.1mMEDTA、0.5U/μlRNaseInhibitor)を用い、103、及び、106コピー/4μlとなるよう希釈した。陰性コントロール(Nega)には、前記RNA希釈液のみを用いた。

0062

(2)以下の組成の反応液15.2μlをPCR用チューブ(Gene Amp Thin−Walled Reaction Tubes、パーキンエルマー製)に分注し、これに上記RNA試料4μlを添加後、ミネラルオイル100μlを重層した。

0063

反応液の組成
59.2mM Tris−酢酸緩衝液(pH8.1)
13.2mM酢酸マグネシウム
130.2mM酢酸カリウム
15.8%ソルビトール
19.7mM DTT
各1.0mMのdATP,dCTP,dGTP,dTTP
各2.0mMのATP、CTP、GTP、UTP
2.0mMのITP
0.4μMのSP6プロモーター配列を有する第1のオリゴヌクレオチド(配列番号6;配列番号6のオリゴヌクレオチドにおいて、5’末端から17番目のアデニンまではSP6プロモータ配列であり、また18番目のグアニンから25番目のアデニンまではエンハンサー配列である)
0.4μMの第2のオリゴヌクレオチド(配列番号7)
0.049μMのインターカレーター性蛍光色素で標識された第3のオリゴヌクレオチド(配列番号8;配列番号8のオリゴヌクレオチドにおいて、5’末端から14番目のアデニンと15番目のシトシンの間にインターカレーター性蛍光色素が標識され、またその3’末端はグリコール酸修飾されている。以後、YO−HC1bと称する)
3.9U/μlリボヌクレエースインヒビター(宝酒造製)
各種濃度(0%、、4.0%、7.9%)のDMSO、それぞれの終濃度は、0%、2.0%、4.0%
容量調製用蒸留水
(3)反応液を65℃で5分間加温した。

0064

(4)上記の反応液を、50℃で5分間保温後、あらかじめ50℃、1分間保温した以下の組成の酵素液10.8μlを添加した。

0065

酵素液の組成
83.3mM Tris−酢酸緩衝液(pH8.1)
18.5mM酢酸マグネシウム
182.4mM酢酸カリウム
22.2%ソルビトール
3.9U/μl AMV逆転写酵素(宝酒造製)
15.7U/μl SP6 RNAポリメレース(宝酒造製)
0.28mg/ml牛血清アルブミン
(5)引き続きPCRチューブを直接測定可能な温調機能付蛍光分光光度計を用い、50℃に保温して、励起波長490nm、蛍光波長510nmで、PCRチューブ内の反応溶液の蛍光強度を5分間隔で測定した。

発明の効果

0066

各種濃度のDMSO存在下での蛍光強度比(各反応時間における蛍光強度値÷バックグランドの蛍光強度値)の経時変化を図5に示した。DMSO濃度0%の場合は106コピー/テストのみが約20分で顕著な蛍光増加を示した。DMSO濃度2%の場合は106コピー/テストが約20分で、103コピー/テストが30〜40分で顕著な蛍光増加を示した。DMSO濃度4%の場合は、106コピー/テストが約20分で顕著な蛍光増加を示した。また、103コピー/テストは30〜40分で蛍光増加を示したが、蛍光増加の傾きの小さいものが認められた。以上から、プロモーター配列を持たせた第一のオリゴヌクレオチドを用いた場合も、反応温度50℃、DMSO濃度0〜4%の条件で、核酸増幅が認められたが、DMSO濃度2%で最大の増幅効率が得られた。

0067

以上の説明から明らかなように、本発明によれば、試料中の特定RNA配列を含む1本鎖RNAについて、反応液を急激に昇温・降温するという操作を繰り返すことなく、概ね一定温度で、反応開始時に行う1段階の手動操作のみで、かつ、迅速に試料中に元来存在した特定RNA配列を増幅する方法において、反応温度を48℃〜51℃、DMSO濃度を0〜3%とすることによって増幅効率を飛躍的に向上させることが可能となる。

0068

また、本発明では、試料中の標的RNAをもとにして、DNA依存性RNAポリメレースのプロモーター領域を末端にもつ2本鎖DNAが合成され、これが多量の1本鎖RNAの合成源になり、さらに合成された1本鎖RNA量は飛躍的に増大し、インターカレーター性蛍光色素で標識されたプローブが、生成した1本鎖RNAと相補結合することによる蛍光増加を測定する工程において、蛍光強度が増加する過程解析することにより、簡便かつ、迅速に初期RNAを測定する方法を提供する。

図面の簡単な説明

0069

SEQUENCE LISTING
<110>TOSOHCORPORATION
<120>簡便で増強された核酸増幅法
<130>PA210-9908

<160>8

<210>1
<211>19
<212>DNA
<213>Artificial Sequence

<220>
<223>第1のオリゴヌクレオチド

<400>1
actcgcaagc accctatca 19

<210>2
<211>50
<212>DNA
<213>Artificial Sequence

<220>
<223>第2のオリゴヌクレオチド

<400>2
atttaggtga cactatagaa tacaacactc caccatagat cactcccctg 50

<210>3
<211>18
<212>DNA
<213>Artificial Sequence

<220>
<223>第1のオリゴヌクレオチド

<400>3


gcctttcgcg acccaaca 18

<210>4
<211>50
<212>DNA
<213>Artificial Sequence

<220>
<223>第2のオリゴヌクレオチド

<400>4
atttaggtga cactatagaa tacaacctcc cgggagagcc atagtggtct 50

<210>5
<211>13
<212>DNA
<213>Artificial Sequence

<220>
<223>YO−271

<400>5
ctcgcggggg ctg 13

<210>6
<211>45
<212>DNA
<213>Artificial Sequence

<220>
<223>第1のオリゴヌクレオチド

<400>6
atttaggtga cactatagaa tacaagcctt tcgcgaccca acact 45

<210>7
<211>24
<212>DNA
<213>Artificial Sequence

<220>
<223>第2のオリゴヌクレオチド

<400>7
cctcccggga gagccatagt ggtc 24

<210>8
<211>20
<212>DNA
<213>Artificial Sequence

<220>
<223>YO−HC1b

<400>8

0070

図1実施例1の電気泳動結果を示した。標準マーカーとして1012コピー/レーンの標準RNA(298ヌクレオチド)、サイズマーカーとしてφX174/Hae IIIを泳動した。特異増幅産物のバンドは標準RNAと同位置に現れる。特異産物と非特異産物のバンドの位置を矢印で示した。
図2実施例1の電気泳動結果で得られた特異産物のバンドの濃さをデンシトメーターで定量した結果を示した。
図3実施例2で行った測定結果を示した。グラフは、各反応時間における蛍光増加を示したものである。蛍光増加とは、各反応時間における蛍光強度からバックグラウンドの蛍光強度(反応時間0分の蛍光強度)を差し引いた値である。図中、バツ(×)は0コピー/テストの、黒丸(●)は104コピー/テストの、そして黒三角(▲)は104コピー/テストの結果をそれぞれ示す。
図4実施例3で行った測定結果を示した。グラフは、各反応時間に対する蛍光強度比を示したものである。蛍光強度比とは、バックグラウンドの蛍光強度(反応時間0分の蛍光強度)を1とした場合の各時間の蛍光強度の比である。
図5実施例4で行った測定結果を示した。グラフは、上から順に、0、2、4%DMSO添加の場合の各反応時間における蛍光強度比を示したものである。蛍光強度比とは、バックグラウンドの蛍光強度(反応時間0分の蛍光強度)を1とした場合の各時間の蛍光強度の比である。黒菱形(◆)は陰性コントロール、白四角(□)は103コピー/テストのRNA標準、黒丸(●)は106コピー/テストのRNA標準を示す。

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