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技術 窒素添加用鋼製パイプ、窒素添加用鋼製パイプを固着した消耗式電極とそれらの製造方法、および消耗式電極を用いた加圧式エレクトロスラグ再溶解法による高窒素含有鋼の製造方法

出願人 国立研究開発法人物質・材料研究機構株式会社コベルコ科研
発明者 片田康行宇野秀樹広瀬和夫
出願日 1999年8月27日 (20年5ヶ月経過) 出願番号 1999-241830
公開日 2001年3月13日 (18年11ヶ月経過) 公開番号 2001-064716
状態 特許登録済
技術分野 金属の製造または精製 溶融状態での鋼の処理 銑鉄の精製;鋳鉄の製造;転炉法以外の製鋼
主要キーワード フィーダー装置 高窒素含有 窒化マンガン 窒素溶解度 バラツキ範囲 窒素添加量 ボールミル粉砕機 ステンレス鋼パイプ
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この項目の情報は公開日時点(2001年3月13日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (5)

課題

加圧式ESR装置に用いられる消耗式電極に、粉末状の窒素源を所定のタップ密度充填後、真空中で焼結した焼結体内蔵鋼製パイプを装着することにより、再現性よく高品位の高窒素添加鋼の溶製を可能にする。

解決手段

無機窒素源粉末を鋼製パイプに充填したのち、真空で脱気封入後700〜1000℃の真空炉で焼結したものを鋼製パイプごと溶接等で電極に固着した消耗式電極を使用する。

概要

背景

概要

加圧式ESR装置に用いられる消耗式電極に、粉末状の窒素源を所定のタップ密度充填後、真空中で焼結した焼結体内蔵鋼製パイプを装着することにより、再現性よく高品位の高窒素添加鋼の溶製を可能にする。

無機窒素源粉末を鋼製パイプに充填したのち、真空で脱気封入後700〜1000℃の真空炉で焼結したものを鋼製パイプごと溶接等で電極に固着した消耗式電極を使用する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

無機窒素源粉末鋼製パイプ充填する工程と、真空下で脱気しつつ前記粉末を鋼製パイプに封入する工程と、鋼製パイプに封入した前記粉末を700〜1000℃の真空炉焼結する工程を備えることを特徴とする、無機窒素源粉末を焼結した焼結体を収容する窒素添加用鋼パイプの製造方法。

請求項2

請求項1の製造方法により作製され、焼結体が脱落不能に収容されていることを特徴とする窒素添加用鋼製パイプ。

請求項3

請求項1の方法により作製された窒素添加用鋼製パイプを電極に固着することを特徴とする消耗式電極の製造方法。

請求項4

複数の窒素添加用鋼製パイプ、電極に相互に間隔を置いて固着されていることを特徴とする消耗式電極。

請求項5

請求項3または4の消耗式電極を用い、大気圧を超える圧力の窒素雰囲気で、加圧式ESR法により溶解して、N量:0.3〜2.0%を含有する高窒素含有鋼塊を製造することを特徴とする高窒素含有鋼の製造方法。

技術分野

0001

この出願の発明は、窒素添加用鋼パイプ、窒素添加用鋼製パイプを固着した消耗式電極とその製造方法および高窒素含有鋼の製造方法に関するものである。

0002

従来から、Crを多量に含有するステンレス鋼耐熱合金窒素を添加するとオーステナイトの安定性や材料の強度向上に寄与することはよく知られている。しかし、通常の製鋼法では、添加する窒素量のコントロールは必ずしも容易ではなかった。このため、窒素の添加については、添加のための手段をどのようなものとすべきかは難しい問題であって、現状では、製鋼プロセスの工程との関係でおのずと限られたものとなっているのが実情である。そして、現状の限られた手段についても様々な問題が残されていた。

0003

たとえば、製鋼プロセスにおける重要な工程手段として知られているESRエレクトロスラグ再溶解法)では、使用する電極は、予め成分調整された溶鋼電極形状鋳造して製造するか、あるいは普通の鋼塊形状に造塊したものを電極形状に鍛造機械加工して製作したものを使用するのが一般的であって、通常、ESR段階では、合金成分は窒素を含め、既に電極自体に調整されているため、外部からの合金添加は行われていない。

0004

しかしながら、予め成分調整された溶鋼を電極とするESRにおいても、窒素添加については以下に述べるような課題を残していた。例えば、オーステナイト系ステンレス鋼の1種であるSUS316L(Fe−17%Cr−14%Ni−2.5%Mo)では、図1に示すように、大気圧下で溶製した電極に入れられる窒素量は制限され、約0.2%しか入れられない。もしこれにより多量に窒素を含有させたい場合には、加圧雰囲気下で、ESR中に電極以外の外部から窒素源を添加する必要があり、しかもESR鋼塊全体に均一に添加することが必要になる。しかしながら、このようなことは容易ではない。

0005

もちろん加圧式ESRによって窒素量の高い鋼塊を製造する方法はこれまでにも知られている。例えば、中空電極を作製し、その中空部分に窒素源を詰めて電極と一緒に溶解する方法や、加圧式ESR装置に合金添加装置を付帯させ、そのフィーダー装置を用いて窒素源粉末を直接溶融スラグ浴に添加する方法等が知られている。しかし、中空電極の場合は、中空電極そのものの製造が困難であり、また中空部分の添加材の固定や量の調整等に多くの困難を伴うという問題がある。また、合金添加装置による添加の場合も、装置構成が高価になることと、直接溶融スラグ浴に窒素源を連続的に、添加するので、窒素源が導電体の場合は、局所的に電極と側面の鋳型(銅製)間が電気的に通電して短絡状態になり易く、この場合は操業面で不安定な状態となり、時にはスパーク発生により鋳型の内面を損傷する恐れがある。

0006

そこで、この出願の発明は、上記の問題に鑑みなされたものであって、以上のとおりの従来技術の課題を克服し、ESR装置による高窒素含有鋼の製造を可能とする新しい技術的手段を提供することを課題としている。

0007

この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、第1には、無機窒素源粉末を鋼製パイプ充填する工程と、真空下で脱気しつつ前記粉末を鋼製パイプに封入する工程と、鋼製パイプに封入した前記粉末を700〜1000℃の真空炉焼結する工程を備えることを特徴とする、無機窒素源粉末を焼結した焼結体を収容する窒素添加用鋼製パイプの製造方法を提供し、第2には、前記の製造方法により作製され、焼結体が脱落不能に収容されていることを特徴とする窒素添加用鋼製パイプを提供する。

0008

さらに、この出願の発明は、第3には、前記の方法により作製された窒素添加用鋼製パイプを電極に固着することを特徴とする、消耗式電極の製造方法を提供し、第4には、複数の窒素添加用鋼製パイプが、電極に相互に間隔をおいて固着されていることを特徴とする消耗式電極を提供する。

0009

またさらに、この出願の発明は、第5には、前記の消耗式電極を用い、大気圧を超える圧力の窒素雰囲気で、加圧式ESR法により溶解して、N量:0.3〜2.0%を含有する高窒素含有鋼塊を製造することを特徴とする高窒素含有鋼の製造方法も提供する。

発明を実施するための最良の形態

0010

この出願の発明は、上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について説明する。

0011

第1の発明としての窒素添加用鋼製パイプの製造方法においては次の点が考慮されることになる。無機窒素源粉末としては、焼結性の各種の窒化物等であってよく、たとえば窒化フェロクロム(FeCrN)、窒化マンガン(FeMnN)、クロム窒化物(CrN)、窒化ケイ素(Si3 N4 )等が例示される。目的とする鋼材組成に対応して、1種または2種以上の好適な窒素源粉末が選択されればよい。

0012

そして、この発明においては、粉末の粒径は、平均粒径として100μm以下とすることが好ましく、さらには、粒径は、200メッシュ(72μm)以下とすることが好ましい。

0013

また、タップ(充填)密度は、2.0〜4.0g/cm3 とするのが好ましい。より具体的には、200メッシュ(72μm)以下の窒素源粉末をタップ密度3.2±0.5g/cm3 の範囲に充填するのが好ましい。この充填密度により最小のバラツキ範囲が容易に得られる。窒素源粉末をパイプに詰めて添加合金として使用する場合、充填密度を可能なかぎり一定に保持することは、添加量をコントロールする上で重要な事項である。

0014

この発明においては、窒素源粉末を充填したのち10-3torr以下の真空に保持しながらパイプの一端を溶接で封入するのが好ましい。真空下での焼結処理の意味は、パイプに充填した窒素源粉末は大気雰囲気加熱焼結した場合、酸化物ができて、鋼塊の汚染源となり、また、酸化膜により焼結が不均一になってESR中、局所的に粒状の落下物となり、鋼塊中に欠陥を発生させる原因となるため、脱落防止を図ってこのような危険性を防止するためであり、また封入により充填粉末酸化防止を図ることができる。

0015

パイプ内を脱気せずに焼結する場合は、クロム窒化物は酸化すると焼結しにくいため、このような状況ではクロム窒化物の固体がESR中に部分的に落下する危険は避けられない。さらに、落下する固体は、溶融スラグ浴を通過するときに未溶解の状態では、スラグを付着してメタルプール落ち凝固するとスラグ巻き込みの原因となる危険を孕んでいる。

0016

工程能力を加味して焼結温度は700℃〜1000℃の範囲とする。窒素源粉末を充填したパイプ内の粉末は、650℃以下では焼結不充分であり、また1100℃以上では固化して体積収縮が著しく、溶接したパイプ内からESR中に落下の危険があるからであり、このような危険性を防止するためである。

0017

そして、高窒素含有鋼塊の製造条件で、加圧式ESR法における窒素雰囲気の圧力は、大気圧をこえる圧力であるが、100気圧程度までとするのが望ましい。大気圧以下では鋼種の成分によって定まるNの固溶限までしか固溶しないため、それ以上のNを固溶させるためには大気圧をこえる圧力下で溶解する必要がある。一方、100気圧以上の圧力を確保するためには膨大な設備費の高騰を招き、現実的ではないためである。

0018

以上のとおりの方法においては、前記の粉末を充填するパイプは鋼製のものであって、目的とする製鋼組成に対応した組成の鋼製パイプとして選択されることになる。

0019

製造されたこの発明の窒素添加用鋼製パイプは、加圧式ESRの消耗式電極等として有効に用いられることになる。これによって、たとえば3気圧以上のN2雰囲気下での加圧式ESRによって、N量が0.3〜2.0%という高窒素含有の鋼塊を効果的に製造することが可能となる。

0020

以下、この出願の発明を、実施例に沿ってさらに詳しく説明する。

0021

実施例1
図2製法フローに従って、まずボールミル粉砕機(A)の1種であるアトライター装置を使用して製造したクロム窒化物(CrN:窒素含有量20%)の微粉末(粒径5μm未満)を、外径12.7mm/内径10.22mm、長さ500mmのSUS316Lステンレス鋼パイプ(B)(一端封じ)の300mm長さに充填して充填密度3.2±0.3g/cm3 とした。そして、充填パイプ内を真空脱気(10-3torr)しながらもう一端をTIG溶接封入した。このようにして製作したクロム窒化物充填パイプを650℃、700℃、1,000℃、1,100℃、および1,200℃の各々の条件でそれぞれ1時間加熱焼結した。室温まで冷却後に各パイプの中央部を切断し、粉末の焼結状況を観察した。650℃の焼結では、粉末の焼結は不充分であって、また、1,100℃、1,200℃のものは、焼結はしているものの、1,000℃のものに比較して体積収縮が著しいことが確認された。

0022

この結果、750〜1000℃での焼結が好ましいことが確認された。実際にクロム窒化物を添加材としてESRする場合を考えると、焼結した窒化クロム自体を電極に固着するのは機械的手段ではむずかしい。すなわち、クロム窒化物は非常に脆く、溶接性はすこぶる悪いという物性上の問題があるからである。そこで、前記のSUS316Lステンレス鋼パイプに焼結したクロム窒化物の詰まったパイプを電極に取り付ける手段を採用し、ESRにともなう作業性を評価した。

0023

その結果、焼結温度が高くて体積収縮の大きなクロム窒化物の場合は、ESR中に固体がパイプより抜け落ちる危険性が大きいことが判明した。650℃の未焼結状態のものも同様に抜け落ちの危険性があった。
実施例2
加圧式ESR装置(D)による窒素添加試験を行った。

0024

窒素源にFeCrN(N含有量:7%、粒度200メッシュ以下)粉末を使用し、実施例1と同様にして外径12.7mmφ−内径10.22mmφ×長さ850mmL SUS316Lパイプにこの粉末を充填後、脱気−封入し、900℃の真空炉で焼結したパイプ8本を準備した。次に図3に示すように、外周部に8本の溝加工施工した65mmφ電極棒(10)を作製し、用意したパイプ(11)8本をそれぞれの溝にTIG溶接して取り付けた。

0025

このようにして作製した電極は、それぞれ窒素添加量として1.0%相当になるように作製され、ESR鋼塊としてSUS316Lの成分規格に入るように全体設計され、このような電極を合計4本準備した。

0026

次に、それぞれの電極を、100mmφ加圧式ESR装置(D)を使用し、CaF2-CaO- Al2 O3 系スラグを用いてESR処理した。溶解条件は、電流2000A、電圧28Vで、窒素ガス雰囲気で圧力をそれぞれ変え、10気圧、20気圧、30気圧、40気圧で一本ずつESRした。溶解後の溶け残った電極先端部を観察したところ、電極外周部に取り付けた窒素源添加用パイプは均等に溶解し、いずれもFeCrN粉末は落下せずにパイプ内に残存していることが確認された。

0027

このようにして溶製したESR鋼塊のうち、代表例として40気圧でESRした鋼塊Mid部の化学成分を表1に、そして鋼塊全体の窒素量の分布図4にそれぞれ示した。このように、加圧式ESR法と電極への合金添加技術を組み合わせた結果、各化学成分および窒素は偏析が少なく、かつ高窒素量の均質なESR鋼塊が製造できた。

0028

また、N量:0.3〜2.0%の高い窒素量を含有することができるので、合金鋼のオーステナイトの安定性や材料の強度向上を図ることができた。

0029

発明の効果

0030

以上詳しく説明したように、この出願の発明は、粉末の酸化防止、焼結促進、焼結体の落下防止等を図り、加圧式ESRによって、化学成分の偏析が少なく、高窒素量の均質な高品位の高窒素添加鋼を、再現性よく溶製することを可能とする。高いN量:0.3〜2.0%を含有することができるので、合金鋼のオーステナイトの安定性や材料の強度向上を図ることができる。

図面の簡単な説明

0031

図1圧力と窒素溶解度の関係を示す図である。
図2高窒素含有鋼の製法フロー図である。
図3窒素添加加圧式ESR電極形状の一例を示す図である。
図4加圧式ESR鋼塊の窒素量の分布を示す図である。

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