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課題

耐熱性が乏しい基材にも使用することが可能で、導体回路製造における硬化工程に要する時間が非常に短いため導体回路の量産性が高く、非接触IDの製造コストの低減に効果的な導電性ペーストの提供。

解決手段

導電性物質活性エネルギー線重合性化合物とを含有する導電性ペーストであって、前記活性エネルギー線重合性化合物を加速電圧150kV、照射線量40kGy電子線で硬化せしめたときの硬化皮膜内部応力が5〜50MPaである活性エネルギー線硬化型導電性ペースト、基材上に前記導電性ペーストを用いて回路パターンを形成し、活性エネルギー線照射する導体回路の製造方法、および前記方法で製造された導体回路およびICチップ基板上に積載した非接触ID。

概要

背景

近年、テレホンカード定期券、その他の用途で非接触ID、詳しくは非接触型ICカード非接触型ICタグ需要が増えつつある。非接触型ICカードおよび非接触型ICタグでは、テレホンカードの残量や定期券の有効期限等のデータのやり取りを電波を使用して行い、その通信に必要な電力も外部からの電波によって発生させている。これらの非接触ID(非接触型ICカード、非接触型ICタグ)の普及は、その製造コストの削減も大きな鍵を握っている。外部との通信、発電のための回路通称アンテナ回路)の製造法としては、銅張り基板からのエッチング法銅線巻き付け法、熱硬化性あるいは熱可塑性導電性ペーストによる印刷法等が実用化されている。

概要

耐熱性が乏しい基材にも使用することが可能で、導体回路製造における硬化工程に要する時間が非常に短いため導体回路の量産性が高く、非接触IDの製造コストの低減に効果的な導電性ペーストの提供。

導電性物質活性エネルギー線重合性化合物とを含有する導電性ペーストであって、前記活性エネルギー線重合性化合物を加速電圧150kV、照射線量40kGy電子線で硬化せしめたときの硬化皮膜内部応力が5〜50MPaである活性エネルギー線硬化型導電性ペースト、基材上に前記導電性ペーストを用いて回路パターンを形成し、活性エネルギー線照射する導体回路の製造方法、および前記方法で製造された導体回路およびICチップ基板上に積載した非接触ID。

目的

そこで、本発明は、上記の種々の問題点を改良し、耐熱性が乏しい基材にも使用することが可能で、導体回路製造における硬化工程に要する時間が非常に短いため導体回路の量産性が高く、非接触IDの製造コストの低減に効果的な導電性ペーストの提供を目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
4件
牽制数
3件

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請求項1

導電性物質活性エネルギー線重合性化合物とを含有する導電性ペーストであって、前記活性エネルギー線重合性化合物を加速電圧150kV、照射線量40kGy電子線で硬化せしめたときの硬化皮膜内部応力が5〜50MPaであることを特徴とする活性エネルギー線硬化型導電性ペースト。

請求項2

基材上に、請求項1記載の活性エネルギー線硬化型導電性ペーストを用いて回路パターンを形成し、活性エネルギー線照射することを特徴とする導体回路の製造方法。

請求項3

導電性ペースト中の活性エネルギー線重合性化合物の硬化皮膜の内部応力が5〜50MPaとなるように活性エネルギー線を照射することを特徴とする請求項2記載の導体回路の製造方法。

請求項4

活性エネルギー線が電子線であることを特徴とする請求項2または3記載の導体回路の製造方法。

請求項5

活性エネルギー線照射後加熱加圧処理を行うことを特徴とする請求項2ないし4いずれか1項に記載の導体回路の製造方法。

請求項6

請求項2ないし5いずれか1項に記載の方法で製造された導体回路。

請求項7

基板上に、請求項6記載の導体回路およびICチップ積載した非接触ID。

技術分野

0001

本発明は、電子材料用導電性ペーストに関する。さらに詳しくは、耐熱性が乏しい基材に対しても回路パターンの形成が可能で、かつ硬化が瞬時に終了するため、導体回路の量産性が良好な導電性ペーストに関する。

背景技術

0002

近年、テレホンカード定期券、その他の用途で非接触ID、詳しくは非接触型ICカード非接触型ICタグ需要が増えつつある。非接触型ICカードおよび非接触型ICタグでは、テレホンカードの残量や定期券の有効期限等のデータのやり取りを電波を使用して行い、その通信に必要な電力も外部からの電波によって発生させている。これらの非接触ID(非接触型ICカード、非接触型ICタグ)の普及は、その製造コストの削減も大きな鍵を握っている。外部との通信、発電のための回路通称アンテナ回路)の製造法としては、銅張り基板からのエッチング法銅線巻き付け法、熱硬化性あるいは熱可塑性導電性ペーストによる印刷法等が実用化されている。

発明が解決しようとする課題

0003

しかし、エッチング法および銅線巻き付け法は、工程が複雑であったり、後工程で廃液処理が必要であるため問題が多い。また、熱硬化性導電性ペーストは、バインダーとして熱硬化性樹脂および/またはガラスフリットなどの無機物質を用いているため、基材(被塗布物)に塗布または印刷後に高温で加熱する必要があった。加熱による硬化には、多大なエネルギー、加熱時間、加熱装置設置のための床面積を必要とし、不経済であるばかりでなく、次に示すような大きな制約があった。

0004

すなわち、ガラスフリット等の無機物質をバインダーとする導電性ペーストは、通常、800℃以上での焼成を必要とするため、合成樹脂系の基材には適用できない。一方、熱硬化型樹脂をバインダーとする導電性ペーストは、合成樹脂系の基材に対しても適用可能であるが、ペーストを硬化させる際の加熱によって基材が変形し、得られたプリント配線回路を用いた後工程の部品搭載に支障を来すなど大きな障害となっていた。

0005

また、熱可塑性導電性ペーストを使用した導体回路も、パーソナルコンピュターキーボード等に多用されているが、ポリエチレンテレフタレート等の基材が導電性ペーストの乾燥工程で収縮するため、その対策として、アニーリング等の前処理が必要であった。更に、乾燥には30〜60分の時間が必要で、かつ耐溶剤性がないなどの欠点を持っていた。

0006

そこで、本発明は、上記の種々の問題点を改良し、耐熱性が乏しい基材にも使用することが可能で、導体回路製造における硬化工程に要する時間が非常に短いため導体回路の量産性が高く、非接触IDの製造コストの低減に効果的な導電性ペーストの提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、電子線で硬化せしめたときの硬化皮膜内部応力特定範囲内にある活性エネルギー線重合性化合物をバインダーとする導電性ペーストは、活性エネルギー線照射することにより硬化し、耐熱性が乏しい基材上にも適切な体積固有抵抗値および良好な基材密着性を有する回路パターンを形成できることを見出し、本発明に至った。また、本発明者らは、前記の導電性ペーストを用いることにより容易に導体回路を量産でき、得られる導体回路は、非接触IDの回路として好適であることを見出した。

0008

すなわち、本発明は、導電性物質と活性エネルギー線重合性化合物とを含有する導電性ペーストであって、前記活性エネルギー線重合性化合物を加速電圧150kV、照射線量40kGyの電子線で硬化せしめたときの硬化皮膜の内部応力が5〜50MPaであることを特徴とする活性エネルギー線硬化型導電性ペーストである。また、本発明は、基材上に、上記活性エネルギー線硬化型導電性ペーストを用いて回路パターンを形成し、活性エネルギー線を照射することを特徴とする導体回路の製造方法である。また、本発明は、上記方法で製造された導体回路である。さらに、本発明は、基板上に、上記導体回路およびICチップ積載した非接触IDである。

発明を実施するための最良の形態

0009

本発明の導電性ペーストに用いられる活性エネルギー線重合性化合物は、該化合物を加速電圧150kV、照射線量40kGyの電子線で硬化せしめたときの硬化皮膜の内部応力が5〜50MPa、好ましくは10〜40MPaとなる化合物である。2種以上の活性エネルギー線重合性化合物を用いる場合には、混合物の内部応力が上記範囲内となる必要がある。活性エネルギー線重合性化合物の硬化皮膜の内部応力が5MPa未満の場合には、導電性ペーストとしての適切な体積固有抵抗値を発現しない。また、50MPaを越える場合には、導電性ペーストの基材密着性が低く、実用レベルに達しない。

0010

活性エネルギー線重合性化合物の硬化皮膜の内部応力は、以下の方法で測定される。すなわち、12μmのアルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレート(以下、PETという。)フィルムの非蒸着面に、内部応力を測定したい活性エネルギー線重合性化合物をスピンコーターで10μm程度になるように均一に塗工して皮膜を形成する。次に、この塗工物に、窒素雰囲気中で加速電圧150kV、照射線量40kGyの電子線を照射して皮膜を硬化させる。得られたアルミニウム蒸着PETフィルム上の硬化皮膜は、硬化収縮の為に、硬化皮膜を内側、PETフィルムを外側にした弧状にカールしている。この弧のたわみ曲率半径を測定する。

0011

更に、先に得られたアルミニウム蒸着PETフィルム上の硬化皮膜の弾性率をPETフィルム単品の弾性率と、硬化皮膜とPETフィルムの複合膜の弾性率から算出する。アルミニウム蒸着PETフィルム上の硬化皮膜の内部応力(P0)は、曲率半径(r:単位mm)、基材の弾性率(F:単位Pa)、硬化皮膜の弾性率(E:単位Pa)、PETフィルムの厚さ(d1:単位mm)、硬化皮膜の厚さ(d2:単位mm)から以下の式で計算される。
P0=2{F*(d1)3 +E*(d2)3 }/3r(d2)2

0012

活性エネルギー線重合性化合物とは、活性エネルギー線を照射することにより重合する化合物であり、エチレン性不飽和基を有する化合物が好適に用いられる。エチレン性不飽和基を有する化合物としては、(メタアクリル酸、(メタ)アクリレート系化合物、ビニエーテル系化合物ポリアリル化合物などが挙げらる。これらの化合物は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。

0013

(メタ)アクリレート系化合物のうち、単官能(メタ)アクリレート系化合物としては、メチル(メタ)アクリレートエチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、t- ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、n-ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4- ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイロキシエチルハイドロゲンサクシネート、(メタ)アクリロイロキシプロピルハイドロゲンフタレート、(メタ)アクリロイロキシエチル2-ヒドロキシプロピルフタレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2-ヒドキロキシ-3- アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。

0014

また、多官能の(メタ)アクリレート系化合物としては、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレートエポキシアクリレートエステルアクリレート等が挙げられる。

0015

上記多官能(メタ)アクリレート系化合物のうち3官能以上のウレタンアクリレートを用いると、硬化収縮率が大きくなり体固有抵抗値も低くなるが、密着性が低下することは無く、優れた活性エネルギー線硬化型導電性ペーストを得ることができる。ビニルエーテル系化合物のうち、単官能のビニルエーテル系化合物としては、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテルシクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテルシクロヘキシルビニルエーテル等が挙げられる。

0016

また、多官能のビニルエーテル系化合物としては、エチレングリコールジビニルエーテルジエチレングリコールジビニルエーテルトリエチレングリコールジビニルエーテルプロピレングリコールジビニルエーテルジプロピレングリコールジビニルエーテル、トリプロピレングリコールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジエールジビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル、グリセロールジビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサンジビニルエーテル、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサンジビニルエーテル、ビスフェノールAジエトキシジビニルエーテル、ビスフェノールSジエトキシジビニルエーテルなどのジビニルエーテル系化合物等が挙げられる。

0017

また、グリセロールトリビニルエーテル、ソルビトールテトラビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、ジペンタエリスリトールポリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンポリビニルエーテル等の3官能以上のポリビニルエーテル系化合物等が挙げられる。

0018

本発明の導電性ペーストに用いられる導電性物質としては、例えば金、銀、銅、銀メッキ銅粉、銀−銅複合粉、銀−銅合金ニッケルクロムパラジウムアルミニウムタングステンモリブデン白金などの金属粉、これらの金属で被覆した無機物粉末酸化銀酸化インジウムなどの金属酸化物粉末、これらの金属酸化物で被覆した粉末、またはカーボンブラックグラファイトなどが挙げられる。これらの導電性物質は、2種類以上を組み合わせて用いても良い。導電性物質のなかでは、高導電性酸化による抵抗値の上昇が少ないことから銀粉が好ましい。

0019

導電性物質の形状は、粒状、球状、フレーク状、鱗片状、板状、樹枝状立方体状等のいずれの形状でもよいが、導電性物質同士の接触および導電性ペーストの流動性の点から樹枝状、鱗片状または球状のものが好ましい。また、導電性物質は、その平均粒径が0.1μm〜100μmのものを用いることができるが、導電性および導電性ペーストの流動性の点から、平均粒径1μm〜50μmのものが好適に用いられる。なお、本発明における平均粒径は、レーザー回折法で測定される体積平均粒径である。

0020

本発明の導電性ペースト中の導電性物質と活性エネルギー線重合性化合物の配合比は、導電性物質と活性エネルギー線重合性化合物の合計量を基準として、導電性物質が95〜55重量%で、活性エネルギー線重合性化合物が5〜45重量%である。導電性物質の配合比が95重量%を越えると、導電性ペーストを用いて形成される塗膜脆弱になるとともに、導電性が低下する。また、55重量%未満では十分な導電性が得られない。好ましくは、導電性物質が90〜60重量%で、活性エネルギー線重合性化合物が10〜40重量%である。

0021

本発明の導電性ペーストを紫外線で硬化する場合には、導電性ペーストに光重合開始剤光重合開始助剤を添加することができる。また、本発明の導電性ペーストには、粘度を調整する目的で溶剤を添加することができる。溶剤としては、例えばケトン類芳香族類アルコール類セロソルブ類、エーテルアルコール類エステル類などを使用できる。これらの溶剤は、2種類以上を組み合わせて用いても良い。ケトン類としてはメチルエチルケトンメチルイソブチルケトン3−ペンタノン2−ヘプタノン等が挙げられ、芳香族類としてはトルエンキシレンエチルベンゼンクロロベンゼン等が挙げられる。

0022

アルコール類としてはメタノールエタノールイソプロパノールノルマルブタノールイソブタノールエチレングリコール、プロピレングリコール、ペンルアルコール等が挙げられ、セロソルブ類としてはメチルセロソルブ、エチルセロソルブブチルセロソルブヘキシルセロソルブ等が挙げられる。エーテルアルコール類としてはプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル等が挙げられ、エステル類としては酢酸エチル酢酸ブチルノルマルセロソルブアセテートブチルカルビトールアセテート等が挙げられる。

0023

導体回路は、基材上に、本発明の導電性ペーストを用いて回路パターンを形成し、活性エネルギー線を照射することにより製造することができる。基材としては、エポキシ積層板、紙−フェノール基板、紙、合成紙、ポリエチレンテレフタレートフィルムポリプロピレンフィルム塩化ビニルフィルム等を用いることができる。また、回路パターンの形成は、シルクスクリーン印刷オフセット印刷メタルマスク印刷等により行うことができる。

0024

活性エネルギー線は、導電性ペーストの硬化トリガーとして使用されるエネルギー線であり、例えば、紫外線、電子線、γ線赤外線可視光線が挙げられるが、導体回路内部までの硬化性、導体回路が形成される基材への影響の少なさの点から電子線が好適である。活性エネルギー線は、導電性ペースト中の活性エネルギー線重合性化合物の硬化皮膜の内部応力が5〜50MPaとなるような条件で照射することが好ましい。導電性ペースト中の活性エネルギー線重合性化合物の硬化皮膜の内部応力が5MPa未満の場合には、導電性ペーストの体積固有抵抗値が高くなり、50MPaを越える場合には、導電性ペーストの基材密着性が低くなる。

0025

電子線は、好ましくは100〜1000kV、更に好ましくは150〜250kVの範囲に加速電圧を持つ電子線照射装置により得られる。加速電圧100kV未満の電子線では導体回路内部までの十分な硬化が得られ難く、1000kVを越える電子線では基材に対するダメージが大きくなる。また、電子線の照射線量(dose)は、好ましくは1〜1000kGy、更に好ましくは5〜200kGyの範囲である。照射線量が1kGyより少ないと十分に硬化した導体回路が得られにくく、また1000kGyより大きいと基板に対するダメージが大きいため好ましくない。

0026

本発明の導電性ペーストは、活性エネルギー線照射による硬化後に、120℃以上2分程度の加熱を行うと抵抗値の低減をすることができる。しかし、120℃以上の温度での加熱は、耐熱性の乏しい基材には変形等が発生し適用できない。そこで、本発明の導電性ペーストを使用した導体回路の製造方法では、80〜100℃程度の温度で加熱した状態で加圧処理を行うことが好ましい。加熱処理と加圧処理を併用することにより、基材に変形等が発生しない80〜100℃程度の温度で、導電性物質の配向を促し、抵抗値を低減することができる。

0027

80℃未満の加熱では、抵抗値を低減させるのに十分な導電性物質の配向が促進できず、100℃を越えて加熱すると、耐熱性に著しく乏しい基材を用いた場合に基材の変形が発生するおそれがあるため好ましくない。加圧処理は、ロールにより行うことができ、好ましくは5〜20kgf/cm、更に好ましくは8〜12kgf/cmの圧力がかかるようにする。圧力が5kgf/cmの場合は、抵抗値を低減させるのに十分な導電性物質の配向が促進できず、20kgf/cmを越える場合は、生産性が悪くなるため好ましくない。

0028

上記の方法で製造された導体回路は、基板上にICチップと共に積載され、非接触IDが得られる。基板は、導体回路およびICチップを保持するものであり、導体回路の基材と同様な紙、フィルムなどを用いることができる。また、ICチップは、データの記憶、蓄積演算をおこなうものである。非接触IDは、RFID(Radio Frequency Identification)、非接触型ICカード、非接触型ICタグ、データキャリア記録媒体)、ワイヤレスカードとして、リーダー、あるいはリーダーライターとの間で、電波を使用して個体の識別データ送受信を行うものである。その使用用途としては料金徴収システム金融管理システム等の決済処理入退室者管理システム医療用管理システム等のID管理履歴管理道路利用状況管理システム貨物荷物追跡・管理システム等の位置管理などがある。

0029

次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例中に部とあるのは重量部である。
評価方法
(1)内部応力;内部応力を測定したい活性エネルギー線重合性化合物を、12μmのアルミニウム蒸着PETフィルムの非蒸着面に、スピンコーターで10μm程度になるように均一に塗工した。次に、この塗工物に、窒素雰囲気中で加速電圧150kV、吸収線量40kGyの条件下で電子線を照射して硬化させた。硬化収縮の為に弧状にカールしたアルミニウム蒸着PETフィルム上のたわみ曲率半径をレーザー変位測定器で測定した。更に、このアルミニウム蒸着PETフィルム上の硬化皮膜の弾性率をPETフィルム単品の弾性率と硬化皮膜とPETフィルムの複合膜の弾性率から算出した。アルミニウム蒸着PETフィルム上の硬化皮膜の内部応力(P0)を、たわみ曲率半径(r:単位mm)、基材の弾性率(F:単位Pa)、硬化皮膜の弾性率(E:単位Pa)、PETフィルムの厚さ(d1:単位mm)、硬化皮膜の厚さ(d2:単位mm)から以下の式で計算した。
P0=2{F*(d1)3 +E*(d2)3 }/3r(d2)2

0030

(2)体積固有抵抗値;フィルム上に、幅3mm、厚さ約30μmに導電性ペーストを塗布して硬化させ、抵抗は四探針抵抗測定器を用いて、膜厚膜厚測定器を用いて測定し、測定結果から体積固有抵抗値を算出した。
(3)密着性;フィルム上に、エッジコーターを用いて厚さ30μm に導電性ペーストを塗布して硬化させ、硬化皮膜にカッターナイフにてクロスカットを行い、セロハンテープ剥離テストを実施した。
(4)基材への影響;得られた導体回路の基材の変形、着色、割れ目視により観察した。

0031

◎実施例、比較例で使用した化合物を略語を記す。
重合性化合物
BS575:6官能ウレタンアクリレート(荒川化学社製)
UA−306H:6官能ウレタンアクリレート(共栄社化学社製)
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
BADGDA:ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート
HX−620:2官能エステルアクリレート(日本化薬社製)
4−HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート
TPGDA:トリプロピレングリコールジアクリレート
(導電性物質)
SF−65:鱗片状銀粉デグサジャパン製、平均粒径2.5μm)
(光重合開始剤)
Irg907:2−メチル−1[4−(メチルチオフェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製)

0032

[実施例1〜4、比較例1〜2]
(a)導電性ペーストの調製方法
表1に示す各成分をかいらい機で予備混合した後、3本ロールで混練し、導電性ペーストを調整した。
(b)導体回路の製造方法
予めコロナ処理したPET基材上に、導電性ペーストを用いて200メッシュステンレススチールスクリーン版により回路パターンを形成した。つぎに、エリアビーム型電子線照射装置「Curetron EBC-200-20-30」(日新ハイボルテージ社製)を用いて、加速電圧175kV、照射線量40Gyの条件で電子線を照射して、導体回路を得た。

0033

[比較例3]実施例1と同様にして導電性ペーストを調製し、PET基材上に回路パターンを形成した。つぎに、120Wメタルハライドランプを2灯用いて、20cmの距離から紫外線を照射して、導体回路を得た。
[比較例4]ビスフェノールFジグリシジルエーテル(日本化薬社製「RE−404S」)91.3部、レゾルシルグリシジルエーテル(ナガセ化成工業社製「デナコールEX−201」)39.1部、ジシアンジアミド(味の素社製「AH−154」)21.9部、銀粉「SF−65」794.8部およびn−ブチルセルソルブアセテート試薬特級、東京化成社製)53.0部をかいらい機で予備混合した後、3本ロールで混練し、導電性ペーストを得た。この導電性ペーストを用いて実施例1と同様にして基材上に回路パターンを形成し、ボックスオーブンを使用して180℃30分で加熱硬化させ、導体回路を得た。

0034

[実施例5]実施例1と同様にして導電性ペーストを調整し、基材上に回路パターンを形成したのち、実施例1と同様の条件で電子線を照射した。更に、温度100℃、圧力10kgf/cmの条件で加熱加圧ロール処理を行い、導体回路を得た。
[実施例6]加熱加圧処理の温度を25℃に代えた以外は、実施例5と同様にして導体回路を得た。

0035

実施例および比較例で調製した導電性ペーストの組成、および評価結果を表1に示す。

0036

発明の効果

0037

本発明により、耐熱性が乏しい基材にも使用することが可能で、硬化に要する時間が非常に短い導電性ペーストが得られた。本発明の導電性ペーストを用いることにより、導体回路が容易に量産でき、非接触IDの製造コストを低減することができる。

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