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技術 制動ドラムアセンブリ及びその製作方法

出願人 いすゞ自動車株式会社
発明者 浅野雅樹岩男信幸小川誠小林晋
出願日 1999年8月10日 (21年4ヶ月経過) 出願番号 1999-225922
公開日 2001年2月27日 (19年10ヶ月経過) 公開番号 2001-057770
状態 特許登録済
技術分野 電動機,発電機と機械的装置等との結合 電動クラッチ,電動ブレーキ
主要キーワード 水平ボルト 直ボルト 中央部内周面 いんろう 中空円環状 強磁性部材 溶接ビーム 切削仕上げ
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図面 (9)

課題

所望のとおりの十分な制動トルクを得るようにすること。

解決手段

制動ドラム7と、複数のアーム76を含むホイル72とを備えた制動ドラムアセンブリ70及びその製作方法。アーム76に形成された取付面77が制動ドラム7の一端面7eに当接された状態で取付面77と制動ドラム7の内周面との間に形成される角部が溶接により固定され、角部の各々には溶接によるビード78が形成される。制動ドラム7の、ビード78の表面を含む一端部内周面には、銅Cuがその全周にわたって連続して接合される。制動ドラム7の内周面は、制動ドラム7それ自身の内周面、銅Cuの内周面及びビード78の表面からなる連続した切削面により規定される。

概要

背景

渦電流式減速装置は、複数の磁石により形成される磁界の中で制動ドラムを回転させることにより制動ドラムに渦電流を発生させ、該渦電流に基づく制動トルクによって制動ドラムに制動を作用させ、減速させるよう構成されている。すなわち、上記のような渦電流式減速装置においては、磁石が制動ドラムに及ぼす磁界と、制動ドラムが磁界の中で回転することにより発生する渦電流との相互作用によって制動力が発生させられる。このような作用を効果的に遂行するため、制動ドラムに鉄あるいは鋼等の透磁率の大きな材料を使用し、制動ドラムの一部に銅等の導電率の大きな材料を接合する技術が既に提案されている。

例えば特開平10−243627号公報に開示された渦電流式減速装置は、回転軸に連結された制動ドラムと、制動ドラムの内側に同軸に配設された環状のケースとを備えている。制動ドラムは、それと一体の、複数のアームを含むホイルを介して回転軸に連結されている。制動ドラムは鉄あるいは鋼等の透磁率の大きな材料である(強磁性体)から形成されている。ケースは、制動ドラムの内周面近接した、アルミニウム等の非磁性体からなる外周壁を備えている。ケース内には強磁性体からなる支持筒軸方向移動可能に支持されている。支持筒には周方向に間隔をおいて複数の永久磁石が支持されている。磁石の各々は、半径方向両端磁極面を有している。ケースの上記外周壁には、磁石の各々に対応して強磁性部材が一体に鋳込まれている。強磁性部材の各々は、対応する磁石の磁極面と制動ドラムの内周面とにそれぞれ面するよう配設されている。制動ドラムの内周面には、導電率の大きな材料からなる環状体、例えば銅が接合されている。この銅は、強磁性部材に対向しない、少なくとも制動ドラムの軸方向の一方の端部に接合されている。

支持筒がアクチュエータによって軸方向に往復移動させられることにより、制動と非制動との切換えが行なわれる。非制動時には、支持筒が磁石の各々と共に軸方向に制動ドラムの外側に退避させられる。磁石の各々の磁界は制動ドラムに及ばないので、制動ドラムに渦電流は発生せず非制動となる。制動時には、支持筒が磁石の各々と共に軸方向に制動ドラムの外側から内側に移動させられ、磁石の各々が、対応する強磁性部材に面するよう位置付けられる。支持筒、磁石の各々、強磁性部材の各々及び制動ドラムの間に磁気回路が形成されるので、制動ドラムに渦電流が発生して、制動が作用する。上記したように、強磁性部材に対向しない、少なくとも制動ドラムの軸方向の一方の端部には、銅が接合されているので、制動ドラムに発生する渦電流が増加すると共に冷却性も向上させられ、制動トルクが増大させられる。

概要

所望のとおりの十分な制動トルクを得るようにすること。

制動ドラム7と、複数のアーム76を含むホイル72とを備えた制動ドラムアセンブリ70及びその製作方法。アーム76に形成された取付面77が制動ドラム7の一端面7eに当接された状態で取付面77と制動ドラム7の内周面との間に形成される角部が溶接により固定され、角部の各々には溶接によるビード78が形成される。制動ドラム7の、ビード78の表面を含む一端部内周面には、銅Cuがその全周にわたって連続して接合される。制動ドラム7の内周面は、制動ドラム7それ自身の内周面、銅Cuの内周面及びビード78の表面からなる連続した切削面により規定される。

目的

本発明は上記事実に基づいてなされたものであり、その目的は、渦電流式減速装置に使用したとき、所望のとおりの十分な制動トルクを得ることができる、新規な制動ドラムアセンブリ及びその製作方法を提供することである。

本発明の他の目的は、アームと制動ドラムとの溶接部における溶接割れを確実に防止することができる、新規な制動ドラムアセンブリ及びその製作方法を提供することである。

本発明の他の目的は、コスト低減を可能にする、新規な制動ドラムアセンブリ及びその製作方法を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

制動ドラムと、半径方向外方に延び出しかつ周方向に間隔をおいて位置付けられた複数のアームを含むホイルとを備え、アームの各々の先端部に形成された取付面が制動ドラムの軸方向の一端面に当接された状態でアームの各々の取付面と制動ドラムの内周面との間に形成される角部が溶接により固定され、角部の各々には溶接によるビードが形成され、制動ドラムの、上記ビードの各々の表面を含む一端部内周面には、銅がその全周にわたって連続して接合され、制動ドラムの内周面は、制動ドラムそれ自身の内周面、銅の内周面及びビードの各々の表面からなる連続した切削面により規定される、ことを特徴とする制動ドラムアセンブリ

請求項2

制動ドラムの上記一端部内周面には大径の環状溝が形成され、上記角部の各々は対応するアームの取付面と溝の内周面との間に形成され、銅は溝の内周面の全周にわたって接合される、請求項1記載の制動ドラムアセンブリ。

請求項3

制動ドラムの軸方向の一端面に、半径方向外方に延び出しかつ周方向に間隔をおいて位置付けられた、ホイルにおける複数のアームの各々の先端部に形成された取付面を当接し、アームの各々の取付面と制動ドラムの内周面との間に形成される角部を溶接により固定し、制動ドラムの、溶接により角部の各々に形成されるビードの表面を含む一端部内周面に、銅をその全周にわたって連続して接合し、制動ドラムの内周面を切削加工することにより、制動ドラムの内周面に、制動ドラムそれ自身の内周面、銅の内周面及びビードの各々の表面からなる連続した切削面を形成する、ことを特徴とする制動ドラムアセンブリの製作方法

請求項4

制動ドラムの、上記一端部内周面に予め大径の環状溝を形成し、上記角部の各々を対応するアームの取付面と溝の内周面との間に形成し、銅を溝の内周面の全周にわたって接合する、請求項3記載の制動ドラムアセンブリの製作方法。

技術分野

0001

本発明は、車両、特にトラック等の大型車両メインブレーキであるフットブレーキ補助するのに使用される渦電流式減速装置に適用される制動ドラムアセンブリ及びその製作方法に関する。

背景技術

0002

渦電流式減速装置は、複数の磁石により形成される磁界の中で制動ドラムを回転させることにより制動ドラムに渦電流を発生させ、該渦電流に基づく制動トルクによって制動ドラムに制動を作用させ、減速させるよう構成されている。すなわち、上記のような渦電流式減速装置においては、磁石が制動ドラムに及ぼす磁界と、制動ドラムが磁界の中で回転することにより発生する渦電流との相互作用によって制動力が発生させられる。このような作用を効果的に遂行するため、制動ドラムに鉄あるいは鋼等の透磁率の大きな材料を使用し、制動ドラムの一部に銅等の導電率の大きな材料を接合する技術が既に提案されている。

0003

例えば特開平10−243627号公報に開示された渦電流式減速装置は、回転軸に連結された制動ドラムと、制動ドラムの内側に同軸に配設された環状のケースとを備えている。制動ドラムは、それと一体の、複数のアームを含むホイルを介して回転軸に連結されている。制動ドラムは鉄あるいは鋼等の透磁率の大きな材料である(強磁性体)から形成されている。ケースは、制動ドラムの内周面近接した、アルミニウム等の非磁性体からなる外周壁を備えている。ケース内には強磁性体からなる支持筒軸方向移動可能に支持されている。支持筒には周方向に間隔をおいて複数の永久磁石が支持されている。磁石の各々は、半径方向両端磁極面を有している。ケースの上記外周壁には、磁石の各々に対応して強磁性部材が一体に鋳込まれている。強磁性部材の各々は、対応する磁石の磁極面と制動ドラムの内周面とにそれぞれ面するよう配設されている。制動ドラムの内周面には、導電率の大きな材料からなる環状体、例えば銅が接合されている。この銅は、強磁性部材に対向しない、少なくとも制動ドラムの軸方向の一方の端部に接合されている。

0004

支持筒がアクチュエータによって軸方向に往復移動させられることにより、制動と非制動との切換えが行なわれる。非制動時には、支持筒が磁石の各々と共に軸方向に制動ドラムの外側に退避させられる。磁石の各々の磁界は制動ドラムに及ばないので、制動ドラムに渦電流は発生せず非制動となる。制動時には、支持筒が磁石の各々と共に軸方向に制動ドラムの外側から内側に移動させられ、磁石の各々が、対応する強磁性部材に面するよう位置付けられる。支持筒、磁石の各々、強磁性部材の各々及び制動ドラムの間に磁気回路が形成されるので、制動ドラムに渦電流が発生して、制動が作用する。上記したように、強磁性部材に対向しない、少なくとも制動ドラムの軸方向の一方の端部には、銅が接合されているので、制動ドラムに発生する渦電流が増加すると共に冷却性も向上させられ、制動トルクが増大させられる。

発明が解決しようとする課題

0005

上記従来の渦電流式減速装置を実施するためには、少なくとも制動ドラムの軸方向の一方の端部の内周面に銅を結合する必要がある。しかしながら、制動ドラムの軸方向の一端面には、ホイルのアームの各々の取付面が当接され、アームの各々の取付面と制動ドラムの内周面との間に形成される角部が溶接により接合されることにより、制動ドラムと複数のアームを含むホイルとからなる制動ドラムアセンブリが形成されるので、銅を接合すべき制動ドラムの上記一方の端部の内周面と上記溶接部の各々とは相互に位置的に干渉しあうことになり、銅の接合が困難となる。

0006

制動ドラムの内周面における軸方向の一端部に銅を接合するための方法としては、次のような手段が考えられる。先ず、アームが溶接される前の制動ドラムの一端部における内周面に、予め他の部分より大径の環状溝を形成する。この環状溝の内周面の全周にわたって、銅を接合する。次にアームの各々の取付面が溶接される位置に存在する銅を切削により除去する。なおこのように銅を切削、除去するときの制動ドラムのチャッキング場所として制動ドラムの内周面を利用するため、チャッキング面を制動ドラムの円周に対して同心にする必要があり、制動ドラムの内周面を銅の内周面も含め、センタリングのための切削加工を施す。この内周面の切削加工は、上記した、銅を切削により部分的に除去する工程の前工程として行なわれる。次いで、ホイルのアームの各々の取付面と制動ドラムの一端部における内周面(銅が切削除去された部分)とを溶接により接合して制動ドラムアセンブリを形成する。この後、制動ドラムの内周面を再度切削して仕上げバランス取りを行なって製作を完了する。

0007

しかしながら上記方法には次のような問題が存在する。
(1)制動ドラムに接合する銅が、アームと制動ドラムとの溶接部における切削・除去により、周方向に不連続となるため、制動ドラムに発生する渦電流を所望のとおりに十分に増大させることができず、しかも熱伝達性(したがって冷却性能)が低下させられる。その結果、渦電流式減速装置に使用したとき、その制動トルクが低下させられる。
(2)ホイルのアームが溶接される位置に存在する銅を切削により除去した後にアームの各々を溶接するため、切削除去しきれない微量な銅がアームの溶接中ビード混入して溶接割れが発生するおそれがある。
(3)銅を切削、除去するためのチャッキングのため、制動ドラムの内周面にセンタリングのための切削加工を行なう必要がある。このため、母材である制動ドラムの体積を予め増大させておく必要があり、コストアップとなる。

0008

本発明は上記事実に基づいてなされたものであり、その目的は、渦電流式減速装置に使用したとき、所望のとおりの十分な制動トルクを得ることができる、新規な制動ドラムアセンブリ及びその製作方法を提供することである。

0009

本発明の他の目的は、アームと制動ドラムとの溶接部における溶接割れを確実に防止することができる、新規な制動ドラムアセンブリ及びその製作方法を提供することである。

0010

本発明の他の目的は、コスト低減を可能にする、新規な制動ドラムアセンブリ及びその製作方法を提供することである。

0011

本発明のその他の目的及び特徴は、本発明に従って構成された制動ドラムアセンブリ及びその製作方法の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する後の記載から明らかになるであろう。

課題を解決するための手段

0012

本発明の一局面によれば、制動ドラムと、半径方向外方に延び出しかつ周方向に間隔をおいて位置付けられた複数のアームを含むホイルとを備え、アームの各々の先端部に形成された取付面が制動ドラムの軸方向の一端面に当接された状態でアームの各々の取付面と制動ドラムの内周面との間に形成される角部が溶接により固定され、角部の各々には溶接によるビードが形成され、制動ドラムの、上記ビードの各々の表面を含む一端部内周面には、銅がその全周にわたって連続して接合され、制動ドラムの内周面は、制動ドラムそれ自身の内周面、銅の内周面及びビードの各々の表面からなる連続した切削面により規定される、ことを特徴とする制動ドラムアセンブリ、が提供される。

0013

本発明の他の局面によれば、制動ドラムの軸方向の一端面に、半径方向外方に延び出しかつ周方向に間隔をおいて位置付けられた、ホイルにおける複数のアームの各々の先端部に形成された取付面を当接し、アームの各々の取付面と制動ドラムの内周面との間に形成される角部を溶接により固定し、制動ドラムの、溶接により角部の各々に形成されるビードの表面を含む一端部内周面に、銅をその全周にわたって連続して接合し、制動ドラムの内周面を切削加工することにより、制動ドラムの内周面に、制動ドラムそれ自身の内周面、銅の内周面及びビードの各々の表面からなる連続した切削面を形成する、ことを特徴とする制動ドラムアセンブリの製作方法、が提供される。

発明を実施するための最良の形態

0014

以下、本発明の好適実施形態を添付図面を参照して更に詳細に説明する。なお、図1図8において実質上同一部分は同一符号で示されている。図1を参照して、図示しない車両であるトラックにおけるトランスミッション出力軸(回転軸)2には、半径方向外方に延びるフランジ部4が取り付けられている。フランジ部4には、パーキングブレーキ用の制動ドラム6と、渦電流式減速装置用のロータである制動ドラム7のホイル72とが複数のボルト8により共締めされている。以上の構成により制動ドラム7は出力軸2に連結される。制動ドラム7は鉄などの透磁率の大なる強磁性体から形成されている。制動ドラム7の半径方向外側には複数の冷却フィン9が一体に設けられている。制動ドラム7とホイル72とにより制動ドラムアセンブリ70が構成されるが、本発明の特徴をなす制動ドラムアセンブリ70の構成及びその製作方法については後に詳述する。制動ドラム7の内側(環状空間の内側)には、中空円環状のケース10が同軸に配設されている。ケース10はそのほぼ全体が制動ドラム7の内側に配置されている。図示しないミッションケースに装着されたケース10は、全体がほぼ円筒形状をなす外周壁12と、外周壁12よりも小径内周壁14と、外周壁12及び内周壁14の軸方向両端においてそれらを連結するように配設された円環状の端壁16及び18とから構成されている。外周壁12は図1に示すように制動ドラム7の内側に配置されかつ制動ドラム7の内周面に近接して配置されている。外周壁12と端壁18、内周壁14と端壁16は、それぞれ一体に形成され、これら二つの構成部材は複数のボルトにより結合されている。端壁16は、図示しないミッションケースに装着されると共にミッションケースに装着されたリアカバー後端外周部に嵌合保持されている。ケース10は、後述する強磁性部材28の各々を除き、全体が例えばアルミニウムなどの非磁性体から構成されている。ケース10の円環状の中空部は、図1に示すように縦断面がほぼ矩形状をなしている。

0015

ケース10内の内周壁14には、それぞれ強磁性体からなる静止支持筒20と可動支持筒22とが軸方向に並列して支持されている。静止支持筒20は端壁18及び内周壁14に固定され、可動支持筒22は内周壁14にベアリング24を介して正逆回動可能に支持されている。円筒形状をなす静止支持筒20及び可動支持筒22の各々の外周部には、周方向に等間隔をおいて複数の磁石26が配設されている。磁石26の各々は、実質上直方体形状をなす永久磁石から構成されている。支持筒20及び22における磁石26の各々はまた、半径方向両端に磁極面を有しかつ周方向に隣合う相互の磁極が互いに異極(N−S)となるよう配列されると共に支持筒20及び22の各々間で並列されるよう配設されている。

0016

ケース10の外周壁12には、周方向に等間隔をおいて複数の強磁性部材28が鋳込まれることにより一体に配設されている。強磁性部材28の各々は外周壁12の一部により周方向に仕切られている。強磁性部材28の各々は、支持筒20及び22の各々間で並列される磁石26の各々に対応してその一方から他方にわたって軸方向に延在するよう外周壁12に配設されている。外周壁12に鋳込まれた、鉄等の強磁性体からなる強磁性部材28の各々は、実質上同一の形状及び寸法を有すると共に実質上直方体形状をなし、しかも支持筒20及び22の各々間で並列される磁石26の各々の半径方向外側の磁極面及び制動ドラム7の内周面にそれぞれ面するよう配置されている。強磁性部材28の各々の内周面は外周壁12の内周面と実質上同一面上に位置付けられ、また各々の外周面は外周壁12の外周面と実質上同一面上に位置付けられている。ケース10には、可動支持筒22を静止支持筒20に対して正逆回動させて制動と非制動との切換を行なうアクチュエータである図示しないエアシリンダ機構付設されている。

0017

以上のように構成された渦電流式減速装置を作動させて、走行中のトラックに制動(補助制動)を作用させる(制動ONとする)場合には、エアシリンダ機構を作動させて可動支持筒22及びその磁石26の各々を制動位置に位置付ける。これにより、可動支持筒22における磁石26の各々は、静止支持筒20の磁石26の各々の同極側と並列して位置付けられる(同極同士が隣接される)。外周壁12の強磁性部材28の各々は、支持筒20及び22の各々間で並列された磁石26の各々の半径方向外側の磁極面及び制動ドラム7の内周面にそれぞれ面するよう相対的に位置付けられる。その結果、可動支持筒22及びその磁石26の各々、強磁性部材28の各々及び制動ドラム7の間、及び、静止支持筒20及びその磁石26の各々、強磁性部材28の各々及び制動ドラム7の間に、それぞれ磁気回路が形成されるので、それに対応して制動ドラム7に渦電流が発生し、制動ドラム7に対する制動が作動させられる。

0018

制動を解除させて非制動状態切り換える(制動をOFFに切り換える)場合には、エアシリンダ機構を作動させて可動支持筒22を制動位置から他方に回動させ、可動支持筒22及びその磁石26の各々を非制動位置に位置付ける。可動支持筒22の磁石26の各々は、静止支持筒20の磁石26の各々に対し異極同士が並列されるよう位置付けられる。ケース10の外周壁12における強磁性部材28の各々は、静止支持筒22及び可動支持筒20の各々間で異極同士が並列された磁石26の各々の半径方向外側の磁極面に面するよう相対的に位置付けられる。その結果、可動支持筒22及びその磁石26の各々、静止支持筒20及びその磁石26の各々、及び外周壁12の対応する強磁性部材28の間に磁気回路が短絡して形成され、制動ドラム7との間は磁気的に遮断されるので、制動ドラム7に対する制動は解除される。上記した渦電流式減速装置の基本的構成及び作用それ自体は本発明の特徴をなすものではないので、これ以上の詳細な説明は省略する。

0019

次に、図2図8を参照して、上記渦電流式減速装置に備えられている、本発明による制動ドラムアセンブリ70、及びその製作方法について詳細に説明する。先ず図2図4を参照して、本発明による製作方法により製作された制動ドラムアセンブリ70について説明する。制動ドラムアセンブリ70は、制動ドラム7と、ホイル72とから構成されている。ホイル72は、全体がほぼリング形状をなす本体部74と、本体部74の外周部に形成された複数(実施形態では8個)のアーム76とから構成されている。本体部74の内周部の2箇所には、内周部から半径方向内側に延び出す取付フランジ75が一体に形成されている。取付フランジ75の各々は、ホイル72の軸心に対し互いに180°をなす対称位置に配置されている。取付フランジ75の各々には、それぞれ取付孔75aが形成されている。互いに実質上同一の形状をなすアーム76の各々は、本体部74の外周部から半径方向外方に延び出しかつ周方向に等間隔をおいて位置付けられるよう一体に形成されている。アーム76の各々の先端部の、ホイル72の軸方向における同じ片側には、取付面77が形成されている。アーム76の各々の取付面77は、ホイル72の軸線に対して直交する図示しない一つの平面上に存在するよう位置付けられている。

0020

制動ドラム7の軸方向の少なくとも一端部内周面、この実施形態においては軸方向の両端部内周面には、それぞれ、軸方向の中央部内周面よりも大径の環状溝7a及び7bが形成されている。また制動ドラム7の軸方向の他端面7cにも環状溝7dが形成されている。図4に明確に示されているように、環状溝7bと7dとは相互に連続しかつ断面がL形状をなしている。ホイル72におけるアーム76の各々の先端部に形成された取付面77が制動ドラム7の軸方向の一端面7eに当接された状態で、アーム76の各々の取付面77と制動ドラム7の内周面である環状溝7aの内周面との間に形成される実質上直角をなす角部が、TIG溶接により固定されている。上記角部の各々にはTIG溶接によるビード78が形成される。以上により制動ドラム7とホイル72とが一体に連結される。なお図示はされていないが、必要に応じ、アーム76の各々の周方向の両端と制動ドラム7の一端面7eとの間に形成される角部の各々にもTIG溶接を施せば取付強度は一層向上する。制動ドラム7の、上記ビード78の各々の表面の少なくとも一部を含む一端部内周面(環状溝7aの内周面)、他端部内周面(環状溝7bの内周面)及び軸方向の他端面7c(環状溝7dの内周面)には、それぞれ銅Cuが、全周にわたって連続してTIG溶接により接合されている。後述するように、制動ドラム7の内周面はこの状態で所定の内径に切削されるので、制動ドラム7の内周面は、制動ドラム7それ自身の内周面、銅Cuの内周面及びビード78の各々の表面からなる連続した切削面により規定される。なお制動ドラム7の他端面7cの環状溝7d内に接合された銅Cuの表面も適宜に切削仕上げされることが好ましい。上記のように構成された制動ドラムアセンブリ70が渦電流式減速装置に装着された状態で、制動ドラム7に接合された銅Cuの各々には、ケース10の外周壁12に配設された強磁性部材28の各々に対向しない軸方向の両端部に位置付けられる(図1参照)。

0021

次に上記のように構成された本発明による制動ドラムアセンブリ70の製作方法(手順)の実施形態について説明する。
(1)先ず、制動ドラム7の、上記一端部内周面及び他端部内周面に、予め中央部内周面よりも大径の環状溝7a及び7bを切削により形成する。また制動ドラム7の、他端面7cにも環状溝7dを形成する。
(2)制動ドラム7にホイル72を仮溶接する。図5を参照して、水平面32と、水平面32に形成された環状突部34とを含む治具30の水平面32上に、制動ドラム7をセットする。この位置付けは、制動ドラム7の環状溝7bを環状突部34に離脱自在に嵌合することにより行なう(いわゆる「いんろう」と称する形態のロックを行なう)。次に環状突部34の半径方向外側周縁に、上記アーム76の各々に対応して配置された複数(実施形態では8個)の治具40を利用してホイル72を制動ドラム7の一端面7eに位置付ける。治具40の各々は、治具30の水平面32から鉛直上方に延びるよう配設された直立部42と、直立部42の上端から半径方向内側に延びる水平部44と、直立部42に半径方向に水平に貫通するようね係合された水平ボルト46と、水平部44に鉛直方向に鉛直に貫通するようねじ係合された鉛直ボルト48とを備えている。制動ドラム7の軸方向の一端面7eに、ホイル72のアーム76の各々の取付面77を当接して載置する。水平ボルト46の各々を回転させ、各々の先端を対応するアーム76の先端に圧接させることによりホイル72の、制動ドラム7に対するセンタリングを行い、ホイル72を制動ドラム7の一端面7eの所定位置に固定する。これによりホイル72の、制動ドラム7に対する半径方向の移動が阻止される。次いで鉛直ボルト48の各々を回転させ、各々の先端を対応するアーム76の先端部上面に圧接させる。これにより、ホイル72の、制動ドラム7に対する軸方向(上下方向)の移動が阻止される。制動ドラム7及びホイル72が治具30及び40により上記のようにして保持された状態で、アーム76の各々の取付面77と制動ドラム7の一端部内周面(環状溝7aの内周面)との間にはそれぞれ実質上直角をなす角部が形成される。これらの角部の各々にTIG溶接(仮溶接)を施すことにより、ホイル72を制動ドラム7の所定位置に固定する。上記角部の各々にはTIG溶接による小さなビード78が形成される。これにより制動ドラムアセンブリ70が仮組付けされる。次に鉛直ボルト48及び水平ボルト46を緩めて制動ドラムアセンブリ70を治具30及び40から取り外す。
(3)治具30及び40から取り外した制動ドラムアセンブリ70を図示しない治具により適宜の位置に位置付け、アーム76の各々の取付面77と制動ドラム7の一端部内周面(環状溝7aの内周面)との間の角部に、更にTIG溶接(本溶接)を行なって確実に固定させる(図6参照)。上記角部の各々には、TIG溶接による最終のビード78が形成される。
(4)図7を参照して、制動ドラム7の、TIG溶接により角部の各々に形成されるビード78の表面の少なくとも一部を含む一端部内周面(環状溝7aの内周面)に、銅Cuをその全周にわたって連続して接合する。制動ドラム7の環状溝7b及び7dの内周面にも、銅Cuをその全周にわたって連続して接合する。銅Cuの接合は、それぞれTIG溶接により行なわれる。環状溝7a、7b及び7dは銅Cuのいわゆる肉盛によってほぼ充填される。
(5)次に、制動ドラム7の内周面を切削加工することにより、制動ドラム7の内周面に、制動ドラム7それ自身の内周面、銅Cuの内周面及びビード78の各々の表面からなる連続した切削面を形成する(図8参照)。なお、環状溝7d内に接合された銅Cuの表面に対しても切削加工を施すことが好ましい。その後、いわゆるバランス取りを行い、制動ドラムアセンブリ70の製作が完了する。

0022

本発明による制動ドラムアセンブリ70は上記したように構成され、製作されるので、次のような作用効果が達成される。
(1)制動ドラム7の一端部内周面(環状溝7aの内周面)に接合される銅Cuは、アーム76の各々の取付面77と制動ドラム7の一端部内周面(環状溝7aの内周面)との間に形成される溶接部(溶接ビーム78)の各々の存在にも拘わらず、周方向に実質上連続して存在するため(溶接部の各々には、従来におけるような断続部が存在しないので)、先に述べた渦電流式減速装置の制動時において、制動ドラム7に発生する渦電流を所望のとおりに十分に増大させることができ、しかも熱伝達性(したがって冷却性能)も十分に確保される。その結果、上記制動ドラムアセンブリ70を渦電流式減速装置に使用したとき、所望のとおりの十分な制動トルクを得ることができる。
(2)ホイル72のアーム76の各々を制動ドラム7の一端部内周面(環状溝7aの内周面)に溶接した後に、制動ドラム7の一端部内周面(環状溝7aの内周面)に銅Cuを接合(溶接)するため、アーム76の各々と制動ドラム7との間の溶接部の各々に、従来におけるような溶接割れが発生することは確実に防止される(銅Cuの溶接は、アーム76の各々の溶接(一般に溶加材鋼材が使用される)におけるほど温度が上昇しないので、溶接部に溶接割れを発生させるおそれはない)。
(3)銅Cuを溶接した後、アーム76との溶接部を切削、除去する必要がなくなるので、従来のように、母材である制動ドラム7の体積を予め増大させておく必要がなくなり、コストを低減することができる。

0023

以上、本発明を実施形態に基づいて添付図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく、更に他の種々の変形あるいは修正が可能である。例えば、上記実施形態においては、制動ドラム7の一端部内周面(環状溝7a)、他端部内周面(環状溝7b)及び軸方向の他端面(環状溝7d)に銅CuがTIG溶接により接合されているが、本発明は、少なくとも制動ドラム7の一端部内周面(アーム76の各々が溶接される側の一端部内周面)に銅CuがTIG溶接により接合される実施形態であれば成立する。また、制動ドラム7の軸方向の一端面7eにおける、アーム76の各々の周方向の間の部位に銅CuをTIG溶接により接合する実施形態もある。

0024

更にはまた、上記実施形態において、銅Cuの制動ドラム7への接合は、TIG溶接により行なわれるよう構成されているが、これに代えて、P.T.A(Plasma−Transfered−Arc−Welding)あるいは溶射等で行なう実施形態も成立する。

0025

更にはまた、上記実施形態において、本発明による制動ドラムアセンブリ70は、図1に示すように、ケース10内に磁石26の静止支持筒20及び可動支持筒22を軸方向に並列して配設し、図示しないエアシリンダ機構により可動支持筒22を周方向に正逆回動させることにより、制動と非制動との切換を行なうよう構成された渦電流式減速装置に使用されているが、もちろんこの実施形態に限定される理由はなく、他の形態の渦電流式減速装置に適用することも可能である。例えば、ケース内に磁石の可動支持筒が軸方向に往復移動自在に支持され、制動と非制動との切換(ON−OFF)を、可動支持筒をエアシリンダ機構により軸方向に往復移動させることにより行なうよう構成する他の実施形態(例えば、特開平10−243627公報参照)、あるいは、ケース内に磁石の可動支持筒のみを配設し、エアシリンダ機構により可動支持筒を周方向に正逆回動させることにより、制動と非制動との切換を行なうよう構成する更に他の実施形態(例えば、特開平6−38505号公報参照)にも、本発明による制動ドラムアセンブリ70を適用することができる。これらの制動ON−OFF機構は、例えば、上記公報に開示されているような、それ自体は公知の構成を使用することでよいので、説明は省略する。また、上記実施形態においてケースの外周壁を薄板により形成する実施形態(例えば、特開平9−163717号公報参照)もある。

0026

更にはまた、上記実施形態において、磁石26の各々は永久磁石により形成されているが、これに代えて電磁石を使用する実施形態もある。電磁石は周知のとおりコイル鉄心組合せ体であるため、電磁石を上記実施形態において磁石26に置き換えて使用する場合には、電磁石の各々は上記した制動位置に常時固定され、制動(ON)と非制動(OFF)との切り換えは、電磁石の各々を励磁するか又は非励磁とするか、により行なわれる。したがって磁石26の各々を電磁石に置き換えて使用する実施形態においては、支持筒は全て固定され、支持筒を正逆回動させるための図示しないエアシリンダ機構あるいは支持筒を軸方向に往復移動させるためのエアシリンダ機構は不要となる。

発明の効果

0027

本発明による制動ドラムアセンブリを渦電流式減速装置に使用したとき、所望のとおりの十分な制動トルクを得ることができる。また本発明によれば、そのような制動ドラムアセンブリを容易に製作することが可能である。更にはまた、アームと制動ドラムとの溶接部における溶接割れを確実に防止することができ、制動ドラムアセンブリの寿命を十分確実に保証することができる。

図面の簡単な説明

0028

図1本発明による制動ドラムアセンブリを備えた渦電流式減速装置の実施形態の要部を示す縦断面図。
図2図1に示す制動ドラムアセンブリの正面図。
図3図2のA−A矢視概略図。
図4図3の一部を拡大して示す断面図。
図5本発明による制動ドラムアセンブリの製作工程の一つを示す断面概略図。
図6本発明による制動ドラムアセンブリの製作工程の他の一つを示す要部断面概略図。
図7本発明による制動ドラムアセンブリの製作工程の更に他の一つを示す要部断面概略図。
図8本発明による制動ドラムアセンブリの製作工程の更に他の一つを示す要部断面概略図。

--

0029

7制動ドラム
7a、7b、7d環状溝
7c 他端面
7e 一端面
10ケース
12外周壁
20静止支持筒
22可動支持筒
26磁石
28強磁性部材
70 制動ドラムアセンブリ
72ホイル
74 本体部
76アーム
77取付面
78 ビード

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