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技術 電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体、この振動体を駆動源とする振動波駆動装置、振動波駆動装置を有する装置およびこの振動体を搬送源とする搬送装置

出願人 キヤノン株式会社
発明者 藤本幸輔
出願日 1999年7月28日 (20年11ヶ月経過) 出願番号 1999-214023
公開日 2001年2月16日 (19年4ヶ月経過) 公開番号 2001-045774
状態 未査定
技術分野 圧電、電歪、磁歪装置 機械的振動の発生装置 超音波モータ、圧電モータ、静電モータ
主要キーワード さらもみ 環状チューブ パターン電極間 駆動面側 振動形状 棒状振動体 振動除去 切除処理
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2001年2月16日)のものです。
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図面 (20)

課題

圧電素子電極間縦弾性係数が他の部分の縦弾性係数よりも小さいことに起因して複数の定在波疎密波が形成され、合成された駆動振動が不安定となるので、安定した駆動振動を得ることができる振動体を提供する。

解決手段

円環状の弾性体1の駆動部側に形成された振動変位拡大用の複数の溝4の中で、圧電素子2の分極方向が異なる隣接した電極3−1の間の部分3−3に対応した溝4−1を他の溝よりも浅くして剛性を高め、振動体全体としての合成を一様なものとした。

概要

背景

電気機械エネルギー変換素子としての圧電素子振動源として弾性体駆動振動を形成する振動体駆動源とする振動波駆動装置として、前記振動体と前記振動体に加圧接触する接触体とを相対移動させる形式の一つである振動波モータがあり、この振動波モータは、低速度で大きなトルクが取り出せるアクチュエータであるとともに、電磁モータが持つコギングがなく、回転むらが少ないことが特徴である。

特に、進行波型の振動波モータは、弾性体に振動振幅が一様な進行性振動波を起こし、これに加圧接触した接触体としての移動体を連続的に駆動することにより、原理上では回転むらが生じないとされている。図21は、従来の振動波モータの振動体の斜視図を示す。

1は金属等で形成された円環形状の弾性体、2は円環状の電気−機械エネルギー変換素子としての圧電素子で、圧電素子2は弾性体1の片面に接着剤により接着固定されている。

圧電素子2は、分極処理が施されたセラミックス等で構成される圧電体の両面に電極が形成されたもので、図に表される片面側には電圧印加用の電極3が周方向に間隔を有して設けられ、また弾性体1との接合面側には全面を覆う全面電極(不図示)が設けられている。

一方、弾性体1の他面側(圧電素子2の接着面側とは反対側の面)には耐摩耗性等の摩擦材料等で構成された耐摩耗層が形成され、この耐摩耗層を介して移動体(不図示)が加圧接触している。

図17の(1)〜(3)は、進行波型振動波モータの駆動原理を示す展開図である。

図17の(1)は、振動体に励起する波長λの第一の定在波(これをA相と呼ぶ)であり、図17の(2)は振動体に励起する波長λの第二の定在波(これをB相と呼ぶ)である。図示したAおよびB相は各節位置腹位置)が互いに4分の1波長ずれている。この2つの定在波を時間的位相差90°をもって同時に励起し、重ねあわせることによって、図17の(3)に示した一様な振幅を持つ進行波を合成することができる。

このようにして曲げ進行波が励起された振動体の、曲げ変形中立面より離れた点が楕円運動をするため、振動体上面に移動体を押圧し、楕円運動の頂点近傍で接触させるようにすると、振動体と移動体の間に働く摩擦力によって、移動体が駆動される。

前記A、B各定在波を励起するために前記振動体を構成する弾性体に固着する圧電素子は、単一の円板に、複数の電極を蒸着などで形成し、この複数の領域を分極処理することによって、単一の圧電素子で互いに位相ずれを有する2つの定在波を励起することを可能にしている。

図18に代表的な分極パターンを示す。間に4分の1波長の長さの非駆動部を挟んでA相、B相の各電極群が形成され、各群内では、2分の1波長の長さをもつ電極が、図中の(+)、(−)記号で示すように隣り合う電極が互いに逆方向に分極されている。

A相、B相の各電極群は、導電性ペースト、あるいは、フレキシブルプリント基板などの手段でそれぞれ短絡され、裏面のグランド電極との間に所望の電圧印加することによって、分極方向と直交した方向の伸縮力が発生し、振動体に曲げモーメントが加わることによって、上述した2つの定在波が、A相、B相の各電圧で励起される。

概要

圧電素子の電極間縦弾性係数が他の部分の縦弾性係数よりも小さいことに起因して複数の定在波に疎密波が形成され、合成された駆動振動が不安定となるので、安定した駆動振動を得ることができる振動体を提供する。

円環状の弾性体1の駆動部側に形成された振動変位拡大用の複数の溝4の中で、圧電素子2の分極方向が異なる隣接した電極3−1の間の部分3−3に対応した溝4−1を他の溝よりも浅くして剛性を高め、振動体全体としての合成を一様なものとした。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
3件

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請求項1

弾性体電気機械エネルギー変換素子とにより構成され、前記電気−機械エネルギー変換素子への交番信号印加で形成される複数の振動の合成で前記弾性体の駆動部に駆動振動を形成する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体において、前記振動体の剛性の部分的な不均一によって生じてしまう前記各々の振動の位置的位相差の不均一を振動体の剛性を部分的に変化させることにより相殺したことを特徴とする電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体。

請求項2

弾性体と電気−機械エネルギー変換素子とにより構成され、前記電気−機械エネルギー変換素子への交番信号の印加で形成される複数の振動の合成で前記弾性体の駆動部に駆動振動を形成する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体において、前記振動体の剛性の部分的な不均一によって生じてしまう前記各々の振動の波長の不均一を振動体の剛性を部分的に変化させることにより相殺したことを特徴とする電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体。

請求項3

弾性体と電気−機械エネルギー変換素子とにより構成され、前記電気−機械エネルギー変換素子への交番信号の印加で形成される複数の振動の合成で前記弾性体の駆動部に駆動振動を形成する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体において、前記振動体の剛性の部分的な不均一によって生じてしまう前記複数の振動の合成により生じる進行波振幅の不均一を振動体の剛性を部分的に変化させることにより相殺したことを特徴とする電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体。

請求項4

前記弾性体は、円環またはディスク形状であることを特徴とする請求項1、2または3に記載の電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体。

請求項5

前記弾性体は、略棒状であることを特徴とする請求項1または2に記載の電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体。

請求項6

前記電気−機械エネルギー変換素子は、第1の振動用素子グループと、第2の振動用の素子グループとを4分の1波長の奇数倍の間隔をあけて配置すると共に、前記各素子グループは2分の1波長の長さで隣り合う領域が異なる方向に分極されていることを特徴とする請求項4に記載の電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体。

請求項7

前記電気−機械エネルギー変換素子は、第1の振動用の素子グループと、第2の振動用の素子グループとを有し、前記第1の振動用の素子グループと第2の振動用素子グループとは、4分の1波長の奇数倍の位相差をもたせて配置すると共に、4分の1の波長の長さでかつ2分の1波長の間隔で交互に異なる方向に分極されていることを特徴とする請求項4および5に記載の電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体。

請求項8

前記第1の振動用の素子グループと第2の振動用の素子グループは一体に形成されていることを特徴とする請求項6または7に記載の電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体。

請求項9

前記第1の振動用の素子グループと第2の振動用の素子グループは複数の素子で構成されていることを特徴とする請求項6または7に記載の電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体。

請求項10

円環またはディスク状の弾性体と、前記弾性体の片面に固着される円環形状の電気−機械エネルギー変換素子とにより構成され、前記電気−機械エネルギー変換素子への交番信号の印加で形成される複数の振動の合成で前記弾性体の駆動部に駆動振動を形成する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体において、前記電気−機械エネルギー変換素子の剛性の部分的な不均一に対応して前記弾性体の剛性を部分的に不均一とし、周方向における振動体の剛性を一様にしたことを特徴とする電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体。

請求項11

円環またはディスク状の弾性体と、前記弾性体の片面に周方向に沿って固着される複数の電気−機械エネルギー変換素子とにより構成され、前記複数の電気−機械エネルギー変換素子への交番信号の印加で形成される複数の振動の合成で前記弾性体の駆動部に駆動振動を形成する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体において、前記複数の電気−機械エネルギー変換素子の間に対応して前記弾性体の剛性を部分的に不均一とし、周方向における振動体全体の剛性を一様にしたことを特徴とする電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体。

請求項12

円環またはディスク状の弾性体と、前記弾性体の片面に固着される円環形状の電気−機械エネルギー変換素子とにより構成され、前記電気−機械エネルギー変換素子への交番信号の印加で形成される複数の振動の合成で前記弾性体の駆動部に駆動振動を形成する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体において、前記電気−機械エネルギー変換素子は、内在する剛性の部分的な不均一部における剛性を他の部分の剛性に合わせるように断面積を異ならせたことを特徴とする電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体。

請求項13

円環またはディスク状の弾性体と、前記弾性体の片面に固着される円環形状の電気−機械エネルギー変換素子とにより構成され、前記電気−機械エネルギー変換素子への交番信号の印加で形成される複数の振動の合成で前記弾性体の駆動部に駆動振動を形成する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体において、前記電気−機械エネルギー変換素子は、内在する剛性の部分的な不均一部における剛性に他の部分の剛性を合わせるように断面積を異ならせたことを特徴とする電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体。

請求項14

略棒状の弾性体間に電気−機械エネルギー変換素子を挟持固定し、前記電気−機械エネルギー変換素子への交番信号の印加で形成される複数の振動の合成で前記弾性体の駆動部に駆動振動を形成する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体において、前記電気−機械エネルギー変換素子に内在する剛性の部分的な不均一部に対応して、前記弾性体に剛性不均一部を設け、振動体全体の剛性を一様としたことを特徴とする電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体。

請求項15

略棒状の弾性体間に電気−機械エネルギー変換素子を挟持固定し、前記電気−機械エネルギー変換素子への交番信号の印加で形成される複数の振動の合成で前記弾性体の駆動部に駆動振動を形成する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体において、前記電気−機械エネルギー変換素子は、内在する剛性の部分的な不均一部の剛性を他の部分の剛性に合わせるように断面積を異ならせたことを特徴とする電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体。

請求項16

弾性体と電気−機械エネルギー変換素子とにより構成され、前記電気−機械エネルギー変換素子への交番信号の印加で形成される複数の振動の合成で前記弾性体の駆動部に駆動振動を形成する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体において、前記電気−機械エネルギー変換素子の隣り合う分極領域間の剛性の変化を振動体の剛性を部分的に変化させることにより相殺したことを特徴とする電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体。

請求項17

弾性体と電気−機械エネルギー変換素子とにより構成され、前記電気−機械エネルギー変換素子への交番信号の印加で形成される複数の振動の合成で前記弾性体の駆動部に駆動振動を形成する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体において、前記電気−機械エネルギー変換素子の隣り合う分極領域を異なる方向に分極した際に生じる分極領域間の剛性の変化を振動体の剛性を部分的に変化させることにより相殺したことを特徴とする電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体。

請求項18

前記振動体の剛性を部分的に変化させるために、前記弾性体の剛性を部分的に不均一としたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、16または17に記載の電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体。

請求項19

前記振動体の剛性を部分的に変化させるために、前記電気−機械エネルギー変換素子の断面形状を部分的に不均一としたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、16または17に記載の電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体。

請求項20

前記電気−機械エネルギー変換素子は、厚み方向の変位に基づいて複数の定在波を前記弾性体に励起するものであることを特徴とする請求項1、2、3、4、6、7、8、9、10、11、12、13、16、17、18または19に記載の電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体。

請求項21

前記電気−機械エネルギー変換素子は、厚み方向の変位に基づいて位相の異なる複数の曲げ振動を前記弾性体に形成するものであることを特徴とする請求項1、2、5、6、7、8、9、14、15、16、17、18または19に記載の電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体。

請求項22

前記弾性体は、駆動部側に複数の溝部が形成されていて、前記弾性体に形成される剛性の部分的な不均一部は、他の溝と深さを変えたことを特徴とする請求項10、11または18に記載の電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体。

請求項23

前記弾性体の剛性を部分的に不均一とする手段は、他の部分の材料と異なる材料により構成し、剛性を高めたことを特徴とする請求項10、11、14または18に記載の電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体。

請求項24

前記弾性体は空孔を多く有する材料により構成されていて、剛性を部分的に不均一とする手段は、空孔を含む部分を他の部分よりも少なくして剛性を高めたことを特徴とする請求項10、11、14または18に記載の電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体。

請求項25

前記電気−機械エネルギー変換素子は、複数の電極間の断面積を大きくさせて他の部分の剛性に合わせたことを特徴とする請求項12または19に記載の電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体。

請求項26

前記電気−機械エネルギー変換素子は、複数の電極に対応の部分の断面積を小さくして複数の電極間の剛性に合わせたことを特徴とする請求項13または19に記載の電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体。

請求項27

前記弾性体に形成される剛性の部分的な不均一部は、他の溝と深さを変えた隣接する複数の溝部であることを特徴とする請求項22に記載の電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体。

請求項28

前記弾性体は、駆動部側に複数の溝部が形成されていて、前記弾性体に形成される剛性の部分的な不均一部は、前記溝間に形成される突起の形状を他の突起の形状と異ならせたものであることを特徴とする請求項10、11または18に記載の電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体。

請求項29

前記弾性体に形成される剛性の不均一部は、前記弾性体を構成する材料の密度を他の部分の密度と異ならせたものであることを特徴とする請求項10、11、14または18に記載の電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体。

請求項30

前記弾性体は、駆動振動とは異なる次数の振動モードを形成する複数の振動系の固有振動数に差を生じさせるための溝を形成したことを特徴とする請求項1から29のいずれかに記載の電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体。

請求項31

前記弾性体に形成する剛性の部分的な不均一部は、電気−機械エネルギー変換素子の近傍に設けたことを特徴とする請求項10、11、14、18、20、21、22、23、24、27、28、29または30のいずれかに記載の電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体。

請求項32

請求項1から31のいずれかに記載の電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体を有し、前記振動体と、前記振動体に加圧接触する接触体とを相対移動させることを特徴とする振動波駆動装置

請求項33

請求項1から31のいずれかに記載の電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体を有し、前記振動体と、前記振動体に加圧接触する接触体とを流体を介在させて加圧接触させ、前記振動体と前記接触体とを相対移動させることを特徴とする振動波駆動装置。

請求項34

請求項32または33に記載の振動波駆動装置を駆動源として被駆動体を駆動することを特徴とする振動波駆動装置を有する装置。

請求項35

請求項1から31のいずれかに記載の電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体を有し、前記弾性体の駆動部に流体または粉体を搬送する搬送管を接触させ、前記搬送管内を流体または粉体を搬送させることを特徴とする搬送装置

技術分野

0001

本発明は、電気機械エネルギー変換素子としての圧電素子振動源として弾性体駆動振動を形成する振動体と、この振動体を駆動源とする振動波駆動装置およびこの振動体を駆動源とする装置および搬送源として流体粉体を搬送する搬送装置に関する。

背景技術

0002

電気−機械エネルギー変換素子としての圧電素子を振動源として弾性体に駆動振動を形成する振動体を駆動源とする振動波駆動装置として、前記振動体と前記振動体に加圧接触する接触体とを相対移動させる形式の一つである振動波モータがあり、この振動波モータは、低速度で大きなトルクが取り出せるアクチュエータであるとともに、電磁モータが持つコギングがなく、回転むらが少ないことが特徴である。

0003

特に、進行波型の振動波モータは、弾性体に振動振幅が一様な進行性振動波を起こし、これに加圧接触した接触体としての移動体を連続的に駆動することにより、原理上では回転むらが生じないとされている。図21は、従来の振動波モータの振動体の斜視図を示す。

0004

1は金属等で形成された円環形状の弾性体、2は円環状の電気−機械エネルギー変換素子としての圧電素子で、圧電素子2は弾性体1の片面に接着剤により接着固定されている。

0005

圧電素子2は、分極処理が施されたセラミックス等で構成される圧電体の両面に電極が形成されたもので、図に表される片面側には電圧印加用の電極3が周方向に間隔を有して設けられ、また弾性体1との接合面側には全面を覆う全面電極(不図示)が設けられている。

0006

一方、弾性体1の他面側(圧電素子2の接着面側とは反対側の面)には耐摩耗性等の摩擦材料等で構成された耐摩耗層が形成され、この耐摩耗層を介して移動体(不図示)が加圧接触している。

0007

図17の(1)〜(3)は、進行波型振動波モータの駆動原理を示す展開図である。

0008

図17の(1)は、振動体に励起する波長λの第一の定在波(これをA相と呼ぶ)であり、図17の(2)は振動体に励起する波長λの第二の定在波(これをB相と呼ぶ)である。図示したAおよびB相は各節位置腹位置)が互いに4分の1波長ずれている。この2つの定在波を時間的位相差90°をもって同時に励起し、重ねあわせることによって、図17の(3)に示した一様な振幅を持つ進行波を合成することができる。

0009

このようにして曲げ進行波が励起された振動体の、曲げ変形中立面より離れた点が楕円運動をするため、振動体上面に移動体を押圧し、楕円運動の頂点近傍で接触させるようにすると、振動体と移動体の間に働く摩擦力によって、移動体が駆動される。

0010

前記A、B各定在波を励起するために前記振動体を構成する弾性体に固着する圧電素子は、単一の円板に、複数の電極を蒸着などで形成し、この複数の領域を分極処理することによって、単一の圧電素子で互いに位相ずれを有する2つの定在波を励起することを可能にしている。

0011

図18に代表的な分極パターンを示す。間に4分の1波長の長さの非駆動部を挟んでA相、B相の各電極群が形成され、各群内では、2分の1波長の長さをもつ電極が、図中の(+)、(−)記号で示すように隣り合う電極が互いに逆方向に分極されている。

0012

A相、B相の各電極群は、導電性ペースト、あるいは、フレキシブルプリント基板などの手段でそれぞれ短絡され、裏面のグランド電極との間に所望の電圧印加することによって、分極方向と直交した方向の伸縮力が発生し、振動体に曲げモーメントが加わることによって、上述した2つの定在波が、A相、B相の各電圧で励起される。

発明が解決しようとする課題

0013

しかしながら、上記従来例のように、一つの圧電素子内に分極方向が互いに逆方向となる分極領域を隣接して形成するように分極処理を施した場合には、以下の問題があった。

0014

図19は、隣接する分極領域における分極方向が互いに逆方向とする部分の圧電素子の展開断面図である。図中の矢印は、分極時に各電極に印加した電位差による電気力線を示している。

0015

図示したように、2つの電極との境界部から離れた部分では、電気力線はほぼ厚み方向に走っており、分極の方向もこの電気力線の方向に施される。

0016

しかしながら、隣り合う電極との間に設けた境界部における電気力線は、厚み方向ではなく、隣り合う電極間で厚み方向と直交する方向に多く走っているため、分極方向も、圧電素子の厚み方向と直交する方向に施されてしまうことを本発明者は解明した。

0017

一方、振動体の曲げ剛性は、主に弾性体の曲げ剛性と、固着する圧電素子の剛性で決まる。

0018

圧電素子は、振動体の中立面から厚み方向において離れた位置に固着されるため、振動体の曲げ剛性に寄与するのは、振動方向と直交した方向の剛性である。圧電素子の縦弾性係数は、施された分極方向によって異方性を持つ。すなわち、図19において、(理想的な)分極方向での処理が施された領域の分極方向と平行な方向の縦弾性係数をY11 、この理想的な分極方向と直交する方向の縦弾性係数をY33 とすると、通常Y11 >Y33 の関係を持っている。

0019

電極、の中央付近では、ほぼ厚み方向に分極されるため、厚さ方向の縦弾性係数は、Y11 となるが、互いに隣り合って逆方向に分極された場合その境界領域では、厚さ方向と直交する方向の縦弾性係数は、Y33 となる。このため、互いに逆方向に分極された電極の境界領域の縦弾性係数は、電極部分よりも小さい値となっている。弾性体の縦弾性係数に部分的に差が生じると以下のような現象が発生する。

0020

すなわち、弾性体に励起される定在波の伝播速度は、弾性体の各部分の曲げ剛性と、線密度によって決定され、これが一様でないと曲げ振動の伝播速度が部分的に変化するため、励起された定在波の波長が変化し、場所によって波長のむらを生じてしまう。

0021

図20は、図18に示す圧電素子の分極パターンによって生ずる波長のむらを、4分の1波長の被駆動部を中心にして展開図に示したものである。

0022

相電極群によって励起された波数が7波の定在波(波長λ)は、理想的にはA相電極群の領域ではその振動の腹が電極の中央にあたり、B相電極群の領域においては、その振動の腹が電極の境界領域と一致する位置にある。

0023

ところで、図19に示すように、圧電素子の電極の中央部における縦弾性係数は電極との境界部の縦弾性係数よりも大きいことから、A相の定在波にとって、定在波の腹位置が圧電素子の電極の中央部に位置する振動体のA相電極群の領域は曲げ剛性が高く、腹位置が圧電素子の電極間に位置するB相電極群の領域では曲げ剛性が低くなる。

0024

このため、A相領域では振動の伝播速度が大きくなることから波長が長く、B相領域では振動の伝播速度が遅くなることから波長が短くなる。

0025

同様にB相電極群によって励起された定在波は、逆にA相領域で波長が短く、B相領域で波長が長くなる。

0026

このように、波数7のA、B各定在波の波長にむらが生じ、位置的位相λ/ 4からずれを生じるため、合成された進行波の振幅には、図20のような振幅むらが生じることがわかった。

0027

進行波振幅にむらがある場合、移動体の駆動速度にむらを生じるため、移動体の圧接力にむらがあったり、接触面が完全な平面でないことによって、移動体と振動体の相対位置によって移動体の速度むらを生ずる。

0028

また、送り速度の異なる領域を移動体が等速摺動することによって、送り力を相殺しあう領域が生じ、摩擦損失によって効率が低下する。

0029

さらに、移動体と振動体の間に働く圧接力が振動体の位置によって異なるため、振動体の摩擦面の偏摩耗を引き起こし、モータ寿命縮める結果となる。

0030

また、粉体等の、波長と比較して微小なものを直接振動体にのせて搬送する搬送装置の場合では、複数の波の移動速度が平均化されないために、進行波振幅が小さい場所に粉体が集まってしまうことなどの問題が生じ、滑らかな搬送を妨げることとなる。

0031

上述した振幅のむらは、圧電素子の分極方向によるものだけではなく、例えば以下のような状況においても発生する。

0032

すなわち、振動体の構成として、圧電素子を単一の素子でなく、図22に示すように単一方向に分極された2分の1波長の長さの圧電素子を弾性体に複数固着することによって得るようにしたもの、あるいは圧電素子の長さを4分の1波長としたものもある。

0033

この場合、各圧電素子内での分極方向は単一であるから、上述したような分極方向による弾性係数の差の問題は生じないが、各圧電素子間の隙間においては、他の領域と比較して断面二次モーメントが小さくなる。このため、上述した振動振幅のむらを引き起こす。

0034

単一の圧電素子の場合でも、図23に示すように、全面に電極を施して一様の極性に分極したのちに、砥石メタルソーなどで研磨して複数の電極に分割すると、断面は一部が切除された溝部3−3を有する形状となり、電極間の剛性が低下し、同様の振動振幅のむらを引き起こす原因ともなる。

0035

また、未分極の状態で上記の方法で複数の電極に分割し、圧電素子を振動体に固着した後に極性が異なる分極処理をしても同様である。

0036

本出願に係る発明の目的は、複数の定在波に生じる波長のむらを排除し複数の定在波の合成波としての駆動波を安定化できる電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体、この振動体を駆動源とする振動波駆動装置、およびこの振動体を搬送源とする搬送装置を提供しようとするものである。

課題を解決するための手段

0037

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第1の構成は、弾性体と電気−機械エネルギー変換素子とにより構成され、前記電気−機械エネルギー変換素子への交番信号の印加で形成される複数の振動の合成で前記弾性体の駆動部に駆動振動を形成する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体において、前記振動体の剛性の部分的な不均一によって生じてしまう前記各々の振動の位置的位相差の不均一を振動体の剛性を部分的に変化させることにより相殺したことを特徴とする。

0038

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第2の構成は、弾性体と電気−機械エネルギー変換素子とにより構成され、前記電気−機械エネルギー変換素子への交番信号の印加で形成される複数の振動の合成で前記弾性体の駆動部に駆動振動を形成する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体において、前記振動体の剛性の部分的な不均一によって生じてしまう前記各々の振動の波長の不均一を振動体の剛性を部分的に変化させることにより相殺したことを特徴とする。

0039

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第3の構成は、弾性体と電気−機械エネルギー変換素子とにより構成され、前記電気−機械エネルギー変換素子への交番信号の印加で形成される複数の振動の合成で前記弾性体の駆動部に駆動振動を形成する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体において、前記振動体の剛性の部分的な不均一によって生じてしまう前記複数の振動の合成により生じる進行波の振幅の不均一を振動体の剛性を部分的に変化させることにより相殺したことを特徴とする。

0040

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第4の構成は、上記1、2または3の構成で、前記弾性体は、円環またはディスク形状であることを特徴とする。

0041

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第5の構成は、上記第1または第2の構成で、前記弾性体は、略棒状であることを特徴とする。

0042

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第6の構成は、上記第4の構成で、前記電気−機械エネルギー変換素子は、第1の振動用素子グループと、第2の振動用の素子グループとを4分の1波長の奇数倍の間隔をあけて配置すると共に、前記各素子グループは2分の1波長の長さで隣り合う領域が異なる方向に分極されていることを特徴とする。

0043

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第7の構成は、上記第4または5の構成で、前記電気−機械エネルギー変換素子は、第1の振動用の素子グループと、第2の振動用の素子グループとを有し、前記第1の振動用の素子グループと第2の振動用素子グループとは、4分の1波長の奇数倍の位相差をもたせて配置すると共に、4分の1の波長の長さでかつ2分の1波長の間隔で交互に異なる方向に分極されていることを特徴とする。

0044

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第8の構成は、上記第6または第7の構成で、前記第1の振動用の素子グループと第2の振動用の素子グループは一体に形成されていることを特徴とする。

0045

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第9の構成は、上記第6または第7の構成で、前記第1の振動用の素子グループと第2の振動用の素子グループは複数の素子で構成されていることを特徴とする。

0046

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第10の構成は、円環またはディスク状の弾性体と、前記弾性体の片面に固着される円環形状の電気−機械エネルギー変換素子とにより構成され、前記電気−機械エネルギー変換素子への交番信号の印加で形成される複数の振動の合成で前記弾性体の駆動部に駆動振動を形成する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体において、前記電気−機械エネルギー変換素子の剛性の部分的な不均一に対応して前記弾性体の剛性を部分的に不均一とし、周方向における振動体の剛性を一様にしたことを特徴とする。

0047

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第11の構成は、円環またはディスク状の弾性体と、前記弾性体の片面に周方向に沿って固着される複数の電気−機械エネルギー変換素子とにより構成され、前記複数の電気−機械エネルギー変換素子への交番信号の印加で形成される複数の振動の合成で前記弾性体の駆動部に駆動振動を形成する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体において、前記複数の電気−機械エネルギー変換素子の間に対応して前記弾性体の剛性を部分的に不均一とし、周方向における振動体全体の剛性を一様にしたことを特徴とする。

0048

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第12の構成は、円環またはディスク状の弾性体と、前記弾性体の片面に固着される円環形状の電気−機械エネルギー変換素子とにより構成され、前記電気−機械エネルギー変換素子への交番信号の印加で形成される複数の振動の合成で前記弾性体の駆動部に駆動振動を形成する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体において、前記電気−機械エネルギー変換素子は、内在する剛性の部分的な不均一部における剛性を他の部分の剛性に合わせるように断面積を異ならせたことを特徴とする。

0049

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第13の構成は、円環またはディスク状の弾性体と、前記弾性体の片面に固着される円環形状の電気−機械エネルギー変換素子とにより構成され、前記電気−機械エネルギー変換素子への交番信号の印加で形成される複数の振動の合成で前記弾性体の駆動部に駆動振動を形成する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体において、前記電気−機械エネルギー変換素子は、内在する剛性の部分的な不均一部における剛性に他の部分の剛性を合わせるように断面積を異ならせたことを特徴とする。

0050

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第14の構成は、略棒状の弾性体間に電気−機械エネルギー変換素子を挟持固定し、前記電気−機械エネルギー変換素子への交番信号の印加で形成される複数の振動の合成で前記弾性体の駆動部に駆動振動を形成する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体において、前記電気−機械エネルギー変換素子に内在する径方向における剛性の部分的な不均一部に対応して、前記弾性体の軸方向に剛性不均一部を設け、振動体全体の剛性を一様としたことを特徴とする。

0051

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第15の構成は、棒状の弾性体間に電気−機械エネルギー変換素子を挟持固定し、前記電気−機械エネルギー変換素子への交番信号の印加で形成される複数の振動の合成で前記弾性体の駆動部に駆動振動を形成する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体において、前記電気−機械エネルギー変換素子は、内在する径方向における剛性の部分的な不均一部の剛性を他の部分の剛性に合わせるように断面積を異ならせたことを特徴とする。

0052

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第16の構成は、弾性体と電気−機械エネルギー変換素子とにより構成され、前記電気−機械エネルギー変換素子への交番信号の印加で形成される複数の振動の合成で前記弾性体の駆動部に駆動振動を形成する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体において、前記電気−機械エネルギー変換素子の隣り合う分極領域間の剛性の変化を振動体の剛性を部分的に変化させることにより相殺したことを特徴とする。

0053

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第17の構成は、弾性体と電気−機械エネルギー変換素子とにより構成され、前記電気−機械エネルギー変換素子への交番信号の印加で形成される複数の振動の合成で前記弾性体の駆動部に駆動振動を形成する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体において、前記電気−機械エネルギー変換素子の隣り合う分極領域を異なる方向に分極した際に生じる分極領域間の剛性の変化を振動体の剛性を部分的に変化させることにより相殺したことを特徴とする。

0054

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第18の構成は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、16または17の構成で、前記振動体の剛性を部分的に変化させるために、前記弾性体の剛性を部分的に不均一としたことを特徴とする。

0055

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第19の構成は、上記第1、2、3、4、5、6、7、8、9、16または17の構成で、前記振動体の剛性を部分的に変化させるために、前記電気−機械エネルギー変換素子の断面形状を部分的に不均一としたことを特徴とする。

0056

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第20の構成は、上記第1、2、3、4、6、7、8、9、10、11、12、13、16、17、18または19の構成で、前記電気−機械エネルギー変換素子は、厚み方向の変位に基づいて複数の定在波を前記弾性体に励起するものであることを特徴とする。

0057

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第21の構成は、上記第1、2、5、6、7、8、9、14、15、16、17、18または19の構成で、前記電気−機械エネルギー変換素子は、厚み方向の変位に基づいて位相の異なる複数の曲げ振動を前記弾性体に形成するものであることを特徴とする。

0058

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第22の構成は、上記第10、11または18の構成で、前記弾性体は、駆動部側に複数の溝部が形成されていて、前記弾性体に形成される剛性の部分的な不均一部は、他の溝と深さを変えたことを特徴とする。

0059

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第23の構成は、上記第10、11、14または18の構成で、前記弾性体の剛性を部分的に不均一とする手段は、他の部分の材料と異なる材料により構成し、剛性を高めたことを特徴とする。

0060

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第24の構成は、上記第10、11、14または18の構成で、前記弾性体は空孔を多く有する材料により構成されていて、剛性を部分的に不均一とする手段は、空孔を含む部分を他の部分よりも少なくして剛性を高めたことを特徴とする。

0061

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第25の構成は、上記第12または19の構成で、前記電気−機械エネルギー変換素子は、複数の電極間の断面積を大きくさせて他の部分の剛性に合わせたことを特徴とする。

0062

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第26の構成は、上記第13または19の構成で、前記電気−機械エネルギー変換素子は、複数の電極に対応の部分の断面積を小さくして複数の電極間の剛性に合わせたことを特徴とする。

0063

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第27の構成は、上記第22の構成で、前記弾性体に形成される剛性の部分的な不均一部は、他の溝と深さを変えた隣接する複数の溝部であることを特徴とする。

0064

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第28の構成は、上記第10、11または18の構成で、前記弾性体は、駆動部側に複数の溝部が形成されていて、前記弾性体に形成される剛性の部分的な不均一部は、前記溝間に形成される突起の形状を他の突起の形状と異ならせたものであることを特徴とする。

0065

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第29の構成は、上記第10、11、14または18の構成で、前記弾性体に形成される剛性の不均一部は、前記弾性体を構成する材料の密度を他の部分の密度と異ならせたものであることを特徴とする。

0066

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第30の構成は、上記いずれかの構成で、前記弾性体は、駆動振動とは異なる次数の振動モードを形成する複数の振動系の固有振動数に差を生じさせるための溝を形成したことを特徴とする。

0067

本出願に係る発明の目的を実現する電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体の第31の構成は、上記第10、11、14、18、20、21、22、23、24、27、28、29または30の構成で、前記弾性体に形成する剛性の部分的な不均一部は、電気−機械エネルギー変換素子の近傍に設けたことを特徴とする。

0068

本出願に係る発明の目的を実現する振動波駆動装置の第1の構成は、上記いずれかに記載の電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体を有し、前記振動体と、前記振動体に加圧接触する接触体とを相対移動させることを特徴とする。

0069

本出願に係る発明の目的を実現する振動波駆動装置の第2の構成は、上記いずれかに記載の電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体を有し、前記振動体と、前記振動体に加圧接触する接触体とを流体を介在させて加圧接触させ、前記振動体と前記接触体とを相対移動させることを特徴とする。

0070

本出願に係る発明の目的を実現する振動波駆動装置を有する装置の構成は、上記いずれかの構成の振動波駆動装置を駆動源として被駆動体を駆動することを特徴とする。

0071

本出願に係る発明の目的を実現する搬送装置は、上記いずれかの構成の電気−機械エネルギー変換素子を振動源とする振動体を有し、前記弾性体の駆動部に流体または粉体を搬送する搬送管を接触させ、前記搬送管内を流体または粉体を搬送させることを特徴とする。

発明を実施するための最良の形態

0072

(第1の実施の形態)図1は本発明の第1の実施の形態を示す。

0073

まず、本実施の形態の全体構成を説明する。

0074

本実施の形態における振動体は、円環形状に形成された金属製の弾性体1に、曲げ振動によって生じる周方向の変位を拡大する目的で、複数の変位拡大用溝4が放射方向に沿って形成されている。

0075

電気−機械エネルギー変換素子としての圧電素子2には、弾性体1と固着されない面に、図2(a)に示すように、パターン電極3が形成されており、各電極は所定の隙間をもって配置されている。この隙間は、分極工程において隣り合う電極同士で放電することを避けるためのものである。

0076

圧電素子2は、パターン電極3−1、裏面の全面を覆う電極3−2間に、図中の(+)、(−)記号で示した方向に電位をかけることによって、分極が施されている。

0077

パターン電極3−1は、図2(a)に示したA相、B相の各群が導電性ペースト、フレキシブルプリント基板などで群内で短絡され、各相裏面電極間に電位をかけることで、各電極領域で、分極方向と直交する方向の力によって弾性体1に曲げモーメントを加えて励振する。

0078

電極3−1の分極方向は、図示したように、隣り合う領域が反対方向に分極されている。

0079

隣り合う電極間3−3は、図19に示すように、分極時に横方向に電位がかかるため、隣り合う電極を結ぶ方向に分極されており、圧電素子の歪み方向の縦弾性係数は、電極間において低くなっている。

0080

本実施の形態において、弾性体1に形成される変位拡大用溝4は、周方向に沿って等間隔(λ/4)に形成され、圧電素子2のパターン電極間3−3と変位拡大用溝4との角度を一致(パターン電極間3−3と変位拡大用溝4を軸方向において一致)させると共に、電極3−1にも対応して変位拡大用溝4が配置されており、特に電極3−1に対応する変位拡大用溝4の深さに対して、パターン電極間3−3に対応の変位拡大用溝4−1の深さを浅くしている。

0081

上記構成とすることによって、溝を浅くした振動体の断面の断面2次モーメントは、他の溝部の振動体の断面に比較して部分的に大きくすることができる。

0082

したがって、弾性体2における溝の深さが浅い溝4と、圧電素子2の縦弾性係数の小さい部分が重なるように固着することによって、圧電素子2の剛性低下と相殺し、一体化した振動体の状態での曲げ剛性を均一化することができる。

0083

なお、全体の溝4の中で、周方向における溝の深さが異なる(通常の深さの溝4に対してその隣の溝4−1は浅い)が、この深さの違いは、振動体におけるA、B両群の振動系の固有振動数に差を生じさせるものではない。次に、本実施の形態の構成を詳細に説明する。

0084

本実施の形態は、金属製の弾性体1に、圧電素子2が接着剤、ろう付け等の方法で固着されている。圧電素子2の振動体と固着されない面には、図2に示すように電極群3が形成されている。電極3は、導電性の材料を蒸着あるいはスクリーン印刷などによって膜状に形成したもので、各電極は所定の隙間をもって配置されている。

0085

圧電素子2は、パターン電極3−1、裏面の電極3−2間に、図2(a)に示した方向に電位をかけることによって、分極が施されている。

0086

圧電素子2の裏面電極3−2は、振動体に導通されており、パターン電極3−1は、図2(a)に示したA相、B相の各群が導電性ペースト、フレキシブルプリント基板等で群内で短絡され、各相と裏面電極(弾性体1)間に電位をかけることで、各電極領域で、分極方向と直交する方向の力によって振動体に曲げモーメントを加えて励振する。

0087

電極3−1の分極方向は、図中(+)、(−)で示したように隣り合う領域が反対方向に分極されている。

0088

隣り合う電極間3−3は、図19に示すように、分極時に横方向に電位がかかるため、隣り合う電極を結ぶ方向に分極されており、振動体の曲げ歪み方向の縦弾性係数は、電極間において、低くなっている。

0089

弾性体1には、曲げ振動によって生じる周方向の変位を拡大する目的で、複数の溝4が入れられている。

0090

圧電素子2のパターン電極3−1の配置の最小単位が、4分の1波長であり、このパターンでは、一周に7つの曲げ振動を励振する7次曲げモードであるため、すべての電極間3−3を溝4の位置と一致させるために、溝は、4×7=28の整数倍としている。ここでは溝4は周方向に28等分されている。

0091

圧電素子2のパターン電極間3−3と角度が一致している溝4−1 は、他の溝よりも浅くしている。これによって、圧電素子の電極間での縦弾性係数の低下によって生じた、振動子の曲げ剛性の低下を、振動体の断面積を増やして断面2次モーメントを増加させることで修正している。

0092

したがって、振動体に形成される位相の異なる定在波の振動の伝幡速度は、圧電素子2の電極間に対応する部分においても変化せず、波長むらが発生することがなくなり、2相の定在波の合成により得られた駆動波としての進行性進行波の波形が安定し、駆動効率の向上が図れると共に、偏摩耗の発生を防止することができる。
(第2の実施の形態)図3は本発明の第2の実施の形態の部分展開図である。

0093

本実施の形態において、圧電素子2のパターン電極3は、分極時には全面に施してあって、すべての領域で厚み方向の同一な方向に分極される。分極後に、砥石や、メタルソー等で研磨して複数の電極群に分割する。

0094

電極分割のために取り去られた部分(以下電極分割部とする)3−30の剛性が低下するため、本実施の形態においては、電極分割部と振動子の溝部4を一致させ、電極分割部3−30に軸方向(圧電素子の厚み方向)において対応する溝4−1 はその深さを浅くし、断面積を大きくとることによって、圧電素子2の形状の部分的な不均一による部分的な剛性差を修正し、弾性体1と圧電素子2で構成される振動体の縦弾性係数を周方向において一様としている。
(第2の実施の形態の変形例)図4は第2の実施の形態の変形例を示す。

0095

第2の実施の形態における圧電素子2は、同一方向への分極処理を施してから、切除処理により個々の電極を分割形成しているが、図4に示すように、あらかじめ電極を分割した後に、第1の実施の形態と同様な分極パターンに分極処理を施しても良い。
(第3の実施の形態)図5は本発明の第3の実施の形態の部分展開図である。

0096

本実施の形態では、圧電素子2は分割された複数の素子である。各圧電素子2は、その領域内で単一方向に分極されており、振動体に固着する向きを表裏変えて配置して固着し、分極方向の異なるパターン配列を実現している。

0097

この構成では、細分したチップ状の圧電素子が使用できるため、圧電素子の総面積が大きい場合でもより安価に製造することができるが、各素子間の境界部に素子が存在しないため、圧電素子2が存在する部分との比較において剛性が低下する問題があった。

0098

弾性体1は、粉末焼結法等により形成したもので、空孔6を多く含んでいる。各素子3間の境界部3−3の近傍の空孔に弾性体1の材料より融点が低い材料を含浸させた領域1−2(図中黒丸で示す)を作ることによって組成を変え、弾性係数を増大させることによって、境界部3−3に圧電素子が存在しないことによる剛性の低下分を補い、剛性の均一化を実現している。

0099

本実施の形態では、圧電素子部に近接した位置で修正しているために、振動体の中立軸の変化が少なく、振動方向の振幅むらと共に、伝播方向の振幅むらも精度よく修正できる。

0100

本実施の形態は、振動体の固着面の形状で修正するため、溝のピッチと、圧電素子の配列は無関係でもよい。
(第4の実施の形態)図6は本発明の第4の実施の形態の部分展開図である。

0101

圧電素子2を構成する圧電体において、分極方向が異なる隣り合う電極領域の境界部2−1では、分極時に大きな電位差が生ずるため、圧電素子が粒界破壊(図中白丸で示す)を起こしている。この領域では弾性係数が低下しているから、第1の実施の形態と同様に、境界部2−1に対応の弾性体1の溝4−1 を浅くして断面2次モーメントを増し、圧電素子2の部分的に生じる剛性差を弾性体1で修正し、弾性体1と圧電素子2で構成される振動体の縦弾性係数を周方向において一様にしている。
(第5の実施の形態)図7は本発明の第5の実施の形態の部分展開図である。

0102

本実施の形態における弾性体1は、粉末焼結法等により形成したもので、空孔6を多く含んでおり、電極3の境界部3−3の、縦弾性係数が低い領域においては、空孔が少ない領域1−2 をつくることによって組成を変え、弾性係数を増大させることによって、圧電素子2の部分的な剛性低下を弾性体1で修正し、弾性体1と圧電素子2で構成される振動体の縦弾性係数を周方向において一様にしている。

0103

空孔6を少なくする方法は、圧電素子2の境界部1−2に相当する部分のみを高圧圧縮し、空孔をつぶしたのちに機械加工によって仕上げることによって実現される。
(第6の実施の形態)図8は本発明の第6の実施の形態を示す振動体の分解図、図9図8組み立て状態を示す図である。

0104

本実施の形態の振動体は、第1の弾性体1aと第2の弾性体1bとの間に、圧電素子2、および電圧印加用のフレキシブルプリント基板7を挟んで、ボルト8で挟持した構造に形成された、いわゆる棒状振動体で、圧電素子2は、図中の(+)、および(−)記号で示した方向に厚み方向に分極処理が施されている。

0105

中心孔を挟んで対向する2組の(+)、(−)の電極をA、B2相として、互いに時間的位相差90度の交流電圧を印加することによって、曲げ1次の振動モードを励振し、2つの90度ずれた振動の合成によって、首ふり運動をする振動体である。

0106

本実施の形態の圧電素子2は、厚み方向の分極方向と平行な方向、すなわち厚み方向の変形を利用したものであり、振動子の曲げ剛性に大きく寄与するのは、圧電素子の厚み方向である軸方向(Z方向)の縦弾性係数、すなわち分極方向の縦弾性係数(Y33 とする)である。

0107

しかしながら、分極方向が異なって隣り合う電極間にあっては、分極時には面内に電位差が生じるので横方向の分極が施されることとなり、ここでの軸方向縦弾性係数は、分極方向と直交する方向の縦弾性係数(Y11 とする)となる。

0108

前述したように、2つの縦弾性係数の間には、Y11 >Y33 の関係があるため、この振動体の曲げ剛性は、図8のX軸回りの曲げと比較して、Y軸回りの曲げ剛性の方が大きくなる。

0109

すなわち、X軸回りの曲げの場合、電極41と電極42、および電極43と電極44の分極処理方向は異極であるため、電極41と電極42の間の境界部分45、および電極43と電極44の間の境界部分46には前述した横方向の分極が施され、そこでの縦弾性係数はY11 となり、またY軸回りの曲げの場合、電極41と電極43との間の境界部分47、電極42と電極44との間の境界部分48はZ軸方向に分極が施されているので、ここでの縦弾性係数はY33 となる。

0110

A、Bの各電極部で励振される曲げ振動は、それぞれX、Y軸回りの曲げ振動の合成として表すことができる。X 軸、Y 軸回りの曲げ振動の周波数特性は、図10に示すように、剛性の高いY 軸回りの振動が高周波数側にシフトしているため、共振点よりも大きい周波数で励振すると、A、B各入力による曲げ振動は、A、BともにY 軸回りの曲げ振幅の成分が大きくなる。その結果として、A、Bの各曲げ振動の位置は、X軸の方向へずれ、A、Bの位置的位相差が所定の90°からずれてしまう。

0111

このため、合成された振動による、首ふり運動は、Y軸回りの曲げが大きい、楕円状になってしまう。

0112

そこで、本実施の形態では、第1、第2の振動体の双方に、Y軸回りの曲げ剛性を低下させるように、溝部40を軸方向に沿って形成し、各軸回りの曲げ剛性を合わせるようにしている。

0113

弾性体への修正方法は、ここで示した溝加工のほかに、さらもみ加工や、圧電素子挟持面外周面とでなす部に面取りを施すことでも実現できる。圧電素子から離れた部分で修正すると、振動体の等価質量を変えてしまうことになるので、図11のように圧電素子2の近くのみに溝加工を施しても良い。弾性体を空孔の多い粉末焼結材等で形成し、X軸回りの曲げ剛性を増大させるように境界部分45および46の近傍の密度を後述する図27で示すプレス成形法で上げたり、他の金属材料溶浸する等して剛性の不均一を修正することもできる。
(第7の実施の形態)図12は本発明の第7の実施の形態である。

0114

本実施の形態の振動体は、円環状の弾性体1に固着した円環状の圧電素子2における隣り合う電極は図中(+)、(−)記号で示したように互いに厚み方向に逆方向に分極されている。

0115

本実施の形態の振動体は、圧電素子の分極方向と直交方向(周方向)の変形を利用して曲げ振動を励起するものであり、圧電素子の周方向の縦弾性係数が振動子の曲げ剛性に寄与する。周方向に分極された、隣り合う電極間の領域である電極間部3−3 では、前述のように周方向の縦弾性係数が分極処理方向の影響で低下しているから、本実施の形態では、この電極間部3−3 の幅を大きくし、断面積を大きくすることによって、弾性係数が低下した部分の剛性を均一にしている。

0116

このように、圧電素子の縦弾性係数の分布を、圧電素子形状で均一化したため、固着する弾性体との位置合わせが不要であるため、固着時のずれによる誤差が出にくいという利点がある。
(第8の実施の形態)図13は本発明の第8の実施の形態を示す。

0117

本実施の形態の振動体は、円環状の弾性体1に円環状の圧電素子2固着したものであり、圧電素子2は、弾性体1に対する固着面及びパターン電極3の形成されるパターン電極面を共に全面に電極膜を形成した後、分極処理を施し、砥石やメタルソー等で研磨することによって電極を分離し、図示した電極パターンにしている。

0118

電極を分離した部分3−3 は、厚みが減っているから、剛性が下がっている。本実施の形態では、厚みが減少して剛性が低下した部分の幅を広くし、断面積がほぼ一様になるようにした。これによって、振動子の曲げ剛性が一様となり、振動振幅むらを低減できる。
(第9の実施の形態)図14は本発明の第9の実施の形態を示す。

0119

本実施の形態における振動体の構成および機能は、第6の実施の形態に示したものと同様のものである。

0120

本実施の形態では、圧電素子2の隣り合う電極が逆方向に分極された領域の境界部分の近くに切り欠き9を設けることによって圧電素子のY軸回りの曲げ剛性を低くしてX 軸回りの曲げ剛性にあわせたものである。第6の実施の形態においては、圧電素子2と2つの弾性体1aと1bの各溝部40を一致させるために角度をあわせながら締結する必要があったが、本実施の形態では圧電素子単品ですでに修正されているため、位置決めを行わずに修正ができる利点がある。
(第10の実施の形態)図15は本発明の第10の実施の形態である。

0121

第1の実施の形態の弾性体1に、オイルグリス等の粘性流体で構成される粘性流体層11を介在させて金属等の弾性体で形成された移動体10を押圧し、高圧力下での油膜伝達力によって移動体10を駆動する振動波モータである。

0122

粘性流体を介在させた駆動においては、その膜厚によって伝達力が大きく変化するから、従来の振動波モータにあるような進行波振幅のむらがある場合には、振幅が大きい場所では膜厚が厚く、振幅が小さい場所では厚くなるために、力を効率よく伝達する膜厚にすることが困難であった。それに対し、本実施の形態では上述したように振幅のむらを低減しているため、膜厚分布を一様にすることができ、効率よく駆動することができる。
(第11の実施の形態)図16は本発明の第11の実施の形態の粉体搬送装置である。

0123

本実施の形態において、弾性体1と圧電素子2で構成される振動体は、第1の実施の形態の振動体であり、弾性体1の溝4の深さを変えて進行波振幅むらを軽減したものである。

0124

弾性体1の駆動面側の溝4によって形成された突起上に周方向に沿って、樹脂等の柔軟な材料で形成されたチューブ12の一部で形成された円環部を載せて接着剤等によって固定している。

0125

チューブ12内に入った粉体13は、振動子に励振した進行波の楕円運動によって円環状チューブの中を搬送される。この搬送装置は、チューブ12内の粉体を連続的に搬送でき、さらに、凝集しやすい粉体の場合は、凝集して固まりになっていても振動によって粉砕されて本来の粒子状の状態で供給できる。

0126

通常の振動波モータのように円環状の移動体を駆動する場合は、各駆動位置での駆動力の合計が移動体の駆動力となるため、移動体の加圧力平面度、剛性等のむらを除けば、駆動力が平均化される。

0127

ところが、本実施の形態に示した粉体のように微小な物体の場合は平均化されず、その速度が位置によって異なり、駆動力の小さい場所で詰まってしまう等の問題があった。

0128

しかしながら、本実施の形態では、圧電素子に起因する剛性差を修正したことによって、進行波振幅を均一化できるため、上述したような問題を低減する効果がある。
(第12の実施の形態)図24は本発明の第12の実施の形態の部分展開図である。

0129

第1の実施の形態では、圧電素子2の隣り合う電極間を溝位置と一致させたが、本実施の形態の振動体は、電極間と溝位置が必ずしも一致してはいない。

0130

本実施の形態においては、剛性が低下している電極間3−3 の位置に溝4が一致していない場合は、これに最も近い位置の溝4−3の溝の深さを浅くしたことによって剛性差を修正するか、または電極間3−3を挟むように配置された複数の溝4−2を浅くすることによって、電極間近傍の剛性差を修正している。

0131

剛性差を修正するには、必ずしも溝位置と電極間とが一致していなくても良く、振動体の曲げ変形の剛性が均一になるように複数の溝に剛性差を持たせればよい。
(第13の実施の形態)図25は本発明の第13の実施の形態の分解斜視図である。

0132

本実施の形態は、弾性体1と、圧電素子2を図示したような相対角度で接着剤等で固着することによって振動体を構成する。

0133

本実施の形態では,圧電素子2の互いに異なる方向に分極された隣り合う電極間3−3 は振動体の溝4とは一致しておらず、弾性体1の、電極間3−3と略一致する位置の剛性が他の領域に比較して大きくなるように、電極間3−3と一致しない突起の内径側1−2 を削除したものである。
(第14の実施の形態)図26は本発明の第14の実施の形態の振動体の部分展開図、図27図26の振動体に剛性差を持たせる工程をあらわす斜視図である。弾性体1は、空孔6を多く含む材料で粉末焼結法等により形成されている。

0134

金属粉末を圧縮して得られる圧粉体を、金属の融点以下の高温焼結させて焼結体とするため、焼結工程において、そりや歪みを生じてしまい, 精度が悪化するため, そのままでは弾性体として用いるには適さない。

0135

そこで、本実施の形態においては、弾性体1の複数の溝4の底にあてる型14と圧電素子2の固着面側にあてる型15で挟み込んでプレスし、形状の矯正を行っている。

0136

あらかじめ、圧電素子2の固着時に、互いに異なる方向に分極された隣接する電極間3−3 を略一致させる位置に相当する焼結体の溝部4−4 の厚みを他の溝部より厚くしておき、溝の底をプレスする型の突起部16はすべて同じ高さにしてあるため、この構成でプレスし、形状の矯正を行うことによって, 溝部4−4 の空孔が他の部分よりもより強く押しつぶされて密度があがる。このようにして弾性係数を増大させることによって、剛性の不均一を修正することができている。

0137

空孔が多い材料の場合、振動時に内部損失が増え、アクチュータとしては効率の悪いものになる場合があるため、弾性体を構成する焼結金属よりも弾性定数が小さい材料を溶浸させて残りの空孔に充填しても良い。

0138

本実施の形態においては、完成品の形状を変えることなく、剛性の修正を行うことができるために曲げ変形の中立面の変化が少ない。さらに、寸法精度向上のためのプレス工程と、剛性差修正の工程をかねることによってより安価な製造が可能となる。
(第15の実施の形態)図28は本発明の第15の実施の形態の斜視図である。

0139

本実施の形態では、振動波モータに生ずる不要な進行性の振動を除去するために、弾性体1に、溝を他の溝よりも深くした剛性不均一部4−5を持たせたものである。この振動波モータに生じる不要な進行性の振動波とは、駆動のために圧電素子により形成される複数の定在波を合成することで得られる駆動に供せされる進行波とは異なる次数において、振動波モータに対する外部からの影響または内部での不具合等の種々の要因により可聴域において進行波が形成されると、これが鳴きとして聞き取られることになる。

0140

そこで、この鳴きの発生する次数における進行波の発生を妨げるために、この鳴きの発生する次数における進行波を形成する2つのモードの固有振動数に十分な差を持たせようとしたものである。そして、この2つのモードの振動が同時に励起されないようにするために、不要振動の曲げ振動次数に対応した分割数で振動体に合成不均一部4−5を設けたものである。

0141

圧電素子2には、電極3が設けられており、隣り合う電極領域は互いに逆方向に、厚み方向に分極されている。互いに異なる方向に分極された隣接する電極間に対応する振動体1の部分は、溝4−1を浅くすることによって曲げ剛性を高くし、圧電素子2の電極間の低剛性部と相殺することによって、圧電素子2の電極間の低剛性部によって生じる進行波振幅のむらを低減している。

0142

不要振動除去用の深溝4−5と、剛性差修正用の溝4−1とは一致しないように配置したが、不要振動除去用の深溝4−5と、剛性差修正用の溝4−1を同一の溝とする場合には、不要振動除去用の剛性低下分と、剛性差修正用の剛性増加分の和の剛性変化を、一致した溝部に与えれば同じ効果が得られる。

0143

なお、第6の実施の形態で図8、9に示した棒状の振動体においても、剛性差修正用の溝の他に不要振動除去用の溝や切欠き、面取り等を設けても同様の効果が得られ、2つの溝が一致してしまう場合には、その和の剛性変化を与えれば良い。

0144

本実施の形態のように、他の目的で振動体に剛性差が設けられている場合でも、さらに圧電素子の剛性差を修正するための剛性差を付加することで、同様の効果が得られる。
(第16の実施の形態)図29、30は本発明の第16の実施の形態を示す。

0145

図2に示す実施の形態の圧電素子は、A、B群の圧電素子を左右に振り分け、隣接する電極パターンの分極方向を互いに異なる方向としているが、本実施の形態の圧電素子は、図29に示すように、A、B群の電極をそれぞれ隣接して配置し(この一対の電極の長さは1波長)、かつ隣接するA、B両群の電極の分方向を互いに異なる方向としている。

0146

本実施の形態では、互いに異なる方向に分極された電極間3−3の剛性は、同方向に分極された電極間3−4よりも小さくなる。ここで、A相電極への電圧の印加によって励振される定在波を、電極間3−4を腹とする定在波、及び電極間3−3を腹とする定在波に分解してみると、電極間3−3を腹とする場合には、曲げ剛性が低くなり、印加電圧に対する振動振幅は、図30に示すように、共振周波数が下がる。共振周波数よりも高い周波数で駆動する場合には、電極間3−4を腹とする定在波の振幅が大きくなり、結果として、A相への励振で得られる定在波は電極間3−4を腹とする成分の振幅が大きく、振動形状が電極間3−4へ寄るようにシフトする。

0147

B相についても同様に、電極間3−4へ寄るようにシフトするため、A−B相の位置的位相差が所定のλ/4の波長からずれ、均一な振幅が得られなくなる。

0148

このような圧電素子の場合でも、上記した各実施の形態のように、弾性体の対応部分の剛性を不均一として振動体の剛性を一様にしたり、圧電素子自体対処で振動体の剛性を一様にすれば良いことになる。
(第17の実施の形態)図31は本発明の第17の実施の形態を示す。

0149

本実施の形態の振動体は、ディスク型の弾性体1に圧電素子2を固着した、径方向に1次のモードで駆動される振動体である。

0150

弾性体1には、変位拡大用の複数の突起4が形成され、圧電素子のパターン電極3−1は、隣り合う電極が互いに逆方向に厚み方向に分極されており、隣接する電極間3−3に相当する振動体の曲げ剛性はその他の部分より小さくなっている。

0151

本実施の形態では、ディスク型の弾性体1の電極間3−3の位置に相当する角度、および径方向位置に突起状の剛性不均一部4−5を設けることによって、圧電素子の電極間での曲げ剛性の低下分を補い、むらのない均一な振動を得ている。

0152

弾性体1に設ける剛性不均一部は、第1の実施の形態に示したように、隣接する突起間の溝の深さを変えることによっても得られ、さらに、突起の形状を不均一にすることによっても得ることができる。

0153

また、同心円上に複数の圧電素子を配列して駆動する場合には、それぞれの圧電素子の、互いに逆方向に分極された電極間領域に対応する角度、径方向位置に、弾性体1の剛性不均一部4−5を設ければ良い。

発明の効果

0154

請求項1、2、3に係る発明によれば、振動体は安定した駆動振動を出力することができる。

0155

請求項4、10、11、12、13に係る発明によれば、円環あるいはディスク状の弾性体の振動体において安定した駆動振動を出力することができる。

0156

請求項5、14、15に係る発明によれば、棒状の弾性体の振動体において安定した駆動振動を出力することができる。

0157

請求項6、7、8、9に係る発明によれば、種々の圧電素子等の電気−機械エネルギー変換素子に対して安定した駆動振動を得ることができる。

0158

請求項16、17に係る発明によれば、電気−機械エネルギー変換素子の分極領域間に剛性の変化が生じていても、振動体自体の剛性は一様にすることができ、安定した駆動を出力することができる。

0159

請求項18に係る発明によれば、弾性体の剛性を不均一とすることで振動体の剛性を一様にすることができる。

0160

請求項19に係る発明によれば、電気−機械エネルギー変換素子の分極領域間に剛性の変化が生じていても、電気−機械エネルギー変換素子の断面形状を工夫することにより、振動体の剛性を一様にすることができる。

0161

請求項22に係る発明によれば、弾性体の振動変位を大きくするために形成された溝を利用して、例えば通常よりも溝を浅くすることにより剛性の部分的不均一の修正を行うことができる。

0162

請求項23、24、29に係る発明によれば、弾性体の溝の深さを変えるといったことをせずに部分的に剛性を異ならせることができる。

0163

請求項27に係る発明によれば、電気−機械エネルギー変換素子の電極間に弾性体の溝が一致していなくても、その周囲の溝の深さを変えることで、振動体の剛性を一様にすることができる。

0164

請求項28に係る発明によれば、溝の深さだけでなくても、突起を他の突起より小さくする等の形状を異ならせることにより剛性の部分的な不均一を修正することができる。請求項30に係る発明によれば、鳴き等の発生も防止することができる。請求項31に係る発明によれば、振動体の中立軸の変化を少なくできる。

0165

請求項32、33に係る発明によれば、駆動効率が向上し、偏摩耗の発生が防止できるとともに、寿命の長い振動波モータ等の振動波駆動装置を提供することができる。

0166

請求項35に係る発明によれば、振動体の駆動振動が安定した波形となり、流体や粉体等を管詰まりさせることなく搬送することができる。

図面の簡単な説明

0167

図1本発明の第1の実施の形態の斜視図
図2本発明の第1の実施の形態における圧電素子のパターン図
図3本発明の第2 の実施の形態の圧電振動子の部分展開図
図4本発明の第2の実施の形態の圧電振動子の部分展開図
図5本発明の第3の実施の形態の圧電振動子の部分展開図
図6本発明の第4の実施の形態の圧電振動子の部分展開図
図7本発明の第5の実施の形態の圧電振動子の部分展開図
図8本発明の第6の実施の形態の圧電振動子の分解斜視図
図9本発明の第6の実施の形態の圧電振動子の斜視図
図10本発明の第6の実施の形態の圧電振動子の従来形状における周波数応答
図11本発明の第6の実施の形態の圧電振動子の部分展開図
図12本発明の第7の実施の形態の圧電振動子の斜視図
図13本発明の第8の実施の形態の圧電振動子の斜視図
図14本発明の第9の実施の形態の圧電振動子の分解斜視図
図15本発明の第10の実施の形態の振動波モータの斜視図
図16本発明の第11の実施の形態の粉体搬送装置の斜視図
図17振動波モータの駆動原理をあらわす部分展開図
図18振動波モータの圧電素子の分極パターンをあらわす平面図
図19圧電素子分極時の電気力線および、縦弾性係数分布をあらわす断面図
図20従来の圧電振動子の振動振幅むらを説明する図
図21従来の圧電振動子の斜視図
図22圧電素子を分割した従来の圧電振動子の部分展開図
図23研磨によって電極を分割した従来の圧電振動子の部分展開図
図24本発明の第12の実施の形態を示す斜視図
図25本発明の第13の実施の形態を示す分解斜視図
図26本発明の第14の実施の形態を示す斜視図
図27図26の弾性体の製造方法を示す斜視図
図28第15の実施の形態を示す斜視図
図29第16の実施の形態を示す圧電素子の平面図
図30第16の実施の形態の周波数と振幅との関係を示す図
図31(a)、(b)は第17の実施の形態を示す振動体の斜視図

--

0168

1…振動体
2…圧電素子
3…電極
4…溝
5…振動体凸部
6…空孔
7…フレキシブルプリント基板
8…ボルト
9…圧電素子切り欠き部
10…移動子
11…粘性流体
12…チューブ
13…粉体

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