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課題

高効率の圧縮機を、特にその低回転領域運転しても、低い振動および騒音レベルを実現するインバータ駆動装置を提供すること。

解決手段

電動機と、電動機に交流電力通電角度が120度より大、180度以下で供給するインバータと、電動機の発生するトルク負荷要素の発生する負荷トルクとを一致させるべく電動機の発生トルクと制御するトルク制御手段を備える。これにより、トルク脈動の大きい圧縮機等の負荷を駆動する場合でも、回転脈動を低減させるとともに、正弦波に近い滑らかな電流波形により低い騒音レベルも実現するものである。また、制御量調整手段により、トルク制御の効果を調整できる。さらに、トルク補正量記憶手段により起動時の低い振動を、また電動機の停止時には、電動機の回転子磁極の所定の位置で通電を停止し、ブレーキ掛ける機能を有したインバータにより停止時の低振動を実現する。

概要

背景

近年、空気調和機では、地球環境保護の観点から消費電力を低減する必要性が大きくなっている。その中で、省電力の技術の一つとして、圧縮機の電動機を任意の周波数で駆動することができるインバータを用いた空気調和機が広く一般に使用されている。

しかし、圧縮機の効率が高い1ピストンロータリ圧縮機をインバータにより駆動しようとした場合、とくにその低回転数域においては、振動、および騒音が増大して実用化が困難であった。図13に示すように、ロータリ圧縮機に加わる負荷トルクは、冷媒吐出するタイミングで最大となるが、回転角度に応じて大きく変動し、それにより回転速度が大きく脈動し、振動および騒音を発生していた。さらに、その脈動は、回転数が低いほど増大し、それによる振動の振幅も増大するものであった。そのため、1ピストンのロータリ圧縮機をインバータにより駆動することは、とくに低回転数域での運転が難しく、能力制御範囲が狭くなり、インバータの省電力、低騒音の効果を得るのが困難なものとなっていた。

これらの問題を解決するために、たとえば、特開平1−133585号公報に示されているように、ロータリ圧縮機の1回転の角度を複数に分割し、その分割された角度ごとの回転加速度回転子加速度検出手段により検出し、回転加速度指令と回転加速度との偏差に基づいて電動機に与える電流指令を生成してトルク制御を行うことにより低振動化を実現していた。また、特公平6−9439号公報に示されているように、電動機の1回転当たりの負荷パターンを記憶するトルクパターン記憶部を備え、電動機の回転角に応じて前記トルクパターン記憶部からデータを呼び出し、呼び出されたデータから電流指令を生成してトルク制御を行うことにより低振動化を実現していた。

概要

高効率の圧縮機を、特にその低回転領域で運転しても、低い振動および騒音レベルを実現するインバータ駆動装置を提供すること。

電動機と、電動機に交流電力通電角度が120度より大、180度以下で供給するインバータと、電動機の発生するトルク負荷要素の発生する負荷トルクとを一致させるべく電動機の発生トルクと制御するトルク制御手段を備える。これにより、トルク脈動の大きい圧縮機等の負荷を駆動する場合でも、回転脈動を低減させるとともに、正弦波に近い滑らかな電流波形により低い騒音レベルも実現するものである。また、制御量調整手段により、トルク制御の効果を調整できる。さらに、トルク補正量記憶手段により起動時の低い振動を、また電動機の停止時には、電動機の回転子磁極の所定の位置で通電を停止し、ブレーキ掛ける機能を有したインバータにより停止時の低振動を実現する。

目的

本発明は上記の課題を解決するためになされたものであって、空気調和機の圧縮機を周波数可変で駆動して能力を制御する場合、高効率の圧縮機を、とくに低回転数域で運転しても振動や騒音レベルを低くすることができる電動機のトルク制御装置を提供することを目的ないしは解決すべき課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
6件
牽制数
18件

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請求項1

負荷要素を駆動する電動機と、前記電動機に交流電力を供給するインバータと、前記電動機が発生するトルクと前記負荷要素が発生する負荷トルクとを一致させるように前記インバータを制御するトルク制御手段とを備えていて、前記インバータにおいては、前記電動機への交流出力のための通電角度が120度より大きく180度以下となっている電動機のトルク制御装置

請求項2

前記トルク制御手段は、前記電動機の回転子回転加速度を検出する回転子加速度検出手段と、検出された回転加速度と回転加速度指令との偏差に基づいて前記電動機に与える電圧または電流のいずれかを制御する加速度制御手段とを備えている請求項1に記載の電動機のトルク制御装置。

請求項3

前記加速度制御手段は、検出された回転加速度と回転加速度指令との偏差に基づいて前記電動機に与える電圧または電流のいずれかを演算する制御量演算手段を前記電動機の回転子の所定の回転位置ごとに対応して複数個備えるとともに、任意の回転位置に対応する制御量を前記複数個の制御量演算手段の値の補間により求めるトルク指令補正量補間手段を備えている請求項2に記載の電動機のトルク制御装置。

請求項4

前記トルク制御手段は、前記電動機の回転子の回転速度を検出する回転子位置速度検出手段と、検出された回転速度と回転速度指令との偏差に基づいて前記電動機に与える電圧または電流のいずれかを制御する速度制御手段とを備えている請求項1に記載の電動機のトルク制御装置。

請求項5

前記速度制御手段は、検出された回転速度と回転速度指令との偏差に基づいて前記電動機に与える電圧または電流のいずれかを演算する制御量演算手段を前記電動機の回転子の所定の回転位置ごとに対応して複数個備えるとともに、任意の回転位置に対応する制御量を前記複数個の制御量演算手段の値の補間により求めるトルク指令補正量補間手段を備えている請求項4に記載の電動機のトルク制御装置。

請求項6

前記トルク制御手段は、前記電動機の回転子の回転角に対して相対する位置の回転速度の差を検出する速度差検出手段と、検出された速度差に基づいて前記電動機に与える電圧または電流のいずれかを制御する速度差制御手段とを備えている請求項1に記載の電動機のトルク制御装置。

請求項7

前記速度差制御手段は、検出された速度差に基づいて前記電動機に与える電圧または電流のいずれかを演算する制御量演算手段を前記電動機の回転子の所定の回転位置ごとに対応して複数個備えるとともに、任意の回転位置に対応する制御量を前記複数個の制御量演算手段の値の補間により求めるトルク指令補正量補間手段を備えている請求項6に記載の電動機のトルク制御装置。

請求項8

前記インバータは、前記電動機の電流を検出する電流センサを2個以上備えていて、前記インバータが出力する電圧値と前記電動機の特性値とから推定される電流推定値と、前記電流センサにより検出された電流値との偏差に基づいて前記電動機の回転子磁極位置を推定する回転子位置推定手段を備え、かつ推定された回転子磁極位置の情報に基づいて通電を制御する機能を備えている請求項1ないし請求項7のいずれか1つに記載の電動機のトルク制御装置。

請求項9

前記回転子加速度検出手段は、前記電動機の電流を検出する電流センサを2個以上備えていて、前記インバータが出力する電圧値と前記電動機の特性値とから推定される電流推定値と、前記電流センサにより検出された電流値との偏差に基づいて前記電動機の回転加速度を推定する機能を備えている請求項2または請求項3に記載の電動機のトルク制御装置。

請求項10

前記回転子位置速度検出手段は、前記電動機の電流を検出する電流センサを2個以上備えていて、前記インバータが出力する電圧値と前記電動機の特性値とから推定される電流推定値と、前記電流センサにより検出された電流値との偏差に基づいて前記電動機の回転速度を推定する機能を備えている請求項4または請求項5に記載の電動機のトルク制御装置。

請求項11

前記速度差検出手段は、前記電動機の電流を検出する電流センサを2個以上備えていて、前記インバータが出力する電圧値と前記電動機の特性値とから推定される電流推定値と、前記電流センサにより検出された電流値との偏差に基づいて前記電動機の回転速度差を推定する機能を備えている請求項6または請求項7に記載の電動機のトルク制御装置。

請求項12

負荷要素を駆動する電動機と、前記電動機に交流電力を供給するインバータと、前記電動機が発生するトルクと前記負荷要素の発生する負荷トルクとを一致させるように前記インバータを制御するトルク制御手段とを備えている電動機のトルク制御装置において、前記電動機の回転子の回転加速度を検出する回転子加速度検出手段と、検出された回転加速度と回転加速度指令との偏差に基づいて前記電動機に与える電圧または電流のいずれかを制御する加速度制御手段とを備えていて、前記トルク制御手段は、前記回転子の1回転中の各回転角度における前記インバータのトルク指令補正量を記憶するトルク補正量記憶手段を備え、前記電動機の起動時には、前記トルク補正量記憶手段に記憶された前記トルク指令補正量に基づいて前記電動機に与える電圧または電流のいずれかを制御することによりトルク制御を行い、起動してから所定時間後には、検出された回転加速度を用いて前記加速度制御手段がトルク制御を行うようになっている電動機のトルク制御装置。

請求項13

負荷要素を駆動する電動機と、前記電動機に交流電力を供給するインバータと、前記電動機が発生するトルクと前記負荷要素が発生する負荷トルクとを一致させるように前記電動機の発生トルクを制御するトルク制御手段とを備えている電動機のトルク制御装置において、前記電動機の回転子の回転速度を検出する回転子位置速度検出手段と、検出された回転速度と回転速度指令との偏差に基づいて前記電動機に与える電圧または電流のいずれかを制御する速度制御手段とを備えていて、前記トルク制御手段は、前記回転子の1回転中の各回転角度における前記インバータのトルク指令補正量を記憶するトルク補正量記憶手段を備え、前記電動機の起動時には、前記トルク補正量記憶手段に記憶された前記トルク指令補正量に基づいて前記電動機に与える電圧または電流のいずれかを制御することによりトルク制御を行い、起動してから所定時間後には、検出された回転速度を用いて前記速度制御手段がトルク制御を行うようになっている電動機のトルク制御装置。

請求項14

負荷要素を駆動する電動機と、前記電動機に交流電力を供給するインバータと、前記電動機が発生するトルクと前記負荷要素が発生する負荷トルクとを一致させるように前記電動機の発生トルクを制御するトルク制御手段とを備えている電動機のトルク制御装置において、前記電動機の回転子の回転角に対して相対する位置の回転速度の差を検出する速度差検出手段と、検出された回転速度差に基づいて前記電動機に与える電圧または電流のいずれかを制御する速度差制御手段とを備えていて、前記トルク制御手段は、前記回転子の1回転中の各回転角度における前記インバータのトルク指令補正量を記憶するトルク補正量記憶手段を備え、前記電動機の起動時には、前記トルク補正量記憶手段に記憶された前記トルク指令補正量に基づいて前記電動機に与える電圧または電流のいずれかを制御することによりトルク制御を行い、起動してから所定時間後には、検出された回転速度差を用いて速度差制御手段がトルク制御を行うようになっている電動機のトルク制御装置。

請求項15

負荷要素を駆動する電動機と、前記電動機に交流電力を供給するインバータと、前記電動機が発生するトルクと前記負荷要素が発生する負荷トルクとを一致させるように前記インバータを制御するトルク制御手段と、前記インバータの電源入力電源電圧を検出する電源電圧検出手段とを備えていて、前記トルク制御手段は、検出された電源電圧の値に基づいて前記インバータの出力電圧に補正をかけることにより、トルクを安定に制御するようになっている電動機のトルク制御装置。

請求項16

負荷要素を駆動する電動機と、前記電動機に交流電力を供給するインバータと、前記電動機が発生するトルクと前記負荷要素が発生する負荷トルクとを一致させるように前記インバータを制御するトルク制御手段とを備えていて、前記トルク制御手段は、前記電動機の停止時には、該電動機の回転子磁極の所定の位置で通電を停止することにより停止時の振動を低減する機能を備えている電動機のトルク制御装置。

請求項17

前記トルク制御手段は、通電を停止する前記電動機の回転子磁極の位置を、停止前の該電動機の回転数により変化させるようになっている請求項16に記載の電動機のトルク制御装置。

請求項18

前記インバータは、通電を停止する前記電動機の回転子磁極の位置を、停止前の該電動機のトルクにより変化させるようになっている請求項16に記載の電動機のトルク制御装置。

請求項19

前記加速度制御手段は、検出された回転加速度と回転加速度指令との偏差に基づいて前記電動機に与える電圧または電流のいずれかを演算する制御量演算手段を前記電動機の回転子の所定の回転位置ごとに対応して複数個備えていて、各制御量演算手段の出力する電圧または電流値は、回転角に対して隣接する他の制御量演算手段の出力値との差があらかじめ定められた所定の値以下となるように制限されるようになっている請求項2に記載の電動機のトルク制御装置。

請求項20

前記速度制御手段は、検出された回転速度と回転速度指令との偏差に基づいて電動機に与える電圧または電流のいずれかを演算する制御量演算手段を前記電動機の回転子の所定の回転位置ごとに対応して複数個備えていて、各制御量演算手段の出力する電圧または電流値は、回転角に対して隣接する他の制御量演算手段の出力値との差があらかじめ定められた所定の値以下となるように制限されるようになっている請求項4に記載の電動機のトルク制御装置。

請求項21

前記速度差制御手段は、検出された速度差に基づいて前記電動機に与える電圧または電流のいずれかを演算する制御量演算手段を前記電動機の回転子の所定の回転位置ごとに対応して複数個備えていて、各制御量演算手段の出力する電圧または電流値は、回転角に対して隣接する他の制御量演算手段の出力値との差があらかじめ定められた所定の値以下となるように制限されるようになっている請求項6に記載の電動機のトルク制御装置。

請求項22

前記加速度制御手段は、検出された回転加速度と回転加速度指令との偏差に基づいて前記電動機に与える電圧または電流のいずれかを演算する制御量演算手段を前記電動機の回転子の所定の回転位置ごとに対応して複数個備えるとともに、各制御量演算手段の出力する電圧または電流値を、所定の最小値および最大値の範囲内に制限する制御量調整手段を備えている請求項2に記載の電動機のトルク制御装置。

請求項23

前記速度制御手段は、検出された回転速度と回転速度指令との偏差に基づいて前記電動機に与える電圧または電流のいずれかを演算する制御量演算手段を前記電動機の回転子の所定の回転位置ごとに対応して複数個備えるとともに、各制御量演算手段の出力する電圧または電流値を、所定の最小値および最大値の範囲内に制限する制御量調整手段を備えている請求項4に記載の電動機のトルク制御装置。

請求項24

前記速度差制御手段は、検出された速度差に基づいて前記電動機に与える電圧または電流のいずれかを演算する制御量演算手段を前記電動機の回転子の所定の回転位置ごとに対応して複数個備えるとともに、各制御量演算手段の出力する電圧または電流値を、所定の最小値および最大値の範囲内に制限する制御量調整手段を備えている請求項6に記載の電動機のトルク制御装置。

請求項25

前記制御量調整手段の制限する電圧または電流値の最小値および最大値の範囲が、前記インバータの電流容量により決定されるようになっている請求項22ないし請求項24のいずれか1つに記載の電動機のトルク制御装置。

請求項26

前記制御量調整手段の制限する電圧または電流値の最小値および最大値の範囲が、制御調整率により、あらかじめ与えられた所定の最小値または最大値の範囲に制御調整率を掛けた範囲に調整制限されるようになっている請求項22ないし請求項24のいずれか1つに記載の電動機のトルク制御装置。

請求項27

外部より制御量調整率の値を入力し、前記制御量調整手段に出力する機能を有する制御調整率入力手段を備えていて、前記制御量調整手段は、与えられた制御調整率により最小値または最大値の範囲を設定する機能を有する請求項26に記載の電動機のトルク制御装置。

請求項28

前記制御調整率は、前記インバータの出力電圧が最大値に達した場合、所定の倍率でもって減少されるようになっている請求項26に記載の電動機のトルク制御装置。

請求項29

前記制御調整率は、前記インバータの出力電圧が最大値に達した場合、所定の時間変化量でもって減少されるようになっている請求項26に記載の電動機のトルク制御装置。

請求項30

前記制御調整率は、前記インバータの出力電圧が最大値より低くなった場合、所定の時間変化量でもって増加されるようになっている請求項28または請求項29に記載の電動機のトルク制御装置。

請求項31

負荷要素を駆動する電動機と、前記電動機に交流電力を供給するインバータと、前記電動機の発生するトルクと前記負荷要素の発生する負荷トルクとを一致させるように前記電動機の発生トルクを制御するトルク制御手段とを備えている電動機のトルク制御装置において、所定の回転数以上では、トルク制御を実施しないようになっている電動機のトルク制御装置。

請求項32

前記トルク制御手段のトルク制御を中止する場合には、前記制御調整率を時間に対して一定の割合でもって減少させてゆくことにより、トルク制御の効果を徐々に減少させるようになっている請求項26に記載の電動機のトルク制御装置。

請求項33

負荷要素を駆動する電動機と、前記電動機に交流電力を供給するインバータと、前記電動機の発生するトルクと前記負荷要素の発生する負荷トルクとを一致させるように前記電動機の発生トルクを制御するトルク制御手段とを備えている電動機のトルク制御装置において、前記インバータは、前記電動機の停止時には、所定の時間、前記インバータのブレーキ出力により停止トルクを掛けて停止時の振動を低減する機能を有する電動機のトルク制御装置。

請求項34

前記電動機の電流を検出する電流センサを備えていて、前記トルク制御装置は、前記インバータのブレーキ出力により停止トルクを掛ける時間を、検出された電流値の変動量に従って決定するようになっている請求項33に記載の電動機のトルク制御装置。

請求項35

前記トルク制御装置は、検出された電流値の変動量が所定の値以下になると、前記インバータのブレーキ出力により停止トルクを掛けるのを終了するようになっている請求項34に記載の電動機のトルク制御装置。

請求項36

前記電動機がブラシレスDCモータである請求項1ないし請求項35のいずれか1つに記載の電動機のトルク制御装置。

請求項37

前記電動機の負荷要素がロータリ圧縮機である請求項1ないし請求項35のいずれか1つに記載の電動機のトルク制御装置。

技術分野

0001

本発明は、圧縮機、とくに負荷トルクの変動が大きい圧縮機を低振動、低騒音運転することができる電動機のトルク制御装置に関する。

背景技術

0002

近年、空気調和機では、地球環境保護の観点から消費電力を低減する必要性が大きくなっている。その中で、省電力の技術の一つとして、圧縮機の電動機を任意の周波数で駆動することができるインバータを用いた空気調和機が広く一般に使用されている。

0003

しかし、圧縮機の効率が高い1ピストンロータリ圧縮機をインバータにより駆動しようとした場合、とくにその低回転数域においては、振動、および騒音が増大して実用化が困難であった。図13に示すように、ロータリ圧縮機に加わる負荷トルクは、冷媒吐出するタイミングで最大となるが、回転角度に応じて大きく変動し、それにより回転速度が大きく脈動し、振動および騒音を発生していた。さらに、その脈動は、回転数が低いほど増大し、それによる振動の振幅も増大するものであった。そのため、1ピストンのロータリ圧縮機をインバータにより駆動することは、とくに低回転数域での運転が難しく、能力制御範囲が狭くなり、インバータの省電力、低騒音の効果を得るのが困難なものとなっていた。

0004

これらの問題を解決するために、たとえば、特開平1−133585号公報に示されているように、ロータリ圧縮機の1回転の角度を複数に分割し、その分割された角度ごとの回転加速度回転子加速度検出手段により検出し、回転加速度指令と回転加速度との偏差に基づいて電動機に与える電流指令を生成してトルク制御を行うことにより低振動化を実現していた。また、特公平6−9439号公報に示されているように、電動機の1回転当たりの負荷パターンを記憶するトルクパターン記憶部を備え、電動機の回転角に応じて前記トルクパターン記憶部からデータを呼び出し、呼び出されたデータから電流指令を生成してトルク制御を行うことにより低振動化を実現していた。

発明が解決しようとする課題

0005

このような従来の電動機のトルク制御装置では、電動機を駆動する方法は前記電動機の誘起電圧を検出して駆動する方式であり、そのため前記電動機を3相それぞれ、電気角で120度通電することにより駆動していた。そのため、トルク制御を行ったときに発生する電流の脈動が、電気角で60度ごとに大きく変動し、そのため、それに起因する騒音、すなわちコギング成分の騒音がかなり大きくなっていた。

0006

図14は、上記従来の方式でトルク制御して駆動したときの電流の一例を示す波形図である。図15は、そのときの圧縮機の円周方向の振動の一例を示す波形図である。図14および図15に示すように、電流はトルクの脈動に対応して大きく変動し、冷媒の吐出のタイミングで大きく流れる一方、吐出後はほとんどトルクを必要とせず、ほとんど電流が流れないように変動する。また、60度ごとに転流が発生するため、電流の転流時の変動が大きくなっている。そのため、それに起因して発生する振動および騒音が非常に大きくなり、防振および防音のための装置が大型化するといった問題があった。

0007

また、従来の方式によりトルク制御して駆動した場合、制御が安定するまでに時間を要するため、起動時には振動および騒音が増大するといった問題が発生していた。また、駆動負荷の大きさが変化すると、インバータに供給される電源電圧が大きく変動するため、インバータによる出力トルクが変動して制御を迅速に安定化させるのが困難であった。

0008

さらに、1ピストンのロータリ圧縮機のようなトルク脈動の大きい負荷の場合、運転停止時には、その停止のタイミングによっては、圧縮機回転が大きく変動し、そのため、圧縮機、さらに空気調和機全体に大きな振動を与えていた。

0009

さらに、従来の方式によりトルクを制御・駆動した場合、検出速度加速度速度差情報高次ノイズ成分入り、トルク制御の出力特性が不安定なものとなっていた。また、トルク制御の出力が調整できないので、常にトルク制御をフルに掛けるために、電流が多大となり、運転効率が悪化していた。さらに、運転全領域においてトルク制御を掛けていたため、高速の振動が比較的少ない領域においても運転効率が悪化していた。

0010

本発明は上記の課題を解決するためになされたものであって、空気調和機の圧縮機を周波数可変で駆動して能力を制御する場合、高効率の圧縮機を、とくに低回転数域で運転しても振動や騒音レベルを低くすることができる電動機のトルク制御装置を提供することを目的ないしは解決すべき課題とする。

課題を解決するための手段

0011

上記の課題を解決するためになされた本発明は、負荷要素を駆動する電動機と、電動機に交流電力通電角度を120度より大きく180度以下で供給するインバータと、電動機が発生するトルクと負荷要素が発生する負荷トルクとを一致させるように電動機の発生トルクを制御するトルク制御手段とを備えた電動機のトルク制御装置を提供する。

0012

上記電動機のトルク制御装置は、電動機の回転子の回転加速度を検出する回転子加速度検出手段と、検出された回転加速度と回転加速度指令との偏差に基づいて電動機に与える電圧または電流のいずれかを制御する加速度制御手段とを備えていてもよい。

0013

また、上記電動機のトルク制御装置は、電動機の回転子の回転速度を検出する回転子位置速度検出手段と、検出された回転速度と回転速度指令との偏差に基づいて電動機に与える電圧または電流のいずれかを制御する速度制御手段とを備えていてもよい。

0014

さらに、上記電動機のトルク制御装置は、電動機の回転子の回転角に対して相対する位置の回転速度の差を検出する速度差検出手段と、検出された速度差に基づいて電動機に与える電圧または電流を制御する速度差制御手段とを備えていてもよい。

0015

これらにより、トルク脈動の大きい圧縮機などの負荷要素を駆動する場合でも、回転脈動を低減することができ、かつ正弦波に近い滑らかな電流波形により駆動して低い騒音レベルを実現することができる。

0016

なお、これらの電動機のトルク制御装置においては、加速度制御手段、速度制御手段または速度差制御手段が、それぞれ、検出された回転加速度、回転速度または速度差と、これらの指令値との偏差に基づいて、前記電動機に与える電圧または電流のいずれかを演算する制御量演算手段を電動機の回転子の所定の回転位置ごとに対応して複数個備えるとともに、任意の回転位置に対応する制御量を複数個の制御量演算手段の値の補間により求めるトルク指令補正量補間手段を備えていてもよい。

0017

また、これらの電動機のトルク制御装置は、インバータが電動機の電流を検出する電流センサを2個以上備えている場合は、インバータが出力する電圧値と電動機の特性値とから推定される電流推定値と、電流センサにより検出された電流値との偏差に基づいて電動機の回転子磁極位置を推定する回転子位置推定手段を備え、かつ推定された回転子磁極位置の情報に基づいて通電を制御する機能を備えているのが好ましい。

0018

さらに、これらの電動機のトルク制御装置は、回転子加速度検出手段、回転子位置速度検出手段または速度差検出手段が電動機の電流を検出する電流センサを2個以上備えている場合は、インバータが出力する電圧値と電動機の特性値とから推定される電流推定値と、電流センサにより検出された電流値との偏差に基づいて電動機の回転加速度、回転速度または回転速度差を推定する機能を備えているのが好ましい。

0019

また、本発明は、トルク制御手段が、1回転子の1回転中の各回転角度におけるインバータのトルク指令補正量を記憶するトルク補正量記憶手段を備え、かつ電動機の起動時には、トルク補正量記憶手段に記憶されたトルク指令補正量に基づいて電動機に与える電圧または電流のいずれかを制御することによりトルク制御を行い、起動してから所定時間後には、検出された回転加速度、回転速度または回転速度差を用いてトルク制御を行う加速度制御手段、速度制御手段または速度差制御手段を備えている電動機のトルク制御装置を提供する。これにより、起動時から安定した低振動と低騒音を実現することができる。

0020

また、本発明は、インバータの電源入力の電圧を検出する電源電圧検出手段を備え、検出された電源電圧の値に基づいて出力電圧に補正をかける機能を有するトルク制御手段を備えた電動機のトルク制御装置を提供する。これにより、電源が不安定な場合でも安定して低振動、低騒音を実現することができる。

0021

また、本発明は、電動機の停止時には、電動機の回転子磁極の位置を所定の位置で通電を停止する機能を有し、さらにその停止位置を停止前の回転数またはトルクにより変化させるインバータを備えた電動機のトルク制御装置を提供する。なお、トルク制御手段は、通電を停止する前記電動機の回転子磁極の位置を、停止前の該電動機の回転数により変化させるようになっていてもよい。また、インバータは、通電を停止する電動機の回転子磁極の位置を、停止前の電動機のトルクにより変化させるようになっていてもよい。

0022

これにより、電動機の停止時には、電動機の回転子磁極の所定の位置で通電を停止させ、さらにその停止位置を、停止前の回転数またはトルクにより変化させることにより、停止時の低い振動を実現することができる。

0023

これらの電動機のトルク制御装置は、出力する電圧または電流値が、回転角に対して隣接する他の制御量演算手段の出力値との差があらかじめ定められた所定の値以下になるように制限されるトルク制御手段を備えていてもよい。これにより、安定したトルク制御が実現できる。

0024

これらの電動機のトルク制御装置は、トルク制御における加速度制御出力速度制御出力または速度差制御出力のそれぞれに対して、そのトルク指令の上下限をインバータの電気容量等の値に設定するトルク制御手段を備えていてもよい。これにより、装置の保護を実現することができる。

0025

また、電動機のトルク制御装置は、これらのトルク指令が制限される最小値および最大値の範囲が、与えられた所定の制御調整率により、あらかじめ与えられた最小値、最大値の範囲より制御調整率を掛けた範囲に調整制限される制御量調整手段を備えていてもよい。これにより、制御量の調整により必要な制御量に合ったトルク制御が実現される。

0026

さらに、これらの電動機のトルク制御装置は、外部から制御調整率を入力する制御調整率入力手段を備えていてもよい。これにより、ユーザが省エネ重視運転設定を選択できるような装置が実現される。

0027

また、これらの電動機のトルク制御装置においては、インバータの出力電圧が最大値に達した場合、制御調整率が変更されてもよい。これにより、電圧飽和時の電圧波形乱れ、不安定駆動を回避することができる。

0028

さらに、これらの電動機のトルク制御装置においては、インバータの出力電圧が最大値に達した場合、制御調整率を所定の時間変化率で変更するようにしてもよい。これにより、制御調整率の変更時の切替衝撃を低減することができる。

0029

また、これらの電動機のトルク制御装置においては、所定の回転数以上では、トルク制御を中止するようにしてもよい。これにより、運転効率の高いトルク制御が実現される。

0030

さらに、これらの電動機のトルク制御装置は、トルク制御の中止時には、制御調整率を一定の割合でもって減少させていく機能を有していてもよい。これにより、トルク制御中止時の衝撃を低減することができる。

0031

また、これらの電動機のトルク制御装置は、電動機の停止時には、電動機の回転出力を停止した後、ブレーキ出力を行うインバータを備えていてもよい。これにより、停止時のさらなる低い振動が実現される。

0032

さらに、これらの電動機のトルク制御装置は、電動機停止時のブレーキ出力を行う時間を電流の変動により決定する機能を有していてもよい。これにより、どのような負荷の場合でも、確実な低振動化が実現される。

発明を実施するための最良の形態

0033

本発明において、トルク制御手段は、電動機の回転子の回転加速度または回転速度に対応して電動機への通電を制御することにより回転脈動を低減する。このとき、トルク制御手段は、脈動を抑制するために前記回転子の回転加速度をゼロに制御する。

0034

実施の形態においては、電動機の相電流を検出する2つの電流センサを備え、インバータ内に設けた回転子位置速度検出手段が回転子速度検出手段として機能し、前記2つの相電流から前記回転子の位置および回転速度を検出する。トルク制御手段では、回転子加速度検出手段により前記回転速度を微分して回転加速度を検出し、加速度制御手段により加速度をゼロとするトルク指令補正量をインバータに出力するものとする。なお、上記回転子位置速度検出手段は、インバータの出力と電動機の特性値とから演算される出力電流と実際の電流との差異に基づいて回転子の位置と速度とを検出する。また、脈動を低減するために、回転子速度を一定に制御してもよいのはいうまでもない。

0035

また、本発明において、トルク制御手段は、起動直後には上記トルク指令補正量が得られないことに対応して、起動時の脈動を抑制するのに必要と考えられる所定のパターンを有するトルク指令補正量を用いて起動時の脈動を抑制する。

0036

実施の形態では、上記所定のトルク指令補正量をトルク補正量記憶手段にあらかじめ記憶保持しておき、起動時にはそのトルク指令補正量を読み出してトルク制御し、トルク制御が安定した所定時間後からは、実際に検出される回転加速度または回転速度によるトルク制御に移行して脈動を抑制するものとする。

0037

また、本発明において、トルク制御手段は、本発明におけるトルク制御が脈動を抑制するために電流変化が大きくなり、それが電源電圧の変化に反映されてトルク制御が不確実になることに対処しており、電源電圧の変化によりトルク制御を補正するものとする。実施の形態では、電源電圧を電源電圧検出手段を設け、検出した電源電圧をトルク制御手段に入力して電源電圧の変化によるトルク変化を相殺するようにトルク指令を補正するものとする。

0038

また、本発明において、トルク制御手段は、電動機の停止位置が停止時の逆回転振動に大きく影響することに対処しており、電動機の停止時には、電動機の回転子磁極の停止位置が上記振動の小さい位置となるように通電を停止させて振動を抑制する。また、上記逆回転振動は、停止前の回転数やトルクの大きさに依存することに対処して、停止前の回転数またはトルクにより停止位置を変えるように制御する。なお、実施の形態では、たとえば停止前のトルクの大きさを相電流の大きさにより検出するとするが、これに限定されるものではない。

0039

以下、本発明の具体的な実施の形態を説明する。
(実施の形態1)以下、本発明の実施の形態1にかかる電動機のトルク制御装置について図面を参照しながら説明する。図1は、実施の形態1にかかる電動機のトルク制御装置の構成を示すブロック図である。図1において、交流電源1からの入力を整流回路2で直流整流された直流電圧は、インバータ3におけるスイッチング素子5a 〜5f と環流ダイオード6a 〜6f とが対になった回路により3相の交流電圧に変換され、それによりブラシレスDCモータである圧縮機モータ4が駆動される。

0040

インバータ3において、電流センサ7a 〜7b により検出された圧縮機モータ4の電流を用いて、圧縮機モータ4の回転子磁極位置を推定検出する回転子位置速度検出手段8により推定された回転子磁極位置の情報に基づいて、正弦波駆動回路9が圧縮機モータ4を駆動するためのドライブ信号ベースドライバ10に出力し、ベースドライバ10は、そのドライブ信号に従って、スイッチング素子5a 〜5f を駆動するための信号を出力する。また、電流センサ7a 〜7b により検出された圧縮機モータ4の電流を用いて、圧縮機モータ4の回転子の速度を推定検出する回転子位置速度検出手段8により推定された回転子の速度と、外部から与えられる目標速度との偏差の情報から、正弦波駆動回路9は回転子速度が目標速度となるように制御する。

0041

トルク制御手段11において、回転子加速度検出手段12は、回転子位置速度検出手段8が出力する回転子速度を微分することにより回転子加速度を演算する。また、加速度制御手段13は、検出された回転子加速度と目標加速度とから、加速度が目標加速度となるように制御するためのトルク指令を正弦波駆動回路9に出力するとともに、起動時にはトルク補正量記憶手段14に記憶されたトルク指令の補正量を正弦波駆動回路9に出力したのち、所定時間後には目標加速度とするためのトルク指令を出力する。また、加速度制御手段13は、分圧抵抗15a と分圧抵抗15b とで分圧された信号に基づいて電源電圧検出手段16が検出した電源電圧の情報により、トルク指令に補正を加えて安定なトルク制御を実現している。

0042

次に、回転子位置速度検出手段8の動作について、図面を参照しながら説明する。図2は、回転子位置速度検出手段8の構成および動作の一例を示すブロック図である。図2において、3相2相変換手段8aは、電流センサ7a 〜7b により検出された電流iu と電流iv を、現在の回転子位置推定情報θを用いて式(1)により、現時刻tのブラシレスDCモータの回転磁界の軸δ方向の電流iδ(t)と磁束の向きの軸γ方向の電流iγ(t) とに変換する。

0043

0044

モータモデル電流演算手段8bは、モータ定数(R:抵抗、Ld :d軸インダクタンス、Lq :q軸インダクタンス、TS :制御周期)、電流iδ、iγ、インバータ出力電圧Vγ、Vδ、推定速度ωM 、および推定逆起電圧eM の情報を用いて、ブラシレスDCモータのモデル式から式(2)により、制御周期Tsにおける現時刻tのモータ電流iMδ(t)およびiMγ(t)を推定する。

0045

0046

推定されたモータ電流iMδ(t)およびiMγ(t)と、実際に検出された電流iδ(t)およびiγ(t)とを用いて、モータモデル誤差が原因で発生したと考えられる電流誤差△iδ(t)および△iγ(t)が式(3)により求められる。

0047

0048

この電流誤差は、推定逆起電圧eM 、推定位置θ、および推定速度ωM に起因するため、この電流誤差の情報を用いれば、推定逆起電圧eM 、推定位置θおよび推定速度ωM を正確な値に修正することが可能である。逆起電圧推定手段8cは、式(4)により電流誤差△iδとゲインGeとから修正演算により推定逆起電圧eM を推定する。

0049

0050

また、速度推定手段8dは、式(5)により推定逆起電圧eM 、逆起電圧係数KE、電流誤差△iγ、制御周期Ts、および速度平均値ωMOとゲインGθにより推定速度ωM を推定する。

0051

0052

また、位置推定手段8eは、式(6)により、制御周期Ts、推定速度ωM から推定位置θM を推定する。この演算により、回転子の位置および速度が推定される。

0053

0054

次に、この実施の形態における正弦波駆動回路9の動作について図面を参照しながら説明する。図3は、正弦波駆動回路9の1つの実施の形態の構成と動作とを示すブロック図である。図3において、まず、3相2相変換手段8aは、推定された回転子位置θを用いて、電流センサ7a 〜7b により検出された電流iu 、iv から式(1)により電流iδと電流iγに変換される。

0055

さらに、現在の速度と目標速度との偏差の情報から、速度を目標速度に追従するようにトルク指令が速度制御手段9aにより演算される。さらに、トルク制御手段11により演算されたトルク指令補正量が加算されたトルク指令に対し、現在の電流iδの偏差から電流δPI制御手段9bにより、一般的なPI制御により出力指令を求め、δ軸方向の出力とする。一方、現在の電流iγの偏差から電流γPI制御手段9cにより、一般的なPI制御により出力指令を求め、γ軸方向の出力とする。求められた2方向の出力VδとVγから、出力波形が正弦波となるように3相の出力電圧Vu、Vv、Vw が、推定された回転子の位置θを用いて一般的な2相3相変換手段9dにより式(7)により変換して求められる。

0056

0057

さらに、電源電圧による補正を電源電圧補正手段9eにより行い、求められた3相出力電圧を実現するように、3相分の6つのスイッチング素子5a 〜5f のオンオフを決定するゲート信号がゲート信号発生手段9fにより演算され、ベースドライバ10へ出力される。

0058

次に、この実施の形態におけるトルク制御手段11の一例の動作について説明する。図4は、圧縮機モータ4の回転角度に対する負荷トルク、速度、検出速度、検出加速度、およびトルク指令補正量の変化の一例を示す波形図である。先に説明したように、圧縮機、とくに1ピストンロータリ圧縮機の負荷トルクは、その回転角度により大きく変動する。このような負荷トルク変動がある場合、回転子の速度は、図に示したように、負荷トルクが大になると低下し、逆に負荷トルクが小さいときには増加するというように変動する。一方、加速度は、負荷トルクと正反対の形で負荷トルクが大きいときには、加速度が低下するというように変動する。いま、圧縮機の振動を低下させたいのであるから、負荷トルクが必要な位置でインバータ3による出力トルクを最大にし、逆に負荷トルクが低い位置でインバータ3による出力トルクを低下させれば、トルクが釣り合って振動が低減される。

0059

図5は、この実施の形態におけるトルク制御手段11の構成と動作を示すブロック図である。速度脈動を低減するのが目的であるので、速度変動を低減すればよいが、速度変動を低減するには、加速度成分を0にするようにトルクを制御すればよいことは明白である。そこで、まず、回転子加速度検出手段12は、回転子位置速度検出手段8により得られた速度を用いて、その値の変動を計算することにより回転子の加速度を演算する。さらに、目標である加速度0との偏差から加速度差を求める。トルク脈動は、回転子の回転に対してあるパターンを持つものであるので、制御も回転子の角度位置により切り替えることにより、制御遅れの影響を排除した制御が可能となる。

0060

すなわち、加速度を制御するとき、回転子の所定の位置に対しては、その位置に対応した加速度を用いて制御を実施しなければ、加速度制御の制御遅延により制御性能が悪化する。したがって、回転子の位置を複数の領域に分け、その領域ごとに加速度制御の演算を実施することとする。演算は下記の式(8)による。

0061

tr(n+1,i)=tr(n,i)−Ga×a(i) ・・・・・・・・・・(8)
ここで、tr(n,i):インバータトルク指令(n:回転目、i:回転子位置)
a(i):回転子加速度(i:回転子位置)
Ga:制御ゲイン
ここでは、加速度制御を回転子角度位置に対してN個の領域に分けて加速度制御#1手段17ないし加速度制御#N手段18において演算を行うこととする。さらに、実際の回転子角度は連続であるので、回転子角度位置に対する制御出力は、トルク指令補正量補間手段19により、N個の制御出力の補間値として出力される。

0062

図6は、トルク指令補正量補間手段19の動作を示す特性図である。加速度制御#1手段17ないし加速度制御#N手段18により1回転中のN個の制御出力が求められるが、回転子角度位置は連続量であるため、任意の位置に対するトルク指令補正量は、N個の制御出力の、たとえば線形補間により求められる。

0063

なお、この実施の形態では、加速度を用いたトルク制御手段11の制御例について説明したが、速度について同様の制御を実施しても同様のトルク制御効果が得られることは明白である。

0064

図7中のグラフ(1)およびグラフ(2)は、本発明の電動機のトルク制御装置により得られた制御結果の一例を示す波形図である。図7中のグラフ(1)は、トルク制御を実施しない場合の圧縮機振動加速度、トルク指令、モータ電流、および検出回転子加速度の推移の一例を示す。このように、トルク指令一定とするトルク制御なしの場合には、圧縮機の負荷トルクの脈動の影響を受けて回転子加速度も変動し、それにより圧縮機の振動が大きくなっている。図7中のグラフ(2)は、トルク制御を実施した場合の実験結果の一例を示す。このように、検出した回転子加速度に応じてトルク指令を操作することにより、圧縮機の負荷トルクの大きなところではモータ出力のトルク指令を増加させ、負荷トルクの小さなところではモータ出力のトルクを低下させることにより、振動レベルが低下している。

0065

図8は、1ピストンロータリ圧縮機の回転停止角度に対する最大逆回転速度の実験結果を示す。最大逆回転速度は停止時の衝撃の原因であり、この値が大きいほど停止時の振動が大きくなる。図8からわかるように、回転を停止する角度により停止時の振動は大きく変動する。このことから、所定の回転停止角度に制御できれば、停止時の振動レベルを少なくすることが可能である。また、この回転停止角度と最大逆回転速度との間の関係は、そのときの圧縮機負荷圧縮機回転数により変化する。すなわち、圧縮機負荷が大きくなればなるほど、逆回転のエネルギーが大きくなる傾向にあるため、圧縮機負荷に対応して回転停止のタイミングを前後にずらす必要がある。同様に、圧縮機回転数の変動に対応して回転停止のタイミングをずらす必要がある。この実施の形態における正弦波駆動回路9は、電流iδから圧縮機負荷トルクを推定し、圧縮機負荷トルクに応じて回転停止のタイミングを決定し、その運転環境に応じて振動が最小になるような停止位置を決定し、インバータ3の出力を停止する。

0066

図9は、整流回路2の直流出力電圧、すなわちインバータ3への電源電圧の推移の一例を示す特性図である。トルク脈動が激しい圧縮機、たとえば1ピストンロータリ圧縮機のような負荷をインバータ3により駆動する場合、とくに、この実施の形態におけるトルク制御手段11のようにトルク制御を行う場合、圧縮機の1回転中でインバータ3による出力トルクが変動するために出力電流も回転に同期して変動し、さらに一般的な構成の整流回路2を用いた場合では、それに応じて出力電圧も脈動することとなる。そのため、この図9に示したように、電圧が最大Vmax 、最小Vmin の間で変動する。それに応じて出力トルクも影響を受けるため、トルク制御が収束するまでの時間が長くなるなどの問題が生じる。それに対してこの実施の形態では、電源電圧検出手段16により求められた電源電圧値を用いてインバータ3による出力トルクに補正をかけることにより、制御性能を向上させる。

0067

すなわち、図10に示すフローチャートのように制御する。まず、ステップS11において、電源電圧検出手段16により電源電圧が検出される。次に、ステップS12において、正弦波駆動回路9における2相3相変換手段9dにより三相の出力電圧Vu 、Vv 、Vw が演算される。そして、ステップS13において、電源電圧補正手段9eによりPWMの通電率が、電源電圧Vinと出力電圧Vu、Vv 、Vw との比から求められる。さらに、ステップS14において、ゲート信号発生手段9fにより、求められた通電率に応じたゲート信号がベースドライバ10に出力される。

0068

次に、トルク補正量記憶手段14を用いたトルク制御手段11の制御起動性能の向上機能について説明する。図11は、トルク制御の起動時と定常運転時の負荷トルクおよびトルク指令補正量の推移の一例を示す特性図である。定常運転中は、制御も安定し、負荷トルクに対してトルク指令補正量が制御されて、釣り合って安定している。しかし、起動時には、まだ制御が実行されていないため、トルク指令補正量は、制御がなされない状態、すなわちトルク指令補正量0の状態であり、制御が不成立であり、したがって、トルク脈動が激しく、起動時の振動は過大となる。

0069

それに対し、この実施の形態では、トルク補正量記憶手段14を備え、起動時には、あらかじめほぼ制御性能が保証されるような記憶されたトルク指令補正量に従って制御がなされるため、起動時から振動を低減することができる。

0070

すなわち、図12に示すフローチャートのように、ステップS21で起動命令が確認されると、まず、ステップS22においてトルク指令補正量がトルク補正量記憶手段14からロードされる。次に、ステップS23において、加速度制御手段13により加速度制御の演算が開始された後、ステップS24において制御演算が安定するまでの一定時間が経過すれば、ステップS25において、加速度制御手段13により求められた加速度制御の出力に基づいてトルク指令が演算出力される。以上の手順により、起動時にもトルク制御性能を向上させている。

0071

(実施の形態2)以下、本発明の実施の形態2を説明する。図16は、本発明の実施の形態2にかかる電動機のトルク制御装置のブロック構成図である。なお、説明の重複を避けるため、図16中において図1(実施の形態1)と共通の構成要素には、図1と同一の番号が付して、その説明を省略する。

0072

実施の形態2では、トルク制御手段11内に設けられた回転子速度差検出手段20は、回転子位置速度検出手段8から出力される回転子速度情報と回転子位置情報とから回転子速度差を演算する。そして、速度差制御手段21においては、回転子速度差検出手段20によって検出された回転子速度差の値から、速度差が0となるように制御するためのトルク指令値を演算して、これを正弦波駆動回路9に出力する。

0073

また、制御調整率入力手段22は、外部より入力される制御調整率を速度差制御手段21に出力する。そして、速度差制御手段21は、入力された制御調整率によりトルク制御のかけ具合を調整する。

0074

次に、本発明にかかる電動機のトルク制御装置における回転子速度差検出手段20および速度差制御手段21の動作原理について説明する。図17は、回転子速度差制御の動作の一例を表す概念図である。回転子速度差検出手段20は、回転子位置速度検出手段8により検出された速度情報を用いて、回転子の互いに相対する位置にある2つの90度区間の平均速度1および平均速度2を求める。これらの速度に差がある場合は、回転子の回転に変動があり、それにより振動が発生していることになるので、その速度差を低減するため、速度差情報をフィードバックして、電流指令値を調整する。調整の方法は、前記の例にて示した加速度制御の調整式と同様に、次の式(9)により演算される。

0075

tr(n+1,i)=tr(n,i)−Ga×d(i−m)・・・・・・・・(9)
tr(n,i):インバータトルク指令
(n:回転目、i:回転子位置)
d(i):回転子速度差(i:回転子位置、m:制御量注入点
Ga:制御ゲイン
ここで、回転子速度差情報をフィードバックする点mは、トルク指令から速度への伝達特性を考え、90度区間の速度平均化領域の中間より約90度前の位置に設定する。

0076

図18は、回転子速度差検出手段20および速度差制御手段21の制御処理を表すブロック構成図である。ここでは、速度差制御を回転子角度位置に対してN個の領域に分けて速度差制御#1手段23〜速度差制御#N手段24において演算を行う。さらに、制御量調整手段25により制御量が、制御のかけ具合を表す制御量調整率により調整された後、回転子の角度位置に対する制御出力は、トルク指令補正量補間手段19により、N個の制御出力の補間値として出力される。

0077

図19は、速度差制御手段21における制御安定化のための平滑処理原理を表す図である。回転子の回転角度位置に対してN個の領域に分割された各速度差制御手段の出力する電圧または電流値は、回転角に対して隣接する他の速度差制御手段の出力値との差があらかじめ定められた所定の値以下になるように制限される。このような平滑処理がない場合のトルク指令値の分布特性図19中のグラフ(2)に表されている。また、平滑処理を実行した場合の特性が、図19中のグラフ(1)に表されている。図19から明らかなとおり、隣接する出力差を制限しない場合には、局所的なノイズなどにより制御が安定せず、制限した場合には、制御が安定する。

0078

図20は、速度差制御手段21における制御量調整手段25の制御量調整の原理を表す図である。回転子の回転角度位置に対してN個の領域に分割された各速度差制御手段の出力する電圧または電流値は、目標速度と速度との差により得られる平均トルク指令と加算されて、トルク指令として正弦波駆動回路9によりモータ4を駆動するための出力に変換される。その出力値は、その最小値、最大値の範囲内に入るように制限される。その最大値は、インバータ3内のスイッチング素子5a 〜5fの電流容量を超えないように設定されている。通常運転時には、この最小値、最大値の範囲内にトルク指令値が入るようにトルク指令補正量が調整されている。

0079

装置の運転モードを切り替えた場合や、インバータの出力電圧が最大値に達した場合などに、トルク制御の効果を低減させたい場合には、制御調整率により制御効果を調整する。図20中のグラフ(2)に示すように、制御調整率が与えられた場合は、トルク指令の範囲が狭い範囲に制限される。そのトルク指令の範囲は、平均トルク指令をmt、トルク指令上限をmaxt、制御調整率をtdecとすれば、次の式(10)のようになる。

0080

[mt−min[mt×tdec、(maxt−mt)×tdec]
、mt+min[mt×tdec、(maxt−mt)×tdec] ]
・・・・・・・・・・(10)
ここで、min[ ]は、少ないほうの値の選択を表す。つまり、平均トルク指令を実現しつつ、トルク指令範囲が、スイッチング素子5a 〜5fにより決まる範囲に入る条件の下、トルク指令の変動幅を制御調整率分変更することにより、トルク制御の掛り具合を調整する。なお、図20中のグラフ(1)に示すように、制御調整率が設定されない場合は、トルク指令の範囲が非常に広がることになる。

0081

図21は、トルク制御装置が空調機の圧縮機を駆動する装置である場合に、居住者がその空調機の運転モードを切り替えるための装置としての制御調整率入力手段22の一例である。居住者が、空調機の運転モードを快適から省エネモード重点を置いた場合、その入力値に応じて制御調整率が減少させられ、それによりトルク制御のかかり方が、許容振動の範囲内で減少する。それにより、若干、室外機の振動は増加するが、許容範囲範囲内であるため問題はない。その時、トルク制御のトルク指令の範囲が狭くなるため、電流変動が少なくなり、省エネとなる。逆に、快適モードとした場合は、その逆である。

0082

図22は、インバータ3の出力電圧が最大値に達した場合の、速度差制御手段21の動作を表す図である。圧縮機モータ4の負荷が増大し、インバータ出力電圧が最高値に達した場合、正弦波、またはそれに近い広角通電で駆動している場合には、電圧波形が乱れ駆動が不安定になるなどの影響がある。そのため、インバータ出力電圧を多大にするのは望ましくなく、所定の範囲に制限する必要がある。一方、トルク制御を実施する場合、トルク補正をかけるため、インバータ出力電圧が変動し、最大値に達し易くなる。

0083

したがって、インバータ出力電圧が最大値に達した場合、まず、トルク制御の利き具合を制御調整率により調整して、インバータ出力電圧が過大になるのを抑えることができる。インバータ出力電圧が最大値に達した場合、この制御調整率を一定の時間率で低下させ、それによりインバータ出力電圧を低下させる。さらに、インバータ出力電圧が低下していった場合、トルク制御をさらにかけることができるため、制御調整率を増加させる。このようにして、トルク制御時の電圧飽和対策が実現される。

0084

空調機の圧縮機を駆動するトルク制御装置の場合、圧縮機の特性上、低回転数ほど振動が増大する傾向がある。その振動を低下させるためトルク制御を実施する必要があるが、トルク制御は、電流の変動を伴うため運転効率を低下させてしまう。従って、振動が許容範囲にある場合には、トルク制御を停止した方が省エネの効果によりメリットがある。

0085

図23は、トルク制御装置におけるトルク制御の実施方式について表した図である。所定の切替回転数、たとえば50r.p.s.以下では、振動を低減するためにトルク制御を実施し、それ以上では、省エネ性を考慮してトルク制御を実施する。

0086

次に、トルク制御終了時の処理について説明する。トルク制御をいきなり遮断した場合、電動機の振動が急激に増加するため、衝撃が発生する。それを回避するためには、徐々にトルク制御の効果を低減していく必要がある。図24は、トルク制御の円滑停止方式について表した図である。通常運転時には、トルク指令は先に説明したように、スイッチング素子5a 〜5fの電流容量により規定される上下限値の範囲内に収まるように制御されている。トルク制御の停止指示が発生してから、制御調整率を時間に対して一定の割合で減少させていくことにより、制御量調整手段25においてトルク指令の値の範囲が徐々に狭められていき、トルク制御の効果が徐々に低減していく。さらに時間が経過し、制御調整率が0になると、トルク制御の効果がなくなり、平均トルク指令による一定出力インバータ運転となる。

0087

次に、トルク制御終了時の振動低減方法の一手法について説明する。上記にて説明したように、1ピストンロータリ圧縮機の回転停止時には振動が大となる。これに対して、所定の回転停止角度に制御し、停止時の振動レベルを少なくする方式は述べたが、さらに、停止時に、ブレーキ出力を行うことにより振動をさらに低減することができる。

0088

図25は、停止時のロータ動きの一例を示した図である。運転時には、正弦波状の電流波形により回転駆動されているが、停止と共に回転のための通電が停止される。それと同時に、電動機に対し一定電圧を加えて、直流電流を流すことにより、ブレーキが掛けられる。ブレーキにより、停止時の振動は、急速に低減し、振動低減後に停止ブレーキを終了する。

0089

図26は、停止時の電流波形の一例を示した図である。回転停止とともに、停止ブレーキが掛けられる。一方、電流は、ブレーキにより一定の電流と、ロータの振動により発生される振動電流成分により変動する。その変動が、一定の値以下になった場合、振動が収まったと判断して、停止ブレーキを終了する。これにより、どのような負荷のもとでも効果的に圧縮機振動を低減することができる。

0090

なお、以上の実施の形態では、電流センサ7a〜7bをインバータ3の中に設けた場合について説明したが、回転子加速度検出手段12に備えてもよく、また、回転子位置速度検出手段8に備えたものとしてもよいことはいうまでもない。

0091

また、以上の実施の形態におけるインバータ3およびトルク制御手段11は、専用のハード回路で実現しても、またマイクロコンピュータを利用したソフトウェアで実現してもよいことはいうまでもない。

発明の効果

0092

以上のように本発明の電動機のトルク制御装置によれば、トルク脈動の大きい圧縮機などの負荷要素を駆動する場合でも、電動機の回転子の回転加速度または回転速度を検出し、それにより加速度または速度を制御することにより回転脈動を低減させるとともに、通電を電気角で120度より大きく180度以下で実施して、正弦波に近い滑らかな電流波形により低い騒音レベルも実現するものである。

0093

さらに、電動機の回転子の回転角に対して相対する位置の回転速度の差を制御することにより、安定したトルク制御を正弦波に近い滑らかな電流波形により低い騒音レベルで実現するものである。

0094

また、トルク制御手段は、起動時には、トルク補正量記憶手段に記憶されたトルク指令補正量に基づいて電動機に与える電圧または電流のいずれかを制御することにより、起動時から安定した低振動、低騒音が実現されるものである。

0095

さらに、トルク制御手段は、電源電圧検出手段により検出されたインバータの電源入力の電圧の値に基づいて出力電圧に補正をかけることにより電源が不安定でも安定して低振動、低騒音が実現されるものである。

0096

加えて、電動機の停止時には、電動機の回転子磁極の所定の位置で通電を停止し、さらにその停止位置を、停止前の回転数またはトルクにより変化させることにより、停止時の低い振動が実現されるものである。

0097

トルク制御における加速度制御出力、速度制御出力または速度差制御出力のそれぞれに対して、隣接するトルク指令の差に制限を持たせることにより、トルク制御動作が安定するものである。

0098

また、トルク制御における加速度制御出力、速度制御出力、速度差制御出力、それぞれに対して、そのトルク指令の上下限をインバータの電気容量等の値に設定することにより、装置の保護を実現するものである。

0099

さらに、トルク制御におけるトルク指令が、あらかじめ与えられた所定の最小値、最大値の範囲より制御調整率を掛けた範囲に調整制限されることにより、トルク制御の制御効果の調整が可能となるものである。

0100

加えて、制御調整率入力手段により外部から制御調整率を入力することにより、ユーザが省エネ重視の運転設定を選択できるような装置が実現される。また、インバータの出力電圧が最大値に達した場合に、制御調整率を変更することにより、電圧飽和時の電圧波形の乱れ、不安定駆動を回避することができるものである。さらに、制御調整率を所定の時間変化率で変更することにより、制御調整率の変更時の切替衝撃を低減するものである。

0101

振動の比較的低い高速領域におけるトルク制御を中止することにより、運転効率の高いトルク制御が実現される。さらに、トルク制御の中止時には、制御調整率を一定の割合でもって減少させていくことにより、トルク制御中止時の衝撃を低減するものである。

0102

電動機の停止時には、電動機の回転出力を停止した後、ブレーキ出力を行うことにより、停止時のさらなる低振動、迅速な停止が実現されるものである。また、電動機停止時のブレーキ出力を行う時間を電流の変動により決定することにより、どのような負荷の場合でも、確実な低振動化が実現されるものである。

図面の簡単な説明

0103

図1本発明の実施の形態1にかかる電動機のトルク制御装置の構成を示すブロック図である。
図2実施の形態1における回転子位置速度検出手段の構成と動作とを示すブロック図である。
図3実施の形態1における正弦波駆動回路の構成と動作を示すブロック図である。
図4実施の形態1における圧縮機モータの回転角度に対する負荷トルク、速度、検出速度、検出加速度およびトルク指令補正量の変化の一例を表す図である。
図5実施の形態1におけるおけるトルク制御手段の構成と動作とを示すブロック図である。
図6実施の形態1におけるトルク指令補正量補間手段の動作を示す特性図である。
図7実施の形態1により得られた制御結果の一例を示す特性図である。
図81ピストンのロータリ圧縮機の回転停止角度に対する最大逆回転速度の実験結果の一例を示す特性図である。
図9整流回路の直流出力電圧の推移の一例を示す特性図である。
図10実施の形態1における電源電圧補正方法を示すフローチャートである。
図11トルク制御の起動時および定常運転時の負荷トルクおよびトルク指令補正量の推移の一例を示す特性図である。
図12実施の形態1におけるトルク補正量記憶手段を用いたトルク制御手段の制御起動性能向上機能の動作を示すフローチャートである。
図13従来のロータリ圧縮機の負荷トルク変動の一例を示す特性図である。
図14従来のトルク制御装置におけるトルク制御駆動時の電流の一例を示す波形図である。
図15従来のトルク制御装置におけるトルク制御駆動時の圧縮機の円周方向の振動の一例を示す波形図である。
図16本発明の実施の形態2にかかる電動機のトルク制御装置のブロック構成図である。
図17実施の形態2における回転子速度差制御の動作を表す概念図である。
図18実施の形態2における回転子速度差検出手段および速度差制御手段の制御処理を表すブロック構成図である。
図19実施の形態2における速度差制御手段における制御安定化のための平滑処理の原理を表す図である。
図20実施の形態2における速度差制御手段における制御量調整手段の制御量調整の原理を表す図である。
図21居住者が空調機の運転モードを切り替えるための、制御調整率入力手段の一例である。
図22インバータの出力電圧が最大値に達した場合の、速度差制御手段の動作を表す図である。
図23トルク制御装置におけるトルク制御の実施方式について表した図である。
図24トルク制御の円滑停止方式について表した図である。
図25停止時のロータの動きの一例を示した図である。
図26停止時の電流波形の一例を示した図である。

--

0104

1交流電源、 2整流回路、 3インバータ、 4圧縮機モータ(電動機)、 5a〜5fスイッチング素子、 6a〜6f環流ダイオード、7ベースドライバ、 7a〜7b電流センサ、 8回転子位置速度検出手段(回転子速度検出手段)、 8a3相2相変換手段、 8bモータモデル電流演算手段、 8c逆起電圧推定手段、 8d速度推定手段、 8e位置推定手段、 9正弦波駆動回路、 9a速度制御手段、 9b 電流δPI制御手段、 9c 電流γPI制御手段、 9d 2相3相変換手段、 9e電源電圧補正手段、 9fゲート信号発生手段、 10 ベースドライバ、11トルク制御手段、 12回転子加速度検出手段、 13加速度制御手段、 14トルク補正量記憶手段、 15a、15b分圧抵抗、 16電源電圧検出手段、 17 加速度制御#1手段(制御量演算手段)、 18加速度制御#N手段(制御量演算手段)、 19トルク指令補正量補間手段、20 回転子速度差検出手段、 21速度差制御手段、 22制御調整率入力手段。

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