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技術 堤体の強化方法および堤体の強化構造

出願人 国立研究開発法人土木研究所一般財団法人土木研究センター三菱建設株式会社株式会社熊谷組株式会社エスエルエス株式会社奥村組株式会社鴻池組三信建設工業株式会社帝人株式会社東洋紡株式会社三井化学産資株式会社
発明者 三木博史藤井厚企千田昌平高橋勇藤木広一長坂勇二増井仁加津憲章新坂孝志内川哲茂西田孝西村淳
出願日 1999年7月9日 (20年9ヶ月経過) 出願番号 1999-196630
公開日 2001年1月23日 (19年3ヶ月経過) 公開番号 2001-020245
状態 特許登録済
技術分野 護岸 護岸
主要キーワード 強化対策 強化部位 字状管 構造物周囲 土質材 越流量 強化構造 作業手間
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2001年1月23日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (19)

課題

安価かつ短期間での堤体強化を可能とする。

解決手段

堤体1の内側法面2の下側部分2aおよびこれに続く周辺基礎地盤面3の一部3aを覆うように、繊維混合強化土4Aによる押え盛土を行って強化する。

概要

背景

地中を水が流れると地中の弱いところに水の流れが集まり、やがて水の道(パイプ状の孔もしくは隙間。以下、パイプラインともいう)ができ、更にその孔の内壁面の土が洗掘されていき孔径が大きくなっていく。これをパイピングという。

多くの河川堤防は、かつて河川が幾度となく氾濫を繰り返した基礎地盤上に築造されており、これらの基礎地盤は局所的に砂分の多いところや強度が弱い場所を有している。

このような場所に堤体構築した場合、増水などにより堤外地側(河川や湖沼がわ)の水位が上昇していると堤体の基礎地盤内に水の流れ(浸透流)が発生し、砂分の多いところや強度が弱い場所からパイピングが発生する。そして、このパイピング現象によって堤体の基礎地盤の強度低下や地盤沈下を引き起こして堤体破壊に至ることがある。

また堤体自体も築造に用いた土質材によっては弱いことがある。

さらに、堤体を横断して設けられる樋門樋管構造物などの構造物は堤体土との重量・剛性等の相違から密着が難しく周囲に空隙が生じ易い。実際、樋門・樋管構造物周囲に発生したパイピング現象によって堤体破壊に至った例がある。

パイピングによる堤体破壊の防止を目的とする堤体強化対策として、従来からセメント系改良材などによる堤体基礎地盤の改良、堤体のり尻付近への鋼矢板打ち込みによる止水などが行われてきた。

概要

安価かつ短期間での堤体強化を可能とする。

堤体1の内側法面2の下側部分2aおよびこれに続く周辺基礎地盤面3の一部3aを覆うように、繊維混合強化土4Aによる押え盛土を行って強化する。

目的

そこで、本発明の主たる課題は、安価かつ短期間での施工が可能な堤体の強化方法を提案することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
0件

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請求項1

堤体自体およびその基礎地盤の少なくとも一方における強化対象部位について、当該強化対象部位を繊維混合強化土からなるものとする強化土化および当該強化対象部位に対する繊維混合強化土の盛土の少なくとも一方を行って強化することを特徴とする、堤体強化方法

請求項2

少なくとも、堤体の内側法面の下側部分およびこれに続く周辺基礎地盤面を覆うように、繊維混合強化土による押え盛土を行うことを特徴とする、堤体の強化方法。

請求項3

少なくとも、堤体の基礎地盤における堤体外側に面しない強化対象部位を、繊維混合強化土からなるものとすることを特徴とする、堤体の強化方法。

請求項4

少なくとも堤体の内側法面の強化対象部位を、繊維混合強化土からなるものとすることを特徴とする、堤体の強化方法。

請求項5

堤体内を通る構造物の外面に接する強化対象部位を、繊維混合強化土からなるものとすることを特徴とする、堤体の強化方法。

請求項6

前記繊維混合強化土は、太さが1〜100デニールで且つ長さが50mm〜500mmの化学繊維土砂に混合したものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の堤体の強化方法。

請求項7

堤体自体およびその基礎地盤の少なくとも一方における強化対象部位について、当該強化対象部位を繊維混合強化土からなるものとする強化土化および当該強化対象部位に対する繊維混合強化土の盛土の少なくとも一方を行って強化してなることを特徴とする、堤体の強化構造

技術分野

0001

パイピング破壊の防止を目的として土手堤防などの堤体強化する堤体の強化工法、ならびに堤体の強化構造に関する。

背景技術

0002

地中を水が流れると地中の弱いところに水の流れが集まり、やがて水の道(パイプ状の孔もしくは隙間。以下、パイプラインともいう)ができ、更にその孔の内壁面の土が洗掘されていき孔径が大きくなっていく。これをパイピングという。

0003

多くの河川堤防は、かつて河川が幾度となく氾濫を繰り返した基礎地盤上に築造されており、これらの基礎地盤は局所的に砂分の多いところや強度が弱い場所を有している。

0004

このような場所に堤体を構築した場合、増水などにより堤外地側(河川や湖沼がわ)の水位が上昇していると堤体の基礎地盤内に水の流れ(浸透流)が発生し、砂分の多いところや強度が弱い場所からパイピングが発生する。そして、このパイピング現象によって堤体の基礎地盤の強度低下や地盤沈下を引き起こして堤体破壊に至ることがある。

0005

また堤体自体も築造に用いた土質材によっては弱いことがある。

0006

さらに、堤体を横断して設けられる樋門樋管構造物などの構造物は堤体土との重量・剛性等の相違から密着が難しく周囲に空隙が生じ易い。実際、樋門・樋管構造物周囲に発生したパイピング現象によって堤体破壊に至った例がある。

0007

パイピングによる堤体破壊の防止を目的とする堤体強化対策として、従来からセメント系改良材などによる堤体基礎地盤の改良、堤体のり尻付近への鋼矢板打ち込みによる止水などが行われてきた。

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、これら従来方法は、高額な費用と長い工期を必要とするという問題点があった。

0009

そこで、本発明の主たる課題は、安価かつ短期間での施工が可能な堤体の強化方法を提案することにある。

課題を解決するための手段

0010

上記課題を解決した本発明の堤体の強化方法は、堤体自体およびその基礎地盤の少なくとも一方における強化対象部位について、当該強化対象部位を繊維混合強化土からなるものとする強化土化および当該強化対象部位に対する繊維混合強化土の盛土の少なくとも一方を行って強化することを特徴とするものである。

0011

より具体的には、次のような堤体の強化を行うことを推奨する。第1の方法は、少なくとも、堤体の内側法面の下側部分およびこれに続く周辺基礎地盤面を覆うように、繊維混合強化土による押え盛土を行う方法である。第2の方法は、少なくとも、堤体の基礎地盤における堤体外側に面しない強化対象部位を、繊維混合強化土からなるものとする方法である。第3の方法は、少なくとも堤体の内側法面の強化対象部位を、繊維混合強化土からなるものとする方法である。第4の方法は、堤体内を通る構造物の外面に接する強化対象部位を、繊維混合強化土からなるものとする方法である。

0012

これら本発明における前記繊維混合強化土は、太さが1〜100デニールで且つ長さが50mm〜500mmの化学繊維土砂に混合したものであるのが好ましい。

0013

他方、本発明の堤体の強化構造は、堤体自体およびその基礎地盤の少なくとも一方における強化対象部位について、当該強化対象部位を繊維混合強化土からなるものとする強化土化および当該強化対象部位に対する繊維混合強化土の盛土の少なくとも一方を行って強化してなるものである。

0014

<作用>繊維混合強化土とは、土砂に繊維を人為的に混合して得られる土質材料であり、単なる土砂と比較すると下記(イ)および(ロ)に示す特徴を有している。
(イ)繊維混合強化土は、混合繊維の作用により一軸圧縮強さ見かけの粘着力内部摩擦角が高く強度特性に優れる。例えば、太さが1〜100デニールで且つ長さが50mm以上の短繊維を、土砂に対して重量比で0.1%以上10%未満(0.2%標準)混合することによって、図1図4にそれぞれ示すような強度特性を得ることができる。なお、図1図2および図4中のインデックス値とは、強化効果繊維長Lおよび混合量nに比例し、下記(1)式に示すように、太さに反比例することを想定し定めた特性値である。
インデックス値=(繊維長さL)/(繊維太さD)×(繊維混合比n)
・・・(1)
(ロ)繊維混合強化土は、単なる土砂と比較して流体抵抗特性(すなわち降雨などによる浸食特性、流水などによる洗掘特性)が著しく高い。これは、繊維と土粒子絡み合い(繊維の土粒子に対する拘束効果)により、土粒子の移動が拘束されるからである。この場合にも、前述(イ)と同様の繊維および配合によって、図5および図6にそれぞれ示すような降雨侵食特性および流水洗掘特性を得ることができる。

0015

かかる繊維混合強化土の特性に着眼し、本発明では、堤体自体およびその基礎地盤の少なくとも一方における強化対象部位について、当該強化対象部位を繊維混合強化土からなるものとする強化土化および当該強化対象部位に対する繊維混合強化土の盛土の少なくとも一方を行って強化する。したがって堤体やその下側の基礎地盤内を水が流れた場合でも、強化対象部位における混合繊維と土粒子の絡み合い(繊維の土粒子に対する拘束効果)によって、強化部位においては土粒子の移動が拘束され、パイプラインの形成・成長を抑制することができる。その結果、堤体内外に連通するパイプラインが形成されるまでには至らない。

0016

なお、本発明において堤体の内側とは、河川・湖沼・海側の反対側を意味する。

発明を実施するための最良の形態

0017

以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しつつ詳説する。
<第1の実施形態>本発明の第1実施形態は、図7にも示すように、堤体1の内側法面2の下側部分2aおよびこれに続く周辺基礎地盤面3の一部3aを覆うように、それらの上面に繊維混合強化土4Aによる押え盛土を行って強化するものである。

0018

同図に矢印で示すように、水位が堤体1にかからないような場合も含めて基本的に基礎地盤5内を通り、堤体1の内側法面2の下側部分2aに続く周辺基礎地盤面3に至る水の浸透流が発生する。特に、同図に示すように水位が堤体1にかかるような場合であって堤体1が土砂で形成されている場合には、堤体1内および基礎地盤5内を通り、堤体1の内側法面2の下側部分2aおよびこれに続く周辺基礎地盤面3に至る水の浸透流が発生する。

0019

したがって、同図に示すように、堤体1の内側法面2の下側部分2aおよびこれに続く周辺基礎地盤面部分3aを覆うように、繊維混合強化土4Aによる押え盛土を行うことで、前述の浸透流によって、堤体1外側から堤体1内または基礎地盤5内を通り、堤体1の内側法面2の下側部分2aまたはこれに続く周辺基礎地盤面3に至るパイプラインが形成され成長していったとしても、押え盛土4Aが洗掘に対して強いので当該押え盛土4Aにおいてパイプラインの成長が抑えられ、パイプラインが堤体1の内外に連通するまでには至りにくい。

0020

なお本発明においては、例えば堤体内側法面2のみや、外側法面20のみ、基礎地盤面部分3aのみなど、他の強化対象部位に対して押え盛土を行うこともできる。しかし、堤体1外側の強化対象部位に押え盛土を行うと、河川等による洗掘作用によって混合繊維が押え盛土内から外部に放出され易く、それが周辺の河川等を汚染するなどの環境問題を引き起こすことが想定されるので、本実施形態では前述したように堤体1の内側に押え盛土を行うこととしている。

0021

また、かかる押え盛土は、既設堤体に対して適用し易い利点があるが、もちろん堤体築造の際に押え盛土を行うようにしても良い。また土を盛るにあたり公知の吹付装置を用いても良い。

0022

<第2の実施形態>第2の実施形態は、図8に示すように、少なくとも、堤体1の基礎地盤5における堤体1外側に面しない強化対象部位5aを繊維混合強化土4Bからなるものとする(以下、単に強化土化ともいう)方法である。特に図示例では、かかる堤体1外側に面しない基礎地盤部位のうち、堤体1下側の基礎地盤の一部15aおよびこれに続く堤体内側の基礎地盤部分15bからなる領域5aについて強化土化を行っている。

0023

この場合、矢印で示す浸透流の出口となり易い部分15a,15bが強化される。したがって、仮に浸透流によって堤体1外側から堤体1内または基礎地盤5内を通り、上記強化土化部位5aの浸透流上流側面に至るパイプラインが形成されたとしても、当該強化土化部分5aが繊維混合強化土4Bからなり洗掘に対して強いので、当該強化土化部分5aにおいてパイプラインの成長が抑えられ、堤体1の内外に連通するパイプラインが形成されるまでには至りにくい。

0024

ところで本発明における具体的強化土化方法としては、図示しないが、強化対象部位の地盤土掘削撤去するとともに、その掘削撤去により形成される凹部を、予め、地盤土(掘削撤去した地盤土でも良い)に強化繊維を混合して製造しておいた繊維混合強化土で埋め戻す置換方法のほか、耕運機などの地盤土を攪拌可能な攪拌混合装置を用い、現場原地盤土を耕しつつその原地盤土内に強化繊維を攪拌混合させる現場攪拌方法を採用することができる。特に現場攪拌混合においては、強化対象部位の地盤上に強化繊維を撒き散らした後、この撒き散らし部位を耕運機などで耕す方法を推奨する。現場攪拌のほうが、前述置換方法よりも作業手間および施工コストが少なくて済む利点がある。また、かかる基礎地盤の強化土化も、既設堤体に対して適用したり、堤体築造の際に、好適には堤体部分の築造に先だって行うことができる。

0025

他方、基礎地盤5のうち堤体1外側に面しない部位を強化対象部位5aとしているのは、前述第1実施形態の場合と同様に周辺環境汚染を配慮しているからであり、もちろん、本発明においては基礎地盤5であるかぎり堤体外側に面するか否かを問わず繊維混合強化土による強化を行うことができる。

0026

<第3の実施形態>また第3の実施形態は、図9に示すように、少なくとも、堤体1の内側法面2の強化対象部位2b(特に図示例では法面下側部分)を、上述の第2実施形態と同様に強化土化により強化するものである。4Cは繊維混合強化土を示している。堤体1が土砂で形成してある場合には、堤体1の内側法面2における下側部分2bが堤体1内を通る浸透流の出口となる場合がある。しかし、本第3実施形態に従って強化土化を行うことで、堤体1内におけるパイプラインの成長を抑えることができ、もって堤体1の決壊を防止できる。

0027

<第4の実施形態>第4の実施形態は、図10にも示すように、堤体1内を通る構造物30の外面に接する強化対象部位31を、繊維混合強化土4Dからなるものとする強化土化を行って強化するものである。矢印は想定される浸透流を示している。

0028

特に図10に示す構造物30は、堤体1を横断する樋門構造物であり、その外周全体を取り囲む部位31について強化土化を行っている。一般の堤体1においては、家庭廃水工業廃水を堤体内側から堤体外側に送出するための水門管渠などの樋門構造物30が設けられることが多く、これらは堤体1外側の水位が上昇するときには閉じられるようになっているものもある。しかし、土砂で形成された堤体1においては、堤体1と樋門構造物30の外周面との境界に沿って堤体内外に連通するパイプラインが形成され易い。また、図示しないが、堤体を横断せず堤体の一部を通るだけの構造物であっても同様のパイプライン化が生じることが想定される。

0029

しかるに本発明に従って、堤体1内を通る構造物30の外面に接する強化対象部位(好適には図10に示すように構造物30の外周全体を取り囲む部位31)について強化土化すると、当該部位31の洗掘耐性が高まるので、堤体1と樋門構造物30の外周面との境界に沿うパイプラインは形成されにくくなる。

0030

他方、かかる強化土化を行うには、樋門構造物30を堤体1に構築する際に行うのが簡便である。すなわち図示しないが、堤体に構造物設置スペースを形成するとともに、その底部に繊維混合強化土を布設し、その上に樋門構造物築造または設置し、しかる後に堤体と樋門構造物との隙間を、繊維混合強化土を埋め戻し材として埋戻すことで、上記強化対象部位を強化土化することができる。もちろん、既に堤体に樋門構造物が設けられている場合にも、被門構造物の外周に接する部分を掘削もしくは穿孔により撤去した後に、当該撤去スペースを繊維混合強化土で埋め戻ししたりすることで、強化土化を行うことができる。

0031

変形形態>ところで本発明においては、図11に示すように上述の第1〜第3の実施形態は組合せる、すなわち、第1実施形態の押さえ盛土4A、第2実施形態の基礎地盤の強化土化4B、ならびに第3実施形態の堤体内側法面の強化土化4Cの全てを行うことができる。

0032

また図示しないが、第4の実施形態において、上述の第1〜第3の実施形態の少なくとも一つに示す堤体強化を行うこともできる。

0033

他方、本発明における補強対象部位は、堤体全体とすることもできる。

0034

<繊維混合強化土>本発明の繊維としては、特に限定されるものではないが、天然繊維のように経時的に分解し強化効果が低減していくものは好ましくない。強化効果を維持していく上では、ポリエチレン繊維ポリプロピレン繊維などの自然分解されにくい化学繊維を用いるのが好ましい。特に異形断面繊維を用いると土粒子拘束効果が高くなるので、強化効果が向上する。

0035

また、太さとしては1〜100デニールが好ましく、長さとしては50〜500mm(短繊維)程度が好ましい。これよりも短いと強化効果に乏しくなる。また、これよりも長い長繊維を用いるほうが強化効果が高くなるが、土砂との攪拌混合が困難となるとともに、強化土表面から一部が飛び出していたり或いは全部が飛び出したりしてしまうと、周辺に生息する鳥獣がこれに絡まる虞があるので好ましくない。

0036

配合としては、繊維を土砂に対して重量比で0.1〜3%、特に好適には0.1〜0.4%混合するのが好ましい。

0037

他方、以下に実験例を示して本発明の効果を明らかにする。
<実験例1>図12に示す試験装置を使用し、本発明に係る繊維混合強化土および繊維無混合強化土を用いてパイピング試験を行った。この試験装置は、U字状管内径10cm)の一方側の縦管内に供試土充填した後、他方側の縦管内に対して注水を行い、両縦管にける水位差、ならびに充填土を透過する水の流量に基づいて、動水勾配および流速を求めることができるようになしたものである。

0038

供試土として、表1に示すように繊維無混合土(供試土番号1)および繊維の混合率を0.1%〜0.4%(供試土番号2〜4)の繊維混合強化土の計4種を用いて試験を行った。

0039

なお、これらの供試土の土砂としては、表2に示すような河川流域に多く分布する土砂を用いた。また、試験には太さ20De(45μm)、長さ64mm、H形断面のポリエステル繊維を用いた。また、繊維混合強化土は径10cm,高さ15cmとし、繊維と土砂を均一に混合するとともに、充分に締め固めて試験を行った。

0040

0041

0042

試験の結果、どの供試土においても上面から細かい気泡の発生や局所的な噴砂が生じた後、パイピング破壊に至った。各供試土における動水勾配と平均流速の関係を図13に示した。また、限界動水勾配限界平均流速、ならびに限界実流速を表3に示した(これらに付した、限界とはパイピング破壊に至った時に測定した各値を意味する)。この結果から、混合率0.4%の供試土は、無混合の供試土に比べて限界動水勾配で2.2倍、限界平均流速で1.4倍上昇することが判明した。

0043

0044

さらに、これらの結果を混合繊維の種類(長さL,太さD)および混合量nによってあらわした特性値(=インデックス値=L/D×n)で整理すると、図14および図15に示すようになる。インデックス値は、前述のとおり強化効果が繊維長Lおよび混合量nに比例し、太さに反比例することを想定し定めた特性値である。これらのグラフから、限界動水勾配および限界実流速とインデックス値とには相関がある、すなわち、繊維長が長くなるほど及び混合量が多くなるほど強化効果が高くなり、繊維が太くなるほど強化効果が低下することが判明する。

0045

<実験例2>図16に示す大型実験システムを使用し、実験例1と同様の土砂を利用し、繊維混合土を用いて高さ10cmの押さえ盛土によるパイピング防止効果の検証を行った。同図に示すように、本実験システムは樋門構造物を有する堤体を想定して構成されているものであり、樋門構造物として幅45cm,高さ46cmのボックスカルバートを用いたものである。またカルバートの下に地盤沈下によって生じたと想定した空洞(5cm)を設けた。

0046

また、実験には太さ40μm,長さ64mmポリエステル繊維を用いた。

0047

実験ケースは無対策(押さえ盛土なし‥‥実験番号1),川砂を用いた押さえ盛土(実験番号2),4号砕石による押さえ盛土(実験番号3)および繊維の混合率を0.2%に調整した繊維混合土(実験番号4)の計4ケースで行った。

0048

試験の結果、どのケースも図17に示すように堤体法先のカルバートボックス脇(左右いずれか)からパイピング破壊を起こした。各ケースのパイピング破壊に至る水位差と動水勾配、平均動水勾配の関係を表4に、パイピング破壊に至る水位差と越流量の関係を図18に示した。

0049

0050

この結果から、無対策の場合は水位差76.5cm、動水勾配1.66、平均動水勾配0.22でパイピング破壊に至ったのに対して、わずか10cmの繊維混合強化土の押さえ盛土を行ったケースは水位差144.4cm、動水勾配2.60、平均動水勾配0.41でパイピング破壊に至り、水位差で1.9倍、動水勾配で1.6倍の効果が認められた。

0051

<実験のまとめ>以上の実験から、繊維混合強化土による押さえ盛土は盛上高さを調整することによって河川や湖沼、海の堤体のパイピング破壊防止対策として効果的であることが確認された。

発明の効果

0052

以上のとおり本発明によれば、安価かつ短期間で堤体の強化が可能となる。

図面の簡単な説明

0053

図1繊維混合強化土の一軸圧縮強さを示すグラフである。
図2繊維混合強化土の内部摩擦角を示すグラフである。
図3繊維混合強化土の曲げ強さを示すグラフである。
図4繊維混合強化土の粘着力を示すグラフである。
図5繊維混合強化土の降雨による侵食特性を示すグラフである。
図6繊維混合強化土の洗掘特性を示すグラフである。
図7第1の実施形態の概略を示す縦断面図である。
図8第2の実施形態の概略を示す縦断面図である。
図9第3の実施形態の概略を示す縦断面図である。
図10第4の実施形態の概略を示す縦断面図である。
図11変形形態の概略を示す縦断面図である。
図12実験例1の試験装置の概略図である。
図13実験例1の試験結果を示すグラフである。
図14実験例1の試験結果を示す他のグラフである。
図15実験例1の試験結果を示す他のグラフである。
図16実験例2の実験システムの概略図である。
図17パイピングの状態を示す要部拡大縦断面図である。
図18実験例2の試験結果を示すグラフである。

--

0054

1…堤体、2…堤体の内側法面、4A〜4D…繊維混合強化土、5…堤体基礎地盤。

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