図面 (/)

技術 熱接着性ウィスカー、熱接着性ウィスカーの製造方法、熱接着性ウィスカーを使用した集合体、及びこの集合体の製造方法

出願人 日本バイリーン株式会社
発明者 南彰則川部雅章
出願日 1999年7月8日 (21年5ヶ月経過) 出願番号 1999-194967
公開日 2001年1月23日 (19年11ヶ月経過) 公開番号 2001-020166
状態 特許登録済
技術分野 結晶、結晶のための後処理 繊維製品の化学的、物理的処理 不織物
主要キーワード 熱接着材料 基材構成材 電界発生装置 非接着樹脂 はっ水剤 混合容量 集合体製造装置 ステンレス製メッシュ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2001年1月23日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (4)

課題

効率的にエネルギーを利用してウィスカー集合体を製造することができ、他の素材との複合化も容易で、しかも脱落のないウィスカー集合体を製造することのできる熱接着性ウィスカー、この熱接着性ウィスカーの製造方法、この熱接着性ウィスカーを使用した集合体、及び見掛密度の高いウィスカー集合体から見掛密度の低いウィスカー集合体まで製造することのできるウィスカー集合体の製造方法を提供すること。

解決手段

(1)ウィスカー、温度250℃以下で接着可能な接着樹脂、及び前記接着樹脂を溶解可能な溶媒とを混合して混合液を調製する工程、(2)前記混合液から溶媒を除去してウィスカーと接着樹脂の混合体を形成する工程、(3)前記混合体を粉砕してウィスカー表面に接着樹脂が付着した熱接着性ウィスカーを形成する工程、とを含んでいる。

概要

背景

従来、ウィスカー原料とする集合体の製造方法として、ウィスカーを集合させた後に、ウィスカーの融点近い高温焼結する方法が知られている。しかしながら、この方法によると、高温で焼結する必要があるため、エネルギー的に無駄であるという問題があった。また、この方法によりウィスカーを原料とする集合体を製造することはできるが、他の素材(例えば、有機材料からなるシート)と複合化することが困難であった。

また、ウィスカーを原料とする集合体の別の製造方法として、ウィスカーと熱接着材料とを水に分散させ、抄き上げた後に熱を作用させて、熱接着材料により接着する方法も知られている。しかしながら、この方法によると、接着されていないウィスカーが存在する場合があり、ウィスカーが脱落しやすい、という問題があった。また、抄き上げる際の水切れが悪いため生産性が悪く、しかもウィスカーが緻密に配列してしまうため見掛密度が高くなり、見掛密度がある程度低いのが好ましい用途(例えば、フィルタ用途)に適用することが困難で、汎用性のないものであった。

ウィスカー集合体の見掛密度を低くする方法として、乾式法によりウィスカーを集合させた後、水系の接着剤粉末接着剤により接着する方法も考えられたが、この方法によって得られる集合体も、接着されていないウィスカーが存在する場合があるためウィスカーが脱落しやすく、また前者の水系の接着剤を使用する場合には、水系の接着剤を適用した際にへたってしまい、見掛密度の高い集合体になりやすいものであった。

概要

効率的にエネルギーを利用してウィスカー集合体を製造することができ、他の素材との複合化も容易で、しかも脱落のないウィスカー集合体を製造することのできる熱接着性ウィスカー、この熱接着性ウィスカーの製造方法、この熱接着性ウィスカーを使用した集合体、及び見掛密度の高いウィスカー集合体から見掛密度の低いウィスカー集合体まで製造することのできるウィスカー集合体の製造方法を提供すること。

(1)ウィスカー、温度250℃以下で接着可能な接着樹脂、及び前記接着樹脂を溶解可能な溶媒とを混合して混合液を調製する工程、(2)前記混合液から溶媒を除去してウィスカーと接着樹脂の混合体を形成する工程、(3)前記混合体を粉砕してウィスカー表面に接着樹脂が付着した熱接着性ウィスカーを形成する工程、とを含んでいる。

目的

本発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、効率的にエネルギーを利用してウィスカー集合体を製造することができ、他の素材との複合化も容易で、しかも脱落のないウィスカー集合体を製造することのできる熱接着性ウィスカー、この熱接着性ウィスカーの製造方法、この熱接着性ウィスカーを使用した集合体、及び見掛密度の高いウィスカー集合体から見掛密度の低いウィスカー集合体まで製造することのできるウィスカー集合体の製造方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

ウィスカー表面に、温度250℃以下で接着可能な接着樹脂が付着していることを特徴とする熱接着性ウィスカー。

請求項2

ウィスカーの容積1に対して、0.25〜10の容積の接着樹脂が付着していることを特徴とする、請求項1記載の熱接着性ウィスカー。

請求項3

(1)ウィスカー、温度250℃以下で接着可能な接着樹脂、及び前記接着樹脂を溶解可能な溶媒とを混合して混合液を調製する工程、(2)前記混合液から溶媒を除去してウィスカーと接着樹脂の混合体を形成する工程、(3)前記混合体を粉砕してウィスカー表面に接着樹脂が付着した熱接着性ウィスカーを形成する工程、とを含むことを特徴とする、熱接着性ウィスカーの製造方法。

請求項4

混合液を調製する工程において、ウィスカーの容積1に対して、0.25〜10の容積の接着樹脂を混合することを特徴とする、請求項3に記載の熱接着性ウィスカーの製造方法。

請求項5

請求項1又は請求項2に記載の熱接着性ウィスカーを含み、この熱接着性ウィスカーが接着していることを特徴とする集合体。

請求項6

請求項1又は請求項2に記載の熱接着性ウィスカーを、気流の作用により基材へ供給して、熱接着性ウィスカーを基材に付着させた後、熱処理により熱接着性ウィスカーを接着させることを特徴とする、集合体の製造方法。

請求項7

熱接着性ウィスカーに気流を作用させる前に、熱接着性ウィスカーを単極性帯電させることを特徴とする、請求項6記載の集合体の製造方法。

請求項8

気流の作用に加えて、電界を作用させることを特徴とする、請求項6又は請求項7記載の集合体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は熱接着性ウィスカー、熱接着性ウィスカーの製造方法、熱接着性ウィスカーを使用した集合体、及びこの集合体の製造方法に関する。

背景技術

0002

従来、ウィスカーを原料とする集合体の製造方法として、ウィスカーを集合させた後に、ウィスカーの融点近い高温焼結する方法が知られている。しかしながら、この方法によると、高温で焼結する必要があるため、エネルギー的に無駄であるという問題があった。また、この方法によりウィスカーを原料とする集合体を製造することはできるが、他の素材(例えば、有機材料からなるシート)と複合化することが困難であった。

0003

また、ウィスカーを原料とする集合体の別の製造方法として、ウィスカーと熱接着材料とを水に分散させ、抄き上げた後に熱を作用させて、熱接着材料により接着する方法も知られている。しかしながら、この方法によると、接着されていないウィスカーが存在する場合があり、ウィスカーが脱落しやすい、という問題があった。また、抄き上げる際の水切れが悪いため生産性が悪く、しかもウィスカーが緻密に配列してしまうため見掛密度が高くなり、見掛密度がある程度低いのが好ましい用途(例えば、フィルタ用途)に適用することが困難で、汎用性のないものであった。

0004

ウィスカー集合体の見掛密度を低くする方法として、乾式法によりウィスカーを集合させた後、水系の接着剤粉末接着剤により接着する方法も考えられたが、この方法によって得られる集合体も、接着されていないウィスカーが存在する場合があるためウィスカーが脱落しやすく、また前者の水系の接着剤を使用する場合には、水系の接着剤を適用した際にへたってしまい、見掛密度の高い集合体になりやすいものであった。

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、効率的にエネルギーを利用してウィスカー集合体を製造することができ、他の素材との複合化も容易で、しかも脱落のないウィスカー集合体を製造することのできる熱接着性ウィスカー、この熱接着性ウィスカーの製造方法、この熱接着性ウィスカーを使用した集合体、及び見掛密度の高いウィスカー集合体から見掛密度の低いウィスカー集合体まで製造することのできるウィスカー集合体の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明の熱接着性ウィスカーは、ウィスカー表面に、温度250℃以下で接着可能な接着樹脂が付着したものである。そのため、従来のような焼結温度よりもはるかに低い温度で熱接着性ウィスカーを接着させることができるため、効率的に集合体を製造することができる。また、熱接着性ウィスカーを低温で接着させることができるため、他の素材との複合化も可能である。更に、熱接着性ウィスカー自体が接着できるため、熱接着性ウィスカーが脱落するということもない。

0007

本発明の熱接着性ウィスカーの製造方法は、(1)ウィスカー、温度250℃以下で接着可能な接着樹脂、及び前記接着樹脂を溶解可能な溶媒とを混合して混合液を調製する工程、(2)前記混合液から溶媒を除去してウィスカーと接着樹脂の混合体を形成する工程、(3)前記混合体を粉砕してウィスカー表面に接着樹脂が付着した熱接着性ウィスカーを形成する工程、とを含んでいる。この方法によれば、ウィスカー表面に接着樹脂が付着した熱接着性ウィスカーを容易に製造することができる。

0008

本発明の集合体は上記のような熱接着性ウィスカーを含み、この熱接着性ウィスカーが接着したものである。そのため、この集合体は他の素材と複合化することができ、しかも熱接着性ウィスカーの脱落も生じないものである。

0009

本発明の集合体の製造方法は、上記の熱接着性ウィスカーを、気流の作用により基材へ供給して、熱接着性ウィスカーを基材に付着させた後、熱処理により熱接着性ウィスカーを接着させる方法である。この方法によると、熱接着性ウィスカーを使用しており、熱接着性ウィスカーにより接着できるため、見掛密度の高い集合体から見掛密度の低い集合体を容易に製造することができる。

発明を実施するための最良の形態

0010

本発明の熱接着性ウィスカーはウィスカー表面に温度250℃以下で接着可能な接着樹脂が付着したものであり、熱接着性ウィスカー自体が接着できるため、熱接着性ウィスカーが脱落せず、しかも焼結させる場合よりもはるかに低温で接着させることができるため、エネルギー的に有利であり、しかも他の素材と一体化することができるものである。

0011

本発明の熱接着性ウィスカーの原料となるウィスカーとしては、断面積が8×10-5平方インチ以下で、長さが断面の平均直径に対して10以上の単結晶又は多結晶のものを使用することができ、無機鉱物や金属などからなるものを使用できる。より具体的には、例えば、炭化珪素窒化珪素チタン酸カリウム酸化亜鉛ホウ酸アルミニウムウォラストナイトマグネシウム化合物ゲータイト、デビロンメタリックガンマヘマタイトガンマ酸化第二鉄ハロサイド炭素繊維、銅、或いは銀などから構成されるウィスカーを使用することができる。なお、熱接着性ウィスカーを含む集合体をフィルタ用途に使用する場合には、より高性能(高捕集効率)で、低圧力損失のフィルタとすることができるように、アスペクト比(長さ/平均直径)が10以上で、直径が10μm以下のウィスカーを使用するのが好ましい。

0012

本発明の熱接着性ウィスカーはこのようなウィスカー表面に温度250℃以下で接着可能な接着樹脂が付着したものである。この接着樹脂は効率的に接着しやすいように、温度250℃以下で接着可能である必要があり、より好ましくは230℃以下で接着可能であり、更に好ましくは210℃以下で接着可能である。なお、接着樹脂の接着可能な温度の下限はある程度の耐熱性に優れるように、80℃以上であるのが好ましく、100℃以上であるのがより好ましい。

0013

この接着可能である接着樹脂としては、例えば、(1)温度250℃以下で加熱した後に冷却することにより固化する樹脂(例えば、融点が250℃以下の結晶性熱可塑性樹脂など)、(2)温度250℃以下で加熱すると同時に加圧した後に冷却することにより固化する樹脂(例えば、軟化点が250℃以下の非晶性の熱可塑性樹脂など)、(3)分子間の架橋結合が進行する温度が250℃以下の樹脂(例えば、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂に架橋剤を添加した樹脂など)がある。これらの中でも、見掛密度の低い(嵩高な)集合体を製造できるように、(1)又は(3)の接着樹脂からなるのが好ましい。なお、本発明における「融点」とは、示差熱量計を用い、昇温温度10℃/分で、室温から昇温して得られる融解吸収曲線極値を与える温度をいう。また、本発明における「軟化点」は、示差熱量計を用い、昇温速度10℃/分で室温から昇温して得られる融解吸熱曲線開始点を与える温度をいう。

0014

この接着樹脂として、より具体的には、例えば、ポリエステル系樹脂ポリアミド系樹脂ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂ポリプロピレン系樹脂など)、ポリ塩化ビニリデン系樹脂などの結晶性の熱可塑性樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂ポリスチレン系樹脂ポリアクリロニトリル系樹脂ポリビニルアルコール系などの非晶性の熱可塑性樹脂、尿素樹脂メラミン樹脂フェノール樹脂エポキシ樹脂不飽和ポリエステル樹脂アルキド樹脂ウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂、前記結晶性又は非晶性の熱可塑性樹脂に架橋剤を添加した樹脂などを単独で、又は2種類以上混合して使用することができる。

0015

なお、本発明の熱接着性ウィスカーを後述のような粉砕する工程を経て製造する場合には、粉砕が容易であるように、ある程度の硬さを有する接着樹脂を使用するのが好ましい。例えば、接着樹脂が粉体塗料からなる場合には、鉛筆引っかき値(JIS K 5400-1979 6.14、以下同様)がHB以上の硬いものであるのが好ましい。なお、接着樹脂の接着性の点からは鉛筆引っかき値が2H以下の柔らかいものであるのが好ましい。このような硬さを有する接着樹脂は、例えば、重合度架橋度無機添加剤の有無、無機添加剤の量などを調節することにより得ることができる。なお、接着樹脂中に反応助剤無機粉末金属粉末はっ水剤研磨材などが混合されていても良い。

0016

本発明の熱接着性ウィスカーにおけるウィスカーに対する接着樹脂の付着量としては、ウィスカーの容積1に対して、0.25〜10の容積の接着樹脂が付着しているのが好ましく、0.5〜5の容積の接着樹脂が付着しているのがより好ましい。接着樹脂の付着量がウィスカーの容積1に対して0.25よりも少ないと、十分な接着力を発揮することができない場合があり、接着樹脂の付着量がウィスカーの容積1に対して10を越えると、無駄が多く、また必要以上に付着していることによって、微細な空隙を有する集合体を形成しにくくなるためである。

0017

本発明の熱接着性ウィスカーはウィスカー表面に接着樹脂が付着したものであるが、その付着状態は、1つのウィスカーに接着樹脂が付着している状態であっても良いし、2つ以上のウィスカーに接着樹脂が付着しており、ウィスカー同士が既に接着樹脂により接着している状態にあっても良い。

0018

このような熱接着性ウィスカーは、例えば次の工程により製造することができる。(1)ウィスカー、温度250℃以下で接着可能な接着樹脂、及び前記接着樹脂を溶解可能な溶媒とを混合して混合液を調製する工程、(2)前記混合液から溶媒を除去してウィスカーと接着樹脂の混合体を形成する工程、(3)前記混合体を粉砕してウィスカー表面に接着樹脂が付着した熱接着性ウィスカーを形成する工程。以下、各工程について、具体的に説明する。

0019

まず、ウィスカー、温度250℃以下で接着可能な接着樹脂、及び前記接着樹脂を溶解可能な溶媒とを混合して混合液を調製する。ウィスカー及び接着樹脂としては、前述のようなものを使用することができる。また、溶媒としては前述のような接着樹脂を溶解可能なものを使用する。なお、溶媒としてウィスカーが分散しやすいものを使用すると、1つのウィスカーに対して接着樹脂が付着しやすく、しかもウィスカー同士は分散した状態にあるため、後述の粉砕工程により1つのウィスカーに対して接着樹脂が付着した熱接着性ウィスカーを製造しやすいため好適である。このような溶媒としては、例えば、チタン酸カリウムウィスカーとポリエステル系樹脂に対して、アセトンを組み合わせることができる。

0020

この混合液を調製する工程においては、前述のような容積比率でウィスカーに接着樹脂が付着するように、ウィスカーの容積1に対して0.25〜10の容積の接着樹脂を混合するのが好ましく、0.5〜5の容積の接着樹脂を混合するのがより好ましい。なお、溶媒はウィスカーと接着樹脂との混合容量1に対して0.5〜20の容量比率で混合するのが好ましい。

0021

次いで、前述の混合液から溶媒を除去してウィスカーと接着樹脂の混合体を形成する。この溶媒を除去する方法としては、例えば、風乾による方法、乾燥機による方法などがある。なお、混合液を離型紙に塗布してフィルム化したり、噴霧して小粒子化した後に溶媒を除去すると、効率的に溶媒を除去することができる。

0022

そして、この混合体を粉砕することにより、ウィスカー表面に接着樹脂が付着した熱接着性ウィスカーを製造することができる。この混合体の粉砕は、例えば、乳鉢ジェット気流粉砕機ピンミル粉砕機、超微粒摩砕機摩擦粉砕機などにより実施することができる。これらの中でも、ウィスカーの形状を損なわず、しかも1つのウィスカーに接着樹脂が付着した状態となるように粉砕しやすい、超微粒摩砕機や摩擦粉砕機を好適に使用できる。

0023

本発明の集合体は前述のような熱接着性ウィスカーを含み、この熱接着性ウィスカーが接着したものである。そのため、この集合体は他の素材と複合化することができ、しかも熱接着性ウィスカーの脱落も生じないものである。この集合体における熱接着性ウィスカー量は用途によって適宜設定することができる。例えば、エアフィルタ液体フィルタのように低圧力損失で、高い捕集効率が要求されるような場合には、熱接着性ウィスカーを主体として構成するのが好ましい。また、触媒脱臭フィルタイオン交換体のように機能性粉体主原料であり、この機能性粉体の機能をできるだけ損なわないように接着するための接着材料として使用する場合には、熱接着性ウィスカーの量は少なくて良い。

0024

この熱接着性ウィスカー以外の材料としては、例えば、前述と同様のウィスカー(接着樹脂の付着していないもの、又は非接着樹脂の付着しているもの)、有機繊維無機繊維、機能性粉体、或いは接着性粉体を使用することができる。より具体的には、ウィスカーとして、炭化珪素、窒化珪素、チタン酸カリウム、酸化亜鉛、ホウ酸アルミニウム、ウォラストナイト、マグネシウム化合物、ゲータイト、デビロンメタリック、ガンマヘマタイト、ガンマ酸化第二鉄、ハロサイド、炭素繊維、銅、或いは銀などから構成されるウィスカーを使用することができる。有機繊維として、ナイロン繊維ビニロン繊維ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維ポリエステル繊維アクリル繊維ポリエチレン繊維ポリプロピレン繊維などのポリオレフィン系繊維ポリウレタン繊維などを使用することができる。無機繊維として、ガラス繊維、炭素繊維などを使用することができる。機能性粉体として、細孔性物質(例えば、活性炭ゼオライトなど)、触媒機能を有するセラミックス(例えば、酸化チタン酸化銅二酸化マンガン、酸化亜鉛など)、磁性体(例えば、酸化鉄など)、特異な電気的特性を有するもの(例えば、圧電性焦電性など)、イオン交換機能を有するポリマー吸水性ポリマーなどを使用することができる。接着性粉体としては、例えば、有機高分子(例えば、ポリアミド樹脂粉体、ポリエステル樹脂粉体ポリエチレン樹脂粉体ポリプロピレン樹脂粉体、ポリスチレン樹脂粉体など)、有機固体(例えば、パラフィンなど)、ガラスなどを使用することができる。

0025

このような熱接着性ウィスカーが接着した集合体は、例えば、前述のような熱接着性ウィスカーを、気流の作用により基材へ供給して、熱接着性ウィスカーを基材に付着させた後、熱処理により熱接着性ウィスカーを接着させて製造することができる。この熱接着性ウィスカーに対して作用させる気流はどのような気流であっても良いが、引火などの危険性がなく、取り扱いやすい空気を使用するのが好ましい。また、気流の基材への供給速度は基材の種類、基材の大きさ、基材の状態などによって変化するため限定することはできないが、1〜50cm/秒程度であるのが好ましい。なお、気体による基材への供給速度は一定であっても、規則的に又は不規則的に変化させても良い。更に、気流は基材に対して吹き付けるように発生させたものであっても良いし、基材側から吸引することによって発生させたものであっても良いし、これらを併用することによって発生させたものであっても良い。

0026

また、熱接着性ウィスカーの基材への供給は1度である必要はなく、2度以上、同じ方向又は違う方向から供給することができる。なお、基材の両側から熱接着性ウィスカーを供給する場合、最初に供給した熱接着性ウィスカーが他面へ供給する際に脱落することがないように、最初に供給した熱接着性ウィスカーを接着させた後に、他面から熱接着性ウィスカーを供給するのが好ましい。また、最初に供給する熱接着性ウィスカーと2度目以降に供給する熱接着性ウィスカーとは同じであっても違う種類のものであっても良い。なお、熱接着性ウィスカーの基材への供給方向としては、例えば、基材がシート状である場合には、基材の厚さ方向と同じ方向から供給するのが好ましく、基材がハニカム状である場合には、ハニカムセルの長さ方向と同じ方向から供給するのが好ましい。

0027

このように気流の作用により基材へ熱接着性ウィスカーが供給され、基材に付着する。この基材としては、例えば、多孔性基材非多孔性基材或いはこれらの複合体を使用することができる。前者としては、不織布、織物編物、紙、メッシュネット或いはこれらの複合体などがあり、後者としては、フィルム、板などがある。なお、この基材の形状としては、例えば、シート状、シートをジグザグ状に折り加工した形状、ハニカム形状、シートを丸めて筒状とした形状、シートをジグザグ状に折り加工したものを丸めて筒状とした形状、シートを袋状に加工した形状などであることができる。

0028

なお、熱接着性ウィスカーに気流を作用させる前に、熱接着性ウィスカーを単極性帯電させると、熱接着性ウィスカー間に電気的な反発力が作用し、熱接着性ウィスカー同士は緻密に堆積せず、互いにある程度の距離を保った状態で基材に付着することになるため、見掛密度の低い嵩高な集合体を製造することができる。このように熱接着性ウィスカーを単極性に帯電させる方法としては、例えば、直流コロナ放電沿面コロナ放電交流コロナ放電)、X線荷電、摩擦荷電などがある。これらの中でもX線荷電は熱接着性ウィスカーがX線発生装置に付着しにくく、オゾンなど有害ガスを発生しにくいため好適である。なお、極性は特に限定されるものではなく、正極性であっても負極性であっても良く、また、正極性と負極性を交互に作用させても良い。また、この帯電は熱接着性ウィスカー全体を帯電できるように、熱接着性ウィスカーを気体中(好適には空気中)に供給し、個々の熱接着性ウィスカーに分散させた状態で帯電させるのが好ましい。

0029

本発明において、気流の作用に加えて電界を作用させると、熱接着性ウィスカーと基材との間に働く静電引力によって、基材構成材(例えば、繊維、紡績糸毛糸など)の表面全体に熱接着性ウィスカーを付着させることができる。この電界の強度は、基材の種類、基材の大きさ、基材の荷電状態などによって変化するため限定することはできないが、100〜5,000V/cm程度であるのが好ましい。なお、この電界を発生させる装置は前述の熱接着性ウィスカーを帯電させる装置により形成しても良いし、帯電させるための装置とは別に電界発生装置を使用しても良い。

0030

なお、前述のように熱接着性ウィスカーを単極性に帯電させた場合、基材を接地された支持体上に載置しても良い。この場合、熱接着性ウィスカーと支持体との間に電位差が生じ、前述の電界を作用させた場合と同様の状態となるため、電界を作用させた場合と同様の効果を奏する。この支持体としては、帯電した熱接着性ウィスカーと支持体との間に電位差が生じるように、導電性比抵抗:100Ω・cm未満)から半導電性(比抵抗:100〜109Ω・cm)の材料からなるものを使用することができる。また、気流の流れを妨げないように、ネットや多孔板などの多孔性であるのが好ましい。

0031

このように、本発明においては、気流を作用させること、熱接着性ウィスカーを単極性に帯電させること、及び電界を作用させることを適宜組み合わせることによって、様々な見掛密度を有する集合体を製造することができる。例えば、(1)気流(吹き付け又は吸引)、帯電及び電界の組み合せ(2)気流(吹き付け又は吸引)及び帯電の組み合せ、(3)気流(吹き付け及び吸引)及び帯電の組み合せ、の場合のように、熱接着性ウィスカーを帯電させた場合には、比較的見掛密度が低く嵩高な集合体を製造することができ、気流のみ(吹き付け及び/又は吸引)を熱接着性ウィスカーに作用させた場合には、見掛密度が高く緻密な集合体を製造することができる。

0032

本発明の集合体は前述のようにして熱接着性ウィスカーを基材に付着させた後、熱処理することにより熱接着性ウィスカーを接着して製造することができる。この接着は、例えば、接着樹脂が結晶性の熱可塑性樹脂からなる場合には、熱接着性ウィスカーを構成する接着樹脂の軟化点から融点よりも20℃程度高い温度に設定されたオーブンにより実施することができ、接着樹脂が熱硬化性樹脂からなる場合には、熱接着性ウィスカーを構成する接着樹脂の分子間架橋結合が進行する温度以上の温度に設定されたオーブンにより実施することができる。なお、いずれの場合も、集合体に嵩高性が必要とされる場合には、無圧下で実施するのが好ましい。

0033

本発明の集合体として基材を必要としない場合には、例えば、前述のようにして基材上に熱接着性ウィスカーが接着した集合体を、基材のみ(熱接着性ウィスカーを構成する接着樹脂は溶解しない)を溶解することのできる溶媒に浸漬するなどして、基材のみを抽出することによって製造することができる。

0034

以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。

0035

(実施例1)ウィスカーとしてチタン酸カリウムウィスカー(断面積:0.096μm2、長さ:15μm、平均直径:0.35μm、アスペクト比:43)100容量部、接着樹脂として熱硬化性ポリエステル粉体塗料(架橋進行温度:180℃以上、鉛筆引っかき値:F〜H)100容量部、及び溶媒としてアセトン1500容量部とを混合して混合液を調製した。次いで、この混合液を離型紙上コーティングした後、風乾することによりアセトンを蒸発除去して、チタン酸カリウムウィスカーと熱硬化性ポリエステル粉体塗料とからなる混合フィルムを形成した。次いで、この混合フィルムを乳鉢で粗粉砕した後、摩擦粉砕機により粉砕して、チタン酸カリウムウィスカー表面に熱硬化性ポリエステル粉体塗料が付着した熱接着性ウィスカー(ウィスカーの容量1に対して1容量の熱硬化性ポリエステル粉体塗料が付着)を製造した。他方、ポリエステル繊維からなる面密度80g/m2、厚さ0.5mmの不織布を用意した。

0036

次いで、図1に模式的断面図を示すような集合体製造装置により、集合体を製造した。この時の条件は次の通りである。
(1)前述のようにして製造した熱接着性ウィスカー100%を供給装置1(三協パイテク(株)製、マイクロフィーダーMFHV−IVO)にセットした後、気流発生装置3(エアコンプレッサー)から空気流(5L/分)を供給装置1へ供給して、熱接着性ウィスカーを分散装置2(三協パイオテク(株)製、マイクロフィーダーMFHV−IVO)へ供給(0.12g/分)し、分散装置2によって、個々の熱接着性ウィスカーとなるように分散した。
(2)分散装置2により分散された熱接着性ウィスカーを、ノズル(直径3mm)から速度11.8m/秒で帯電空間4へ供給した。なお、供給速度は一定とした。また、直流電界(後述)に対して直角方向から熱接着性ウィスカーを供給した。
(3)帯電空間4は容器(たて14cm、よこ14cm、高さ15cm)により形成した。この容器は分散装置2から熱接着性ウィスカーを供給するノズルの周囲に開口部を有するものを使用した。
(4)帯電空間4は帯電装置5によりプラスイオンのみを発生させて、熱接着性ウィスカーをプラスに帯電させた。この帯電装置5はアルミナ板(厚さ:2mm)の片面に線径50μmのワイヤー放電電極)を1cm間隔で装着しており、反対面にステンレス板誘起電極)を装着したものを使用した。なお、それぞれの電極に周波数40KHz、電力50ワット交流印加して沿面放電を発生させた。また、帯電装置5とステンレス製メッシュ状支持体7(目開き1mm、線径0.5mm)との間に電位差を設けて直流電界(電界強度5KV/15cm)を形成した。
(5)前述の不織布は厚さ方向が直流電界の方向と一致するように、前記支持体7上に載置した。なお、熱接着性ウィスカーは不織布の片面側から1度付着させ、温度180℃のオーブンにより20分間熱処理して、熱接着性ウィスカー同士及び熱接着性ウィスカーと不織布とを接着した。
(6)吸引装置8により約30L/分で吸引した。この時、熱接着性ウィスカーの不織布における通過速度(一定)は5cm/秒であった。
(7)3分30秒間、熱接着性ウィスカーを供給した。

0037

このようにして製造した集合体のウィスカー集合部における空隙率は98%で、見掛密度が0.05g/cm3の嵩高な状態であった。また、この集合体は折り曲げても熱接着性ウィスカーが脱落することのない、熱接着性ウィスカーが十分に接着したものであった。なお、参考までに集合体のウィスカー集合部を上方から観察した電子顕微鏡写真図2として添付する。

0038

(実施例2)ウィスカーとして実施例1と同じチタン酸カリウムウィスカー100容量部、接着樹脂として実施例1と同じ熱硬化性ポリエステル粉体塗料200容量部、及び溶媒としてアセトン1700容量部とを混合して混合液を調製した。次いで、実施例1と全く同様に、混合液の離型紙へのコーティング、アセトンの除去、乳鉢による粗粉砕、及び摩擦粉砕機による粉砕を実施して、チタン酸カリウムウィスカー表面に熱硬化性ポリエステル粉体塗料が付着した熱接着性ウィスカー(ウィスカーの容量1に対して2容量の熱硬化性ポリエステル粉体塗料が付着)を製造した。他方、ポリエステル繊維からなる面密度80g/m2、厚さ0.5mmの不織布を用意した。

0039

次いで、前記のようにして製造した熱接着性ウィスカー80重量%、熱接着性ウィスカーの原料であるチタン酸カリウムウィスカーと同じチタン酸カリウムウィスカー15重量%、及びポリエステル繊維チョップ繊維径:2μm、繊維長0.5mm)とを供給装置1に供給したこと以外は、実施例1と全く同様にして集合体を製造した。このようにして製造した集合体のウィスカー集合部における空隙率は98%で、見掛密度が0.05g/cm3の嵩高なものであった。また、この集合体は折り曲げても何も脱落しない、十分に接着したものであった。なお、参考までに集合体のウィスカー集合部を上方から観察した電子顕微鏡写真を図3として添付する。

0040

(実施例3)ウィスカーとしてウォラストナイト繊維(断面積:19.6μm2、長さ:75μm、平均直径:50μm、アスペクト比:15)100容量部、接着樹脂として実施例1と同じ熱硬化性ポリエステル粉体塗料200容量部、及び溶媒としてアセトン2000容量部とを混合して混合液を調製した。次いで、実施例1と全く同様に、混合液の離型紙へのコーティング、アセトンの除去、乳鉢による粗粉砕、及び摩擦粉砕機による粉砕を実施して、ウォラストナイト繊維表面に熱硬化性ポリエステル粉体塗料が付着した熱接着性ウィスカー(ウィスカーの容量1に対して2容量の熱硬化性ポリエステル粉体塗料が付着)を製造した。他方、ポリエステル繊維からなる面密度30g/m2、厚さ0.15mmの不織布を用意した。

0041

次いで、前記のようにして製造した熱接着性ウィスカー180容量部、二酸化マンガン粉末平均粒径:26μm)100容量部とを供給装置1に供給したこと以外は、実施例1と全く同様にして集合体を製造した。このようにして製造した集合体は振っても擦っても粉落ちしない、熱接着性ウィスカーにより十分に接着したものであった。また、集合体のウィスカー集合部を電子顕微鏡により観察すると、二酸化マンガン粉末は熱接着性ウィスカーにより殆ど被覆されていなかった。更に、この集合体のオゾン分解特性を測定したところ、二酸化マンガン粉末100%の場合と同等の性能を発揮するものであった。

発明の効果

0042

本発明の熱接着性ウィスカーは従来のような焼結温度よりもはるかに低い温度で熱接着性ウィスカーを接着させることができるため、効率的に集合体を製造することができる。また、熱接着性ウィスカーを低温で接着させることができるため、他の素材との複合化も可能である。更に、熱接着性ウィスカー自体が接着できるため、熱接着性ウィスカーが脱落するということもない。本発明の熱接着性ウィスカーの製造方法によれば、上記の熱接着性ウィスカーを容易に製造することができる。

0043

本発明の集合体は他の素材と複合化することができ、しかも熱接着性ウィスカーの脱落も生じないものである。本発明の集合体の製造方法によれば、見掛密度の高い集合体から見掛密度の低い集合体を容易に製造することができる。

図面の簡単な説明

0044

図1集合体製造装置の模式的断面図
図2 実施例1における集合体のウィスカー集合部を上方から観察した電子顕微鏡写真
図3 実施例2における集合体のウィスカー集合部を上方から観察した電子顕微鏡写真

--

0045

1供給装置
2分散装置
3気流発生装置
4帯電空間
5帯電装置
6多孔性基材
7支持体
8 吸引装置

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い法人

関連性が強い法人一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ