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技術 冷却用ジャケット、焼入装置、および、焼入れされたワークの製造方法

出願人 富士電子工業株式会社
発明者 長尾武彦
出願日 1999年7月8日 (20年8ヶ月経過) 出願番号 1999-193919
公開日 2001年1月23日 (19年2ヶ月経過) 公開番号 2001-020013
状態 未査定
技術分野 熱処理 物品の熱処理
主要キーワード 緩衝孔 略長方体 金属製ワーク 取り付け口 誘導加熱処理 緩衝室 各噴射口 各区画室
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

本願発明の課題は、大きさの異なるワークであっても、的確に冷却することにある。

解決手段

本願発明に係る冷却用ジャケットの特徴は、冷却用ジャケット本体100から冷却液噴射してワークWを冷却するに関して、ワークWの大きさに応じて、例えば制御弁500Bの開閉により収容室110の周縁区画室110Bに送られる冷却液を制御すること等により、冷却液の噴射範囲を変更する構造を採用した点にある。

概要

背景

金属製ワーク表面硬化には、高周波による誘導加熱処理を行った後、水や油などの冷却液を用いて急冷を行う処理が施される。この処理は、例えば、加熱処理が施されたワークWの焼入面に、冷却用ジャケットによって冷却液を噴射して行われる。

この冷却用ジャケットは、より具体的には図7に示すように、緩衝室110が一つ形成されたジャケット本体100と、前記緩衝室110内に納められた均圧板700とを具備している。

前記ジャケット本体100には、その背面壁130の中央部に形成された流入口162に、一つの送液パイプ400が接続されており、この流入口162は、緩衝室110内にむけて広がった形状に形成されている。また、ジャケット本体100の正面に位置する前面壁120には、冷却液を噴射するための噴射口122が多数開孔されている。

この従来技術において緩衝室110は、一つのジャケット本体100に一つ設けられており、送液パイプ400から送液される冷却液が前記噴射口122から均一に噴射するように設けられている。この緩衝室110は、常時送りこまれる冷却液によってほぼ充填されるようになっている。

均圧板700は、流入口162から一定の距離を隔てて、支持部材720によりジャケット本体100の背面壁130に固定されている。この均圧板700は、送液パイプ400から送出された冷却液が直接噴射口122から噴射されないようにするために設けられている。

また、均圧板700には、多数の緩衝口710が開孔されている。この緩衝口710は、上記目的を担保しながら冷却液が速やかに緩衝室110に充填するように、均圧板700の周縁領域にのみ設けられ、すなわち、流入口162に対向する領域には設けられておらず、その外周領域にのみ設けられている。

前記送液パイプ400は緩衝室110内に冷却液を送液するためのもので、この送液パイプ400には図8に示すように、緩衝室110内に冷却液を送るための送液ポンプ610及び送液の開始・停止を制御する開閉弁500が設けられている。

この従来例の冷却用ジャケットにあっては、開閉弁500を開くことにより冷却液が送液パイプ400を通ってジャケット本体100の緩衝室110内に送られる。このとき、冷却液は送液ポンプ610によって加圧されており、流入口162から排出された冷却液は均圧板700に向けて勢い良く噴射される。均圧板700に当たった冷却液は、その一部は均圧板700で跳ね返されて緩衝室110内に流れ込み、残る冷却液は均圧板700の周縁方向に流される。さらに、周縁方向に流された冷却液の一部は緩衝口710を通過し、残りは均圧板700の周縁から噴射口122側へ流れ込む。また、緩衝室110内に充填された冷却液は、一定の圧力で噴射口122から噴射され、加熱処理されたワークWが冷却される。

こうして一定時間冷却液を噴射した後、開閉弁500を閉じると冷却液の送液が止まり、加熱処理されたワークWの冷却を終えることができる。

概要

本願発明の課題は、大きさの異なるワークであっても、的確に冷却することにある。

本願発明に係る冷却用ジャケットの特徴は、冷却用ジャケット本体100から冷却液を噴射してワークWを冷却するに関して、ワークWの大きさに応じて、例えば制御弁500Bの開閉により収容室110の周縁側区画室110Bに送られる冷却液を制御すること等により、冷却液の噴射範囲を変更する構造を採用した点にある。

目的

本願発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、本願発明の課題は、大きさの異なるワークであっても、的確に冷却することのできる冷却用ジャケット、および、それを用いた焼入装置並びに焼入れされたワークの製造方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

冷却用ジャケット本体から冷却液噴射してワークを冷却する冷却用ジャケットであって、ワークの大きさあるいは太さに応じて、冷却液の噴射範囲を変更可能に設けられていることを特徴とする冷却用ジャケット。

請求項2

前記冷却用ジャケット本体は、それぞれ冷却液を噴射する複数の区画室を有し、且つ該区画室には、冷却液を送液するための送液パイプが連結されており、しかも、少なくとも一つの送液パイプには、区画室への冷却液の送液を制御可能な制御弁が設けられている請求項1記載の冷却用ジャケット。

請求項3

前記冷却用ジャケット本体は中心側区画室と周縁側区画室との少なくとも2つ区画室を有し、ワークに対向する噴射壁において、この中心側区画室はワークの中心に対応する位置に設けられ、周縁側区画室はこの中心側区画室の両側方に略対象に位置するように設けられており、且つ、少なくとも前記周縁側区画室の送液パイプには前記制御弁が設けられている請求項2記載の冷却用ジャケット。

請求項4

ワークを加熱する加熱手段、および、加熱手段によって加熱されたワークの焼入面を冷却するために冷却液を噴射する冷却用ジャケットを備えた焼入装置であって、前記冷却用ジャケットは、ワークの大きさあるいは太さに応じて冷却液の噴射範囲を変更可能に設けられていることを特徴とする焼入装置。

請求項5

ワークを加熱する工程、および、この加熱されたワークを、冷却用ジャケットにより冷却液を噴射して冷却する冷却工程を具備している焼入れされたワークの製造方法であって、前記冷却工程において、ワークの大きさあるいは太さに応じて、冷却液の噴射範囲を変更することを特徴とする焼入れされたワークの製造方法。

技術分野

0001

本願発明は、冷却用ジャケット焼入装置、および、焼入れされたワークの製造方法に関する発明であり、より具体的には、例えば高周波焼入される金属製ワーク焼入面に冷却液噴射して冷却するために用いられる冷却用ジャケットに関するものである。

背景技術

0002

金属製ワークの表面硬化には、高周波による誘導加熱処理を行った後、水や油などの冷却液を用いて急冷を行う処理が施される。この処理は、例えば、加熱処理が施されたワークWの焼入面に、冷却用ジャケットによって冷却液を噴射して行われる。

0003

この冷却用ジャケットは、より具体的には図7に示すように、緩衝室110が一つ形成されたジャケット本体100と、前記緩衝室110内に納められた均圧板700とを具備している。

0004

前記ジャケット本体100には、その背面壁130の中央部に形成された流入口162に、一つの送液パイプ400が接続されており、この流入口162は、緩衝室110内にむけて広がった形状に形成されている。また、ジャケット本体100の正面に位置する前面壁120には、冷却液を噴射するための噴射口122が多数開孔されている。

0005

この従来技術において緩衝室110は、一つのジャケット本体100に一つ設けられており、送液パイプ400から送液される冷却液が前記噴射口122から均一に噴射するように設けられている。この緩衝室110は、常時送りこまれる冷却液によってほぼ充填されるようになっている。

0006

均圧板700は、流入口162から一定の距離を隔てて、支持部材720によりジャケット本体100の背面壁130に固定されている。この均圧板700は、送液パイプ400から送出された冷却液が直接噴射口122から噴射されないようにするために設けられている。

0007

また、均圧板700には、多数の緩衝口710が開孔されている。この緩衝口710は、上記目的を担保しながら冷却液が速やかに緩衝室110に充填するように、均圧板700の周縁領域にのみ設けられ、すなわち、流入口162に対向する領域には設けられておらず、その外周領域にのみ設けられている。

0008

前記送液パイプ400は緩衝室110内に冷却液を送液するためのもので、この送液パイプ400には図8に示すように、緩衝室110内に冷却液を送るための送液ポンプ610及び送液の開始・停止を制御する開閉弁500が設けられている。

0009

この従来例の冷却用ジャケットにあっては、開閉弁500を開くことにより冷却液が送液パイプ400を通ってジャケット本体100の緩衝室110内に送られる。このとき、冷却液は送液ポンプ610によって加圧されており、流入口162から排出された冷却液は均圧板700に向けて勢い良く噴射される。均圧板700に当たった冷却液は、その一部は均圧板700で跳ね返されて緩衝室110内に流れ込み、残る冷却液は均圧板700の周縁方向に流される。さらに、周縁方向に流された冷却液の一部は緩衝口710を通過し、残りは均圧板700の周縁から噴射口122側へ流れ込む。また、緩衝室110内に充填された冷却液は、一定の圧力で噴射口122から噴射され、加熱処理されたワークWが冷却される。

0010

こうして一定時間冷却液を噴射した後、開閉弁500を閉じると冷却液の送液が止まり、加熱処理されたワークWの冷却を終えることができる。

発明が解決しようとする課題

0011

しかしながら、この従来例の冷却用ジャケットは、冷却用ジャケットの前面から常時均一に冷却液が噴射され、その冷却液の噴射領域は変更不能なため、大きさ、太さの異なるワークの冷却には不適であるという問題があった。

0012

すなわち、ワークが大きく、冷却対象たる焼入面が噴射領域よりも広い場合には、焼入面を部分的に冷却するのみゆえ、用いることができない。

0013

一方、ワークが小さく、焼入面が噴射領域よりも極端に狭い場合には、焼入面に衝突しない領域での冷却液の噴射が無駄となるばかりか、焼入面よりも上方に衝突した冷却液がワークの側面をつたっておりるため、この冷却液が焼入面に向けて噴射される冷却液による冷却を邪魔して、焼入面の冷却ムラを生ずる原因となる。

0014

本願発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、本願発明の課題は、大きさの異なるワークであっても、的確に冷却することのできる冷却用ジャケット、および、それを用いた焼入装置並びに焼入れされたワークの製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0015

本願請求項1記載の発明に係る冷却用ジャケットは、冷却用ジャケット本体から冷却液を噴射してワークを冷却する冷却用ジャケットであって、ワークの大きさや太さに応じて、冷却液の噴射範囲を変更可能に設けられていることを特徴とする。

0016

かかる構成からなる本願請求項1記載の発明に係る冷却用ジャケットにあっては、ワークの大きさあるいは太さに応じてジャケット本体の冷却液の噴射範囲を変更せしめることにより、ワークの所望の範囲を的確に冷却することができる。

0017

本願発明において、「冷却液の噴射範囲を変更」する手段として、例えば、冷却用ジャケットに緩衝室を設けて、ワーク側の壁(前面壁)に複数の噴射口を開孔して、所定の噴射口をワークの大きさあるいは太さに応じて開閉するよう構成することも可能である。しかるに、かかる構成を採用すれば、冷却用ジャケット本体の緩衝室内において噴射口を開閉する手段を設けることを要し、構造上複雑となり、装置のコスト高を招くという問題を有する。よって、請求項2記載のごとく構成することが好ましい。この請求項2記載の発明にあっては、冷却用ジャケット本体は、それぞれ冷却液を噴射する複数の区画室を有し、且つ該区画室には、冷却液を送液するための送液パイプが連結されており、しかも、少なくとも一つの送液パイプには、区画室への冷却液の送液を制御可能な制御弁が設けられている。

0018

かかる構成からなる請求項2記載の冷却用ジャケットにあっては、送液パイプに設けられた制御弁を制御することにより、区画室への冷却液の送液を制御して、これにより、ワークの大きさあるいは太さに応じて噴射範囲を変更することができる。このため、緩衝室内に各噴射口の弁を設けるなどに比して、構造が簡易であり、製造しやすいという利点を有する。

0019

また、この請求項2記載の発明は、請求項3記載のように、冷却用ジャケット本体は中心側区画室と周縁側区画室との少なくとも2つ区画室を有し、ワークに対向する噴射壁において、この中心側区画室はワークの中心に対応する位置に設けられ、周縁側区画室はこの中心側区画室の両側方に略対象に位置するように設けられており、且つ、少なくとも前記周縁側区画室の送液パイプには前記制御弁が設けられている構成を採用することができる。

0020

かかる構成からなる請求項3記載の冷却用ジャケットにあっては、周縁側区画室の送液パイプに設けた制御弁を制御して、噴射範囲を変更することができる。具体的には、例えば小さいワーク(狭い範囲の焼入面)を冷却する場合には、周縁側区画室の送液パイプの制御弁により該送液パイプの送液を停止して、中心側区画室のみから冷却液を噴射して、一方大きいワーク(広い範囲の焼入面)を冷却する場合には、周縁側区画室の送液パイプの制御弁を開放して該送液パイプの送液を行うことで、中心側区画室のみならず周縁側区画室からも冷却液を噴射して、使用することなどが可能である。

0021

また、本願請求項4記載の発明に係る焼入装置にあっては、ワークを加熱する加熱手段、および、加熱手段によって加熱されたワークの焼入面を冷却するために冷却液を噴射する冷却用ジャケットを備えた焼入装置であって、冷却用ジャケットが、ワークの大きさあるいは太さに応じて冷却液の噴射範囲を変更可能に設けられていることを特徴とする。

0022

かかる構成からなる本願請求項4記載の発明に係る焼入装置にあっては、ワークの大きさあるいは太さに応じてジャケット本体の冷却液の噴射範囲を変更せしめることにより、ワークの所望の範囲を的確に冷却することができる。

0023

さらに、本願請求項5記載の発明に係る焼入れされたワークの製造方法にあっては、ワークを加熱する工程、および、この加熱されたワークを、冷却用ジャケットにより冷却液を噴射して冷却する冷却工程を具備し、この冷却工程において、ワークの大きさあるいは太さに応じて、冷却液の噴射範囲を変更することを特徴とする。

0024

かかる構成からなる本願請求項5記載の発明に係る製造方法にあっては、冷却工程においてワークの大きさあるいは太さに応じてジャケット本体の冷却液の噴射範囲を変更せしめることにより、ワークの所望の範囲を的確に冷却することができる。

発明を実施するための最良の形態

0025

図1は、本願発明の実施の形態に係る焼入装置の概略的説明図であって、(イ)は概略的平面図を、(ロ)は一方の冷却用ジャケットを省略した概略的側面図を示す。図2は、同実施形態における冷却用ジャケット本体の概略的平面図、図3図2のA‐A線断面図、図4図3のB‐B線断面図である。図5は、同実施形態の冷却用ジャケットの冷却水循環を示す説明図である。また、図6は、他の実施形態における冷却用ジャケットの冷却水の循環を示す説明図である。

0026

本実施形態の焼入装置は、図1に示すように、円柱状のワークWを保持する保持機構300と、この保持機構300によって保持されたワークWを加熱する誘導加熱コイル200(加熱手段)と、この加熱コイル200により加熱された部分(焼入面)を冷却するための冷却用ジャケットAとを有している。

0027

本実施形態において、焼入されるワークWは、円柱状で、その外周面全面が高周波電源からの電流を利用して加熱されるものであり、長手方向に垂直の断面が略同一形状円形状)を有している。なお、本願発明において、ワークWの形状などは、本実施形態のものに限定されるものではない。

0028

この保持機構300は、ワークWを後述する加熱コイル200と対向するように保持することができるよう設けられている。

0029

具体的には、この保持機構300は、図1に示すように、ワークWの一端を把持する把持部310と、他端を支持する支持部320とから構成されており、把持部310はワークWの軸を中心に回転自在に設けられている。これにより、ワークWは軸を中心に回転自在に保持されている。

0030

また、加熱コイル200は、保持機構300によって保持されたワークWの外周面(焼入面)を、高周波電源からの電流を利用して加熱するよう設けられている。

0031

さらに、前記保持機構300および加熱コイル200は、保持機構300によって保持されたワークWと加熱コイル200とを相対的に接近・離反可能なように設けられている。具体的には、例えば加熱コイル200を図1に示すように、ワークWの上方に位置させた場合には、加熱コイル200を上下動可能に設ける、あるいは、保持機構300をワークWを保持した状態で上下動可能に設けるなどにより、ワークWと加熱コイル200とを相対的に接近・離反するよう設けることができる。

0032

本実施形態において、加熱コイル200は一方側(例えば、下方)が開放された半開放型コイルを用いており、その開放された側からワークWを相対的に接近させて、加熱コイル200の加熱部分とワークWの焼入面とを近接するように設けられている。具体的には、保持機構300によって保持されたワークWに軸方向と略平行に配設される一対の加熱導体部210と、この一対の加熱導体部210の一端に接続された半円状の第一の接続導体部220(接続部)と、前記一対の加熱導体部210の多端に夫々接続される一対の円弧状の第二の接続導体部230(接続部)とを備えている。この第二の接続導体部230は、その上部232において高周波電源(図示せず)に接続されて、これによりワークWを加熱するための電流がコイル200に供給されるよう構成されている。なお、本実施形態において、第一の接続導体部220は、接近したワークと同心の半円状に形成しているが、例えばワークWに対して加熱を行わないように所定距離以上離れて迂回するように、例えば略角張ったC字を伏せたような形状にすることもできる。また、第二の接続導体部230にあっても、本実施形態においては、ワークWと近接した位置で、一対の第二接続導体部230によって第一接続導体部210と略同一の形状で対向するよう、ワークWと略同心の円弧状に形成しているが、ワークWから所定距離以上離して迂回するように、例えば略コの字状に形成することもできる。

0033

本実施形態において、冷却用ジャケットAは、図1に示すように、ワークWの両側方に配置されている。この冷却用ジャケットAは、図2に示すように、冷却液としての冷却水を収容する収容室110が内部に形成された冷却用ジャケット本体100を具備している。この冷却用ジャケット本体100は、内部が中空となった略長方体状をしており、その内部が収容室110として形成されている。

0034

この冷却用ジャケット本体100の正面側に位置する(ワークW側に位置する)前面壁120(噴射壁)には、冷却液としての冷却水を噴射するための多数の噴射口122(図3および図4参照)が開孔されている。なお、この噴射口122は図3に示すようにワークWの中心に向けて若干傾斜して設けている。また、冷却用ジャケット本体100の背面壁130には送液パイプ400A,400Bが複数接続されている。

0035

さらに、前記収容室110は、内部が区画壁150によって仕切られており、二つの区画室110A,110Bに区画されている。

0036

この二つの区画室110A,110Bは、図3に示すように、前面壁120側において一方の区画室110A(以下、中心側区画室という)が中心側に位置して、他方の区画室110B(以下、周縁側区画室という)がその両側(上側および下側)に位置するように設けられている。より詳しくは、前面壁120側において、中心側区画室110Aは長手方向の中心がワークWの中心(焼入面の中心)と一致し、その上端111Aおよび下端111Aが中心に対して対象に位置するように設けられている。一方、周縁側区画室110Bも、前面壁120側において、中心側区画室110Aに区画壁150を介して連接し、その上端111Bおよび下端111Bが中心に対して対象に位置するように設けられている。

0037

また、中心側区画室110Aは、背面152が冷却用ジャケット本体100の背面壁130にまで至らず、上方側の周縁側区画室110Bおよび下方側の周縁側区画室110Bが中心側区画室110Aの背面側で連通するように構成されている。

0038

さらに、前述の噴射口122が形成された前面壁120(噴射壁)は、冷却用ジャケット本体100の周囲壁の前面、および、区画壁150の周囲壁の前面に、密接するように取り付けられている。

0039

また、冷却用ジャケット本体100の背面壁130には、送液パイプ400A,400Bを取り付けるための取り付け口160A,160Bが複数設けられており、本実施形態においては合計5つの取り付け口160A,160Bが設けられている。この取り付け口160A,160Bには、周縁側区画室110Bに送液を行う送液パイプ400Bを取り付けるための周縁側用取り付け口160Bと、中心側区画室110Aに送液を行う送液パイプ400Aを取り付けるための中心側用取り付け口160Aとがあり、本実施形態においては、3つの周縁側用取り付け口160Bと、2つの中心側用取り付け口160Aとが、設けられている。

0040

前記周縁側用取り付け口160Bから収容室110(周縁側区画室110B)に向けた部分には、図4に示すように、テーパー状に広がった流入口162Bが形成されている。

0041

また、中心側用取り付け口160Aは、図3に示すように、連通路164を介して中心側区画室110Aに連通されている。この連通路164は、中心側用取り付け口160Aに対応する冷却用ジャケット本体100の背面壁130から区画壁150の背面壁152にかけて設けられた連通部材166の内部に穿設されている。この連通路164の一方の開口は中心側用取り付け口160Aに、他方の開口162Aは中心側区画室110Aに向けて設けられている。また、中心側区画室110A側の開口162Aは、収容室110(中心側区画室110A)に向けた部分は、テーパー状に広がった形状に形成されている。

0042

前記取り付け口160A,160Bには、それぞれ送液パイプ400A,400Bの連結部422A,422Bが連結されている。この送液パイプ400A,400Bは金属製のものを使用しているが、その他、ゴムなどの可撓性を有するものであっても用いることができる。

0043

前記中心側用取り付け口160A(本実施形態においては二箇所)に取り付けられた送液パイプ400A(以下、中心側用送液パイプという)は、図2および図5に示すように、開閉弁500A(制御弁)が介在されたパイプ本体410Aと、このパイプ本体410Aから分岐点430Aにおいて分岐して(本実施形態においては二本に分岐)他方側にそれぞれの中心側用取り付け口160Aに連結された連結部422Aを有する分岐部420Aとから構成されている。

0044

また、前記周縁側用取り付け口160B(本実施形態においては三箇所)に取り付けられた送液パイプ400B(以下、周縁側用送液パイプという)は、開閉弁500B(制御弁)が介在されたパイプ本体410Bと、このパイプ本体410Bから分岐点430Bにおいて分岐して(本実施形態においては三本に分岐)他方側にそれぞれの周縁側用取り付け口160Bに連結された連結部422Bを有する分岐部420Bとから構成されている。

0045

なお、本実施形態においては、開閉弁500A,500Bは、ソレノイドを利用した電磁開閉弁を用いている。

0046

前記中心側用送液パイプ400Aおよび周縁側用送液パイプ400Bは、図5に示すように、ポンプ610から冷却水を供給される主幹パイプ600から分岐されているものである。

0047

このポンプ610は、貯留タンク620から冷却水をくみ上げて、主幹パイプ600、送液パイプ400A,400Bなどを介して収容室110に冷却水を送液できるよう構成されている。また、貯留タンク620は、噴射された冷却水を回収して収容されるよう構成されている。

0048

次に、上記構成からなる焼入装置を用いて、焼入れされたワークWを製造する方法について、以下説明する。

0049

まず、保持機構300によって保持されたワークWと加熱コイル200とを接近させて、ワークWを回転せしめつつ、ワークWの外周面を加熱コイル200によって加熱する(加熱工程)。

0050

そして、上記加熱工程の終了後、側方の冷却用ジャケットAから冷却水を噴射して、これによりワークWを冷却する(冷却工程)。

0051

この冷却に際して、ワークWの大きさに応じて、冷却水の噴射範囲を変更せしめる。すなわち、ワークWが大きく、焼入面が広範囲にわたる場合には、中心側用および周縁側用の開閉弁500A,500Bの双方を開放して、中心側区画室110Aおよび周縁側区画室110Bの双方から冷却水を噴射する。一方、ワークWが小さく、焼入面が狭い場合には、中心側用の開閉弁500Aのみを開放して、周縁側用の開放弁500Bを閉塞して、中心側の区画室110Aのみから冷却水を噴射する。このため、冷却水を無駄に噴射することを防止できるとともに、焼入面が狭い場合も多量の冷却水の噴射による冷却ムラを防止することができる。

0052

上述のように焼入面が冷却され焼き入れられたワークWは、加熱コイル200と相対的に離反して、保持機構300から離脱され、その後研磨工程などを経て最終製品が得られることとなる。なお、上述のような加熱コイル200からの相対的な離反は、冷却工程の後に行うが、例えば冷却工程と同時または冷却工程の前に行うものも、本願発明の意図する範囲内である。

0053

本実施形態は上記構成よりなり上述のように用いられるので以下の利点を有する。

0054

冷却水の噴射領域を変更するために、中心側区画室110Aと周縁側区画室110Bとを設けて、周縁側区画室110Bに送液する制御弁500Bにより周縁側区画室110Bの噴射を制御しているものであるので、比較的簡単な構造のもので上記目的を達成することができるという利点を有する。

0055

また、中央側用の制御弁500Aも設けているので、中央側の送液の停止・開始を中央側区画室110Aに比較的近い位置で行うことができるという利点を有する。

0056

なお、本実施形態は上述のように構成したため、上記利点を奏するものであったが、本願発明はこれに限定されるものでなく、本願請求項記載の範囲内において適宜設計変更可能である。

0057

すなわち、上記実施形態においては従来技術で示すような緩衝板を設けていないものについて説明したが、本願発明において収容室110内に、収容室110(各区画室110A,110B)内部での液圧を均一にするための緩衝板を設けることも可能である。具体的には、例えば、周縁側区画室110Bにおいて、区画壁150から外側(上下左右方向)に緩衝板を突設せしめ、さらには、この緩衝板に流入口162Bと対向する部分以外に緩衝孔を形成することも可能である。また、中心側区画室110Aにおいて、区画壁150から内側(中心軸側)にむけて緩衝板を突設せしめて、さらには、この緩衝板に開口162A(流入口)と対向する部分以外に緩衝口を形成することも可能である。

0058

また、上記実施形態において、中心側区画室110Aは背面152が冷却用ジャケット本体100の背面壁130にまで至らないように設けられ、上方および下方側の周縁側区画室110Bが中心側区画室110Aの背面側で連通しているため、両側の周縁側区画室110Bの液圧を均一にしやすいという利点を有するが、例えば、区画壁150が冷却用ジャケット本体100の背面壁130と密接して固定され、中心側区画室110Aが冷却用ジャケット本体100の背面側に至るように設けることも可能である。

0059

さらに、上記実施形態のごとく、上方および下方側の周縁側区画室110Bが中心側区画室110Aの背面側で連通するよう設けた場合にあっても、上記実施形態の連通路164は必須の構成要件ではない。すなわち、例えば、区画壁150に送液パイプ400Aの取り付け用の取り付け口160Aを設けて、この取り付け口160Aに連結された送液パイプ400Aを外部に貫通せしめるための貫通口を前記冷却用ジャケット本体100の背面壁130に開孔することもできる。但し、上記実施形態のごとく、冷却用ジャケット本体100に取り付け口160Aを設けて、この取り付け口160Aと中心側区画室110Aとを連通する連通路164を設けることが好ましく、これにより製造、組立てが簡易となる利点を有する。

0060

また、上記実施形態において、分岐した中心側用の送液パイプ400Aと周縁側用の送液パイプ400Bとにそれぞれ開閉弁500A,500B(制御弁)を設けているが、図6に示すように、中心側用の開閉弁500Aを設けないことも可能である。この図6に示す実施形態においては、中心側用および周縁側用の送液パイプ400A,400Bの分岐部よりも上流側(主幹パイプ600)に開閉弁500C(制御弁)を設けている。図6に示す構造のものにおいて、小さなワークWを冷却する場合には主幹パイプ600に設けられた開閉弁500Cのみを開放せしめておき、大きなワークWを冷却する場合には周縁側用の開閉弁500Bも開放することで、噴射領域の変更を行うことができる。

0061

なお、上記実施形態の中心側用の開閉弁500Aや、図6に示す主幹用開閉弁500Cを設けずに、ポンプ610のオンオフのみにより中心側収容室110Aからの冷却水の噴射を制御することも可能である。

0062

さらに、上記実施形態においては、中心側用の取り付け口160Aを複数(二つ)設け、周縁側用の取り付け口160Bも複数(三つ)設けたものについて説明したが、これらの取り付け口160A,160Bはそれぞれの区画室110A,110Bに対応して一つずつ設けることも可能である。

0063

また、上記形態のように一つの区画室110A,110Bに対して複数の取り付け口160A,160Bを設ける場合にあっても、一つのパイプ本体410A,410Bを分岐して、分岐された分岐部420A,420Bをそれぞれ取り付け口160A,160Bに連結するものに限定されず、例えば、各取り付け口160A,160Bにそれぞれ連結した送液パイプ400A,400Bに、制御弁500A,500Bを設けることも可能である。この場合において、一つの区画室(例えば110B)に接続された複数の送液パイプ(例えば400B)の送液が、この送液パイプ(例えば400B)に設けられた各制御弁(例えば500B)を制御することによって、全てその一つの区画室(例えば110B)への送液を停止できるよう制御する構成を採用することが好ましい。

発明の効果

0064

上述のように、本願発明は、ワークの大きさなどに応じてジャケット本体の冷却液の噴射範囲を変更せしめることにより、ワークの所望の範囲を的確に冷却することができるので、大きさの異なるワークであっても、的確に冷却することができ、冷却ムラなどを的確に防止することができる。

図面の簡単な説明

0065

図1本願発明の実施の形態に係る焼入装置の概略的説明図であって、(イ)は概略的平面図を、(ロ)は一方の冷却用ジャケットを書略した概略的側面図を示す。
図2同実施形態における冷却用ジャケット本体の概略的平面図である。
図3図2のA‐A線断面図である。
図4図3のB‐B線断面図である。
図5同実施形態における冷却水の循環を示す説明図である。
図6他の実施形態における冷却水の循環を示す説明図である。
図7従来例の冷却用ジャケットの概略的断面構造図である。
図8同従来例における冷却水の循環を示す説明図である。

--

0066

100冷却用ジャケット本体
110収容室
110A,110B区画室
120噴射壁(前面壁)
122 噴射口
130背面壁
150区画壁
160A,160B取り付け口
162A 開口
162B 流入口
164連通路
166連通部材
200加熱コイル(加熱手段)
300保持機構
310上流側搬送ローラ
320 下流側搬送ロ—ラ
400A,400B 送液パイプ
410A,410Bパイプ本体
500A,500B開閉弁(制御弁)
600主幹パイプ
610ポンプ
620貯留タンク
A 冷却用ジャケット
W ワーク

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