図面 (/)

技術 空冷式熱交換器を搭載した蒸留装置

出願人 日揮株式会社
発明者 澤本明典鈴木康夫箭内勇
出願日 1999年7月9日 (20年8ヶ月経過) 出願番号 1999-196801
公開日 2001年1月23日 (19年1ヶ月経過) 公開番号 2001-017801
状態 未査定
技術分野 水蒸気または蒸気凝縮器 蒸発、蒸留、凝縮、昇華、コールドトラップ
主要キーワード 炭化水素系流体 分配ヘッダー サイドピース 空気式熱交換器 格子状物 入口流速 波形プレート 伝熱エレメント
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2001年1月23日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題

伝熱効率が高く、構成が簡単で小型化が可能な、石油精製プラント石油化学プラントに使用される空冷式熱交換器及びそれを用いた蒸留装置を提供する。

解決手段

冷却媒体となる空気により炭化水素系プロセス流体を冷却する空冷式熱交換器であり、複数枚矩形板状の伝熱エレメント41,…が互いに平行に配設され、これらの伝熱エレメント41内の間隙プロセス流体流路46とされ、伝熱エレメント41間の間隙が空気の流路47とされ、伝熱エレメント41の空気の流路47側の面には格子状物体57が密着されている。格子状物体は、金属製であって、伝熱エレメントにスポット溶接されて密着されている。

概要

背景

従来、石油精製プラント等で使用される蒸留塔付帯する空冷式熱交換器コンデンサー、液クーラー)には、多管式熱交換器が多用されている。しかしながら、従来の多管式熱交換器は、蒸留塔と別置することが一般的であり、多大な設置面積と付帯配管を必要としているために、製造コストが高く、工期も長くなる等の問題点があり不利である。また、この多管式熱交換器を蒸留塔の塔頂に組み込もうとする場合、その外形寸法が大きく、また、その重量も大きなものとなることから、この多管式熱交換器を単に蒸留塔の上に積み重ねるという方法では、とうてい組み込むことができない。

そこで、この多管式熱交換器を、組み込む蒸留塔の塔頂の寸法に合わせて相似的に縮小した構造のものも考えられるが、この構造では、同時に伝熱面積も縮小するために伝熱面積が不足しかつ空気側の圧力損失が大きくなるために設計が困難であるという問題点があった。

多管式熱交換器を蒸留塔の塔頂に組み込んだ構造としては、例えば、特公昭49−15547号公報に開示されたプレートフィン型塔頂凝縮器がある。図17は、この塔頂凝縮器1を示す部分破断平面図、図18は、図17のA−A線に沿う断面図であり、個々に図示されていない直立の多管式熱交換器であるフインチューブ管束2は塔頂3の塔頂頂蓋3aの上方に等辺多角形に配置され、かつ塔頂3に対し共軸に塔頂3に載置されている。

前記管束2の上方にある蒸気分配室4が塔頂3に、管束2の下方にある凝縮物捕集室5が環状補集管6及び閉鎖弁7を介して凝集物取り出しに使用される導管8に接続されている。また、冷却空気強制通風のため底板11及びフッド12からなるケーシング、及び少なくとも1つのベンチレータ13を備えている。また、塔頂頂蓋3aから導出される、塔頂3に比しかなり小さい外径オートベーパ上昇管14がその上端から出るオートベーパ分配管15を有している。

このオートベーパ分配管15はほとんど直線的に走り、オートベーパ上昇管14に対し放射状に塔頂3の周縁を大きく超えてほぼ水平に拡がり、かつオートベーパ上昇管14とともに凝縮器1の支持構造を形成している。その際、各オートベーパ分配管15は、オートベーパ上昇管14と反対側の端部に接続固定するフインチューブ管束2の数に応ずる分岐管16を有し、共通のオートベーパ分配管15に属する管束2がすべて一平面に配置されている。

この塔頂凝縮器1では、ベンチレータ13の吸込側は凝縮器1の内部空間に面しており、図18中矢印Xは外部から導入される新しい空気、矢印Yは凝縮器1内部空間から排出される排出空気を示している。この塔頂凝縮器1は、特に流入する冷却空気に対し小さい温度差を有する媒体凝縮する場合に適したものである。

また、多管式熱交換器の問題点、すなわち、交換熱量に比べて大型化するという問題点を解決するための他の構造の熱交換器として、プレート型熱交換器プレートフイン型熱交換器が知られている。

概要

伝熱効率が高く、構成が簡単で小型化が可能な、石油精製プラントや石油化学プラントに使用される空冷式熱交換器及びそれを用いた蒸留装置を提供する。

冷却媒体となる空気により炭化水素系プロセス流体を冷却する空冷式熱交換器であり、複数枚矩形板状の伝熱エレメント41,…が互いに平行に配設され、これらの伝熱エレメント41内の間隙プロセス流体流路46とされ、伝熱エレメント41間の間隙が空気の流路47とされ、伝熱エレメント41の空気の流路47側の面には格子状物体57が密着されている。格子状物体は、金属製であって、伝熱エレメントにスポット溶接されて密着されている。

目的

本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、伝熱効率が高く、構成が簡単で小型化が可能な、石油精製プラントや石油化学プラントに使用される空冷式熱交換器を搭載した蒸留装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

空冷式熱交換器を搭載したプロセス流体蒸留する蒸留装置であって、該空冷式熱交換器は、複数枚矩形板状の伝熱部材が、一部または全部を平板のまま、あるいは波形凹凸、一部突起から選ばれる一以上の加工を受けて互いに配設され、これらの伝熱部材間に形成されるそれぞれの間隙流路とされ、これら流路は密閉系のプロセス流体の流路と大気開放系の空気の流路とが交互に配設され、前記空気の流路の伝達面の少なくとも一方の面には格子状物体が密着されてなることを特徴とする空冷式熱交換器を搭載した蒸留装置。

請求項2

空冷式熱交換器を搭載したプロセス流体を蒸留する蒸留装置であって、該空冷式熱交換器は、複数枚の矩形板状の伝熱部材が互いに平行に配設され、これらの伝熱部材間に形成されるそれぞれの間隙が流路とされ、これら流路は密閉系のプロセス流体の流路と大気開放系の空気の流路とが交互に配設され、前記空気の流路の伝達面の少なくとも一方の面が多数の突起を形成してなる構造を有することを特徴とする空冷式熱交換器を搭載した蒸留装置。

請求項3

上記プロセス流体は炭化水素系物質であることを特徴とする請求項1または2いずれかに記載の空冷式熱交換器を搭載した蒸留装置。

請求項4

上記搭載の位置は、前記蒸留装置の蒸留塔塔頂であることを特徴とする請求項1または2いずれかに記載の空冷式熱交換器を搭載した蒸留装置。

技術分野

0001

本発明は、石油精製プラント石油化学プラント等に使用される、空冷式熱交換器を搭載した蒸留装置に関するものである。

背景技術

0002

従来、石油精製プラント等で使用される蒸留塔付帯する空冷式熱交換器(コンデンサー、液クーラー)には、多管式熱交換器が多用されている。しかしながら、従来の多管式熱交換器は、蒸留塔と別置することが一般的であり、多大な設置面積と付帯配管を必要としているために、製造コストが高く、工期も長くなる等の問題点があり不利である。また、この多管式熱交換器を蒸留塔の塔頂に組み込もうとする場合、その外形寸法が大きく、また、その重量も大きなものとなることから、この多管式熱交換器を単に蒸留塔の上に積み重ねるという方法では、とうてい組み込むことができない。

0003

そこで、この多管式熱交換器を、組み込む蒸留塔の塔頂の寸法に合わせて相似的に縮小した構造のものも考えられるが、この構造では、同時に伝熱面積も縮小するために伝熱面積が不足しかつ空気側の圧力損失が大きくなるために設計が困難であるという問題点があった。

0004

多管式熱交換器を蒸留塔の塔頂に組み込んだ構造としては、例えば、特公昭49−15547号公報に開示されたプレートフィン型塔頂凝縮器がある。図17は、この塔頂凝縮器1を示す部分破断平面図、図18は、図17のA−A線に沿う断面図であり、個々に図示されていない直立の多管式熱交換器であるフインチューブ管束2は塔頂3の塔頂頂蓋3aの上方に等辺多角形に配置され、かつ塔頂3に対し共軸に塔頂3に載置されている。

0005

前記管束2の上方にある蒸気分配室4が塔頂3に、管束2の下方にある凝縮物捕集室5が環状補集管6及び閉鎖弁7を介して凝集物取り出しに使用される導管8に接続されている。また、冷却空気強制通風のため底板11及びフッド12からなるケーシング、及び少なくとも1つのベンチレータ13を備えている。また、塔頂頂蓋3aから導出される、塔頂3に比しかなり小さい外径オートベーパ上昇管14がその上端から出るオートベーパ分配管15を有している。

0006

このオートベーパ分配管15はほとんど直線的に走り、オートベーパ上昇管14に対し放射状に塔頂3の周縁を大きく超えてほぼ水平に拡がり、かつオートベーパ上昇管14とともに凝縮器1の支持構造を形成している。その際、各オートベーパ分配管15は、オートベーパ上昇管14と反対側の端部に接続固定するフインチューブ管束2の数に応ずる分岐管16を有し、共通のオートベーパ分配管15に属する管束2がすべて一平面に配置されている。

0007

この塔頂凝縮器1では、ベンチレータ13の吸込側は凝縮器1の内部空間に面しており、図18中矢印Xは外部から導入される新しい空気、矢印Yは凝縮器1内部空間から排出される排出空気を示している。この塔頂凝縮器1は、特に流入する冷却空気に対し小さい温度差を有する媒体凝縮する場合に適したものである。

0008

また、多管式熱交換器の問題点、すなわち、交換熱量に比べて大型化するという問題点を解決するための他の構造の熱交換器として、プレート型熱交換器プレートフイン型熱交換器が知られている。

発明が解決しようとする課題

0009

ところで、上述した従来の塔頂凝縮器では、その外形寸法及び重量が非常に大きなものとなるために、この外形寸法及び重量を支え得るような特別な条件を備えた減圧蒸留塔等のような高さに対し直径が大きい蒸留塔にしか適用することができないという問題点があった。

0010

また、上述したプレート型熱交換器やプレートフイン型熱交換器を用いる場合、多管式熱交換器に比べて高い熱交換率が得られるものの、所望するような値の熱交換率が得られるわけではなく、塔頂凝縮器として用いるにはさらなる小型化をする必要があった。

0011

本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、伝熱効率が高く、構成が簡単で小型化が可能な、石油精製プラントや石油化学プラントに使用される空冷式熱交換器を搭載した蒸留装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

上記課題を解決するために、本発明は次の様な空冷式熱交換器を搭載した蒸留装置を提供する。すなわち、本発明の請求項1記載の空冷式熱交換器を搭載した蒸留装置は、空冷式熱交換器を搭載したプロセス流体蒸留する蒸留装置であって、該空冷式熱交換器が、複数枚矩形板状の伝熱部材を、一部または全部を平板のまま、あるいは波形凹凸、一部突起から選ばれる一以上の加工を受けて互いに配設され、これらの伝熱部材間に形成されるそれぞれの間隙流路とされ、これら流路は密閉系のプロセス流体の流路と大気開放系の空気の流路とが交互に配設され、前記空気の流路の伝達面の少なくとも一方の面には格子状物体が密着されてなることを特徴とする。

0013

このように構成することで、伝熱部材の面に密着した格子状物体が、伝熱部材の表面付近を流れる空気に対し乱流を起こすこと、及び、格子状物体がフィンとして機能し実質的な伝熱面積が広がることから、熱伝達係数が大幅に向上する。

0014

請求項2記載の空冷式熱交換器を搭載した蒸留装置は、空冷式熱交換器を搭載したプロセス流体を蒸留する蒸留装置であって、該空冷式熱交換器が、複数枚の矩形板状の伝熱部材が互いに平行に配設され、これらの伝熱部材間に形成されるそれぞれの間隙が流路とされ、これら流路は密閉系のプロセス流体の流路と大気開放系の空気の流路とが交互に配設され、前記空気の流路の伝達面の少なくとも一方の面が多数の突起を形成してなる構造を有することを特徴とする。

0015

このように構成することで、突起が存することによる、流路を流れる空気の乱流の促進、及び実質的な伝熱面積の拡張から、熱伝達係数が大幅に向上する。

0016

請求項3記載の空冷式熱交換器を搭載した蒸留装置は、プロセス流体が炭化水素系物質であることを特徴とする。このように構成することで、蒸留装置内で生成される、炭化水素系物質のプロセス流体を好適に冷却することができる。

0017

請求項4記載の空冷式熱交換器を搭載した蒸留装置は、上記搭載の位置が、前記蒸留装置の蒸留塔の塔頂であることを特徴とする。このように構成することで、高さに対し直径が比較的小さな、一般的な蒸留塔の塔頂にも、空冷式熱交換器を設置することができ、蒸留装置を設計する際の自由度が高まる。

発明を実施するための最良の形態

0018

本発明の空冷式熱交換器を搭載した蒸留装置の実施形態について図面に基づき説明する。図1は本発明の実施形態の蒸留装置を示す正面図であり、蒸留塔21の塔頂21aに空冷式熱交換器22が設けられた構成である。

0019

この空冷式熱交換器22は、塔頂生成物炭化水素蒸気であるプロセス流体を供給する配管24と、プロセス流体を冷却凝縮して得られる液状炭化水素であるプロセス流体を塔頂21aに還流する配管25とにより蒸留塔21の塔頂21aに接続されており、これらの配管24、25は、空冷式熱交換器22を塔頂21aに保持する支持構造物を兼ねている。

0020

この蒸留塔21の塔頂21a内には、前記配管25からの液体炭化水素であるプロセス流体を貯留するための容器溢流せきを備えた棚板)26が設けられ、この容器26には、プロセス流体を蒸留塔21から一部抜出すための調節弁27を備えた配管28が接続されている。前記容器26からはプロセス流体が一定量溢流するような条件で運転される。

0021

空冷式熱交換器22は、図1及び図2に示すように、箱型状のモジュール31の上面に前記配管24と連通する断面半割状の長尺ベーパーヘッダー32が設けられ、該モジュール31の下面に前記配管25と連通する断面半割状の長尺のコンデンセートヘッダー33が設けられている。

0022

ベーパーヘッダー32は、その内部が、炭化水素蒸気であるプロセス流体23の流路とされ、また、コンデンセートヘッダー33は、その内部が、液化したプロセス流体23’の流路とされている。ここでは、ベーパーヘッダー32の上面に垂直上方に延びる配管24を設けているが、ベーパーヘッダー32の端面に配管24を設けた構成としてもよい。また、このモジュール31の前面には、冷却媒体となる空気34を強制通気するためのファン35が配設されている。

0023

このモジュール31は、図3に示すように、複数個矩形状の伝熱エレメント41が互いに平行になるように配設されている。伝熱エレメント41、41の上端部及び下端部にはそれぞれサイドピース43が設けられ、これにより、伝熱エレメント41、41同士の間は気密状態に保持されている。なお、伝熱エレメントの構成材が本発明にいう伝熱部材である。

0024

これらの伝熱エレメント41、41、…は、その配列方向の両端部それぞれに配設された矩形板状の軽量のエンドプレート44により挟持されている。これらのエンドプレート44は全く同様の形状であるから、図3においては一方のエンドプレート44のみを図示し、他方のエンドプレートを省略している。これらのエンドプレート44は、互いに対向するそれぞれの角部同士がタイボルト45により固定されている。

0025

伝熱エレメント41は、例えば図4に示すように、良好な伝熱性を有するステンレスアルミニウム等の矩形状のフラット板部材(伝熱部材)51が、その両端部52、53どうしを重なるように2つに折曲げられ、この両端部52、53が溶接により気密状態になるように接続されている。そして、2つに折曲げられた板部材51のそれぞれの面51a、51bには、これらの面51a、51b間の間隔を保持するための複数の突部54が互いに対向するよう内方に突出するように形成されるとともに、これらの面51a、51bのそれぞれの角部には、各角部間の間隔保持及び補強を兼ねるエンドピース55、56が溶接により固定されている。なお、板部材51がある程度の強度があって、折り曲げられたときにそれ自体で板部材51同士の相互間隔が保持できるような場合には、前記突部54は必ずしも必要ではない。

0026

これらの伝熱エレメント41、41、…では、面51a、51bの間に形成された隙間が密閉系のプロセス流体23の流路46とされている。そして、互いに平行に配設されたこれらの伝熱エレメント41、41、…間に形成された隙間が大気開放系の冷却媒体となる空気34の流路47とされている(図5参照)。

0027

前記伝熱エレメント41の外面すなわち冷却媒体となる空気34の流路となる面には、格子状物体57が所要箇所スポット溶接されることにより密着されている。格子状物体57は、図5図6に示すように、多数の縦線57aと横線57bとが互いに直交するように格子状に組まれてなるものである。縦線57aと横線57bのそれぞれの線径は1mm〜3mm、ピッチが20mm〜80mmの範囲のものが使用される。このような範囲の線材を使用するのは、前記流路47を通る冷却用空気流通抵抗の増加と熱交換率の向上との双方を案し、空気の流通抵抗をできるだけ抑えた状態で、熱交換率の向上を図る目的のためである。また、格子状物体57のピッチは、縦横で一様ではなく、空気の流れに沿った方向のピッチ(縦線57aのピッチ)Paが空気の流れと直交する方向のピッチ(横線57bのピッチ)Pbより小で、望ましくは両者の比Pa/Pbが1/3〜2/3程度とするのが好ましい。このように縦線57aと横線57bのピッチを変えるのは、空気の流れをできるだけ乱しつつ空気の流通抵抗を抑えるためである。

0028

また、格子状物体57は、縦線57aと横線57bが同一平面状に配されるのではなく、一方の線材が他方の線材の上に乗り上げる形で配されている。具体的には、空気の流れに直交する縦線57a側が前記伝熱エレメント41に接するように、また、空気の流れに沿う横線57bが伝熱エレメント41から離れる側に配される(図4図5図6図8参照)。

0029

なお、格子状物体57は、縦線57aと横線57bのうち一方(この実施の形態では横線57b)が空気の流れと一致し、他方(この実施の形態では縦線57a)が空気の流れと直交するように配置しているが、これに限られることなく、これら線材57a、57bが共に空気の流れに対して斜めに交差するように配置しても良く、また、図示しているように一方の線材が他方の線材の上に乗り上げる形で配されるのに限定されるのではなく、線材57a、57b同士が同一平面上に配されたものであってもよい。さらに、双方の線材57a、57bが互いに直交するように配されることなく、それらが90度以外の角度、例えば、80度、70度、あるいは60度をなすように組まれたものであってもよく、要は線材が格子状に組まれたものであれば足りる。

0030

前記エンドプレート44は、図7に示すように、軽量の板部材を断面矩形の板61、62の2枚が、内側の板61の溝61aと外側の板62の溝62aとが互いに直交するように互いに重ね合わされてそれぞれの接触面がろう付けにより接合され、外側の板62の背面の両側部には、C型鋼(補強部材)63がその両端部が該板62より突出するように接合され、各C型鋼63の両端部には、タイボルト45挿通用の穴64が形成されている。

0031

この空冷式熱交換器22では、蒸留塔21内で生成されたプロセス流体23の蒸気は、塔頂21aに接続された配管24を介して空冷式熱交換器22のベーパーヘッダー32内に導入され、図8に示すように、各伝熱エレメント41の流路46内に流入する。

0032

一方、ファン35により、伝熱エレメント41、41、…間の流路47に冷却媒体となる空気34が導入され、伝熱エレメント41、41、…の表面を直接冷却する。このとき、伝熱エレメント41の表面には前記格子状物体57が密着状態で設けられており、流路47を通過する空気は、格子状物体57によって流れを乱されて乱流を引き起こす。また、前述のように格子状物体57がフィンとしての機能を発揮することから、伝熱エレメントの伝熱面積が実質的に増加する。これらの結果、従来に比べてはるかに高い熱伝達率が得られる。

0033

そして、これにより、伝熱エレメント41、41、…内の炭化水素蒸気であるプロセス流体23は冷却されて凝縮し、液化する。この液化したプロセス流体23’は、コンデンセートヘッダー33、配管25を通過して容器27に戻され、一部は蒸留塔21内に還流するとともに、一部は調節弁27、配管28を経由して蒸留塔21から抜出される。

0034

ここで、本実施形態の蒸留装置の占有面積について、従来のものと比較検討する。従来の空冷式熱交換器を別置した蒸留装置は、図19に示すように、蒸留塔21、塔頂配管24、分配ヘッダー71、多管式空冷熱交換器本体72、レシーバードラム73、還流ポンプ74により構成されている。例えば、石油精製装置のデブタナイザーでは、蒸留塔21の直径が4.3m、高さが30mであるのに対し、必要な伝熱面積から計算した多管式空冷熱交換器本体72の設置面積として縦10m、横84m(840m2)相当であり、その占有面積が蒸留塔21の占有面積より遥かに大き なものとなり、塔頂には設置不可能である。

0035

これに対し、本実施形態の蒸留装置は、図9に示すように、蒸留塔21、本実施形態の空冷式熱交換器22、配管24、25、28、レシーバードラム73、抜き出しポンプ741により構成されており、別置される従来の蒸留装置の分配ヘッダー71及び多管式空冷熱交換器本体72の機能を空冷式熱交換器22にまとめたものである。すなわち、図9のA部分が図19のB部分で代替されている。これにより、装置そのもののコストが安価となるほか、別置される従来の多管式空冷熱交換器本体72に付帯する配管や架構が不要になることにより、その分のコスト及び設計、建設工程を大幅に短縮することができる。

0036

以上説明したように、本実施形態の蒸留装置によれば、蒸留塔21の塔頂21aに、複数個の矩形状の伝熱エレメント41を互いに平行に配設したプレート型の空冷式熱交換器22を設けた構成としたので、空冷式熱交換器22独自の設置面積が不要になり、設置用架台や付帯配管も簡略化でき、製造コストを低減し、工期を短縮することができる。また、空冷式熱交換器22を蒸留塔21と共に制作据え付けることができ、熱交換器自体を独自に設置する工程が不要になり、さらなる製造コストの低減、工期の短縮が可能になる。

0037

また、複数個の矩形状の伝熱エレメント41を互いに平行に配設し、該伝熱エレメント41の表面に格子状物体57を密着させているので、流路47を通過する空気が乱されて乱流となり、かつ、伝熱エレメント41の伝熱面積が実質的に増加することから、簡単な構成で、冷却効率を向上させることができる。したがって、従来型の多管式熱交換器、プレート型熱交換器、プレートフィン型熱交換器等に比べて同じ伝熱面積を確保するのに小容量で伝熱効率を高くとることができ、同じ熱交換能力に対して小型化、軽量化を図ることができる。

0038

なお、本実施形態では、伝熱部材として、伝熱エレメント41を構成するフラットな板部材51を用い、このフラットな板部材51の表面に格子状物体57を密着させた例について説明したが、これに限られることなく、図10に示すように、例えば三角平行波形プレート80からなる伝熱部材の表面に縦線57a、横線57bからなる格子状物体57を密着させたものであってもよい。また、このようにフラットな板材に波形の加工を施したものの他、フラットな板材の一部または全部に、凹凸、あるいは多数の突起が形成されてなるものの表面に、格子状物体57を密着させたものであってもよい。さらに、格子状物体57が密着される箇所は、必ずしも空気の流路を形成する伝熱部材の左右両面に限られることなく、空気流路のいずれか一方の面のみであってもよい。また、本実施形態では、基本的に伝熱エレメント41を構成する板部材51の表面に格子状物体57を密着させて熱伝達率の向上を図っているが、これに限られることなく、図11に示すように、伝熱部材である板部材81の表面に、多数の突起82…を設けたものであっても同様な効果が得られる。突起82が設けられる箇所は、冷却媒体用の空気の流路の内側面全域に限られることなく、その一部にのみ多数の突起を設けてもよい。伝熱部材に設ける突起82の形状としては、図11に示すような床用鋼板や、縞鋼板で見られるような楕円状のものに限られることなく、円状あるいは角錐状のものであっても良い。

0039

図12に示す装置を用いて、本発明に係る蒸留装置に搭載される空気式熱交換器の性能について調べた。図12の装置について簡単に説明すると、上述した空冷式熱交換器22を中央に配置し、その一側方に接続した導風ダクト91から図示せぬ送風機を介し冷却用空気を導入する。導入された空気は上記空冷式熱交換器22を通過した後、排風ダクト92から外部に排出される。

0040

一方、空冷式熱交換器22の下部に接続された冷却体供給室94には、蒸気配管95からスチームが供給され、ここに供給されたスチームは、空冷式熱交換器22を通過するときに適宜温度まで冷却され、その後空冷式熱交換器22の上部に配された冷却体回収室96から配管97を介して外部へ排出される。なお、98はスチームが冷却されて生成される水を回収するためのドレン配管である。ここで、この実験に用いた格子状物体57としての金属格子は線径が1mm、2mm、3mmの3種類のものを用意した。縦線57aのピッチPaは25mm、横線57bのピッチPbは50mmとした。また、冷却用空気の流路47の幅Waは15mm、長さLaは600mmとした(図5図6参照)。また、格子状物体57としての金属格子を取り付ける伝熱部材としては、単なる平板と、平板状のプレートをプレス加工等することによって断面が三角形となる波形プレートとした三角平行プレートを用いた。また、伝熱部材に多数の突起を設けた例として縞鋼板を用いた。

0041

図13図16に上記装置を用いて行った実験の測定結果を示す。図13は空気式熱交換器22の空気の入口流速uと熱伝達係数hとの関係を示す図である。縦軸には熱伝達係数h、横軸に空冷式熱交換器22の空気の入口流速uをそれぞれとっている。この図から明らかなように、単なる平板(符号□)や三角平行波形プレート(符号+)を用いる場合に比べて、伝熱エレメントの表面に金属格子(格子状物体)を密着させたものを用いた場合には、空冷式熱交換器22の空気入口流速uを同じ値にした際に、2倍以上の高い熱伝達係数が得られることがわかった。

0042

また、平板に金属格子を密着させるにしても、線径が1mmの金属格子を用いるより、2mmの線径の金属格子を用いる方が、さらに3mmの線径の金属格子を用いる方が、より高い熱伝達係数が得られることがわかった。なお、この図において、「平板+コイル2mm:符号△」とは径2mmの線状体をコイル状に巻いたものを、多数、平板の間に形成される空気流路中に配置したものを表す。このように、コイル状に巻いたものを流路に配置した場合にも、熱伝達係数の向上が見られた。多数の突起を設けた例である縞鋼板(符号◇)についての熱伝達係数は10〜20%の向上が見られた。

0043

図14は空気式熱交換器22の空気の入口流速uと圧力損失ΔPとの関係を示す図である。縦軸には圧力損失ΔP、横軸に空冷式熱交換器22の空気の入口流速uをそれぞれとっている。この図から明らかなように、単なる平板や三角平行波形プレートを用いる場合に比べて、伝熱エレメントの表面に金属格子を密着させたものを用いた場合には、圧力損失が大きくなり、しかも大きい線径の金属格子を用いる方が、より圧力損失が大きくなることがわかった。勿論、圧力損失が大きくなることは空気が流れにくくなることを意味し、同時に、送風機の負荷が大きくなること、あるいはより高い圧力を供給できる送風機を用いなければならないことを意味する。なお、縞鋼板を用いた場合、圧力損失の増加はそれほど大きなものでなかった。

0044

図15は圧力損失ΔPと空気式熱交換器22の熱伝達係数hとの関係を示す図である。縦軸には熱伝達係数、横軸に圧力損失ΔPをそれぞれとっている。この図では、マイナス面である圧力損失ΔPを考慮に入れ、それに対しどの程度熱伝達係数が上がっているか否かを表したものである。この図から明らかなように、伝熱エレメントの表面に金属格子を設けない、単なる平板あるいは三角平行波形プレートを用いる場合に比べて金属格子を設けた場合には、熱伝達係数hが向上することがわかった。特に、三角平行波板プレートに金属格子を密着させたものを用いた場合に、最も良好な熱伝達係数hが得られることがわかった。なお、縞鋼板を用いた場合、熱伝達係数hの増加はそれほど大きなものでなかった。

0045

図16は、所定冷却性能を得るためのファンの必要動力指標となる所要仕事率Lと空気式熱交換器22の熱伝達係数hとの関係を示す図である。縦軸には熱伝達係数h、横軸に所要仕事率Lをそれぞれとっている。この図からも明らかなように、伝熱エレメントの表面に金属格子設けた場合、熱伝達係数hが向上し、特に、三角平行波板プレートに金属格子を密着させたものを用いた場合に、最も良好な熱伝達係数hが得られることがわかった。また、縞鋼板を用いた場合にも、熱伝達係数hの高い増加が見られた。

発明の効果

0046

以上説明した様に、本発明の空冷式熱交換器を搭載した蒸留装置によれば、空冷式熱交換器を搭載したプロセス流体を蒸留する蒸留装置であって、該空冷式熱交換器が、複数枚の矩形板状の伝熱部材を、一部または全部を平板のまま、あるいは波形、凹凸、一部突起から選ばれる一以上の加工を受けて互いに配設され、これらの伝熱部材間に形成されるそれぞれの間隙が流路とされ、これら流路は密閉系のプロセス流体の流路と大気開放系の空気の流路とが交互に配設され、前記空気の流路の伝達面の少なくとも一方の面には格子状物体が密着されてなるから、伝熱部材の面に密着した格子状物体が、伝熱部材の表面付近を流れる冷却用の空気に対し乱流を起こすこと、及び、格子状物体がフィンとして機能し実質的な伝熱面積が広がることから、熱伝達係数が大幅に向上する。したがって、従来の多管式熱交換器を搭載した蒸留装置に比べて冷却能力の優れた蒸留装置を得ることができる。

0047

また、格子状物体の代わりに、伝熱部材の表面に多数の突起を設けた場合にも、、流路を流れる空気の乱流の促進及び実質的な伝熱面積の拡張を図れることから、前記同様に伝熱効率を高めることができ、冷却能力の優れた蒸留装置を得ることができる。

0048

また、本発明の蒸留装置は、冷却媒体となる空気により炭化水素系流体を生成する蒸留塔の塔頂に、伝熱効率の高い伝熱空冷式熱交換器を設けたので、熱交換器独自の設置面積が不要になり、設置用の架台や付帯配管も簡略化でき、製造コストを低減し、工期を短縮することができる。また、空冷式熱交換器を蒸留塔と共に制作し据え付けることができるので、熱交換器自体を独自に設置する工程が不要となり、さらなる製造コストの低減、工期の短縮が可能になる。

図面の簡単な説明

0049

図1本発明の実施形態の蒸留装置を示す正面図である。
図2本発明の実施形態の蒸留装置の空冷式熱交換器を示す斜視図である。
図3本発明の実施形態の空冷式熱交換器のモジュールを示す分解斜視図である。
図4本発明の実施形態の伝熱エレメントを示す組立図である。
図5本発明の実施形態の空冷式熱交換器を側方から断面した模式図である。
図6本発明の実施形態の格子状物体を示すもので、(a)は正面図、(b)は側面図である。
図7本発明の実施形態のエンドプレートを示す分解斜視図である。
図8本発明の実施形態の伝熱エレメントの作用を示す分解斜視図である。
図9本発明の実施形態の蒸留装置を示す概略構成図である。
図10本発明の他の実施形態を示す伝熱エレメントの断面図である。
図11本発明のさらに他の実施形態を示す伝熱部材の斜視図である。
図12本発明の実施形態の空冷式熱交換器の性能を調べる装置の概略側面図である。
図13本発明の実施形態の空冷式熱交換器の実験結果を示す図である。
図14本発明の実施形態の空冷式熱交換器の実験結果を示す図である。
図15本発明の実施形態の空冷式熱交換器の実験結果を示す図である。
図16本発明の実施形態の空冷式熱交換器の実験結果を示す図である。
図17従来の塔頂凝縮器を示す部分断面平面図である。
図18図17のA−A線に沿う断面図である。
図19従来の蒸留装置の一例を示す概略構成図である。

--

0050

21蒸留塔
21a塔頂
22空冷式熱交換器
23プロセス流体
23’液体のプロセス流体
34 空気
35ファン
41伝熱エレメント
43サイドピース
46 プロセス流体の流路
47 空気の流路
51板部材(伝熱部材)
57格子状物体
57a縦線
57b横線
80三角平行波形プレート
82 突起

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ