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技術 電子写真感光体、その製造方法、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ

出願人 コニカミノルタ株式会社
発明者 伊丹明彦大柴武雄崎村友男北原洋子倉地雅彦志田和久
出願日 1999年7月2日 (21年4ヶ月経過) 出願番号 1999-188924
公開日 2001年1月19日 (19年10ヶ月経過) 公開番号 2001-013697
状態 未査定
技術分野 電子写真における感光体
主要キーワード 最小荷重 硬化性シリコン樹脂 fθレンズ 発生特性 表面改質層 シロキサン系樹脂組成物 表面性試験装置 冷却後濾過
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2001年1月19日)のものです。
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図面 (1)

課題

樹脂層塗布液の乾燥を行うに当たり、反応性基を有する電荷輸送性化合物の分解を抑制しながらシロキサン系樹脂架橋反応を十分に行って強度特性及び電気的特性に優れる電子写真感光体を提供すること。該感光体を利用した電子写真画像形成方法電子写真画像形成装置、及び該装置に用いられプロセスカートリッジを提供すること。

解決手段

導電性支持体上に感光層樹脂層を順次積層してなる電子写真感光体において、前記樹脂層が水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物とその縮合物の少なくとも一方、及び反応性基を有する電荷輸送性化合物を反応させて得られるシロキサン系樹脂を含有する層であって、該樹脂層が塗布後の乾燥過程にて多段硬化過程を経て形成されてなることを特徴とする電子写真感光体。

概要

背景

近年、電子写真感光体有機光導電性物質を含有する有機感光体が最も広く用いられている。有機感光体は可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した材料が開発し易いこと、環境汚染のない材料を選択できること、製造コストが安いこと等が他の感光体に対して有利な点であるが、唯一の欠点は機械的強度が弱く、多数枚の複写プリント時に感光体表面の劣化や傷の発生があることである。

前記のような要求される様々な特性を満たすため、これまで種々のことが検討されてきた。

例えば、機械的耐久性に関しては、有機感光体の表面にビスフェノールZ型ポリカーボネートバインダー結着樹脂)として用いることにより、表面の摩耗特性トナーフィルミング特性が改善されることが報告されている。又、特開平6−118681号では感光体の表面保護層として、コロイダルシリカ含有硬化性シリコン樹脂を用いることが報告されている。

しかし、ビスフェノールZ型ポリカーボネートバインダーを用いた感光体では、尚耐摩耗特性不足しており、十分な耐久性を有していない。一方、コロイダルシリカ含有硬化性シリコン樹脂の表面層では耐摩耗特性は改善されるが、繰り返し使用時の電子写真特性が不十分であり、カブリ画像ボケが発生しやすく、やはりこれも耐久性が不十分である。

そこで上記欠点を改善する方法として、本発明者等は特願平11−70308号にて、電荷輸送性能を有する構造単位を有し、かつ架橋構造を有するシロキサン系樹脂含有層を感光体の表面層として提案した。この表面層を有する感光体は耐摩耗特性、及び耐環境特性(温度や湿度に対する静電荷発生特性の変化)は改善される。

概要

樹脂層塗布液の乾燥を行うに当たり、反応性基を有する電荷輸送性化合物の分解を抑制しながらシロキサン系樹脂架橋反応を十分に行って強度特性及び電気的特性に優れる電子写真感光体を提供すること。該感光体を利用した電子写真画像形成方法電子写真画像形成装置、及び該装置に用いられプロセスカートリッジを提供すること。

導電性支持体上に感光層樹脂層を順次積層してなる電子写真感光体において、前記樹脂層が水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物とその縮合物の少なくとも一方、及び反応性基を有する電荷輸送性化合物を反応させて得られるシロキサン系樹脂を含有する層であって、該樹脂層が塗布後の乾燥過程にて多段硬化過程を経て形成されてなることを特徴とする電子写真感光体。

目的

本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は樹脂層塗布液の乾燥を行うに当たり、反応性基を有する電荷輸送性化合物の分解を抑制しながらシロキサン系樹脂の架橋反応を十分に行って強度特性及び電気的特性に優れる電子写真感光体を提供することにある。又、該感光体を利用した電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及び該装置に用いられプロセスカートリッジの提供にある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

導電性支持体上に感光層樹脂層を順次積層してなる電子写真感光体において、前記樹脂層が水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物とその縮合物の少なくとも一方、及び反応性基を有する電荷輸送性化合物を反応させて得られるシロキサン系樹脂を含有する層であって、該樹脂層が塗布後の乾燥過程にて多段硬化過程を経て形成されてなることを特徴とする電子写真感光体。

請求項2

前記多段の硬化過程が低温から高温に順次変化することを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。

請求項3

前記多段の硬化温度が40〜140℃の温度範囲に設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の電子写真感光体。

請求項4

前記樹脂層が酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の電子写真感光体。

請求項5

前記樹脂層がコロイダルシリカを含有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の電子写真感光体。

請求項6

導電性支持体上に感光層、樹脂層を順次積層してなる電子写真感光体の製造方法において、前記樹脂層が水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物とその縮合物の少なくとも一方、及び反応性基を有する電荷輸送性化合物を反応させて得られるシロキサン系樹脂を含有する層であって、該樹脂層を塗布後の乾燥過程にて多段の硬化過程を経て形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。

請求項7

請求項1〜5の何れか1項記載の電子写真感光体を用い、少なくとも帯電像露光現像クリーニングの工程を有し、反転現像法によって現像を行い画像形成することを特徴とする画像形成方法

請求項8

請求項1〜5の何れか1項記載の電子写真感光体を用い、少なくとも帯電、像露光、現像、クリーニングの工程を有し、反転現像法によって現像を行う工程を経て画像形成することを特徴とする画像形成装置

請求項9

電子写真感光体を用い、少なくとも帯電、像露光、現像、クリーニングの手段を有する電子写真画像形成装置に使用するプロセスカートリッジが請求項1〜5の何れか1項記載の電子写真感光体と帯電器、像露光器、現像器クリーニング器の少なくとも1つとを一体に組み合わせて有しており、且つ前記電子写真画像形成装置に出し入れ自由に設計されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。

技術分野

0001

本発明は、電子写真感光体(以下、単に感光体とも云う)とその製造方法、該感光体を用いた電子写真画像形成方法電子写真画像形成装置及び該装置に用いられるプロセスカートリッジに関するものである。

背景技術

0002

近年、電子写真感光体は有機光導電性物質を含有する有機感光体が最も広く用いられている。有機感光体は可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した材料が開発し易いこと、環境汚染のない材料を選択できること、製造コストが安いこと等が他の感光体に対して有利な点であるが、唯一の欠点は機械的強度が弱く、多数枚の複写プリント時に感光体表面の劣化や傷の発生があることである。

0003

前記のような要求される様々な特性を満たすため、これまで種々のことが検討されてきた。

0004

例えば、機械的耐久性に関しては、有機感光体の表面にビスフェノールZ型ポリカーボネートバインダー結着樹脂)として用いることにより、表面の摩耗特性トナーフィルミング特性が改善されることが報告されている。又、特開平6−118681号では感光体の表面保護層として、コロイダルシリカ含有硬化性シリコン樹脂を用いることが報告されている。

0005

しかし、ビスフェノールZ型ポリカーボネートバインダーを用いた感光体では、尚耐摩耗特性不足しており、十分な耐久性を有していない。一方、コロイダルシリカ含有硬化性シリコン樹脂の表面層では耐摩耗特性は改善されるが、繰り返し使用時の電子写真特性が不十分であり、カブリ画像ボケが発生しやすく、やはりこれも耐久性が不十分である。

0006

そこで上記欠点を改善する方法として、本発明者等は特願平11−70308号にて、電荷輸送性能を有する構造単位を有し、かつ架橋構造を有するシロキサン系樹脂含有層を感光体の表面層として提案した。この表面層を有する感光体は耐摩耗特性、及び耐環境特性(温度や湿度に対する静電荷発生特性の変化)は改善される。

発明が解決しようとする課題

0007

電荷輸送性能を有する構造単位を有し、かつ架橋構造を有するシロキサン系樹脂強度特性及び電気的特性に優れ、従来有機感光体の欠点であった強度特性を大幅に改善できる技術である。

0008

例えば特開平9−190004号には、電荷輸送性シリコンハードコート硬化条件を140℃、4時間、或いは120℃、5時間で乾燥処理を行って膜強度の高い表面層を形成することが開示され、又特開平10−83094号には、110℃、4時間で同様に乾燥処理を行うことが、更には特開平10−251277号では、室温で乾燥処理を行うことが開示されている。しかしながら所望の特性を発現させるためには硬化反応を十分に行う必要があるが、電荷輸送性能を有する構造単位を含む化合物(以下、反応性基を有する電荷輸送性化合物ともいう)は高温条件下、長時間硬化反応を行うと劣化が進み、電位特性を損なうことが判明した。

0009

この問題を解決するためには塗布後の乾燥において、比較的低温で反応を進め、未反応の反応性基を有する電荷輸送性化合物の分解を抑える必要がある。通常、乾燥の初期から高温で硬化反応を行うと反応性基を有する電荷輸送性化合物の分解反応とシロキサン系樹脂の架橋反応が同時に起こるが、高温で行うほど化合物の分解も起こりやすくなる。一方、低温では十分に架橋反応が進行せず、所望の高硬度表面特性を得られないという問題があった。

0010

本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は樹脂層塗布液の乾燥を行うに当たり、反応性基を有する電荷輸送性化合物の分解を抑制しながらシロキサン系樹脂の架橋反応を十分に行って強度特性及び電気的特性に優れる電子写真感光体を提供することにある。又、該感光体を利用した電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及び該装置に用いられプロセスカートリッジの提供にある。

課題を解決するための手段

0011

本発明の上記目的は以下の構成のいずれかをとることにより達成される。

0012

1.導電性支持体上に感光層樹脂層を順次積層してなる電子写真感光体において、前記樹脂層が水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物とその縮合物の少なくとも一方、及び反応性基を有する電荷輸送性化合物を反応させて得られるシロキサン系樹脂を含有する層であって、該樹脂層が塗布後の乾燥過程にて多段硬化過程を経て形成されてなることを特徴とする電子写真感光体。

0013

上記電子写真感光体の好ましい態様を以下に挙げる。

0014

・前記多段の硬化過程が低温から高温に順次変化すること
・前記多段の硬化温度が40〜140℃の温度範囲で設定されていること
・前記樹脂層が酸化防止剤を含有すること
・前記樹脂層がコロイダルシリカを含有すること。

0015

2.導電性支持体上に感光層、樹脂層を順次積層してなる電子写真感光体の製造方法において、前記樹脂層が水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物とその縮合物の少なくとも一方、及び反応性基を有する電荷輸送性化合物を反応させて得られるシロキサン系樹脂を含有する層であって、該樹脂層を塗布後の乾燥過程にて多段の硬化過程を経て形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。

0016

3.上記1の何れか1項記載の電子写真感光体を用い、帯電像露光現像クリーニングの工程を有し、反転現像法によって現像を行い画像形成することを特徴とする画像形成方法

0017

4.上記1の何れか1項記載の電子写真感光体を用い、帯電、像露光、現像、クリーニングの工程を有し、反転現像法によって現像を行う工程を経て画像形成することを特徴とする画像形成装置

0018

5.電子写真感光体を用い、少なくとも帯電、像露光、現像、クリーニングの手段を有する電子写真画像形成装置に使用するプロセスカートリッジが上記1の何れか1項記載の電子写真感光体と帯電器、像露光器、現像器クリーニング器の少なくとも1つとを一体に組み合わせて有しており、且つ前記電子写真画像形成装置に出し入れ自由に設計されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。

0019

本発明は、上記問題の解決に当たって、まず比較的低温で架橋反応を進行させ、その後高温にすることにより化合物の分解を抑制するとともに十分な架橋条件を確保できるとの知見のもとなされたものであって、樹脂層を塗布後、該塗布液の乾燥における硬化反応を複数の段階を設けて行う方法を採用して樹脂層を形成すれば強度特性及び電気的特性に優れる電子写真感光体が得られることを見出し本発明に至ったものである。

0020

以下本発明を詳細に説明する。

0021

〔1〕電子写真感光体及びその製造方法
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に感光層、樹脂層を順次積層してなり、前記樹脂層として水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物及びその縮合物の少なくとも一方、及び反応性基を有する電荷輸送性化合物を反応させて得られるシロキサン系樹脂を含有し、かつ該樹脂層を塗布・積層するに際し、塗布後の乾燥段階にて複数の硬化過程を経ることにより形成されてなるものである。

0022

即ち、本発明は上述のシロキサン系樹脂を含有する樹脂層塗布液を感光層上に塗布・積層した後、該樹脂層塗布液を乾燥する条件として複数段階に分けて硬化処理を施すことを必須とするものであり、具体的には例えば低温で乾燥を行って予めシロキサン系樹脂の縮合物を形成し、その上で高温・短時間にて乾燥を行い高密度の架橋の促進を図ることにより反応性基を有する電荷輸送性化合物の分解を抑止すると共に強度な膜物性を有する樹脂層を形成しようとするものである。

0023

反応性基を有する電荷輸送性化合物の分解が促進されると、生じた分解物が後述する有機ケイ素化合物と反応しても硬化反応に効果的な特性は得られにくい。

0024

本発明者らの鋭意検討の結果、所望の特性を発現させるためには硬化反応を十分に行うと同時に高温条件下で生じやすい反応性基を有する電荷輸送性化合物の分解を抑止することが必要であるが、従来のような高温・長時間硬化反応の代替として低温で反応を進めて乾燥を行いながら分解反応を抑制した条件のもと、シロキサン系樹脂の縮合物を予め形成し、その後高温に設定して乾燥を行うことにより形成された縮合物の架橋反応を効率よく促進させることができ、結果として十分に強度な膜物性を有する樹脂層を形成することができる。

0025

本発明における塗布後の乾燥の硬化条件は、多段の硬化過程を得ることが必要であるが、少なくとも2回の加熱処理を行うことが好ましく、その際最初の加熱処理を比較的低温で行い、その後の加熱処理を最初の加熱温度より高温で短時間に設定して樹脂層塗布液の組成物硬化を行うことが好ましい。

0026

温度、時間等の条件を変えて加熱処理を行うのは2回が好ましく、又加熱温度については、最初の過程での温度は40〜100℃、好ましくは50〜80℃であり、又引き続き加熱する過程での温度については80〜140℃、好ましくは90〜130℃である。

0027

加熱時間については、最初の過程での時間は1〜60分、好ましくは5〜30分であり、又引き続き加熱する過程での時間については10〜360分、好ましくは20〜120分であるのが好ましい。

0028

更に加熱処理を行って硬化反応を促進する場合には、温度は110〜140℃、好ましくは120〜140℃であり、時間は5〜180分、好ましくは10〜120分である。

0029

このように、樹脂層塗布液を塗布・積層した後、乾燥の際の硬化過程を複数回設けることにより、最初の硬化段階で有機ケイ素化合物の縮合物が生じ、次の段階で該縮合物の更なる架橋反応により、シロキサン系樹脂を形成する架橋反応が効率良く促進される。従って、反応性基を有する電荷輸送性化合物の分解反応を抑止して架橋反応を促進することが可能となり、電荷輸送性化合物基をシロキサン系樹脂構造中に分解させることなく取り込んだ樹脂が形成でき、膜強度の高い樹脂層が形成される。

0030

又塗布後の乾燥方法としては、複数の異なる温度条件を設定した加熱環境を連続的に設けて順次電子写真感光体を移動させるといった方法が一般的である。このような方法においては低温側から順次高温側へと移動していくことが好ましい。この場合、低温側から移動してきた感光体は従来よりも短時間で所定の温度に達すると共に急激な温度変化を避けることが出来、製膜時のクラック層構成物の析出等を防止できるだけでなく、架橋状態を所望の物性に制御することが可能となる。逆に高温側から低温側に移動する場合には感光体の温度を速やかに下げるために冷却装置中間室を設けるなどの手段を用いることが出来る。

0031

一方感光体側の場所を固定し加熱温度を変化させる場合、その硬化時間としては硬化を行う環境の温度が変化した後の設定温度に達してから以降の時間となる。

0032

温度の変化速度は特に規定されないが、0.1〜30(℃/分)の範囲が好ましい。温度変化が0.1℃より下回ると生産性が低下し、又30℃を越えると急激な温度変化によりクラックや構成物の析出が起こりやすくなる。

0033

硬化中の温度の変化幅は±10℃以下であるが、±2℃以下で制御することが好ましい。

0034

本発明における「水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物又はその縮合物」は、具体的には下記一般式(1)で表される水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物又はその加水分解物縮合物の1種以上を加熱硬化して3次元網目構造を形成したシロキサン系樹脂を表す。

0035

一般式(1)
(R)n−Si−(X)4-n
式中、Rは式中のケイ素原子炭素直接結合した形の有機基を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表し、nは0〜3の整数を表す。

0036

一般式(1)で表される有機ケイ素化合物において、Rで示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチルエチルプロピルブチル等のアルキル基フェニルトリルナフチルビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニルプロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシルパーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基を挙げられる。特にはメチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基が好ましい。又Xの加水分解性基としてはメトキシエトキシ等のアルコキシ基ハロゲン基アシルオキシ基が挙げられる。特には炭素数6以下のアルコキシ基が好ましい。

0037

又一般式(1)で表される有機ケイ素化合物は、単独のもの1種でも良いし、2種以上の有機ケイ素化合物を組み合わせて使用しても良い。但し、架橋構造を形成するためには、少なくともnが0又は1の有機ケイ素化合物を使用することが好ましい。

0038

又一般式(1)で表される有機ケイ素化合物の具体的化合物で、nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていても良い。同様に、nが2以下の場合、複数のXは同一でも異なっていても良い。又、一般式(1)で表される有機ケイ素化合物を2種以上を用いるとき、R及びXはそれぞれの化合物間で同一でも良く、異なっていても良い。

0039

有機ケイ素化合物としては、上記有機ケイ素化合物を酸性条件下〜塩基性条件下で加水分解してオリゴマー化した加水分解縮合物として用いても良い。

0040

上記有機ケイ素化合物又はその加水分解縮合物にはコロイダルシリカを加えても良い。コロイダルシリカの添加は有機ケイ素化合物の加水分解縮合時でも良く、その後で加えても良い。

0041

本発明の「水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物とその縮合物の少なくとも一方と、反応性基を有する電荷輸送性化合物を反応させて得られるシロキサン系樹脂」とは、上記水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物とその縮合物の少なくとも一方、と後述する反応性基を有する電荷輸送性化合物とが反応して、架橋構造を有するシロキサン系樹脂構造中に部分構造として電荷輸送性能を有する構造単位を取り込んだシロキサン系樹脂である。

0042

反応性基を有する電荷輸送性化合物と水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物の少なくとも一方との反応は該有機ケイ素化合物の加水分解縮合時、又は加水分解縮合後に反応性基を有する電荷輸送性化合物を添加することにより、効果的に生成させることができる。

0043

コロイダルシリカを添加した場合は、該コロイダルシリカ表面の水酸基と有機ケイ素化合物又は反応性基を有する電荷輸送性化合物が反応して該コロイダルシリカを架橋の中心点として樹脂が形成されることもある。

0044

反応性基を有する電荷輸送性化合物には下記一般式(2)の化学構造を有する電荷輸送性能物質が代表的であるが、有機ケイ素化合物やコロイダルシリカの水酸基と反応する反応性基を有し、且つ電子或いは正孔ドリフト移動度を有する性質を示す化合物であれば良く、下記化学構造に限定されない。

0045

一般式(2)
A−(Z)m
Aは電荷輸送性化合物基、Zは水酸基、メルカプト基、アミノ基、有機珪素含有基から選ばれる基であり、mは1〜4の整数を表す。

0046

式中、Aの電荷輸送性化合物基として、正孔輸送型オキサゾールオキサジアゾールチアゾールトリアゾールイミダゾールイミダゾロンイミダゾリンビスイミダゾリジンスチリルヒドラゾンベンジジンピラゾリントリアリールアミンオキサゾロンベンゾチアゾールベンゾイミダゾールキナゾリンベンゾフランアクリジンフェナジン等の構造単位を含む化合物基及びこれらの誘導体から派生する化合物基が挙げられる。一方、電子輸送型としては無水コハク酸無水マレイン酸無水フタル酸無水ピロメリット酸無水メリット酸、テトタシアエチレン、テトタシアノキノジメタンニトロベンゼンジニトロベンゼントリニトロベンゼンテトラニトロベンゼン、ニトロベンゾニトリルピクリルクロライドキノンクロルイミドクロラニルブロニルベンゾキノンナフトキノンジフェノキノン、トロポキノン、アントラキノン、1−クロロアトラキノン、ジニトロアントラキノン、4−ニトロベンゾフェノン、4,4′−ジニトロベンゾフェノン、4−ニトロベンザルマロンジニトリル、α−シアノ−β−(p−シアノフェニル)−2−(p−クロロフェニル)エチレン、2,7−ジニトロフルオレノン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン、9−フルオロニリデンジシアノメチレンマロニトリルポリニトロ−9−フルオロニリデンジシアノメチレンマロニトリル、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸パーフルオロ安息香酸、5−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリチル酸フタル酸、メリット酸等の構造単位を含む化合物基及びこれらの誘導体から派生する化合物基が挙げられるが、これらの構造に限定されるものではない。

0047

水酸基、メルカプト基、アミノ基、有機珪素含有基を有する電荷輸送性化合物について説明する。

0048

前記水酸基を有する電荷輸送性化合物は、通常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つ水酸基を有している化合物である。即ち、代表的には硬化性有機ケイ素化合物と結合して、樹脂層を形成することが出来る下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙げることができるが、下記構造に限定されるものではなく、電荷輸送能を有し、且つ水酸基を有している化合物であればよい。

0049

X−(R7−OH)m
式中、Xは電荷輸送性能付与基、R7は単結合置換又は無置換のアルキレン基アリーレン基を表し、mは整数を表す。

0050

その中でも代表的なものとして、以下のものが挙げられる。例えばトリアリールアミン系化合物は、トリフェニルアミン等のトリアリールアミン構造を電荷輸送性能付与基=Xとして有し、前記Xを構成する炭素原子を介して、又はXから延長されたアルキレン、アリーレン基を介して水酸基を有する化合物が好ましく用いられる。mは1〜5の整数が好ましい。

0051

1.トリアリールアミン系化合物

0052

0053

2.ヒドラジン系化合物

0054

0055

3.スチルベン系化合物

0056

0057

4.ベンジジン系化合物

0058

0059

5.ブタジエン系化合物

0060

0061

6.その他の化合物

0062

0063

次に、水酸基を有する電荷輸送性化合物の合成例について述べる。

0064

例示化合物T−1の合成

0065

0066

テップ
温度計冷却管攪拌装置滴下ロートの付いた四頭コルベンに、化合物(1)49gとオキシ塩化リン184gを入れ加熱溶解した。滴下ロートよりジメチルホルムアミド117gを徐々に滴下し、その後反液温を85〜95℃に保ち、約15時間攪拌を行った。次に反応液を大過剰の温水に徐々に注いだ後、攪拌しながらゆっくり冷却した。

0067

析出した結晶濾過及び乾燥した後、シリカゲル等により不純物吸着及びアセトニトリルでの再結晶により精製を行って化合物(2)を得た。収量は30gであった。

0068

ステップB
化合物(2)30gとエタノール100mlをコルベンに投入し攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム1.9gを徐々に添加した後、液温を40〜60℃に保ち、約2時間攪拌を行った。次に反応液を約300mlの水に徐々にあけ、攪拌して結晶を析出させた。濾過後充分水洗して、乾燥し化合物(3)を得た。収量は30gであった。

0069

・例示化合物S−1の合成

0070

0071

ステップA
温度計及び攪拌装置を付けた300mlコルベンに、Cuを30g、K2CO3を60g、化合物(1)8g、化合物(2)100gを投入し、約180℃まで昇温して20時間攪拌した。冷却後濾過し、カラム精製により化合物(3)7gを得た。

0072

ステップB
温度計、滴下ロート、アルゴンガス導入装置及び攪拌装置を付けた100mlコルベンをアルゴンガス雰囲気にし、これに化合物(3)7g、トルエン50ml、塩化ホスホリル3gを投入した。室温下で攪拌しながら、DMF2gをゆっくりと滴下し、その後約80℃に昇温して16時間攪拌した。約70℃の温水にあけてから冷却した。これをトルエンにて抽出し、抽出液を水のpHが7になるまで水洗した。硫酸ナトリウムにて乾燥した後に濃縮し、カラム精製により化合物(4)5gを得た。

0073

ステップC
アルゴンガス導入装置及び攪拌装置を付けた100mlコルベンにt−BuOK1.0g、DMF60mlを投入し、アルゴンガス雰囲気にした。これに化合物(4)2.0g、化合物(5)2.2gを加え、室温で1時間攪拌した。これを大過剰の水にあけ、トルエンにて抽出し、抽出液を水洗した後、硫酸ナトリウムにて乾燥後、濃縮してからカラム精製を行い化合物(6)2.44gを得た。

0074

ステップD
温度計、滴下ロート、アルゴンガス導入装置及び攪拌装置を付けた100mlコルベンにトルエンを投入し、アルゴンガス雰囲気にした。これにn−BuLiのヘキサン溶液(1.72M)15mlを加え、50℃に加温した。これに化合物(6)2.44gをトルエン30ml溶解させた液を滴下し、50℃に保って3時間攪拌した。これを−40℃に冷却した後、エチレンオキサイド8mlを加え、−15℃まで昇温して1時間攪拌した。その後室温まで昇温し、水5mlを加えて、エーテル200mlにて抽出後、抽出液を飽和食塩水洗浄した。洗浄液がpHになるまで洗浄した後、硫酸ナトリウムにて乾燥、濃縮、カラム精製して化合物(7)1.0gを得た。

0075

次に、メルカプト基を有する電荷輸送性化合物の具体例を下記に例示する。

0076

メルカプト基を有する電荷輸送性化合物とは、通常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つメルカプト基を有している化合物である。即ち、代表的には硬化性有機ケイ素化合物と結合して、樹脂層を形成することが出来る下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙げることができるが、下記構造に限定されるものではなく、電荷輸送能を有し、且つメルカプト基を有している化合物であればよい。

0077

X−(R8−SH)m
Xは電荷輸送性能付与基、R8は単結合、置換又は無置換のアルキレン、アリーレン基を表し、mは整数を表す。mは1〜5の整数が好ましい。

0078

その中でも代表的なものとして、以下のものが挙げられる。

0079

0080

次に、アミノ基を有する電荷輸送性化合物について説明する。

0081

アミノ基を有する電荷輸送性化合物は、通常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つアミノ基を有している化合物である。即ち、代表的には硬化性有機ケイ素化合物と結合して、樹脂層を形成することが出来る下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙げることができるが、下記構造に限定されるものではなく、電荷輸送能を有し、且つアミノ基を有している化合物であればよい。

0082

X−(R9−NR10H)m
Xは電荷輸送性能付与基、R9は単結合、置換、無置換のアルキレン、置換、無置換のアリーレン基、R10は水素原子、置換、非置換のアルキル基、置換、非置換のアリール基、mは整数を表す。mは1〜5の整数が好ましい。

0083

その中でも代表的なものとして、以下のものが挙げられる。

0084

0085

アミノ基を有する電荷輸送性化合物の中で、第一級アミン化合物(−NH2)の場合は2個の水素原子が有機珪素化合物と反応し、シロキサン構造に連結しても良い。第2級アミン化合物(−NHR10)の場合は1個の水素原子が有機珪素化合物と反応し、R10はブランチとして残存する基でも良く、架橋反応を起こす基でも良く、電荷輸送物質を含む化合物残基でもよい。

0086

次に、有機珪素含有基を有する電荷輸送性化合物について説明する。

0087

有機珪素含有基を有する電荷輸送性化合物は、以下のような構造の電荷輸送物質である。この化合物は化合物中の珪素原子を介してシロキサン系樹脂中に部分構造として含有される。

0088

X−(−Y−Si(R11)3-a(R12)a)n
式中、Xは電荷輸送性能付与基であり、R11は水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、アリール基を示し、R12は加水分解性基又は水酸基を示し、Yは置換若しくは未置換のアルキレン基、アリーレン基を示す。aは1〜3の整数を示し、nは整数を示す。

0089

本発明に於ける「水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物とその縮合物の少なくとも一方、及び反応性基を有する電荷輸送性化合物を反応させて得られるシロキサン系樹脂」は予め構造単位にシロキサン結合を有するモノマーオリゴマーポリマー触媒や架橋剤を加えて新たな化学結合を形成させ3次元網目構造を形成することもあり、又加水分解反応とその後の脱水縮合によりシロキサン結合を促進させモノマー、オリゴマー、ポリマーから3次元網目構造を形成することもできる。

0090

一般的には、アルコキシシランを有する組成物、又はアルコキシシランとコロイダルシリカを有する組成物の縮合反応により3次元網目構造を形成することができる。

0092

本発明における樹脂層にはヒンダードフェノールヒンダードアミンチオエーテル又はホスファイト部分構造を持つ酸化防止剤を添加することができ、環境変動時の電位定性画質の向上に効果的である。

0093

ここでヒンダードフェノールとはフェノール化合物の水酸基に対しオルト位置分岐アルキル基を有する化合物類及びその誘導体をいう。但し、水酸基がアルコキシ変成されていても良い。

0094

又、ヒンダードアミンは、例えば下記構造式で示される有機基を有する化合物類が挙げられる。

0095

0096

式中のR13は水素原子又は1価の有機基、R14、R15、R16、R17はアルキル基、R18は水素原子、水酸基又は1価の有機基を示す。

0097

ヒンダードフェノール部分構造を持つ酸化防止剤としては、例えば特開平1−118137号(P7〜P14)記載の化合物が挙げられるが本発明はこれに限定されるものではない。

0098

ヒンダードアミン部分構造を持つ酸化防止剤としては、例えば特開平1−118138号(P7〜P9)記載の化合物も挙げられるが本発明はこれに限定されるものではない。

0099

又、製品化されている酸化防止剤としては以下のような化合物、例えばヒンダードフェノール系として「イルガノックス1076」、「イルガノックス1010」、「イルガノックス1098」、「イルガノックス245」、「イルガノックス1330」、「イルガノックス3114」、「イルガノックス1076」、「3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシビフェニル」、ヒンダードアミン系として「サノールLS2626」、「サノールLS765」、「サノールLS2626」、「サノールLS770」、「サノールLS744」、「チヌビン144」、「チヌビン622LD」、「マークLA57」、「マークLA67」、「マークLA62」、「マークLA68」、「マークLA63」が挙げられ、チオエーテル系として「スミライザーTPS」、「スミライザーTP−D」が挙げられ、ホスファイト系として「マーク2112」、「マークPEP−8」、「マークPEP−24G」、「マークPEP−36」、「マーク329K」、「マークHP−10」が挙げられる。これらの中で特にヒンダードフェノール、ヒンダードアミン系酸化防止剤が好ましい。酸化防止剤の添加量としては樹脂層組成物の総重量100部に対し、0.1〜10重量部を用いることが好ましい。

0100

本発明の電子写真感光体(以下、単に感光体ともいう)の層構成は、一般に公知の感光体の層構成を採用することができるが、感光層として電荷発生物質と電荷輸送物質とがバインダー樹脂中に分散された単層構成或いは電荷発生物質を含む電荷発生層と電荷輸送物質を含む電荷輸送層が積層された層構成の上に樹脂層を設けた構成が好ましい。しかし、電荷輸送層を本発明の樹脂層として構成することもできるし、前記樹脂層の上に更に、表面改質層を設けても良い。又必要に応じて導電性支持体と感光層との間に中間層を設けてもよい。

0101

本発明のシロキサン系樹脂を含有した層を形成するには、通常溶剤シロキサン系樹脂組成物を溶解して塗布により形成する。溶剤としてはメタノール、エタノール、プロパノールブタノールメチルセルソルブ、エチルセルソルブ等のアルコール類及びこの誘導体;メチルエチルケトンアセトン等のケトン類酢酸エチル酢酸ブチル等のエステル類等が使用される。

0102

本発明のシロキサン系樹脂の加熱乾燥架橋硬化条件としては使用する溶剤種、触媒有無によって異なるが、およそ60〜160℃の範囲で10分〜5時間の加熱が好ましく、より好ましくは90〜110℃の範囲で30分〜2時間の加熱が好ましい。

0103

又本発明における感光層に用いられる電荷輸送物質としては公知のどのようなものでも使用でき、例えばトリアリールアミン化合物、トリアリールアミンスチリル化合物ヒドラゾン化合物ピラゾリン化合物が挙げられる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。

0104

電荷発生物質、電荷輸送物質の分散、溶解に使用される溶媒としては、トルエン、キシレン等の炭化水素類メチレンクロライド、1,2−ジクロルエタン等のハロゲン化炭化水素;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;メタノール、エタノール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等のアルコール類及びこの誘導体;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン等のエーテル類ピリジンジエチルアミン等のアミン類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;その他脂肪酸及びフェノール類二硫化炭素燐酸トリエチル等の硫黄燐化合物等の1種又は2種以上を用いることができる。

0105

本発明における感光層の中で表面以外の感光層には以下の樹脂が使用できる。例えばポリスチレンアクリル樹脂メタクリル樹脂塩化ビニル樹脂酢酸ビニル樹脂ポリビニルブチラール樹脂エポキシ樹脂ポリウレタン樹脂フェノール樹脂ポリエステル樹脂アルキッド樹脂ポリカーボネート樹脂シリコン樹脂メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。

0106

本発明における感光層におけるバインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100重量部に対し50〜600重量部が好ましい。又バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100重量部に対し10〜100重量部が好ましい。

0107

本発明における感光層の膜厚は電荷発生層にて0.01〜10μm、電荷輸送層にて1〜40μmが好ましい。又感光層が単層構成の場合は1〜40μmが好ましい。又樹脂層は0.1〜5μmが好ましい。

0108

本発明における感光層を支持する導電性支持体としては、アルミニウム、ニッケルなどの金属板金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックフィルム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックフィルム・ドラムを使用することができる。

0109

本発明における中間層に用いられる材料としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。又シランカップリング剤チタンカップリング剤等の有機金属化合物熱硬化させた硬化性金属樹脂化合物が挙げられる。中間層の膜厚は、0.01〜2μmが好ましい。

0110

本発明の電子写真感光体を製造するための塗布加工方法としては、塗布液をディップ塗布スプレー塗布円形規制型塗布等が用いることできる。特に感光層の表面層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又均一塗布加工を達成するためにスプレー塗布、円形量規制型塗布(円形スライドホッパーがその代表例である)を用いるのが好ましい。尚前記スプレー塗布については特開平3−90250号、同3−269238号にその記載があり、前記円形量規制型塗布については特開昭58−189061号に詳細が記載されている。

0111

〔2〕画像形成方法、画像形成装置
本発明の電子写真感光体は複写機レーザープリンターLEDプリンター、液晶シャッタープリンター等の電子写真装置に適用しえるものであるが、さらには電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷製版ファクシミリ等の装置にも広く適用しえるものである。

0112

図1に本発明の電子写真感光体を有する画像形成装置の断面図を示す。

0113

図1において10は像担持体である感光体(ここではドラム状をなすので、以下感光体ドラムという)であり、感光層をドラム状に塗布し、その上に本発明のシロキサン系樹脂が塗設され、接地されて時計方向に駆動される。12はスコロトロン帯電器で、感光体ドラム10周面に対し一様な帯電をコロナ放電により与える。この帯電器12による帯電に先立ち、前画像での履歴を除去するのに発光ダイオード等を用いた電荷消去露光部11による露光を行って感光体周面の除電を行っても良い。

0114

感光体ドラムへの一様な帯電の後、像露光器13により画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像露光器13は図示しないレーザーダイオード光源とする。回転するポリゴンミラー131、fθレンズを経て反射ミラー132によって光路曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成される。

0115

その静電潜像は次いで現像器14により現像される。感光体ドラム10周縁にはイエローマゼンダシアンブラック等のトナーキャリアからなる現像剤を内蔵した現像器14が配置されていて、先ず1色の現像がマグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ141によって行われる。現像剤は例えばフェライトコアとしてその回りに絶縁性樹脂をコーティングしたキャリアと、ポリエステル主材料にして色に応じた顔料荷電制御剤シリカ酸化チタンを加えたトナーからなるもので、現像剤は図示していない層形成手段よって、現像スリーブ141上に100〜600μmの厚みに規制されて現像域へと搬送され現像が行われる。この時、通常は感光体ドラム10と現像スリーブ141の間に直流及び交流バイアスをかけて現像が行われる。

0116

カラー画像形成においては、1色目トナー像が形成された後に2色目の画像形成工程に入り、再びスコロトロン帯電器12による一様な帯電が行われ、2色目の潜像形成が像露光器13により行われる。3、4色目の画像形成も2色目と同様に行われ、感光体ドラム10周面上に4色の顕像が形成される。一方、モノクロの電子写真装置では現像器14は単色トナー1種で構成され、1回の現像で画像形成する。

0117

記録紙Pは画像形成の後、転写のタイミングが整った時点で給紙ローラ17の回転作動により転写域へ給紙される。転写域においては転写のタイミングに同期して感光体ドラム10周面に転写ローラ転写器)18が圧接され、給紙された記録紙Pに多色像が一括して転写される。

0118

次いで記録紙Pは転写ローラと圧接状態とされた分離ブラシ(分離器)19によって除電され、感光体ドラム10周面より分離して定着装置20に搬送され、熱ローラ201と圧着ローラ202の加熱、加圧によってトナーを溶着した後、排紙ローラ21を介して装置外へ排出される。尚前記転写ローラ18と分離ブラシ19は記録紙Pの通過後、感光体ドラム10周面より退避して次なるトナー像形成に備える。

0119

一方、記録紙Pを分離した後の感光体ドラム10はクリーニング器22のブレード221の圧接により残留トナーを除去・清掃して再び露光部11による除電と帯電器12による帯電を受けて次なる画像形成に備える。尚感光体上にトナー像を重ね合わせてカラー画像を形成する場合には、ブレード221はクリーニング後、直ちに感光体ドラム10周面より退避する。

0120

尚30は感光体、帯電器、転写器、分離器、クリーニング器を一体化して着脱可能に設定されたプロセスカートリッジである。

0121

電子写真画像形成装置としては、上述の感光体と現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱可能な構成にしても良い。又帯電器、現像器、像露光器、転写器、分離器、クリーニング器の少なくとも一つを感光体と共に一体に支持してプロセスカートリッジを構成し、装置本体に対して着脱自在な単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段で着脱可能な構成にしても良い。

0122

像露光は複写機、プリンターとして使用する場合は原稿からの反射光又は透過光を感光体に照射することと或いはセンサーで原稿を読みとり信号化して、この信号に従ってレーザービームの照射、LEDアレイの駆動、液晶シャッタアレイの駆動を行い、感光体に光を照射することにより行われる。尚ファクシミリのプリンターの場合には像露光器は受信データをプリントするための露光を行うこととなる。

0123

以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。尚、本実施例中の部とは重量部を表す。

0124

実施例1
1.感光体ドラム1の作製
下記のようにして感光体を作製した。

0125

直径80mmのドラム状アルミニウム製導電性基体アルミニウムシリンダー)上に、下記の下引き層塗布液を調製したものを乾燥膜厚1.0μmとなるように塗布した。

0126

・下引き層塗布液
チタンキレート化合物(TC−750製薬製) 30g
シランカップリング剤(KBM−503 信越化学社製) 17g
2−プロパノール150ml
この下引き層上に、下記感光層塗布液を分散調液し、膜厚0.5μmとなるよう塗布した。

0127

・感光層塗布液
(電荷発生層)
チタニルフタロシアニン60g
シリコーン樹脂溶液(KR5240、15%キシレン−ブタノール溶液:信越
化学社製) 700g
2−ブタノン2000ml
を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記下引き層上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。

0128

(電荷輸送層)
電荷輸送物質(D1) 200g
ビスフェノールZ型ポリカーボネート(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社
製) 300g
1,2−ジクロロエタン2000ml
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。

0129

表面保護層塗布液
トリメトキシメチルシラン180g
1−ブタノール280ml
1%酢酸水溶液100ml
コロイダルシリカ(30%メタノール溶液) 100g
を混合して60℃で2時間攪拌した後、更に400mlの1−ブタノールを加えて48時間攪拌を続けた。これにジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物T−1)70g、酸化防止剤(LS−2626:三共社製)を1.7g、ジブチル錫アセテート4.5gを加えて混合した。

0130

この塗布液を電荷輸送層上に乾燥膜厚1.5μmの表面保護層として塗布して、硬化条件を表1に従って加熱硬化を行い、感光体ドラム1を作製した。尚、硬化条件は、硬化加熱条件の変更の回数として示した。

0131

2.感光体ドラム2〜4の作製
表面保護層の加熱硬化条件を表1に示すように変更した他は感光体ドラム1と同様にして感光体ドラム2〜4の作製を行った。

0132

3.感光体ドラム5の作製
感光体ドラム1において表面保護層中のジヒドロキシトリフェニルアミンの代わりに4−[2−(トリエトキシシリル)エチル]トリフェニルアミンを用いた以外は全く同様にして感光体ドラム5を作製した。

0133

4.感光体ドラム6の作製
感光体1において表面保護層中のジヒドロキシトリフェニルアミンを以下に示すケイ素原子含有化合物に代えた以外は全く同様にして感光体ドラム6を作製した。

0134

0135

5.感光体ドラム7の作製
感光体1において酸化防止剤を除いた以外は感光体ドラム1と同様にして感光体7を作製した。

0136

6.感光体ドラム8の作製
感光体ドラム1において表面保護層中のコロイダルシリカを除いた以外は感光体ドラム1と同様にして感光体ドラム8を作製した。

0137

7.感光体ドラム9の作製(比較例)
感光体ドラム1の作製において、表面保護層の塗布液の加熱処理を多段で行わないで、表1に示した如く一定時間、一定温度の通しで加熱処理した以外は同様にして感光体ドラム9を作製した。

0138

8.感光体ドラム10の作製(比較例)
感光体ドラム1の作製において、表面保護層の塗布液の加熱処理を多段で行わないで、表1に示した如く一定時間、一定温度の通しで加熱処理した以外は同様にして感光体ドラム10を作製した。

0139

得られた感光体ドラム1〜10について、以下のように評価を行った。

0140

(評価)
・強度
作製した感光体ドラム1〜10をHEDON社製「表面性試験装置」に先端の曲率0.05mmのダイヤモンド針を設置し、引っかき速度5mm/secの速度で移動させ、目視で傷が入り始める最小荷重を測定した。

0141

・電位/実写
作製した感光体ドラム1〜10をコニカ(株)製デジタル複写機Konica7050を改造し、露光量を適正化した評価機に搭載し、初期帯電電位を−650Vに設定し、5万枚コピー後の実写評価を行った。

0142

評価は5万枚コピー後の露光部及び未露光部の電位変動の測定、画像及び感光体ドラムの目視評価を行った。得られた結果を以下の表1に示す。

0143

0144

良好:濃度低下、カブリの発生なし
表1から明らかなように、表面保護層が多段の硬化過程を経て形成された感光体ドラム1〜8は強度特性に優れ、しかも電位変動が少ない上に画像も濃度低下、カブリの発生がなく改善されていることが分かる。しかしながら表面保護層が高温・長時間で加熱処理された感光体ドラム9、10は十分な強度がない上に、電位特性も悪く、しかも画像も濃度低下やカブリが生じるなど、実用に耐えないことが分かる。

発明の効果

0145

本発明から明らかなように、表面保護層が多段の硬化過程を経て形成された感光体は十分な強度を有するため、電位特性、電位変動特性に優れ、しかも画像も良好であるなど、顕著に優れた硬化を奏する。即ち本発明の感光体を用いて画像形成を行うために、該感光体を画像形成装置に組み込んで画像形成する場合には、非常に良好な画像が得られ、又装置自体の耐久性も向上するなど、実用に適したものであることが容易に伺える。

図面の簡単な説明

0146

図1本発明の電子写真感光体を有する画像形成装置の1例を示す断面図。

--

0147

10感光体ドラム(又は感光体)
11発光ダイオード等を用いた電荷消去露光部
12帯電器
13像露光器
14現像器
17給紙ローラ
18転写ローラ(転写器)
19 分離ブラシ(分離器)
20定着装置
21排紙ローラ
22クリーニング器
30 プロセスカートリッジ

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