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技術 硬化性樹脂組成物および塗料組成物

出願人 株式会社日本触媒
発明者 山崎勇英
出願日 1999年7月2日 (20年10ヶ月経過) 出願番号 1999-189663
公開日 2001年1月16日 (19年3ヶ月経過) 公開番号 2001-011154
状態 未査定
技術分野 マクロモノマー系付加重合体 エポキシ樹脂 塗料、除去剤 マクロモノマー系付加重合体
主要キーワード コンベヤスピード カーボン水溶液 紫外線硬化触媒 合成樹脂被膜 経時的変色 エネルギー種 有機酸銅 有機酸亜鉛
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課題

特に耐候性に優れるビニルエステル光安定剤とを含有する硬化性樹脂組成物を提供する。

解決手段

多価アルコール脂環式飽和二塩基酸との反応物エポキシ基を有する(メタアクリレートを反応させて得られるビニルエステルと光安定剤とを含有する硬化性樹脂組成物である。これを用いて塗料組成物が得られる。本発明の硬化性樹脂組成物や塗料組成物は、耐候性、耐汚染性および耐久性に優れた被膜を形成することができる。また、光安定剤のブリードを抑制することができ、長期間にわたってその効果が持続できる。

概要

背景

概要

特に耐候性に優れるビニルエステル光安定剤とを含有する硬化性樹脂組成物を提供する。

多価アルコール脂環式飽和二塩基酸との反応物エポキシ基を有する(メタアクリレートを反応させて得られるビニルエステルと光安定剤とを含有する硬化性樹脂組成物である。これを用いて塗料組成物が得られる。本発明の硬化性樹脂組成物や塗料組成物は、耐候性、耐汚染性および耐久性に優れた被膜を形成することができる。また、光安定剤のブリードを抑制することができ、長期間にわたってその効果が持続できる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
1件

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請求項1

請求項2

前記多価アルコールが、2以上の分岐を有する炭素数3〜20の飽和炭化水素の複数の水素原子水酸基置換したものである請求項1記載の硬化性樹脂組成物。

請求項3

光安定剤が、分子量300以上の光安定剤および/または、分子内に1つ以上のラジカル重合性二重結合を有する光安定剤である請求項1または2記載の硬化性樹脂組成物。

請求項4

請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物を含有することを特徴とする塗料組成物

技術分野

0001

本発明は、耐候性に優れるビニルエステル光安定剤とを含有する硬化性樹脂組成物およびそれを含有する塗料組成物に関する。

0002

合成樹脂は、太陽光線のうちで地表に到達できる290nm以上の紫外線の影響を受けて劣化する。この紫外線による劣化から合成樹脂を保護し、安定化するために多くの光安定剤が使用されている。また、カンバンなどの屋外に使用する印刷物は、印刷面が紫外線により退色するのを防止するために、印刷面に紫外線安定剤を含有させた合成樹脂被膜を形成させ、紫外線劣化と共に物理的な損傷を防いでいる。

0003

ここに光安定剤としては、紫外線を吸収し光劣化反応を抑制する紫外線吸収剤と、ラジカル捕捉するヒンダードアミン系光安定剤とがある。

0004

しかしながら、光安定剤の特質として、上記紫外線吸収剤やヒンダードアミン系光安定剤のいずれにしても、合成樹脂に配合して表面で作用することが求められるため、該光安定剤を含有する樹脂を用いて被膜とした場合、被膜表面からの該化合物揮発ブリードが生じてその効果が長期間持続できない場合がある。

0005

一方、金属素材無機素材、更にプラスチック、木材、紙等の有機素材等の種々の物質の表面に被膜を形成する目的で膜形成性樹脂組成物が用いられているが、これらは物質の表面を被覆するものゆえ、顧客に満足を与える外観品質と、耐候性、耐汚染性等の耐久品質に優れることが要求される。従ってブリードの発生は特に好ましく無い現象である。この様なことから、光安定剤の効果を長期間に亘って持続するため、樹脂そのものの耐候性の優れたものが求められている。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、光安定化のために光安定剤を配合した樹脂組成物が該樹脂組成物を用いてなる被膜表面から該安定剤がブリードする事により被膜の劣化が急速に進行する問題点に鑑み、特定の光安定剤と特定構造のビニルエステルとを配合したところ、該ビニルエステル自体の耐候性に優れるために光安定剤がブリードを生ずることなく長期間に亘り、極めて優れた耐候性を有する硬化性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。

0007

即ち、本発明は以下の(1)〜(4)を提供するものである。

0008

(1)多価アルコール脂環式飽和二塩基酸との反応物エポキシ基を有する(メタアクリレートを反応させて得られるビニルエステルと、光安定剤とを含有する硬化性樹脂組成物。

0009

(2) 前記多価アルコールが、2以上の分岐を有する炭素数3〜20の飽和炭化水素の複数の水素原子水酸基置換したものである上記(1)記載の硬化性樹脂組成物。

0010

(3)光安定剤が、分子量300以上の光安定剤および/または、分子内に1つ以上のラジカル重合性二重結合を有する光安定剤である上記(1)または(2)記載の硬化性樹脂組成物。

0011

(4) 上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物を含有することを特徴とする塗料組成物。

発明を実施するための最良の形態

0012

本発明の第1は、多価アルコールと脂環式飽和二塩基酸との反応物にエポキシ基を有する(メタ)アクリレートを反応させて得られるビニルエステルと、光安定剤とを含有する硬化性樹脂組成物である。

0013

膜形成用組成物は、素地によく付着して沈澱凝集色分かれ等を起こさず、耐久性、耐候性、耐汚染性等に優れること等が要求される。本発明によれば、膜形成成分として特定の脂環式飽和二塩基酸を反応させてなるビニルエステルを含有することで、極めて耐候性、耐水性、耐久性に優れる被膜が得られる。樹脂自体が耐候性に優れるため、該樹脂よりなる被膜表面から該光安定剤がブリードすることなく、長期間にわたり優れた耐候性が得られる。以下、本発明を詳細に説明する。

0014

(1)ビニルエステル
本発明で使用するビニルエステルは、多価アルコールと脂環式飽和二塩基酸との反応物にエポキシ基を有する(メタ)アクリレートを反応させて得られる。

0015

多価アルコールとしては、2以上の水酸基を有し脂環式飽和二塩基酸と反応してポリエステルを生成することができるものであれば、特に制限無く使用することができる。

0016

本発明で使用する多価アルコールとしては、2以上の分岐を有する炭素数3〜20、より好ましくは炭素数3〜12の飽和炭化水素の複数の水素原子を水酸基で置換したもの(これをA1と称する。)であることが好ましい。主鎖中に分岐を有すると、得られた組成物を塗料組成物として使用した場合に水に対する耐水性が向上することが見出されたからである。この分岐は1つではまだ耐水性が十分でなく、2以上有することが必要である。また飽和炭化水素としたのは、構造中に紫外線に対する抵抗性が低い二重結合三重結合を除くことで、耐候性を向上させることができるからである。また、この様な多価アルコールの主鎖を構成するものは、炭化水素が好ましいのである。例えば、ジエチレングリコール等のように分子中にエーテル結合が存在すると、含まれる酸素分子によって酸化劣化が生じやすくなるからである。

0017

この様な多価アルコールA1としては、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA等があり、本発明ではこれらの内の1種を単独で使用できる他、これらの2種以上を併用することもできる。

0018

本発明では、A1は二価アルコールであることが好ましい。三価以上の多価アルコールを使用すると直鎖状ポリエステル鎖が得られないために、反応の制御が困難となり、得られる組成物の粘度が上昇する。従って、二価のアルコールを使用することで、反応希釈剤や他の溶剤の添加を無くしたり添加量を低減することができ、塗装における作業環境の悪化を抑制できる。

0019

本発明で使用する多価アルコールとしては、上記A1と併用して他の多価アルコール(これをA2と称する。)を使用することができる。

0020

このようなA2としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ブチレングリコールジプロピレングリコールトリエチレングリコール等の二価のアルコールが挙げられる。また、これらとエチレンオキサイドプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドと併用することができる。これらは、1種を単独で使用できるほかこれらの2種以上を併用することもできる。

0021

なお、本発明で使用する多価アルコールとしては、多価アルコール中のA1の割合が、全多価アルコール中、40〜100モル%であること好ましく、より好ましくは60〜100モル%である。特にこの範囲であれば、A1により付与される特性が損なわれることがないからである。

0022

本発明で用いられる脂環式飽和二塩基酸としては、上記多価アルコールと共にポリエステルを形成するものであれば特に制限されるものではない。例えば、ヘキサヒドロ無水フタル酸メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を使用することができる。本発明ではこれらの内の1種を単独で使用できる他、これらの2種以上を併用することもできる。ポリエステルを形成する飽和二塩基酸として特に脂環式に限定したのは、脂肪族二塩基酸よりも嵩高い構造であるため、硬化性樹脂組成物、または塗料組成物からなる被膜の耐水性を向上させ得ることが判明したからである。本発明のビニルエステルには、該ビニルエステルを含有する樹脂組成物および塗料組成物からなる被膜の性能が低下しない範囲内でその他の二塩基酸を上記脂環式二塩基酸と併用することができる。

0023

本発明で使用できるエポキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、分子内に少なくとも1つのエポキシ基またはグリシジル基と少なくとも1つの(メタ)アクリロイル基とを有する化合物であれば特に限定されるものではない。また、該エポキシ基および/またはグリシジル基は、水素原子の一部がアルキル基で置換されているものを含んでいてもよい。このような化合物としては、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸−3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸−4,5−エポキシペンチル、(メタ)アクリル酸−5,6−エポキシヘキシル、(メタ)アクリル酸−4,5−エポキシヘキシル、(メタ)アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル等が挙げられる。本発明ではこれらの内の1種を単独で使用できる他、これらの2種以上を併用することもできる。

0024

本発明のビニルエステルは、上記多価アルコールと脂環式飽和二塩基酸との反応物にエポキシ基を有する(メタ)アクリレートを反応させて得られるのであり、多価アルコールと脂環式飽和二塩基酸との反応は、公知のポリエステルの製造方法によって製造することができ、特に制限されるものではない。

0025

上記多価アルコールと脂環式不飽和二塩基酸使用割合としては、特に限定されるものではないが、効率的にカルボキシル基を残存させるために、多価アルコールの水酸基1当量に対して、脂環式飽和二塩基酸のカルボン酸が1.2〜4.0当量の範囲となるように設定することが好ましく、特に好ましくは1.8〜2.2当量の範囲である。

0026

反応の終点は、カルボキシル基の減少が無くなる状態、即ち、反応物の酸価が一定となる状態を判断基準として決定することができる。反応温度、反応時間は、上記の反応が完結するように適宜選択することができる。なお、反応は窒素ヘリウム等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスは、例えば、バブリングすることによって反応系中に供給することができる。

0027

次いで、得られた反応物にエポキシ基を有する(メタ)アクリレートを反応させるのであるが、この反応も従来から公知の方法を使用することができ、特に制限されるものではない。

0028

上記多価アルコールと脂環式不飽和二塩基酸との反応物とエポキシ基を有する(メタ)アクリレートとの使用割合は、該反応物に残存するカルボキシル基1当量に対して、エポキシ基を有する(メタ)アクリレートのエポキシ基および/またはグリシジル基が0.9〜1.1当量の範囲となるように設定することが好ましい。この範囲で効率的に反応が成されるからである。

0029

このような多価アルコールと脂環式不飽和二塩基酸との反応物とエポキシ基を有する(メタ)アクリレートとの反応には、反応触媒を添加することが好ましく、更に、反応中のゲル化を防止するために重合禁止剤分子状酸素を添加することが好ましい。

0030

なお、上記の反応物とエポキシ基を有する(メタ)アクリレートとの反応に際しては、必要に応じて反応中に従来公知の重合性不飽和単量体や溶剤を共存させてもよい。また、上記反応温度や反応時間については特に限定されず、適宜選択することができる。

0032

反応触媒の添加量は、反応原料合計重量に対して、0.005〜3.0重量%の範囲内で添加することが好ましい。この範囲で十分な触媒作用が得られると共に、過量の触媒の添加を避けて経時的変色等を少ない樹脂組成物を得ることができるからである。

0033

上記重合禁止剤としては、ハイドロキノンメチルハイドロキノン、p−t−ブチルカテコール、2−t−ブチルハイドロキノントルハイドロキノントリメチルハイドロキノンp−ベンゾキノンナフトキノンメトキシハイドロキノンフェノチアジンメチルベンゾキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルベンゾキノン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、更に4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルなどのN−オキシル化合物有機酸銅などを好適に用いることができる。

0034

上記分子状酸素としては、例えば空気や空気と窒素等の不活性ガスの混合ガスを用いることができる。この場合、分子状酸素含有ガス供給方法としては、バブリング等により反応溶液中に直接混入させても、あるいは溶剤に溶解させて間接的に混入させてもよい。なお、反応重合物のゲル化を有効に防止するために、重合禁止剤の添加と共に、分子状酸素の併用が好ましい。

0035

本発明で使用するビニルエステルの数平均分子量(Mn)としては、特に限定されるものではないが、400〜5,000の範囲であることが好ましく、より好ましくは500〜2,000である。数平均分子量が400未満であると、該ビニルエステルを用いてなる樹脂組成物の強度物性が低下するため好ましくない。一方、5,000を越えると、樹脂組成物および該樹脂組成物を用いてなる塗料組成物の粘度が高くなり作業性が低下するために好ましくない。

0036

また、上記ビニルエステルにおける上記ラジカル重合性二重結合1つ当たりの平均分子量としても特に限定されるものではないが、200〜2,500の範囲であることが好ましく、より好ましくは、250〜1,000である。ラジカル重合性二重結合1つ当たりの平均分子量が200未満では、該ビニルエステルを用いてなる樹脂組成物および塗料組成物による被覆の靭性が低下するためにクラックが発生し易くなる虞れがある。また、2,500を越えると樹脂組成物の硬化性が低下する虞れがある。

0037

本発明の硬化性樹脂組成物における該ビニルエステルの配合量は、特に限定されないが、10〜95重量%の範囲内であることが好ましく、30〜70重量%の範囲内であることが更に好ましい。

0038

(2)光安定剤
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記ビニルエステルと光安定剤とを含有する。本発明の硬化性樹脂組成物は、上記特性によりそれ自体が耐候性に優れるのであるが、光安定剤の配合によって、更に紫外線による劣化を防ぐことができるからである。また、印刷物の保護被膜とする場合に、印刷面の紫外線による退色などを防止することができる。

0039

光安定剤としては、紫外線を吸収し、硬化性樹脂組成物中で光劣化を開始する活性種励起を防ぎ、ラジカルが生成するのを防止する紫外線吸収剤がある。この様な紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系、サリチレート系化合物、ベンゾフェノン系、シアノアクリレート系化合物がある。

0040

また、光安定剤としては、ヒンダードピペリジン骨格を有し、N−置換基酸化されて生成するN−オキシラジカルポリマー光開始反応で生ずるアルキルラジカルを捕捉するヒンダードアミン系光安定剤を使用することができる。低分子量の光安定剤は合成樹脂からなる被膜表面からのブリードが生ずるのであるが、本発明では被膜そのものの耐候性が高いため、光安定剤のブリードが抑制され、その効果が長期間保持される。以下に、本発明で配合できる光安定剤を述べることにする。

0041

上記のごとく、本発明では従来公知の光安定剤を配合することができる。この中で、紫外線吸収剤として以下の化合物を使用することができる。即ち、ベンゾトリアゾール系化合物としては、チバスシャリティーケミカルズ(株)製の商品名、チヌビンP(2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール:分子量225)、チヌビン328(2−(2’−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール:分子量352)、チヌビン384(イソオクチル−3−(3−(2’−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート:分子量452)、チヌビン900(2−[2−ヒドロキシ−3,5−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール:分子量448)、チヌビン928(2−[2−ヒドロキシ−3−ジメチルベンジル−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール:分子量442)、チヌビン1130、大塚化学(株)製の商品名RUVA−93(2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール:分子量323)が例示できる。また、サリチレート系化合物としては、ケミプロ製の商品名KEMISORB21(フェニルサリシレート:分子量214)、KEMINSORB22(4−t−ブチルフェニルサリシレート:分子量270)、KEMINSORB112(2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート:分子量439)が例示できる。また、ベンゾフェノン系化合物としては、白石カルシウム製の商品名SEESORB100(2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン:分子量214)、SEESORB101(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン:分子量228)、SEESORB103(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン:分子量383)、SEESORB105(2−ヒドロキシ−4−ベンゾイルオキシベンゾフェノン:分子量304)が例示できる。また、シアノアクリレート系化合物としては、共同薬品製の商品名バイオソープ910(エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート:分子量277)等が例示できる。

0042

更に、ヒンダートアミン系化合物としては、旭電化製の商品名アデカスタブLA−57(テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート)、アデカスタブLA−67、アデカスタブLA−62(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル−トリシル−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート)、アデカスタブLA−68、アデカスタブLA−63(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル−および3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラキスピロ[5,5]ウンデカンブタンテトラカルボン酸エステル)、アデカスタブLA−77(ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート)、アデカスタブLA−82、アデカスタブLA−87が例示できる。

0043

本発明ではこれらの内の1種を単独で使用できるほか、2種以上を併用することもできる。特に、紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤とを併用すると、作用機序が異なるため光安定化効果が強くなり、好ましい。本発明では、これらの中で、光安定剤のブリードがより小さくなることから、分子量が300以上の光安定剤や、分子内に1つ以上のラジカル重合性二重結合を有する光安定剤が好ましい。

0044

本発明の塗料組成物において配合できる光安定剤の添加量は、特に制限されるものではないが、樹脂組成物中に0.01〜5.0重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.1〜2.0重量%である。この範囲で十分な紫外線による劣化を防止できると共に、配合によりブリードを生ずることがないからである。

0045

(3)重合性不飽和単量体
本発明の硬化性樹脂組成物には、更に、重合性不飽和単量体を配合することができる。この様な重合性不飽和単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート,2−アセトアセチルエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート,1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート,1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドンジエチレングリコールジビニルエーテル等が挙げられる。

0046

本発明での硬化性樹脂組成物において配合できる重合性不飽和単量体の割合は、5〜80重量%の範囲で添加することが好ましく、より好ましくは20〜70重量%の範囲である。5重量%を下回ると得られる樹脂組成物の粘度が高くなり作業性が低下すると共に、硬化性が低下する虞れがある。一方、80重量%を越えると、樹脂組成物の強度物性が低下する虞れがある。

0047

(4)他の添加物
本発明の硬化性樹脂組成物は、配合する重合性官能基含有化合物の種類や、硬化方法によって、更に他の添加剤を添加することができる。

0048

たとえば、メチルエチルケトンパーオキサイドメチルイソブチルケトンパーオキサイドシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、プロピオニルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドベンゾイルパーオキサイドターシャリブチルパーオキサイド、ターシャリブチルハイドロオキサイド、ターシャリブチルクミルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド、ジ−n−プロピルパーオキシカーボネートジメトキシプロピルパーオキシカーボネート等の有機過酸化物や、アゾビスイソブチロニトリル類等のラジカル重合性化合物硬化させる熱硬化触媒ベンゾインエチルベンゾインエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、イソプロピルエーテルイソプロピルベンゾインエーテル、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等のラジカル重合性化合物を硬化させる紫外線硬化触媒アンモニウム塩化合物スルホニウム塩化合物ホスホニウム塩化合物ヨードニウム塩化合物等のカチオン重合性化合物を硬化させるカチオン重合開始剤等をさらに含むものでもよい。

0049

(5)塗料組成物
本発明の塗料組成物は、上記硬化性樹脂組成物を含有することを特徴とし、硬化性樹脂組成物をそのまま塗料組成物として使用できるほか、更に塗料組成物に一般に配合する公知の他の添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、レベリング剤顔料分散剤抗酸化剤粘性改質剤金属不活性化剤過酸化物分解剤充填剤補強剤可塑剤潤滑剤、防食剤防錆剤乳化剤鋳型脱色剤蛍光性増白剤有機防炎剤無機防炎剤、滴下防止剤溶融流改質剤静電防止剤等の各種添加剤のほか、黄鉛モリブデートレンジ紺青カドミウム系顔料チタン白複合酸化物顔料、透明酸化鉄等の無機顔料、環式高級顔料溶性アゾ顔料銅フタロシアニン顔料、染付顔料等の顔料がある。なお、塗料組成物を紫外線で硬化する場合は、言うまでもなく、光安定剤の配合量は硬化を阻害しないように選択される。また、本発明の塗料組成物には、複合微粒子を配合することができる。これにより、更に靭性および耐汚染性を向上させることができるのである。

0050

(6)複合微粒子
本発明の塗料組成物には複合粒子を配合できるのであるが、このような複合粒子としては例えば、特開平10−330409号公報に開示されているものを配合できる。この複合微粒子は、無機部分有機ポリマーとからなる微粒子である。

0051

無機部分と有機ポリマーは一体化していることが好ましく、無機部分と有機ポリマーが固定されることで達成されてもよく、後述するように有機質部分と無機質部分を有する含珪素ポリマー加水分解縮合することで無機部分を形成すると同時に有機ポリマーとの一体化を達成してもよい。前記において、固定とは、一時的な接着や付着を意味するのでなく、複合微粒子を溶剤で洗ったときに洗液中に有機ポリマーが検出されないことを意味し、この現象は、有機ポリマーと無機部分との間で化学結合が生成していることを強く示唆している。

0052

前記無機部分は、実質的に無機物からなればよく、構成する元素の種類を問わないが、無機酸化物が好ましく用いられる。

0053

前記無機酸化物は、金属元素が主に酸素原子との結合を介して3次元ネットワークを構成した種々の含酸素金属化合物と定義される。無機酸化物を構成する金属元素としては、たとえば、元素周期律表II−VI族から選ばれる元素が好ましく、III−V族から選ばれる元素がさらに好ましい。その中でも、Si、Al、Ti、Zrから選ばれる元素が特に好ましい。金属元素がSiが製造し易く、しかも入手が容易であるので、最も好ましい。

0054

無機酸化物は、その構造中に、有機基や水酸基を含有することがある。これらの基は、後述する原料となる金属化合物に由来する各種の基が残留して含まれたりする。前記有機基とは、たとえば、置換されていてもよい炭素数20以下のアルキル基、シクロアルキル基アリール基アラルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種である。無機部分を構成する無機酸化物は、1種のみである必要はなく、2種以上であっても良い。

0055

無機部分はアルコキシ基を含有することが出来る。アルコキシ基の含有量は、好ましくは複合微粒子1g当たり0.01〜50mmolである。アルコキシ基は複合微粒子の骨格を構成する金属元素に結合したRaO基を示し、Raは置換されていてもよいアルキル基であり、RaO基が複数あるとき、RaO基は同一であってもよく異なっていてもよい。Raの具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル等が挙げられる。アルコキシ基は、複合微粒子の有機媒体との親和性や有機媒体中での分散性を捕捉的に向上さ得る。

0056

前記有機ポリマーは、通常は、複合微粒子の表面に存在するが、その一部が複合微粒子の内部に包含されることがある。有機ポリマーの一部が複合微粒子の内部に包含されていると、複合微粒子に適度な柔軟性と靱性を付与することができる。

0057

有機ポリマーは、複合微粒子の樹脂内での分散性や有機媒体との親和性の向上に寄与するほか、この有機ポリマー自体がバインダーマトリックスとして寄与することもある。有機ポリマーの構造は、直鎖状、分枝状、架橋構造等、任意である。

0058

有機ポリマーを構成する樹脂の具体例としては、たとえば、(メタ)アクリル樹脂ポリスチレンポリ酢酸ビニルポリオレフィンポリ塩化ビニルポリ塩化ビニリデン、ポリエステルおよびこれらの共重合体であり、これらをアミノ基、エポキシ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等の官能基で一部変性した樹脂等であってもよい。これらのうち、(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリルスチレン系樹脂、(メタ)アクリル−ポリエステル系樹脂等の(メタ)アクリル単位を含む有機ポリマーは、塗膜形成能を有し、塗料等の被膜形成組成物用途に好適である。上記(メタ)アクリル単位としては、たとえば、メチルアクリレート単位、エチルアクリレート単位、メチルメタクリレート単位や、ポリエチレングリコール側鎖等の水酸基を有する(メタ)アクリレート単位等の極性の高い側鎖を有する単位、を挙げることができ、これらの単位は被膜の耐汚染性を向上させる。

0059

有機ポリマーの平均分子量は、特に限定されないが、有機溶剤に対する溶解性や複合微粒子の製造し易さ等を考慮すると、200,000以下であるのが好ましく、50,000以下であるのがさらに好ましい。複合微粒子における無機部分と有機ポリマーの相互割合は、特に制限されないが、無機部分が有する硬度耐熱性などの特性をより効果的に発揮させるためには無機部分の含有率をできるだけ高めるのが有利であり、このような観点から無機部分の含有率は50−99.5重量%であることが好ましい。

0060

なお、複合微粒子とその製造方法の詳細は、特開平7−178335号および特願平8−147826号に記載されている。

0061

本発明で塗料成物中に配合する上記複合微粒子の粒子径は、特に制限されるものではない。塗料組成物の膜形成成分である上記ビニルエステルにおいて、適宜平均分子量やビニルエステルにおけるラジカル重合性二重結合1つ当たりの平均分子量を選択することで、被膜の架橋の程度などを調整することができ、特に複合粒子の平均粒子径に関わらずこれを塗料組成物中に配合することができるからである。従って、該平均粒子径は、使用目的に応じて適宜選択することができるのであり、好ましくは5〜200nmであり、より好ましくは5〜100nmである。複合微粒子の平均粒子径が5nm未満であると、複合微粒子の表面エネルギーが高くなり、複合微粒子の凝集が起こる場合がある。一方、平均粒子径が200nmを超えると、被膜の透明性が低下する場合がある。

0062

また、複合微粒子の粒子径の変動係数粒子径分布)も特に制限はなく、使用目的に応じて適宜選択することができる。但し、該粒子径分布は50%以下であることが好ましく、より好ましくは30%以下である。複合微粒子の粒子径分布が広すぎると、すなわち、粒子径の変動係数が50%を超えると、被膜表面の凹凸激しくなり、被膜の平滑性が失われる場合があるからである。

0063

本発明の塗料組成物に配合する該複合微粒子の割合は特に限定がないが、好ましくは塗料成物全体の5〜60重量%、さらに好ましくは10〜40重量%であることが好ましい。複合微粒子の配合割合が5重量%未満であると、被膜の耐汚染性、耐擦り傷性および表面硬度が低下する場合がある。他方、複合微粒子の配合割合が60重量%を超えると、被膜の密着性および強靱性が低下する場合がある。

0064

(7)硬化方法
本発明の硬化性樹脂組成物や塗料組成物を硬化する方法については、特に限定はなく、たとえば、加熱や、紫外線、電子線等の活性エネルギー線照射によって硬化する方法を挙げることができる。なお、活性エネルギー線は、α線β線γ線等の電離放射線や、マイクロ波高周波可視光線赤外線レーザー光線等でもよく、ラジカル活性種またはカチオン活性種を発生させるいかなるエネルギー種でもよい。このような活性エネルギー線の発生源としては、たとえば、キセノンランプ低圧水銀灯高圧水銀灯超高圧水銀灯メタルハライドランプ等を挙げることができ、これらは硬化反応が起こる波長を考慮して選択される。

0065

本発明の硬化性樹脂組成物はラジカル重合性化合物であるが、これに熱硬化触媒または紫外線硬化触媒をさらに含有すると、それぞれ、加熱または紫外線の照射で硬化させることができる。

0066

硬化性樹脂組成物を紫外線照射で硬化させる方法としては、紫外線を発生させる光源の種類、光源と塗布面との距離等の条件によって異なるが、たとえば、波長1000〜8000オングストロームの紫外線を、通常数秒間、長くとも数十秒間照射する方法を挙げることができる。硬化性樹脂組成物を電子線照射で硬化させる方法としては、たとえば、通常50〜1000kV、好ましくは100〜300kVの加速電圧で、照射線量が10〜200kGy程度となるように電子線を照射する方法を挙げることができる。電子線照射は、大気中で行ってもよいが、窒素等の不活性ガス中で行うのが好ましい。吸収線量については被膜中に溶剤が残留しないように決定する必要がある。

0067

紫外線照射または電子線照射後、必要に応じて、加熱を行い、硬化を完全なものにすることもできる。本発明の硬化性樹脂組成物は、たとえば、アルミニウムステンレス、トタンブリキ鋼板コンクリートモルタルスレートガラス等の無機素材;木材、ポリカーボネートポリメチルメタクリレートポリエチレンテレフタレート等のプラスチック、紙等の有機素材等からなる基板またはフィルム等の基材、更にこれらの基材上にあらかじめグラビア印刷などで印刷が施されたものに塗布されて被膜を形成することができる。塗布は、浸漬、吹き付け、刷毛塗りカーテンフローコータロールコート、スピンコート、バーコート、静電塗装等の常法によって行うことができる。

0068

本発明の硬化性樹脂組成物は、紫外線や電子線によって容易に硬化させることができる。本発明の硬化性樹脂組成物、特に電子線で硬化させることが好ましい。紫外線硬化相違し、電子線硬化によれば、その重合反応開始を早めるために触媒的な役割をなす光重合開始剤増感剤を被硬化塗工剤組成に添加する必要がないからである。

0069

以下に、この発明の実施例を比較例と合わせて示す。なお、本発明は、特定のビニルエステルと光安定剤とを含有する硬化性樹脂組成物であり、これにより光安定剤がブリードを生ずることなく長期間に亘り耐候性、耐久性に優れる被膜を与える硬化性樹脂組成物が得られるのである。光安定剤のブリードの評価は被膜の耐候性が急速に低下する現象としてとらえ、耐候性を評価項目とした。

0070

なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。以下の合成例、実施例および比較例において、「%」は「重量%」を示す。

0071

(合成例1:ビニルエステル(1)の合成)温度計攪拌機ガス導入管および、還流冷却管を備えた四つ口フラスコ反応容器とし、これに多価アルコールとしてネオペンチルグリコール104重量部、脂環式飽和二塩基酸としてヘキサヒドロ無水フタル酸308重量部を仕込み窒素気流中で撹拌しながら、内容物を200℃まで昇温し、この温度で30分間反応を行った。この際、内容物の酸価は265mgKOH/gであった。

0072

次いで、上記フラスコの内容物を115℃まで冷却し、エポキシ基を有する(メタ)アクリレートとして、グリシジルメタアクリレート284重量部、触媒としてオクチル酸亜鉛2.1重量部、重合禁止剤としてメトキシハイドロキノン0.07重量部を加え、空気気流中115℃で4時間反応させ、ビニルエステル(1)を得た。このビニルエステル(1)は酸価1mgKOH/g未満、数平均分子量700であった。

0073

(合成例2:ビニルエステル(2)の合成)合成例1において、脂環式飽和二塩基酸としてヘキサヒドロ無水フタル酸の代わりにシクロヘキサンジカルボン酸344重量部を使用する以外は合成例5と同様に操作して、ビニルエステル(2)を得た。このビニルエステルは酸価1.5mgKOH/g未満、数平均分子量710であった。

0074

(合成例3:ビニルエステル(3)の合成)合成例1において、多価アルコールとしてネオペンチルグリコール52重量部、1,4−ブタンジオール45重量部を使用する以外は合成例5と同様に操作して、ビニルエステル(3)を得た。このビニルエステルは酸価1mgKOH/g未満、数平均分子量685であった。

0075

(比較合成例1:比較ビニルエステル(1)の合成)合成例1において、ヘキサヒドロ無水フタル酸の代わりに無水フタル酸148重量部を使用する以外は合成例5と同様に操作して、比較ビニルエステル(1)を得た。このビニルエステルは酸価1mgKOH/g未満、数平均分子量690であった。

0076

(比較合成例2:比較ビニルエステル(2)の合成)合成例1と同様の反応容器に水添ビスフェノール型エポキシ樹脂(新日本理化(株)製商品リカレジンHBE−100、平均エポキシ当量220)220重量部、アクリル酸72重量部、触媒としてトリフェニルホフホニウムブロマイド0.9重量部、メトキシハイドロキノン0.03重量部を仕込み、空気気流中115℃で7時間撹拌しながら反応させ、比較ビニルエステル(2)を得た。このビニルエステルは酸価7.0mgKOH/g未満、数平均分子量590であった。

0077

(合成例4:重合性ポリシロキサン(S−1))攪拌機、温度計および冷却管を備えた300mlの四つ口フラスコにテトラメトキシシラン144.5g、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン23.6g、水19g、メタノール30.0g、アンバーリスト15(ロームアンドハースジャパン社製陽イオン交換樹脂)5.0gを入れ、65℃で2時間攪拌し、反応させた。反応混合物を室温まで冷却した後、冷却管に代えて蒸留塔、これに接続させた冷却管および流出口を設け、常圧下に80℃まで2時間かけて昇温し、メタノールが流出しなくなるまで同温度で保持した。さらに、200mmHgの圧力で90℃の温度で、メタノールが流出しなくなるまで同温度で保持し、反応をさらに進行させた。再び、室温まで冷却した後、アンバーリスト15を濾別し、数平均分子量が1800の重合性ポリシロキサン(S−1)を得た。

0078

(合成例5:含珪素ポリマー(P−1))攪拌機、滴下口、温度計、冷却管およびN2ガス導入口を備えた1リットルのフラスコに、有機溶剤としてトルエン200gを入れ、N2ガスを導入し、攪拌しながらフラスコ内温を110℃まで加熱した。ついで重合性ポリシロキサン(S−1)20g、メチルメタクリレート80g、エチルアクリレート80g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート20g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル6gを混合した溶液を滴下口より2時間かけて滴下した。滴下後も同温度で1時間攪拌続けた後、1,1’−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.4gを30分おきに2回添加し、さらに2時間加熱して共重合を行い、数平均分子量が13,000の含珪素ポリマー(P−1)がトルエンに溶解した溶液を得た。得られた含珪素ポリマー(P−1)の固形分は49.0%であった。

0079

(合成例6:複合微粒子分散体(Z−1))攪拌機、2つの滴下口(滴下口イおよび滴下口ロ)、温度計を備えた500mlの四つ口フラスコに、酢酸ブチル200g、メタノール50gを入れておき、内温を20℃に調整した。ついでフラスコ内を攪拌しながら、含珪素ポリマー(P−1)の酢酸ブチル溶液20g、テトラメトキシシラン30g、酢酸ブチル20gの混合液原料液A)を滴下口イから、25%アンモニア水20g、メタノール20gの混合液(原料液B)を滴下口ロから、1時間かけて滴下した。滴下後、同温度で2時間攪拌を続け、複合微粒子分散体(Z−1)を得た。得られた分散体の複合微粒子濃度、複合微粒子中の無機物含有量、複合微粒子の平均粒子径と変動係数、複合微粒子中のアルコキシ基含有量を表1に示す。

0080

(合成例7:複合微粒子分散体(Z−2))攪拌機、温度計、冷却管および流出口が接続した蒸留塔を備えた500mlの四つ口フラスコに、複合微粒子分散体(Z−1)を400g入れ、110mmHgの圧力下、フラスコ内温を100℃まで昇温し、アンモニア、メタノール、酢酸ブチルを固形分濃度が30%となるまで留去し、複合微粒子が酢酸ブチルに分散した分散体(Z−2)を得た。得られた分散体の複合微粒子濃度、複合微粒子中の無機物含有量、複合微粒子の平均粒子径と変動係数、複合微粒子中のアルコキシ基含有量を表1に示す。

0081

(複合微粒子の評価方法)上記で得られた複合微粒子分散体について、得られた分散体の複合微粒子濃度、複合微粒子中の無機物含有量、複合微粒子の平均粒子径と変動係数、複合微粒子中のアルコキシ基含有量は下記の方法で分析、評価した。

0082

(1)複合微粒子濃度
複合微粒子分散体を100mmHgの圧力下、130℃で24時間乾燥し、下記の式より求めた。

0083

複合微粒子濃度(重量%)=100×D/W
(ここで、D:乾燥後の複合微粒子の重量(g)
W:乾燥前の複合微粒子分散体の重量(g))
(2)複合微粒子中の無機物含有量
複合微粒子分散体を100mmHgの圧力下、130℃で24時間乾燥したものについて元素分析を行い、灰分を複合微粒子中の無機物含有量とした。

0084

(3)平均粒子径および変動係数
動的光散乱測定法で、下記の装置を用いて、23℃で測定した。測定した平均粒子径は、体積平均粒子径である。

0085

装置:サブミクロン粒子径アナライザー(野崎産業株式会社製、NICOMPMODEL 370)
測定試料:複合微粒子濃度が0.1〜2.0重量%のテトラヒドロフランに分散させた複合微粒子分散体(複合微粒子中の有機ポリマーが、テトラヒドロフランに溶けない場合は有機ポリマーが溶解する溶媒に分散させた分散体)。変動係数:変動係数は、下式で求められる。

0086

変動係数(%)=複合微粒子の粒子径の標準偏差/複合微粒子の平均粒子径
(4)複合微粒子中のアルコキシ基含有量
複合微粒子分散体を、100mmHgの圧力下、130℃で24時間乾燥したもの5gを、アセトン50g、2N−NaOH水溶液50gの混合物に分散させ、室温で24時間攪拌した。その後、ガスクロマトグラフ装置液中のアルコールを定量し、複合微粒子のアルコキシ基含有量を算出した。

0087

0088

(実施例1〜3、比較例1〜4:硬化性樹脂組成物の調製)上記合成例1〜3、比較合成例1、2で得たビニルエステルと、重合性不飽和単量体として、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)および1,6−ヘキサンジオールアクリレート(1,6−HXDA)と、複合微粒子の分散液(z−2)と、光安定剤として紫外線吸収剤である2−[2−ヒドロキシ−3,5−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール(分子量448)(チバスペシャリティーケミカルズ製、商品名チヌビン900)、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(分子量225)(チバスペシャリティーケミカルズ製、商品名チヌビンP)、および2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(分子量323)(大塚化学(株)製、商品名RUVA−93)を、表1および2に示す配合量で均一に撹拌し、本発明にかかる硬化性樹脂組成物(実施例1〜4)と比較の硬化性樹脂組成物(比較例1〜4)とを得た。

0089

硬化試験)実施例1〜3および比較例1〜4で得た硬化性樹脂組成物を白色ペイント処理をしたアルミ板乾燥塗膜厚が20μmとなるようにバーコーターで塗装し、80℃の熱風乾燥機に5分間入れ、更にエリヤビーム型電子線照射装置(日新ハイボルテージ(株)製)を用いて、窒素雰囲気中、加速電圧200kV、照射線量100kGy、コンベヤスピード5m/min、1パスで電子線を照射して、試験板を得た。得られた試験板について以下の評価方法により評価した。その結果を表1および2に示す。

0090

(硬化試験板の評価方法)
(1)耐汚染性
塗膜に0.05%カーボン水溶液刷毛で30回塗布し、80℃で1時間強制乾燥した後、水洗した時の汚れの付着の程度を目視で確認した。評価は、◎:付着なし、 ○:殆ど付着なし、 △:やや付着あり、 ×:付着あり、とした。

0091

(2)耐候性:サンシャインウェザーメーター(スガ試験機製)を用いて、1000時間、2000時間後の塗膜の色差光沢保持率を測定すると共に、表面のクラックの発生の有無を目視で観察することにより評価した。

0092

0093

(結果)
(1)実施例1〜4の硬化性樹脂組成物は、光安定剤との併用により、1000時間および2000時間時のいずれにおいてもその塗膜が全くクラックを生ずることがなく、同時に耐汚染性にも優れるものであった。これに対し、ビニルエステル中に脂環式飽和二塩基酸に代えて芳香族二塩基酸を使用した比較例1および3と比較すると、比較例1では1000時間時において既にクラックが発生し、色差も大きかった。これは比較例1の樹脂の酸化劣化が激しいことを示すものと考えられる。また、比較例3では、2000時間測定時にクラックが発生し、かつ1000時間時および2000時間時の双方で色差及び光沢保持率が低下する結果となった。これらの結果は、光安定剤を配合する本発明の硬化性樹脂組成物がきわめて耐候性に優れる樹脂塗膜を提供することを示すものであり、樹脂自体が耐候性に優れるとともに配合した光安定剤の効果が発揮された結果を示すものと考えられる。

0094

(2)また、実施例1〜4と比較例4とを比べると、光安定剤を配合しない比較例4では、1000時間時および2000時間時の双方において色差および光沢保持率の低下が顕著であった。実施例1〜4の樹脂組成物はそれ自体の優れる耐候性とともに光安定剤との併用によりより耐候性に優れる塗膜を提供することを示すものである。

0095

(3)実施例1〜4と比較例2とを比べると、比較例2の塗膜はポリエステル部分がないため塗膜に弾性がなく、2000時間時においてクラックが発生した。本発明の硬化性樹脂組成物は、特定のビニルエステルを使用することで、比較例2の樹脂と比較して際だつ優れた効果が得られた。

発明の効果

0096

本発明の硬化性樹脂組成物は、特定の構造の硬化性樹脂組と光安定剤とを併用することで、耐候性および耐汚染性に優れるだけでなく、耐久性に優れた被膜を形成できる等の効果を有する。

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