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技術 多孔体の製造方法

出願人 株式会社朝日ラバー株式会社プリンス技研
発明者 大谷国彦前田瑞穂高松秀雄高木和久根本雅司
出願日 1999年6月24日 (20年8ヶ月経過) 出願番号 1999-178893
公開日 2001年1月9日 (19年2ヶ月経過) 公開番号 2001-002825
状態 特許登録済
技術分野 多孔性物品の製造および廃物の回収・処理
主要キーワード 高機能フィルタ 水洗段階 多孔体原料 多孔性体 孔成形体 多孔性成形体 送出圧力 フォームラバー
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課題

気孔形成材を多量に添加しても成形することができ、気孔率を自由に調整した多孔体を製造することができる多孔体の製造方法を提供する。

解決手段

常温固体である気孔形成材を、高分子物質に分散させてなる成形材料を、該気孔形成材が溶融する温度で成形して充実成形体を作製し、該充実成形体を、該高分子物質は溶解しないが該気孔形成材は溶解する溶媒洗浄することにより気孔を形成する。前記気孔形成材としては有機化合物、特に融点が40〜300℃の多価アルコールが好ましく用いられ、高分子物質としてはポリスチレン系エラストマーが好ましく用いられる。

概要

背景

多孔体を製造する方法としては、例えば、樹脂に、炭酸ガスアンモニアガス等の揮発発泡剤や、アゾジカルボンジアミドジニトロソペンタメチレンテトラミン等の分解型発泡剤を混合してなる成形材料を用いる方法がある。この方法は、発泡剤が、加熱成形時に揮発又は分解により揮発ガスを発生して、気孔を形成する方法である。

発泡剤によって気孔を形成する方法では一般に独立気泡タイプの多孔体が成形されるので、通気性を要する多孔体の製造方法としては不適当である。また、形成される個々の気孔が一般に大きくなる傾向にあるので、クッション性防音性などの高機能が要求される多孔体を製造する方法としても不適当である。さらに、発泡剤のすべてが発泡するとは限らず、発泡剤が多孔体中に残存するおそれがある。発泡剤の残存は、得られる多孔体の気孔率予測を困難にするばかりではなく、アンモニアジニトロテトラミンのような人体に有害な発泡剤を用いる場合、例えば耳栓のように人体に直接接触する多孔体の製造方法に利用できない。

フォームラバーを製造する方法としては、ラテックスに、凝固剤とともに発泡剤を含有させて成形する方法が一般的であり、ウレタンフォームのような多孔体を製造する方法としては、プレポリマーに、硬化反応触媒及びフレオンや水を発泡剤として混合してなる成形材料を成形する方法が一般的であるが、いずれも気孔を形成する機構が発泡剤からの揮発ガスの発生にあることから、上記と同様の問題がある。

発泡ポリエチレンのように、発泡剤で発泡しつつ、電子線を照射して樹脂を架橋させる多孔体の製造方法では、気孔率を制御することは可能であるが、電子線の照射は生産コストの増大の原因となる。また、発泡剤の残存の問題は、依然として残っている。

一方、比較的安価な製造方法で、気孔率の予測制御が可能な方法として、塩化ナトリウム硫酸ナトリウムなどの粉末状の気孔形成材(以下、このような塩の気孔形成材を「塩型気孔形成材」という)を、樹脂やゴムに添加して成形し、得られた成形体を水で洗浄して、気孔形成材である塩を溶出することにより気孔を形成する多孔体の製造方法が提案されている(脱塩法)。

概要

気孔形成材を多量に添加しても成形することができ、気孔率を自由に調整した多孔体を製造することができる多孔体の製造方法を提供する。

常温固体である気孔形成材を、高分子物質に分散させてなる成形材料を、該気孔形成材が溶融する温度で成形して充実成形体を作製し、該充実成形体を、該高分子物質は溶解しないが該気孔形成材は溶解する溶媒で洗浄することにより気孔を形成する。前記気孔形成材としては有機化合物、特に融点が40〜300℃の多価アルコールが好ましく用いられ、高分子物質としてはポリスチレン系エラストマーが好ましく用いられる。

目的

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、気孔形成材を多量に添加しても成形することができ、気孔率を自由に調整した多孔体を製造することができる多孔体の製造方法を提供するにある。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
6件

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請求項1

常温固体である気孔形成材を、高分子物質に分散させてなる成形材料を、該気孔形成材が溶融する温度で成形して充実成形体を作製し、該充実成形体を、該高分子物質は溶解しないが該気孔形成材は溶解する溶媒洗浄することにより気孔を形成することを特徴とする多孔体の製造方法。

請求項2

前記気孔形成材は、前記高分子物質の成形温度で溶融する有機化合物である請求項1に記載の多孔体の製造方法。

請求項3

前記気孔形成材は、融点が40〜300℃の多価アルコールである請求項2に記載の多孔体の製造方法。

請求項4

前記気孔形成材は、ペンタエリスリトールである請求項3に記載の多孔体の製造方法。

請求項5

前記溶媒が水である請求項3又は4に記載の多孔体の製造方法。

請求項6

前記高分子物質は、架橋により硬化して成形体を形成するポリマーである請求項1〜5のいずれかに記載の多孔体の製造方法。

請求項7

前記高分子物質は、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーである請求項1〜5のいずれかに記載の多孔体の製造方法。

請求項8

前記高分子物質がポリスチレン系エラストマーである請求項7に記載の多孔体の製造方法。

請求項9

前記充実成形体の作製は、射出成形または押し出し成形により行なう請求項1〜8のいずれかに記載の多孔体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、多孔体の製造方法に関し、より詳細には気孔率の調節が可能で、従来の射出成形機押出し成形機等を用いて、50容積%以上の気孔率を有する高気孔率の多孔体製造することができ、さらには身体に直接接触することができるような衛生的な多孔体を製造できる多孔体の製造方法に関するものである。

背景技術

0002

多孔体を製造する方法としては、例えば、樹脂に、炭酸ガスアンモニアガス等の揮発発泡剤や、アゾジカルボンジアミドジニトロソペンタメチレンテトラミン等の分解型発泡剤を混合してなる成形材料を用いる方法がある。この方法は、発泡剤が、加熱成形時に揮発又は分解により揮発ガスを発生して、気孔を形成する方法である。

0003

発泡剤によって気孔を形成する方法では一般に独立気泡タイプの多孔体が成形されるので、通気性を要する多孔体の製造方法としては不適当である。また、形成される個々の気孔が一般に大きくなる傾向にあるので、クッション性防音性などの高機能が要求される多孔体を製造する方法としても不適当である。さらに、発泡剤のすべてが発泡するとは限らず、発泡剤が多孔体中に残存するおそれがある。発泡剤の残存は、得られる多孔体の気孔率の予測を困難にするばかりではなく、アンモニアジニトロテトラミンのような人体に有害な発泡剤を用いる場合、例えば耳栓のように人体に直接接触する多孔体の製造方法に利用できない。

0004

フォームラバーを製造する方法としては、ラテックスに、凝固剤とともに発泡剤を含有させて成形する方法が一般的であり、ウレタンフォームのような多孔体を製造する方法としては、プレポリマーに、硬化反応触媒及びフレオンや水を発泡剤として混合してなる成形材料を成形する方法が一般的であるが、いずれも気孔を形成する機構が発泡剤からの揮発ガスの発生にあることから、上記と同様の問題がある。

0005

発泡ポリエチレンのように、発泡剤で発泡しつつ、電子線を照射して樹脂を架橋させる多孔体の製造方法では、気孔率を制御することは可能であるが、電子線の照射は生産コストの増大の原因となる。また、発泡剤の残存の問題は、依然として残っている。

0006

一方、比較的安価な製造方法で、気孔率の予測制御が可能な方法として、塩化ナトリウム硫酸ナトリウムなどの粉末状の気孔形成材(以下、このような塩の気孔形成材を「塩型気孔形成材」という)を、樹脂やゴムに添加して成形し、得られた成形体を水で洗浄して、気孔形成材である塩を溶出することにより気孔を形成する多孔体の製造方法が提案されている(脱塩法)。

発明が解決しようとする課題

0007

脱塩法では、気孔形成材の溶出部分が気孔となり、しかも気孔形成材自体は成形の過程膨張、発泡等することはないので、気孔率に見合う量の気孔形成材を含有させる必要がある。従って、気孔率50%の多孔体を製造しようとする場合、気孔形成材を、樹脂成分に対して容積率で50容積%以上添加する必要がある。

0008

しかし、塩型気孔形成材の含有率が50容積%以上という成形材料を成形することは困難である。つまり、塩型気孔形成材は融点が高いために、通常、樹脂の成形温度では固体(粉末)のままである。このため、塩型気孔形成材の含有量が多くなるほど成形材料の流動性が低下し、塩型気孔形成材50容積%以上を含有する成形材料では、成形に必要な流動性(MFR値)を得ることはできない。特に射出成形押出し成形などでは、ダイを通過する際や金型内射出する際に液体状態の樹脂成分は押出しまたは射出されても、粉末状の塩型気孔形成材は十分に押し出し又は射出されない。このため、塩型気孔形成材を多量に含有させたにも拘わらず、含有されている気孔形成材の量が少ない成形体や、気孔形成材が成形体内部だけに含有されている不均一な成形体が得られたりする。気孔形成材の含有量の減少は気孔率の低下をもたらすことになる。そして、不均一な成形体からは、不均一な多孔性成形体しか得られないばかりか、成形体表面に存在する気孔形成材が少なすぎるために、水洗段階で気孔形成材を十分に溶出することができず、結局、気孔率が低い多孔体しか得られないことにもなる。

0009

一方、成形温度を上げて、樹脂成分の流動性を高めることも考えられる。しかし、この場合であっても、塩型気孔形成材は粉末状で成形材料中に存在することとなるため、ダイを通過する際又は金型内に射出する際に、気孔形成材は樹脂成分に比べて押し出されにくい又は射出されにくく、結果として気孔率の高い多孔体を製造できない。

0010

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、気孔形成材を多量に添加しても成形することができ、気孔率を自由に調整した多孔体を製造することができる多孔体の製造方法を提供するにある。

課題を解決するための手段

0011

本発明者等は、個々の気孔が微少でしかも多孔体全体にわたって気孔が略均一に存在する多孔体を製造でき、さらには高い気孔率の多孔体を容易に製造できる製造方法について鋭意研究を重ねた結果、いわゆる脱塩方式の多孔体製造方法において、常温では固体であるが、多孔体の骨格を形成する高分子物質の成形温度では溶融して液体状態として存在することができる気孔形成材を用いることにより、気孔形成材の添加量が多くても従来のように流動性は低下することがなく良好な成形を行うことができることを見い出し、本発明を完成した。

0012

すなわち、本発明の多孔体の製造方法は、常温で固体である気孔形成材を、高分子物質に分散させてなる成形材料を、該気孔形成材が溶融する温度で成形して充実成形体を作製し、該充実成形体を、該高分子物質は溶解しないが該気孔形成材は溶解する溶媒で洗浄することにより気孔を形成することを特徴とする。

0013

前記気孔形成材は、前記高分子物質の成形温度で溶融する有機化合物であることが好ましく、より好ましくは融点が40〜300℃の多価アルコールであり、ペンタエリスリトールが好ましく用いられる。

0014

また、前記気孔形成材が融点が40〜300℃の多価アルコールの場合、前記溶媒が水であることが好ましい。

0015

前記高分子物質は、架橋により硬化して成形体を形成するポリマーであってもよいし、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーであってもよい。好ましくはポリスチレン系エラストマーである。

0016

前記充実成形体の作製は、射出成形または押し出し成形により行なうことが好ましい。

発明を実施するための最良の形態

0017

はじめに、本発明の多孔体の製造方法で用いる成形材料について説明する。

0018

本発明の方法で用いる成形材料は、常温では固体である気孔形成材を、高分子物質に分散させてなるものである。

0019

上記気孔形成材としては、常温で固体であって、成形温度で溶融するものであればよい(以下、本発明で用いる気孔形成材を「溶融可能型気孔形成材」と称して、従来の塩型気孔形成材と区別する)。ここで、成形温度とは、多孔体の骨格部分を形成する高分子物質の種類により異なるが、後述するように、本発明においては、一般に100〜300℃程度で成形される高分子物質を使用する。従って、溶融可能型気孔形成材としては、100〜300℃で溶融する化合物、好ましくは有機化合物が用いられる。具体的には、融点が40〜300℃程度、好ましくは150〜300℃程度の有機化合物、好ましくは多価アルコールが挙げられる。

0020

融点が高すぎると、成形温度を高分子物質の溶融温度よりもかなり高い温度に設定する必要があり、高分子物質の焼け熱分解が起こるおそれがあり、またエネルギー的にも無駄だからである。つまり、従来より脱塩法で使用されている塩型気孔形成材についても、融解して液体とすることができるが、本発明で使用する溶融可能型気孔形成材は、高分子物質の成形温度付近で溶融するところに特徴がある。塩型気孔形成材は無機化合物に属し、一般に融点が高いため、塩型気孔形成材を液化しようとすると、高分子物質が溶融できる温度よりもかなり高い温度で成形することになるからである。また、塩型気孔形成材は、融解により液体としても有機性の高分子物質とは相溶性がないために、均一に高分子物質中に分散させることが困難だからである。この点、本発明の気孔形成材として、有機化合物を用いれば、高分子物質との相溶性に優れ、液体状態の高分子物質中に均一に分散されることができ、結果として均質な多孔体を得ることができる。

0021

溶融可能型気孔形成材に用いられる具体的有機化合物としては、ペンタエリスリトール、L−エリスリトール、D−エリスリトール、meso−エリスリトール、ピナコール等の炭素数2〜5程度の多価アルコール;尿素などが挙げられる。これらのうち、多価アルコールが好ましく、特にペンタエリスリトールが好ましい。多価アルコールを用いることにより、その親水性に基づいて、洗浄工程に用いる溶媒として水を選択することが可能となり、ペンタエリスリトールは、その純度にもよるが一般に180〜270℃で溶融するので、高分子物質の選択範囲が広く、しかも固化するのが速いので、充実成形体の冷却時間が短くて済み、生産性に優れているからである。

0022

尚、上記溶融可能型気孔形成材は、1種類だけ用いてもよいし、2種類以上混合して用いてもよい。2種類以上混合する場合には、溶融温度、溶出に用いる溶媒が共通した組み合わせを選択する必要がある。また、溶媒として水を用いる場合、溶融可能型気孔形成材とともに、従来の塩型気孔形成材を併用してもよい。但し、溶融という点からは、溶融可能型気孔形成材単独で使用することが好ましい。

0023

溶融可能型気孔形成材の気孔形成材の配合量は、製造しようとする多孔体の気孔率に応じて適宜選択することができる。すなわち、本発明の製造方法によれば、脱塩法の性格から、配合する気孔形成材の含有量に応じて気孔率を制御することができ、しかも従来の脱塩法のように成形材料の流動性による制限がないからである。従って、成形材料全体に対する容積率が50〜99容積%となる量の溶融可能型気孔形成材を配合することにより、従来の塩型気孔形成材を用いた脱塩法では射出成形、押し出し成形による製造が困難であった気孔率50〜99%という高気孔率の多孔性成形体を製造することが可能となる。さらに溶融可能型気孔形成体が多孔体内に残存しないようにするためには、溶融可能型気孔形成体を容積率で65容積%以上となる量を含有させることが好ましい。

0024

本発明で使用することができる高分子物質としては、液状状態として成形材料を調製することができるもの、あるいは液体状態で成形することができるものであればよい。液体状態を有することにより、溶融可能型気孔形成材が略均一に分散した成形材料を調製することができ、気孔が全体にわたって均一に存在する均質な多孔体を製造することができるからである。液体状態を有する高分子物質としては、温度を上げることによって溶融できる熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーは勿論、プレポリマーや液状ゴムのように成形初期には液体状態で、架橋により硬化する熱硬化型樹脂やゴムが挙げられる。

0025

熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂EVA樹脂エチレンα−オレフィン共重合体ポリプロピレンポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリカーボネート、POMなどが挙げられ、射出成形、押出し成形をするのに好適な樹脂が好ましく用いられる。成形材料における高分子物質としては、これらの熱可塑性樹脂の1種類だけであってもよいし、2種類以上のブレンド樹脂であってもよい。

0026

熱可塑性エラストマーとは、ゴム状弾性を示すソフトセグメント及び三次元網目結び目となるハードセグメントから構成され、常温ではゴム弾性を示し、高温可塑化するので、射出成形、押出し成形することができる。具体的には、ハードセグメントがポリスチレンでソフトセグメントがポリブタジエンポリイソプレン、又はこれらの水素添加物であるポリスチレン系エラストマー;ハードセグメントがポリエチレン又はポリプロピレンで、ソフトセグメントがブチルゴムやEPDM(エチレン−プロピレンジエン三共重合体)であるポリオレフィン系エラストマー;ハードセグメントがポリアミドでソフトセグメントがポリエステル又はポリエーテルであるポリアミド系エラストマー;ハードセグメントがポリエステルでソフトセグメントがポリエーテルであるポリエステル系エラストマー;ハードセグメントがウレタン結合を有するポリウレタンブロックでソフトセグメントがポリエステル又はポリエーテルであるポリウレタン系エラストマーなどが挙げられ、これらの1種、又は2種以上の混合物を高分子物質として用いてもよい。また、これらの熱可塑性エラストマーを上記熱可塑性樹脂と混合して用いることもできる。

0027

熱硬化型樹脂としては、初期縮合物である液状のプレポリマーを、本発明の高分子物質として用い、成形に際して、架橋硬化させればよい。具体的には、ウレタンプレポリマー不飽和ポリエステル樹脂エポキシ樹脂ノボラック樹脂レゾール樹脂などを用いることができる。これらは、硬化剤とともに用いてもよいし、射出成形や押出し成形に際して動的架橋して硬化させてもよい。

0028

ゴムとしては、天然ゴムエチレンプロピレンジエン3元共重合体(EPDM)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴムSBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)などの合成ゴムなどのゴム、さらには解重合により低分子量化した液状ゴムなどが用いられる。これらのうち、液状ゴムが、射出成形又は押し出し成形を採用することができるので好ましく用いられる。

0029

成形材料における上記高分子物質の配合量は、製造しようとする多孔体の気孔率に応じて適宜選択することができる。本発明の製造方法が特に有用とされる気孔率50%以上の多孔体を製造するためには、成形体の1〜50容積%、特に5〜35容積%となる量が好ましい。

0030

本発明で用いる成形材料には、上記高分子物質及び気孔形成体の他、必要により、老化防止剤可塑剤熱安定剤滑剤増粘剤難燃剤抗酸化剤紫外線吸収剤着色剤帯電防止剤強化材などの添加剤を添加してもよい。このような添加剤は、高分子物質100重量部に対して50重量部以下の範囲で添加することが好ましい。また、熱硬化型樹脂やゴムの場合には、動的架橋や熱反応により架橋硬化することもできるが、必要に応じて、加硫剤加硫促進剤、硬化剤、架橋剤など、高分子物質を硬化するための架橋系化合物を添加してもよい。

0031

高分子物質に、気孔形成材、添加剤が添加されている場合にはさらに添加剤を分散させて成形材料を調製する。成形材料の調製は、オーブンロールニーダーインテンシブミキサー単軸スクリュー押出機二軸スクリュー押出機などの装置を使用して、混練、混合することが好ましい。また、混練に先立ち、各構成成分を、ヘンシェルミキサー、V字型混合機ボールミルリボンブレンダータンブルミキサー等の混合機を用いて予め混合してもよい。

0032

以上のようにして調製される成形材料を成形機で成形して、充実成形体を作製する。成形温度は、高分子物質を成形できる温度で且つ溶融可能型気孔形成材が溶融する温度である。ここで、高分子物質を成形できる温度とは、高分子物質の種類に応じて異なるが、高分子物質が熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーの場合には、これらが溶融する温度であり、高分子物質がゴムや熱硬化型樹脂の場合には架橋硬化できる温度であり、一般に100〜300℃の温度範囲が好ましく用いられる。

0033

充実成形体を成形する方法としては、特に限定しないが、例えば圧縮成形トランスファ成形、射出成形、押出成形吹込成形カレンダ加工注型などが挙げられ、この中でも生産性の点から射出成形、押出成形が好ましく用いられる。射出成形は、加熱シリンダー内のスクリューによって可塑化・混練された溶融混練物を任意の形状に加工した金型中に高速高圧充填させた後、冷却・固化または反応・固化させて成形体を製造する方法であって、射出成型機の加熱シリンダーで前記の溶融混練が行われるので、予め溶融可能型気孔形成材を分散させた成形材料を調製する必要がないからである。しかも、本発明で用いる気孔形成材は成形時には溶融状態であるから、成形用金型に射出される際にも、高分子物質と分離することなく射出することができるからである。押出し成形についても、射出成形と同様、成形材料の溶融混練と成形を続いて行なうことができ、高分子物質中に気孔形成材が分散した状態でダイを通過して均質な成形体を作製することができるので好ましく用いられる。

0034

尚、射出成形の条件、押出し成形条件は、使用する高分子物質や気孔形成材の種類や量比によって適宜決定すればよいが、一例を挙げるならば、送出圧力射出速度などは次のように設定することができる。

0035

スクリュー回転数は、成形材料が過不足なく供給されるように一般的に100rpm程度とするのが好ましい。回転が速すぎると成形材料が十分に移送されず空気の巻き込みなどが生じ得るからである。またスクリュー回転時に油圧シリンダーに圧力を加えることにより成形材料の計量が安定する。加える圧力は、一般に5〜10kgf/cm2の範囲が好ましい。充填過程における射出速度は、成形体が薄肉の場合には高めに、厚肉の場合には低めにするのがよい。保圧過程における保圧力は充填時の圧力よりも低く設定するが、薄肉の成形体では冷却固化によるヒケ収縮シンクマーク)が小さいので低圧に、厚肉の成形体では収縮量が大きいのでヒケ収縮が発生しやすく比較的高圧にする必要がある。金型温度は低いほど冷却速度が速くなり生産性が向上するが、流動性が低下するために充填不良が生じたり、成形体表面の光沢が低下することがあるので、これに注意して用いる高分子物質の種類などから金型温度は適宜決定すればよい。

0036

以上のようにして作製した充実成形体を、上記高分子物質は溶解しないが溶融可能型気孔形成材は溶解する溶媒で洗浄する。

0037

上記溶媒としては、高分子物質および気孔形成材の種類によって適宜選択され、例えば水、グリコールグリコールエーテル高分子量アルコール脂肪酸脂肪酸エステルグリコールエステル鉱油石油アルコールエトキシレートポリオキシエチレンエステルグリセロールグリセロールエステルなどを挙げることができる。溶媒として有機溶剤などを使用した場合、後処理などの付帯設備が必要となるので、そのような設備が不要となる水を溶媒として使用できるような高分子物質と気孔形成材の組み合わせを選ぶのが望ましい。溶融可能型気孔形成材として、多価アルコールを用いた場合、溶媒として水が好適に使用できる。

0038

溶媒での洗浄工程により、充実成形体に含まれていた溶融可能型気孔形成材が溶媒に溶解して溶出されることとなる。洗浄工程において、充実成形表面に存在していた溶融可能型気孔形成材が溶出され、これにより形成される凹部から溶媒が次第に充実成形体内部へ侵入して、成形体内部に存在する溶融可能型気孔形成材を溶出する。このようにして、個々の気孔が微小連続気泡タイプの多孔体が形成される。

0039

本発明の製造方法で作成された多孔体としては、高分子物質の種類にもよるが、例えば耳栓や緩衝材保温材充填材化粧用パフ材、各種フィルターなどに用いることができる。本発明の製造方法により得られる多孔体は、連続気泡タイプであるから、通気性に優れ、しかも成形材料に含有される気孔形成体の大部分が洗浄工程にて実質的に除去されることになるので、衛生性や人体への安全が要求されるような耳栓、化粧用パフ材に利用することができる。また、本発明の方法により得られる多孔体は、成形材料に配合する溶融可能型気孔形成体の量により気孔率を調節することができ、しかも気孔が多孔体全体に略均一に存在する均質な多孔体で、且つ個々の気孔が微小であるから、従来の発泡剤を用いて製造される多孔体よりも防音性、遮断性、クッション性などの物性が優れている。よって、高機能フィルターとしても好適に利用することもできる。

0040

〔評価、測定方法〕以下に示す実施例で用いた評価、測定方法は、以下の通りである。

0041

流動性(MFR)
MFR(メルトフローレート)は、JISK7210に準拠して測定した。具体的には、内径2.095mm、長さ8mmのダイが真下につながったシリンダ(内径9.55mm、長さ160mm)中に試験材料を入れ、ピストンで上から蓋をし、230℃の温度で予熱6分後、ピストンに5kgfの荷重をかけ、押し出された成形材料の量を測定し、これから10分間当たりの押出し量を算出しMFR(メルトフローレート)値とした。

0042

成形材料における気孔形成材の容積率(%)
まず成形材料の体積と重量を測定し、つぎにこの成形材料を水洗して気孔形成材を溶出した後の重量を測定した。水洗前・後の重量差と気孔形成材の比重とから気孔成形体の体積を算出し、これを成形材料全体の体積で割って気孔形成材の容積率(容積%)とした。

0043

多孔体の見掛け密度(g/cm3)
ISA9511に準拠して、約200×200mmの試験片を70±5℃で乾燥し、恒量となった後重量Wと容積Vとから下記式により算出した。
見掛け密度(g/cm3)=W/V

0044

多孔体のアスカー硬度
平面部寸法が80mm×80mmで厚さ20mmの試料を作製し、高分子計器株式会社製のASKERF型硬度計を用いて測定した。

0045

多孔体の引張り強さ(MPa)、伸び率(%)
引張り強さおよび伸び率の測定は、JISK6251に準拠して行った。

0046

多孔体の気孔率(%)
で得られた多孔体の重量Wを、多孔体原料(成形材料から溶融型気孔形成材を除いたもの)の比重で割って、多孔体の気孔を考慮しない容積V1を算出する。算出した容積V1及びで得られた多孔体の容積Vを用いて、下記式により算出した。
多孔体の気孔率=100−(V1/V)×100

0047

〔実施例〕
実施例1:高分子物質としてのポリスチレン系熱可塑性エラストマー(「ハイブラー7125」クラレ社製)100重量部、溶融可能型気孔形成材としてのペンタエリスリトール(三井化学社製の「ペンタエリスリトール」で、溶融開始温度約185℃である)350重量部を混合機で均一に混合し、この混合物を二軸押出し機を用いて210℃で混練した後ペレタイザーペレット化した。このペレット化した成形材料の流動性(MFR値)および気孔形成材の容積率(容積%)を測定した。

0048

作製したペレットを用いて230℃で射出成形し、充実成形体を作製した。冷却後、この充実成形体を水洗し、充実成形体中のペンタエリスリトールを溶出して多孔体を作製した。

0049

成形材料(ペレット)及び多孔体の物性を上記評価法測定評価した。結果をまとめて表1に示す。

0050

実施例2,3:高分子物質として、実施例1で使用したポリスチレン系熱可塑性エラストマー(Stエラストマー)及びポリプロピレン(「J709W」グランドポリマー社製)の混合物を用い、溶融可能型気孔形成材として実施例1で使用したペンタエリスリトールを用い、各成分の配合量を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、ペレットを作製し成形体を作製し、さらに実施例1と同様に水で洗浄して、多孔体を作製した。成形材料(ペレット)および多孔体の物性を実施例1と同様に測定し、結果を表1に示す。

0051

比較例:実施例1で用いたポリスチレン系熱可塑性エラストマーとペンタエリスリトールを、二軸押出し機を用いてペンタエリスリトールの溶融温度以下である150℃で溶融混練を行なったところ、ペンタエリスリトールがほぼ均一に分散した成形材料(ペレット)を調製することができなかった。

0052

また、射出成形機のホッパーに、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー100重量部とペンタエリスリトールを350重量部の割合で充填して、シリンダ温度150℃に設定して成形に供したところ、射出不十分な不均質形状不良の充実成形体ができた。

0053

0054

表1からわかるように、本発明の製造方法で製造した多孔体(実施例1〜3)は、いずれも添加した気孔形成材の量にほぼ比例する気孔率を有し、しかも個々の気孔が微小サイズの多孔体が製造できた。一方、比較例では、多孔体の基となる充実成形体自体が不均質なものしか製造できなかった。

発明の効果

0055

本発明の多孔体の製造方法によれば、微小な気孔が均一に形成された均質な多孔性体を製造することができ、また多孔体の気孔率は、成形材料における溶融可能型気孔形成材の配合量を調整することによって、容易に調節することができる。

0056

さらに、本発明の多孔性成形体の製造方法によれば、従来の脱塩法では製造できなかったような高い気孔率の多孔性成形体で、しかも内部まで均質な多孔体を容易に成形することができる。

0057

さらに、本発明の製造方法によれば、気孔形成のために成形材料に配合された気孔形成材がほとんど残存していない多孔体を製造することができるので、人体に直接接触するような多孔体の製造方法としても好適である。

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