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技術 巻枠への線状体の巻取り方法及び巻取り装置

出願人 住友電気工業株式会社
発明者 畑中一郎大久保将之末森茂春木只昭
出願日 1999年6月28日 (19年5ヶ月経過) 出願番号 1999-181029
公開日 2001年1月9日 (17年11ヶ月経過) 公開番号 2001-002320
状態 特許登録済
技術分野 光ファイバケーブル 線材巻取一般(1) 電線ケーブルの製造(1)
主要キーワード 表面位置測定 一周毎 列と列 位置測定器 整列巻取り 移動制御装置 トラバース方向 トラバース移動
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重要な関連分野

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図面 (8)

課題

巻取り速度が大きくても、巻枠への巻取り時線状体揺れを少なくし、整列巻きを可能にする。

解決手段

線状体通過孔3aを有するガイド部材3を用い、該ガイド部材3の線状体通過孔3aの出口中心位置が前記巻枠2に巻き取られた線状体(例:テープ状光ファイバ心線1)の表面から巻枠半径方向に1mm〜5mm離れた位置となるように線状体の巻取り層数の増加に応じて該ガイド部材3を移動させながら、該ガイド部材3の線状体通過孔3aに前記線状体を通過させて前記巻枠2へ該線状体を巻き取る。

概要

背景

図5は、テープ状光ファイバ心線横断面図である。複数本光ファイバ心線11aを平行に並べて紫外線硬化型樹脂等の一括被覆11bを施したテープ状光ファイバ心線11は、厚さtが0.3mm〜0.4mm程度、幅Wが1mm〜4mm程度の横断面を有するテープ状の線状体であって、通常巻枠整列巻きされて搬送される。

図6は、テープ状光ファイバ心線が巻枠に整列して巻き取られたところを示す横断面図であって、12は巻枠、13は胴、14は鍔、15は1層目のテープ状光ファイバ心線、16は2層目のテープ状光ファイバ心線、17は3層目のテープ状光ファイバ心線である。巻枠12は、円筒状の胴13とその両端に円盤状の鍔14を備え、中心軸O−O’を有し、胴13上にテープ状光ファイバ心線11を各層整列して巻取り、更にその上に多層状に巻き取る。図6では3層だけ図示したが、通常の場合巻取り層数は数十層から百数十層になる。

巻枠12は、通常胴径200mm〜250mm、胴幅250mm〜300mm、鍔径400mm程度の大きさで、テープ状光ファイバ心線11を、巻枠の胴13上にテープ状光ファイバ心線の幅よりもわずかに大きいピッチ一周毎巻取り箇所を巻枠の中心軸方向にトラバースしながら列をなすようにして整列して巻き取る。そして、1層目の巻き取りが完了するとトラバース方向ターンして1層目の上に2層目を巻き取る。そして、これを繰り返して巻枠の胴面に多層状にテープ状光ファイバ心線を巻き取る。

各層のテープ状光ファイバ心線の列と列の隙間に上層のテープ状光ファイバ心線が落ち込んだり、隣接する列にテープ状光ファイバ心線が乗り上げたりすると、テープ状光ファイバ心線に異常な曲げが生じ、テープ状光ファイバ心線中の光ファイバ伝送特性が悪化するので、テープ状光ファイバ心線は各層共、整列して巻き取る必要がある。

図7は、巻枠にテープ状光ファイバ心線を巻き取る装置の主要部を示す斜視図であって、18はトラバースガイド、18aはガイドローラ、18bはガイド軸である。この装置では、テープ状光ファイバ心線11は、ガイドローラ18aによって巻枠12の胴13上に案内され、巻枠12の回転によって胴13上に巻き取られる。また、ガイドローラ18aはガイド軸18bに沿って一定速度で巻枠12の中心軸方向に移動するので、ガイドローラ18aで案内されるテープ状光ファイバ心線11の位置も巻枠12の中心軸方向に逐次移動し、胴13の上に整列してテープ状光ファイバ心線11を巻き取ることが出来る。

なお、1層目の巻取りが完了すると、ガイドローラ18aの移動方向即ちトラバース方向が反転して、1層目の上に2層目が巻き取られる。1つの層の巻取りが完了する毎にトラバース方向の反転即ちターンが行われ、これが繰り返されて、多い時には200回のターンが行われる。

概要

巻取り速度が大きくても、巻枠への巻取り時の線状体の揺れを少なくし、整列巻きを可能にする。

線状体通過孔3aを有するガイド部材3を用い、該ガイド部材3の線状体通過孔3aの出口中心位置が前記巻枠2に巻き取られた線状体(例:テープ状光ファイバ心線1)の表面から巻枠半径方向に1mm〜5mm離れた位置となるように線状体の巻取り層数の増加に応じて該ガイド部材3を移動させながら、該ガイド部材3の線状体通過孔3aに前記線状体を通過させて前記巻枠2へ該線状体を巻き取る。

目的

本発明は、この要求に応える巻枠へのテープ状光ファイバ心線等の線状体の巻取り方法及び巻取り装置を提供するものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

線状体通過孔を有するガイド部材を用い、該ガイド部材の線状体通過孔の出口中心位置が巻枠の胴又は巻枠に巻き取られた線状体の表面から巻枠半径方向に1mm〜5mm離れた位置となるように保ちながら該ガイド部材を巻枠の中心軸方向と平行に移動させ、該ガイド部材の線条体通過孔に線条体を通して該線条体を整列させて前記巻枠に巻取り、前記線状体の巻取り層数の増加に応じて前記ガイド部材を巻枠の中心軸から離れる方向にかつ該ガイド部材の線状体通過孔の出口中心位置が巻枠に巻き取られた線状体の表面から巻枠半径方向に1mm〜5mm離れた位置となるように移動させることを特徴とする巻枠への線状体の巻取り方法

請求項2

前記ガイド部材の線状体通過孔の長さは5mm以上であって該線状通過孔の中心線方向は、該ガイド部材を出た線状体の進行方向に対して巻枠の中心軸側に5〜30度傾いていることを特徴とする請求項1に記載の巻枠への線状体の巻取り方法。

請求項3

線状体通過孔を有するガイド部材を備え、該ガイド部材の線状体通過孔の出口中心位置が巻枠の胴又は巻枠に巻き取られた線状体の表面から巻枠半径方向に1mm〜5mm離れた位置となるように保ちながら該ガイド部材を巻枠の中心軸方向と平行に移動させ、線状体の巻取り層数の増加に応じて該ガイド部材を巻枠の中心軸から離れる方向にかつ該ガイド部材の線状体通過孔の出口中心位置が巻枠に巻き取られた線状体の表面から巻枠半径方向に1mm〜5mm離れた位置となるように位置制御し、該ガイド部材の線状体通過孔に線状体を通過させて前記巻枠へ該線状体を整列させて多層状に巻き取ることを特徴とする巻枠への線状体の巻取り装置

請求項4

前記巻枠への前記線状体の巻取り層数の増加に応じて、前記ガイド部材を巻枠の中心軸から離れる側の予め定めた方向に予め定めたピッチで移動させることにより該ガイド部材の位置制御を行なうことを特徴とする請求項3に記載の巻枠への線状体の巻取り装置。

請求項5

前記ガイド部材を移動させる予め定めた方向は、巻枠中心から前記線状体の巻取り位置へ向かう半径方向と平行な方向であり、前記予め定めたピッチは、巻取り層数1層当たりの平均厚さであることを特徴とする請求項4に記載の巻枠への線状体の巻取り装置。

請求項6

前記巻枠へ巻き取られた線状体の表面位置を測定する表面位置測定手段を備え、該表面位置測定手段の測定結果に基づいて、前記ガイド部材を巻枠の中心軸から離れる方向に移動させることを特徴とする請求項3に記載の巻枠への線状体の巻取り装置。

請求項7

予め前記ガイド部材の移動方向を定めておき、前記表面位置測定手段の測定結果と前記ガイド部材の移動方向とから該ガイド部材の移動距離を求め、当該位置に該ガイド部材を移動させることを特徴とする請求項6に記載の巻枠への線状体の巻取り装置。

技術分野

0001

本発明は、テープ状光ファイバ心線等の特にテープ形状線状体巻枠への整列巻取りに適した巻枠への線状体の巻取り方法及び巻取り装置に関する。

背景技術

0002

図5は、テープ状光ファイバ心線の横断面図である。複数本光ファイバ心線11aを平行に並べて紫外線硬化型樹脂等の一括被覆11bを施したテープ状光ファイバ心線11は、厚さtが0.3mm〜0.4mm程度、幅Wが1mm〜4mm程度の横断面を有するテープ状の線状体であって、通常巻枠に整列巻きされて搬送される。

0003

図6は、テープ状光ファイバ心線が巻枠に整列して巻き取られたところを示す横断面図であって、12は巻枠、13は胴、14は鍔、15は1層目のテープ状光ファイバ心線、16は2層目のテープ状光ファイバ心線、17は3層目のテープ状光ファイバ心線である。巻枠12は、円筒状の胴13とその両端に円盤状の鍔14を備え、中心軸O−O’を有し、胴13上にテープ状光ファイバ心線11を各層整列して巻取り、更にその上に多層状に巻き取る。図6では3層だけ図示したが、通常の場合巻取り層数は数十層から百数十層になる。

0004

巻枠12は、通常胴径200mm〜250mm、胴幅250mm〜300mm、鍔径400mm程度の大きさで、テープ状光ファイバ心線11を、巻枠の胴13上にテープ状光ファイバ心線の幅よりもわずかに大きいピッチ一周毎巻取り箇所を巻枠の中心軸方向にトラバースしながら列をなすようにして整列して巻き取る。そして、1層目の巻き取りが完了するとトラバース方向ターンして1層目の上に2層目を巻き取る。そして、これを繰り返して巻枠の胴面に多層状にテープ状光ファイバ心線を巻き取る。

0005

各層のテープ状光ファイバ心線の列と列の隙間に上層のテープ状光ファイバ心線が落ち込んだり、隣接する列にテープ状光ファイバ心線が乗り上げたりすると、テープ状光ファイバ心線に異常な曲げが生じ、テープ状光ファイバ心線中の光ファイバ伝送特性が悪化するので、テープ状光ファイバ心線は各層共、整列して巻き取る必要がある。

0006

図7は、巻枠にテープ状光ファイバ心線を巻き取る装置の主要部を示す斜視図であって、18はトラバースガイド、18aはガイドローラ、18bはガイド軸である。この装置では、テープ状光ファイバ心線11は、ガイドローラ18aによって巻枠12の胴13上に案内され、巻枠12の回転によって胴13上に巻き取られる。また、ガイドローラ18aはガイド軸18bに沿って一定速度で巻枠12の中心軸方向に移動するので、ガイドローラ18aで案内されるテープ状光ファイバ心線11の位置も巻枠12の中心軸方向に逐次移動し、胴13の上に整列してテープ状光ファイバ心線11を巻き取ることが出来る。

0007

なお、1層目の巻取りが完了すると、ガイドローラ18aの移動方向即ちトラバース方向が反転して、1層目の上に2層目が巻き取られる。1つの層の巻取りが完了する毎にトラバース方向の反転即ちターンが行われ、これが繰り返されて、多い時には200回のターンが行われる。

発明が解決しようとする課題

0008

巻枠の胴径は通常200mm〜250mm、鍔径400mm程度の大きさであり、ガイドローラを保持するガイド軸は通常巻枠の鍔の外側に巻枠の中心軸と平行に配置されるので、ガイドローラを通過したテープ状光ファイバ心線は、巻枠の胴上に巻き取られるまでには通常200mm以上の空間を走行する。テープ状光ファイバ心線は厚さ0.3mm、幅1.1mm程度の極細い線状体であって、テープ状光ファイバ心線の伝送特性を保護するために大きい張力を加えることは出来ないので、ガイドローラと巻枠の胴上との間でテープ状光ファイバ心線が振動等を受けて揺れることがある。

0009

ガイドローラは一定速度でトラバース移動していても、テープ状光ファイバ心線の揺れによって巻枠の胴上に到達したテープ状光ファイバ心線の位置が正常位置からずれることが起こる。テープ状光ファイバ心線の位置がずれると先に巻き取られたテープ状光ファイバ心線の上に乗り上げたり、列間に大きな隙間が生じたりして、整列巻きが出来なくなる。このような現象は、巻取り速度が比較的小さい場合には殆ど起こらないが、巻取り速度が大きくなると発生し易くなり、巻取り速度の増大と共に頻繁に起こるようになる。従って、生産性を向上させる上では、巻取り速度が大きくなっても整列巻きが可能な巻取り方法及び装置が求められている。

0010

本発明は、この要求に応える巻枠へのテープ状光ファイバ心線等の線状体の巻取り方法及び巻取り装置を提供するものである。

課題を解決するための手段

0011

本発明の巻枠への線状体の巻取り方法は、線状体通過孔を有するガイド部材を用い、該ガイド部材の線状体通過孔の出口中心位置が巻枠の胴又は巻枠に巻き取られた線状体の表面から巻枠半径方向に1mm〜5mm離れた位置となるように保ちながら該ガイド部材を巻枠の中心軸方向と平行に移動させ、該ガイド部材の線状体通過孔に線状体を通して該線状体を整列させて前記巻枠に巻取り、前記線状体の巻取り層数の増加に応じて前記ガイド部材を巻枠の中心軸から離れる方向にかつ該ガイド部材の線状体通過孔の出口中心位置が巻枠に巻き取られた線状体の表面から巻枠半径方向に1mm〜5mm離れた位置となるように移動させるものである。

0012

これによって、線状体が細くて軽いものであっても、ガイド部材の線状体通過孔を通過して、大きな距離を走行することなく直に巻枠の胴上又は先に巻き取られた線状体の上に巻き取ることが出来るので、線状体は揺れることが少なくなり整列巻きを行なうことが出来る。

0013

また、前記ガイド部材の線状体通過孔の長さを5mm以上とし、線状体通過孔の中心線方向は、該ガイド部材を出た線状体の進行方向に対して巻枠の中心軸側に5〜30度傾けることによって、ガイド部材の線状体通過孔の摩擦によって線状体に適当な張力を与えながら、線状体を巻枠側に押さえ付けることが出来るので、線状体通過孔を通過した線状体の揺れをより小さくすることが出来る。

発明を実施するための最良の形態

0014

図1は本発明にかかる巻枠への線状体の巻取り装置の主要部を示す図であって、図1(A)はその斜視図、図1(B)は線状体巻取り部分の縦断面図である。図1において、1は線状体の一例であるテープ状光ファイバ心線、2は巻枠、2aは胴、2bは鍔、3はガイド部材、3aは線状体通過孔、4はガイド部材位置制御装置、5は表面位置測定手段である。

0015

図1(A)に示すように、線状体の一例であるテープ状光ファイバ心線1を、ガイド部材3の線状体通過孔3aを通して、ガイド部材3を巻枠2の中心軸方向と平行に一定速度で移動させながら、巻枠2の胴2a上にテープ状光ファイバ心線1を整列して巻き取る。1層目の巻取りが終わるとガイド部材3の移動方向即ちトラバース方向を反転させて、1層目の上に2層目のテープ状光ファイバ心線1を巻き取る。更に、これを繰り返してテープ状光ファイバ心線1を巻枠2の胴2a上に多層に巻き取る。ここで使用するガイド部材3の線状体通過孔3aは、テープ状光ファイバ心線1の断面よりわずかに大きい断面を有し、テープ状光ファイバ心線1が線状体通過孔3aに内壁面摺動しながら通過する孔で、その孔の長さは5mm以上であることが望ましい。

0016

ガイド部材3の巻枠2に対する半径方向の位置関係を、図1(B)によって詳細に説明する。ガイド部材3の線状体通過孔3aを出たテープ状光ファイバ心線1を巻枠の胴2a上又は先に巻き取られたテープ状光ファイバ心線の層上に整列して巻き取る。Oは巻枠の中心軸の位置を示し、OXは水平方向を示す。既に胴2a上に巻き取られたテープ状光ファイバ心線1の表面に新しく巻き取られるテープ状光ファイバ心線1が接触するが、その接触位置の新しく巻き取られるテープ状光ファイバ心線1の中心を点Qとし、ガイド部材3の線状体通過孔3aの出口の中心を点Pとする。また、OPと巻き取られたテープ状光ファイバ心線の表面との交点をRとする。

0017

テープ状光ファイバ心線1の厚さ=t、OR=r、RP=d、PQ=aとすると、△OPQは直角三角形であるので、次の式が成り立つ。
a2+(r+t/2)2=(r+d)2
この式から、r=150mm、t=0.3mmと仮定すると、d=1mmの時はa=17mm、d=5mmの時はa=40mmとなり、dを1mm〜5mmとすると、aは略17mm〜40mmに収まることが分かる。従って、本発明にかかる巻枠への線状体の巻取り方法又は装置においては、ガイド部材3を通過したテープ状光ファイバ心線1が接触点Qに至るまでの距離は17mm〜40mm程度の短い距離であるので、テープ状光ファイバ心線の走行時の揺れを十分に抑制することが出来る。

0018

また、ガイド部材3の線状体通過孔3aの中心線方向PSを水平方向からδだけ傾斜させて配置する。特にδに対する制限はないが、ガイド部材の動作を観察し易くするため、δは0度〜30度程度が望ましい。また、テープ状光ファイバ心線に摩擦力による張力を与えるために、ガイド部材3の線状体通過孔3aの長さは5mm以上が好ましい。

0019

また、線状体通過孔3aの中心線方向PSを、線状体通過孔3aを出たテープ状光ファイバ心線1の進行方向PQに対して巻枠の中心軸O側に5〜30度傾ける。即ち、∠SPQ=θを5〜30度とする。θが5度よりも小さいと押さえ付けの効果が少なく、又θが30度を超えると線状体通過孔の出口でテープ状光ファイバ心線に大きな曲げを与えるので、θは5〜30度の範囲とすることが望ましい。

0020

これによって、ガイド部材を通過するテープ状光ファイバ心線にガイド部材によって適当な張力を与えながら、テープ状光ファイバ心線を巻枠側に押さえ付けることが出来るので、テープ状光ファイバ心線の揺れはより小さくなる。なお、この押さえ付けは、線状体がもつ曲げ弾性を利用するものなので、押さえ付けの効果は線状体の形状がテープ状光ファイバ心線のようなテープ状である時に特に大きくなる。

0021

巻枠に巻き取られたテープ状光ファイバ心線等の線状体の層数が増加すると、巻枠中心から巻き取られた線状体の表面までの半径がそれに従って増加するので、それに伴ってガイド部材を巻枠の中心軸から離れる方向に移動させる位置制御を行なう必要がある。次にその位置制御について説明する。

0022

通常、巻き取られた線状体の表面までの半径に比較して線状体1本の厚さ又は外径は無視出来る程度であるので、以下線状体の厚さ又は外径は無視して説明する。図2は巻き取られた線状体の表面とガイド部材と線状体の位置関係を示す縦断面図で、図3図4はそれぞれ、線状体の表面までの半径の増加に応じてガイド部材を移動させる時の移動方法の事例を示す縦断面図である。

0023

図2図3図4において、6、6’は巻き取られる前の線状体、7、7’は巻枠に巻き取られた線状体の表面、8、8’はガイド部材、8a、8a’は線状体通過孔、OXは水平方向、P、P’は線状体通過孔の出口中心位置、R、R’はOP又はOP’と表面7又は7’との交点、Q、Q’は線状体6又は6’が表面7又は7’に接触する点、S、S’は線状体通過孔8a又は8a’の中心線延長線がOQ又はOQ’に交わる点である。

0024

ガイド部材8又は8’は、これらの位置制御事例においては平行移動させるので、線状体通過孔8a、8a’の水平方向からの傾きδは常に一定である。

0025

図2において、巻枠の中心Oから表面7までの半径をrとすると、OQ=OR=rとなる。また、表面7とガイド部材8の線状体通過孔8aの出口中心Pとの距離RPをdとすると、OP=OR+RP=r+dである。また、ガイド部材8の線状体通過孔8aの中心線方向PSは水平方向に対して角度δだけ傾いているので、線状体通過孔8aの出口中心位置Pが巻枠中心から水平半径方向(X方向)に対して角度βの方向にあるとすると、ガイド部材8からの線状体の出線方向と巻枠中心に対するガイド部材8の位置方向とのなす角は、∠OPS=α=β+δとなる。

0026

また、△OPQは直角三角形となるので、ガイド部材を出た線状体13の出線方向と線状体通過孔12aの中心線方向とがなす角をθ、PQ=aとすると、
a2+r2=(r+d)2
cos(α+θ)=cos(β+δ+θ)=a/(r+d)
という関係が成立し、r、d、β、δが与えられれば、a、θは決まる。即ち、巻枠に巻き取られた線状体の表面の半径(r)と、ガイド部材12の位置(d、β)と、その線状体通過孔の傾き(δ)が決まれば、線状体通過孔の中心線方向と線状体通過孔を出た線状体の出線方向との角度(θ)及びガイド部材を出た線状体が巻き取られるまでの距離(a)が決まる。

0027

線状体の巻取り層数の増加に応じてrが増加するので、常にdを1mm〜5mmの範囲とするには、ガイド部材の位置も巻枠の中心線から離れる方向に移動させる必要がある。ガイド部材の位置をORの方向に移動させる場合、OQと平行な方向に移動させる場合について考える。

0028

図3は、ガイド部材の位置をORの方向に移動させる場合を説明する縦断面図であって、巻枠の巻き取られた線状体の表面半径はrからr’に増加し、ガイド部材は8から8’に表面半径の増加に合わせて平行移動すると仮定する。そうすると、PはP’に、RはR’に、QはQ’に移動し、PQ=aはP’Q’=a’に、∠SPQ=θは∠S’P’Q’=θ’に変化する。

0029

この時、RP=R’P’=d、∠OPS=∠OP’S’=α=β+δは変わらないので、
a2+r2=(r+d)2
cos(β+δ+θ)=a/(r+d)
(a’)2+(r’)2=(r’+d)2
cos(β+δ+θ’)=a’/(r’+d)
が成り立つ。

0030

r’>rなので、上記の式からa’>a、θ’>θが導かれ、線状体通過孔の中心線方向と線状体通過孔を出た線状体の出線方向とがなす角度(θ)及びガイド部材を出た線状体が巻き取られるまでの距離(a)は、線状体の巻取り層数の増加に応じて大きくなる。例えば、r=150mm、r’=200mm、d=1mm又は5mmとすると、a=17mm又は40mm、a’=20mm又は45mmとなる。従ってこの範囲に移動では、P’Q’=a’は45mm以下に収まるので、線状体の揺れを十分に抑制することが出来る。また、θはθ’となっても1〜2度の増加なので、特に問題はない。

0031

図4は、ガイド部材の位置をOQと平行な方向に移動させる場合を説明する縦断面図であって、巻枠の巻き取られた線状体の表面半径はrからr’に増加し、ガイド部材は8から8’に表面半径の増加に合わせて平行移動すると仮定する。そうすると、PはP’に、RはR’に、QはQ’に移動し、∠ROX=βは∠R’OX=β’に、∠OPS=α=β+δは∠OP’S’=α’=β’+δに、RP=dはR’P’=d’に変化する。

0032

この時、PQ=P’Q’=a、∠SPQ=∠S’P’Q’=θは変わらないので、
a2+r2=(r+d)2
cos(β+δ+θ)=a/(r+d)
a2+(r’)2=(r’+d’)2
cos(β’+δ+θ)=a/(r’+d’)
が成り立つ。

0033

r’>rなので、上記の式からd’<dが導かれ、巻枠に巻き取られた線状体の表面とガイド部材の線状体通過孔の出口との距離(d)は、線状体の巻取り層数の増加に応じて小さくなる。例えば、r=150mm、r’=200mm、d=1mm又は5mmとすると、a=17mm又は40mmであるので、d’=0.7mm又は4mmとなる。従って、dを1mm〜5mmの範囲内であるように制御するにはdの初期値を1.5mm〜5mm程度にしておくか、途中でdを増加させる補正を行なう必要がある。

0034

なおこの場合は、線状体通過孔の中心線方向と線状体通過孔を出た線状体の出線方向との角度(θ)及びガイド部材を出た線状体が巻き取られるまでの距離(a)は、線状体の巻取り層数が増加しても変わらないので、線状体の走行時の揺れの抑制及び線状体の押え込みについては、巻取り層数が増加しても均一に行なうことが出来る。

0035

以上、巻き取られる線状体の層数の増加に応じてガイド部材の位置を制御するに当たって、ガイド部材を巻枠の半径方向に移動させる例、ガイド部材を巻枠中心から線状体が巻き取られる接触点の方向と平行な方向へ移動させる例について説明したが、ガイド部材の移動はこれに限られるものではない。巻き取られた線状体の層数の増加に応じて、上記以外の方向であっても定められた方向に定められたピッチで移動させることが出来る。

0036

なお、ガイド部材の移動に当たっては、図1(A)に示すガイド部材移動制御装置4を使って、ガイド部材3をM2、M3方向に駆動モータボールネジ等によって移動させれば良い。なお、M1方向はトラバース方向であって、1つの層内の線状体を整列して巻き取る時に使用するもので常に一定速度で往復移動している。

0037

また、線状体を巻枠に層状に巻き取る場合、線状体の1本当たりの厚さ又は外径に層数を掛けたものと実際の複数層全体の厚さは異なることが多い。断面円形の線状体の場合は、上の層の線状体は下の層の線状体の間に少し落ち込んで俵積み状態で巻き取られるため、複数層全体の厚さは外径×層数よりも小さくなる。また、テープ状線状体の場合は下層の上に上層が重ねられるが、層間に若干の隙間が出来るため、複数層全体の厚さは外径×層数よりも大きくなる。

0038

そこで、ガイド部材の位置を正確に制御するに当たっては、図1(A)に示すように表面位置測定手段5を設置して巻き取られた線状体の表面位置を測定し、巻き取られた線状体表面の巻枠中心からの半径を算出する。表面位置測定手段5としてはレーザ光出射して反射光を受けて位置を測定するレーザ光線位置測定器等を用いることが出来る。

0039

このように実際に巻き取られた線状体の表面半径を測定することによって、より正確にガイド部材の位置制御を行なうことが出来る。ガイド部材の移動方向を予め定めておけば、表面位置測定手段の測定結果と、図2を使って、d=1mm〜5mm、θ=5度〜30度を満たす範囲のガイド部材位置を容易に計算で求めることが出来るので、ガイド部材位置制御装置の制御機構に計算及び指令を出す装置を付加することで容易に位置制御を行なうことが出来る。

0040

以上、実際に巻き取られた線状体の表面半径を測定する例を示したが、線状体の種類、サイズが決まれば、巻取り層数×線状体の厚さ又は外径と、複数層全体の厚さの比はほぼ一定である。従って、それらから実効的な1層当たりの平均厚さを求めておけば、上述したような表面位置測定手段を使用せずとも、実効的平均厚さとガイド部材のトラバースターンから得た層数を使ってガイド部材を移動させて位置制御を行なえば、ガイド部材の線状体通過孔出口中心と巻き取られた線状体の表面との距離を1mm〜5mmの範囲内に制御することが出来る。

発明の効果

0041

本発明の巻枠への線状体の巻取り方法は、線状体通過孔を有するガイド部材を用い、線状体通過孔の出口中心位置が巻枠に巻き取られた線状体の表面から巻枠半径方向に1mm〜5mm離れた位置となるように線状体の巻取り層数の増加に応じて該ガイド部材を巻枠の中心軸から離れる方向に移動させながら、該ガイド部材の線状体通過孔に前記線状体を通過させて前記巻枠へ該線状体を巻き取るものであるので、線状体が細くて軽いものであっても、線状体は揺れることが少なくなり整列巻きを行なうことが出来る。

0042

また、ガイド部材の線状体通過孔の長さを5mm以上とし、線状体通過孔の中心線方向を、該ガイド部材を出た線状体の進行方向に対して巻枠の中心軸側に5〜30度傾けることによって、線状体に適当な張力を与えながら、線状体を巻枠側に押さえ付けることが出来るので、線状体通過孔を通過した線状体の揺れをより小さくすることが出来る。

0043

ガイド部材の巻枠の中心軸から離れる方向への移動に伴う位置制御に当たって、その移動方向を例えば巻枠半径方向あるいは巻枠への線状体の接触位置半径方向と平行な方向等に予め定めて、層数の増加に応じて一定ピッチでガイド部材を移動させることにすれば、ガイド部材の位置制御は容易である。また、その移動方向を巻枠への線状体の接触位置半径方向と平行な方向等にすれば、ガイド部材の移動によっても、ガイド部材から出た線状体の接触位置までの距離及び線状体通過孔方向と線状体出線方向との傾きが変わらないので、より均一な条件で巻取りを行なうことが出来る。

0044

また、表面位置測定手段を設置して線状体の表面位置を測定し、それに基づいてガイド部材の移動を制御すれば、線状体の実際の位置を正確に把握することが出来るので、ガイド部材のより精密な位置制御を行なうことが出来る。

図面の簡単な説明

0045

図1本発明にかかる巻枠への線状体の巻取り装置の主要部を示す図であって、(A)はその斜視図、(B)は線状体巻取り部分の縦断面図である。
図2本発明にかかる巻枠への線状体の巻取り方法において、巻き取られた線状体の表面とガイド部材と線状体の位置関係を説明する縦断面図である。
図3本発明にかかる巻枠への線状体の巻取り方法において、巻き取られた線状体の層数の増加に応じてガイド部材を半径方向に移動させる事例を説明する縦断面図である。
図4本発明にかかる巻枠への線状体の巻取り方法において、巻き取られた線状体の層数の増加に応じてガイド部材を巻枠中心から接触点に至る方向と平行に移動させる事例を説明する縦断面図である。
図5テープ状光ファイバ心線の横断面図である。
図6テープ状光ファイバ心線が巻枠に巻き取られたところを示す横断面図である。
図7従来技術によるテープ状光ファイバ心線の巻取り装置の主要部を示す斜視図である。

--

0046

1:線状体の一例であるテープ状光ファイバ心線
2:巻枠
2a:胴
2b:鍔
3:ガイド部材
3a:線状体通過孔
4:ガイド部材位置制御装置
5:表面位置測定手段
6、6’:巻き取られる前の線状体
7、7’:巻枠に巻き取られた線状体の表面
8、8’:ガイド部材
8a、8a’:線状体通過孔
OX:水平方向
P、P’:線状体通過孔の出口中心位置
Q、Q’:線状体6又は6’が表面7又は7’に接触する点
R、R’:OP又はOP’と表面7又は7’との交点
S、S’:線状体通過孔8a又は8a’の中心線の延長線がOQ又はOQ’に交わる点

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