図面 (/)

技術 予備タイヤ保持装置における吊り索の切断防止機構

出願人 三工機器株式会社
発明者 山本富夫
出願日 1999年6月17日 (21年0ヶ月経過) 出願番号 1999-170774
公開日 2001年1月9日 (19年5ヶ月経過) 公開番号 2001-001956
状態 特許登録済
技術分野 自動車の製造ライン・無限軌道車両・トレーラ
主要キーワード 二股型 ケース天板 予備タイヤ 接触点位置 縦断面形 螺旋ばね 大型貨物 偏心距離
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2001年1月9日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

巻上装置の吊り索に大きな巻き戻し力が加わる時間が長い場合でも、吊り索の切断を防止する。

解決手段

巻上装置1は、ケース2に軸受した主軸3に、吊り索8を巻き付ける巻上胴6を回転可能に嵌合し、巻上胴6側面に内歯歯車7を設け、主軸3に設けた偏心カム9に外歯歯車10を回転可能に嵌合し、偏心した内歯歯車7と外歯歯車10を内外に噛み合わせ、外歯歯車10側面に自転規制板11を、ケース2に自転規制ピン15を設けた。吊り索8に巻き戻し力が加わると自転規制板11が当たる自転規制ピン15は、巻き戻し力が通常使用時より大きいと破損する強度に設定して安全ピンに兼用した。安全ピン15が破損すると、巻上胴6が1回転以上逆転可能になり、吊り索8が巻き戻される。

概要

背景

予備タイヤ保持装置は、予備タイヤを巻き上げる減速比の大きな遊星歯車機構巻上装置と、予備タイヤを載せるタイヤ架具からなり、巻上装置のチェーンワイヤロープのような吊り索の垂下端にタイヤ載架具を連結している。トラックのような大型貨物自動車や、ワゴンのような中型又は小型の乗用自動車は、図3に示すように、車体Vの下部に予備タイヤ保持装置の巻上装置1を取り付け、予備タイヤTを巻き上げて車体Vの下面に保持する。

ところが、予備タイヤを車体内収納する場合とは異なり、自動車が衝突したときに、予備タイヤに大きな力が加わって、巻上装置の吊り索に大きな巻き戻し力が加わることがある。巻上装置の吊り索に大きな巻き戻し力が加わると、巻上装置は、減速比が大きいので、巻き戻らずに、吊り索が切断することになる。吊り索が切断すると、予備タイヤとタイヤ載架具が車体から分離して、道路慣性走行し、歩行者や他の自動車などに衝突して、二次災害をもたらすことがあり、危険である。

そこで、本発明者は、特許第2768661号公報に開示されているように、巻上装置の吊り索の切断を防止する予備タイヤ保持装置を発明した。

この予備タイヤ保持装置においては、遊星歯車機構の巻上装置は、略門形縦断面形状のケース前側板後側板主軸軸受し、主軸に、吊り索を巻き付ける巻上胴を回転可能に嵌合し、巻上胴の側面に内歯歯車を同心に設け、主軸に偏心カムを設け、偏心カムに外歯歯車を回転可能に嵌合し、内歯歯車と外歯歯車を内外に噛み合わせ、外歯歯車の側面に、ケースの天板に左端又は右端が当たって自転規制される自転規制板を設けている。

吊り索に巻き戻し力が加わるとケースの天板に当たる自転規制板の右端は、強度を弱くし、吊り索に加わる巻き戻し力が通常の使用時より大きいと、自転規制板の強度の弱い右端が破損して、巻上胴が逆転され、吊り索が巻き戻されて、吊り索の切断が防止される構成にしている。

概要

巻上装置の吊り索に大きな巻き戻し力が加わる時間が長い場合でも、吊り索の切断を防止する。

巻上装置1は、ケース2に軸受した主軸3に、吊り索8を巻き付ける巻上胴6を回転可能に嵌合し、巻上胴6側面に内歯歯車7を設け、主軸3に設けた偏心カム9に外歯歯車10を回転可能に嵌合し、偏心した内歯歯車7と外歯歯車10を内外に噛み合わせ、外歯歯車10側面に自転規制板11を、ケース2に自転規制ピン15を設けた。吊り索8に巻き戻し力が加わると自転規制板11が当たる自転規制ピン15は、巻き戻し力が通常使用時より大きいと破損する強度に設定して安全ピンに兼用した。安全ピン15が破損すると、巻上胴6が1回転以上逆転可能になり、吊り索8が巻き戻される。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

予備タイヤを巻き上げる遊星歯車機構巻上装置と、予備タイヤを載せるタイヤ架具からなり、巻上装置の吊り索の垂下端にタイヤ載架具を連結した予備タイヤ保持装置において、巻上装置は、ケース主軸軸受し、主軸に、吊り索を巻き付ける巻上胴を回転可能に嵌合し、巻上胴の側面に内歯歯車を同心状に設け、主軸に偏心カムを設け、偏心カムに外歯歯車を回転可能に嵌合し、偏心した内歯歯車と外歯歯車を内外に噛み合わせ、外歯歯車の側面に自転規制板を設け、ケースに、自転規制板が当たって外歯歯車の自転規制される自転規制ピンを設けており、吊り索に巻き戻し力が加わると自転規制板が当たる自転規制ピンは、吊り索に加わる巻き戻し力が通常の使用時より大きいと破損する強度に設定して安全ピンに兼用し、安全ピン兼用の自転規制ピンが破損すると、巻上胴が1回転以上逆転可能になり、吊り索が巻き戻されて、吊り索の切断が防止される構成にしたことを特徴とする吊り索の切断防止機構

請求項2

巻上装置の吊り索に巻き戻し力が加わったときに自転規制板と安全ピン兼用自転規制ピンとが当る接触点と主軸の回転中心軸との間の距離は、偏心カムの位置に拘わらずほぼ一定になる構成にしたことを特徴とする請求項1に記載の吊り索の切断防止機構。

請求項3

巻上装置の自転規制板は、周面から偏心カムに向かう方向に溝を設け、その溝に安全ピン兼用の自転規制ピンを配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の吊り索の切断防止機構。

請求項4

巻上装置のケースは、自動車の車体に固定し、タイヤ載架具に載せた予備タイヤを巻き上げて車体の下面に保持する構成にしたことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の吊り索の切断防止機構。

技術分野

0001

本発明は、自動車予備タイヤを保持する装置において、予備タイヤを吊り下げる吊り索の切断を防止する機構に関する。

背景技術

0002

予備タイヤ保持装置は、予備タイヤを巻き上げる減速比の大きな遊星歯車機構巻上装置と、予備タイヤを載せるタイヤ架具からなり、巻上装置のチェーンワイヤロープのような吊り索の垂下端にタイヤ載架具を連結している。トラックのような大型貨物自動車や、ワゴンのような中型又は小型の乗用自動車は、図3に示すように、車体Vの下部に予備タイヤ保持装置の巻上装置1を取り付け、予備タイヤTを巻き上げて車体Vの下面に保持する。

0003

ところが、予備タイヤを車体内収納する場合とは異なり、自動車が衝突したときに、予備タイヤに大きな力が加わって、巻上装置の吊り索に大きな巻き戻し力が加わることがある。巻上装置の吊り索に大きな巻き戻し力が加わると、巻上装置は、減速比が大きいので、巻き戻らずに、吊り索が切断することになる。吊り索が切断すると、予備タイヤとタイヤ載架具が車体から分離して、道路慣性走行し、歩行者や他の自動車などに衝突して、二次災害をもたらすことがあり、危険である。

0004

そこで、本発明者は、特許第2768661号公報に開示されているように、巻上装置の吊り索の切断を防止する予備タイヤ保持装置を発明した。

0005

この予備タイヤ保持装置においては、遊星歯車機構の巻上装置は、略門形縦断面形状のケース前側板後側板主軸軸受し、主軸に、吊り索を巻き付ける巻上胴を回転可能に嵌合し、巻上胴の側面に内歯歯車を同心に設け、主軸に偏心カムを設け、偏心カムに外歯歯車を回転可能に嵌合し、内歯歯車と外歯歯車を内外に噛み合わせ、外歯歯車の側面に、ケースの天板に左端又は右端が当たって自転規制される自転規制板を設けている。

0006

吊り索に巻き戻し力が加わるとケースの天板に当たる自転規制板の右端は、強度を弱くし、吊り索に加わる巻き戻し力が通常の使用時より大きいと、自転規制板の強度の弱い右端が破損して、巻上胴が逆転され、吊り索が巻き戻されて、吊り索の切断が防止される構成にしている。

発明が解決しようとする課題

0007

ところが、上記のような、巻上装置の吊り索の切断を防止する予備タイヤ保持装置においては、自動車の衝突などにより吊り索に大きな巻き戻し力が加わり、自転規制板の強度の弱い右端が破損し、巻上胴が逆転されて吊り索が巻き戻される際、巻上胴が四分の三回転位逆転すると、自転規制板の強度の強い左端がケースの天板に当たり、巻上胴の逆転が停止して、吊り索がその時の巻き戻し長さ以上に巻き戻されなくなる。

0008

従って、自転規制板の強度の強い左端がケースの天板に当たって巻上胴の逆転が停止した後にも、更に吊り索に大きな巻き戻し力が加わる場合は、吊り索は、巻き戻されず、切断することとなる。即ち、吊り索に大きな巻き戻し力が継続して又は断続して加わる時間が長い場合は、吊り索の切断を確実に防止し難い。

0009

また、自転規制板の強度の弱い右端は、強度を所望の値に設定するのに、厚さや形状を調整する。ところが、自転規制板は、厚さを調整するに当り、厚さの増減可能範囲が狭い。また、形状を調整するに当り、自転規制板を打ち抜く金型修正するのには、多くの手間が掛かる。即ち、自転規制板の強度の弱い右端は、強度の設定が容易ではない。

0010

更に、吊り索に加わる巻き戻し力が同一であっても、偏心カムの位置によって自転規制板の強度の弱い右端が破損する時と破損しない時がある。換言すると、自転規制板の強度の弱い右端が破損する吊り索の巻き戻し力は、偏心カムの位置によって異なる。従って、吊り索に加わる巻き戻し力が一定値以上になったときに、常に、自転規制板の強度の弱い右端を破損させて巻上胴を逆転させることは非常に困難である。

0011

その理由を明らかにするため、吊り索に巻き戻し力が加わるときの状況を力学的に考察する。

0012

図6(a)に示すように、吊り索8に巻き戻し力Wが加わると、主軸3の回転中心軸を中心とする巻き戻しモーメントW・aが発生する。ただし、aは、一定値で、巻き戻し力Wと主軸3の回転中心軸との間の距離、巻き戻しモーメントの腕の長さである。

0013

図6(a)において反時計回りの巻き戻しモーメントWaによって、一体の巻上胴6と内歯歯車、一体の外歯歯車と自転規制板31及び一体の主軸3と偏心カム9が反時計回りの回転力を受け、自転規制板31の強度の弱い右端32がケース2の天板に当たる。即ち、自転規制板31の右端32が右端32の接触点位置のケース2天板より反力を受ける。すると、反力によって主軸3の回転中心軸を中心とする時計回りのモーメントが一体の外歯歯車と自転規制板31などに発生する。この反力による時計回りのモーメントが反時計回りの巻き戻しモーメントW・aと釣り合う。

0014

図6(a)に示すように、偏心カム9の中心が主軸3の回転中心軸の右上に位置して自転規制板31の右端32とケース2の天板との接触点に近づいていると、その接触点と主軸3の回転中心軸との間の距離は、L1になる。これは、一体の外歯歯車と自転規制板31などを主軸3の回転中心軸を中心として時計回りに回転させる向きの反力R1による時計回りモーメントの腕の長さである。反力R1による時計回りモーメントR1・L1が反時計回りの巻き戻しモーメントW・aと釣り合う。

0015

逆に、同図(b)に示すように、偏心カム9の中心が主軸3の回転中心軸の左下に位置して自転規制板31の右端32とケース2の天板との接触点から遠ざかっていると、その接触点と主軸3の回転中心軸との間の距離、即ち、反力R2による時計回りモーメントの腕の長さは、L2になる。反力R2による時計回りモーメントR2・L2が反時計回りの巻き戻しモーメントW・aと釣り合う。

0016

前者の腕の長さL1と後者の腕の長さL2は、偏心カム9と主軸3との偏心距離の2倍位の差がある。従って、反力R1による時計回りモーメントR1・L1と反力R2による時計回りモーメントR2・L2は、同一の反時計回りの巻き戻しモーメントW・aと釣り合い、同一の値になるとすると、モーメントの腕の長さL1、L2の差により、モーメントの力の大きさ、反力R1、R2の大きさに差が発生する。

0017

結局、吊り索8に加わる巻き戻し力Wが同一であっても、偏心カム9の位置によって、自転規制板31の右端32を右下側に折り曲げる反力R1、R2の大きさが異なり、自転規制板31の右端32が折損する時と折損しない時がある。

課題を解決するための手段

0018

1)予備タイヤを巻き上げる遊星歯車機構の巻上装置と、予備タイヤを載せるタイヤ載架具からなり、巻上装置の吊り索の垂下端にタイヤ載架具を連結した予備タイヤ保持装置において、巻上装置は、ケースに主軸を軸受し、主軸に、チェーンやワイヤロープのような吊り索を巻き付けるチェーンホイールドラムのような巻上胴を回転可能に嵌合し、巻上胴の側面に内歯歯車を同心状に設け、主軸に偏心カムを設け、偏心カムに外歯歯車を回転可能に嵌合し、偏心した内歯歯車と外歯歯車を内外に噛み合わせ、外歯歯車の側面に自転規制板を設け、ケースに、自転規制板が当たって外歯歯車の自転が規制される自転規制ピンを設けており、吊り索に巻き戻し力が加わると自転規制板が当たる自転規制ピンは、吊り索に加わる巻き戻し力が通常の使用時より大きいと破損する強度に設定して安全ピンに兼用し、安全ピン兼用の自転規制ピンが破損すると、巻上胴が1回転以上逆転可能になり、吊り索が巻き戻されて、吊り索の切断が防止される構成にしたことを特徴とする吊り索の切断防止機構

0019

2)上記の吊り索の切断防止機構において、巻上装置の吊り索に巻き戻し力が加わったときに自転規制板と安全ピン兼用自転規制ピンとが当る接触点と主軸の回転中心軸との間の距離は、偏心カムの位置に拘わらずほぼ一定になる構成にしたことを特徴とする。

0020

3)上記の吊り索の切断防止機構において、巻上装置の自転規制板は、周面から偏心カムに向かう方向に溝を設け、その溝に安全ピン兼用の自転規制ピンを配置したことを特徴とする。

0021

4)上記の吊り索の切断防止機構において、巻上装置のケースは、自動車の車体に固定し、タイヤ載架具に載せた予備タイヤを巻き上げて車体の下面に保持する構成にしたことを特徴とする。

発明の効果

0022

自動車の衝突などにより、タイヤ載架具に載せた予備タイヤに大きな力が加わって、巻上装置の吊り索に通常の使用時より大きな巻き戻し力が加わると、巻上装置は、自転規制板が当たった安全ピン兼用の自転規制ピンが破損して、巻上胴が逆転され、吊り索が巻き戻されて、吊り索の切断が防止される。安全ピン兼用の自転規制ピンが破損すると、巻上胴が1回転以上逆転可能になるので、吊り索に大きな巻き戻し力が継続して又は断続して加わる時間が長い場合でも、吊り索の切断が防止される。

0023

また、安全ピン兼用の自転規制ピンは、太さの調整で強度を所望の値に設定することができ、強度の設定が容易である。

0024

更に、巻上装置の吊り索に巻き戻し力が加わったときに自転規制板と安全ピン兼用自転規制ピンとが当る接触点と主軸の回転中心軸との間の距離は、偏心カムの位置に拘わらずほぼ一定になるので、安全ピン兼用自転規制ピンが破損する吊り索の巻き戻し力は、偏心カムの位置によってほとんど変化せず、ほぼ一定値になる。吊り索に加わる巻き戻し力がほぼ一定の値以上になったときに、常に、安全ピン兼用の自転規制ピンが破損して巻上胴が逆転され、吊り索の切断が防止される。

発明を実施するための最良の形態

0025

予備タイヤ保持装置は、図1図2に示すように、予備タイヤを巻き上げる減速比の大きな遊星歯車機構の巻上装置1と、予備タイヤを載せるタイヤ載架具21からなり、巻上装置1の吊り索8の垂下端にタイヤ載架具21の中央位置を連結している。

0026

巻上装置1は、図2に示すように、門形縦断面形状のケース2の前側板と後側板に主軸3を貫通して軸受し、主軸3前端の大径の口金4をケース2の前側に突出し、主軸3の後端をケース2の後側に突出し、主軸3の突出後端に抜け止めピン5を取り付けている。主軸3を回転するときは、口金4に回転工具を連結し、回転工具を回転する。

0027

主軸3の後部には、図2に示すように、チェーンホイールの巻上胴6を同心に回転可能に嵌合し、巻上胴6の前側面に内歯歯車7を同心に形成し、一体の巻上胴6と内歯歯車7をケース2内に配置している。

0028

巻上胴6には、図1図2に示すように、その外周のチェーン溝にチェーンの吊り索8を掛けて巻き付け、吊り索8の右端をケース2の前側板の右下端に固定し、吊り索8の左端をケース2の下に垂れ下げている。

0029

主軸3の前部には、図1図2に示すように、円形断面の偏心カム9を主軸3と偏心して形成し、主軸3と一体の偏心カム9に、内歯歯車7より歯数が少ない外歯歯車10を同心に回転可能に嵌合し、偏心した太陽歯車の内歯歯車7と遊星歯車の外歯歯車10を内外に噛み合わせ、外歯歯車10の前側面に自転規制板11を固定し、一体の外歯歯車10と自転規制板11をケース2内に配置している。

0030

自転規制板11は、図1に示すように、上端の先端に均等幅の溝12を周面から偏心カム9の中心に向かう方向に形成し、溝12の左右を左側突出部13と右側突出部14にし、先端を二股型状にしている。

0031

ケース2の前側板には、図2に示すように、頭部付きの自転規制ピン15を前後方向に貫通して固定し、ケース2内に後向きに突出した丸軸の自転規制ピン15を、図1に示すように、自転規制板11の上下方向の溝12に前後方向に貫通して挿入している。吊り索8の左端に巻き戻し力が加わると、自転規制板11の右側突出部14が自転規制ピン15に当る。

0032

丸軸の自転規制ピン15は、太さを調整して強度を所望の値に設定し、安全ピンに兼用している。吊り索8に加わる巻き戻し力が通常の使用時より大きくて吊り索8の切断荷重より小さい値になると、自転規制板11の右側突出部14が破損せずに、安全ピン兼用の自転規制ピン15が破損する。

0033

安全ピン兼用の自転規制ピン15が破損すると、巻上胴6が1回転以上逆転可能になる。更に正確には、吊り索8の右端側が緊張するまで巻上胴6が何回転でも逆転可能になる。

0034

ケース2の天板には、図1に示すように、ボルト孔16を左右位置に設け、左右のボルト孔16を利用してケース2を自動車の車体の下部に固定する構成にしている。

0035

タイヤ載架具21は、図1図2に示すように、載架板22の中央部を上方に山形状に湾曲し、載架板22の山形状中央部を予備タイヤのハブ孔に嵌合して載架板22の周辺部に予備タイヤのハブ孔の周縁部を載せる構成にしている。

0036

載架板22の山形状中央部の中央位置には、吊り片23を上下方向に貫通し、吊り片23の下端に固定した受け片24と載架板22の山形状中央部の間に、吊り片23に貫通した螺旋ばね25を嵌め込み、吊り片23の上端に巻上装置1の吊り索8の垂下した左端を連結している。

0037

巻上装置1の主軸3を図1において右回転すると、偏心カム9が自転しつつ主軸3の回転中心軸の回りに公転し、一体の外歯歯車10と自転規制板11が自転を規制されつつ主軸3の回転中心軸の回りに公転し、一体の内歯歯車7と巻上胴6が減速回転して、吊り索8の垂下した左端とタイヤ載架具21が上昇し、タイヤ載架具21に載せた予備タイヤが巻き上げられる。

0038

タイヤ載架具21上の予備タイヤが巻き上げられて、吊り索8の垂下した左端にタイヤ載架具21やその上の予備タイヤの自重などによって下向きの巻き戻し力が作用し、一体の巻上胴6と内歯歯車7に逆転の巻き戻しモーメントが作用している間、自転規制板11の右側突出部14が安全ピン兼用の自転規制ピン15に当たっている。巻上胴6と内歯歯車7は、主軸3を逆転しない限り、また、自転規制板11の右側突出部14が当たった安全ピン兼用の自転規制ピン15が破損しない限り、逆転しない。

0039

主軸3を逆転すると、巻上胴6が逆転し、吊り索8が巻き戻されて、タイヤ載架具21に載せた予備タイヤが巻き戻される。

0040

巻上装置1は、ケース2の左右のボルト孔14を利用して、図3に示すように、リクレーショナルビークルとも呼ばれるワゴンのような中型乗用自動車の車体Vの後下部に取り付け、タイヤ載架具21に載せた予備タイヤTを巻き上げて車体Vの後部下面に保持する。

0041

この状態で、自動車の衝突などにより、タイヤ載架具21上の予備タイヤTに大きな力が加わって、巻上装置1の吊り索8のタイヤ載架具21側に通常の使用時より大きな巻き戻し力が加わると、巻上装置1は、自転規制板11の右側突出部14が当たっていた安全ピン兼用の自転規制ピン15が破損して、巻上胴6が逆転され、吊り索8が巻き戻されて、タイヤ載架具21上の予備タイヤTが送り出され、吊り索8のタイヤ載架具21側、左端側の切断が防止される。

0042

安全ピン兼用の自転規制ピン15が破損すると、従来におけるのとは異なり、吊り索8の右端側が緊張するまで巻上胴6が何回転でも逆転可能になるので、吊り索8のタイヤ載架具21側に大きな巻き戻し力が継続して又は断続して加わる時間が長い場合でも、吊り索8のタイヤ載架具21側の切断が防止される。

0043

また、吊り索8のタイヤ載架具21側に加わる巻き戻し力がほぼ一定の値以上になったときには、従来におけるのとは異なり、偏心カム9の位置に拘わらず、常に、安全ピン兼用の自転規制ピン15が破損して、巻上胴6が逆転され、吊り索8のタイヤ載架具21側の切断が防止される。

0044

吊り索8のタイヤ載架具21側に巻き戻し力が加わったときに自転規制板11の右側突出部14と安全ピン兼用自転規制ピン15とが当る接触点と主軸3の回転中心軸との間の距離、即ち、反力によるモーメントの腕の長さは、偏心カム9の位置に拘わらずほぼ一定値になる。自転規制板11の右側突出部14が安全ピン兼用自転規制ピン15から受ける反力の大きさ、換言すると、自転規制板11の右側突出部14が安全ピン兼用自転規制ピン15を破損しようとする力の大きさは、吊り索8に加わる巻き戻し力Wが同一であれば、偏心カム9の位置に拘わらずほぼ一定値になる。

0045

図4(a)に示すように、偏心カム9の中心が安全ピン兼用自転規制ピン15側、主軸3の回転中心軸の上側に位置しているときには、自転規制板11の溝12が垂直方向に配置され、自転規制板11の右側突出部14が安全ピン兼用自転規制ピン15の周面の右端に当り、その右端の接触点と主軸3の回転中心軸との間の距離は、Lになる。これは、反力Rによる時計回りモーメントの腕の長さである。反力Rによる時計回りモーメントR・Lが反時計回りの巻き戻しモーメントW・aと釣り合う。

0046

逆に、同図(b)に示すように、偏心カム9の中心が安全ピン兼用自転規制ピン15と反対側、主軸3の回転中心軸の下側に位置しているときにも、自転規制板11の溝12が垂直方向に配置され、自転規制板11の右側突出部14が安全ピン兼用自転規制ピン15の周面の右端に当り、その右端の接触点と主軸3の回転中心軸との間の距離、反力Rによる時計回りモーメントの腕の長さが同一の値Lになる。

0047

図5(a)に示すように、偏心カム9の中心が主軸3の回転中心軸の左側に位置しているときには、自転規制板11の溝12が垂直方向から少し傾いて配置され、自転規制板11の右側突出部14が安全ピン兼用自転規制ピン15の周面における右端から極めて僅か下がった位置に当り、その右端から極めて僅か下がった位置の接触点と主軸3の回転中心軸との間の距離は、L−微小量δになる。微小量δは、距離Lに比較して無視可能な値であるので、上記の距離、反力Rによる時計回りモーメントの腕の長さは、ほとんど同一の値Lになる。

0048

逆に、同図(b)に示すように、偏心カム9の中心が主軸3の回転中心軸の右側に位置しているときには、自転規制板11の溝12が垂直方向から少し傾く向きが逆になり、自転規制板11の右側突出部14が安全ピン兼用自転規制ピン15の周面における右端から極めて僅か上がった位置に当り、その右端から極めて僅か上がった位置の接触点と主軸3の回転中心軸との間の距離は、L+微小量δになる。微小量δは、距離Lに比較して無視可能な値であるので、反力Rによる時計回りモーメントの腕の長さは、ほとんど同一の値Lになる。

0049

従って、吊り索8のタイヤ載架具21側に巻き戻し力が加わったときに自転規制板11の右側突出部14と安全ピン兼用自転規制ピン15とが当る接触点と主軸3の回転中心軸との間の距離は、偏心カム9の位置に拘わらず、ほとんど一定値Lになるので、自転規制板11の右側突出部14が安全ピン兼用自転規制ピン15から受ける反力Rの大きさ、自転規制板11の右側突出部14が安全ピン兼用自転規制ピン15を破損しようとする力の大きさは、吊り索8に加わる巻き戻し力Wが同一であれば、偏心カム9の位置に拘わらず、ほとんど一定値になる。

0050

結局、安全ピン兼用自転規制ピン15が破損する吊り索8の巻き戻し力は、偏心カム9の位置によってほとんど変化せず、ほぼ一定値になる。

図面の簡単な説明

0051

図1本発明の実施形態における吊り索の切断防止機構を備えた予備タイヤ保持装置の正面図であって、巻上装置を図2のA−A線で切断し、タイヤ載架具の左端を欠載した図。
図2同予備タイヤ保持装置の左側面図であって、巻上装置を図1のB−B線で切断した図。
図3同予備タイヤ保持装置を自動車の車体下部に取り付けた状態の概略側面図。
図4同予備タイヤ保持装置の巻上装置において吊り索に巻き戻し力が加わったときに自転規制板と安全ピン兼用自転規制ピンとが当る点と主軸の回転中心軸との間の距離と、偏心カムの位置との関係を示す説明図。
図5図4と同様な説明図。
図6従来の予備タイヤ保持装置の巻上装置において吊り索に巻き戻し力が加わったときに自転規制板右端とケース天板とが当る点と主軸の回転中心軸との間の距離と、偏心カムの位置との関係を示す説明図。

--

0052

1遊星歯車機構の巻上装置
2ケース
3主軸
6チェーンホイール、巻上胴
7内歯歯車、太陽歯車
8チェーン、吊り索
9偏心カム
10外歯歯車、遊星歯車
11自転規制板
12 自転規制板の溝
14 自転規制板の右側突出部
15安全ピン兼用の自転規制ピン
21 タイヤ載架具
T予備タイヤ
V自動車の車体
L 自転規制板と安全ピン兼用自転規制ピンとの接触点と主軸の回転中心軸との間の距離

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 井関農機株式会社の「 歩行型管理機」が 公開されました。( 2020/04/09)

    【課題】安全クラッチレバーを後付けできる歩行型管理機を提供する。【解決手段】エンジンEと、左右一対の走行車輪3L、3Rと、前方から後方に向けて左右に延びたハンドル9と、エンジンEからの駆動力を前記走行... 詳細

  • トヨタ車体株式会社の「 孔塞ぎシールのシール貼着装置」が 公開されました。( 2020/04/09)

    【課題】車両の車体パネルに開口された貫通孔を精度よく安定して閉塞することができる孔塞ぎシールのシール貼着装置を提供する。【解決手段】シール付きテープ1を回転可能に保持するテープ保持部2と、シール付きテ... 詳細

  • 羽田四郎の「 車輪の回転を動力とする遠心分離装置」が 公開されました。( 2020/04/02)

    【課題】車輪の回転を活用して遠心分離を行う装置の提供。【解決手段】遠心分離装置本体内に吊り容器9を吊る回転子11を内蔵する筐体10を積載し、吊り容器に格納する分離管33に分離液を挿入し、車輪22の回転... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ