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技術 生体適合性医用材料

出願人 テルモ株式会社
発明者 安斎崇王賀曽利裕志村賢一
出願日 1999年6月22日 (21年0ヶ月経過) 出願番号 1999-175100
公開日 2001年1月9日 (19年5ヶ月経過) 公開番号 2001-000533
状態 拒絶査定
技術分野 医療用材料
主要キーワード インプラント用材料 高分子量分画 分別除去 モルフォロジ メトキシメチルアクリレート 和光純薬工業社 ハロゲン化ポリオレフィン 癒着防止膜
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (2)

課題

血小板粘着活性化の抑制、補体系の活性化の抑制の各効果を奏し、かつ、生物学的安全性の高い生体適合性医用材料の提供。

解決手段

下記一般式(I)で表され、GPCによるポリスチレン換算重量平均分子量が40,000〜100,000である重合体であって、GPCチャートにおけるポリスチレン換算重量平均分子量が200,000以上の分子量分画ピーク面積が全体のピーク面積の0.5〜10%である重合体を含有する生体適合性医用材料。

化1

(式中、R1 は炭素数1〜4のアルキレン基、R2 は炭素数1〜4のアルキル基、R3 は水素原子またはメチル基、mは正の整数を表す。)

概要

背景

近年、各種の高分子材料を利用した医用材料の検討が進められており、人工腎臓用膜、血漿分離用膜、カテーテル人工肺用膜、人工血管癒着防止膜人工皮膚等への利用が期待されている。これらにおいては、生体にとって異物である合成材料生体組織体液と接触させて使用することとなる。従って、医用材料は、生体適合性を有することを要求される。医用材料に要求される生体適合性はその目的や使用法によって異なるが、血液と接する材料として使用する医用材料には、血液凝固系の抑制、血小板粘着活性化の抑制、補体系の活性化の抑制という特性が求められる。これまで、抗血液凝固性に優れる医用材料として、アルコキシアルキルメタアクリレートを主成分とする樹脂中に酵素および酵素の保護物質が分散された樹脂組成物が提案されている(特公昭56−31949号公報)。また、本発明者らは、アルコキシアルキル(メタ)アクリレートを主成分とし、水酸基を有さない合成高分子を表面に有する人工臓器用膜、医療用具等が、血小板の粘着・活性化の抑制効果および補体系の活性化の抑制効果を有することを見出している(特開平4−152952号公報)。

上述したように、医用材料には、その目的、使用法に応じた生体適合性が要求されるが、更に、医用材料自体の生物学的安全性が高いものが望まれている。これは、医用材料は、長期間の使用によりその一部が基材からはがれる等して体液中に放出されることがあり、たとえ生体適合性に優れる材料であっても、臓器等に蓄積した際に障害を引き起こすことが懸念されるためである。従って、血液と接する材料として使用する医用材料においても、血液凝固系の抑制、血小板の粘着・活性化の抑制、補体系の活性化の抑制に加えて、医用材料自体の生物学的安全性の高さが望まれている。

概要

血小板の粘着・活性化の抑制、補体系の活性化の抑制の各効果を奏し、かつ、生物学的安全性の高い生体適合性医用材料の提供。

下記一般式(I)で表され、GPCによるポリスチレン換算重量平均分子量が40,000〜100,000である重合体であって、GPCチャートにおけるポリスチレン換算重量平均分子量が200,000以上の分子量分画ピーク面積が全体のピーク面積の0.5〜10%である重合体を含有する生体適合性医用材料。

(式中、R1 は炭素数1〜4のアルキレン基、R2 は炭素数1〜4のアルキル基、R3 は水素原子またはメチル基、mは正の整数を表す。)

目的

即ち、本発明は、血小板の粘着・活性化の抑制、補体系の活性化の抑制の各効果を奏し、かつ、生物学的安全性の高い生体適合性医用材料を提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

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請求項1

下記一般式(I)で表され、GPCによるポリスチレン換算重量平均分子量が40,000〜100,000である重合体であって、GPCチャートにおけるポリスチレン換算重量平均分子量が200,000以上の分子量分画ピーク面積が全体のピーク面積の0.5〜10%である重合体を含有する生体適合性医用材料

請求項

ID=000003HE=010 WI=049 LX=0355 LY=0750(式中、R1 は炭素数1〜4のアルキレン基、R2 は炭素数1〜4のアルキル基、R3 は水素原子またはメチル基、mは正の整数を表す。)

請求項2

下記一般式(II)で表されるモノマーならびに、下記一般式(III)で表されるモノマーおよび下記一般式(IV)で表されるモノマーからなる群から選ばれる少なくとも1つのモノマーの共重合体であり、該一般式(II)で表されるモノマーの全モノマーに対する割合が95mol%以上であり、GPCによるポリスチレン換算重量平均分子量が40,000〜100,000である共重合体であって、GPCチャートにおけるポリスチレン換算重量平均分子量が200,000以上の分子量分画のピーク面積が全体のピーク面積の0.5〜10%である共重合体を含有する生体適合性医用材料。

請求項

ID=000004HE=010 WI=051 LX=0345 LY=1600(式中、R4 は炭素数1〜4のアルキレン基、R5 は炭素数1〜4のアルキル基、R6 は水素原子またはメチル基を表す。)

請求項

ID=000005HE=010 WI=051 LX=0345 LY=1900(式中、R7 およびR8 は炭素数1〜3のアルキル基、R9 は水素原子またはメチル基を表す。R7 およびR8 は同じであっても異なっていてもよい。)

請求項

ID=000006HE=010 WI=051 LX=0345 LY=2200(式中、R10は直鎖状のまたは枝分かれ構造を有する炭素数1〜10のアルキル基、R11は水素原子またはメチル基を表す。)

技術分野

0001

本発明は、生体適合性医用材料に関し、詳しくは、血小板粘着活性化の抑制効果補体系の活性化の抑制効果、生体組織との親和性を有し、かつ、生体に対する安全性が高い生体適合性医用材料に関する。

背景技術

0002

近年、各種の高分子材料を利用した医用材料の検討が進められており、人工腎臓用膜、血漿分離用膜、カテーテル人工肺用膜、人工血管癒着防止膜人工皮膚等への利用が期待されている。これらにおいては、生体にとって異物である合成材料を生体組織や体液と接触させて使用することとなる。従って、医用材料は、生体適合性を有することを要求される。医用材料に要求される生体適合性はその目的や使用法によって異なるが、血液と接する材料として使用する医用材料には、血液凝固系の抑制、血小板の粘着・活性化の抑制、補体系の活性化の抑制という特性が求められる。これまで、抗血液凝固性に優れる医用材料として、アルコキシアルキルメタアクリレートを主成分とする樹脂中に酵素および酵素の保護物質が分散された樹脂組成物が提案されている(特公昭56−31949号公報)。また、本発明者らは、アルコキシアルキル(メタ)アクリレートを主成分とし、水酸基を有さない合成高分子を表面に有する人工臓器用膜、医療用具等が、血小板の粘着・活性化の抑制効果および補体系の活性化の抑制効果を有することを見出している(特開平4−152952号公報)。

0003

上述したように、医用材料には、その目的、使用法に応じた生体適合性が要求されるが、更に、医用材料自体の生物学的安全性が高いものが望まれている。これは、医用材料は、長期間の使用によりその一部が基材からはがれる等して体液中に放出されることがあり、たとえ生体適合性に優れる材料であっても、臓器等に蓄積した際に障害を引き起こすことが懸念されるためである。従って、血液と接する材料として使用する医用材料においても、血液凝固系の抑制、血小板の粘着・活性化の抑制、補体系の活性化の抑制に加えて、医用材料自体の生物学的安全性の高さが望まれている。

発明が解決しようとする課題

0004

即ち、本発明は、血小板の粘着・活性化の抑制、補体系の活性化の抑制の各効果を奏し、かつ、生物学的安全性の高い生体適合性医用材料を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0005

本発明は、下記一般式(I)で表され、GPCによるポリスチレン換算重量平均分子量が40,000〜100,000である重合体であって、GPCチャートにおけるポリスチレン換算重量平均分子量が200,000以上の分子量分画ピーク面積が全体のピーク面積の0.5〜10%である重合体を含有する生体適合性医用材料を提供する。

0006

0007

(式中、R1 は炭素数1〜4のアルキレン基、R2 は炭素数1〜4のアルキル基、R3 は水素原子またはメチル基、mは正の整数を表す。)

0008

また、本発明は、下記一般式(II)で表されるモノマーならびに、下記一般式(III)で表されるモノマーおよび下記一般式(IV)で表されるモノマーからなる群から選ばれる少なくとも1つのモノマーの共重合体であり、該一般式(II)で表されるモノマーの全モノマーに対する割合が95mol%以上であり、GPCによるポリスチレン換算重量平均分子量が40,000〜100,000である共重合体であって、GPCチャートにおけるポリスチレン換算重量平均分子量が200,000以上の分子量分画のピーク面積が全体のピーク面積の0.5〜10%である共重合体を含有する生体適合性医用材料を提供する。

0009

0010

(式中、R4 は炭素数1〜4のアルキレン基、R5 は炭素数1〜4のアルキル基、R6 は水素原子またはメチル基を表す。)

0011

0012

(式中、R7 およびR8 は炭素数1〜3のアルキル基、R9 は水素原子またはメチル基を表す。R7 およびR8 は同じであっても異なっていてもよい。)

0013

0014

(式中、R10は直鎖状のまたは枝分かれ構造を有する炭素数1〜10のアルキル基、R11は水素原子またはメチル基を表す。)

発明を実施するための最良の形態

0015

本発明は、上記一般式(I)で表され、GPCによるポリスチレン換算重量平均分子量が40,000〜100,000である重合体であって、GPCチャートにおけるポリスチレン換算重量平均分子量が200,000以上の分子量分画のピーク面積が全体のピーク面積の0.5〜10%である重合体を含有する生体適合性医用材料である。本発明に用いられる重合体は、上記一般式(I)で表されるポリアルコキシアルキル(メタ)アクリレートである。式中、R1 は炭素数1〜4、好ましくは炭素数1〜3、より好ましくは炭素数1または2のアルキレン基、R2 は炭素数1〜4、好ましくは炭素数1〜3、より好ましくは炭素数1または2のアルキル基、R3 は水素原子またはメチル基、mは正の整数を表す。上記式(I)で表されるポリアルコキシアルキル(メタ)アクリレートのうち、最も好ましいのは、ポリメトキシエチルアクリレートである。上記式(I)で表されるポリアルコキシアルキル(メタ)アクリレートは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

0016

前記重合体は、GPCによるポリスチレン換算重量平均分子量が40,000〜100,000である。なぜなら、上記範囲で、本発明の生体適合性医用材料の強度が十分となり、また、本発明の生体適合性医用材料を人工腎臓用膜等に被覆して用いる場合の取り扱い性が良好となる。

0017

前記重合体は、GPCチャートにおけるポリスチレン換算重量平均分子量が200,000以上の分子量分画のピーク面積が全体のピーク面積の0.5〜10%である。ここで、ポリスチレン換算重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により分子量分布の測定を行なった場合において、ポリスチレン標準試料とし、その重量平均分子量に換算して得られた分子量をいう。また、GPCチャートにおけるポリスチレン換算重量平均分子量が200,000以上の分子量分画のピーク面積が全体のピーク面積の0.5〜10%であるとは、GPCにより分子量分布の測定を行ったときに得られるチャートにおいて、該分子量分画を含む全体のピーク面積に対する該分子量分画のピーク面積の割合が0.5〜10%であることをいう。更に、図1により具体的に説明する。図1は本発明に用いられる重合体のGPCチャートの一例である。スタンダードポリスチレンを用いて作成されたGPC分子量校正曲線から、ポリスチレン換算重量平均分子量が200,000である重合体の溶出時間が求められる。この溶出時間以前に溶出した重合体の分画が、ポリスチレン換算重量平均分子量が200,000以上の分子量分画であり、図1において斜線部分(1)で表される。従って、図1において、GPCチャートにおけるポリスチレン換算重量平均分子量が200,000以上の分子量分画のピーク面積が全体のピーク面積の0.5〜10%であるとは、斜線部分(1)の面積が斜線部分(1)と非斜線部分(2)の面積の和の0.5〜10%であることをいう。

0018

ポリアルコキシアルキル(メタ)アクリレートは、血小板の粘着・活性化の抑制、補体系の活性化の抑制の各効果を奏し、生体適合性に優れるものであるが、肝臓脾臓等の臓器に蓄積した際に臓器障害を引き起こす場合がある。ポリアルコキシアルキル(メタ)アクリレートの生体適合性について、従来は、血小板の粘着・活性化の抑制、補体系の活性化の抑制の各効果のみが重視され、基材からはがれる等して体液中に放出され、肝臓、脾臓等の臓器に蓄積した際に臓器障害を引き起こす点は、考慮されてこなかった。本発明者は、そのような臓器障害は、ポリアルコキシアルキル(メタ)アクリレートの高分子量分画が代謝されにくいことにより引き起こされることを見出し、更に鋭意研究の結果、GPCチャートにおけるポリスチレン換算重量平均分子量が200,000以上の分子量分画のピーク面積が全体のピーク面積の0.5〜10%であるものを用いる場合には臓器障害が引き起こされないことを見出し、本発明を完成した。即ち、本発明に用いられるポリアルコキシアルキル(メタ)アクリレートは、GPCチャートにおけるポリスチレン換算重量平均分子量が200,000以上の分子量分画のピーク面積が全体のピーク面積の0.5〜10%であるため、つまり、代謝されにくい高分子量分画が少ないため、生物学的安全性に優れる。

0019

なお、上述した特開平4−152952号公報には、ポリアルコキシアルキル(メタ)アクリレートの好適な分子量に関し、数平均分子量が10,000〜300,000、好ましくは30,000〜100,000である旨記載されている。これに対し、本発明は、ポリアルコキシアルキル(メタ)アクリレート自体の臓器への蓄積を考慮したものであり、ポリスチレン換算重量平均分子量を40,000〜100,000とし、かつ、分子量分布を所定の範囲にすることにより、高い生物学的安全性を実現したものである。

0020

本発明に用いられる重合体は、例えば、メトキシエチルアクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレートをラジカル重合イオン重合等の公知の方法で重合することにより、合成することができる。また、本発明に用いられる重合体の分子量分布が、GPCチャートにおけるポリスチレン換算重量平均分子量が200,000以上の分子量分画のピーク面積が全体のピーク面積の0.5〜10%となるようにするためには、例えば、重合条件を調整したり、重合後に高分子量分画を分別除去したりすることによることができる。重合条件の調整は、重合開始剤添加量反応温度、反応時間、モノマー濃度撹拌状態撹拌速度等の調整を行う。高分子量分画の分別除去は、サイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(SEC)等のクロマトグラフィー、限外ろ過超遠心分離法等により行うことができる。

0021

本発明の生体適合性医用材料は、上記一般式(I)で表される重合体であって、GPCチャートにおけるポリスチレン換算重量平均分子量が200,000以上の分子量分画のピーク面積が全体のピーク面積の0.5〜10%である重合体を含有するものであればよく、本発明の目的を損なわない範囲で、他の材料を含有することができる。

0022

本発明の生体適合性医用材料は、人工腎臓用膜、血漿分離膜、カテーテル、人工肺用膜、人工血管、癒着防止膜、人工皮膚、創傷被覆材インプラント用材料DDS(ドラッグデリバリーシステム)基材等の広範な用途に用いることができる。特に、大量の血液と接する人工肺用膜、長期間組織と接する創傷被覆材、インプラント用材料に好適に用いられる。

0023

本発明の生体適合性医用材料は、前記人工腎臓用膜等の表面に用いられる。表面のみが生体適合性と密接な関係を有するからである。従って、人工腎臓用膜等の全体を本発明の生体適合性医用材料により製造することもできるし、人工腎臓用膜等の基材を別の材料で製造し、その表面のみに本発明の生体適合性医用材料を保持させることもできる。後者の場合、物理的強度等の人工腎臓用膜等に要求される特性を満たすために、基材となる材料を選択することができるので好ましい。基材の表面に本発明の生体適合性医用材料を保持させる方法としては、被覆法が最も一般的な方法である。被覆法は、例えば、前記重合体の溶液を用いて浸漬法スプレー法フローコーター法等の公知の方法により被覆し、ついで乾燥することにより行われる。その膜厚は、特に限定されないが、好ましくは1mm以下である。基材の材料は、例えば、ポリエチレンポリプロピレンポリ塩化ビニルポリ塩化ビニリデンポリフッ化ビニリデンポリテトラフルオロエチレンハロゲン化ポリオレフィンポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレートポリカーボネート等のプラスチック材料ステンレス鋼チタンチタン合金等の金属材料ヒドロキシアパタイトグラファイト窒化チタン等のセラミック材料が挙げられる。

0024

本発明においては、前記重合体の代わりに、上記一般式(II)で表されるモノマーの2種以上の共重合体や該モノマーの1種以上および該モノマーと共重合し得るモノマーの1種以上の共重合体であり、該一般式(II)で表されるモノマーの全モノマーに対する割合が95mol%以上であり、GPCによるポリスチレン換算重量平均分子量が40,000〜100,000である共重合体であって、GPCチャートにおけるポリスチレン換算重量平均分子量が200,000以上の分子量分画のピーク面積が全体のピーク面積の0.5〜10%である共重合体を同様に用いることができる。

0025

上記一般式(II)で表されるモノマーであるアルコキシアルキル(メタ)アクリレートは、具体的には、メトキシメチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、メトキシプロピルアクリレート、メトキシブチルアクリレートエトキシメチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、エトキシプロピルアクリレート、エトキシブチルアクリレート、プロポキシメチルアクリレートプロポキシエチルアクリレート、プロポキシプロピルアクリレート、プロポキシブチルアクリレート、ブトキシメチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシプロピルアクリレート、ブトキシブチルアクリレート、メトキシメチルメタクリレートメトキシエチルメタクリレート、メトキシプロピルメタクリレート、メトキシブチルメタクリレート、エトキシメチルメタクリレート、エトキシエチルメタクリレート、エトキシプロピルメタクリレート、エトキシブチルメタクリレート、プロポキシメチルメタクリレート、プロポキシエチルメタクリレート、プロポキシプロピルメタクリレート、プロポキシブチルメタクリレート、ブトキシメチルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレート、ブトキシプロピルメタクリレート、ブトキシブチルメタクリレートが挙げられる。

0026

上記一般式(II)で表されるモノマーと共重合し得るモノマーは、生体適合性の点で水酸基を有さないものであることを要する他は特に限定されないが、更にカチオン性基も有さないものであるのが好ましい。上記一般式(II)で表されるモノマーと共重合し得るモノマーは、例えば、上記一般式(III)で表されるモノマー、上記一般式(IV)で表されるモノマーが挙げられる。上記一般式(III)で表されるモノマーは、例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミドが挙げられる。上記一般式(IV)で表されるモノマーは、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートが挙げられる。その他の上記一般式(II)で表されるモノマーと共重合し得るモノマーは、例えば、グリシジルアクリレートグリシジルメタクリレートエチレンプロピレンが挙げられる。

0027

これらの共重合体の中でも、経済性や操作性の点より、メトキシエチルアクリレートおよびブチルアクリレートの共重合体が好ましい。これらの共重合体は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよく、上記一般式(I)で表されるポリアルコキシアルキル(メタ)アクリレートと併用してもよい。

0028

これらの共重合体は、ランダム共重合体交互共重合体ブロック共重合体グラフト共重合体のいずれであってもよく、ラジカル共重合イオン共重合、マクロモノマーを利用した重合等の公知の方法で合成することができる。ここで、マクロモノマーとは、重合に用いる単量体で、それ自身が既に高分子量化合物、即ちマクロなモノマーをいい、特にグラフト共重合体の合成に好適に用いられるものである。

0029

これらの共重合体におけるアルコキシアルキル(メタ)アクリレートおよびこれと共重合し得るモノマーの組成について説明する。共重合体におけるアルコキシアルキル(メタ)アクリレートおよびこれと共重合し得るモノマーの組成は、両者の親水性の大小により決定される。両モノマーの親水性は、それぞれの単独重合体の親水性に基づき判断する。共重合し得るモノマーが共重合に用いられるアルコキシアルキル(メタ)アクリレートより親水性である場合、該モノマーの比率は、ランダム共重合体や交互共重合体においては全体の60mol%以下であるのが好ましく、10mol%以下であるのがより好ましく、5mol%以下であるのが特に好ましい。ブロック共重合体やグラフト共重合体においては全体の10mol%以下であるのが好ましく、5mol%以下であるのがより好ましい。このような共重合成分の組み合わせとしては、例えば、メトキシエチルアクリレートおよびN,N−ジメチルアクリルアミドの組み合わせが挙げられる。組成が上記範囲であると、生体内組織との界面、具体的には、血液等との界面において共重合体が安定に存在することができ、共重合体が血液等の中に溶出することがない。なお、ランダム共重合体・交互共重合体の場合とブロック共重合体・グラフト共重合体の場合とで好適な組成が異なるのは、共重合し得るモノマーに基づく親水性が後者においてより強く発現するため、共重合体の溶出がより起こりやすいからである。また、このような親水性のモノマーとアルコキシアルキル(メタ)アクリレートの共重合体は、金属等の極性表面への接着性が向上するといった利点を有する。

0030

一方、共重合し得るモノマーが共重合に用いられるアルコキシアルキル(メタ)アクリレートより疎水性である場合、該モノマーの比率は、ランダム共重合体や交互共重合体においては全体の60mol%以下であるのが好ましく、10mol%以下であるのがより好ましく、5mol%以下であるのが特に好ましい。ブロック共重合体やグラフト共重合体においても全体の60mol%以下であるのが好ましく、10mol%以下であるのがより好ましく、5mol%以下であるのが特に好ましい。このような共重合成分の組み合わせとしては、例えば、メトキシエチルアクリレートおよびメチルアクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートの組み合わせが挙げられる。組成が上記範囲であると、血小板の粘着・活性化の抑制等の効果が発揮される。なお、この場合には、共重合体全体の親水性が小さくなるため、共重合体は、生体内組織との界面において溶出することなく安定に存在することができる。また、このような疎水性のモノマーとアルコキシアルキル(メタ)アクリレートの共重合体は、疎水性樹脂表面への接着性が向上するといった利点を有する。

0031

<生物学的安全性>
(実施例1)
(1)重合体の調製
メトキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業社製)20重量部を含むジオキサン溶液に、アゾ系重合開始剤(V−601、和光純薬工業社製)0.1重量部を添加し、80℃で6時間重合し、ヘキサン貧溶媒として再沈殿法で精製してポリメトキシエチルアクリレートを得た。

0032

(2)分子量分布の測定
得られたポリメトキシエチルアクリレートの分子量分布をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPCシステムSC8020、東ソー社製)により測定した。GPCの条件は、以下の通りである。
カラム:HR5E(Waters社製)+HR4E(Waters社製)
移動相テトラヒドロフラン
流量:1.0ml/min
カラム温度:40℃
検出器RI示差屈折計
分子量分布を算出するための検量線は、スタンダードポリスチレン(ケムコ社製、重量平均分子量が600,000、100,000、17,000、3,770の4種類)を用いて作成した。得られたポリメトキシエチルアクリレートのポリスチレン換算重量平均分子量が200,000以上の分子量分画のピーク面積は、全体のピーク面積の10%であった(図1)。

0033

(3)投与試験
得られたポリメトキシエチルアクリレートを用い、5%エタノール生食投与溶媒として、投与濃度0.1%、投与容量50ml/kg、投与速度0.1ml/minの条件でラット尾静脈単回投与試験を行った。投与から14日後に血液を採取し、血液検査を行った。血液検査は、酢酸セルロース電気泳動法によるβ−GLB比および顕微鏡観察によるRET(網状赤血球)比の測定を行った。β−GLB比とは、血漿蛋白中のβ−グロブリン分画に相当するものの比率をいう。β−GLB比の変化は、腎障害急性炎症肝障害等によって起こることがあり、腎臓あるいは肝臓の異常を示す指標として用いられる。また、RET比とは、赤血球生産能の指標となるものであり、通常、RET(網状赤血球)は骨髄内に存在し、末梢血に存在する割合は低いが、急性出血、末梢血の溶血溶血性貧血等で増加するので、RET比の変化は血液の異常を示す指標として用いられる。

0034

(実施例2)メトキシエチルアクリレートの添加量を15重量部とした以外は、実施例1と同様の方法により、ポリメトキシエチルアクリレートを得た。実施例1と同様の方法により、分子量分布を測定し、投与試験を行った。結果を第1表に示す。

0035

(実施例3)メトキシエチルアクリレートの添加量を10重量部とした以外は、実施例1と同様の方法により、ポリメトキシエチルアクリレートを得た。実施例1と同様の方法により、分子量分布を測定し、投与試験を行った。結果を第1表に示す。

0036

(実施例4)メトキシエチルアクリレート20重量部の代わりに、メトキシブチルアクリレート10重量部を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ポリメトキシブチルアクリレートを得た。実施例1と同様の方法により、分子量分布を測定し、投与試験を行った。結果を第1表に示す。

0037

(実施例5)メトキシエチルアクリレート20重量部の代わりに、メトキシエチルアクリレート19.3重量部およびブチルアクリレート0.7重量部を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、メトキシエチルアクリレートおよびブチルアクリレートのランダム共重合体を得た。このランダム共重合体におけるメトキシエチルアクリレートとブチルアクリレートの組成比モル比)を1 H−NMR(重クロロホルム)により測定した。メトキシエチルアクリレートの含量は、全体の96.15mol%であった。実施例1と同様の方法により、分子量分布を測定し、投与試験を行った。結果を第1表に示す。

0038

(比較例1)メトキシエチルアクリレートの添加量を30重量部とし、温度を70℃とした以外は実施例1と同様の方法により、ポリメトキシエチルアクリレートを得た。実施例1と同様の方法により、分子量分布を測定し、投与試験を行った。結果を第1表に示す。

0039

(比較例2)メトキシエチルアクリレート20重量部を含むメタノール溶液に、アゾ系重合開始剤(V−601)0.5重量部を添加し、50℃で3時間重合し、ヘキサンを貧溶媒として再沈殿法で精製してポリメトキシエチルアクリレートを得た。実施例1と同様の方法により、分子量分布を測定し、投与試験を行った。結果を第1表に示す。

0040

上記一般式(I)で表され、GPCによるポリスチレン換算重量平均分子量が40,000〜100,000である重合体であって、GPCチャートにおけるポリスチレン換算重量平均分子量が200,000以上の分子量分画のピーク面積が全体のピーク面積の0.5〜10%である重合体を用いた本発明の生体適合性医用材料(実施例1〜4)は、生物学的安全性が高いことが分かる。上記一般式(II)で表されるモノマーならびに、上記一般式(III)で表されるモノマーおよび下記一般式(IV)で表されるモノマーからなる群から選ばれる少なくとも1つのモノマーの共重合により得られ、共重合の際の一般式(II)で表されるモノマーの全モノマーに対する割合が95mol%以上であり、GPCによるポリスチレン換算重量平均分子量が40,000〜100,000である共重合体であって、GPCチャートにおけるポリスチレン換算重量平均分子量が200,000以上の分子量分画びピーク面積が全体のピーク面積の0.5〜10%である共重合体である本発明の生体適合性医用材料(実施例5)も、同様に生物学的安全性が高いことが分かる。

0041

これに対して、上記一般式(I)で表される重合体ではあるが、GPCチャートにおけるポリスチレン換算重量平均分子量が200,000以上の分子量分画のピーク面積が全体ピーク面積の10%を超える重合体を用いた場合(比較例1および2)は、投与試験において、β−GLB比およびRET比に有意差のある上昇が見られた。

0042

0043

血液適合性血小板粘着試験)>
(実施例6)実施例1で得られたポリメトキシエチルアクリレートをテトラヒドロフランに0.1重量%の濃度で溶解した。この溶液を用い、浸漬法によりポリプロピレンフィルム(FOP#60、二化学社製、厚さ60μm)を被覆したサンプルについて、下記の方法で血小板粘着試験を行った。クエン酸ナトリウム抗凝固した人新鮮多血小板血漿サンプル表面を30分間接触させ、生理食塩水リンスし、グルタルアルデヒドで固定した後、0.1mm2 に粘着した血小板数電子顕微鏡で観察した。血小板の形態変化進行度により1型(球状で付着)→2型(数本の偽足形成)→3型(多数の偽足形成)→4型(完全に拡張した状態)に分類し、次式で定義されるMS(モルフォロジカルスコア)を求めて、血液適合性の評価を行った。MSが小さいほど、血小板の粘着・活性化が抑制されていること、即ち、血液適合性に優れていることを示す。
MS=n1×1+n2×2+n3×3+n4×4
(式中、n1は1型の血小板数、n2は2型の血小板数、n3は3型の血小板数、n4は4型の血小板数を表す。)
結果を第2表に示す。

0044

(実施例7)実施例1で得られたポリメトキシエチルアクリレートの代わりに、実施例2で得られたポリメトキシエチルアクリレートを用いた以外は、実施例6と同様の方法により、血小板粘着試験を行った。結果を第2表に示す。

0045

(実施例8)実施例1で得られたポリメトキシエチルアクリレートの代わりに、実施例4で得られたポリメトキシブチルアクリレートを用いた以外は、実施例6と同様の方法により、血小板粘着試験を行った。結果を第2表に示す。

0046

(実施例9)実施例1で得られたポリメトキシエチルアクリレートの代わりに、実施例5で得られたメトキシエチルアクリレートおよびブチルアクリレートのランダム共重合体を用いた以外は、実施例6と同様の方法により、血小板粘着試験を行った。結果を第2表に示す。

0047

(比較例3)メトキシエチルアクリレート20重量部の代わりに、2−エチルヘキシルアクリレート20重量部を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ポリ2−エチルヘキシルアクリレートを得た。実施例1と同様の方法により、分子量分布を測定した。実施例1で得られたポリメトキシエチルアクリレートの代わりに、上記で得られたポリ2−エチルヘキシルアクリレートを用いた以外は、実施例6と同様の方法により、血小板粘着試験を行った。結果を第2表に示す。

0048

(比較例4)メトキシエチルアクリレート20重量部の代わりに、メトキシエチルアクリレート0.8重量部およびブチルアクリレート19.2重量部を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、メトキシエチルアクリレートおよびブチルアクリレートのランダム共重合体を得た。このランダム共重合体におけるメトキシエチルアクリレートとブチルアクリレートの組成比(モル比)を1 H−NMR(重クロロホルム)により測定した。メトキシエチルアクリレートの含量は、全体の3.85mol%であった。実施例1と同様の方法により、分子量分布を測定した。実施例1で得られたポリメトキシエチルアクリレートの代わりに、上記で得られたメトキシエチルアクリレートおよびブチルアクリレートのランダム共重合体を用いた以外は、実施例6と同様の方法により、血小板粘着試験を行った。結果を第2表に示す。

0049

(比較例5)ポリプロピレンフィルム(FOP#60)を被覆しないでそのまま用いた以外は、実施例6と同様の方法により、血小板粘着試験を行った。結果を第2表に示す。

0050

本発明の生体適合性医用材料により表面を被覆されたポリプロピレンフィルムでは、MSの値が小さかった(実施例6〜9)。即ち、本発明の生体適合性医用材料は、側鎖にエーテル結合およびエステル結合を有し適度な親水性を有する重合体・共重合体が用いられるため、血小板の粘着・活性化を抑制する効果を有することが分かる。これに対して、ポリプロピレンフィルムの表面の被覆に側鎖の疎水性が大きい重合体を用いた場合(比較例3)、上記一般式(II)で表されるモノマーならびに、上記一般式(III)で表されるモノマーおよび下記一般式(IV)で表されるモノマーからなる群から選ばれる少なくとも1つのモノマーの共重合により得られるが、共重合の際の一般式(II)で表されるモノマーの全モノマーに対する割合が95mol%未満である場合(比較例4)、ならびにポリプロピレンの疎水性表面をそのまま用いた場合(比較例5)は、血小板の粘着・活性化が起こる。

0051

発明の効果

0052

本発明の生体適合性医用材料は、血液、体液、生体組織等と接触した際の血小板の粘着や活性化が軽微で、補体系の活性化が軽微であり、生体組織との親和性に優れており、かつ、生物学的安全性が高いという利点を有する。従って、人工腎臓用膜、血漿分離膜、カテーテル、人工肺用膜、人工血管、癒着防止膜、人工皮膚、インプラント用材料等の人工臓器、医療用具等の材料として極めて有用である。

図面の簡単な説明

0053

図1実施例1のポリメトキシエチルアクリレートのゲルパーミエーションクロマトグラフィーのチャート(GPCチャート)である。

--

0054

1ポリスチレン換算重量平均分子量が200,000以上の分子量分画
2 ポリスチレン換算重量平均分子量が200,000未満の分子量分画

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