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技術 臨床試料における耐性菌細胞の検出法

出願人 エベルハルト—カルルス—ウニベアジテート、テュービンゲン、ウニベアジテートスクリニクム
発明者 ヘルマン、アインゼーレユルゲン、レフラー
出願日 1997年10月4日 (23年0ヶ月経過) 出願番号 1998-518882
公開日 2000年12月5日 (19年10ヶ月経過) 公開番号 2000-516100
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 開始試料 同定分析 リン脂質層 直接攻撃 陽性所見 分析用キット 不完全菌 カンジダ菌
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課題・解決手段

本発明は、臨床試料における耐性菌細胞検出法に関する。本発明の方法によれば、まず、臨床試料から菌特異的核酸を抽出した後、アゾール誘導体耐性菌細胞の核酸セグメントを標的とする菌特異的ハイブリダイゼーションプローブハイブリダイズさせる。

概要

背景

概要

本発明は、臨床試料における耐性菌細胞検出法に関する。本発明の方法によれば、まず、臨床試料から菌特異的核酸を抽出した後、アゾール誘導体耐性菌細胞の核酸セグメントを標的とする菌特異的ハイブリダイゼーションプローブハイブリダイズさせる。

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請求項1

臨床試料における耐性菌細胞検出法であって、a)臨床試料由来の菌特異的核酸を抽出した後、b)菌特異的核酸をアゾール誘導体耐性菌の核酸セグメントに向けられたハイブリダイゼーションプローブハイブリダイズする工程を含んでなる方法。

請求項2

ハイブリダイゼーションプローブが14-α-ラノステノールデメチラーゼ遺伝子由来のDNAセグメントに対して向けられている、請求項1記載の方法。

請求項3

ハイブリダイゼーションプローブがカンジダアルビカンス(Candida albicans)種の14-α-ラノステノールデメチラーゼ遺伝子(ERG16遺伝子)由来のDNAセグメントに対して向けられている、請求項2記載の方法。

請求項4

工程a)と工程b)の間に、14-α-ラノステノールデメチラーゼ遺伝子のセグメント増幅するPCR反応を行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。

請求項5

PCR反応でプライマー対として配列番号1および配列番号2のヌクレオチド配列または配列番号3および配列番号4のヌクレオチド配列を用いる、請求項4記載の方法。

請求項6

工程b)でハイブリダイゼーションプローブとして配列番号5〜8の1以上のヌクレオチド配列を用いる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。

請求項7

工程b)で、ハイブリダイゼーションジゴキシゲニンで標識し、次いでサザンハイブリダイゼーションで用いる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。

請求項8

ハイブリダイゼーション後、用いる特定のハイブリダイゼーションプローブの融解温度(Tm)よりもおよそ1℃低い温度で少なくとも1回の洗浄工程を行う、請求項6または7記載の方法。

請求項9

配列番号1のヌクレオチド配列。

請求項10

配列番号2のヌクレオチド配列。

請求項11

配列番号3のヌクレオチド配列。

請求項12

配列番号4のヌクレオチド配列。

請求項13

配列番号5のヌクレオチド配列。

請求項14

配列番号6のヌクレオチド配列。

請求項15

配列番号7のヌクレオチド配列。

請求項16

配列番号8のヌクレオチド配列。

請求項17

請求項4〜7のいずれか1項に記載の方法における、プライマーとしての配列番号1および配列番号2のヌクレオチド配列、ならびにハイブリダイゼーションプローブとしての配列番号5および/または配列番号6のヌクレオチド配列の使用。

請求項18

請求項4〜7のいずれか1項に記載の方法における、プライマーとしての配列番号3および配列番号4のヌクレオチド配列、ならびにハイブリダイゼーションプローブとしての配列番号7および/または配列番号8のヌクレオチド配列の使用。

請求項19

請求項9〜16の配列番号1〜8のヌクレオチド配列の1以上を含む、アゾール誘導体耐性菌株による菌感染分析用キット

請求項20

請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法を行うためのキット

0001

本発明は、臨床試料における耐性菌細胞検出法に関する。

0002

菌細胞検出法における全般的興味は、特に近年、免疫抑制患者において、菌
種が院内病原体として極めて重大なものとなってきたという点から考慮しなけれ
ばならない。

0003

これまでに公知の菌感染分析のための方法は、主として菌感染の診断および病
原性菌種の同定を可能にすることを目的としている。これは、例えば適切な栄養
培地上ので臨床試料由来の菌種の培養、および分子生物学的方法の使用により行
われる。

0004

医学上最も重要な任意病原性菌類の中には、不完全菌属に属するカンジダ属
ある。これはカンジダ症とも呼ばれる、いわゆるカンジダ菌症を引き起こす。カ
ンジダ属の中で最も重要な病原体はカンジダアルビカンス(Candida albicans)
種であり、これは通常あまり重症にはならない皮膚および粘膜の感染ばかりでな
く、深在性臓器菌症または全身性菌症を引き起こす。「全身性菌症」とは、皮膚
または粘膜ばかりでなく、さらに臓器、臓器系、またそれどころか生体全体を冒
す菌感染を意味すると理解される。後者の場合、「全身性」菌感染という用語も
また使用される。

0005

全身性菌症における病原体の検出は極めて不確実であり、実際には、しばしば
死後にのみ行われる。分子生物学的分析法はここで実質的進歩を遂げてきた:そ
れらにより、菌感染の迅速かつ確実な検出、および種々の菌種の互いの識別が可
能となる。

0006

Niesters et al.(1993),Journal of Clinical Microbiology,pp.904-910

カンジダ種のための、迅速な、ポリメラーゼ鎖反応に基づく同定分析」という
文献には、種々のカンジダ種の検出および識別が可能なポリメラーゼ連鎖反応(P
CR)に基づく方法が記載されている。

0007

この方法では、まず、臨床試料から菌特異的核酸を抽出し、次いで、さらなる
分析を行う。分析は、18ssuRNA遺伝子領域の詳細な検査により行う。これは
PCRによる、この遺伝子領域のセグメント増幅のために適切なプライマー
使用することにより行われ;その結果得られるPCR生成物は、制限酵素を用いて
配列決定する、分析する、または特異的ハイブリダイゼーションプローブハイ
ブリダイズする。後者の場合、ハイブリダイゼーションプローブは、放射性ヌク
レオチドを組み込むことにより標識し、オートラジオグラフィーにより検出する
。次いで、配列決定、制限パターン、またはハイブリダイゼーションパターン
基づき、種々のカンジダ種を互いに識別する。

0008

カンジダ・アルビカンス感染の診断が可能なさらなる方法は、Buchman et al
.(1990),Surgery 108,pp.338-347による公表、「In vitroDNA増幅による
外科的病原体の検出。PartI.菌特異的遺伝子のin vitro増幅によるカンジダ・ア
ルビカンスの迅速な同定法」に記載されている。

0009

この方法により、カンジダ・アルビカンス感染の検出は、種々の菌特異的遺伝
子領域、すなわち酵素14-α-ラノステロールデメチラーゼの遺伝子のPCR増幅
より達成される。

0010

このPCR生成物は、この場合、ハイブリダイゼーションによるだけでなく、ア
ガロースゲルでの分離および臭化エチジウムによるDNA染色によっても検出さ
れる。

0011

前記の2つの方法では、Niesters et al.の公表に記載されたように、分子生物
学的技術を用いて、患者試料における菌感染を検出し、さらに種々のカンジダ属
の種を互いに識別する。

0012

ひとたび全身性菌感染が検出されれば、種々の抗菌薬、すなわち菌の増殖を阻
害する薬剤を用いて中和することができる。全身適用に有効な成分としては、ア
ゾール誘導体ポリエンアンホテリシンBフルシトシングリセオフルビン
よびタービナフィンがある。通常使用される抗菌薬は、例えばフルコナゾール
含むアゾール誘導体である。

0013

このクラスの抗菌薬の頻繁な使用は、最近、これらの治療薬ではその増殖がも
はや阻害できない耐性菌株の発達をもたらした。しかしながら、その全身性菌症
に対する優れた効果に加え、他の抗菌薬とは対照的に、軽い、さらには無害の副
作用しか引き起こさないため、この薬剤の使用を完全にやめることはできない。
このような状況のおける重大な問題は、耐性菌細胞の存在を決定するための迅速
試験が利用できないため、この種の耐性が早期に検出できないということであ
る。

0014

従って、アゾール誘導体が最初に「選択薬」として用いられ;高用量かつ長期
治療にもかかわらず、患者に好転の兆しが見られない場合にはじめて、その患者
はアゾール誘導体に耐性を持つ菌細胞に感染していると結論づけることが可能で
ある。しかしながら、このような特定の症例には有効でないアゾール誘導体での
治療にもかかわらず、患者における感染の経過に劇的な変化が起こるまで、この
ような診断がなされないことがしばしばである。

0015

前記の観点から、本発明の目的は、アゾール誘導体耐性菌細胞を特異的に検出
できる、迅速かつ確実な方法を創出することである。

0016

本発明によれば、この目的は以下の工程:
a)臨床試料からの菌特異的核酸の抽出;および
b)菌特異的核酸と、アゾール誘導体耐性菌細胞の核酸セグメントに向けられるハ
イブリダイゼーションプローブとのハイブリダイゼーション
を有する方法により達成される。

0017

アゾール誘導体感受性菌細胞由来ではなく、アゾール誘導体耐性菌細胞由来の
核酸セグメントを特異的に検出するハイブリダイゼーションプローブを用いて菌
特異的核酸をハイブリダイズすることにより、耐性菌株の検出が、いまや迅速、
再現可能かつ容易に実施できる分子生物学的方法が利用できるようになった。こ
れにより、検出は、迅速かつ微量の臨床試料を基に達成できる。陽性所見が得ら
れた場合、すなわち耐性菌株が存在する場合、菌感染が最終的に中和される、異
なる抗菌薬に変更することができる。

0018

この方法のためには、菌特異的核酸を、好ましくは血液からだけでなく、生検
試料、粘膜スワブ、または他の患者試料から抽出することができる。

0019

菌特異的DNAまたはRNAのいずれかを単離することが可能であり;次いで
それをDNA/DNA、DNA/RNAまたはRNA/RNAハイブリダイゼー
ションにより検出する。

0020

溶液中または固形担体、例えば膜またはカラムでのハイブリダイゼーションを
検出することができ;使用するハイブリダイゼーションプローブは放射性または
非放射性標識し、次いで、特異的ハイブリダイゼーションをオートラジオグラフ
ィーまたは酵素が触媒する呈色反応により検出する。

0021

これにより、本発明の目的は完全に達成される。

0022

本発明の方法の場合、ハイブリダイゼーションプローブを14-α-ラノトール
デメチラーゼ遺伝子由来のDNAセグメントに対して向けることが好ましい。

0023

これは、本出願の発明者らが、アゾール誘導体に対する耐性を表す菌種におい
て、菌DNAのこの遺伝子領域に突然変異が起こり、これが意外にもアゾール
導体耐性の臨床所見および微生物学的所見と極めて重要な様式で相関しているこ
とを証明できたからである。

0024

この相関の可能な説明は、アゾール誘導体は菌におけるエルゴステロール合成
を阻害するという認識に基づいている。エルゴステロールは、菌細胞壁の内部に
付着するリン脂質層である、いわゆる原形質膜包埋されているステロイドであ
る。エルゴステロールは、細胞内で前駆体であるラノステロールから合成される
。ラノステロールからエルゴステロールを合成する決定的な工程は、14-DMと略
記される酵素、14-α-ラノステロールデメチラーゼにより触媒される。

0025

エルゴステロールは原形質膜の不可欠な構成要素であるため、エルステロ
不在下では細胞分裂は起こり得ない。細胞分裂には、細胞壁および原形質膜の
継続的な合成が必要である。

0026

ステロイドエルゴステロールが菌では特異的に生じるが、ヒト細胞または細菌
においては生じないことから、菌感染の中和のために菌細胞の増殖に不可欠なエ
ルゴステロール合成の阻害を首尾よく使用することができる。

0027

従って、本発明の方法の有利な点は、アゾール誘導体により直接攻撃されるタ
ンパク質をコードする遺伝子に対して、ハイブリダイゼーションプローブが使用
されることである。耐性菌細胞では、この遺伝子において核酸配列の変化がしば
しば起こる。次いで、特異的ハイブリダイゼーションプローブは、これらの配列
変化を検出するように、すなわちアゾール誘導体に耐性を示す菌細胞の遺伝子セ
グメントにのみ結合するように設計される。

0028

さらにこの方法において、ハイブリダイゼーションプローブがカンジダ・アル
ビカンス種の14-α-ラノステロールデメチラーゼ遺伝子由来のDNAセグメント
に対して向けられることが好ましい。カンジダ・アルビカンスでは、この遺伝子
はまたERG16遺伝子とも呼ばれる。

0029

本明細書において、ハイブリダイゼーションプローブが、最も一般的な病原性
菌種、すなわちカンジダ・アルビカンスの耐性菌株の診断を可能にすることが有
利である。

0030

本発明の方法の改良法では、14-α-ラノステロールデメチラーゼ遺伝子のセグ
メントを増幅するPCR反応を工程a)およびb)の間に行う。

0031

このようにこの特性は、必要とされる遺伝子セグメントのみを特異的に含有す
る大量の開始試料が作製されるので、本法が感受性および特異性の双方を得ると
いう利点を有する。次いで、PCRにより増幅された試料を例えばサザンハイブリ
ダイゼーションに使用する。

0032

本発明の方法の改良法では、PCR反応におけるプライマーとして、配列番号1お
よび配列番号2のヌクレオチド配列、または配列番号3および配列番号4のヌクレ
オチド配列を用いることが好ましい。

0033

本明細書において、発明者が認識しているように、これらのプライマー対を用
いて耐性菌種の特徴的なDNA配列を含むDNAセグメントを増幅できることが
有利である。得られる増幅生成物は、完全な遺伝子よりもかなり短く、従って、
次の工程をより簡単にすることができる。

0034

本発明の方法では、さらに、配列番号5〜8の1以上のヌクレオチド配列をハイ
ブリダイゼーションプローブとして工程b)で使用することが好ましい。

0035

これは、本出願の発明者が、驚くべきことに、各場合においてその耐性がERG1
6遺伝子のただ1つの塩基置換に起因する耐性カンジダ種と、この突然変異を示
さない感受性株を識別するために、これらのハイブリダイゼーションプローブを
使用できることを認識しているからである。

0036

有利な具体例では、工程b)でハイブリダイゼーションプローブをジゴキシゲニ
ンで標識し、サザンハイブリダイゼーションに使用する。次いで、呈色反応を触
媒する酵素と複合体を形成している抗ジゴキシゲニン抗体により、特異的ハイブ
リダイゼーションの検出を達成する。

0037

ここでの利点は、ハイブリダイゼーションプローブの標識が放射活性により達
成される必要はないことである。それに加えて、大量のハイブリダイゼーション
プローブが同時に標識できる;さらに、これらは長期間安定なので、アリコート
に分け-20℃で保存できる。その後、同じ標識反応から得られたアリコートを解
凍して個々の検出反応に使用することができ、かくして長期間にわたる良好な再
現性が保証される。

0038

もちろん、放射活性標識法および、例えばビオチンによる標識のような他の非
放射活性標識法もまた使用できる。

0039

サザンハイブリダイゼーション法では、分析される核酸が、例えばマイクロ
ルロースまたはナイロン膜のような膜に迅速に塗布できることは有利である。本
明細書における最も迅速な方法は、当業者によく知られている「ブロットブロ
ット」または「ドット−ブロット」法である。

0040

しかしながら、まず分析されるDNAをアガロースゲル上で分離し、次いでそ
れを膜上へ転移するだけということもまた可能である。

0041

菌DNAはサザンハイブリダイゼーションにおいて、直接、または先のPCR増
幅の後に用いることができる。

0042

しかしながら、菌特異的RNAを分析することもまた可能であることも理解さ
れる。これらは菌細胞の細胞質から直接単離するもできるし、または逆転写によ
って作製することもできる。次いで、ノーザンブロットまたは他のRNA検出反
応を用いて分析を行うことができる。

0043

例えば、サザンまたはノーザンハイブリダイゼーションの場合のように、ハイ
ブリダイゼーションを膜上で行う必要はなく、溶液中もしくはカラム上でも実施
できる。

0044

もし核酸配列配列番号4〜8を有するハイブリダイゼーションプローブを、工程
b)で用いるのであれば、ハイブリダイゼーション後、用いた特定のハイブリダイ
ゼーションプローブの融解温度(Tm)より約1℃低い温度にて、洗浄工程を行うこ
とが望ましい。

0045

ここでの有利な点は、この洗浄工程では、比較的高温度のためにいかなる誤対
合も示さないそれらの二本鎖領域のみが安定であるということである。このよう
に、そのDNA配列が対応する菌DNAセグメントとは完全には適合しない対合
ハイブリダイゼーションプローブは総て、この洗浄工程で洗い去られ、それゆえ
、検出反応におけるシグナルはもはや生じない。このように、もし菌DNAが、
突然変異を含む耐性菌細胞に由来する場合にだけ、シグナルが得られる。

0046

それゆえ、このように特異的ハイブリダイゼーションプローブを用いて、ただ
1つの塩基により互いに異なる遺伝子セグメントを識別することが可能である。

0047

本発明はさらに、配列番号1〜8のヌクレオチド配列に関する。

0048

本明細書では、配列番号1および2のヌクレオチド配列を、PCR反応用プライマ
ーとして用い、かつ、配列番号5および/または6のヌクレオチド配列を、アゾー
ル誘導体耐性菌細胞の検出法においてハイブリダイゼーションプローブとして用
いれば好ましい。

0049

本発明の方法において、配列番号3および4のヌクレオチド配列をプライマーと
して用い、かつ、配列番号7または8のヌクレオチド配列をハイブリダイゼーショ
ンプローブとして用いれば、それもまた望ましい。

0050

この特徴で有利な点は、そのポリメラーゼ連鎖反応により、300〜400塩基対
含む簡単に取扱える多量のDNA断片が初めて困難なく利用可能になるというこ
とであり、さらに、それらのPCR断片に存在すると考えられる塩基置換をハイブ
リダイゼーションプローブを用いて同定できるということである。

0051

具体的には、本出願の発明者らは、アゾール誘導体感受性菌株と比較して、ア
ゾール誘導体耐性菌株では、別個の塩基置換が多数生じるということを証明する
ことに成功した。例えば、ERG遺伝子のTからGへの塩基置換は、酵素14-DMの105
番のアミノ酸であるフェニルアラニンロイシンへと変異させる。このT/G置換
は、配列番号5のヌクレオチド配列を有するハイブリダイゼーションプローブを
用い、遺伝子レベルで検出できる。発明者らは、耐性菌株でAからCへの塩基置換
が起こり、これが142番のアミノ酸であるグルタミンプロリンへと変異させる
ことができることもまた認識している。この変異は、配列番号6のヌクレオチド
配列を有するハイブリダイゼーションプローブを用いて検出できる。双方ともG
からAへのさらに2つの塩基置換もまた見出された。これらは、14-DMの464番のグ
リシンセリンへと変異させ、また488番のバリンイソロイシンへと変異させ
る。これらの2つの点突然変異は、各々配列番号7および8のヌクレオチド配列を
有するハイブリダイゼーションプローブを用いて検出される。

0052

耐性菌株は、特に増幅されたPCR断片上に1またはいくつかの塩基置換を含む
ため、その対応するハイブリダイゼーションプローブが、同時にサザンハイブリ
ダイゼーションに使用されれば有利である。さらに、あらゆる場合において、陽
性シグナルが耐性菌種が存在することを示す。もしハイブリダイゼーションが、
ただ1つのハイブリダイゼーションプローブを用いて行われるのであれば、この
耐性菌株でどの変異が起こるのか、また1または数種の変異が存在するかどうか
を検出することができる。

0053

しかしながら、配列番号1および4のヌクレオチド配列をプライマーとして組み
合わせることも可能であり、さらにその結果、増幅された約1,400塩基対のPCR断
片が、配列番号5〜8のヌクレオチド配列を有するハイブリダイゼーションプロー
ブを用いて検出可能なあらゆる変異を含むことが理解される。

0054

さらに本発明は、アゾール誘導体耐性菌株による菌感染の分析用キットに関
し、このキットには配列番号1〜8のヌクレオチド配列の1以上が含まれる。

0055

この方法を実施する実験室自身が、プライマーおよびハイブリダイゼーション
プローブを作製する必要がないので、この種のキットには、特に迅速かつ簡便に
にこの方法を実施できるという利点がある。

0056

このキットはまた、ポリメラーゼ連鎖反応およびハイブリダイゼーションを行
うために必要な総ての溶液を含む。これにより、熟練していない技術者によるル
ーチン実験室においてさえ、本発明の方法を行うことができる。もし多くの反応
に必要な総ての物質がこのキットで提供されるのであれば、この方法はさらに、
時間を消費する調製なしに高度な再現性をもって迅速に行うことが可能である。

0057

さらなる利点は下記の説明から明らかである。

0058

本発明の範囲を逸脱することなく、前記の特徴および以下に説明する特徴は、
示した各々の組み合わせだけでなく、他の組み合わせまたは単独においても用い
ることができることが理解されよう。

0059

以下、この方法の個々の工程を行う実施例を説明する。
実施例1:カンジダ・アルビカンス株の培養

0060

耐性および感受性カンジダ・アルビカンス株の分析、および比較のため、患者
試料または酵母サンプルを、Sabouraudグルコース寒天、酵母培養用に用いられ
標準培地上で、30℃にて48時間インキュベートする。次いで、いくつかのコロ
ニー採取し、無菌の0.9%塩化ナトリウム溶液に入れる。
実施例2:菌細胞の分解および菌DNAの単離

0061

菌細胞をアルカリ溶解(50mM NaOH、10分、95℃)、次いで中和およびザイモ
ラーゼ(Zymolase)(Sigma)での酵素処理により分解する。このタンパク質を、Tri
s/EDTAおよび10% SDS溶液中で65℃にて変性させる。

0062

得られた溶液は、遊離菌DNAのみならず菌細胞片を含み、ここでそれを単離
しなければならない。

0063

これを、まず5M酢酸カリウムを用いたタンパク質沈降、次いで氷冷イソプロパ
ノールの添加によるDNA沈降により行う。この沈降生成物を次の処理工程に用
いる。
実施例3:ERG16遺伝子由来のDNA断片の増幅

0064

PCR反応の目的は、まず特異的ハイブリダイゼーションプローブが結合するERG
16遺伝子のセグメントを増幅することである。ERG16遺伝子は全長1,851塩基対を
有しており、これによりPCRによって容易に増幅され得る、取扱いの容易なセグ
メントに細分される。

0065

配列番号5および/または6のDNA配列をハイブリダイゼーションプローブと
して用いるのであれば、配列番号1(上流プライマー)および2(下流プライマー
)のヌクレオチド配列を有するプライマーを用いてPCRを行う。

0066

次いで、前記プライマーは、ERG16遺伝子の塩基379〜塩基676の領域、すなわ
ち約300塩基対を含んでなるPCR生成物を生じる。

0067

配列番号7および/または8のDNA配列をハイブリダイゼーションプローブと
して用いるのであれば、PCRには配列番号3(上流プライマー)および4(下流プ
ライマー)のヌクレオチド配列を用いる。

0068

これらのプライマーは、ERG16遺伝子の塩基1360〜塩基1774の領域、すなわち
約400塩基対の断片を増幅する。

0069

PCR条件は下記のとおりである:
緩衝液(50μl):
10mM Tris(pH9.6)
50mM NaCl
10mM MgCl2
0.2mg/mlBSA
ポリメラーゼ
0.5mMの各ヌクレオチド
100pMの各プライマー
初期変性94℃にて3分
循環変性 94℃にて0.5分
アニーリング: 62℃にて1分
伸長: 72℃にて2分
末端伸長: 72℃にて5分
サイクル数: 34

0070

緩衝液中の高濃度マグネシウムが、ポリメラーゼに対する高い特異性を保証
し、このポリメラーゼは、伸長工程ではその至適温度72℃で取り扱うことができ
る。

0071

PCR反応は十分に大量な開始物質をもたらし、その結果、さらなる分析を行っ
て、DNAが耐性または感受性菌細胞のいずれに由来するかの決定することがで
きる。

0072

ERG16遺伝子上のプライマーおよびハイブリダイゼーションプローブの位置を
、「詳細な説明」の末尾の表Iに示す。
実施例4:PCR断片のサザンハイブリダイゼーション

0073

実施例3で得られたPCR生成物を熱変性させ、例えば当業者に公知のスロット-
ブロット法を用いてナイロン膜上に塗布する。このDNAをナイロン膜上で架橋
する。ハイブリダイゼーションプローブは、当業者に公知の方法(例えば、ニッ
クトランスレーションまたはランダムプライミング)を用い、ジゴキシゲニンで
標識したヌクレオチドを組み込むことにより標識する。

0074

膜上に固定化したDNAを、まず0.4N NaOHで20分間変性させた後、2xSSPE(1x
SSPE=150mM NaCl、10mM二水素リン酸ナトリウム、1mMEDTA、pH7.7)で中和する
。この膜のプレハイブリダイゼーションは、6xSSPE、5xデンハルト溶液、0.1% N
-ラウリルサルコシンナトリウム、0.02% SDS中で、42℃にて20分間行う。

0075

その後、ハイブリダイゼーションを、30pMのジゴキシゲニン化ハイブリダイゼ
ーションプローブを添加した前記ハイブリダイゼーション溶液中で、42℃にて20
分間行う。用いるハイブリダイゼーションプローブは、別個の連続した、または
いくらかの一致を有する、配列番号5〜8の配列の1または数個である。

0076

ハイブリダイゼーションの特異性は、後に続く洗浄工程により決定する。第一
に、2回の洗浄工程を42℃にて5分間、2xSSPE、0.1% SDS中で行う。次ぎに、2回
の洗浄工程を6xSSPE、1% SDS中で各7分間行い洗浄温度はおよそ、好ましくは
厳密にTm値より1℃低くする。

0077

ハイブリダイゼーションプローブの融解温度、およびハイブリダイゼーション
プローブにより検出可能な塩基置換を表Iに示す。

0078

ハイブリダイゼーションプローブのヌクレオチド配列が、正確にPCR断片の対
応配列と適合しなければ、そのハイブリダイゼーションプローブはこの工程で洗
い去られる。

0079

その後、検出反応を行う;これはジゴキシゲニン化したハイブリダイゼーショ
ンプローブが膜上に存在するか否かを決定する。これは、the Boehringer Mannh
eim companyの製造者プロトコールに従う方法で、酵素複合化抗ジゴキシゲニ
ン抗体を用いて行う。次いで、この酵素は不溶性有色複合体の生成する反応を触
媒する。

0080

配列番号5〜8の配列を有する特異的ハイブリダイゼーションプローブの1つが
、特異的に臨床試料由来の菌DNAとハイブリダイズすれば、その患者は、アゾ
ール誘導体に耐性を持つ菌細胞を含んでいる。従って、アゾール誘導体抗菌薬で
の治療は、この種の菌細胞による感染に対しては不適当であり、カンジダ感染
中和するためには、違う治療を施さなければならない。

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