図面 (/)

技術 非線形異形コイルばねおよびその製造方法

出願人 株式会社多摩スプリング
発明者 渡邊浩太郎
出願日 1999年5月24日 (22年0ヶ月経過) 出願番号 1999-143253
公開日 2000年12月5日 (20年6ヶ月経過) 公開番号 2000-337415
状態 未査定
技術分野 車体懸架装置 ばね 線材加工 車体懸架装置
主要キーワード 角ばね 材料コイル ねじの軸線 荷重偏心 異形線材 コイリングマシン ピッチツール コイリングピン
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2000年12月5日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (11)

目的

成形技術が難しくなく、応力集中を起こさずに、所望の非線形特性を得ることができる非線形異形コイルばねを提供する。また、非線形異形コイルばねを比較的容易に製造できる製造方法を提供する。

構成

非線形異形コイルばねは、長方形断面の第1部分と、第2部分と、第1部分と前記第2部分を連結する、断面の横または縦の長さが徐々に変化する遷移部分と、を有する。また、断面形状の変化の代わりに、ピッチを変えてもよい。

概要

背景

自動車用サスペンションの機能は、操縦定性を保つことと乗り心地をよくすることである。操縦安定性の向上は、特に、ラリーなどのモータスポーツでは重要であり、ばね定数の大きいばねが採用されているが、路面からの衝撃荷重により乗り心地が悪くなってしまう。そこで、座金懸架ばねの間にもう一本のばねを補助ヘルパ)として入れ、衝撃を吸収して乗り心地をよくするサスペンション方式が一部採用されている。

図10は前述の自動車用サスペンションを示す。このサスペンションは座金132と134との間に座金132’を追加し、座金132と132’の間に他の補助用ばねヘルパースプリング)130’を追加したものである。そして、メインばね130としては、断面円形コイルばねを用い、補助用ばね130’としてはたわみ量が大きくとれる異形コイルばねを用いている。補助用ばね130’は、自動車の重量でばねが完全圧縮されて上下の面部分が密着するようなたわみ量に設計されており、これによりメインばね130の遊びをなくしている。したがって、メインばね130だけがサスペンションとして機能する。

この補助用ばね(ヘルパ)は、従来の円形コイルばねではなく、角断面ばね(異形コイルばね)が採用されている。角ばねは密着時に面接触するので、円形コイルばねよりもたわみが多くとれる。そして、円形コイルばねと違って水平方向にずれにくく、横荷重荷重偏心)に対して強い。しかし、この方式は円形断面ばねと角断面ばねの2本の組み合わせであり、高度なサスペンション機能を満たすために、部品点数が多く、組み立ても複雑であった。

そして、前述の欠点を解決するために、改良したばね構造が提案されている。その1つは、素線断面形状が円形断面から異形断面に連続的に変化するコイルばねである(登録実用新案第3048245号)。

他の1つは、異形線材から成形されたコイルばねに成形途中ねじりを与えてねじの軸線方向に対して断面の向きを直角に変えた、異なる特性を持つコイル部からなる非線形異形コイルばねである(本出願人の先願の特許出願である特願平9−342128)。

概要

成形技術が難しくなく、応力集中を起こさずに、所望の非線形特性を得ることができる非線形異形コイルばねを提供する。また、非線形異形コイルばねを比較的容易に製造できる製造方法を提供する。

非線形異形コイルばねは、長方形断面の第1部分と、第2部分と、第1部分と前記第2部分を連結する、断面の横または縦の長さが徐々に変化する遷移部分と、を有する。また、断面形状の変化の代わりに、ピッチを変えてもよい。

目的

したがって、本発明の1つの目的は、成形技術が難しくなく、応力集中を起こさずに、所望の非線形特性を得ることができる非線形異形コイルばねを提供することにある。

本発明の他の目的は、非線形異形コイルばねを比較的容易に製造できる製造方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
10件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

断面の横の長さaと縦の長さbを持つ第1部分と、断面の横の長さaと縦の長さcを持つ第2部分と、前記第1部分と前記第2部分を連結する、断面の横の長さがaであり縦の長さがbからc(c<b)に徐々に変化する遷移部分と、を有することを特徴とする非線形異形コイルばね

請求項2

断面の横の長さaと縦の長さbを持つ第1部分と、断面の横の長さdと縦の長さbを持つ第2部分と、前記第1部分と前記第2部分を連結する、断面の横の長さがaからd(d<a)に徐々に変化し、縦の長さがbである遷移部分と、を有することを特徴とする非線形異形コイルばね。

請求項3

断面の横の長さaと縦の長さbを持つ少なくとも1つの第1部分と、断面の横の長さaと縦の長さcを持つ少なくとも1つの第2部分と、前記第1部分と前記第2部分を連結する、断面の横の長さがaであり縦の長さがbからc(c<b)に徐々に変化する少なくとも1つの遷移部分と、を有することを特徴とする非線形異形コイルばね。

請求項4

断面の横の長さaと縦の長さbを持つ少なくとも1つの第1部分と、断面の横の長さdと縦の長さbを持つ少なくとも1つの第2部分と、前記第1部分と前記第2部分を連結する、断面の横の長さがaからd(d<a)に徐々に変化し、縦の長さがbである少なくとも1つの遷移部分と、を有することを特徴とする非線形異形コイルばね。

請求項5

請求項1乃至4のいずれか1つに記載の非線形異形コイルばねにおいて、各部分の外径が同一であることを特徴とする非線形異形コイルばね。

請求項6

請求項1乃至4のいずれか1つに記載の非線形異形コイルばねにおいて、各部分の外径が任意に選択されたものあることを特徴とする非線形異形コイルばね。

請求項7

断面の横の長さaと縦の長さbを持ち、第1のピッチで巻かれた第1部分と、前記第1部分と連続しており、前記第1部分と同一断面形状を持ち、第1のピッチとは異なる第2のピッチで巻かれた第2部分と、を有することを特徴とする非線形異形コイルばね。

請求項8

断面の横の長さaと縦の長さbを持ち、第1のピッチで巻かれた少なくとも1の第1部分と、前記第1部分と連続しており、前記第1部分と同一断面形状を持ち、第1のピッチとは異なる第2のピッチで巻かれた少なくとも1つの第2部分と、を有することを特徴とする非線形異形コイルばね。

請求項9

請求項7または8に記載の非線形異形コイルばねにおいて、各部分の外径が同一であることを特徴とする非線形異形コイルばね。

請求項10

請求項7または8に記載の非線形異形コイルばねにおいて、各部分の外径が任意に選択されたものあることを特徴とする非線形異形コイルばね。

請求項11

非線形異形コイルばねを製造する方法において、断面長方形正方形を含む)(一辺の長さa、他辺の長さb)の棒材を準備し、プレス圧延または切削加工により、棒材の所定の範囲で長さaを徐々に長さdとなるように(または長さbを徐々に長さcとなるように)加工し、引き続き、プレス圧延または切削加工により、棒材の所定の範囲で長さd(または長さc)を維持するように加工し、断面の一方の辺を径方向にし、断面の他方の辺を軸線方向にして、加工した棒材をコイル状に巻き、次に、コイル形状に巻いた棒材を加熱処理する、ことを特徴とする非線形異形コイルばねの製造方法。

請求項12

請求項11記載の非線形異形コイルばねの製造方法において、前記棒材をコイル形状に巻く工程は、芯金コイル成形またはコイリングピン方式によって行われることを特徴とする非線形異形コイルばねの製造方法。

請求項13

請求項12記載の非線形異形コイルばねの製造方法において、芯金式コイル成形を用いる場合、棒材に断面形状が変わる遷移部分があるとき、外径が異なる少なくとも2つの部分と、これらの部分を連結する遷移部分とを有する芯金を用いることを特徴とする非線形異形コイルばねの製造方法。

請求項14

請求項11記載の非線形異形コイルばねの製造方法において、前記棒材をコイル形状に巻く工程は、成形しようとするコイルばねの形状に応じて、所望の外径を選択することを特徴とする非線形異形コイルばねの製造方法。

請求項15

非線形異形コイルばねを製造する方法において、断面長方形(正方形を含む)(一辺の長さa、他辺の長さb)の棒材を準備し、断面の一方の辺を径方向にし、断面の他方の辺を軸線方向にして、少なくとも2つの異なったピッチを持つように、加工した棒材をコイル状に巻き、次に、コイル形状に巻いた棒材を加熱処理する、ことを特徴とする非線形異形コイルばねの製造方法。

請求項16

請求項11記載の非線形異形コイルばねの製造方法において、前記棒材をコイル形状に巻く工程は、芯金式コイル成形またはコイリングピン方式によって行われることを特徴とする非線形異形コイルばねの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、非線形異形コイルばねおよびその製造方法に関し、特に、断面形状が変化するまたはピッチが変化する非線形異形コイルばねおよびその製造方法に関する。なお、本発明の非線形異形コイルばねは、特に自動車サスペンション用のばねとして用いられるのに適しているので、以下の説明は自動車のサスペンション用のばねとして説明するが、その他プレス等の機械にも用いられるものである。

背景技術

0002

自動車用サスペンションの機能は、操縦定性を保つことと乗り心地をよくすることである。操縦安定性の向上は、特に、ラリーなどのモータスポーツでは重要であり、ばね定数の大きいばねが採用されているが、路面からの衝撃荷重により乗り心地が悪くなってしまう。そこで、座金懸架ばねの間にもう一本のばねを補助ヘルパ)として入れ、衝撃を吸収して乗り心地をよくするサスペンション方式が一部採用されている。

0003

図10は前述の自動車用サスペンションを示す。このサスペンションは座金132と134との間に座金132’を追加し、座金132と132’の間に他の補助用ばねヘルパースプリング)130’を追加したものである。そして、メインばね130としては、断面円形コイルばねを用い、補助用ばね130’としてはたわみ量が大きくとれる異形コイルばねを用いている。補助用ばね130’は、自動車の重量でばねが完全圧縮されて上下の面部分が密着するようなたわみ量に設計されており、これによりメインばね130の遊びをなくしている。したがって、メインばね130だけがサスペンションとして機能する。

0004

この補助用ばね(ヘルパ)は、従来の円形コイルばねではなく、角断面ばね(異形コイルばね)が採用されている。角ばねは密着時に面接触するので、円形コイルばねよりもたわみが多くとれる。そして、円形コイルばねと違って水平方向にずれにくく、横荷重荷重偏心)に対して強い。しかし、この方式は円形断面ばねと角断面ばねの2本の組み合わせであり、高度なサスペンション機能を満たすために、部品点数が多く、組み立ても複雑であった。

0005

そして、前述の欠点を解決するために、改良したばね構造が提案されている。その1つは、素線断面形状が円形断面から異形断面に連続的に変化するコイルばねである(登録実用新案第3048245号)。

0006

他の1つは、異形線材から成形されたコイルばねに成形途中ねじりを与えてねじの軸線方向に対して断面の向きを直角に変えた、異なる特性を持つコイル部からなる非線形異形コイルばねである(本出願人の先願の特許出願である特願平9−342128)。

発明が解決しようとする課題

0007

前述の提案されたばね構造の前者(登録実用新案第3048245号記載のばね)は、図10に関連して説明したばねが持つ特性と同様な特性を持ちながら、図10で示したばねよりも部材点数の低減、組み付け性の向上、軽量化を図ることができるという利点があるが、円形から異形断面に変える製造技術が難しいという問題がある。ことに大きな非線形特性を出すためには極端に断面形状を変えねばならず、応力集中、線材の製造技術の両者をクリアするのが非常に難しく、コストもかかってしまう。また、円形コイル部分は異形部よりも横荷重に対して強くないので、一体化することで、大きな偏心が起きたときに弱くなってしまう。

0008

また、後者のばね(特願平9−342128に記載のばね)は、上記非線形特性を有することはもちろん、同一素材から成形できるので、素材自体断面加工工程はいらないという利点があるが、ねじれ部の成形技術が難しくスムースにねじれないとそこに応力が集中するという問題がある。

0009

したがって、本発明の1つの目的は、成形技術が難しくなく、応力集中を起こさずに、所望の非線形特性を得ることができる非線形異形コイルばねを提供することにある。

0010

本発明の他の目的は、非線形異形コイルばねを比較的容易に製造できる製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

前述の目的を達成するために、本発明は、断面の横の長さaと縦の長さbを持つ第1部分と、断面の横の長さaと縦の長さcを持つ第2部分と、前記第1部分と前記第2部分を連結する、断面の横の長さがaであり縦の長さがbからc(c<b)に徐々に変化する遷移部分と、を有することを特徴とする非線形異形コイルばねを採用するものである。

0012

また、本発明は、断面の横の長さaと縦の長さbを持つ第1部分と、断面の横の長さdと縦の長さbを持つ第2部分と、前記第1部分と前記第2部分を連結する、断面の横の長さがaからd(d<a)に徐々に変化し、縦の長さがbである遷移部分と、を有することを特徴とする非線形異形コイルばねを採用するものである。

0013

さらにまた、本発明は、断面の横の長さaと縦の長さbを持ち、第1のピッチで巻かれた第1部分と、前記第1部分と連続しており、前記第1部分と同一断面形状を持ち、第1のピッチとは異なる第2のピッチで巻かれた第2部分と、を有することを特徴とする非線形異形コイルばねを採用するものである。

0014

さらに、本発明は、非線形異形コイルばねを製造する方法において、断面長方形正方形を含む)(一辺の長さa、他辺の長さb)の棒材を準備し、プレス圧延または切削加工により、棒材の所定の範囲で長さaを徐々に長さdとなるように(または長さbを徐々に長さcとなるように)加工し、引き続き、プレス圧延または切削加工により、棒材の所定の範囲で長さd(または長さc)を維持するように加工し、断面の一方の辺を径方向にし、断面の他方の辺を軸線方向にして、加工した棒材をコイル状に巻き、次に、コイル形状に巻いた棒材を加熱処理する、ことを特徴とする非線形異形コイルばねの製造方法を採用するものである。

0015

さらに、本発明は、非線形異形コイルばねを製造する方法において、断面長方形(正方形を含む)(一辺の長さa、他辺の長さb)の棒材を準備し、断面の一方の辺を径方向にし、断面の他方の辺を軸線方向にして、少なくとも2つの異なったピッチを持つように、加工した棒材をコイル状に巻き、次に、コイル形状に巻いた棒材を加熱処理する、ことを特徴とする非線形異形コイルばねの製造方法を採用するものである。

発明を実施するための最良の形態

0016

次に、本発明の実施例を説明する。

0017

(実施例1)図1は、本発明の実施例1の非線形異形コイルばねを示す側面図、上面図および下面図である。図1に示すように、本発明の非線形異形コイルばね(以下、単にコイルばねという)10は、断面の横の長さがaであり、縦の長さがbである部分10aと、断面の横の長さがaであり、縦の長さがc(c<b)である部分10cと、これらの部分10aと10cの間に形成され、これらを連結している、断面の横の長さaを変えずに縦の長さをbからcに徐々に変化させた遷移部分10bと、からなる。なお、部分10a、10cの外径は同一でもあっても、異なっていてもよい。

0018

コイルばね10は同一ピッチに成形されているが、断面形状の違いから非線形特性を持ち、例えば、部分10aのばね定数は部分10cのばね定数よりも大きい。このため、このコイルばねは自動車のサスペンション用のばねとして用いることができる。

0019

(実施例2)図2は、本発明の実施例2の非線形異形コイルばねを示す側面図、上面図および下面図である。実施例1では、断面形状の縦方向(軸線方向)の長さが変えられていたが、実施例2では、断面形状の横方向(径方向)の長さが変えられたものである。即ち、コイルばね20は、断面の横の長さがaであり、縦の長さがbである部分20aと、断面の横の長さがd(d<a)であり、縦の長さがbである部分20cと、これらの部分20aと20cの間に形成され、これらを連結している、断面の縦の長さbを変えずに横の長さをaからdに徐々に変化させた遷移部分20bと、からなる。なお、部分20a、20cの外径は同一でもあっても、異なっていてもよい。

0020

コイルばね20は同一ピッチに成形されているが、断面形状の違いから非線形特性を持ち、例えば、部分20aのばね定数は部分20cのばね定数よりも大きい。このため、このコイルばねは、同様に、自動車のサスペンション用のばねとして用いることができる。

0021

(実施例3)図3は、本発明の実施例3の非線形異形コイルばねを示す側面図、上面図および下面図である。実施例1、2では、ばね定数の異なる部分が2つであったが、この実施例3では、ばね定数の異なる部分を3つ設けたものである。即ち、コイルばね30は、断面の横の長さがaであり、縦の長さがbである1つの部分30aと、断面の横の長さがaであり、縦の長さがc(c<b)である2つの部分30cと、これらの間を連結している2つの遷移部分30bと、からなる。

0022

コイルばね30は同一ピッチに成形されているが、断面形状の違いから非線形特性を持つ。なお、図中、コイルばね30の部分30a、部分30c、30cの外径を、それそれ、D2 、D1 、D3 として表しているが、これらの外径は同一でもよく、また異なっていてもよい。このコイルばねは例えば機械装置のコイルばね等に使われる。なお、このコイルばねは、座巻部の断面形状を肉薄にすれば、それだけで座面の平坦度が保たれ、通常のばね成形に欠かせない、座面研磨工程が要らなくなる。

0023

(実施例4)図4は、本発明の実施例4の非線形異形コイルばねを示す側面図、上面図および下面図である。実施例3では、断面形状の縦の長さを変えてばね定数の異なる部分を3つ設けたものであるが、実施例4では、断面形状の横の長さを変えてばね定数の異なる部分を3つ設けたものである。即ち、コイルばね40は、断面の横の長さがaであり、縦の長さがbである1つの部分40aと、断面の横の長さがd(d<a)であり、縦の長さがbである2つの部分40cと、これらの間を連結している2つの遷移部分40bと、からなる。

0024

コイルばね40は同一ピッチに成形されているが、断面形状の違いから非線形特性を持つ。なお、図中、コイルばね30の部分40a、部分40c、40cの外径を、それそれ、D2 、D1 、D3 として表しているが、これらの外径は同一でもよく、また異なっていてもよい。このコイルばねは例えば機械装置のコイルばね等に使われる。

0025

(実施例5)図5は、本発明の実施例5の非線形異形コイルばねを示す側面図、上面図および下面図である。実施例1〜4では、非線形特性を得るために、基本的には、異形コイルの断面形状(断面形状の横の長さ、または縦の長さ)を変えていたが、実施例5では、断面形状を変えずに、ピッチを変えて非線形特性を得るものである。即ち、コイルばね50は、断面形状の横の長さaと縦の長さbで、ピッチP1の部分50aと、ピッチP1とは異なるピッチP2の部分50bとからなる。このようにピッチを変えることにより、非線形特性を得ることができ、この実施例5のコイルばね50も自動車のサスペンション用のばねとして用いることができる。

0026

(実施例6)図6は、本発明の実施例6の非線形異形コイルばねを示す側面図、上面図および下面図である。実施例5では、2つ異なったピッチにより非線形特性を得ているが、実施例6では、3つのピッチの異なる部分を持つものである。即ち、コイルばね60は、ピッチP1の部分60a、ピッチP2の部分60bと、ピッチP3の部分60cからなる。なお、ピッチP1は、ピッチP2、P3とは異なるが、ピッチP2とP3は同一ピッチでも異なったピッチでもよい。このコイルばねは例えば機械装置のコイルばね等に使われる。

0027

(実施例7)実施例7において、前述した各コイルばねの製造方法を説明する。最初に、製造方法の基本的な工程を説明する。
(a)当初、断面が長方形(例えば、一辺の長さがa、他方の長さがb)の棒材を準備する。
(b)次に、前述の実施例1〜4に関しては、棒材の所定の箇所からプレス圧延により、または切削加工により、所定の範囲で、例えば実施例1の場合には、長さb(縦方向の長さ)を徐々に長さc(c<b)となるようにする。
(c)その後、引き続き、プレス圧延により、または切削加工により、残りの部分を長さcとして作成する。

0028

なお、実施例2の場合には、プレス圧延または切削加工により横の長さaを長さdとなるようにする。また、実施例3、4においては、棒材の両端にプレス圧延または切削加工を行い、所望の断面形状を得る。なお、実施例5、6では、前述の(b)、(c)の工程は不要である。

0029

(d)次に、芯金コイル成形方式またはコイリング方式によって棒材をコイル形状にする。例えば、芯金式コイル成形方式を用いて、実施例1を例にとると、前述のように加工した棒材を、例えば、長さaが半径方向で、長さbおよびcが軸線方向として、円柱形(または円筒形)の金具巻付けて、棒材をコイル形状にする。実施例2〜6でも、同様にして、棒材をコイル形状にする。

0030

(e)最後に、コイル形状を維持し、ばね特性を所定の値にし、疲労強度特性を十分持たせるために、加熱処理を行う。

0031

次に、芯金式コイル成形方式をさらに詳細に説明する。図7は芯金式コイル成形を説明するための図である。図7に示すように、芯金200に対して、実施例1を例にとると、棒材210を長さaが半径方向で、長さbおよびcが軸線方向として、巻付けて、棒材をコイル形状にする。

0032

図8は、断面形状が変化する場合(特に、横の長さが変化する場合に適している)に用いる芯金式コイル成形方式を説明するための図である。芯金300はその径が変化する部分300aを有し、このため、横の長さが変わっても外径を同一にすることができる。なお、成形後にコイルが芯金から抜けなくなることがないように、例えば、芯金は分解、組み立てができるタイプが好ましい。図8の芯金の断面図は、芯金300が4つの部分300b〜300eでできており、分解、組み立てを行うタイプを示している。

0033

もちろん、芯金の断面形状を任意に適当な形状にして、断面形状の異なる部分の外径を同一にしたり、異なったものにしたりできる。

0034

図9コイリングピン方式で用いるコイリングマシン原理を説明するための図である。コイリングマシン400は、棒材420を送る送りローラ410と、送られてきた棒材420を案内するワイヤガイド412と、さらにブロクワイヤガイド414と、棒材を所定の曲率曲げる2つのコイリングピン416、416と、ピッチの調節を行うピッチツール418とからなる。

0035

コイルばねの径はコイリングピン416、416を移動させることにより、連続的に変えられる。また、ピッチの調整はピッチツールにより行うことができる。したがって、このコイリング方式は実施例5および6のコイルばねを製造するのに適したものであるが、実施例1〜4のコイルばねの製造にも用いることができる。

0036

さらに、加熱処理について補足すると、加熱処理の条件は主に材料(例えば、生材オイルテンパー処理された材料か)とコイルばね成形法熱間成形冷間成形)とに基づいて異なるものである。したがって、選択した材料や成形法により、適切な条件で加熱処理することになる。なお、用いるばね用鉄鋼材としては、ばね用オイルテンパー線弁ばね用オイルテンパー線、ばね鋼鋼材ピアノ線ステンレス線等がある。

0037

前述したように、本発明のコイルばねは、断面形状を変えるもの(実施例1〜4)と、ピッチを変えるもの(実施例5、6)に大別できる。それぞれ、互いに対して、以下に説明するように、長所、短所を有するものであり、ばね定数、用途、コスト等その他の条件により、いずれか適切なものを用いることができ、コイルばねの選択の幅が広くなる。

0038

断面形状を変えるものの長所としては、ばねが荷重フリーの状態から密着時までのたわみ量が多くとれるが、短所としては、棒材の加工がピッチを変えるものより困難である。一方、ピッチを変えるものの長所は、棒材の断面形状を変える加工が不要であり、連続線材から成形できるので、材料コイルがなくなるまで、連続的にばね製造が可能であるが、密着までのたわみ量が小さいものしか製造できない。

発明の効果

0039

以上説明したように、本発明によれば、成形技術が難しくなく、応力集中を起こさずに、所望の非線形特性を得ることができる非線形異形コイルばねが得られる。

0040

また、非線形異形コイルばねを比較的容易に製造できる製造方法が得られる。

0041

さらに、前述したように、本発明では、軟硬双方のばね定数を実現することができるので、光ディスクアップ読み取りヘッド)支持用サスペンションばねに用いるならば、耐震性の向上の効果がある。また、機械に用いるならば、ストロークの遊びの排除とガタの低減などの効果がある。

図面の簡単な説明

0042

図1図1は、本発明の実施例1の非線形異形コイルばねを示す側面図、上面図および下面図である。
図2図2は、本発明の実施例2の非線形異形コイルばねを示す側面図、上面図および下面図である。
図3図3は、本発明の実施例3の非線形異形コイルばねを示す側面図、上面図および下面図である。
図4図4は、本発明の実施例4の非線形異形コイルばねを示す側面図、上面図および下面図である。
図5図5は、本発明の実施例5の非線形異形コイルばねを示す側面図、上面図および下面図である。
図6図6は、本発明の実施例6の非線形異形コイルばねを示す側面図、上面図および下面図である。
図7図7は、本発明の非線形異形コイルばねを製造する際に用いる芯金式コイル成形を説明するための図である。
図8図8は、本発明の非線形異形コイルばねを製造する際に用いる他の芯金式コイル成形を説明するための図である。
図9図9は、本発明の非線形異形コイルばねを製造する際に用いるコイリングマシンを説明するための図である。
図10図10は、従来例の自動車用サスペンションを示す側面図である。

--

0043

10非線形異形コイルばね
10a、10b、10cコイルばねの部分
20 非線形異形コイルばね
20a、20b、20c コイルばねの部分
30 非線形異形コイルばね
30a、30b、30c コイルばねの部分
40 非線形異形コイルばね
40a、40b、40c コイルばねの部分
50 非線形異形コイルばね
50a、50b コイルばねの部分
60 非線形異形コイルばね
60a、60b コイルばねの部分

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社ショーワの「 状態量算出装置、制御装置および車両」が 公開されました。( 2021/04/01)

    【課題】車両の状態量を高い精度で算出する技術を実現する。【解決手段】車両(900)が有するECU(600)は、接地荷重算出部(610)、入力量算出部(620)、第一状態量算出部(630)、観測量算出部... 詳細

  • 日本電産サンキョー株式会社の「 ダンパー部材の製造方法、ダンパー部材、及びアクチュエータ」が 公開されました。( 2021/04/01)

    【課題】特性が安定した複数のダンパー部材を短時間で製造することのできるダンパー部材の製造方法、ダンパー部材、及びそのダンパー部材を使用したアクチュエータを提供する。【解決手段】ステップST11により、... 詳細

  • 株式会社クボタの「 作業車」が 公開されました。( 2021/04/01)

    【課題】ラテラルロッドによって左右の車輪の位置決めを行える作業車を構成する。【解決手段】リジッドアクスル型の左右の車軸ケース20と、車体フレーム11に対し上下移動自在で、左右の車軸ケース20を各別に支... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ