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技術 スパッタ装置

出願人 株式会社アルバック
発明者 佐保田毅樋口靖小松孝近藤智保
出願日 1999年5月21日 (20年2ヶ月経過) 出願番号 1999-141313
公開日 2000年11月28日 (18年7ヶ月経過) 公開番号 2000-328243
状態 特許登録済
技術分野 物理蒸着 半導体の電極
主要キーワード ターゲット表 螺旋運動 冷却水導入 ロータリポンプ 通水管 スパッタ材料 カソード電流 絶縁碍子
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図面 (6)

課題

スパッタ装置の技術分野に関し、特に、マグネトロンスパッタ装置に関する。

解決手段

本発明のマグネトロンスパッタ装置1は、ターゲット4の周囲に筒状のアノード電極5が配置され、アノード電極は、側部5aと突部5bとを有し、突部5bは接続部51と先端部とを有している。突部5bはターゲットの表面より突出しているものの、突部5bには接続部51が設けられており、接続部51の内壁面の断面は、側部5a近傍では曲率半径が一定になり、接続部52の内径基板ホルダ3側に向かうに従い、徐々に大きくなるので、ターゲット表面で生成される高密度プラズマからアノード電極に電子が流れにくくなり、低圧力でも安定した放電を維持できる。

概要

背景

薄膜は、従来より、半導体装置液晶表示装置等の種々の分野に用いられており、スパッタリング装置蒸着装置等の薄膜形成装置によって、金属薄膜磁性薄膜等の多種の薄膜が成膜されている。それらのうち、マグネトロンスパッタ装置は、低温高速に薄膜を成膜できるため、広く用いられている。

従来のマグネトロンスパッタ装置の一例を図5(a)の符号101に示す。このマグネトロンスパッタ装置101は、真空槽102と、基板ホルダ103と、ターゲット104と、アノード電極105と、マスフロコントローラ106と、真空排気装置107と、バッキングプレート108と、絶縁碍子109と、マグネット110と、防着板114とを有している。

真空槽102の内部底面には、基板ホルダ103が配置されている。基板ホルダ103の周囲には防着板114が配置されている。また、基板ホルダ103の上方にはターゲット104が配置され、ターゲット104の表面は基板ホルダ103の上面と対向するようにされている。

ターゲット104の裏面は、導電体からなるバッキングプレート108の表面に固定され、バッキングプレート108は、絶縁碍子109を介して真空槽102の上部に取り付けられている。

バッキングプレート108の裏面には、マグネット110が配置されている。図5(b)に、マグネット、バッキングプレート、ターゲット及びアノード電極105の拡大断面図を示す。

マグネット110は、円柱状の磁石110aと円筒状の磁石110bとを有しており、円筒状の磁石110bは、円柱状の磁石110aの周囲を取り囲むように配置されている。リング状のアノード電極105の表面125は、ターゲット104の表面124よりも基板ホルダ103側に突き出している。

真空槽102の外部には、電源111と、冷却水導入装置112と、冷却水排出装置113と、排気装置107とが設けられている。このうち冷却水導入装置112と、冷却水排出装置113とは、それぞれ通水管を介してバッキングプレート108に接続され、バッキングプレート108内に冷却水通水して、バッキングプレート108を冷却できるようにされている。

電源111の一端はバッキングプレート108に接続され、他端は接地されており、アノード電極105及び防着板114は接地されているので、電源111を起動すると、バッキングプレート108とアノード電極105及び防着板114との間に、直流電圧印加することができるようにされている。

排気装置107はターボ分子ポンプ107aとロータリポンプ107bとを有しており、ターボ分子ポンプ107aは真空槽102に接続され、ロータリポンプ107bはターボ分子ポンプ107aに接続されており、ターボ分子ポンプ107aやロータリポンプ107bを起動すると、真空槽102内を真空排気することができるようにされている。

上述のマグネトロンスパッタ装置101で、基板表面に薄膜を成膜するには、まず、予め排気装置107で真空槽102内を到達真空度まで真空排気し、その後マスフローコントローラ106を通してスパッタガスを導入し、0.1Pa程度の圧力にし、その状態を維持しつつ真空槽102内に図示しない基板を搬入し、基板ホルダ103に保持させ、基板の表面がターゲット104と対向するように配置し、バッキングプレート108に冷却水を通水して、バッキングプレート108が過熱されないようにしておく。

次いで、電源111を起動して、アノード電極105とバッキングプレート108との間に直流電圧を印加する。バッキングプレート108は導電体からなるため、ターゲット104とアノード電極105との間に電圧が印加され、この間でグロー放電が生じ、高密度プラズマが生じ、ターゲット104がスパッタリングされる。スパッタリングされたターゲット材料は基板表面に到達して、基板表面にはターゲット材料からなる薄膜が成膜される。

上記のマグネトロンスパッタ装置101では、放電によって生じた電子は、マグネット110で生成される磁界により、ターゲット104の表面近傍で、電子が加速されながら回転運動をすることにより、プラズマの電離効率が良くなり、成膜速度が上昇する。

しかしながら上述のマグネトロンスパッタ装置101では、真空槽102内の圧力が低圧のときに、アノード電極105とバッキングプレート108との間に直流電圧を印加すると、ターゲット104の電位所定値よりも上昇してしまうため、グロー放電が安定せず、アーク放電が生じやすくなってしまっていた。アーク放電が生じてしまうと、異常なスパッタリングがなされてしまうので、基板表面に成膜される薄膜の膜質が悪くなってしまう。

以上述べたような事情により、従来の装置では、せいぜい10-1Pa以下の圧力でしか安定した放電を生じさせることができなかったが、さらに低圧の条件でマグネトロンスパッタを行いたいという要求は強い。

概要

スパッタ装置の技術分野に関し、特に、マグネトロンスパッタ装置に関する。

本発明のマグネトロンスパッタ装置1は、ターゲット4の周囲に筒状のアノード電極5が配置され、アノード電極は、側部5aと突部5bとを有し、突部5bは接続部51と先端部とを有している。突部5bはターゲットの表面より突出しているものの、突部5bには接続部51が設けられており、接続部51の内壁面の断面は、側部5a近傍では曲率半径が一定になり、接続部52の内径は基板ホルダ3側に向かうに従い、徐々に大きくなるので、ターゲット表面で生成される高密度プラズマからアノード電極に電子が流れにくくなり、低圧力でも安定した放電を維持できる。

目的

本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は、低圧でも安定した放電を発生させることが可能な、マグネトロンスパッタ装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

真空槽と、前記真空槽内に配置された基板ホルダと、表面が前記基板ホルダの表面と対向するように配置されたターゲットと、前記ターゲットと所定間隔をおいて、前記ターゲットを取り囲むように前記ターゲットの周囲に配置された筒状のアノード電極とを有し、前記基板ホルダに基板を保持した状態で、前記ターゲットと前記アノード電極との間に電圧印加すると、前記ターゲット材料スパッタされて前記基板を処理することができるように構成されたスパッタ装置であって、前記アノード電極は、前記ターゲットの表面位置から前記基板ホルダの方向に突出された突部と、前記ターゲットの表面位置から前記基板ホルダと反対方向に位置する側部とを有し、前記突部は、ターゲット表面近傍位置から前記突部の先端方向へ向かうに従い、内径が徐々に大きくなるように構成された接続部を有することを特徴とするスパッタ装置。

請求項2

前記接続部の断面の曲率半径は、ターゲットの直径の1/30以上になるようにされたことを特徴とする請求項1記載のスパッタ装置。

請求項3

真空槽と、前記真空槽内に配置された基板ホルダと、表面が前記基板ホルダの表面と対向するように配置されたターゲットと、表面が前記基板ホルダの表面と対向するように配置されかつ、前記ターゲットと所定間隔をおいて、前記ターゲットを取り囲むように前記ターゲットの周囲に配置された筒状のアノード電極とを有し、前記基板ホルダに基板を保持した状態で、前記ターゲットと前記アノード電極との間に電圧を印加すると、前記ターゲット材料がスパッタされて前記基板を処理することができるように構成されたスパッタ装置であって、前記ターゲットの表面は、前記アノード電極の表面と、前記基板ホルダの表面との間に配置されたことを特徴とするスパッタ装置。

請求項4

前記所定間隔は、1.5mm以上2.5mm以下の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のスパッタ装置。

請求項5

前記ターゲットの裏面に配置された円柱状の磁石と、円筒状の磁石とをさらに有し、前記円筒状の磁石は、その中心軸線が前記円柱状の磁石の中心軸線と一致するように、前記円柱状の磁石の周囲に配置され、前記円柱状の磁石及び前記円筒状の磁石が、その中心軸線と異なる軸を中心に回転可能に構成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のスパッタ装置。

技術分野

0001

本発明はスパッタ装置係り、特に、半導体装置液晶表示装置などの製造において薄膜成膜に用いられるマグネトロンスパッタ装置に関する。

背景技術

0002

薄膜は、従来より、半導体装置や液晶表示装置等の種々の分野に用いられており、スパッタリング装置蒸着装置等の薄膜形成装置によって、金属薄膜磁性薄膜等の多種の薄膜が成膜されている。それらのうち、マグネトロンスパッタ装置は、低温高速に薄膜を成膜できるため、広く用いられている。

0003

従来のマグネトロンスパッタ装置の一例を図5(a)の符号101に示す。このマグネトロンスパッタ装置101は、真空槽102と、基板ホルダ103と、ターゲット104と、アノード電極105と、マスフロコントローラ106と、真空排気装置107と、バッキングプレート108と、絶縁碍子109と、マグネット110と、防着板114とを有している。

0004

真空槽102の内部底面には、基板ホルダ103が配置されている。基板ホルダ103の周囲には防着板114が配置されている。また、基板ホルダ103の上方にはターゲット104が配置され、ターゲット104の表面は基板ホルダ103の上面と対向するようにされている。

0005

ターゲット104の裏面は、導電体からなるバッキングプレート108の表面に固定され、バッキングプレート108は、絶縁碍子109を介して真空槽102の上部に取り付けられている。

0006

バッキングプレート108の裏面には、マグネット110が配置されている。図5(b)に、マグネット、バッキングプレート、ターゲット及びアノード電極105の拡大断面図を示す。

0007

マグネット110は、円柱状の磁石110aと円筒状の磁石110bとを有しており、円筒状の磁石110bは、円柱状の磁石110aの周囲を取り囲むように配置されている。リング状のアノード電極105の表面125は、ターゲット104の表面124よりも基板ホルダ103側に突き出している。

0008

真空槽102の外部には、電源111と、冷却水導入装置112と、冷却水排出装置113と、排気装置107とが設けられている。このうち冷却水導入装置112と、冷却水排出装置113とは、それぞれ通水管を介してバッキングプレート108に接続され、バッキングプレート108内に冷却水通水して、バッキングプレート108を冷却できるようにされている。

0009

電源111の一端はバッキングプレート108に接続され、他端は接地されており、アノード電極105及び防着板114は接地されているので、電源111を起動すると、バッキングプレート108とアノード電極105及び防着板114との間に、直流電圧印加することができるようにされている。

0010

排気装置107はターボ分子ポンプ107aとロータリポンプ107bとを有しており、ターボ分子ポンプ107aは真空槽102に接続され、ロータリポンプ107bはターボ分子ポンプ107aに接続されており、ターボ分子ポンプ107aやロータリポンプ107bを起動すると、真空槽102内を真空排気することができるようにされている。

0011

上述のマグネトロンスパッタ装置101で、基板表面に薄膜を成膜するには、まず、予め排気装置107で真空槽102内を到達真空度まで真空排気し、その後マスフローコントローラ106を通してスパッタガスを導入し、0.1Pa程度の圧力にし、その状態を維持しつつ真空槽102内に図示しない基板を搬入し、基板ホルダ103に保持させ、基板の表面がターゲット104と対向するように配置し、バッキングプレート108に冷却水を通水して、バッキングプレート108が過熱されないようにしておく。

0012

次いで、電源111を起動して、アノード電極105とバッキングプレート108との間に直流電圧を印加する。バッキングプレート108は導電体からなるため、ターゲット104とアノード電極105との間に電圧が印加され、この間でグロー放電が生じ、高密度プラズマが生じ、ターゲット104がスパッタリングされる。スパッタリングされたターゲット材料は基板表面に到達して、基板表面にはターゲット材料からなる薄膜が成膜される。

0013

上記のマグネトロンスパッタ装置101では、放電によって生じた電子は、マグネット110で生成される磁界により、ターゲット104の表面近傍で、電子が加速されながら回転運動をすることにより、プラズマの電離効率が良くなり、成膜速度が上昇する。

0014

しかしながら上述のマグネトロンスパッタ装置101では、真空槽102内の圧力が低圧のときに、アノード電極105とバッキングプレート108との間に直流電圧を印加すると、ターゲット104の電位所定値よりも上昇してしまうため、グロー放電が安定せず、アーク放電が生じやすくなってしまっていた。アーク放電が生じてしまうと、異常なスパッタリングがなされてしまうので、基板表面に成膜される薄膜の膜質が悪くなってしまう。

0015

以上述べたような事情により、従来の装置では、せいぜい10-1Pa以下の圧力でしか安定した放電を生じさせることができなかったが、さらに低圧の条件でマグネトロンスパッタを行いたいという要求は強い。

発明が解決しようとする課題

0016

本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は、低圧でも安定した放電を発生させることが可能な、マグネトロンスパッタ装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0017

上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、真空槽と、前記真空槽内に配置された基板ホルダと、表面が前記基板ホルダの表面と対向するように配置されたターゲットと、前記ターゲットと所定間隔をおいて、前記ターゲットを取り囲むように前記ターゲットの周囲に配置された筒状のアノード電極とを有し、前記基板ホルダに基板を保持した状態で、前記ターゲットと前記アノード電極との間に電圧を印加すると、前記ターゲット材料がスパッタされて前記基板を処理することができるように構成されたスパッタ装置であって、前記アノード電極は、前記ターゲットの表面位置から前記基板ホルダの方向に突出された突部と、前記ターゲットの表面位置から前記基板ホルダと反対方向に位置する側部とを有し、前記突部は、ターゲット表面近傍位置から前記突部の先端方向へ向かうに従い、内径が徐々に大きくなるように構成された接続部を有することを特徴とする。請求項2記載の発明は、請求項1記載のスパッタ装置であって、前記接続部の断面の曲率半径は、ターゲットの直径の1/30以上になるようにされたことを特徴とする。請求項3記載の発明は、真空槽と、前記真空槽内に配置された基板ホルダと、表面が前記基板ホルダの表面と対向するように配置されたターゲットと、表面が前記基板ホルダの表面と対向するように配置されかつ前記ターゲットと所定間隔をおいて、前記ターゲットを取り囲むように前記ターゲットの周囲に配置された筒状のアノード電極とを有し、前記基板ホルダに基板を保持した状態で、前記ターゲットと前記アノード電極との間に電圧を印加すると、前記ターゲット材料がスパッタされて前記基板を処理することができるように構成されたスパッタ装置であって、前記ターゲットの表面は、前記アノード電極の表面と、前記基板ホルダの表面との間に配置されたことを特徴とする。請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のスパッタ装置であって、前記所定間隔は、1.5mm以上2.5mm以下の範囲であることを特徴とする。請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のスパッタ装置であって、前記ターゲットの裏面に配置された円柱状の磁石と、円筒状の磁石とをさらに有し、前記円筒状の磁石は、その中心軸線が前記円柱状の磁石の中心軸線と一致するように、前記円柱状の磁石の周囲に配置され、前記円柱状の磁石及び前記円筒状の磁石が、その中心軸線と異なる軸を中心に回転可能に構成されたことを特徴とする。

0018

一般のマグネトロンスパッタ装置では、ターゲットとアノード電極との間に高電圧を印加してマグネトロン放電を発生させると、高密度プラズマがターゲット表面近傍に形成される。従来のマグネトロンスパッタ装置では、筒状のアノード電極の表面がターゲットの表面よりも突出しており、アノード電極の内壁と高密度プラズマが近づき、アノード電極に電子が流れ易くなり、プラズマの密度が低くなってしまうので、低圧力(〜10-2Pa)でマグネトロン放電を維持させることは不可能であった。

0019

本発明のスパッタ装置によれば、アノード電極は、リング状の側部と、筒状の突部とを有し、突部はターゲットの表面より突出しているもののその内径は、ターゲットの表面近傍から所定距離の範囲内では、徐々に大きくなるようにされているので、ターゲット表面で生成される高密度プラズマからアノード電極に電子が流れにくくなる。これにより、低圧力においても、ターゲット表面において高密度プラズマが生成され、安定した放電が可能になる。

0020

なお、本発明において、アノード電極をリング状とし、ターゲットの表面が、基板ホルダの表面と、アノード電極の表面との間に配置されるようにしてもよい。このように構成することにより、アノード電極の表面はターゲットの表面より突き出さないので、高密度プラズマからアノードに電子が流れにくくなるので、上述した理由と同様に高密度プラズマを低圧力下においても生成可能となる。

0021

さらに、磁石は、円柱状の磁石と、円筒状の磁石とを有し、円筒状の磁石は、その中心軸線が円柱状の磁石の中心軸線と一致するように、円柱状の磁石の周囲に配置され、円柱状の磁石及び円筒状の磁石が、その中心軸線と異なる軸を中心として回転可能に構成してもよい。

0022

このように構成することにより、磁石によって生成される磁界は、水平面内で回転するので、ターゲット表面のあらゆる部分からスパッタ材料をスパッタリングさせることができ、従来に比してエロージョンを均一にすることができる。

発明を実施するための最良の形態

0023

本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1(a)の符号1に、本発明の蒸着装置を示す。蒸着装置1は、真空槽2と、基板ホルダ3と、ターゲット4と、アノード電極5と、マスフロコントローラ6と、真空排気装置7と、バッキングプレート8と、絶縁碍子9と、マグネット10と、防着板14とを有している。

0024

真空槽2の内部底面には、基板ホルダ3が配置されている。基板ホルダ3の周囲には、基板ホルダ3を取り囲むように防着板14が配置されている。基板ホルダ3の上方には板状のターゲット4が配置され、ターゲット4の表面は基板ホルダ3の上面と対向するようにされている。ターゲット4の周囲には、図1(b)にその断面図を示すようなアノード電極5が、ターゲット4と所定距離をおいて配置されている。ここではターゲット4の直径を50mmとし、アノード電極5とターゲット4との距離を1.5mmとしている。

0025

ターゲット4の裏面はバッキングプレート8の表面に固定され、バッキングプレート8は、絶縁碍子9を介して真空槽2の上部に取り付けられている。バッキングプレート8の裏面には、マグネット10が配置されている。

0026

マグネット10は、図2(a)の拡大断面図に示すように、円柱状の磁石10aと円筒状の磁石10bとを有しており、円筒状の磁石10bは、円柱状の磁石10aの周囲を取り囲むように配置されている。

0027

また、アノード電極5は、リング状の側部5aと筒状の突部5bとを有しており、側部5aはリング状に形成されている。突部5bの外壁面は円筒状にされ、突部5bと側部5aとの界面25は、ターゲット4の表面24と略同一平面上になるようにされている。

0028

突部5bは、図2(b)にその断面を示すような接続部51と、先端部52とを有している。接続部51の内壁面の断面は、図2(b)に示すように、曲率半径ΔRが一定になるような曲線になっており、接続部51の内径は、基板ホルダ3側に向かうに従い、徐々に大きくなるようにされている。ここでは、接続部51の断面の曲率半径ΔRを、2mmとしている。他方、先端部52は、接続部51から基板ホルダ3側に向けて設けられており、内壁の断面は略直線状にされている。

0029

真空槽2の外部には、電源11と、冷却水導入装置12と、冷却水排出装置13と排気装置7とが配置されている。このうち、冷却水導入装置12と冷却水排出装置13とは、それぞれ通水管を介してバッキングプレート8に接続されており、バッキングプレート8内に冷却水を通水して、バッキングプレート8を冷却できるようにされている。

0030

電源11の一端はバッキングプレート8に接続され、他端は接地されており、アノード電極5及び防着板14は接地されているので、電源11を起動すると、バッキングプレート8とアノード電極5及び防着板14との間に、直流電圧を印加することができるように構成されている。

0031

排気装置7はターボ分子ポンプ7aとロータリポンプ7bとを有しており、ターボ分子ポンプ7aは真空槽2に接続され、ロータリポンプ7bはターボ分子ポンプ7aに接続されており、ターボ分子ポンプ7aやロータリポンプ7bを起動すると、真空槽2内を真空排気することができるようにされている。

0032

上述のマグネトロンスパッタ装置1で、基板表面に薄膜を成膜するには、まず、予め排気装置7で真空槽2内を10-6Pa程度まで真空排気し、真空状態を維持した状態で真空槽2内に基板を搬入し、基板ホルダ3に保持させ、基板の表面がターゲット4と対向するように配置し、バッキングプレート8に冷却水を通水して、バッキングプレート8が過熱されないようにしておく。

0033

次いで、プロセスガスを導入して、真空槽2内の圧力を10-2Pa程度で制御しておき、電源11を起動して、アノード電極5とバッキングプレート8との間に直流電圧を印加する。すると、アノード電極5とターゲット4との間に電圧が印加されてグロー放電が生じ、高密度のプラズマが生じてターゲット4がスパッタリングされる。スパッタリングされたターゲット材料は、ターゲット4の裏面に配置されたマグネット10によって形成される磁場により、運動方向と垂直な力を受け、螺旋運動をしながら基板表面に到達し、基板表面に薄膜が成膜される。放電によって生じた電子は、マグネット10で生成される磁界により、ターゲット4の表面近傍で、電子が加速されながら回転運動をすることにより、プラズマの電離効率が良くなる。

0034

本実施形態のマグネトロンスパッタ装置1によれば、突部5bはターゲットの表面より突出しているものの、突部5bには接続部51が設けられており、接続部51の内壁面の断面は、側部5a近傍では図2(b)に示すように、曲率半径ΔRが一定になるような曲線を描き、ターゲット表面で生成される高密度プラズマから電子がアノード電極に流れにくくしているため、低圧力下においても高密度プラズマが生成でき、安定した放電を維持させることができる。

0035

以上説明したように、本実施形態のマグネトロンスパッタ装置1では、従来に比して低圧条件下でも、高密度プラズマが安定するため、安定したマグネトロン放電を維持させることができる。

0036

本発明の発明者等は、本発明の効果を確認するため、従来のマグネトロンスパッタ装置101と、上述した構成のマグネトロンスパッタ装置1とを用いて、それぞれについて真空槽内の圧力を低くした状態で、アノード電極とバッキングプレートとの間に印加する電圧(以下で放電電圧と称する)を可変にして、放電状態を調べた。

0037

その結果を図3(a)の曲線(A)、(B)に示す。曲線(A)は従来のマグネトロンスパッタ装置101による実験結果を示し、曲線(B)は、上述のマグネトロンスパッタ装置1による実験結果を示している。

0038

曲線(A)より、従来のマグネトロンスパッタ装置101では、圧力を低くした場合には0.1Pa程度までしか安定した放電を発生させることができなかったことがわかる。これに対し、本実施形態のマグネトロンスパッタ装置1では、曲線(B)に示すように、0.05Paまで圧力を低くしても、安定した放電を発生させることができることがわかる。

0039

図3(b)の曲線(C)、(D)は、放電時にターゲットに流れる電流(以下カソード電流と称する。)と、放電電圧との関係を示す。曲線(C)は従来のマグネトロンスパッタ装置101の実験結果を示し、曲線(D)は本実施形態のマグネトロンスパッタ装置1による実験結果を示している。曲線(C)と曲線(D)とを比較すると、同じ放電電圧では曲線(D)の方がカソード電流が大きく、安定した放電を得ることができることがわかる。

0040

以上述べたように、本実施形態のマグネトロンスパッタ装置1では、従来に比して低い圧力である、約10-2Pa程度まで安定した放電を得ることができることが確認できた。

0041

なお、本発明は図1(a)に示すようなマグネトロンスパッタ装置1に限られるものではなく、図4(a)に示すように、リング状に形成されたアノード電極15を有し、その表面35がターゲット4の表面24よりも突き出さないような構成にしてもよい。

0042

このように構成することにより、アノード電極15の表面35はターゲット4の表面より突き出さないので、アノード電極の内壁に電子が流れにくくなり、ターゲット4の表面に形成される高密度プラズマを安定に維持でき、低圧下でも安定したマグネトロン放電を維持させることができる。

0043

また、図4(b)に示すように、磁石20の中心軸線40を、ターゲット4の中心軸線30と異なるように配置し、ターゲット4の中心軸線30を中心にして、水平面内で磁石20を回転させるような構成にしても良い。このように構成することにより、磁石20が生成する磁界が水平面内で回転し、ターゲット表面から均一にスパッタ材料をスパッタリングさせることができ、エロージョンを均一にすることができる。

0044

さらに、上述の実施形態では、接続部51の内壁断面の曲率半径ΔRを2mmとしているが、本発明の発明者等は、曲率半径ΔRが、ターゲットの直径の1/30以上とすることにより、上記実施形態と同様に、低圧条件下で安定した放電が得られることを確かめた。

0045

また、上記実施形態では、図2(b)に示すアノード電極とターゲットとの間の距離d11を、1.5mmとしたが、本発明の発明者等は、1.5mm以上2.5mm以下の範囲であればよいことを確認した。

発明の効果

0046

低圧条件で、安定したマグネトロン放電を得ることができる。

図面の簡単な説明

0047

図1(a):本発明の一実施形態のマグネトロンスパッタ装置を説明する断面図
(b):本発明の一実施形態のアノード電極を説明する断面図
図2(a):本発明の一実施形態の要部を説明する断面図
(b):本発明の一実施形態の接続部を説明する断面図
図3(a):本発明の一実施形態のマグネトロンスパッタ装置と、従来のマグネトロンスパッタ装置とのそれぞれについて、真空槽内の圧力と、放電電圧との関係を示すグラフ
(b):本発明の一実施形態のマグネトロンスパッタ装置と、従来のマグネトロンスパッタ装置とのそれぞれについて、カソード電流と、放電電圧との関係を示すグラフ
図4(a):本発明の他の実施形態のマグネトロンスパッタ装置を説明する断面図
(b):本発明のその他の実施形態におけるマグネトロンスパッタ装置を説明する断面図
図5(a):従来のマグネトロンスパッタ装置を説明する断面図
(b):従来のマグネトロンスパッタ装置の要部を説明する断面図

--

0048

1……マグネトロンスパッタ装置2……真空槽3……基板ホルダ5……アノード電極5a……側部 5b……突部 10……マグネット(磁石) 51……接続部

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