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技術 超音波診断装置

出願人 株式会社日立ヘルスケア・マニュファクチャリング
発明者 篠村隆一佐藤裕佐野秀造梅村晋一郎三和祐一窪田純
出願日 1999年5月21日 (21年7ヶ月経過) 出願番号 1999-141332
公開日 2000年11月28日 (20年1ヶ月経過) 公開番号 2000-325344
状態 特許登録済
技術分野 超音波診断装置 超音波診断装置
主要キーワード 多重リング 複ビー 送受分離回路 素子選択 超音波計測 走査数 スイッチ構成 フォーカスデータ
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図面 (16)

課題

2次元配列振動子により超音波ビームを形成し走査して診断部位超音波画像リアルタイムで得る超音波診断装置において、一度の超音波ビームの送信により同時に複数方向の受信ビームを得るようにする。

解決手段

音波送受信する2次元配列の複数の振動子19を備えた探触子10を有し、上記2次元配列の振動子を同心円状に束ね多重リングを構成して超音波送受信の口径を形成し、上記多重リングの各リング間遅延を与えて超音波ビームを送受信し、上記口径を移動して超音波画像を形成する超音波診断装置において、上記探触子10は、多重リングに構成された超音波送受信の口径を複数個(20a,20b)設定し、これらの口径から一度の超音波ビームの送信により同時に複数方向の受信ビームを得るようにしたものである。これにより、得られる超音波画像のフレームレートを向上して、リアルタイム性を向上することができる。

概要

背景

従来の超音波診断装置において、2次元配列の複数の振動子を備え超音波送受信の口径を一つのみ有し、任意方向セクタ走査する装置が知られている。このような超音波診断装置では、例えば64×64の2次元配列振動子の場合、4096個の素子からなり、各振動子を独自に遅延制御することにより、超音波走査をすることとなる。その場合、4096チャンネル遅延回路(以下「整相回路」と呼ぶ)が必要となる。このような多チャンネルの整相回路の実現は難しいため、素子を間引いて整相回路のチャンネル数を減らしている。しかし、素子を間引くことによりS/Nが劣化するため、できる限り多くのチャンネル数の整相回路で実現している。例えば、送波256チャンネル、受波256チャンネルの例があるが、それでもセクタ走査では視野が狭いものであった。

そこで、図13に示すように、X,Y方向の2次元配列の振動子1において超音波送受信の口径移動で視野を広げるリニア走査や、コンベックス走査を2次元拡張した走査方法がある。この場合は、さらに振動子1の数が多くなる。これに対し、整相回路のチャンネル数を減らすために、図13に示す2次元配列の振動子1を同心円状に束ね多重リングを構成して超音波送受信の口径2を形成し、上記多重リングの各リング間遅延を与えて超音波ビーム送受信し、上記口径2をX,Y方向に移動して超音波画像を形成する装置が知られている。

上記多重リングは、図14に示すように、一つの焦点Fからの距離L1,L2,…が等しい振動子を同心円状に束ねて各々のリングを形成したものであり、その最外周のリングの外径が超音波送受信の口径2となる。この方式では、振動子を同心円状に束ねることにより整相チャンネル数が激減し、全素子を使用することによりS/Nを良好にすることができる。

また、上記とは別に、1回の超音波の送信で同時に複数方向に受信ビームを形成する受波複ビームの技術も知られている。一般には、図15に示すように、複数の振動子1を1列状に配列した1次元アレー上の一つの口径で矢印T方向に超音波を送信し、同じ口径でそれぞれの素子に与える遅延量を第1の整相回路3a及び第2の整相回路3bで2種類用意し、2方向に同時に焦点を合わせて受信ビームa,bを得るものである。

概要

2次元配列振動子により超音波ビームを形成し走査して診断部位の超音波画像をリアルタイムで得る超音波診断装置において、一度の超音波ビームの送信により同時に複数方向の受信ビームを得るようにする。

超音波を送受信する2次元配列の複数の振動子19を備えた探触子10を有し、上記2次元配列の振動子を同心円状に束ねて多重リングを構成して超音波送受信の口径を形成し、上記多重リングの各リング間に遅延を与えて超音波ビームを送受信し、上記口径を移動して超音波画像を形成する超音波診断装置において、上記探触子10は、多重リングに構成された超音波送受信の口径を複数個(20a,20b)設定し、これらの口径から一度の超音波ビームの送信により同時に複数方向の受信ビームを得るようにしたものである。これにより、得られる超音波画像のフレームレートを向上して、リアルタイム性を向上することができる。

目的

そこで、本発明は、このような問題点に対処し、2次元配列振動子を同心円状に束ねて多重リングを構成して超音波送受信の口径を形成し超音波ビームを走査して診断部位の超音波画像をリアルタイムで得るものであっても、一度の超音波ビームの送信により同時に複数方向の受信ビームを得ることができる超音波診断装置を提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、スパースアレー方式のものにおいても、広視野超音波計測を実現することができる超音波診断装置を提供するものである。

効果

実績

技術文献被引用数
4件
牽制数
4件

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請求項1

音波送受信する2次元配列の複数の振動子を備えた探触子を有し、上記2次元配列の振動子を同心円状に束ね多重リングを構成して超音波送受信の口径を形成し、上記多重リングの各リング間遅延を与えて超音波ビームを送受信し、上記口径を移動して超音波画像を形成する超音波診断装置において、上記探触子は、多重リングに構成された超音波送受信の口径を複数個設定し、これらの口径から一度の超音波ビームの送信により同時に複数方向の受信ビームを得るように構成したことを特徴とする超音波診断装置。

請求項2

上記探触子の各振動子からの受信信号フォーカス整相加算する複数の整相回路具備すると共に、この複数の整相回路の任意の整相チャンネルに上記各振動子を結合する接続スイッチ群を具備し、上記探触子の超音波送受信の各口径を上記複数の整相回路のそれぞれに接続して整相することにより、一度の超音波ビームの送信により同時に複数方向の受信ビームを得るようにしたことを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。

請求項3

上記探触子の超音波送受信の口径をビーム走査方向にずれた2口径に形成し、この走査方向にずれた一つの口径で超音波を送信し、その直後に上記送信に用いた口径を走査方向にさらにずらし、上記超音波送信には用いなかった他の口径と共に2口径で超音波を受信し、上記探触子の超音波送受信の各口径を上記複数の整相回路のそれぞれに接続して整相するようにしたことを特徴とする請求項2記載の超音波診断装置。

請求項4

上記探触子の超音波送受信の口径を互いにずらして複数個形成すると共に、これらの外側にてそれらを囲むように他の超音波送受信の口径を形成し、この外側の口径で超音波を送信し、その内側の複数個の口径で超音波を受信し、上記探触子の超音波送受信の各口径を上記複数の整相回路のそれぞれに接続して整相するようにしたことを特徴とする請求項2記載の超音波診断装置。

請求項5

上記探触子の超音波送受信の口径をビームの走査方向に複数に分割し、この分割した各口径を上記複数の整相回路のそれぞれに接続し、各口径の受信信号に対し凹面遅延と傾斜遅延を施して整相するようにしたことを特徴とする請求項2記載の超音波診断装置。

請求項6

上記探触子の2次元配列の振動子を同心円状に束ねて構成した多重リングは、フレネル束ねであることを特徴とする請求項1〜5に記載の超音波診断装置。

請求項7

上記形成される超音波画像は、超音波ビームの走査により3次元ボリュームデータを得て3次元画像を表示することを特徴とする請求項1〜6に記載の超音波診断装置。

請求項8

上記形成される超音波画像は、超音波ビームの走査により任意の2次元断面データを得て任意の2次元断面画像を表示することを特徴とする請求項1〜6に記載の超音波診断装置。

請求項9

超音波を送受信する2次元配列の複数の振動子を備えた探触子を有し、この探触子の各振動子からの受信信号をフォーカスし整相加算する整相回路を具備すると共に、この整相回路の任意の整相チャンネルに上記各振動子を結合する接続スイッチ群を具備し、上記2次元配列の振動子の一部により超音波送受信の口径を形成し、該口径を移動させて超音波ビームを走査し超音波画像を形成するようにしたことを特徴とする超音波診断装置。

請求項10

上記超音波送受信の口径は、超音波の送信と受信とで異なった振動子を使用することを特徴とする請求項9記載の超音波診断装置。

技術分野

0001

本発明は、2次元配列振動子により超音波ビームを形成し走査して被検体内部の診断部位超音波画像リアルタイムで得る超音波診断装置に関し、特に、一度の超音波ビームの送信により同時に複数方向の受信ビームを得ることができる超音波診断装置に関する。

背景技術

0002

従来の超音波診断装置において、2次元配列の複数の振動子を備え超音波送受信の口径を一つのみ有し、任意方向セクタ走査する装置が知られている。このような超音波診断装置では、例えば64×64の2次元配列振動子の場合、4096個の素子からなり、各振動子を独自に遅延制御することにより、超音波走査をすることとなる。その場合、4096チャンネル遅延回路(以下「整相回路」と呼ぶ)が必要となる。このような多チャンネルの整相回路の実現は難しいため、素子を間引いて整相回路のチャンネル数を減らしている。しかし、素子を間引くことによりS/Nが劣化するため、できる限り多くのチャンネル数の整相回路で実現している。例えば、送波256チャンネル、受波256チャンネルの例があるが、それでもセクタ走査では視野が狭いものであった。

0003

そこで、図13に示すように、X,Y方向の2次元配列の振動子1において超音波送受信の口径移動で視野を広げるリニア走査や、コンベックス走査を2次元拡張した走査方法がある。この場合は、さらに振動子1の数が多くなる。これに対し、整相回路のチャンネル数を減らすために、図13に示す2次元配列の振動子1を同心円状に束ね多重リングを構成して超音波送受信の口径2を形成し、上記多重リングの各リング間遅延を与えて超音波ビームを送受信し、上記口径2をX,Y方向に移動して超音波画像を形成する装置が知られている。

0004

上記多重リングは、図14に示すように、一つの焦点Fからの距離L1,L2,…が等しい振動子を同心円状に束ねて各々のリングを形成したものであり、その最外周のリングの外径が超音波送受信の口径2となる。この方式では、振動子を同心円状に束ねることにより整相チャンネル数が激減し、全素子を使用することによりS/Nを良好にすることができる。

0005

また、上記とは別に、1回の超音波の送信で同時に複数方向に受信ビームを形成する受波複ビームの技術も知られている。一般には、図15に示すように、複数の振動子1を1列状に配列した1次元アレー上の一つの口径で矢印T方向に超音波を送信し、同じ口径でそれぞれの素子に与える遅延量を第1の整相回路3a及び第2の整相回路3bで2種類用意し、2方向に同時に焦点を合わせて受信ビームa,bを得るものである。

発明が解決しようとする課題

0006

しかし、上記従来の2次元配列振動子を同心円状に束ねて多重リングを構成して超音波送受信の口径を形成した超音波診断装置では、複数の振動子を束ねたために一度の超音波ビームの送信により同時に複数方向の受信ビームを得ることはできないものであった。したがって、得られる超音波画像のフレームレートが遅くなり、リアルタイム性が低下するものであった。また、従来の2次元配列振動子を送波と受波とに分けてセクタ走査するスパースアレー方式のものでは、広視野超音波計測を実現することができず、腹部等の広視野領域計測には使用できないものであった。

0007

そこで、本発明は、このような問題点に対処し、2次元配列振動子を同心円状に束ねて多重リングを構成して超音波送受信の口径を形成し超音波ビームを走査して診断部位の超音波画像をリアルタイムで得るものであっても、一度の超音波ビームの送信により同時に複数方向の受信ビームを得ることができる超音波診断装置を提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、スパースアレー方式のものにおいても、広視野の超音波計測を実現することができる超音波診断装置を提供するものである。

課題を解決するための手段

0008

上記目的を達成するために、本発明による超音波診断装置は、超音波を送受信する2次元配列の複数の振動子を備えた探触子を有し、上記2次元配列の振動子を同心円状に束ねて多重リングを構成して超音波送受信の口径を形成し、上記多重リングの各リング間に遅延を与えて超音波ビームを送受信し、上記口径を移動して超音波画像を形成する超音波診断装置において、上記探触子は、多重リングに構成された超音波送受信の口径を複数個設定し、これらの口径から一度の超音波ビームの送信により同時に複数方向の受信ビームを得るように構成したものである。

0009

そして、上記探触子の各振動子からの受信信号フォーカス整相加算する複数の整相回路を具備すると共に、この複数の整相回路の任意の整相チャンネルに上記各振動子を結合する接続スイッチ群を具備し、上記探触子の超音波送受信の各口径を上記複数の整相回路のそれぞれに接続して整相することにより、一度の超音波ビームの送信により同時に複数方向の受信ビームを得るようにしたものである。

0010

また、上記探触子の超音波送受信の口径をビームの走査方向にずれた2口径に形成し、この走査方向にずれた一つの口径で超音波を送信し、その直後に上記送信に用いた口径を走査方向にさらにずらし、上記超音波送信には用いなかった他の口径と共に2口径で超音波を受信し、上記探触子の超音波送受信の各口径を上記複数の整相回路のそれぞれに接続して整相するようにしてもよい。

0011

さらに、上記探触子の超音波送受信の口径を互いにずらして複数個形成すると共に、これらの外側にてそれらを囲むように他の超音波送受信の口径を形成し、この外側の口径で超音波を送信し、その内側の複数個の口径で超音波を受信し、上記探触子の超音波送受信の各口径を上記複数の整相回路のそれぞれに接続して整相するようにしてもよい。

0012

さらにまた、上記探触子の超音波送受信の口径をビームの走査方向に複数に分割し、この分割した各口径を上記複数の整相回路のそれぞれに接続し、各口径の受信信号に対し凹面遅延と傾斜遅延を施して整相するようにしてもよい。

0013

また、上記探触子の2次元配列の振動子を同心円状に束ねて構成した多重リングは、フレネル束ねとしたものである。

0014

さらに、上記形成される超音波画像は、超音波ビームの走査により3次元ボリュームデータを得て3次元画像を表示するものとしてもよい。

0015

さらにまた、上記形成される超音波画像は、超音波ビームの走査により任意の2次元断面データを得て任意の2次元断面画像を表示するものとしてもよい。

0016

また、他の例による超音波診断装置は、超音波を送受信する2次元配列の複数の振動子を備えた探触子を有し、この探触子の各振動子からの受信信号をフォーカスし整相加算する整相回路を具備すると共に、この整相回路の任意の整相チャンネルに上記各振動子を結合する接続スイッチ群を具備し、上記2次元配列の振動子の一部により超音波送受信の口径を形成し、該口径を移動させて超音波ビームを走査し超音波画像を形成するようにしたものである。

0017

そして、上記超音波送受信の口径は、超音波の送信と受信とで異なった振動子を使用するものとしてもよい。

発明を実施するための最良の形態

0018

以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図1は本発明による超音波診断装置の実施の形態を示す全体構成のブロック図である。この超音波診断装置は、2次元配列振動子により超音波ビームを形成し走査して被検体内部の診断部位の超音波画像をリアルタイムで得るもので、図1に示すように、探触子10と、素子選択データ部11と、送波部12と、受波整相部13と、送受分離回路14と、信号処理部15と、スキャンコンバータ16と、モニタ17と、制御部18とを備えて成る。

0019

上記探触子10は、被検体内に超音波を送受信するもので、2次元配列の複数の振動子19,19,…を備えている。これらの振動子19,19,…は、図2に示すように、平面視でX方向に1〜m個、Y方向に1〜n個のように2次元配列とされている。そして、上記2次元配列の振動子19を同心円状に束ねて多重リングを構成して超音波送受信の口径20を形成し、上記多重リングの各リング間に遅延を与えて超音波ビームを送受信し、上記口径20を移動して超音波画像を形成するようになっている。なお、上記多重リングは、例えばフレネル束ねとされている。

0020

なお、上記の振動子19,19,…には、図1に示すように、後述の整相回路の任意の整相チャンネルに結合する接続スイッチ群21が接続されている。さらに、この接続スイッチ群21には、そのスイッチ動作を制御するスイッチ制御部22が接続されている。

0021

素子選択データ部11は、超音波送受信の口径20を形成するための素子選択データを記憶しておくものである。そして、これから読み出されたデータが上記スイッチ制御部22に送られ、該スイッチ制御部22の制御により超音波送受信の口径20を形成すべく接続スイッチ群21のスイッチのオンオフが設定されるようになっている。

0022

送波部12は、上記探触子10の超音波送受信の口径20を形成する振動子19に所望の焦点に収束するような遅延を与えて超音波打ち出しの送波信号を供給するものである。また、受波整相部13は、上記探触子10の振動子19で受信した反射エコー信号について所望のフォーカス処理をし整相加算して受信ビームを形成するものである。そして、送受分離回路14は、超音波の送信と受信とで上記送波部12と受波整相部13とを振動子19に接続するのを区別して切り換えるものである。

0023

信号処理部15は、上記受波整相部13からの受信信号を入力して検波圧縮エッジ強調などの処理をして1走査線のデータを得るものである。また、スキャンコンバータ16は、上記信号処理部15からのデータを入力してモニタ17に表示するために走査変換及び補間等を行うものである。さらに、モニタ17は、上記スキャンコンバータ16からのデータを入力して超音波画像として表示するものである。そして、制御部18は、上記各構成要素の動作を制御するものである。

0024

ここで、本発明においては、上記探触子10は、多重リングに構成された超音波送受信の口径20を複数個設定し、これらの口径から一度の超音波ビームの送信により同時に複数方向の受信ビームを得るように構成されている。すなわち、図2に示すように、二つの口径20aと20bとが形成され、これらは受波口径とされている。図2において矢印A側からの側面視による上記口径20a,20bの投影をそれぞれ20a′,20b′とし、分かり易くするために上下に位置をずらして示してある。1口径は例えばp個の振動子19から成り、上記口径20aと20bとは例えばY方向に1素子分だけずれている。つまり、口径20aをY方向に1素子分だけ移動したのが口径20bである。

0025

したがって、それぞれの口径20a,20bで形成される超音波ビームは、口径面の法線方向で1素子分だけずれた2本のビームが形成される。このような超音波ビームを形成するためには、多重リングの中心を通る口径面の法線方向のある点F1,F2に焦点を結ぶように各口径を形成する多重リングに同じ遅延を与えればよい。そして、上記の口径20a,20bを移動してX方向、Y方向に超音波ビームを走査し、3次元ボリュームデータを得て3次元画像を表示するものである。このとき、超音波ビームを高速に走査するため、一度の超音波ビームの送信により同時に複数方向の受信ビームを得る複ビームの走査が必要になる。

0026

次に、図3を参照してさらに具体的に説明する。図3は、図2に示す2次元配列の複数の振動子19,19,…を備えた探触子10を、矢印A側からの側面視によるX方向の1列目振動子列を示している。1列の振動子19はn個から成り、1口径はp個から成っており、その口径に対しn/p倍で振動子19の1列が形成されている。各振動子19にはそれぞれ選択スイッチ23が付いており、この選択スイッチ23のオン、オフにより口径が選択される。p個の振動子19から成る口径20a,20bは、それぞれ接続スイッチ群24a,24bに接続され、そのスイッチ群の先はそれぞれ整相回路25a,25bに接続されている。

0027

上記接続スイッチ群24a,24bは、複数の整相回路25a,25bの任意の整相チャンネルに上記各振動子19を結合するものであり、上記整相回路25a,25bは、上記各振動子19からの受信信号をフォーカスし整相加算するものである。上記接続スイッチ群24a,24bの接続は、予め用意されたスイッチの接続パターンデータで決定されている。このスイッチの接続パターンデータとは、例えば1番目の振動子19を第1の整相回路25aの第1chに接続する場合に、第1の接続スイッチ群24aの第1スイッチ261がオンするというように、p個の振動子19を第1の整相回路25aの1〜Zch、第2の整相回路25bの1〜Zchのどれかに接続するためのスイッチのオン、オフデータである。

0028

上記第1及び第2の接続スイッチ群24a,24bの各スイッチは、例えば図4の円27内に示したようなクロスポイント部分を開閉するスイッチ構成とされている。或いは、1個の振動子19が多重リングの複数のリングに接続される場合は、図5に示すように、クロスポイント部分のスイッチがバッファ28を介して接続される。このバッファ28は双方向であり、送波及び受波は別々にオン、オフ制御できるようになっている。なお、スイッチにバッファ28がない場合は、1個の振動子が多重リングの複数のリングに接続されないように構成しておく。例えば、素子がAリング、Bリングの両方に使われる場合、AリングかBリングのどちらかに振り分けるようにする。

0029

図2の口径20aは、図3に示す第1の整相回路25aにより超音波ビームを形成する。また、他の口径20bは、第2の整相回路25bにより超音波ビームを形成する。このとき、各整相回路25a,25bの1〜Zchは、口径20a,20bの各リングに対応するものである。そして、それぞれの整相回路25a,25bの有する凹面遅延(フォーカスデータ)は、同じ内容で良い。このとき、上記の口径20aと20bとが振動子19の1素子分だけずれていることにより、超音波ビームが上記振動子19の1素子分だけずれて2本形成できることとなる。

0030

なお、各振動子19は、図2から明らかなように、口径20aと20bとに共通になるものもある。そのような場合は、その共通になった振動子19に接続されたスイッチは、図3に示す二つの接続スイッチ群24a,24bでそれぞれオンすることになる。そして、二つの整相回路25a,25bの各リングに割り当てられる。また、図3では、図2に示す探触子10においてX方向の1列目についてY方向に並んだ1列の振動子19について示したが、実際はこれがm列ありそれぞれに同様の接続スイッチ群24a,24bが接続されている。そして、その接続スイッチ群24a,24bの出力は、整相回路25a,25bに入力されて、X方向のリングの束ねがされる。

0031

図6は第二の実施形態を示す説明図である。この実施形態は、前記探触子10の超音波送受信の口径をビームの走査方向にずれた2口径に形成し、この走査方向にずれた一つの口径で超音波を送信し、その直後に上記送信に用いた口径を走査方向にさらにずらし、上記超音波送信には用いなかった他の口径と共に2口径で超音波を受信し、上記探触子10の超音波送受信の各口径を前記複数の整相回路25a,25bのそれぞれに接続して整相するようにしたものである。

0032

すなわち、図6に示すように、ビームの走査方向にずれた二つの口径20aと20cとが形成され、このうち一つの口径20cで超音波ビームTを送信し、その直後に上記送信に用いた口径20cを走査方向にさらにずらして口径20bとし、上記超音波送信には用いなかった他の口径20aと共に2口径20a,20bで超音波を受信する。つまり、口径20cが送波口径とされ,口径20a,20bが受波口径とされる。そして、図6において矢印A側からの側面視による上記口径20a,20b,20cの投影をそれぞれ20a′,20b′,20c′とし、分かり易くするために上下に位置をずらして示してある。上記口径20aと20cと20bとは例えばY方向に順次1素子分だけずれている。したがって、口径20aと20bとは例えばY方向に2素子分だけずれている。つまり、口径20aをY方向に2素子分だけ移動したのが口径20bである。

0033

したがって、それぞれの口径20a,20bで形成される超音波ビームは、口径面の法線方向で2素子分だけずれた2本のビームa,bとなる。このような超音波ビームa,bを形成するためには、多重リングの中心を通る口径面の法線方向のある点に焦点を結ぶように各口径20a,20bを形成する多重リングに同じ遅延を与えればよい。そして、上記の口径20a,20b,20cを移動してX方向、Y方向に超音波ビームを走査し、3次元ボリュームデータを得て3次元画像を表示するものである。

0034

次に、図7を参照してさらに具体的に説明する。図7は、図6に示す2次元配列の複数の振動子19,19,…を備えた探触子10を、矢印A側からの側面視によるX方向の或る1列の振動子列を示している。図6の受波口径20aは、図7に示す第1の接続スイッチ群24aを介して第1の整相回路25aにより超音波ビームを形成する。また、他の受波口径20bは、第2の接続スイッチ群24bを介して第2の整相回路25bにより超音波ビームを形成する。このとき、各整相回路25a,25bの1〜Zchは、口径20a,20bの各リングに対応するものである。そして、それぞれの整相回路25a,25bの有する凹面遅延(フォーカスデータ)は、同じ内容で良い。このとき、上記の口径20aと20bとが振動子19の2素子分だけずれていることにより、超音波ビームが上記振動子19の2素子分だけずれて2本(a,b)形成できることとなる。

0035

図6の送波口径20cは、図7に示す第2の接続スイッチ群24bを介して送波整相部29に接続されている。この場合、第2の接続スイッチ群24bを第2の整相回路25bと送波整相部29とで共用することとなるが、超音波ビームの送波前に受波口径20aと送波口径20cとを設定し、この送波口径20cで超音波ビームを送波した直後に該送波口径20cを1素子分だけずらして他の受波口径20bを形成し、上記第2の接続スイッチ群24bを介して第2の整相回路25bにより受波ビームを形成すればよい。このように、第2の接続スイッチ群24bを共用した場合は、回路規模縮小することができるが、上記第2の接続スイッチ群24bと同様に構成され接続された別の送波整相用のスイッチ(図示せず)を用いて接続してもよい。

0036

上記接続スイッチ群24a,24bの接続は、予め用意されたスイッチの接続パターンデータで決定されている。以下、このスイッチの接続パターンデータについて図8を参照して説明するが、簡単のために、整相チャンネル数を3とし、口径を形成する振動子の数を5とする。図8の例では、まず、受波口径20aを形成するために、第1の整相回路25aに対応する折れ線パターン黒丸印のスイッチがオンとなる。また、送波口径20cを形成するために、第2の整相回路25bに対応する折れ線パターンにおいて上記の黒丸印のスイッチをY方向に1素子分だけシフトさせてオンすればよい。さらに、他の受波口径20bを形成するために、同じく第2の整相回路25bに対応する折れ線パターンにおいて上記の黒丸印のスイッチをY方向に更に1素子分だけシフトさせてオンすればよい。

0037

上記スイッチの接続パターンデータにより、第1及び第2の整相回路25a,25bの整相チャンネル内でY方向にスイッチのオン、オフデータをシフトさせて設定する構成にすれば、1クロックで口径移動をすることができる。よって、上記送波口径20cで送波直後に、受波口径20bに口径を移動することができる。この操作により、図6に示す送波ビームTに対し対称でかつ口径面の法線方向に2本の受波ビームa,bを形成できる。

0038

図9は第三の実施形態を示す説明図である。この実施形態は、前記探触子10の超音波送受信の口径を互いにずらして複数個形成すると共に、これらの外側にてそれらを囲むように他の超音波送受信の口径を形成し、この外側の口径で超音波を送信し、その内側の複数個の口径で超音波を受信し、上記探触子10の超音波送受信の各口径を前記複数の整相回路のそれぞれに接続して整相するようにしたものである。

0039

すなわち、図9に示すように、探触子10の2次元配列の振動子19上に、多重リングに構成された超音波送受信の口径を例えば4個(30a,30b,30c,30d)互いに隣接して設定すると共に、それらの外側に上記4個の口径30a〜30dに外接するように多重リングに構成された超音波送受信の口径31を設定し、この外側の口径31を送波口径とし、上記内側の4個の口径30a〜30dを受波口径としている。

0040

そして、上記送波口径31で超音波の送信を行うと、その多重リングの中心で口径面に対し法線方向に1本の送波ビームが形成される。また、上記内側の4個の受波口径30a〜30dで超音波の受信を行うと、各々の多重リングの中心で口径面に対し法線方向にそれぞれ1本の受波ビームが形成され、上記1本の送波ビームに対し等方的に4本の受波ビームが形成される。この場合、それぞれの口径を選択するスイッチと超音波ビームを形成する整相回路が必要となる。これにより、送波ビームに対し対称でかつ口径面の法線方向に4本の受波ビームを形成できる。なお、図9では、受波口径30a〜30dが互いに隣接した状態で重ならないようにしているが、図2に示すと同様に複数個の口径を重ね合わせるように形成し、各々の口径を大きくしてS/Nを良好にすると共に、受波ビームの間隔を狭くしてもよい。

0041

図10は第四の実施形態を示す説明図である。この実施形態は、前記探触子10の超音波送受信の口径をビームの走査方向に複数に分割し、この分割した各口径を前記複数の整相回路のそれぞれに接続し、各口径の受信信号に対し凹面遅延と傾斜遅延を施して整相するようにしたものである。

0042

すなわち、図10に示すように、探触子10の2次元配列の振動子19上に多重リングに構成された超音波送受信の口径20を形成し、この口径20をビームの走査方向(Y方向)と直交するように複数に分割している。図10では、簡単のために2分割し、口径201と口径202としている。そして、上記探触子10の各振動子19は、図11に示すように、第1及び第2の接続スイッチ群24a,24bを介して第1及び第2の整相回路25a,25bの任意の整相チャンネルに結合される。なお、良好な超音波ビームを得るには、口径20の走査方向の分割数を増やしてやればよい。

0043

上記の各整相回路25a,25bは、例えば口径20の右半分201を1〜Z/2chに入力し、左半分202をZ/2+1〜Zchに入力する。各整相回路25a,25bでは、遅延量として焦点にフォーカスする凹面遅延32a,32bと、超音波ビームを傾斜する傾斜遅延33a,33bとを与えることによって、ビームの方向を傾けるようになっている。そして、図11において、図示省略の送波整相部により口径20の中心に超音波の送信を行うことにより、T方向の送波ビームが形成される。また、上記口径20を形成する各振動子19からの受信信号を第1及び第2の整相回路25a,25bに並列に接続し、第1の整相回路25aの傾斜遅延33aと第2の整相回路25bの傾斜遅延33bとを逆に与えることで、a方向とb方向の2本の受波ビームを同時に形成できる。

0044

なお、以上の説明においては、超音波ビームの走査により3次元ボリュームデータを得て3次元画像を表示することとしたが、本発明はこれに限らず、超音波ビームの走査により任意の2次元断面データを得て任意の2次元断面画像を表示するようにしてもよい。また、超音波送受信の口径の外形円形としているが、その外形を矩形としてその中に多重リングの各リングを形成してもよい。さらに、超音波の受波ビームの形成は、2〜4本の例を示したが、それ以上のビーム形成としてもよい。さらにまた、送波ビーム間隔を粗くして得た複数の受波ビーム間で補間して所要の受波ビームを形成し、実際の超音波ビームの走査数を減らすようにしてもよい。また、2次元配列振動子の探触子に限らず、1次元配列振動子において左右束ね構成としてもよい。

0045

図12は、他の例による超音波診断装置の要部を示す説明図である。この例による超音波診断装置は、超音波を送受信する2次元配列の複数の振動子19を備えた探触子10を有し、この探触子10の各振動子19からの受信信号をフォーカスし整相加算する整相回路(図3の符号25a,25bを参照)を具備すると共に、この整相回路の任意の整相チャンネルに上記各振動子19を結合する接続スイッチ群(図3の符号24a,24bを参照)を具備し、上記2次元配列の振動子19の一部により超音波送受信の口径34を形成し、該口径34を移動させて超音波ビームを走査し超音波画像を形成するようにしたもので、上記口径34は超音波の送信と受信とで異なった振動子19を使用するものである。

0046

図12の例は、2次元配列振動子を送波と受波とに分けてセクタ走査するスパースアレー方式のものであり、図12において送波対応の振動子19を黒で塗りつぶして示し、受波対応の振動子19を×印を付して示し、無印の振動子19は送波、受波に使用しないものである。そして、例えば矩形状の口径34の境を太い実線で示している。この状態で、同じ形状の口径34を1素子ずつずらして移動し、その口径34を2次元走査することにより、3次元ボリュームデータを得て3次元画像を表示することができる。この場合は、広視野の超音波計測を実現することができ、腹部等の広視野領域の計測に使用することができる。

発明の効果

0047

本発明は以上のように構成されたので、2次元配列振動子を同心円状に束ねて多重リングを構成して超音波送受信の口径を形成し超音波ビームを走査して診断部位の超音波画像をリアルタイムで得るものであっても、一度の超音波ビームの送信により同時に複数方向の受信ビームを得ることができる。したがって、得られる超音波画像のフレームレートを向上して、リアルタイム性を向上することができる。

0048

また、他の例による超音波診断装置によれば、スパースアレー方式のものにおいても、広視野の超音波計測を実現することができる。したがって、腹部等の広視野領域の計測に使用することができる。

図面の簡単な説明

0049

図1本発明による超音波診断装置の実施の形態を示す全体構成のブロック図である。
図2上記超音波診断装置の探触子において、多重リングに構成された超音波送受信の口径を複数個設定した状態を示す平面説明図である。
図3上記の探触子において、一度の超音波ビームの送信により同時に複数方向の受信ビームを得る複ビームの走査を説明する概要図である。
図4図3に示す接続スイッチ群の各スイッチの構成を示す説明図である。
図5上記接続スイッチ群の各スイッチの他の構成例を示す説明図である。
図6本発明の第二の実施形態を示す説明図である。
図7第二の実施形態における複ビームの走査を説明する概要図である。
図8第二の実施形態における接続スイッチ群の接続パターンデータを示す説明図である。
図9本発明の第三の実施形態を示す説明図である。
図10本発明の第四の実施形態を示す説明図である。
図11第四の実施形態における複ビームの走査を説明する概要図である。
図12他の例による超音波診断装置の要部を示す説明図である。
図13従来の超音波診断装置の探触子において、多重リングに構成された超音波送受信の口径を設定し、各リング間に遅延を与えて超音波ビームを送受信する状態を示す平面説明図である。
図14上記の多重リングの原理を示す説明図である。
図15従来の超音波診断装置において、1回の超音波の送信で同時に複数方向に受信ビームを形成する受波複ビームの走査を説明する概要図である。

--

0050

10…探触子
11…素子選択データ部
12…送波部
13…受波整相部
14…送受分離回路
15…信号処理部
16…スキャンコンバータ
17…モニタ
18…制御部
19…振動子
20…口径
20a,20b,30a〜30d…受波口径
20c,31…送波口径
24a,24b…接続スイッチ群
25a,25b…整相回路
29…送波整相部
32a,32b…凹面遅延
33a,33b…傾斜遅延
34…スパースアレー方式の口径

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