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技術 密封包装物品の加熱方法、密封包装物品収容ケース及び密封包装物品加熱装置

出願人 大塚化学株式会社
発明者 小林光三尾谷秀明
出願日 1999年5月20日 (21年1ヶ月経過) 出願番号 1999-139810
公開日 2000年11月28日 (19年7ヶ月経過) 公開番号 2000-325056
状態 拒絶査定
技術分野 食品の保存(凍結・冷却・乾燥を除く)
主要キーワード ケース本体部分 振れ止 物品収容室 高周波誘導加熱処理 無端チエーン 高周波交番磁界 空気加熱室 自動操作装置
関連する未来課題
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この項目の情報は公開日時点(2000年11月28日)のものです。
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図面 (7)

課題

包装容器封入された密封包装物品の高周波誘導加熱による加熱方法であって、常圧雰囲気において、包装容器の破損の恐れなく、簡単に短時間で密封包装物品を所定温度に加熱することができる密封包装物品の加熱方法を提供する。また、該方法の実施に用いる密封包装物品収容ケース及び密封包装物品加熱装置を提供する。

解決手段

包装容器内に封入された密封包装物品100を収容ケース71に収容し、常圧雰囲気中で収容ケース71を高周波誘導加熱することで内部の密封包装物品100を所定温度に加熱する。そのとき収容ケース71として、少なくとも一部を高周波誘導加熱可能の材料で形成し、例えば少なくとも一部に磁性体711Aを溶着させ、収容する密封包装物品全体を略隙間無く抱き込む収容空間部を有している収容ケース71を用いる。

概要

背景

今日、多くの食品医薬品等物品包装容器封入され、密封包装物品の形態で流通している。このような密封包装物品のうち、例えば密封包装食品については、密封包装された状態で加熱調理してから出荷するものがあり、また、密封包装食品が製造元において製造され、保管され、流通し、食べられるまでの間に、混入していることがある菌により腐敗変質、変色、味変わり等してはいけないから、密封包装食品の状態で加熱殺菌してから出荷することもある。

密封包装医薬品についても、人体に悪影響のある雑菌ウイルス等を死滅させる等の目的で加熱殺菌処理することがある。これまでこのような密封包装物品の加熱処理は、一般的には、十分な耐圧性を有する大がかりな加熱処理を用いて行われてきた。すなわち、複数個の密封包装物品を該加熱処理釜に収納し、該釜の内部に所定温度高圧水蒸気熱水を導入して所定時間さらすのである。

しかしこの加熱処理は、処理釜の熱容量が大きいため、処理釜内部の温度を所定温度まで昇温させるのに長時間を要し、加熱処理した密封包装物品を釜から取り出すために冷却するにも長時間を要するという問題がある。さらに、密封包装物品を加熱した場合、包装容器内の圧力が上昇するので、包装容器の破損を防止するために、包装容器の強度、形状等を工夫しなければならない。

また、包装容器が複数室に分けられ、各室に異なる物品(例えば食品)が封入されている場合において、加熱したとき各室内の上昇内圧相違するようなときには、各室で発生する上昇内圧に応じて包装容器各部の材質や形状を工夫しなければならないこともある。容器材質容器全体にわたり同様のものとするときには、複数室のうち最も高内圧が発生する室にあわせた耐圧性を有する高価な材料を採用しなければならない。

これらにより包装容器が高価につき、従って密封包装物品全体もそれだけ高価にならざるを得ない。そこで本発明は、包装容器に封入された密封包装物品の加熱方法であって、常圧雰囲気において、包装容器の破損の恐れなく、簡単に短時間で密封包装物品を所定温度に加熱処理することができ、また包装容器破損の恐れがないから包装容器を格別頑な高価なものにする必要がなく、容器壁厚さ、形状、大きさ等の点で包装対象物品に応じた適切な包装容器を採用できる密封包装物品の加熱方法を提供することを課題とする。

また本発明は、包装容器に封入された密封包装物品を加熱するために用いる密封包装物品の収容ケースであって、該収容ケースに密封包装物品を収容して該収容ケースを高周波誘導加熱することで、常圧雰囲気において、包装容器の破損の恐れなく、簡単に短時間で該密封包装物品を所定温度に加熱することができ、また包装容器破損の恐れがないから包装容器を格別頑丈な高価なものにする必要がなく、容器の壁厚さ、形状、大きさ等の点で包装対象物品に応じた適切な包装容器を採用できる密封包装物品収容ケースを提供することを課題とする。

さらに本発明は、包装容器に封入された密封包装物品を加熱する密封包装物品の加熱装置であって、常圧雰囲気において、包装容器の破損の恐れなく、簡単に短時間で密封包装物品を所定温度に加熱することができ、また包装容器破損の恐れがないから包装容器を格別頑丈な高価なものにする必要がなく、容器の壁厚さ、形状、大きさ等の点で包装対象物品に応じた適切な包装容器を採用できる密封包装物品加熱装置を提供することを課題とする。

概要

包装容器に封入された密封包装物品の高周波誘導加熱による加熱方法であって、常圧雰囲気において、包装容器の破損の恐れなく、簡単に短時間で密封包装物品を所定温度に加熱することができる密封包装物品の加熱方法を提供する。また、該方法の実施に用いる密封包装物品収容ケース及び密封包装物品加熱装置を提供する。

包装容器内に封入された密封包装物品100を収容ケース71に収容し、常圧雰囲気中で収容ケース71を高周波誘導加熱することで内部の密封包装物品100を所定温度に加熱する。そのとき収容ケース71として、少なくとも一部を高周波誘導加熱可能の材料で形成し、例えば少なくとも一部に磁性体711Aを溶着させ、収容する密封包装物品全体を略隙間無く抱き込む収容空間部を有している収容ケース71を用いる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

包装容器内封入された密封包装物品を加熱する方法であって、該密封包装物品を高周波誘導加熱可能の収容ケースに収容し、常圧雰囲気中で該収容ケースを高周波誘導加熱することで収容した密封包装物品を所定温度に加熱する工程を含み、前記収容ケースとして、少なくとも一部が高周波誘導加熱可能の材料で形成され、収容する密封包装物品全体を略隙間無く抱き込む形状の収容空間部を有している収容ケースを用いることを特徴とする密封包装物品の加熱方法

請求項2

前記密封包装物品が前記包装容器として複数の物品収容室を有するものが採用されて各物品収容室に物品が封入されている密封包装物品であるとき、前記収容ケースとして、該密封包装物品の物品収容室とそこに封入された物品とからなる複数の物品収容部のそれぞれを略隙間無く抱き込む形状の複数の収容空間部を有し、該各収容空間部を囲む壁体の少なくとも一部が高周波誘導加熱可能の材料で形成されている収容ケースを採用する請求項1記載の密封包装物品の加熱方法。

請求項3

前記密封包装物品を前記収容ケースの高周波誘導加熱により前記所定温度まで加熱する工程に引き続く、該密封包装物品をそれを収容している収容ケースごと所定温度域で所定時間保持する恒温工程と、該恒温工程後、密封包装物品をそれを収容している収容ケースごと冷却する冷却工程とを含んでおり、該恒温工程及び冷却工程のうち少なくとも一方の工程において前記密封包装物品をそれを収容している収容ケースごと反転させる請求項1又は2記載の密封包装物品の加熱方法。

請求項4

包装容器内に封入された密封包装物品を高周波誘導加熱により加熱するために用いる密封包装物品収容ケースであって、少なくとも一部が高周波誘導加熱可能の材料で形成されており、収容する密封包装物品全体を略隙間無く抱き込む形状の収容空間部を有していることを特徴とする密封包装物品収容ケース。

請求項5

包装容器として複数の物品収容室を有するものが採用されて各物品収容室に物品が封入されている密封包装物品の前記物品収容室とそこに封入された物品とからなる複数の物品収容部のそれぞれを略隙間無く抱き込む形状の複数の収容空間部を有し、該各収容空間部を囲む壁体の少なくとも一部が高周波誘導加熱可能の材料で形成されている請求項4記載の密封包装物品収容ケース。

請求項6

全部又は一部が、熱拡散率の大きい材料で形成されている請求項4又は5記載の密封包装物品収容ケース。

請求項7

包装容器内に封入された密封包装物品を加熱する装置であり、密封包装物品の収容ケースであって少なくとも一部が高周波誘導加熱可能の材料で形成され、収容する密封包装物品全体を略隙間無く抱き込む形状の収容空間部を有している収容ケースの複数個を所定の経路に沿って順次移動させる収容ケース搬送手段を有するとともに、該収容ケース搬送経路に沿って配置され、該収容ケースを常圧雰囲気中で高周波誘導加熱することで該収容ケースに収容された密封包装物品を所定温度に加熱する高周波誘導加熱ステージを備えていることを特徴とする密封包装物品加熱装置

請求項8

前記収容ケースは、包装容器として複数の物品収容室を有するものが採用されて各物品収容室に物品が封入されている密封包装物品の該物品収容室とそこに封入された物品とからなる複数の物品収容部のそれぞれを略隙間無く抱き込む形状の複数の収容空間部を有し、該各収容空間部を囲む壁体の少なくとも一部が高周波誘導加熱可能の材料で形成されている収容ケースである請求項7記載の密封包装物品加熱装置。

請求項9

前記密封包装物品を前記高周波誘導加熱により前記所定温度まで加熱したのち、該密封包装物品をそれを収容している収容ケースごと所定温度域で所定時間保持する恒温室と、前記恒温室を出た密封包装物品をそれを収容している収容ケースごと冷却する冷却室と、前記恒温室及び冷却室のうち少なくとも一方に設けられた、前記密封包装物品をそれを収容している収容ケースごと反転させるケース反転装置とを備えている請求項7又は8記載の密封包装物品加熱装置。

技術分野

0001

本発明は包装容器封入された密封包装物品の加熱方法、該加熱方法の実施に用いる密封包装物品収容ケース及び密封包装物品加熱装置に関する。

背景技術

0002

今日、多くの食品医薬品等物品が包装容器に封入され、密封包装物品の形態で流通している。このような密封包装物品のうち、例えば密封包装食品については、密封包装された状態で加熱調理してから出荷するものがあり、また、密封包装食品が製造元において製造され、保管され、流通し、食べられるまでの間に、混入していることがある菌により腐敗変質、変色、味変わり等してはいけないから、密封包装食品の状態で加熱殺菌してから出荷することもある。

0003

密封包装医薬品についても、人体に悪影響のある雑菌ウイルス等を死滅させる等の目的で加熱殺菌処理することがある。これまでこのような密封包装物品の加熱処理は、一般的には、十分な耐圧性を有する大がかりな加熱処理を用いて行われてきた。すなわち、複数個の密封包装物品を該加熱処理釜に収納し、該釜の内部に所定温度高圧水蒸気熱水を導入して所定時間さらすのである。

0004

しかしこの加熱処理は、処理釜の熱容量が大きいため、処理釜内部の温度を所定温度まで昇温させるのに長時間を要し、加熱処理した密封包装物品を釜から取り出すために冷却するにも長時間を要するという問題がある。さらに、密封包装物品を加熱した場合、包装容器内の圧力が上昇するので、包装容器の破損を防止するために、包装容器の強度、形状等を工夫しなければならない。

0005

また、包装容器が複数室に分けられ、各室に異なる物品(例えば食品)が封入されている場合において、加熱したとき各室内の上昇内圧相違するようなときには、各室で発生する上昇内圧に応じて包装容器各部の材質や形状を工夫しなければならないこともある。容器材質容器全体にわたり同様のものとするときには、複数室のうち最も高内圧が発生する室にあわせた耐圧性を有する高価な材料を採用しなければならない。

0006

これらにより包装容器が高価につき、従って密封包装物品全体もそれだけ高価にならざるを得ない。そこで本発明は、包装容器に封入された密封包装物品の加熱方法であって、常圧雰囲気において、包装容器の破損の恐れなく、簡単に短時間で密封包装物品を所定温度に加熱処理することができ、また包装容器破損の恐れがないから包装容器を格別頑な高価なものにする必要がなく、容器壁厚さ、形状、大きさ等の点で包装対象物品に応じた適切な包装容器を採用できる密封包装物品の加熱方法を提供することを課題とする。

0007

また本発明は、包装容器に封入された密封包装物品を加熱するために用いる密封包装物品の収容ケースであって、該収容ケースに密封包装物品を収容して該収容ケースを高周波誘導加熱することで、常圧雰囲気において、包装容器の破損の恐れなく、簡単に短時間で該密封包装物品を所定温度に加熱することができ、また包装容器破損の恐れがないから包装容器を格別頑丈な高価なものにする必要がなく、容器の壁厚さ、形状、大きさ等の点で包装対象物品に応じた適切な包装容器を採用できる密封包装物品収容ケースを提供することを課題とする。

0008

さらに本発明は、包装容器に封入された密封包装物品を加熱する密封包装物品の加熱装置であって、常圧雰囲気において、包装容器の破損の恐れなく、簡単に短時間で密封包装物品を所定温度に加熱することができ、また包装容器破損の恐れがないから包装容器を格別頑丈な高価なものにする必要がなく、容器の壁厚さ、形状、大きさ等の点で包装対象物品に応じた適切な包装容器を採用できる密封包装物品加熱装置を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0009

前記課題を解決するため本発明は、次の密封包装物品の加熱方法、密封包装物品収容ケース及び密封包装物品加熱装置を提供する。
(1)密封包装物品の加熱方法
包装容器内に封入された密封包装物品を加熱する方法であって、該密封包装物品を高周波誘導加熱可能の収容ケースに収容し、常圧雰囲気中で該収容ケースを高周波誘導加熱することで収容した密封包装物品を所定温度に加熱する工程を含み、前記収容ケースとして、少なくとも一部が高周波誘導加熱可能の材料で形成され、収容する密封包装物品全体を略隙間無く抱き込む形状の収容空間部を有している収容ケースを用いることを特徴とする密封包装物品の加熱方法。

0010

ここで「常圧雰囲気」とは、大気圧雰囲気や、意図的に昇圧、減圧されておらず大気圧と略同程度とみて差し支えない圧力雰囲気を指している。密封包装物品における包装容器は物品の要求される加熱温度に耐え得る耐熱性を有する容器としておく。かかる耐熱性を有する材料として、ポリオレフィン樹脂、例えばポリエチレンポリプロピレン等のほか、ポリスチレンポリエステル類〔PBTポリブチレンテレフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタサート)等も含む〕、ポリアミド塩化ビニリデンエチレンビニルアルコール共重合体ケンカ物等の重合体単体或いは積層体を例示できる。

0011

また、これら樹脂酸素透過遮断性に優れており、従ってこれらの樹脂からなる包装容器は密封性が高い。密封包装物品における包装容器の形状としては、フィルムで袋状に形成されていて若干の変形が可能であるもの、合成樹脂材料成形して得た容器本体の開口部をフイルム薄板等からなる蓋体で閉じるもの等のいずれであってもよい。レトルトパウチハムソーセージ等の食品を収容できる深絞り容器等、様々の形態のものが対象となる。

0012

また、包装容器に複数の物品収容室があり、それら物品収容室に同じ物品又は異なる物品をそれぞれ収容できるものでもよい。密封包装物品が包装容器として複数の物品収容室を有するものが採用されて各物品収容室に物品が封入されている密封包装物品であるときには、前記収容ケースとして、該密封包装物品の物品収容室とそこに封入された物品とからなる複数の物品収容部のそれぞれを略隙間無く抱き込む形状の複数の収容空間部を有するものを採用すればよい。その場合、該各収容空間部を囲む壁体の少なくとも一部を高周波誘導加熱可能の材料で形成することができる。

0013

物品収容ケースはその全体が高周波誘導加熱可能な材料から形成されていてもよいし、一部が高周波誘導加熱可能な材料で形成されていてもよい。高周波誘導加熱可能の材料で形成される部分は磁性体又は磁性体を設けた部材から形成することができる。磁性体を設けた部材を採用する場合、該部材への磁性体の設け方として、磁性体材料溶着を代表例として挙げることができる。

0014

いずれにしても収容ケース各部は、該収容ケースを高周波誘導加熱にて加熱することで収容した密封包装物品を所定温度まで加熱するときの温度に耐え得る耐熱性を有するものとし、さらに密封包装物品加熱により高まる包装容器内の圧力によっては該包装容器が破損しないように該密封包装物品を抱き込んでおける耐圧性を持たせる。

0015

本発明に係る密封包装物品の加熱方法によると、包装容器内に封入された密封包装物品は密封包装物品収容ケースに収容され、その状態で収容ケース外側から、例えば周波数5kHz〜100MHz程度の高周波電力による高周波交番磁界印加されることで該収容ケースが高周波誘導加熱される。それによりケース内部の密封包装物品が所定温度まで加熱される。

0016

かかる所定温度は密封包装物品の種類により、また加熱の目的により異なるが食品や医薬品では概ね70℃以上である。この高周波誘導加熱による密封包装物品の加熱においては、密封包装物品はその全体が、収容ケース内の収容空間部に略隙間無く抱き込まれており、加熱により密封包装物品における包装容器内圧が上昇しても該包装容器がその内圧で大きく膨張して破損するといった恐れはないことに加え、所定温度に加熱するために要求される包装容器内圧力が維持される。しかもこれらは常圧雰囲気中での高周波誘導加熱処理によりなし得るので、高周波誘導加熱領域を包装容器の膨張破裂防止のために高圧雰囲気に維持する必要はなく、そのための高価な装置も不要である。

0017

また前記のように、密封包装物品が包装容器として複数の物品収容室を有するものが採用されて各物品収容室に物品が封入されている密封包装物品であるときにおいて、前記収容ケースとして、該密封包装物品の物品収容室とそこに封入された物品とからなる複数の物品収容部のそれぞれを略隙間無く抱き込む形状の複数の収容空間部を有するものを採用するときにおいても、密封包装物品はその全体が収容ケース内の収容空間に略隙間無く抱き込まれ、従って各室が収容ケース内の各室の収容空間部に略隙間無く抱き込まれ、加熱により包装容器の各室の内圧がそれぞれ異なる値に上昇しても該包装容器はいずれの室についても内圧で破損するといった恐れはないことに加え、所定温度に加熱するために要求される各包装容器室内圧力が維持される。しかもこれらは常圧雰囲気中での高周波誘導加熱処理によりなし得るので、高周波誘導加熱領域を包装容器の膨張破裂防止のために高圧雰囲気に維持する必要はなく、そのための高価な装置も不要である。

0018

かくして包装容器の破損の恐れなく、簡単、安価に密封包装物品を所定温度に加熱することができる。また、このように密封包装物品における包装容器が破損する恐れがないので、包装容器を格別頑丈な高価なものにする必要がなく、容器の壁厚さ、形状、大きさ等の点で、包装対象物品に応じた適切な包装容器を採用できる。

0019

さらに、密封包装物品収容ケースは密封包装物品を収容できる大きさがあればよいから、熱容量が小さく、それだけ短時間で加熱でき、ひいては短時間で密封包装物品を所定温度まで加熱できる。冷却も短時間で行える。かくして包装容器の破損の恐れなく、簡単に短時間で密封包装物品を所定温度に加熱することができる。

0020

なお、高周波誘導加熱のために供給する高周波電力を変更したり、高周波電力を供給される交番磁界印加用のコイル巻き線数を変更する等により加熱温度を容易に変更できる。また、前記収容ケースを高周波誘導加熱することで収容した密封包装物品を所定温度に加熱する工程では、高周波誘導加熱用磁場発生のためのコイルを複数準備して前記密封包装物品を収容した収容ケースを該複数のコイルに順次臨ませつつ搬送して該密封包装物品を加熱するようにしてもよい。

0021

その場合、該複数のコイルのうち少なくとも一つは他のコイルより高周波誘導加熱力が大きいものとし、該高周波誘導加熱力の大きいコイルを他のコイルより前記収容ケースの搬送方向において上流側に配置してもよい。このようにすることで、密封包装物品を収容した収容ケースの加熱の当初において密封包装物品とこれを収容している収容ケースとの温度勾配を大きくして、それだけ密封包装物品をより速やかに所定温度まで加熱することができる。

0022

前記収容ケースの高周波誘導加熱により該ケースに収容された密封包装物品を所定温度に加熱する工程における該所定温度は例えば殺菌温度である。この場合密封包装物品を加熱殺菌することができる。かかる物品として、食品又は医薬品を例示できる。また密封包装物品における物品が食品である場合、前記収容ケースの高周波誘導加熱により該ケースに収容された密封包装物品を所定温度に加熱する工程における該所定温度は該食品を所定状態調理する調理温度でもよい。この場合該食品を加熱調理できる。

0023

本発明に係る密封包装物品の加熱方法では、収容ケースの高周波誘導加熱により該ケースに収容された密封包装物品を所定温度に加熱するにあたり、該密封包装物品をこれを収容している収容ケースごと外部から補助的に加熱してもよい。この補助的加熱により、加熱される収容ケース及び密封包装物品の熱が収容ケースから外部へ逃げることを抑制できる。換言すれば、かかる補助的加熱により、密封包装物品の熱が収容ケースを介して外部へ逃げない、又は逃げ難いように外部から熱保持のためのエネルギーを供給できる。

0024

かかる補助的加熱の加熱温度は高周波誘導加熱により到達しようとする密封包装物品の所定温度又はそれより若干高い温度でも低い温度でもよい。かかる補助的加熱は、例えば、高周波誘導加熱領域に所定温度の高温の空気や水蒸気を供給すること等により行える。また、本発明に係る密封包装物品の加熱方法は、前記収容ケースの高周波誘導加熱により該ケースに収容された密封包装物品を所定温度に加熱する工程に引き続く、該密封包装物品をそれを収容している収容ケースごと所定温度域で所定時間保持する恒温工程を含んでいてもよい。

0025

例えば、密封包装物品内部を含め物品全体の温度を均一化するために、また、密封包装物品の殺菌のために、密封包装物品を所定温度域で所定時間(例えば121℃で4分間)保持することが要求される場合には、このように高周波誘導加熱による密封包装物品の加熱後、密封包装物品を収容ケースごと所定温度域で所定時間維持する恒温工程を含めればよい。

0026

また、前記密封包装物品をそれを収容している収容ケースごと所定温度域で所定時間保持したあとに、必要に応じ、該密封包装物品を収容ケースごと冷却する冷却工程を含めてもよい。収容ケースから密封包装物品を取り出すときに、密封包装物品温度が高く、包装容器が内圧で破損する恐れがあるようなときには、このような冷却工程を付加すればよい。

0027

冷却工程では、それには限定さないが、例えば密封包装物品を収容ケースごと水、温水、水の噴霧、空気等により冷却すればよい。前記の密封包装物品を収容ケースごと所定温度域で所定時間保持する工程、冷却する工程のうち少なくとも一方において、前記密封包装物品をそれを収容している収容ケースごと反転させてもよい。

0028

例えば密封包装物品における物品が米飯麦飯等の場合において、このように反転させることで品質が向上するような場合に、かかる反転操作を採用してもよい。
(2)密封包装物品の収容ケース
包装容器内に封入された密封包装物品を高周波誘導加熱により加熱するために用いる密封包装物品収容ケースであって、少なくとも一部が高周波誘導加熱可能の材料で形成されており、収容する密封包装物品全体を略隙間無く抱き込む形状の収容空間部を有していることを特徴とする密封包装物品収容ケース。

0029

この物品収容ケースは、密封包装物品の加熱方法で説明したのと同様に、耐熱性を有するものとし、さらに耐圧性を持たせる。また、物品収容ケースはその全体が高周波誘導加熱可能な材料から形成されていてもよいし、一部が高周波誘導加熱可能な材料で形成されていてもよい。高周波誘導加熱可能の材料で形成されている部分は磁性体又は磁性体を設けた部材から形成することができる。磁性体を設けた部材を採用する場合、該部材への磁性体の設け方として、磁性体材料の溶着を代表例として挙げることができるかかる磁性体材料として、鉄、ニッケルコバルト等の強磁性体金属材料、アルミニウムステンレススチール等の常磁性体金属材料を例示できる前記のような常磁性体金属の表面や、銀、銅、金、黄銅等の反磁性体金属表面に強磁性体材料溶射付着させたものも採用できる。

0030

いずれにしても、密封包装物品収容ケースはその全部又は一部が熱拡散率の大きい材料で形成されていてもよい。熱拡散率は熱の伝わり易さを示す指標であり、熱拡散率の大きい材料を用いると、密封包装物品の高周波誘導加熱に際し、収容ケース全体を速やかに昇温させることができ、それにより密封包装物品の局部的な加熱を防止できる。また、高周波誘導加熱に際し、外部からも密封包装物品を収容ケースごと補助的に加熱するとき、外部からの熱が収容ケース全体へ速やかに伝達される。さらに、密封包装物品を加熱処理後、収容ケースごと冷却するときにも、その冷却が速やかに行われる。

0031

熱拡散率の大きい材料として、それには限定されないが、熱拡散率が1.7×10-4m2 /sec 〜3.3×10-6m2 /sec 程度のものを挙げることができる。そのような材料として、熱拡散率がもともと大きい金属を挙げることができる。例えば、銅(略1.0×10-4m2 /sec )、アルミニウム(略8.36×10-5m2 /sec )、黄銅(真鍮)(略2.78×10-5m2 /sec )、ニッケル(略2.08×10-5m2 /sec )、鉄(略1.25×10-5m2 /sec )の他、チタンやステンレススチール等、さらにはこれらの合金を挙げることができる。

0032

包装容器として複数の物品収容室を有するものが採用されて各物品収容室に物品が封入されている密封包装物品を加熱するときは、前記密封包装物品収容ケースは、該複数の物品収容部のそれぞれを略隙間無く抱き込む形状の複数の収容空間部を有し、該各収容空間部を囲む壁体の少なくとも一部が高周波誘導加熱可能の材料で形成されているものとすればよい。

0033

本発明に係る密封包装物品の収容ケースによると、密封包装物品が該収容ケースに収容され、その状態で収容ケース外側から高周波交番磁界が印加されることで該収容ケースが高周波誘導加熱され、それによりケース内部の密封包装物品が所定温度まで加熱される。この高周波誘導加熱による密封包装物品の加熱においては、密封包装物品はその全体が、収容ケース内の収容空間部に略隙間無く抱き込まれており、加熱により密封包装物品における包装容器内圧が上昇しても該包装容器がその内圧で大きく膨張して破損するといった恐れはないことに加え、所定温度に加熱するために要求される包装容器内圧力が維持される。しかもこれらは常圧雰囲気中での高周波誘導加熱処理によりなし得るので、高周波誘導加熱領域を包装容器の膨張破裂防止のために高圧雰囲気に維持する必要はなく、そのための高価な装置も不要である。

0034

また前記のように、密封包装物品が包装容器として複数の物品収容室を有するものが採用されて各物品収容室に物品が封入されている密封包装物品であるときにおいて、収容ケースが、該密封包装物品の物品収容室とそこに封入された物品とからなる複数の物品収容部のそれぞれを略隙間無く抱き込む形状の複数の収容空間部を有するものであるときにも、密封包装物品はその全体が収容ケース内の収容空間部に略隙間無く抱き込まれ、従って各室が収容ケース内の各室の収容空間部に略隙間無く抱き込まれ、加熱により包装容器の各室の内圧がそれぞれ異なる値に上昇しても該包装容器はいずれの室についても内圧で破損するといった恐れはないことに加え、所定温度に加熱するために要求される各包装容器室内圧力が維持される。しかもこれらは常圧雰囲気中での高周波誘導加熱処理によりなし得るので、高周波誘導加熱領域を包装容器の膨張破裂防止のために高圧雰囲気に維持する必要はなく、そのための高価な装置も不要である。

0035

かくして本発明に係る密封包装物品収容ケースによると、包装容器の破損の恐れなく、簡単、安価に密封包装物品を所定温度に加熱することができる。また、このように密封包装物品における包装容器が破損する恐れがないので、包装容器を格別頑丈な高価なものにする必要がなく、容器の壁厚さ、形状、大きさ等の点で、包装対象物品に応じた適切な包装容器を採用できる。

0036

さらに、密封包装物品収容ケースは密封包装物品を収容できる大きさがあればよいから、熱容量が小さく、それだけ短時間で加熱でき、ひいては短時間で密封包装物品を所定温度まで加熱できる。冷却も短時間で行える。かくして包装容器の破損の恐れなく、簡単に短時間で密封包装物品を所定温度に加熱することができる。

0037

本発明に係る密封包装物品の収容ケースは、構造面では、さらに、密封包装物品を出し入れする開口部を有するケース本体と、該開口部を閉じる蓋体とを備えており、前記蓋体は蓋体固定装置によりケース本体に取り外し可能に固定でき、収容する密封包装物品全体を略隙間無く抱き込む前記収容空間部が該蓋体とそれにより閉じられるケース本体とで形成されるものを例示できる。

0038

かかる蓋体固定装置は、高周波誘導加熱のための密封包装物品収容ケースの搬送や高周波誘導加熱等に悪影響を与えないものであれば様々のタイプのものを採用できる。例えば、ケース本体の底面とケース本体を閉じた蓋体の上面とに係合して蓋体をケース本体に固定できる1又は2以上のコの字形状クリップ部材からなるものを挙げることができる。

0039

また、バネを介して前記蓋体が連結された第1の部材と、該第1の部材に回動可能に連結された第2の部材であってケース本体の所定部位に係合できる係合部を有する第2部材とを備え、該蓋体をケース本体開口部を閉じるように該ケース本体に設置した状態で該第2部材の係合部をケース本体の所定部位に係合することで、前記蓋体を前記バネの復元力を利用して前記第1部材でケース本体に押圧固定できるものも例示できる。

0040

なお、密封包装物品収容ケースは、密封包装物品を一つだけ収容できるものでも、複数個収容できるものでもよい。いずれにしても、密封包装物品を出し入れする開口部を有するケース本体と、該開口部を閉じる蓋体とを備える収容ケースであって、密封包装物品における包装容器が容器本体の開口部周囲フランジにフイルム、薄板等からなる容器蓋体周縁部をヒートシールその他の手段で固定して閉じたものであるようなときには、該収容ケースは、そのケース本体と蓋体とで包装容器のフランジ部を挟着できるものであることが好ましい。
(3)密封包装物品の加熱装置
包装容器内に封入された密封包装物品を加熱する装置であり、密封包装物品の収容ケースであって少なくとも一部が高周波誘導加熱可能の材料で形成され、収容する密封包装物品全体を略隙間無く抱き込む形状の収容空間部を有している収容ケースの複数個を所定の経路に沿って順次移動させる収容ケース搬送手段を有するとともに、該収容ケース搬送経路に沿って配置され、該収容ケースを常圧雰囲気中で高周波誘導加熱することで該収容ケースに収容された密封包装物品を所定温度に加熱する高周波誘導加熱ステージを備えていることを特徴とする密封包装物品加熱装置。

0041

本発明に係る密封包装物品の加熱装置によると、既述の本発明に係る密封包装物品の収容ケースを用いて、既述の本発明に係る密封包装物品の加熱方法を実施でき、それにより、常圧雰囲気において、包装容器の破損の恐れなく、簡単に短時間で密封包装物品を所定温度に加熱することができ、また包装容器破損の恐れがないから包装容器を格別頑丈な高価なものにする必要なく、容器の壁厚さ、形状、大きさ等の点で包装対象物品に応じた適切な包装容器を採用できる。

0042

前記収容ケースはつぎのものであってもよい。すなわち、包装容器として複数の物品収容室を有するものが採用されて各物品収容室に物品が封入されている密封包装物品の該物品収容室とそこに封入された物品とからなる複数の物品収容部のそれぞれを略隙間無く抱き込む形状の複数の収容空間部を有し、該各収容空間部を囲む壁体の少なくとも一部が高周波誘導加熱可能の材料で形成されている収容ケースである。

0043

前記高周波誘導加熱ステージには、前記収容ケースの搬送方向に沿って複数の高周波誘導加熱用磁場発生のためのコイルを配置してもよい。その場合、該複数のコイルのうち少なくとも一つは他のコイルより高周波誘導加熱力が大きいものとし、該高周波誘導加熱力の大きいコイルを他のコイルより前記収容ケースの搬送方向において上流側に配置してもよい。このようにコイルを設置することで、密封包装物品を収容した収容ケースの加熱の当初において密封包装物品とこれを収容している収容ケースとの温度勾配を大きくして、それだけ密封包装物品をより速やかに所定温度まで加熱することができる。

0044

前記収容ケースの高周波誘導加熱により該ケースに収容された密封包装物品を所定温度に加熱するにあたり、該密封包装物品をこれを収容している収容ケースごと外部から補助的に加熱するための補助的加熱手段を設けてもよい。また、必要に応じ、前記収容ケースの高周波誘導加熱により該ケースに収容された密封包装物品を所定温度に加熱したのち、該密封包装物品をそれを収容している収容ケースごと所定温度域で所定時間保持する恒温室を備えていてもよい。

0045

さらに、前記恒温室を出た密封包装物品をそれを収容している収容ケースごと冷却する冷却室を備えていてもよい。また、前記恒温室及び(又は)冷却室には前記密封包装物品をそれを収容している収容ケースごと反転させるケース反転装置を設けてもよい。かかる補助的加熱手段、恒温室、冷却室、ケース反転装置を設けるときは、本発明に係る密封包装物品の加熱方法において説明した補助的加熱を行う場合、高周波誘導加熱後に密封包装物品を所定温度域で所定時間保持する場合、その後冷却する場合、密封包装物品収容ケースを反転させる場合とそれぞれ同様の利点が得られる。

0046

いずれにしても前記密封包装物品収容ケースとして、前記密封包装物品収容ケースが密封包装物品を出し入れする開口部を有するケース本体と、該開口部を閉じる蓋体とを備えたものを用い、前記蓋体を蓋体固定装置によりケース本体に取り外し可能に固定できるようにし、収容する密封包装物品全体を略隙間無く抱き込む収容ケースの収容空間部が該蓋体とそれにより閉じられるケース本体とで形成されるようにし、前記収容ケース搬送経路に臨む位置に、収容ケースに密封包装物品を搬入する搬入ステージと、収容ケースに収容された密封包装物品を該収容ケースから取り出す搬出ステージとを設けるとともに、該搬入、搬出ステージに前記蓋体固定装置の自動操作装置を設けてもよい。搬入ステージは搬出ステージを兼ねるステージでもよい。搬入ステージが搬出ステージを兼ねるときは、かかる自動操作装置をそのステージに設けるとよい。

発明を実施するための最良の形態

0047

以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は高周波誘導加熱に供される密封包装物品の幾つかの例を示している。図1(A)は1例の平面図であり、図1(B)はその側面図である。図1(C)は他の例の平面図であり、図1(D)はその側面図である。図1(E)はさらに他の例の平面図である。図1(F)はさらに他の例の側面図である。

0048

図1(A)及び図1(B)に示す密封包装物品Aは、包装容器81に2種類の食品81a、81bを気密に封入した密封包装食品である。包装容器81は本体811と蓋体812とからなっている。容器本体811は合成樹脂材料を成形して一体的に形成したもので、二つの物品収容室811a、811bを有し、該両室の間に容器本体壁仕切り壁状に立ち上がっている。食品81aは室811aに、食品81bは室811bに収容されている。蓋体812は合成樹脂フィルムからなり、容器本体811の開口部(各室の開口部)を覆うように被せられ、容器本体811の開口部周囲のフランジ部810及び両室間の立ち上がり壁上面にそれぞれ気密にヒートシール接着されている。

0049

図1(C)及び図1(D)に示す密封包装物品Bは、包装容器82に医薬品82aを気密に封入した密封包装医薬品である。包装容器82は本体821と蓋体822とからなっている。容器本体821は合成樹脂材料を成形して一体的に形成したもので、一つの物品収容室821aを有している。医薬品82aは室821aに収容されている。蓋体822は合成樹脂フィルムからなり、容器本体821の開口部を覆うように被せられ、容器本体821の開口部周囲のフランジ部820に気密にヒートシール接着されている。

0050

図1(E)に示す密封包装物品Cは、包装容器83に3種類の食品83a、83b、83cを気密に封入した密封包装食品である。包装容器83は本体831と蓋体832とからなっている。容器本体831は合成樹脂材料を成形して一体的に形成したもので、三つの物品収容室831a、831b、831cを有し、それら室の間に容器本体壁が仕切り壁状に立ち上がっている。食品83aは室831aに、食品83bは室831bに、食品83cは室831cにそれぞれ収容されている。蓋体832は合成樹脂フィルムからなり、容器本体831の開口部(各室の開口部)を覆うように被せられ、容器本体831の開口部周囲のフランジ部830及び室間の立ち上がり壁上面にそれぞれ気密にヒートシール接着されている。

0051

図1(F)に示す密封包装物品Dは、柔軟な袋(パウチ)形態の包装容器84内に食品(又は医薬品)84aを密封収容したものである。各容器81、82、83、84は気密性良好に形成され、容器本体及び蓋体(袋状容器84についてはその容器)は、後述する高周波誘導加熱による収容物品の加熱温度に耐え得る耐熱性を有する合成樹脂材料、例えばポリオレフィン樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル、ポリアミド、塩化ビニリデン等の重合体であって、収容物品にとって不都合のない合成樹脂材料から形成される。

0052

なお、本発明に係る高周波誘導加熱利用の加熱対象となる密封包装物品の態様は図1に示すものに限定されるものではない。図2は本発明に係る、密封包装物品の高周波誘導加熱に用いる収容ケースの1例を示している。本発明に係る密封包装物品の高周波誘導加熱に用いる収容ケースは、図1に例示された密封包装物品A、B、C、Dを含め密封包装物品の形態等に応じて、適切な形態、構造等に形成することができる。

0053

ここでの密封包装物品収容ケース71は、図2(A)に示すように、密封包装物品100を出し入れする開口部711aを有するケース本体711と、開口部711aを閉じる蓋体712とを備えている。蓋体712は蓋体固定装置713によりケース本体711に取り外し可能に固定することができる。図2は密封包装物品100として図1(A)に示す密封包装物品Aのタイプのものを収容する例を示している。

0054

ケース本体711は密封包装物品100の二つの物品収容部100a、100bをそれぞれ収容できる空間を有しており、ケース本体711に蓋体712を被せてケース本体開口部711aを閉じたときに内部に形成される密封包装物品収容空間は、密封包装物品100の全体を、その仕切り壁状の立ち上がり部分100cも含めて略隙間無く抱き込める形状となっている。

0055

従って、密封包装物品100を収容ケース本体711に入れ、蓋体712で閉じることで、該密封包装物品全体を包装容器の仕切り壁状に立ち上がる部分を含め、殆ど隙間無く抱き込むことができる。また、密封包装物品100のフランジ部100fはケース本体711と蓋体712との間に挟着される。なお、図2に示す例では、蓋体712の周縁部下面に気密シールリング状部材(ここではオーリング)712aが嵌められており、これも密封包装物品のフランジ部100fの外側で蓋体712とケース本体711との間に挟着される。かかる気密シール用リング状部材はケース本体側に設けてもよい。

0056

このような気密シール用リング状部材は、図2に示す場合のように、密封包装物品のフランジ部100fを蓋体と収容ケースとの間に挟着するときには、それにより密封包装物品収容空間を気密にできるので、必ずしも要しないが、密封包装物品にそのようなフランジ部がなかったり、あっても容器の全周にわたり設けられていないようなときには、設けておくことが好ましい。

0057

密封包装物品収容ケース71は、収容ケース本体711の底面に磁性体711Aを溶着させてあるとともに、蓋体712の天面にも同じ磁性体711Aを溶着させてある。それには限定されないが、磁性体711Aとして鉄、ニッケル等の強磁性体が採用される。ここでは鉄を採用している。前記強磁性体711A及びオーリング712aを除く他のケース本体部分及び蓋体部分は熱拡散率の大きい金属で形成されている。該金属はそれには限定されないが、アルミニウム、ステンレススチール等の常磁性体が採用される。ここではアルミニウムを採用している。

0058

密封包装物品収容ケース71、特に収容ケース本体711及び蓋体712の各部は、該収容ケースを高周波誘導加熱することでケースに収容した密封包装物品100を所定温度まで加熱するときの温度に耐え得る耐熱性を有しているとともに、密封包装物品加熱により高まる包装容器内の圧力によっては該包装容器が破損しないように該密封包装物品100を抱き込んでおける耐圧性を有している。

0059

蓋体固定装置は様々のタイプのものを採用できるが、ここでの蓋体固定装置713は、一対のコの字形状のクリップ部材713aからなっている。図2(B)に示すように、各クリップ部材713aは収容ケース本体711に密封包装物品100を入れ、蓋体712を閉じた状態で、該本体711の下面と蓋体712の上面とに係合するように該本体及び蓋体の組み合わせ体側方から外嵌される。かくして、蓋体712は本体711に気密に固定される。

0060

この状態で、図2(B)に鎖線で示すように、収容ケース本体711の底壁に向けて高周波誘導加熱のための高周波交番磁界を発生させるコイルCL1を、蓋体712に向けて同じく高周波交番磁界を発生させるコイルCL2をそれぞれ配置し、収容ケース71に例えば周波数5kHz〜100MHz程度の高周波電力による高周波交番磁界を印加し、それにより収容ケースを誘導加熱することで、内部の密封包装物品100における物品収容部100a、100bをそれぞれ所定温度に加熱できる。

0061

コイルCL1、CL2に印加する高周波電力を変更したり、コイルCL1、CL2の巻き線数を変更する等により加熱温度を容易に変更できる。この高周波誘導加熱による密封包装物品100の加熱においては、密封包装物品100はその全体が収容ケース71内の収容空間部に略隙間無く抱き込まれており、加熱により密封包装物品100の各物品収納部100a、100bにおいて内圧が同様に上昇しても、或いはそれぞれ異なる値に上昇しても該密封包装物品100の包装容器が内圧で破損するといった恐れはない。

0062

また、密封包装物品100における包装容器は破損する恐れがないので、密封包装物品100における包装容器を格別頑丈な高価なものにする必要がなく、容器壁の厚さ、形状、大きさ等の点で、包装対象物品に応じた適切な包装容器を採用できる。さらに、密封包装物品収容ケース71は密封包装物品100を収容できるだけの大きさに形成されているから熱容量が小さく、それだけ短時間で加熱でき、ひいては短時間で密封包装物品100を所定温度まで加熱できる。冷却も短時間で行える。

0063

図3図2に示す形態の物品収容ケース71に適用できる蓋体固定装置の他の例を示している。但し図3に示す収容ケース71はその全体が高周波誘導加熱可能の材料、ここでは鉄で形成されている。従ってケース本体711及び蓋体712に磁性体711Aは付加していない。図3に示す蓋体固定装置714は第1部材714aと一対の第2部材714bとを有している。第1部材714aにはバネ714cを介して物品収容ケース蓋体712が連結されている。第2部材714bはその上端部が第1部材714aの図中左右の各端部に回動可能にピン714dで連結されている。各第2部材714bの下端にはケース本体711の底面に係合できる係合爪714b’が設けられている。

0064

この蓋体固定装置714によると、収容ケース本体711に密封包装物品100を入れ、第1部材714aで支持された蓋体712をケース本体711に被せて閉じ、その状態で第1部材714aをバネ714cに抗して蓋体712の方へ押しつつ各第2部材714bを回動させて係合爪714b’をケース本体711の底面に係合させる。かくして蓋体711を閉じ位置に固定できる。

0065

蓋体711を開けるときは、第1部材714aを蓋体の方へ押して、第2部材の係合爪714b’をケース本体711底面から離し、第2部材714bを外側へ回動させる。かくして蓋体712を取り外すことができる。なお、蓋体固定装置714を採用する場合において、第1部材714a等が高周波誘導加熱の邪魔になるときは、収容ケース71の下方からのみ高周波誘導加熱してもよい。

0066

以上説明した蓋体固定装置713、714はいずれも手動操作するものであるが、蓋体固定装置を自動操作する装置を採用することもできる。かかる自動操作装置も様々のタイプのものを採用できる。図4はそのような自動操作装置の1例を示している。図4に示す自動操作装置6は、図3に示す蓋体固定装置714を自動的に操作するものである。

0067

自動操作装置6は、蓋体固定装置714を上昇下降させるピストンシリンダ装置61と、蓋体固定装置714における第2部材714bを押す一対のピストンシリンダ装置62とを含んでいる。蓋体固定装置714は若干改造されており、第1部材714aには磁性体材料からなる部分63が含まれている。また、第2部材714bを第1部材714aに回動可能に連結するピン714d又は他の適当な部分にバネ(図示省略)が設けられており、このバネで、該バネに抗する外力が作用しない限り第2部材714bを外側へ回動させて開かせるようになっている。

0068

ピストンシリンダ装置61のピストンロッド611には、これに交差する方向の部材612が固定されており、該部材612に電磁石613が設けられている。なお、電磁石に代えて適度の吸着力永久磁石を採用してもよい。一対の第2部材714bをバネ力開き状態にして、該電磁石613をオンし、第1部材714aの磁性体部分63を吸着することで、ピストンシリンダ装置61にて蓋体固定装置714を昇降させることができる。図4(A)はこのようにして、密封包装物品100を収容した物品収容ケース71から蓋体固定装置714を上方へ移動させている状態を示している。

0069

図4(A)に示すように、蓋体固定装置714の第1部材714aにバネ714cを介して支持された蓋体712の下方に密封包装物品100を入れた収容ケース本体711を設置し、この状態から自動操作装置6のピストンシリンダ装置61のピストンロッド611を突出させると、蓋体711で収容ケース本体711を閉じることができる。

0070

そこで図4(B)に示すように、さらにバネ714cに抗して蓋体712をケース本体711に押しつけつつ、各第2部材714bの外側に配置された第2部材押圧用のピストンシリンダ装置62のピストンロッド621を突出させ、それにより第2部材714bを収容ケース71の方へ押す。このようにして第2部材714bの係合爪714b’を収容ケース71の底面に配置し、しかるのちピストンシリンダ装置61における電磁石613をオフし、ピストンロッド611を上昇させると、バネ714cの復元力で蓋体712がケース本体711に固定される。ピストンシリンダ装置62のピストンロッド621はそのあと後退させておけばよい。

0071

なお、蓋体712をケース本体711に固定するとき、必要に応じ、図4(B)に鎖線で示すように、ケース本体支持台SPでケース本体711を支持するようにしてもよい。この場合、該支持台SPをピストンシリンダ装置PC等で昇降できるようにしてもよい。このような自動操作装置は、密封包装物品を本発明に係る密封包装物品収容ケースに収容して高周波誘導現象を利用して加熱する場合において、複数の密封包装物品収容ケースを高周波誘導加熱領域を通過するように移動させるときに、該収容ケースに対する密封包装物品の搬入、搬出のためのステージに設置して使用できる。

0072

なお、かかる自動操作装置6を採用する場合において、それが高周波誘導加熱の邪魔になるときは、収容ケースの下方からだけ高周波誘導加熱するようにしてもよい。図5は本発明に係る密封包装物品加熱方法の実施に用いる密封包装物品加熱装置の1例の概略構成を示す図である。

0073

図示の加熱装置は、高周波誘導加熱室1、その出口側連設された恒温室2、恒温室2の出口に連設された冷却室3及び冷却室3の出口と高周波誘導加熱室1の入口をつなぐ搬送室4を備えている。冷却室3は高周波誘導加熱室1の下に設けられている。高周波誘導加熱室1にはその入口近傍に密封包装物品の搬入・搬出のためのステージS1があり、それに続いて高周波誘導加熱ステージS2が設置されている。また、高周波誘導加熱室1には、室内に所定温度の高温空気を供給する補助加熱装置11が付設されている。

0074

高周波誘導加熱室1内にはベルトコンベア12が設置されている。ベルトコンベア12は搬入・搬出ステージS1の入口に配置されたプーリ121、高周波誘導加熱ステージS2の出口に配置されたプーリ122、これらプーリの下方に配置されたプーリ123、124と、それらプーリに巻き掛けられて搬入ステージS1の入口側から高周波誘導加熱ステージS2の出口側へ向かって走行し、循環する無端ベルト125を含んでいる。無端ベルト125は高周波誘導加熱ステージS2の下方においてテンション部材126により張力調節される。

0075

ステージS2の出口にあるプーリ122には伝動装置127を介してモータ128が接続されている。ベルトコンベア12の運転時、モータ128は連続的に回転するが、伝動装置127は間欠回転伝動機構を含んでいて、無端ベルト125を、所定距離走行した後、所定時間停止するという走行停止を繰り返すように駆動する。これにより無端ベルト125上の物品は所定距離ずつ所定時間間隔間欠的に送られる。

0076

無端ベルト125は全体又は主たる部分が透磁性の材料で形成されている。なお、コンベア12はかかるベルトコンベアに代えて磁力線を通過させるべき部分を空間としたコンベアでもよいことは勿論である。無端ベルト125の表面に出没可能のストッパstが所定間隔で設けられている。図1には複数のストッパstのうち一部だけ示されているが、無端ベルト125の全体に所定の等間隔で設けられている。各ストッパstは詳細な機構の図示は所略しているが、無端ベルト125の進行方向に向け押されると無端ベルト表面から没し、外力が除去されると無端ベルト表面上に起き上がるものである。

0077

それには限定されないが、ここでは図1(F)に示す形態の密封包装食品Dを、図2に示す密封包装物品収容ケース71において中央の仕切り壁のないタイプの密封包装物品収容ケース(図示省略)に収容し、該ケースの蓋体を図2に示す蓋体固定装置713でケース本体に固定したケース入り密封包装食品Wがベルトコンベア12で搬入・搬出ステージS1から高周波誘導加熱ステージS2へ送られる。

0078

各ケース入り密封包装食品Wはベルトコンベア12により間欠的に所定の等間隔で送られるが、そのとき各食品Wは無端ベルト125上で滑らないように、ストッパstで確実に押される。高周波誘導加熱ステージS2には、図5に示すように、無端ベルト125の下方に該ベルトの進行方向に沿って所定間隔で5個の高周波誘導加熱用コイルLLが設置されているとともに無端ベルト125の上方にも各コイルCLL と対をなすように5個の高周波誘導加熱用コイルCLU が設置されている。各コイルCLL 、CLU は高周波電源装置PWに接続されている。高周波電源装置PWは5kHz〜100MHzの範囲内の同じ高周波電力を各コイルに供給することができる。なお、設置するコイルの数はこれに限定されるものではない。

0079

上下のコイルからなる各対のコイルCLL、CLU は、ケース入り密封包装食品Wが間欠的に送られるときに一時的に停止する各位置に対応して設けられている。なお、高周波誘導加熱ステージS2には、ケース入り密封包装食品Wの搬送方向に沿って複数の高周波誘導加熱用磁場発生のためのコイルを配置し、且つ、該複数のコイルのうち少なくとも一つは他のコイルより高周波誘導加熱力が大きいものとし、該高周波誘導加熱力の大きいコイルを他のコイルよりケース入り密封包装食品Wの搬送方向において上流側に配置してもよい。

0080

このようにコイルを設置するときには、ケース入り密封包装食品Wの加熱の当初において密封包装物品Dとこれを収容している収容ケースとの温度勾配を大きくして、それだけ密封包装物品Dをより速やかに所定温度まで加熱することができる。恒温室2には、ゴンドラ方式の縦型コンベア21が設置されている。コンベア21は上下にそれぞれ一対ずつ設置された鎖歯車211、212を含んでいる。これら鎖歯車211、212には一対の無端チエーン213が巻き掛けられており、該一対の無端チエーン213に所定の間隔でゴンドラ214が吊り下げられている。一方の鎖歯車211が図示を省略した駆動装置により間欠的に回転駆動されることで、各ゴンドラ214は間欠的に移動する。ゴンドラ214は高周波誘導加熱室1の出口に臨む位置から上昇したのち、下降し、再び上昇するように循環駆動される。

0081

コンベア21の配置領域の背後には空気加熱室22が設置されており、この室22は上下部分コンベア配置領域に連通している。空気加熱室22には、空気加熱ヒータ221と、加熱された空気を空気加熱室22とコンベア配置領域に循環させるフアン222とが設置されている。かくして恒温室2内は食品の加熱殺菌に要求される所定の温度に維持される。

0082

ゴンドラ式コンベア21の下端部に対してピストンシリンダ装置からなるプッシャー23が設置さており、ゴンドラ214に支持されてコンベア21の下端部に到達したケース入り密封包装食品Wを該プッシャーにて冷却室3へ押し出すことができる。冷却室3にはベルトコンベア31と冷却装置32が設置されている。なお、冷却室3における31aはコンベアの駆動装置である。ベルトコンベア31は前記プッシャー23で押し出されるケース入り密封包装食品Wを受け取る位置から搬送室4の入口まで延びている。冷却装置32はベルトコンベア31で搬送されるケース入り密封包装食品Wを所定温度まで冷却するためのものである。

0083

搬送室4には、図示を省略しているが、恒温室3に設置したコンベアと同タイプのゴンドラ式縦型コンベアが設置されている。該コンベアのゴンドラは図5中搬送室4に示す矢印方向に間欠的に循環駆動される。該コンベアは冷却室コンベア31で送りだされてくるケース入り密封包装食品Wをゴンドラ上に受け取って搬入・搬出ステージS1に臨む位置へ上昇させる。該位置にはゴンドラ上のケース入り密封包装食品Wを搬入・搬出ステージS1へ押し出す、ピストンシリンダ装置からなるプッシャー41が設置さている。

0084

なお、以上説明した高周波誘導加熱室1のベルトコンベア12、恒温室2のゴンドラ式コンベア21、冷却室3のベルトコンベア31、搬送室4の図示を省略したゴンドラ式コンベア、プッシャー23、41により、複数個の密封包装物品収容ケースを所定の経路に沿って循環移動させる収容ケース搬送装置が構成されていることになる。

0085

次に図5に示す加熱装置による密封包装食品D(図1(F)参照)の加熱処理について説明する。先ず搬入・搬出ステージS1において、ここへ到来する当初空である密封包装物品収容ケースに、密封包装食品Dを収容し、該ケースの蓋体を蓋体固定装置713で固定してケース入り密封包装食品Wとする。

0086

かかるケース入り密封包装食品Wが順次ベルトコンベア12にて高周波誘導加熱ステージS2へ送りだされ、各対のコイルCLL、CLU に臨む位置で所定時間停止するようにして高周波誘導加熱ステージS2を送られていく。高周波誘導加熱処理中、各対のコイルCLL 、CLU には連続的に高周波電源装置PWから所定の高周波電力が供給される。

0087

従って各ケース入り密封包装食品Wは対コイルCLL、CLU に臨む位置で所定時間停止するごとに高周波交番磁界を印加される。かくして密封包装物品収容ケースが高周波誘導加熱され、それにより収容されている密封包装物品Dが所定温度に加熱されていく。また、各食品は高周波誘導加熱だけで所定の温度に到達できるが、ここでは高周波誘導加熱処理にあたり、補助加熱装置11から高周波誘導加熱室1に所定温度の高温空気が供給され、これにより、高周波誘導加熱されるケース入り密封包装食品Wからの放熱が抑制され、各食品が一層確実に、短時間で所定温度まで加熱される。

0088

この高周波誘導加熱によるケース入り密封包装食品Wの加熱においては、密封包装食品Dはその全体が収容ケース内の収容空間部に略隙間無く抱き込まれているので、加熱により密封包装食品Dにおける包装容器が容器内圧の上昇で破損するといった恐れはないことに加え、所定温度に加熱するために要求される各食品収容部内圧が維持される。しかもこれらは常圧雰囲気中での高周波誘導加熱により速やかになされる。

0089

このように所定温度に加熱されたケース入り密封包装食品Wは、高周波誘導加熱室1の出口に臨む位置で待ち受ける、恒温室2のコンベア21のゴンドラ214に渡される。このとき該ゴンドラ214は支持部材215にて振れ止めされ、ケース入り密封包装食品Wは円滑にゴンドラ上に押し込まれる。恒温室2のコンベア21は次々と高周波誘導加熱されたケース入り密封包装食品Wを受け取り、恒温室2内を所定の時間をかけて移動し、その間に食品が十分殺菌される。

0090

コンベア21の下端に到来したケース入り密封包装食品Wはここでプッシャー23に押されて冷却室3のベルトコンベア31上に渡される。このとき、該ケース入り密封包装食品Wを支持しているゴンドラ214は図示を省略した支持部材にて振れ止めされる。かくしてベルトコンベア31に載置されたケース入り密封包装食品Wは該コンベアの運転に伴って冷却室内を移動し、その間に所定温度まで冷却され、引き続き搬送室4内の図示を省略したコンベアのゴンドラに渡される。

0091

搬送室4のコンベアに渡されたケース入り密封包装食品Wは上昇搬送され、搬入・搬出ステージS1に臨む位置に到り、そこでプッシャー41に押されてステージS1に渡される。このとき、該ケース入り密封包装食品Wを支持しているゴンドラは図示を省略した支持部材にて振れ止めされる。かくしてステージS1に移動したケース入り密封包装食品Wは、蓋体固定装置713が解除され、収容ケースの蓋体が開けられ、収容ケース本体から加熱処理済の密封包装食品Dが取り出され、次の処理対象密封包装食品Dが該ケースに収容され、高周波誘導加熱ステージS2へ送りだされる。

0092

なお、ケース入り密封包装食品Wは冷却室3において所定温度まで冷却されているので、ステージS1において収容ケースの蓋体を開けても、密封包装食品の容器が内圧で破損する恐れはない。次に密封包装食品Dとして、ポタージュスープ220gを封入したものを前記の加熱装置において加熱処理する実施例について説明する。

0093

この場合の密封包装食品Dにおける包装容器はPET/EV−OH/ONY/CPP積層フィルムで形成した。PETはポリエチレンテレフタレート、EV−OHはエチレンビニルアルコール共重合体ケン化物、ONYは2軸延伸ナイロン(2軸延伸ポリアミド)、CPPは無延伸ポリプロピレンである。

0094

各対コイルCLL、CLU において各コイルに5kW、25kHzの高周波電力を供給し、合計5分間かけて密封包装物品収容ケースの磁性体711Aの温度が140℃に到達するように加熱した。その後恒温室2で、収容ケース表面温度設定を120℃として10分間保持した。その後冷却室において冷却装置32としてチラー水式冷却器を採用して5分間冷却した。

0095

一方、比較例として同じポタージュスープを収容した密封包装物品Dを従来のレトルト殺菌法で加熱処理した。そのとき昇温時間10分で120℃に加熱しその温度を20分間維持し、その後10分間冷却した。両者を比較すると、実施例と比較例とでは加熱時間が異なるが、殺菌の加熱レベルを示すFo値は一致した。しかし、実施例では加熱時間が短かったため、スープ白度が30%向上した。冷却時間は実施例の方が比較例の半分の時間で済んだ。加熱処理のための合計時間も実施例では比較例の半分で済んだ。

0096

以上図5を参照して説明した加熱装置では、コイル対を5対採用したが、その数はそれに限定されるものではない。また、搬入・搬出ステージS1その他の搬入及び(又は)搬出ステージには、蓋体固定装置の自動操作装置として、図4に例示するもののほか、蓋体固定装置に応じて適宜の自動操作装置を設置することができる。

0097

また、恒温室2及び(又は)冷却室3には必要に応じてケース入り密封包装食品Wの反転装置を設けることができる。図6はかかる反転装置の1例をそれを適用するコンベア例とともに示している。図6(A)はその平面図であり、図6(B)及び図6(C)はそれぞれその側面図である。図6(B)は反転前の状態を、図6(C)は反転後の状態を示している。

0098

図6に示す反転装置5は、ケース入り密封包装食品Wの恒温室2及び(又は)冷却室3における搬送コンベアとして、例えば物品を水平搬送する2列平行配置のベルトコンベア又はチエーンコンベア501からなるコンベア50を採用するときに用いることができる。この反転装置5は、2列平行配置のコンベア501の間に設置された反転用ケース51を含んでいる。反転用ケース51は側面からみるとコの字形状を呈しており、両側面に軸棒511が突設され、これが図示省略の軸受けにて支持されることで略180度往復回動できる。片方の軸棒にはケース51を往復回動させる駆動装置52が接続されている。

0099

反転ケース51は、当初、コの字の下部51aをコンベア搬送面CSより下方に位置させた状態で開口部512をケース入り密封包装食品Wが到来する方向に向けて配置される(図6(B)参照)。このときケース下部51aから背板51cの一部にかけて設けてある一対のスリット51a’に一対のコンベア501が入り込める。2列コンベア501に跨がるように配置されてコンベア50で搬送されてくるケース入り密封包装食品Wが該反転ケース51内に入ると、該ケースは駆動装置52により図中時計方向に略180度回動される。そして図6(C)に示すように、当初は側面から見てコの字形状の天井位置にあった部分51bがコンベア搬送面CSより下方に位置する。このとき該ケース部分51bから背板51cの一部にかけて設けてある一対のスリット51b’に一対のコンベア501が入り込める。そしてケース開口部512がケース入り密封包装食品Wの搬送方向において下流側へ向けられる。かくしてケース入り密封包装食品Wは180度回され、上下反転した状態でコンベア50にて搬送されていく。その後反転ケース51は当初の位置に戻され、次のケース入り密封包装食品Wを待つ。

0100

反転装置としてはこのほか、密封包装物品収容ケースに設けられた歯車がコンベアに沿って設けられた定位ギアかみ合うことで該ケースが反転するもの等、種々のタイプのものを採用できる。

発明の効果

0101

以上説明したように本発明によると、包装容器に封入された密封包装物品の加熱方法であって、常圧雰囲気において、包装容器の破損の恐れなく、簡単に短時間で密封包装物品を所定温度に加熱処理することができ、また包装容器破損の恐れがないから包装容器を格別頑丈な高価なものにする必要がなく、容器の壁厚さ、形状、大きさ等の点で包装対象物品に応じた適切な包装容器を採用できる密封包装物品の加熱方法を提供することができる。

0102

また本発明によると、包装容器に封入された密封包装物品を加熱するために用いる密封包装物品の収容ケースであって、該収容ケースに密封包装物品を収容して該収容ケースを高周波誘導加熱することで、常圧雰囲気において、包装容器の破損の恐れなく、簡単に短時間で該密封包装物品を所定温度に加熱することができ、また包装容器破損の恐れがないから包装容器を格別頑丈な高価なものにするが必要なく、容器の壁厚さ、形状、大きさ等の点で包装対象物品に応じた適切な包装容器を採用できる密封包装物品収容ケースを提供することができる。

0103

さらに本発明によると、包装容器に封入された密封包装物品を加熱する密封包装物品の加熱装置であって、常圧雰囲気において、包装容器の破損の恐れなく、簡単に短時間で密封包装物品を所定温度に加熱することができ、また包装容器破損の恐れがないから包装容器を格別頑丈な高価なものにする必要がなく、容器の壁厚さ、形状、大きさ等の点で包装対象物品に応じた適切な包装容器を採用できる密封包装物品加熱装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0104

図1本発明に係る高周波誘導加熱加熱の対象となる密封包装物品例を示すもので、図(A)は1例の平面図、図(B)はその側面図であり、図(C)は他の例の平面図、図(D)はその側面図であり、図(E)はさらに他の例の平面図であり、図(F)はさらに他の例の側面図である。
図2本発明に係る密封包装物品収容ケースの1例を示すもので、図(A)は図1(A)に示すタイプの密封包装物品を収容する収容ケースの分解状態の断面図であり、図(B)は同ケースの組み立て状態の断面図であり、いずれも蓋体固定装置の1例とともに示すものである。
図3蓋体固定装置の他の例を示す図である。
図4蓋体固定装置の自動操作装置の1例として、図3に示す蓋体固定装置の自動操作装置例を示すものであり、図(A)は蓋体固定装置を解除している状態の図、図(B)は蓋体固定装置を働かせた状態を示す図である。
図5本発明に係る密封包装物品加熱装置の1例の概略構成を示す図である。
図6ケース入り密封包装物品の反転装置の1例をそれを適用するコンベアとともに示す図であり、図(A)はその平面図、図(B)は反転前の側面図、図(C)は反転後の側面図である。

--

0105

A、B、C、D密封包装物品
81、82、83、84容器
811、821、831 容器本体
811a、811b、821a、831a、832b、833c物品収容部
821、831 容器本体
812、 822、832容器蓋体
810、820、830容器フランジ
81a、81b、82a、83a、83b、83c、84a食品
71 密封包装物品収容ケース
711 収容ケース本体
711aケース本体開口部
712蓋体
712aオーリング
100 密封包装物品
100a、100b 物品収容部
100c仕切り壁状の立ち上がり部分
100fフランジ部
711A磁性体
713 蓋体固定装置
713aクリップ部材
CL1、CL2高周波誘導加熱用コイル
714 蓋体固定装置
714a 第1部材
714b 第2部材
714b’係合爪
714cバネ
714d連結ピン
6 蓋体固定装置714の自動操作装置
61ピストンシリンダ装置
611ピストンロッド
62 ピストンシリンダ装置
621 ピストンロッド
63磁性体材料部分
1高周波誘導加熱室
S1搬入・搬出ステージ
S2 高周波誘導加熱ステージ
11補助加熱装置
12ベルトコンベア
121、122、123、124プーリ
125無端ベルト
126テンション部材
127伝動機構
128モータ
stストッパ
CLL、CLU高周波誘導加熱用対コイル
PW高周波電源装置
2恒温室
21ゴンドラ方式の縦型コンベア
211、212鎖歯車
213無端チエーン
214 ゴンドラ
22空気加熱室
221空気加熱ヒータ
222フアン
23プッシャー
3冷却室
31 ベルトコンベア
31a コンベアの駆動装置
32冷却装置
4搬送室
41 プッシャー
5反転装置
51反転ケース
511軸棒
512 開口部
51a、51b、51c ケース51の部分
51a’、51b’スリット
50搬送コンベア
501ベルト又はチエーンからなるコンベア
W ケース入り密封包装食品

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