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技術 甲殻類の黒変防止剤および黒変防止法

出願人 丸善製薬株式会社青葉化成株式会社
発明者 山本正次石田芳彦三浦健一阿部全朗
出願日 1999年5月18日 (21年7ヶ月経過) 出願番号 1999-173088
公開日 2000年11月28日 (20年1ヶ月経過) 公開番号 2000-325015
状態 特許登録済
技術分野 肉,卵の保存
主要キーワード 水揚げ後 サクラエビ 桑白皮抽出物 シャコ 水溶性有機酸 水揚げ 使用効果 進行抑制
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2000年11月28日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

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課題

殼類の風味食感に対する悪影響がなく、使用効果が顕著で実施も容易な、甲殼類の黒変防止手段を提供する。

解決手段

概要

背景

食用に供される甲殻類としてはイセエビクルマエビ、シマエビサクラエビケガニ、ズワイガニ、ガザミ、タラガニシャコアミオキアミ等があるが、これらは、水揚げ後、体色が徐々に黒変することがある。この黒変は、殼類の殼に含まれているチロシンチロシナーゼの作用により酸化されて最後に黒色色素メラニンを生じるためである。

この黒変は冷凍状態でも進行し、鮮度低下とは必ずしも比例しないが、顕著な黒変を起こしていないもののほうが見た目にもおいしそうであるから、黒変の防止ないし進行抑制ができれば高価な甲殻類の商品価値を維持するのに役立つ。

甲殻類の黒変を防止する手段としては、従来、冷蔵または冷凍による保存の条件を強化する方法、食塩水浸漬、加熱してチロシナーゼを不活性化する方法、などがあった。

しかしながら、冷凍・冷蔵は黒変の進行を若干遅らせる程度の効果しかなく、また他の方法は、甲殻類の風味食感を損なうことがあるため十分な処理を施すことができない場合が多く、用途によってはまったく実施できない。

実際には亜硫酸塩のような強力な還元剤を用いる方法が行われているが、亜硫酸塩には、それを使用した場合に残留する二酸化硫黄について許容量が決められており、取り扱いに十分な注意が必要となる。また、残留する二酸化硫黄のために異味異臭が発生し、風味を悪くするという問題点もある。

そのほかに桑白皮抽出物シャクヤク抽出物ケルセチンルチンコウジ酸等、天然物系の添加物を用いることも提案されているが、これらはチロシナーゼ阻害作用が弱く、期待されるほどの効果は得られない。

概要

甲殼類の風味や食感に対する悪影響がなく、使用効果が顕著で実施も容易な、甲殼類の黒変防止手段を提供する。

フェルラ酸(3−メトキシ−4−ヒドロキシケイ皮酸)のチロシナーゼ阻害作用を利用する。

目的

そこで本発明の目的は、甲殻類の風味や食感に対する悪影響がなく、使用効果が顕著であり、実施も容易な、甲殼類の黒変防止手段を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
5件

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請求項1

フェルラ酸を有効成分として含有することを特徴とする甲殻類黒変防止剤

請求項2

新鮮な甲殻類をフェルラ酸で処理することを特徴とする甲殻類の黒変防止法。

技術分野

0001

本発明は、食用にされる甲殻類の体色が水揚げ後黒変するのを防止するための黒変防止剤、および黒変防止法に関するものである。

背景技術

0002

食用に供される甲殻類としてはイセエビクルマエビ、シマエビサクラエビケガニ、ズワイガニ、ガザミ、タラガニシャコアミオキアミ等があるが、これらは、水揚げ後、体色が徐々に黒変することがある。この黒変は、殼類の殼に含まれているチロシンチロシナーゼの作用により酸化されて最後に黒色色素メラニンを生じるためである。

0003

この黒変は冷凍状態でも進行し、鮮度低下とは必ずしも比例しないが、顕著な黒変を起こしていないもののほうが見た目にもおいしそうであるから、黒変の防止ないし進行抑制ができれば高価な甲殻類の商品価値を維持するのに役立つ。

0004

甲殻類の黒変を防止する手段としては、従来、冷蔵または冷凍による保存の条件を強化する方法、食塩水浸漬、加熱してチロシナーゼを不活性化する方法、などがあった。

0005

しかしながら、冷凍・冷蔵は黒変の進行を若干遅らせる程度の効果しかなく、また他の方法は、甲殻類の風味食感を損なうことがあるため十分な処理を施すことができない場合が多く、用途によってはまったく実施できない。

0006

実際には亜硫酸塩のような強力な還元剤を用いる方法が行われているが、亜硫酸塩には、それを使用した場合に残留する二酸化硫黄について許容量が決められており、取り扱いに十分な注意が必要となる。また、残留する二酸化硫黄のために異味異臭が発生し、風味を悪くするという問題点もある。

0007

そのほかに桑白皮抽出物シャクヤク抽出物ケルセチンルチンコウジ酸等、天然物系の添加物を用いることも提案されているが、これらはチロシナーゼ阻害作用が弱く、期待されるほどの効果は得られない。

発明が解決しようとする課題

0008

そこで本発明の目的は、甲殻類の風味や食感に対する悪影響がなく、使用効果が顕著であり、実施も容易な、甲殼類の黒変防止手段を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

上記目的を達成することに成功した本発明は、フェルラ酸が顕著なチロシナーゼ阻害作用を示すという新規な知見に基づき、
フェルラ酸を有効成分として含有する甲殻類の黒変防止剤;および
新鮮な甲殻類をフェルラ酸で処理することを特徴とする甲殻類の黒変防止法;を提供するものである。

発明を実施するための最良の形態

0010

フェルラ酸(3−メトキシ−4−ヒドロキシケイ皮酸)は各種植物体中に見いだされる水溶性有機酸であって、本発明の黒変防止剤には任意の植物体から分離されたものをいずれも使用することができる。市販品としては、米ぬか油精製工程で発生する残油から抽出、精製されたものがある。

0011

この化合物は顕著なチロシナーゼ阻害作用を示し、それにより、甲殻類に対して前記天然物系酸化防止剤よりもはるかにすぐれた黒変防止作用を示す。しかも、黒変防止に使われたフェルラ酸のうち食用とされる肉部に付着した程度の微量が人の体内に摂取されたとしても毒性を示すおそれはなく、また無味、無臭、無色で化学的にも安定な物質であるなど、甲殻類の黒変防止に使用するのにきわめて好都合性質のものである。

0012

なお、フェルラ酸については油脂の酸化を防止するなど抗酸化作用を示すことが知られているが、これは、フェルラ酸がラジカルスカベンジャーとなって連鎖的な酸化反応を停止させることによるものであり、チロシナーゼ阻害作用に基づく甲殼類の黒変防止とは無関係である。

0013

フェルラ酸は水溶液にして使用するだけでも甲殻類の黒変防止作用を示すから、それ単独でも甲殻類の黒変防止剤になり得るが、水溶液のpHが2〜3であってそのままでは酸味感じさせることがあるので、製剤化する場合は、使用状態におけるpHが約5〜8になるように、酢酸ナトリウムコハク酸ナトリウム酒石酸ナトリウムクエン酸ナトリウム炭酸ナトリウムリン酸水素二ナトリウムリン酸水素二カリウム等、緩衝作用を有する有機酸塩または無機酸塩を配合することが望ましい。これらの塩類を配合しておくことは、フェルラ酸を水に溶けやすくするためにも有効である(これらに代わる手段として、フェルラ酸をモノナトリウム塩の形で用いてもよい。)。

0014

また、製剤化に当たりアラビアガムデキストリンブドウ糖乳糖界面活性剤エタノールプロピレングリコールグリセリン等を配合することも、フェルラ酸の溶解促進と増量・希釈による取扱い性向上に有効である。

0015

本発明の黒変防止剤には外にもL−アスコルビン酸など黒変防止作用の向上や使用性向上のための任意の助剤を配合することができ、剤形も、粉末状、顆粒状、ペースト状、液状等、任意の剤形を採用することができる。

0016

フェルラ酸(またはこれを含有する本発明の黒変防止剤)を用いて甲殼類の黒変を防止しようとする場合は、フェルラ酸濃度が0.01〜1.0重量%程度(望ましくは0.1〜0.5重量%程度)になるように溶解した水溶液または食塩水溶液を甲殻類の表面に付着させる。これ以上希薄では処理効果が十分でなく、また1重量%をこえる高濃度にしても黒変防止作用が向上するわけではないので無駄である。

0017

前述のpH調整剤等を配合されていないフェルラ酸を用いる場合は、前述の理由により、溶液調製段階でpHを5〜8に調整することが望ましい。

0018

黒変防止剤の水溶液を甲殼類に付着させるには、浸漬、噴霧、塗布など任意の手段を採用することができる。処理は甲殻類を水揚げしたあとなるべく早く施すことが必要であって、黒変が始まってからではその黒変を解消できないのはもちろん、その後の黒変の進行を阻止することも困難である。

0019

処理温度常温でよく、甲殻類の加工上必要なものでない限り、加熱は無用である。

0020

処理対象となる甲殻類が砕いたりすり潰したりする加工を施されるものの場合は、加工開始の段階で本発明の黒変防止剤を混入してもよい。

0021

実施例1
米ぬか油より分離された純度85%以上のフェルラ酸50g、クエン酸三ナトリウム100gおよびデキストリン350gを80℃の温水2.5リットルに溶解し、得られた溶液濃縮、乾燥して、黒変防止剤500gを得た。

0022

実施例2
実施例1による黒変防止剤を3%食塩水に溶かして1%溶液とし、これにシバエビを数分間浸漬する。その後、浸漬液からシバエビを取り出し、液を振り切った後、5℃の冷蔵庫に保存して変色の進行を肉眼で観察する。

0023

比較のため、黒変防止剤を含まない3%食塩水に同じシバエビを浸漬した場合、3%食塩水にL−アスコルビン酸を1%溶解した液に浸漬した場合、ならびに、3%食塩水に実施例1の黒変防止剤1%およびL−アスコルビン酸1%を溶解した液に浸漬した場合について、同様の観察を行う。試験結果を表1に示す。

0024

0025

実施例3
実施例1の黒変防止剤を3%食塩水に溶かして1%溶液とし、これに、新鮮なガザミを数分間浸漬する。その後、ガザミを浸漬液から取り出し、液を振り切ったのち5℃の冷蔵庫に保存して変色の進行を肉眼で観察する。

0026

別に、比較のため3%食塩水に浸漬した場合、3%食塩水にL−アスコルビン酸を1%溶解した液に浸漬した場合、ならびに、3%食塩水に実施例1の黒変防止剤1%およびL−アスコルビン酸1%を溶解した液に浸漬した場合について、同様の観察を行う。試験結果を表2に示す。

0027

発明の効果

0028

本発明によれば、風味や食感に悪影響を及ぼすことなしに甲殼類またはそれを原料とする飲食品の変色を容易かつ確実に防止することが可能になる。

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