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技術 リンパ−造血細胞の増殖を抑制するタンパク質

出願人 株式会社先端科学技術インキュベーションセンターオクラホマメディカルリサーチファウンデーション
発明者 織谷健司冨山佳昭松澤佑次キンケードポールダブリュ.
出願日 1999年4月14日 (21年7ヶ月経過) 出願番号 1999-107246
公開日 2000年10月31日 (20年0ヶ月経過) 公開番号 2000-300264
状態 未査定
技術分野 生物学的材料の調査,分析 特有な方法による材料の調査、分析 突然変異または遺伝子工学 酵素、微生物を含む測定、試験 微生物による化合物の製造 微生物、その培養処理 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 化合物または医薬の治療活性 非環式または炭素環式化合物含有医薬 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード セミオート 比色定量分析 接着能力 試験波長 研究部 けい部 フォーミーウイルスベクター 原始的
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重要な関連分野

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図面 (6)

課題

BMS2.4細胞由来し、リンパ-造血細胞の増殖を抑制する活性を有する新規タンパク質およびその遺伝子、並びにそれらの製造方法および用途を提供することを課題とする。

解決手段

ストローマ細胞株BMS2.4から、マウス骨髄単球性白血病細胞株WEHI3をターゲットとして用いた発現クローニングにより、血液細胞の増殖を抑制する活性を有する新規なタンパク質を同定した。該タンパク質やその遺伝子は、リンパ-造血系疾患の治療などに有用である。

概要

背景

血液細胞の産生は、接着分子細胞外マトリックス、およびサイトカインを含む種々のストローマ因子によって、厳密に調節が行われている(Kincade, P.W.(1993) Cell adhesion mechanisms utilized for lymphopoiesis. In Lymphocyte adhesion molecules. Y. Shimizu, editor. Landes R.G., Austin, T.X., 249; Kincade, P.W. et al., Life/death decisions in B lymphocyte precursors.A role for cytokines, cell interaction molecules, and hormones. In: B and T lymphocyte development. Edited by Monroe, J.G. and Rothenberg, E.V., in press)。ストローマ細胞造血細胞との間の複雑な相互作用は、骨髄中または骨髄からの造血幹細胞造血前駆細胞の移動、血液細胞の産生の制御、ならびに欠陥のある細胞および有害な細胞を除去するために重要な役割を果たしている。

長期骨髄培養は生体における作用のいくつかの面を反映する培養系であり、血液細胞の産生を調節する分子間、細胞間の相互作用を明らかにする手段を提供する。プレB細胞は、very-late-antigen-4(VLA-4)または vascular cell adhesion molecule 1 に対する抗体の添加により、長期骨髄培養の付着細胞層から遊離させることができる。そして、これらの抗体はWhitlock-Witte 培養におけるリンパ球新生を完全に阻害した。CD44に対する抗体は、長期骨髄培養におけるリンパ系細胞、および骨髄系細胞の産生を完全に阻害した。長期骨髄培養にヘパリンを添加すると、リンパ系細胞の産生は阻害されたが、骨髄系細胞の産生は阻害されなかった。CD9に対する抗体を添加すると、Dexter培養では骨髄系細胞とストローマ細胞との間に強い接着誘導され、骨髄系細胞の産生が阻害された。これらの分子は、骨髄において成熟に伴う造血細胞の接着および移動の調節に重要な、細胞−細胞間の相互作用に関与していると考えられる。

細胞外マトリックスは、細胞増殖因子を保持するのと同様に、リンパ-造血細胞の生存および/または増加に関するシグナルを伝達する。インテグリンフィブロネクチンが結合すると、コロニー刺激因子への造血幹細胞/造血前駆細胞の感受性が増加する。一方、フィブロネクチンとVLA-5との相互作用は、骨髄系細胞株においてアポトーシスを誘導する。CD44のリガンドであるヒアルロン酸(hyaluronan)は、粘着性水和性ゲルを形成し、細胞同士の接着、および細胞の移動に関与する。トロンボスポンジン(thorombospondin)は造血前駆細胞に、またヘモネクチン(hemonectin)は骨髄系前駆細胞に結合する。マトリックスグリコプロテインSC1/ECM2は、B細胞系統の細胞に結合し、その増殖を増大させる。オステオネクチン(osteonectin)は、抗接着分子として作用するだけでなく、血小板由来増殖因子固定化する作用も有する。

原始的造血始原細胞の増殖は、それぞれが相互作用しあう一群のサイトカインにより調節される。インターロイキン3(IL-3)、IL-4、および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(guranulocyte/macrophage-colony-stimulatingfactor:GM-CSF)は、造血幹細胞が休止状態から脱し、増殖するのを助ける。IL-6、IL-11、IL-12、顆粒球-CSF(G-CSF)および白血病増殖阻止因子(LIF)は、IL-3、IL-4、およびGM-SCFと相互作用的に働き、細胞周期が停止している始原細胞からの多能性始原細胞の増殖を促進する。幹細胞因子(Stem Cell Factor:SCF)およびflt-3リガンドは造血幹細胞の自己増殖だけでなく、造血幹細胞の分化、および増加を促進する他のサイトカインとのコファクターとしても機能する。一方、transforming growth factor-β(TGF‐β)、tumor necrosis factor-α(TNF-α)、インターフェロン-α/β(interferon-α/β:IFN-α/β)、およびIFN-γは、リンパ-造血を負に調節する。造血細胞の増殖の停止および/またはアポトーシスは、これらの因子により誘導される。これらの調節性サイトカインは概して、造血器官で非常に少量だけ作られる。それらのうちのいくつかは、細胞外マトリックスへの接着能力をもち、他のいくつかのサイトカインは膜貫通型や可溶型として合成される。

リンパ-造血に関与する遺伝子の多くが、クローン化されたストローマ細胞株を用いた実験により同定されている。ストローマ細胞株はもともと、特定のタイプの造血細胞の増殖および分化を促進する能力をもとに選抜されたものである。長期骨髄培養の接着細胞から樹立されたストローマ細胞株BMS2は、プレB細胞の増殖を維持する能力を持つことが知られている(Pietrangeli, C.E. et al., 1988, Eur. J. Immunol., 18: 863-872)。これに対し、BMS2のサブクローンであるBMS2.4細胞は、造血細胞の増加を妨げるという独特の特徴を示す(Kincade, P.W. et al., 1991, Adv. Exp. Med. Biol., 292: 227-234)。しかし、その分子機構はわかっていない。これらの分子を同定することは、過剰反応を避け一定の血液状態を保持するのに重要な、負の調節機構解明するのに役立つであろう。また、一部のリンパ・血液疾患発症機序解明や治療にも応用可能であると思われる。

概要

BMS2.4細胞に由来し、リンパ-造血細胞の増殖を抑制する活性を有する新規タンパク質およびその遺伝子、並びにそれらの製造方法および用途を提供することを課題とする。

ストローマ細胞株BMS2.4から、マウス骨髄単球性白血病細胞株WEHI3をターゲットとして用いた発現クローニングにより、血液細胞の増殖を抑制する活性を有する新規なタンパク質を同定した。該タンパク質やその遺伝子は、リンパ-造血系疾患の治療などに有用である。

目的

本発明は、BMS2.4細胞に由来し、リンパ-造血細胞の増殖を抑制する活性を有する新規なタンパク質およびその遺伝子、並びにそれらの製造方法および用途を提供することを課題とする。

効果

実績

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請求項1

リンパ-造血細胞の増殖を抑制する活性を有するタンパク質であって、下記(a)から(c)より選択されるタンパク質。(a)配列番号:3に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質。(b)配列番号:3に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸置換欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列からなるタンパク質。(c)配列番号:1に記載の塩基配列からなるDNAとハイブリダイズするDNAがコードするタンパク質。

請求項2

リンパ−造血細胞が、B系統細胞株1A9、BC7.12、BC7.7、F10、2E8、18-81、7OZ/3、WEHI231、SP2/0、T細胞リンパ腫細胞株BW1597、骨髄単球性白血病細胞株WEHI3からなる群より選択される、請求項1に記載のタンパク質。

請求項3

請求項1または2に記載のタンパク質をコードするDNA。

請求項4

配列番号:1に記載の塩基配列のコード領域を含む、請求項3に記載のDNA。

請求項5

請求項3または4に記載のDNAが挿入されたベクター

請求項6

請求項5に記載のベクターを保持する宿主細胞

請求項7

請求項6に記載の宿主細胞を培養し、該細胞内で発現した組み換えタンパク質を、該培養細胞またはその培養上清から回収する工程を含む、請求項1または2に記載のタンパク質の製造方法。

請求項8

請求項1または2に記載のタンパク質に対する抗体。

請求項9

請求項1または2に記載のタンパク質の部分ペプチド

請求項10

配列番号:1に記載の塩基配列からなるDNAと特異的にハイブリダイズし、少なくとも15塩基鎖長を有するDNA。

請求項11

請求項1または2に記載のタンパク質に結合する化合物スクリーニング方法であって、(a)該タンパク質またはその部分ペプチドに被検試料を接触させる工程、(b)該タンパク質またはその部分ペプチドと被検試料との結合活性を検出する工程、(c)該タンパク質またはその部分ペプチドに結合する活性を有する化合物を選択する工程、を含む方法。

請求項12

請求項11に記載の方法により単離されうる、請求項1または2に記載のタンパク質に結合する化合物。

請求項13

請求項1または2に記載のタンパク質によるリンパ-造血細胞の増殖の抑制を減少させる活性を有する化合物をスクリーニングする方法であって、(a)被検試料の存在下で、請求項1または2に記載のタンパク質をリンパ−造血細胞に接触させる工程、(b)該細胞の増殖を検出する工程、および(c)被検化合物被存在下において検出した場合(対照)比較して、請求項1または2に記載のタンパク質により引き起こされる該細胞の増殖の抑制を減少させる活性を有する化合物を選択する工程、を含む方法。

請求項14

リンパ-造血細胞が、B系統細胞株1A9、BC7.12、BC7.7、F10、2E8、18-81、7OZ/3、WEHI231、SP2/0、T細胞系リンパ腫細胞株BW1597、骨髄単球性白血病細胞株WEHI3からなる群より選択される、請求項13に記載の方法。

請求項15

請求項13または14に記載の方法により単離されうる、請求項1または2に記載のタンパク質によるリンパ-造血細胞の増殖の抑制を減少させる活性を有する化合物。

請求項16

請求項1または2に記載のタンパク質を有効成分とする、リンパ−造血疾患治療薬

請求項17

請求項12または15に記載の化合物を有効成分とする、リンパ−造血疾患の治療薬。

技術分野

gggctcgagc ttgggcctct tctcgcaga 29

背景技術

0001

本発明は、BMS2.4細胞由来する新規タンパク質およびその遺伝子、並びにこれらの製造および用途に関する。

0002

血液細胞の産生は、接着分子細胞外マトリックス、およびサイトカインを含む種々のストローマ因子によって、厳密に調節が行われている(Kincade, P.W.(1993) Cell adhesion mechanisms utilized for lymphopoiesis. In Lymphocyte adhesion molecules. Y. Shimizu, editor. Landes R.G., Austin, T.X., 249; Kincade, P.W. et al., Life/death decisions in B lymphocyte precursors.A role for cytokines, cell interaction molecules, and hormones. In: B and T lymphocyte development. Edited by Monroe, J.G. and Rothenberg, E.V., in press)。ストローマ細胞造血細胞との間の複雑な相互作用は、骨髄中または骨髄からの造血幹細胞造血前駆細胞の移動、血液細胞の産生の制御、ならびに欠陥のある細胞および有害な細胞を除去するために重要な役割を果たしている。

0003

長期骨髄培養は生体における作用のいくつかの面を反映する培養系であり、血液細胞の産生を調節する分子間、細胞間の相互作用を明らかにする手段を提供する。プレB細胞は、very-late-antigen-4(VLA-4)または vascular cell adhesion molecule 1 に対する抗体の添加により、長期骨髄培養の付着細胞層から遊離させることができる。そして、これらの抗体はWhitlock-Witte 培養におけるリンパ球新生を完全に阻害した。CD44に対する抗体は、長期骨髄培養におけるリンパ系細胞、および骨髄系細胞の産生を完全に阻害した。長期骨髄培養にヘパリンを添加すると、リンパ系細胞の産生は阻害されたが、骨髄系細胞の産生は阻害されなかった。CD9に対する抗体を添加すると、Dexter培養では骨髄系細胞とストローマ細胞との間に強い接着誘導され、骨髄系細胞の産生が阻害された。これらの分子は、骨髄において成熟に伴う造血細胞の接着および移動の調節に重要な、細胞−細胞間の相互作用に関与していると考えられる。

0004

細胞外マトリックスは、細胞増殖因子を保持するのと同様に、リンパ-造血細胞の生存および/または増加に関するシグナルを伝達する。インテグリンフィブロネクチンが結合すると、コロニー刺激因子への造血幹細胞/造血前駆細胞の感受性が増加する。一方、フィブロネクチンとVLA-5との相互作用は、骨髄系細胞株においてアポトーシスを誘導する。CD44のリガンドであるヒアルロン酸(hyaluronan)は、粘着性水和性ゲルを形成し、細胞同士の接着、および細胞の移動に関与する。トロンボスポンジン(thorombospondin)は造血前駆細胞に、またヘモネクチン(hemonectin)は骨髄系前駆細胞に結合する。マトリックスグリコプロテインSC1/ECM2は、B細胞系統の細胞に結合し、その増殖を増大させる。オステオネクチン(osteonectin)は、抗接着分子として作用するだけでなく、血小板由来増殖因子固定化する作用も有する。

0005

原始的造血始原細胞の増殖は、それぞれが相互作用しあう一群のサイトカインにより調節される。インターロイキン3(IL-3)、IL-4、および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(guranulocyte/macrophage-colony-stimulatingfactor:GM-CSF)は、造血幹細胞が休止状態から脱し、増殖するのを助ける。IL-6、IL-11、IL-12、顆粒球-CSF(G-CSF)および白血病増殖阻止因子(LIF)は、IL-3、IL-4、およびGM-SCFと相互作用的に働き、細胞周期が停止している始原細胞からの多能性始原細胞の増殖を促進する。幹細胞因子(Stem Cell Factor:SCF)およびflt-3リガンドは造血幹細胞の自己増殖だけでなく、造血幹細胞の分化、および増加を促進する他のサイトカインとのコファクターとしても機能する。一方、transforming growth factor-β(TGF‐β)、tumor necrosis factor-α(TNF-α)、インターフェロン-α/β(interferon-α/β:IFN-α/β)、およびIFN-γは、リンパ-造血を負に調節する。造血細胞の増殖の停止および/またはアポトーシスは、これらの因子により誘導される。これらの調節性サイトカインは概して、造血器官で非常に少量だけ作られる。それらのうちのいくつかは、細胞外マトリックスへの接着能力をもち、他のいくつかのサイトカインは膜貫通型や可溶型として合成される。

発明が解決しようとする課題

0006

リンパ-造血に関与する遺伝子の多くが、クローン化されたストローマ細胞株を用いた実験により同定されている。ストローマ細胞株はもともと、特定のタイプの造血細胞の増殖および分化を促進する能力をもとに選抜されたものである。長期骨髄培養の接着細胞から樹立されたストローマ細胞株BMS2は、プレB細胞の増殖を維持する能力を持つことが知られている(Pietrangeli, C.E. et al., 1988, Eur. J. Immunol., 18: 863-872)。これに対し、BMS2のサブクローンであるBMS2.4細胞は、造血細胞の増加を妨げるという独特の特徴を示す(Kincade, P.W. et al., 1991, Adv. Exp. Med. Biol., 292: 227-234)。しかし、その分子機構はわかっていない。これらの分子を同定することは、過剰反応を避け一定の血液状態を保持するのに重要な、負の調節機構解明するのに役立つであろう。また、一部のリンパ・血液疾患発症機序解明や治療にも応用可能であると思われる。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、BMS2.4細胞に由来し、リンパ-造血細胞の増殖を抑制する活性を有する新規なタンパク質およびその遺伝子、並びにそれらの製造方法および用途を提供することを課題とする。

0008

本発明者らは、マウスストローマ細胞株BMS2.4由来のcDNAライブラリーを、ヒト腎細胞癌細胞株293Tに遺伝子導入し、その培養上清が、骨髄単球性白血病細胞株WEHI3の増殖を抑制することを指標にした発現クローニングを行った。その結果、BMS2.4細胞の培養上清と同様のWEHI3細胞の増殖抑制活性を有する新規なタンパク質「BGIF(Blood Cell Growth-Inhibiting Factor:血液細胞増殖抑制因子)をコードする遺伝子を単離することに成功した。単離した遺伝子から推定されたBGIFタンパク質は、IFN-αおよびIFN-βに相同性を有し、骨髄および脾臓のストローマ細胞における発現を示した。

0009

本発明者らは、さらに、組換BGIFタンパク質を調製し、該タンパク質の種々のリンパ-造血細胞の増殖に対する影響の検討を行った。その結果、組換BGIFタンパク質は、WEHI3細胞の他、種々のB系統細胞株(1A9、BC7.12、BC7.7、F10、2E8、18-81、7OZ/3、WEHI231、SP2/0)およびT細胞系リンパ腫細胞株(BW1597)の増殖を抑制する活性を有していた。

0010

従って、本発明のBGIFタンパク質やその遺伝子は、リンパ-造血疾患病原メカニズムを解明するのに有用なツールとなり、また、本発明のタンパク質が関与する種々の疾患の治療薬としての応用も可能であると考えられる。

0011

BGIFタンパク質またはその遺伝子を用いた治療の対象となりうる疾患の具体例としては、急性リンパ性または骨髄性白血病慢性リンパ性または骨髄性白血病、悪性リンパ腫などのリンパ・血液腫瘍慢性関節リウマチ全身性エリテマトーデスなどの膠原病特発性血小板減少性紫斑病などが挙げられるほか、免疫調節因子として使用することも考えられる。また、BGIFタンパク質の活性を阻害する化合物を用いた治療の対象となる疾患としては、再生不良性貧血など血球減少を伴う疾患が挙げられるほか、免疫調節因子として使用することも考えられる。

0012

本発明は、BMS2.4細胞に由来し、リンパ-造血細胞の増殖を抑制する活性を有する新規なタンパク質およびその遺伝子、並びにそれらの製造方法および用途に関し、より具体的には、(1) リンパ−造血細胞の増殖を抑制する活性を有するタンパク質であって、下記(a)から(c)より選択されるタンパク質、
(a)配列番号:3に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質。
(b)配列番号:3に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸置換欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列からなるタンパク質。
(c)配列番号:1に記載の塩基配列からなるDNAとハイブリダイズするDNAがコードするタンパク質。
(2) リンパ-造血細胞が、B系統細胞株1A9、BC7.12、BC7.7、F10、2E8、18-81、7OZ/3、WEHI231、SP2/0、T細胞系リンパ腫細胞株BW1597、骨髄単球性白血病細胞株WEHI3からなる群より選択される、(1)に記載のタンパク質、(3) (1)または(2)に記載のタンパク質をコードするDNA、(4) 配列番号:1に記載の塩基配列のコード領域を含む、(3)に記載のDNA、(5) (3)または(4)に記載のDNAが挿入されたベクター、(6) (5)に記載のベクターを保持する宿主細胞、(7) (6)に記載の宿主細胞を培養し、該細胞内で発現した組み換えタンパク質を、該培養細胞またはその培養上清から回収する工程を含む、(1)または(2)に記載のタンパク質の製造方法、(8) (1)または(2)に記載のタンパク質に対する抗体、(9) (1)または(2)に記載のタンパク質の部分ペプチド、(10) 配列番号:1に記載の塩基配列からなるDNAと特異的にハイブリダイズし、少なくとも15塩基鎖長を有するDNA、(11) (1)または(2)に記載のタンパク質に結合する化合物のスクリーニング方法であって、(a)該タンパク質またはその部分ペプチドに被検試料を接触させる工程、(b)該タンパク質またはその部分ペプチドと被検試料との結合活性を検出する工程、(c)該タンパク質またはその部分ペプチドに結合する活性を有する化合物を選択する工程、を含む方法、(12) (11)に記載の方法により単離されうる、(1)または(2)に記載のタンパク質に結合する化合物、(13) (1)または(2)に記載のタンパク質によるリンパ-造血細胞の増殖の抑制を減少させる活性を有する化合物をスクリーニングする方法であって、(a)被検試料の存在下で、(1)または(2)に記載のタンパク質をリンパ−造血細胞に接触させる工程、(b)該細胞の増殖を検出する工程、および(c)被検化合物被存在下において検出した場合(対照)比較して、(1)または(2)に記載のタンパク質により引き起こされる該細胞の増殖の抑制を減少させる活性を有する化合物を選択する工程、を含む方法、(14) リンパ-造血細胞が、B系統細胞株1A9、BC7.12、BC7.7、F10、2E8、18-81、7OZ/3、WEHI231、SP2/0、T細胞系リンパ腫細胞株BW1597、骨髄単球性白血病細胞株WEHI3からなる群より選択される、(13)に記載の方法、(15) (13)または(14)に記載の方法により単離されうる、(1)または(2)に記載のタンパク質によるリンパ−造血細胞の増殖の抑制を減少させる活性を有する化合物、(16) (1)または(2)に記載のタンパク質を有効成分とする、リンパ−造血疾患の治療薬、(17) (12)または(15)に記載の化合物を有効成分とする、リンパ−造血疾患の治療薬、に関する。

発明を実施するための最良の形態

0013

なお、本発明において「リンパ-造血細胞」とは、赤血球白血球、または血小板における成熟細胞およびそれらの前駆細胞をいう。

0014

本発明は、BMS2.4細胞に由来し、リンパ-造血細胞の増殖を抑制する活性を有する新規なタンパク質「BGIF」に関する。本発明に含まれる、単離された「BGIF」cDNAの塩基配列を配列番号:1に、該cDNAによりコードされる「BGIF」タンパク質のアミノ酸配列を配列番号:3に示す。

0015

「BGIF」タンパク質をコードする遺伝子は、マウス・ストローマ細胞株BMS2.4由来のcDNAライブラリーを、ヒト腎細胞癌細胞株293Tに遺伝子導入し、その培養上清が、骨髄単球性白血病細胞株WEHI3の増殖を抑制することを指標にした発現クローニングにより単離された。

0016

本発明のマウス「BGIF」タンパク質は、182アミノ酸残基のタンパク質をコードするオープンリーディングフレームを含有する(図2)。また、N末端にはシグナルペプチドと思われる疎水性富む21残基のアミノ酸の領域があり、内部には膜貫通ドメインは見られないことから、マウス「BGIF」タンパク質は分泌タンパク質であると考えられる。マウス「BGIF」のアミノ酸配列中には、アミノ酸68位にN結合グリコレーション部位と考えられるAsn-X-Ser/Thr配列を含むことから、グリコシル化されると予想される。FASTAおよびBLASTプログラムを用いてBGIF配列のコンピューター検索を行った結果、アミノ酸レベルでは、BGIFはIFN-α(166アミノ酸にわたって31.9%の同一性)、およびIFN-β(166アミノ酸にわたって25.9%の同一性)と相同性を有している(図4)。しかし、BGIFタンパク質における6つのシステイン残基は、IFN-αまたはIFN-βのそれらと同一ではない。

0017

ノザン解析の結果、マウス「BGIF」mRNAのサイズは約1kbであり、BMS2.4では発現しているがWEHI3では発現していないことが明らかとなった(図5A)。また、RT-PCRにより、「BGIF」 mRNAの発現が、培養骨および接着細胞や、生体から採取した骨髄および脾細胞においても観察された(図5B)。即ち、「BGIF」mRNAは骨髄および脾臓で発現しており、少なくともいくつかの骨髄および脾臓のストローマ細胞で発現していることが判明した。

0018

また、「BGIF」融合タンパク質は、B系統細胞株(1A9、BC7.12、BC7.7、F10、2E8、18-81、7OZ/3、WEHI231、SP2/0)、T細胞系リンパ腫細胞株(BW1597)、および骨髄単球性白血病細胞株(WEHI3)の増殖を抑制した。多くの細胞株は死ななかったが、長期骨髄培養由来の3種類のプレB細胞クローン(1A9、BC7.12、2E8)は、「BGIF」融合タンパク質の処理によりその生存能力を失った。それに対し、リンパ腫細胞株(BCL1およびEL4)および骨髄系細胞株(M1)は「BGIF」融合タンパク質の影響を受けなかった(表1)。これらの事実から、「BGIF」は多様なリンパ-造血細胞株の増殖を抑制すると考えられる。

0019

さらに、半固体アガーを用いた造血前駆細胞のコロニー形成能に対する影響を検討したところ、「BGIF」融合タンパク質を添加すると、IL-7応答性のプレB細胞(CFU-IL-7)のクローニングの効率は減少した(図6)。更に「BGIF」融合タンパク質は、コロニー刺激因子に対する骨髄系前駆細胞(CFU-c)の応答性を減少させた。従って、「BGIF」はトランスフォームしたリンパ-造血細胞および正常リンパ-造血細胞の増殖を抑制することが判明した。

0020

これらの事実は、「BGIF」タンパク質が、リンパ-造血細胞の増殖を抑制する作用を有する新しい液性因子であることを示している。従って、「BGIF」はリンパ-造血疾患の病原のメカニズムを解明するための研究対象として、また白血病や悪性リンパ腫のようなリンパ-造血疾患、ならびに膠原病を抱える患者への薬剤としての利用が考えられる。

0021

膠原病は、自己を認識する自己抗体を産生することにより、種々の臓器障害を及ぼす疾患群である。また、慢性関節リウマチ等においては、ポリクローナルBリンパ球の活性化が認められる。「BGIF」は Bリンパ球産生を抑制する作用を有しており、自己抗体産生を抑制あるいはポリクローナルな Bリンパ球の活性化を抑制することにより、膠原病の1つの治療薬となりうる可能性がある。また、負のリンパ球産生制御因子欠損が膠原病の発症に関わっていることも考えられ、「BGIF」産生低下が、膠原病発症の一因である可能性もある。

0022

本発明においては、リンパ-造血細胞の増殖を抑制する活性を有する限り、マウス「BGIF」タンパク質と構造的に類似したタンパク質も含まれる。このような構造的に類似したタンパク質には、「BGIF」タンパク質の変異体や他の生物由来の「BGIF」タンパク質が含まれる。

0023

このようなタンパク質は、当業者であれば、例えば、公知の変異導入法を用いて調製することができる。当業者に公知のタンパク質中のアミノ酸を改変する方法としては、例えば、deletion-mutant作製による方法(Kowalski. D. et al.,1976, J. Biochem., 15, 4457; McCutchan, T.F. et al., 1984, Science, 225,626-628)、Kunkel法(kunkel, T.A., 1985, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:488-492; Kunkel, T.A. et al., 1987, MethodsEnzymol. 154: 367-382)、Gapped-duplex法(Kramer, W. and Fritz, H.-J., 1987, Methods Enzymol. 154:350-367; Zoller, M.J. and Smith, M., 1983, Methods Enzymol. 100: 468-500; 広進, 1991,正実 & 岡山博人 編,実験医学別冊遺伝子工学ハンドブック,土社, pp246-252)、PCR法(村松正実 編,ラボマニュアル遺伝子工学第3版, 丸善株式会社, 1996年発行, pp.227-230)、カセット変異法(本利光, 1991, 村松正実 & 岡山博人 編, 実験医学別冊 遺伝子工学ハンドブック, 羊土社, pp253-260)などのsite-directed mutagenesis法などが挙げられる。例えば、TransformerTM Site-Directed Mutagenesis Kit (CLONTECH #K1600-1)を用いることができる。

0024

タンパク質におけるアミノ酸の改変は、人為的に行うのであれば、通常、30アミノ酸以内、好ましくは10アミノ酸以内、さらに好ましくは5アミノ酸以内である。また、タンパク質のアミノ酸の変異は天然においても生じうる。このようにリンパ-造血細胞の増殖を抑制する活性を有する限り、人為的なまたは自然界におけるアミノ酸の置換、欠失、付加、および/または挿入により天然型マウス「BGIF」タンパク質(配列番号:3)に対してアミノ酸配列が異なるタンパク質も、本発明に含まれる。

0025

置換されるアミノ酸は、置換前のアミノ酸と似た性質を有するアミノ酸であることが好ましいと考えられる。例えば、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Met、Phe、Trpは、共に非極性アミノ酸分類されるため、互いに似た性質を有すると考えられる。また、非荷電性としては、Gly、Ser、Thr、Cys、Tyr、Asn、Glnが挙げられる。また、酸性アミノ酸としては、AspおよびGluが挙げられる。また、塩基性アミノ酸としては、Lys、Arg、Hisが挙げられる。

0026

本発明において、マウスBGIFタンパク質のアミノ酸が欠失したタンパク質には、シグナル配列(配列番号:4)が除去されたタンパク質が含まれる。また、マウスBGIFタンパク質に対してアミノ酸が付加したタンパク質には、マウスBGIFタンパク質と他のペプチドとの融合タンパク質が含まれる。

0027

また、リンパ-造血細胞の増殖を抑制する活性を有する、マウス「BGIF」タンパク質と構造的に類似したタンパク質の調製は、公知のハイブリダイゼーション技術(細胞工学別冊8, 新細胞工学実験プロトコール, 1991, 秀潤社, pp. 188-193および79-87; Sambrook, J. et al., Molecular Cloning、Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989), 8.46-8.52)やポリメラーゼ連鎖反応技術(細胞工学別冊8, 新細胞工学実験プロトコール, 1991, 秀潤社, pp. 171-186; Sambrook, J. et al., Molecular Cloning、Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989), 14.1-14.35)を利用して行うことができる。即ち、当業者にとってはマウス「BGIF」cDNA配列(配列番号:1)若しくはその一部をプローブとして、また、マウス「BGIF」cDNA(配列番号:1)に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマーとして、種々の他の生物からマウス「BGIF」cDNAと相同性の高いDNAを単離し、さらに単離したDNAからマウス「BGIF」タンパク質と構造的に類似したタンパク質を得ることが常套手段となっている。

0028

本発明においては、リンパ-造血細胞の増殖を抑制する活性を有する限り、マウス「BGIF」cDNAとハイブリダイズするDNAがコードするタンパク質を包含する。このようなタンパク質を単離する他の生物としては、例えば、ヒト、サルラットウサギヤギウシブタなどが挙げられるが、これらに制限されない。このようなタンパク質をコードするDNAを単離するには、例えば、これら生物の骨髄や脾臓の細胞、造血−リンパ系細胞、骨髄・脾臓の培養ストローマ細胞が材料として適していると考えられる。

0029

マウス以外の生物に由来する「BGIF」タンパク質をコードするDNAは、通常、マウス「BGIF」cDNAの塩基配列(配列番号:1)と高い相同性を有する。高い相同性とは、アミノ酸レベルで少なくとも60%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上の配列の同一性を指す。配列の相同性は、DNA Data Bank ofJapan (National Institute of Genetics: Yata 1111, Mishima, Shizuoka 411, Japan)の相同性検索プログラムにより決定することができる。

0030

マウス「BGIF」タンパク質と機能的に同等なタンパク質をコードするDNAを単離するためのハイブリダイゼーションの条件としては、当業者であれば適宜選択することができる。一例を示せば、25%ホルムアミド(ストリンジジェントな条件では、50%ホルムアミド)、4×SSC、50mM Hepes pH7.0、10×デンハルト溶液、20μg/ml変性サケ精子DNAを含むハイブリダイゼーション溶液中、42℃で一晩プレハイブリダイゼーションを行った後、標識したプローブを添加し、42℃で一晩保温することによりハイブリダイゼーションを行う。その後の洗浄は、室温、2×SSC、0.1%SDS(ストリンジェントな条件では、50℃、0.5×SSC、0.1%SDS)で洗浄する。但し、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに影響する要素としては温度やホルムアミドの濃度、塩濃度など複数の要素が考えられ、当業者であればこれら要素を適宜選択することで同様のストリンジェンシーを実現することが可能である(細胞工学別冊8, 新細胞工学実験プロトコール, 1991, 秀潤社, pp. 79-87)。

0031

本発明のタンパク質は、天然のタンパク質の他、遺伝子組み換え技術を利用した組換えタンパク質として調製することができる。天然のタンパク質は、例えば、「BGIF」タンパク質が発現していると考えられる組織(例えば骨髄細胞脾臓細胞)の抽出液に対し、後述する「BGIF」タンパク質に対する抗体を用いたアフィニティークロマトグラフィーを行う方法により調製することが可能である。一方、組換えタンパク質は、後述するように「BGIF」タンパク質をコードするDNAで形質転換した細胞を培養し、これらタンパク質を発現させ回収することにより調製することが可能である。

0032

本発明は、また、本発明のタンパク質の部分ペプチドを包含する。本発明のタンパク質の部分ペプチドとしては、例えば、本発明のタンパク質のうち、その受容体との結合部位に相当するペプチドが挙げられる。このような部分ペプチドは、生体投与することで、本発明のタンパク質の受容体のアゴニストアンタゴニスト、本発明のタンパク質の拮抗剤等としての利用が考えられる。これら部分ペプチドは、本発明のタンパク質を介したシグナル伝達活性化剤阻害剤として有用である。また、本発明の部分ペプチドとしては、例えば、シグナル配列が除去されたタンパク質のN末端領域の部分ペプチドや、C末端領域の部分ペプチドが挙げられ、該ペプチドは抗体の調製に利用することができる。本発明のタンパク質に特異的なアミノ酸配列を有する部分ポリペプチドは、少なくとも7アミノ酸、好ましくは少なくとも8アミノ酸、さらに好ましくは少なくとも9アミノ酸の鎖長を有する。本発明の部分ペプチドは、例えば、遺伝子工学的手法、公知のペプチド合成法、あるいは本発明のタンパク質を適当なペプチダーゼで切断することによって製造することがきでる。

0033

また、本発明は、本発明のタンパク質をコードするDNAに関する。本発明のタンパク質をコードするDNAとしては、これらタンパク質をコードしうるものであれば特に制限はなく、cDNA、ゲノムDNA、および合成DNAが含まれる。また、本発明のタンパク質をコードしうる限り、遺伝暗号縮重に基づく任意の塩基配列を有するDNAが含まれる。

0034

本発明のタンパク質をコードするcDNAは、例えば、配列番号:1に記載のcDNAあるいはその断片、それらに相補的なRNA、または該cDNAの配列の一部を含む合成オリゴヌクレオチドを32Pなどで標識し、本発明のタンパク質が発現している組織(例えば骨髄や脾臓など)由来のcDNAライブラリーにハイブリダイズさせることによりスクリーニングすることができる。あるいは、これらcDNAの塩基配列に対応するオリゴヌクレオチドを合成し、適当な組織(例えば骨髄や脾臓など)由来のcDNAを鋳型にポリメラーゼ連鎖反応により増幅し、クローニングすることもできる。ゲノムDNAは、例えば、配列番号:1に記載のcDNAあるいはその断片、それらに相補的なRNA、または該cDNAの配列の一部を含む合成オリゴヌクレオチドを32Pなどで標識し、ゲノムDNAライブラリーにハイブリダイズさせることによりスクリーニングすることができる。あるいは、これらcDNAの塩基配列に対応するオリゴヌクレオチドを合成し、ゲノムDNAを鋳型にポリメラーゼ連鎖反応により増幅し、クローニングすることもできる。一方、合成DNAは、例えば、配列番号:1に記載のcDNAの部分配列を持つオリゴヌクレオチドを化学合成し、アニーリングさせて二本鎖にし、DNAリガーゼで結合させることにより調製することができる。

0035

これらDNAは、組換えタンパク質の生産に有用である。即ち、本発明のタンパク質をコードするDNA(例えば、配列番号:1に記載のDNA)を適当な発現ベクターに挿入し、該ベクターを適当な細胞に導入して得た形質転換体を培養し、発現させたタンパク質を精製することにより本発明のタンパク質を組換えタンパク質として調製することが可能である。本発明のタンパク質は分泌タンパク質であるため、例えば哺乳動物細胞で発現させ、細胞外分泌させて調製することが可能である。

0036

具体的には、例えば大腸菌で発現させるためのベクターとしては、pKK223-3、pKK233-2、pJLA502等が挙げられる。また、他のタンパク質との融合タンパク質として発現させることもできる。そのためのベクターとしては、例えば、pRIT2T、pGEX-2T、pGEX-3Xなどが挙げられる。これらの融合タンパク質は、アフィニティーカラムを用いて容易に回収することができる。融合タンパク質の境界部にトロンビン切断部位ファクターXa切断部位を有するベクターを用いれば、目的のタンパク質のみを切り出すことができる。また、タンパク質をペリプラズム菌体外に分泌させるためのベクターとしては、pKT280やpRIT5などが挙げられる(岡田雅人・崎香 編, 無敵のバイオテクカルシリーズタンパク質実験ノート上 抽出と分離精製,羊土社, 1996年発行, pp.139-149)。

0037

また、バキュロウイルスを用いて、昆虫細胞や哺乳動物細胞でタンパク質を発現させることも可能である。哺乳動物細胞用のバキュロウイルスベクターとしては、例えばpAcCAGMCS1が挙げられる(村松正実 編,ラボマニュアル遺伝子工学第3版, 丸善株式会社, 1996年発行, pp.242-246)。

0038

宿主細胞において発現させた組換えタンパク質は、公知の方法により精製することができる。また、本発明のタンパク質を、例えば、N末端にヒスチジン残基のタグ、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)などを結合した融合タンパク質の形で発現させた場合には、ニッケルカラムグルタチオンセファロースカラム等により精製することができる。

0039

本発明のタンパク質をコードするDNAは、また、その変異に起因する疾患の遺伝子治療に応用することも可能である。遺伝子治療に用いるためのベクターとしては、例えばレトロウイルスベクターアデノウイルスベクターアデノ関連ウイルスベクターワクシニアウイルスベクター、レンチウイルスベクターヘルペスウイルスベクター、アルファウイルスベクター、EBウイルスベクター、パピローマウイルスベクターフォーミーウイルスベクターなどのウイルスベクターや、カチオニックリポソーム、リガンドDNA複合体ジーンガンなどの非ウイルスベクターが挙げられる(Y. Niitsu, M. Takahashi, Molecular Medicine, Vol35, No. 11, 1385-1395, 1998)。遺伝子の導入は、in vivo や ex vivo などが考えられる。また、他のサイトカイン遺伝子と共導入することも考えられる。

0040

本発明はまた、配列番号:1に記載の塩基配列からなるDNAと特異的にハイブリダイズし、少なくとも15塩基の鎖長を有するDNAに関する。「特異的にハイブリダイズする」とは、上記した通常のハイブリダイゼーション条件下、好ましくはストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、他のタンパク質をコードするDNAとのクロスハイブリダイゼーションが有意に生じないことを意味する。このようなDNAには、本発明のタンパク質をコードするDNA又は該DNAと相補的なDNAと特異的にハイブリダイズし得るプローブやプライマー、ヌクレオチド又はヌクレオチド誘導体(例えばアンチセンスオリゴヌクレオチドリボザイム等)が含まれる。

0041

本発明のタンパク質をコードするcDNAあるいはその配列の一部を含むオリゴヌクレオチドは、本発明のタンパク質をコードする遺伝子やcDNAのクローニング、あるいPCRによる増幅に利用できる。さらに、制限断片長多型(RFLP)、1本鎖DNA高次構造多型(SSCP)などの方法により、遺伝子あるいはcDNAの多型あるいは異常の検出(遺伝子診断など)に利用できる。

0042

また、本発明は、本発明のタンパク質に結合する抗体に関する。本発明の抗体には、ポリクーナル抗体およびモノクローナル抗体が含まれる。ポリクローナル抗体は、例えば文献「東京大医科学研究所制癌研究部編,細胞工学別冊8,新細胞工学実験プロトコール, 1993年発行, 秀潤社, pp. 202-217」に記載された方法に従って作製することができる。例えば、ウサギ、モルモット、マウス、ニワトリなどの免疫動物に精製した本発明のタンパク質、その部分ペプチド、または本発明のタンパク質のアミノ酸配列を基に合成したペプチドを、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、そけい部四肢指の爪の裏などに注射する。抗原タンパク質の投与は、フロイント完全アジュバントや、フロイントの不完全アジュバントと共に行ってもよい。投与は通常、数週間ごとに行い、追加免疫により抗体価を上げることができる。定期的に採血を行い、ELISA等により抗体価の上昇を確認し、最終免疫後、免疫動物から採血を行うことにより抗血清が得られる。抗血清は、塩析イオン交換クロマトグラフィーHPLC等により、IgG分画を精製することができる。また、固定化抗原を用いて、アフィニティークロマトグラフィーにより、さらに抗体を精製することもできる。

0043

一方、モノクローナル抗体は、例えば文献「小池隆夫, 谷口克, 1991,村松正実 & 岡山博人 編,実験医学別冊遺伝子工学ハンドブック,羊土社, pp70-74」に記載の方法に従って作製することができる。具体的には、本発明のタンパク質もしくはその部分ペプチドを、上記と同様に免疫動物に免疫し、最終免疫後、この免疫動物から脾臓またはリンパ節を採取する。この脾臓またはリンパ節に含まれる抗体産生細胞ミエローマ細胞とをポリエチレングリコールなどを用いて融合し、ハイブリドーマを調製する。目的のハイブリドーマをスクリーニングし、これを培養し、その培養上清からモノクローナル抗体を調製することができる。モノクローナル抗体の精製は、例えば、塩析、イオン交換クロマトグラフィー、HPLC等により、IgG分画を精製することができる。また、固定化抗原を用いて、アフィニティークロマトグラフィーにより、さらに抗体を精製することもできる。

0044

これにより調製された抗体は、本発明のタンパク質のアフィニティー精製のために用いられる他、例えば、本発明のタンパク質の発現異常や構造異常起因する疾患の検査診断、本発明のタンパク質の発現量の検出などに利用することが可能である。具体的には、例えば組織、血液、または細胞などからタンパク質を抽出し、ウェスタンブロッティング免疫沈降、ELISA等の方法による本発明のタンパク質の検出を通して、発現や構造の異常の有無を検査・診断することができる。また、本発明の抗体を抗体治療に用いることも考えられる。抗体治療に用いる場合、ヒト型抗体もしくはヒト抗体であることが好ましい。

0045

ヒト型モノクローナル抗体は、例えば、文献「磯秀和, 1988,実験医学Vol.6, No.10, 55-60」に従って行うことができる。また、文献「T. Tsunenari etal., 1996, Anticancer Res., 16, 2537-2544」に記載されたように、分子生物学的手法を用いて作製することもできる。また、ヒト抗体は、免疫系をヒトと入れ換えたマウスに本発明のタンパク質を免疫することにより調製することが可能である。

0046

また、本発明は、本発明のタンパク質に結合する化合物のスクリーニング方法に関する。本発明のスクリーニング法は、(a)本発明のタンパク質またはその部分ペプチドに被検試料を接触させる工程、(b)本発明のタンパク質またはその部分ペプチドと被検試料との結合活性を検出する工程、および(c)本発明のタンパク質またはその部分ペプチドに結合する活性を有する化合物を選択する工程、を含む。

0047

本発明のタンパク質と結合するタンパク質のスクリーニングは、例えば、本発明のタンパク質を固定したアフィニティーカラムに本発明のタンパク質と結合するタンパク質を発現していることが予想される細胞の培養上清もしくは細胞抽出物をのせ、カラムに特異的に結合するタンパク質を精製することにより、本発明のタンパク質に結合するタンパク質のスクリーニングを実施することも可能である。

0048

さらに、本発明のタンパク質と結合するタンパク質を発現していることが予想される組織若しくは細胞(例えば、リンパ−造血系細胞など)よりファージベクターを用いたcDNAライブラリーを作製し、これをアガロース上で発現させフィルターにタンパク質を固定後、標識した本発明のタンパク質を反応させ、結合するタンパク質を発現しているプラークを検出する「ウエストウエスタンブロテイング法」や、GAL4DNA結合領域およびGAL4転写活性化領域を、本発明のタンパク質および被検タンパク質との融合タンパク質として発現させ、GAL4DNA結合タンパク質結合配列を有するプロモーターの下流に連結させたレポーター遺伝子の発現を通して本発明のタンパク質と被検タンパク質との結合を検出する「twoハイブリッドシステム」等に従い実施することも可能である。

0049

また、固定化した本発明のタンパク質に、合成化合物天然物バンク、もしくはランダムファージペプチドディスプレイライブラリーを作用させ、結合する分子をスクリーニングする方法や、コンビナトリアルケミストリー技術によるハイスループットを用いたスクリーニングにより本発明のタンパク質に結合する化合物を単離する方法も当業者に周知の技術である。

0050

スクリーニングに用いる被検試料としては、これらに制限されないが、例えば、細胞抽出液遺伝子ライブラリー発現産物、合成低分子化合物合成ペプチド、天然化合物などが挙げられる。スクリーニングに用いる被検化合物は、必要に応じて適宜標識して用いられる。標識としては、例えば、放射標識蛍光標識などが挙げられるが、これらに制限されない。

0051

また、本発明は、本発明のタンパク質の受容体のスクリーニング方法に関する。実施例に示されたように、造血‐リンパ系細胞の多くが本発明のタンパク質に対して応答性を有していたことから、これらの細胞は、本発明のタンパク質に対する受容体を発現していると考えられる。本発明のタンパク質を利用して、この受容体を単離することが可能である。

0052

例えば、本発明のタンパク質の受容体を発現していることが予想される細胞からタンパク質を回収し、上記のアフィニティーカラムにより本発明のタンパク質の受容体を得ることができる。得られた本発明のタンパク質の受容体に対して抗体を作製し、この抗体を用いて、本発明のタンパク質の受容体を発現していることが予想される細胞から調製したcDNAの発現ライブラリーをスクリーニングすることにより、該受容体をコードするDNAを単離することができる。

0053

また、本発明のタンパク質に応答性を有する細胞のmRNAからcDNAを調製し、本発明のタンパク質に対する応答性を有さない細胞のmRNAとハイブリダイズさせて共通のものを除去して残ったcDNAをスクリーニングするサブトラクションにより、本発明のタンパク質の受容体をコードするDNAをスクリーニングすることもできる。また、本発明のタンパク質の受容体を発現していることが予想される細胞からcDNAを調製して細胞に安定導入し、本発明のタンパク質をリガンドとして用いたスクリーニングや、本発明のタンパク質の受容体に対する抗体を用いたスクリーニングにより、受容体をコードするDNAを単離することもできる。さらに、本発明のタンパク質の受容体を発現していることが予想される細胞からcDNAを調製して、COS細胞への導入による一過性の発現を利用してスクリーニングすることも可能である。また、本発明のタンパク質の受容体を発現していることが予想される細胞からmRNAを調製して、アフリカツメガエル注入して受容体の機能的なスクリーニングを行ったり、本発明のタンパク質と相同性が認められる既知のサイトカインに対する既知の受容体のホモロジーを基に、ハイブリダイゼーションやPCRによりクローニングすることも考えられる(横田崇・新井賢一 編,実験医学別冊バイオマニュアルシリーズ3遺伝子クローニング実験法, 1993年発行, pp.99-156)。

0054

また、本発明は、本発明のタンパク質によるリンパ-造血細胞の増殖の抑制を減少させる活性を有する化合物をスクリーニングする方法に関する。この方法は、本発明のタンパク質によるリンパ-造血細胞の細胞増殖抑制活性を指標とする方法であり、具体的には、(a)被検試料の存在下で、本発明のタンパク質をリンパ-造血細胞に接触させる工程、(b)該細胞の増殖を検出する工程、および(c)被検化合物被存在下において検出した場合(対照)比較して、本発明のタンパク質により引き起こされる該細胞の増殖の抑制を減少させる活性を有する化合物を選択する工程、を含む方法である。

0055

スクリーニングに用いる被検試料としては、例えば、細胞抽出液、遺伝子ライブラリーの発現産物、合成低分子化合物、タンパク質、天然または合成ペプチド、天然化合物、血清などが挙げられるが、これらに制限されない。また、本発明のタンパク質との結合活性を指標とした上記のスクリーニングにより単離された化合物を被検試料として用いることも可能である。スクリーニングに用いる本発明のタンパク質としては、精製したタンパク質であってもよく、また、本発明のタンパク質を分泌する形質転換体の培養上清であってもよい。

0056

また、スクリーニングに用いるリンパ-造血細胞としては、本発明のタンパク質によりその増殖が抑制されるものであれば特に制限はないが、好適な細胞としては、例えば、B系統細胞株1A9、BC7.12、BC7.7、F10、2E8、18-81、7OZ/3、WEHI231、SP2/0、T細胞系リンパ腫細胞株BW1597、骨髄単球性白血病細胞株WEHI3が挙げられる。

0057

本発明のタンパク質は、リンパ-造血細胞の増殖抑制活性を有するため、被検化合物非存在下の場合、該細胞の増殖は抑制される。被検化合物存在下において、該細胞の増殖の抑制が減少すれば、その化合物は、本発明のタンパク質によるリンパ-造血細胞の増殖の抑制を減少させる活性を有する化合物と判定される。本発明において「増殖の抑制の減少させる活性」とは、増殖の抑制を完全に阻害する活性を含む。

0058

このスクリーニングにより単離される化合物としては、例えば、本発明のタンパク質に結合し、その活性を阻害する化合物、本発明のタンパク質またはその受容体に結合し、本発明のタンパク質とその受容体との結合を阻害する化合物、本発明のタンパク質の受容体に結合し、その活性化を阻害する化合物、本発明のタンパク質の受容体から細胞増殖の表現系を発現するに至るシグナル伝達を阻害する化合物が含まれる。これら化合物は、本発明のタンパク質を介したシグナル伝達系の異常などに起因する疾患(例えば、造血‐リンパ系の異常に起因する疾患)の予防薬や治療薬への応用が考えられる。

0059

本発明のタンパク質、または本発明のスクリーニング方法により単離される化合物を薬剤として用いる場合には、本発明のタンパク質やスクリーニングにより単離された化合物自体を直接患者に投与する以外に、公知の製剤学的方法により製剤化して投与を行うことも可能である。例えば、薬理学上許容される担体もしくは媒体、具体的には、滅菌水生理食塩水植物油乳化剤懸濁剤界面活性剤、安定剤などと適宜組み合わせて製剤化して投与することが考えられる。患者への投与は、例えば、動脈内注射静脈内注射皮下注射などのほか、鼻腔内的、経気管支的、筋内的、または経口的に当業者に公知の方法により行いうる。投与量は、患者の体重や年齢投与方法などにより変動するが、当業者であれば適当な投与量を適宜選択することが可能である。また、該化合物がDNAによりコードされうるものであれば、該DNAを遺伝子治療用ベクターに組込み、遺伝子治療を行うことも考えられる。投与量、投与方法は、患者の体重や年齢、症状などにより変動するが、当業者であれば適宜選択することが可能である。

0060

以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。

0061

[実施例1]リンパ-造血を負に調節する新規な因子BGIFの同定
(1−1)細胞培養
ヒトの腎細胞癌細胞株293T、マウスストローマクローン株BMS2(Pietrangeli, C.E. et al., 1988, Eur. J. Immunol. 18: 863-872)およびそのサブクローン株BMS2.4(Kincade, K.W. et al., 1991, Adv. Exp. Med. Biol. 292: 227-234)、ならびにマウスの骨髄系白血病細胞株WEHI3(ATCCNo. TIB-68)は、10%のウシ胎児血清(fetal calf serum:FCS; GIBCO, Grand Island, NY)を添加したダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco's modified Eagle's medium; Nakarai Tesque, Kyoto, Japan)を用いて維持を行った。

0062

(1−2)BMS2.4cDNAライブラリーのスクリーニング
骨髄由来ストローマ細胞株のサブクローンであるBMS2.4は、いくつかの型の造血細胞株の増殖を抑制する可溶性因子を産生する(Kincade, K.W. et al., 1991, Adv. Exp. Med. Biol. 292: 227-234; Oritani, K. et al., 1999, Blood 93:1346-1354)。TNF-α、TGF-β、またはIFN-βに対する中和抗体による効果を調べたところ、これらの抗体はBMS2.4培養上清の効果を阻害しないことが判明した。従って、BMS2.4培養上清が持つ増殖抑制効果は、これらの因子のいずれかによるものではないと考えられる。このBMS2.4産物を単離するため、増殖抑制を指標とした発現クローニングを行った。

0063

ポリアデニル化したRNAを、Fast TrackmRNAisolation kit (Invitrogen, San Diego, CA)を用いてBMS2.4細胞から単離した。二重鎖cDNAをTimeSaver cDNAsynthesis kit(Pharmacia, Uppsala, Sweden)を用いて合成し、BstXIアダプター(Invitrogen)をライゲーションし、哺乳動物細胞発現ベクターpEF-BOS(S. Mizushima and S. Nagata, 1990, Nucl. AcidsRes. 18: 5322, 大阪大医学部遺伝学教室長田重一教授より供与)中にクローン化した。プラスミドcDNAを数百のクローンのプールから精製し、リン酸カルシウム共沈殿法により293T細胞にトランスフェクトした。各トランスフェクタントの培養上清を回収し、増殖抑制の効果を検定した。

0064

スクリーニングのための標的細胞としては、BMS2.4上清に対する感受性が特に強い骨髄単球性白血病細胞株WEHI3を使用した。トランスフェクトした293T細胞の培養上清をWEHI3細胞の培地に加え、細胞の増殖を、3-(4,5-ジメチルチアゾル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロマイドを用いた比色定量分析MTT assay)により評価した。具体的には、平底の96ウェルマイクロタイタープレートを用いて、3連で細胞を培養した。MTT(PBS中の5mg/mL溶液のうち10μL )を培養の最後の4時間の間添加し、酸-イソプロパノールイソプロパノール中0.04N HCl)を添加し、混合した。吸光度試験波長540nmでMicroelisa plate reader(Corona Electric,Ibaragi, Japan)を用いて計測した。

0065

WEHI3細胞増殖の阻害を指標にライブラリーのスクリーニングを行い、陽性プールを次第に小さなプールへと分割していき、単一のクローンを単離するまでスクリーニングを繰り返した。約1×105のクローンを選抜した結果、1つのクローン(クローン159-3-3)を単離することに成功した。そのクローンのインサートDNAは、WEHI3細胞の増殖抑制因子をコードしていた。図1に示すように、クローン化した159-3-3プラスミドをトランスフェクトした293T細胞の上清は、BMS2.4の上清と同様、WEHI3細胞の増殖を抑制する効果を示した。

0066

[実施例2] BGIFタンパク質の同定
(2−1)1次構造
単離されたクローンの挿入をpBluescript(Stratagene, La Jolla, CA)中にサブクローン化し、ヌクレオチド配列を自動DNAシーケンサー(Applied Biosystems, FosterCity, CA)を用いて決定した。クローン化したプラスミド159-3-3は、997bpのcDNAインサートを含む(図2/配列番号:1)。ヌクレオチドデータベースの検索を、GCGコンピュータープログラム(Genetics Computer Group,Madison, WI)のBLASTおよびFASTAを用いて行った。その結果、この配列と同一のcDNAまたはゲノムDNAは先に報告されていなかった。そこで、このクローン化した分子を「血液細胞増殖抑制因子(Blood Cell Growth-Inhibiting Factor: BGIF)」と命名した。最初のATGから翻訳されるタンパク質は、33のアミノ酸(配列番号:2)から成ると予想される。それに対して、2番目のATGから翻訳されるタンパク質は、182のアミノ酸(配列番号:3)から成り、シグナルペプチドと思われる疎水性の高い21のアミノ酸残基(配列番号:4)をアミノ末端に持つ。

0067

(2−2)機能的タンパク質の同定
次に、BGIFcDNA中にあるATGのどれが機能的であるのかを解析した。まず、SV40初期エンハンサー/プロモーターの制御下でBGIFの第1または第2ATGからウミシイタケ(renilla)ルシフェラーゼが翻訳されるようなプラスミド、1st-ATG/pRL-SV40または2nd-ATG/pRL-SV40を構築した。

0068

BGIFの最初のATGを用いてウミシイタケルシフェラーゼが産生されるようにするため、BGIFcDNAを、5'-GGGCTGCAGTCAGCGAGCAAGAGCCCGAAG-3'(配列番号:5)および5'-GGGGCTAGCCACAGGCAGCATGCTGAAGCTTGA-3'(配列番号:6)を用いたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅した。BGIFの2番目のATGを用いてウミシイタケルシフェラーゼタンパク質が産生されるようにするため、BGIF cDNAを5'-GGGCTGCAGTCAGCGAGCAAGAGCCCGAAG-3'(配列番号:5)および5'-GGGGCTAGCACAGGCAGCATGCTGAAGCTTGA-3'(配列番号:7)を用いたPCRにより増幅した。増幅した断片をPstIおよびNheIで消化し、pRL-SV40プラスミド(Promega, Madison,WI, USA)の中にクローン化した(それぞれ1st-ATG/pRL-SV40および2nd-ATG/pRL-SV40と称する)。ウミシイタケ ルシフェラーゼタンパク質を発現するためにpRL-SV40中にもともと存在していたATG部位は、直接部位変異導入法により破壊しておいた。従って、ウミシイタケ ルシフェラーゼタンパク質は、SV40初期エンハンサー/プロモーターの制御下で、1st-ATG/pRL-SV40および2nd-ATG/pRL-SV40においてBGIF cDNAのそれぞれのATGから翻訳されるようになっている。すべてのプラスミドの構築物シーケンシングにより確認した。

0069

これらのプラスミドをBMS2.4またはBMS2細胞にトランスフェクションし、ルシフェラーゼ活性の検出を行った。ルシフェラーゼ検定は、デュアル-ルシフェラーゼレポーターステム(Dual-Luciferase Reporter System; Promega, Madison, WI)を用いて行った。トランスフェクション効率は、ホタルルシフェラーゼの発現ベクターである、pGL-Control Vector (Promega)をコトランスフェクトすることにより計測した。10μgの1st-ATG/pRL-SV40または2nd-ATG/pRL-SV40を、5μgのpGL-Control Vectorと共にリポフェクタミンを用いて培養細胞へトランスフェクトした。トランスフェクトした細胞をキットに添付されている溶解バッファー中で溶解させ、ルミノメーターLB96P(Berthold Japan, Tokyo, Japan)を用いてホタルおよびウミシイタケルシフェラーゼの活性を測定した。ホタル ルシフェラーゼ活性に従って求めたトランスフェクションの効率で標準化して、ウミシイタケ ルシフェラーゼ活性を算定した。その結果、主にBGIFの2番目のATGから翻訳されたウミシイタケ ルシフェラーゼが産生されることが判明した(図3A)。

0070

次に、1番目または2番目のATGから翻訳されたタンパク質を製造した。BGIFの第1、または第2のATGから翻訳されるタンパク質を産生するため、BGIFのcDNAをPCRにより増幅した。この反応に用いられたオリゴヌクレオチドプライマーは以下のものである:第1ATGから翻訳が開始されるタンパク質には5'-GGGCTCGAGTCAGCGAGCAAGAGCCCGAAG-3'(配列番号:8)および5'-GGGCTCGAGCTGGGCTGCAGCTCAGCA-3'(配列番号:9);第2ATGから翻訳が開始されるタンパク質は5'-GGGCTCGAGAATCGTCAAGCTTCAGCA-3'(配列番号:10)および5'-GGGCTCGAGCTTCTCCTCATCTTGGGC-3'(配列番号:11)。増幅された断片をXhoIを用いて消化し、pEF-BOSの3524位にあるXhoIを部位特異的変異導入により除去して構築したpEFBOSXプラスミドの中にクローン化を行った(それぞれ1st-ATG/pEFBOSXおよび2nd-ATG/pEFBOSXと称する)。全てのプラスミドの構築物はシーケンシングにより確認した。

0071

これらのプラスミドを293T細胞にトランスフェクションし、培養上清を回収して分泌されたタンパク質を得た。このようにして製造された各培養上清をWEHI3細胞の培地中に添加し、WEHI3細胞の増殖を測定した。その結果、2nd-ATG/pEFBOSXをトランスフェクトした293T細胞の上清はWEHI3細胞の増殖を抑制したが、1st-ATG/pEFBOSXをトランスフェクトした293Tの上清は抑制しなかった(図3B)。従ってBGIFの機能的産物は2番目のATGから翻訳されたものであることが判明した。

0072

図2に示すように、推定されるBGIFタンパク質は、アミノ末端に疎水性の高い21アミノ酸残基を持つが、内部に膜貫通ドメインを持たないため、BGIFは分泌タンパク質であると考えられる。BGIFのアミノ酸配列中には、アミノ酸68位にN結合グリコシレーション部位と考えられるAsn-X-Ser/Thr配列を含むことから、BGIFはグリコシル化されると予想される。FASTAおよびBLASTプログラムを用いてBGIF配列のコンピューターで検索を行った結果、アミノ酸レベルでみると、BGIFはIFN-α(166アミノ酸にわたって31.9%の同一性)、およびIFN-β(166アミノ酸にわたって25.9%の同一性)と相同性を有している(図4)。しかし、BGIFタンパク質における6つのシステイン残基は、IFN-αまたはIFN-βのそれらと同一ではない。

0073

[実施例3]造血器官におけるBGIFの遺伝子発現
BGIFの遺伝子発現を調べるため、ノザンブロット解析を行った。ポリA+RNAをFast TrackmRNAisoration kit (Invitrogen)を用いてWEHI3細胞およびBMS2.4細胞から単離し、ホルムアルデヒドアガロースゲル電気泳動を行い、ナイロン膜(Amersham)上に転写した。BGIFおよびβ-アクチン遺伝子cDNA断片をrandomprimed DNA labering kit (Boehringer Mannheim, Indianapolis, IN)を用いて32P-dCTPで標識し、膜にハイブリダイズさせた。その後、ブロットを洗浄し、オートラジオグラフを行った。その結果、BGIF mRNAのサイズは約1kbであり、BMS2.4では発現しているがWEHI3では発現していないことが明らかとなった(図5A)。

0074

さらに、逆転写(RT)-PCRでマウスの骨髄および脾臓における発現を測定した。全RNA(2.5μg)を、M-MLV逆転写酵素(GIBCO)、オリゴdT(1μg)、0.1M DTT、10mM 各dNTP、および1×RTバッファーから成る50μLの反応液中で逆転写反応(RT)を行った。PCRを行うために、上記RT混合物のうち10μLを、1.5mM MgCl2、1UTaqポリメラーゼ(Perkin Elmer, Branchburg, New Jersey)、2mM 各 dNTP、ならびに適切なセンスおよびアンチセンスプライマーを含むPCRバッファーに添加した。反応に使用したオリゴヌクレオチドプライマーは、BGIFについては5'-TCCAGCGTCCAGCGCAGC-3'(配列番号:12)および5'-AGCACTTGCAGCTCACGC-3'(配列番号:13)、β-アクチンについては5'-CCTAAGGCCAACCGTGAAAAG-3'(配列番号:14)および5'-TCTTCATGGTGCTAGGAGCCA-3'(配列番号:15)である。PCR反応混合物を、94℃で1分間、55℃で2分間、72℃で3分間を28サイクル繰り返す条件で増幅した。

0075

図5Bに示すように、PCRで増幅した509bpのバンドが、BMS2.4mRNAを逆転写したサンプルから観察された。同じサイズの産物が、培養骨髄または脾接着細胞のRNAや、生体から採取した骨髄または脾細胞のRNAを用いたRT-PCRによっても観察された。この増幅はBGIFに特異的であることが、PCR産物をシーケンシングすることで確認された。

0076

即ち、BGIFmRNAは骨髄および脾臓で発現しており、少なくともいくつかの骨髄および脾臓のストローマ細胞で発現していることが判明した。

0077

[実施例4]リンパ-造血細胞株におけるBGIFの効果
BGIFの機能をさらに解析するため、Ig/pEFBOSXベクター(Oritani, K. and Kincade P.W., 1996, J. Cell Biol. 134: 771-782)を用いて、ヒトIgG1のCH2+CH3カセットから成るイムノグロブリン(Ig)との融合タンパク質を作製した。BGIFcDNAの全コード領域を、5'-GGGGCGGCCGCCGCAATCGTCAAGCTTCA-3'(配列番号:16)および5'-GGGCTCGAGCTTGGGCCTCTTCTCGCAGA-3'(配列番号:17)を用いてPCRにより増幅した。PCR増幅産物はNotIおよびXhoIを用いて消化し、Ig/pEFBOSベクター中にライゲーションした(BGIF-Ig/BOS)。プラスミドの構築物はシーケンシングにより確認した。

0078

BGIF-Ig/BOSプラスミドをトランスフェクトした293T細胞の上清から調製したBGIFとIgの融合タンパク質(BGIF-Ig)を、プロテインAカラム(Pierce, Rockford,IL)を用いて精製した。CD44とヒトIgGの定常領域から成るCD44-Ig(Oritani, K. and Kincade P.W., 1996, J. Cell Biol. 134: 771-782)を同様に調製し、陰性対照として用いた。

0079

これらの精製タンパク質を、WEHI3細胞の培地に添加し、WEHI3細胞の増殖に対する効果を測定したところ、BGIF-Igは、濃度依存にWEHI3細胞に対する増殖抑制効果を示し、10ng/mLの濃度でその効果は最大となった。またCD44-Igにはそのような効果は観察されなかった。

0080

次に、100ng/mLのBGIF-IgまたはCD44-Igの存在下、さまざまなリンパ-造血細胞株を48時間培養し、その増殖および生存力を評価した(表1)。

0081

マウスの骨髄系白血病細胞株M1は、10%のウシ胎児血清(fetal calf serum:FCS;GIBCO, Grand Island, NY)を添加したダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco's modified Eagle's medium; Nakarai Tesque, Kyoto, Japan)を用いて維持を行った。マウスプレB細胞のクローン1A9、BC7.12、BC7.7、2E8およびF10は1ng/mLのIL-7(R&D Systems, Minneapolis, MN)の存在下、5%のFCSおよび5×105M2-メルカプトエタノールを添加したマッコイの5A培地(McCoy's 5A medium; GIBCO)を用いて維持を行った。マウスリンパ腫細胞株(7OZ/3、WEHI231、BW5147、BCL1、SP2/0、およびEL4)およびウイルスでトランスフォームさせたプレB細胞株18.81は、10%のFCSおよび5×105M 2-メルカプトエタノールを添加したRPMI1640培地(Nakarai Tesque)を用いて維持を行った。マウスの多能性細胞EML-C1は、20%のウマ血清(ICN Biomedical Inc.,Costa Mesa, CA)および10ng/mLのSCF(Kirin Brewery Co Ltd, Tokyo, Japanより供与)を添加したイスコフの改変ダルベッコ培地(Iscove's modified Dulbecco's medium:GIBCO)を用いて維持を行った。

0082

細胞の増殖は 3H-チミジンの取り込みアッセイで測定した。具体的には、平底の96ウェルマイクロタイタープレートを用いて、3連で細胞を培養した。各ウェルは、0.5μCi3H-チミジン(sp.act.:5 Ci/mM;Amersham International, Amersham, Bucks, UK) で4時間パルスベルした。その後、細胞をセミオートマチクセハーベスター(model 1295; Pharmacia LKBBiotechnology, Piscataway,NJ)で回収した。その後、3H-チミジンの取り込みを液体シンチレーションカウンターで測定した。

0083

BGIFタンパク質の効果は、刺激指数(stimutlation index; S.I.)= (BGIF-Ig存在下におけるチミジンの取り込み[cpm])/(CD44-Ig存在下におけるチミジンの取り込み[cpm]) で表した。細胞の生存力はトリパンブルーの排除アッセイで評価した。数値は2つの独立した実験の平均を表している。

0084

0085

表1にあるように、BGIF-IgはB系統細胞株(1A9、BC7.12、BC7.7、F10、2E8、18-81、7OZ/3、WEHI231、SP2/0)、T細胞系リンパ腫細胞株(BW1597)、および骨髄単球性白血病細胞株(WEHI3)の増殖を抑制した。多くの細胞株は死ななかったが、プレB細胞クローン由来の5種類の長期骨髄培養のうち3つ(1A9、BC7.12、2E8)は、BGIF-Igの処理によりその生存力を失った。それに対し、リンパ腫細胞株(BCL1およびEL4)および骨髄系細胞株(M1)はBGIF-Igの影響を受けなかった。これらの結果から、BGIFは多様なリンパ-造血細胞株の増殖を抑制すると考えられる。

0086

リンパ-造血始原細胞の増殖に対するBGIFの直接的影響を評価するため、半固体アガークローニング検定を行った。以前記載された方法に従い骨髄細胞を調製し、検定用培地1mM中で懸濁した(Medina, K.L. et al., 1993, J. Exp. Med. 178: 1507)。B-リンパ球前駆細胞(CFU-IL-7)の半固体アガー中でのコロニー形成検定は、1ng組換えマウスIL-7(R&D Systems, Minneapolis,MN)を用いて行った。骨髄系細胞(CFU-c)に対する始原細胞検定は、L細胞培養培地を10倍に希釈し、その25μLを用いて行った。全コロニー検定は35-mmディッシュを使って行い、37℃で6日間インキュベートした。

0087

図6に示すように、BGIF-Igを添加すると、IL-7応答性のプレB細胞(CFU-IL-7)のクローニングの効率は減少した。更にBGIF-Igは、L細胞培養培地に含まれるコロニー刺激因子に対する骨髄系始原細胞(CFU-c)の応答性を減少させた。それに対して、CD44-Ig融合タンパク質はいずれの培養においても明確な効果を示さなかった。

発明の効果

0088

従って、BGIFはトランスフォームしたリンパ-造血細胞および正常リンパ-造血細胞の増殖を抑制することが判明した。

0089

本発明のBGIFタンパク質は、リンパ−造血細胞の増殖を抑制する活性を有しており、リンパ-造血系の疾患の診断や治療などへ応用しうる。また、BGIFタンパク質は、リンパ-造血疾患の病原のメカニズムを解明するのに有用なツールとなる他、該疾患の医薬品候補化合物のスクリーニングに利用することも可能である。また、BGIF遺伝子は、該疾患の遺伝子治療への応用が考えられる。即ち、本発明により、リンパ-造血系の疾患の診断や治療のための新たな途が開かれた。

図面の簡単な説明

0090

SEQUENCE LISTING
<110> Center for Advanced Science and Technology Incubation, Ltd.

<120> Proteins which suppress proliferation of lympho-hematopoietic
cells
<130> SEN-103
<140>
<141>
<160> 17
<170> PatentIn Ver. 2.0
<210> 1
<211> 997
<212> DNA
<213> Mus musculus
<220>
<221> CDS
<222> (161)..(706)
<400> 1
agaagtcgcg tccagcgtcc agcgcagcgc aggcagtcag cgagcaagag cccgaagctc 60
cgagtgaact attaaagcag caaactccag gctcaatggg aaggcggcct tgccctcgcg 120
ctccccctgc aggccagccc cgcaatcgtc aagcttcagc atg ctg cct gtg cat 175
Met Leu Pro Val His
1 5
cta ttc ctg gtg gga ggg gtg atg ctg agc tgc agc cca gcc agc tca 223
Leu Phe Leu Val Gly Gly Val Met Leu Ser Cys Ser Pro Ala Ser Ser
10 15 20
ctt gat tct ggt aaa tct ggg agc ctg cac ctg gag cgc agc gaa acc 271
Leu Asp Ser Gly Lys Ser Gly Ser Leu His Leu Glu Arg Ser Glu Thr
25 30 35
gcg cgc ttc cta gca gag ctc cga agc gtg ccg ggt cac cag tgc ctg 319
Ala Arg Phe Leu Ala Glu Leu Arg Ser Val Pro Gly His Gln Cys Leu
40 45 50
cgg gac agg acc gat ttc cca tgt ccc tgg aag gaa gga act aac atc 367
Arg Asp Arg Thr Asp Phe Pro Cys Pro Trp Lys Glu Gly Thr Asn Ile
55 60 65
aca cag atg act ctg gga gaa acc acc agt tgc tac tcc cag acc ctc 415
Thr Gln Met Thr Leu Gly Glu Thr Thr Ser Cys Tyr Ser Gln Thr Leu
70 75 80 85
agg cag gtc ctc cac ctc ttt gac aca gag gcc agc aga gct gcc tgg 463
Arg Gln Val Leu His Leu Phe Asp Thr Glu Ala Ser Arg Ala Ala Trp
90 95 100
cac gag agg gcg ctg gac cag cta cta tct agc ctg tgg cgt gag ctg 511
His Glu Arg Ala Leu Asp Gln Leu Leu Ser Ser Leu Trp Arg Glu Leu
105 110 115
caa gtg ctg aag agc cca aga gag cag ggc cag tcc tgt cca ctg cct 559
Gln Val Leu Lys Ser Pro Arg Glu Gln Gly Gln Ser Cys Pro Leu Pro
120 125 130
ttt gcc ctg gcc atc cgc acc tac ttc cga ggg ttc ttc cgc tat ctg 607
Phe Ala Leu Ala Ile Arg Thr Tyr Phe Arg Gly Phe Phe Arg Tyr Leu
135 140 145
aag gca aag gca cac agc gct tgc tcc tgg gag atc gtc aga gtc caa 655
Lys Ala Lys Ala His Ser Ala Cys Ser Trp Glu Ile Val Arg Val Gln
150 155 160 165
ttg caa gtg gac ctt cca gcg ttc cca ctg tct gcg aga aga ggc cca 703
Leu Gln Val Asp Leu Pro Ala Phe Pro Leu Ser Ala Arg Arg Gly Pro
170 175 180
aga tgaggagaag ccccgtgcag gaatctctct gctctcgtga caccacgctc 756
Arg
cctctctcca ttcaaagcag acgcacggat tcggattcag caccaacagg cgaaatgggc 816
atgcatcgac caagaacatc gagttcttta tgtcttccct gccagaggcc ccgaagcatc 876
ctactgtaca tcatacactg cgaaagatgt ttgaaagaaa acctgtgctc ttgcatttga 936
ggtggcttct gaataaattg atgatctcgg ttaaaaaaaa aaaaaaaaaa aaaaaaaaaa 996
a 997
<210> 2
<211> 33
<212> PRT
<213> Mus musculus
<400> 2
Met Gly Arg Arg Pro Cys Pro Arg Ala Pro Pro Ala Gly Gln Pro Arg
1 5 10 15
Asn Arg Gln Ala Ser Ala Cys Cys Leu Cys Ile Tyr Ser Trp Trp Glu
20 25 30
Gly



<210> 3
<211> 182
<212> PRT
<213> Mus musculus
<400> 3
Met Leu Pro Val His Leu Phe Leu Val Gly Gly Val Met Leu Ser Cys
1 5 10 15
Ser Pro Ala Ser Ser Leu Asp Ser Gly Lys Ser Gly Ser Leu His Leu
20 25 30
Glu Arg Ser Glu Thr Ala Arg Phe Leu Ala Glu Leu Arg Ser Val Pro
35 40 45
Gly His Gln Cys Leu Arg Asp Arg Thr Asp Phe Pro Cys Pro Trp Lys
50 55 60
Glu Gly Thr Asn Ile Thr Gln Met Thr Leu Gly Glu Thr Thr Ser Cys
65 70 75 80
Tyr Ser Gln Thr Leu Arg Gln Val Leu His Leu Phe Asp Thr Glu Ala
85 90 95
Ser Arg Ala Ala Trp His Glu Arg Ala Leu Asp Gln Leu Leu Ser Ser
100 105 110
Leu Trp Arg Glu Leu Gln Val Leu Lys Ser Pro Arg Glu Gln Gly Gln
115 120 125
Ser Cys Pro Leu Pro Phe Ala Leu Ala Ile Arg Thr Tyr Phe Arg Gly
130 135 140
Phe Phe Arg Tyr Leu Lys Ala Lys Ala His Ser Ala Cys Ser Trp Glu
145 150 155 160
Ile Val Arg Val Gln Leu Gln Val Asp Leu Pro Ala Phe Pro Leu Ser
165 170 175
Ala Arg Arg Gly Pro Arg
180


<210> 4
<211> 21
<212> PRT
<213> Mus musculus
<400> 4
Met Leu Pro Val His Leu Phe Leu Val Gly Gly Val Met Leu Ser Cys
1 5 10 15
Ser Pro Ala Ser Ser
20


<210> 5
<211> 30
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:Artificially
Synthesized Primer Sequence
<400> 5
gggctgcagt cagcgagcaa gagcccgaag 30
<210> 6
<211> 33
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:Artificially
Synthesized Primer Sequence
<400> 6
ggggctagcc acaggcagca tgctgaagct tga 33
<210> 7
<211> 32
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:Artificially
Synthesized Primer Sequence
<400> 7
ggggctagca caggcagcat gctgaagctt ga 32
<210> 8
<211> 30
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:Artificially
Synthesized Primer Sequence
<400> 8
gggctcgagt cagcgagcaa gagcccgaag 30
<210> 9
<211> 27
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:Artificially
Synthesized Primer Sequence
<400> 9
gggctcgagc tgggctgcag ctcagca 27
<210> 10
<211> 27
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:Artificially
Synthesized Primer Sequence
<400> 10
gggctcgaga atcgtcaagc ttcagca 27
<210> 11
<211> 27
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:Artificially
Synthesized Primer Sequence
<400> 11
gggctcgagc ttctcctcat cttgggc 27
<210> 12
<211> 18
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:Artificially
Synthesized Primer Sequence
<400> 12
tccagcgtcc agcgcagc 18
<210> 13
<211> 18
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:Artificially
Synthesized Primer Sequence
<400> 13
agcacttgca gctcacgc 18
<210> 14
<211> 21
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:Artificially
Synthesized Primer Sequence
<400> 14
cctaaggcca accgtgaaaa g 21
<210> 15
<211> 21
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:Artificially
Synthesized Primer Sequence

<400> 15
tcttcatggt gctaggagcc a 21
<210> 16
<211> 29
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:Artificially
Synthesized Primer Sequence
<400> 16
ggggcggccg ccgcaatcgt caagcttca 29
<210> 17
<211> 29
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:Artificially
Synthesized Primer Sequence
<400> 17

0091

図1クローン159-3-3は、WEHI3の増殖抑制因子をコードするcDNAを有していることを示した図である。クローン化した159-3-3プラスミドまたは対照のプラスミドpEF-BOSを、リン酸カルシウム沈殿法を用いて293T細胞にトランスフェクトした。3日間培養した後で各トランスフェクタントの上清を回収した。BMS2およびBMS2.4細胞を、コンフルエントに達したあと3日間培養し、その上清を回収した。図示した培養上清を10%添加し、WEHI3細胞(5×103/ウェル)を2日間培養した。WEHI3細胞の増殖はMTT分析で評価を行った。統計上、対照の値と有意な差がみられたものにはアステリスクをつけた(p<0.01)。
図2997塩基対のBGIF cDNAのヌクレオチド配列および推定されるアミノ酸配列を示す図である。BGIFの一番目のATGおよび2番目のATGを□で表示した。最初のATGから翻訳された推定されるアミノ酸配列を上段に、2番目のATGから翻訳されたものを下段に示した。ポリアデニル化シグナルAATAAAには下線をつけた。
図3BGIFの2番目のATGから翻訳された産物は主な機能的タンパク質であることを示す図である。
(A)1st-ATG/pRL-SV40(白カラム)または2nd-ATG/pRL-SV40(黒カラム)をpGL-対照ベクターとともに、リポフェクタミントランスフェクションによりBMS2.4およびBMS2細胞へトランスフェクトした。2日間培養して、細胞を回収し、ルシフェラーゼ検定を行った。ホタルのルシフェラーゼ活性により決定したトランスフェクション効率で標準化して相対ウミシイタケルシフェラーゼ活性を算定した。統計上対照の値と有意に差が見られたものには、アステリスクをつけた(p<0.01)。(B)1st-ATG/pEFBOSXおよび2nd-ATG/pEFBOSXのプラスミドをそれぞれ、リン酸カルシウム沈殿法を用いて、293T細胞にトランスフェクトした。トランスフェクタントを3日間培養し、その上清を回収した。図示した上清を10%添加し、WEHI3細胞(5×103/ウェル)を2日間培養した。WEHI3細胞の増殖をMTT検定により評価した。
図4BGIF、IFN-α、およびIFN-βのアミノ酸配列のアラインメントを示す図である。アステリスクはBGIFとアミノ酸が同一であることを示す。ダッシュ(−)は整列時に挿入したギャップを示している。
図5リンパ-造血器官におけるBGIFの発現を示す図である。
(A)ポリA+RNA(5μg/レーン)をWEHI3およびBMS2.4細胞から単離し、ノザンブロット解析を行った。下のパネルは同じブロットをβ-アクチンでプローブした対照を示したものである。(B)全RNA(2.5μg)を図示した細胞から単離し、RT-PCRを行った。増幅した産物をエチジウムブロマイドを含む1%アガロースゲル中で電気泳動を行った。
図6コロニー検定におけるBGIF-Igの効果を示す図である。BGIF-IgおよびCD44-Igを、100ng/mLの濃度でマウス骨髄細胞(A)CFU-IL-7および(B)CFU-cに加え、コロニー検定を行った。結果は105 骨髄細胞当たりのコロニーの平均数±SD(n=3)で示した。統計上対照(CD44-Ig)の値と有意な差が見られるものに、アステリスクをつけた(p<0.01)。

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