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技術 鍵盤楽器のアクション装置

出願人 張能康博
発明者 張能康博
出願日 1999年4月8日 (21年8ヶ月経過) 出願番号 1999-136124
公開日 2000年10月20日 (20年2ヶ月経過) 公開番号 2000-293159
状態 特許登録済
技術分野 ピアノ
主要キーワード 押出突起 三角柱形 エスケープメント 操作ブロック アクション装置 保持点 共鳴板 バネ棒
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

アクション装置の上下高さ及び奥行きを小さく設計でき、また部品点数及び組立工数を少なくする。

解決手段

エスケープメント部材11の上端抑制部材33を形成する。ハンマ体9の基部に状突片19及び押出突起21を突設する。押出突起21により嘴状突片19を係合段部31から強制的に離脱レットオフ)させるので、嘴状突片19の弧状の軌跡における水平成分を大きくするためのハンマ体9の支持杆のような部材が不要となり、アクション装置1の高さを小さくできる。抑制部材33がハンマ体9のリバウンドを抑制するのでバックチェックが不要となる。

概要

背景

現在の鍵盤楽器の主流となっているイギリス式のアクション装置が「突き上げ式」と呼ばれるのに対し、今世紀初頭まで製造されていたウィーン式のアクション装置は、「跳ね上げ式」と呼ばれるものである。このウィーン式のアクション装置73は、図12(a)に示すように、図中右側に図示しない鍵盤部を有する鍵盤体5の長手方向の中間部をピン13及び台座15により揺動自在に保持すると共に、鍵盤体5の他方の端部に支持杆75を立設し、この支持杆75の上端に、弦7を打撃するためのハンマ体77の基部を軸78により回動自在に軸着し、ハンマ体77の基端部には状突片79を突設すると共に、ハンマ体77の嘴状突片79に向けてバネ棒80により常時付勢されたエスケープメント部材81には、係合段部83を形成している。他方、機枠85には、ハンマ体77のハンマ部87の回動軌跡に沿ってバックチェック89が立設されており、バックチェック89の表面には皮革などの摺動材が貼着されている。

演奏の際には、図12(b)に示すとおり、鍵盤部の打鍵操作に伴い、鍵盤体5の他端の支持杆75が弦7に向けて上昇すると共に、ハンマ体77の嘴状突片79とエスケープメント部材81の係合段部83とが係合し、これによりハンマ体77が弦7に対する打撃回動動作を行うものである(図12(b)(c))。ハンマ体77の嘴状突片79とエスケープメント部材81の係合段部83との係合は、ハンマ体77の打撃動作直前離脱レットオフ)するように設計されており(図12(c))、この離脱のタイミングを調整ネジ91により微調整可能となっている。離脱した嘴状突片79は、演奏者が鍵盤部を放す際に、図12(d)に示すとおりエスケープメント部材81の帰還摺動面93に摺動しつつ下降し、図12(a)の姿勢復帰する。

また、弦7を打撃した後のハンマ体77は、弦7の反発力により下向きに放擲されるが、その動きはハンマ体77のハンマ部87とバックチェック89との摺動摩擦により減勢されて停止する。したがって、ハンマ体77がリバウンドにより弦7を再び打撃することはない。

概要

アクション装置の上下高さ及び奥行きを小さく設計でき、また部品点数及び組立工数を少なくする。

エスケープメント部材11の上端に抑制部材33を形成する。ハンマ体9の基部に嘴状突片19及び押出突起21を突設する。押出突起21により嘴状突片19を係合段部31から強制的に離脱(レットオフ)させるので、嘴状突片19の弧状の軌跡における水平成分を大きくするためのハンマ体9の支持杆のような部材が不要となり、アクション装置1の高さを小さくできる。抑制部材33がハンマ体9のリバウンドを抑制するのでバックチェックが不要となる。

目的

本発明はこれらの課題を解決すべくなされたものであり、その目的は、アクション装置の上下高さ及び奥行きを小さく設計でき、また部品点数及び組立工数の少ない鍵盤楽器のアクション装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

一方の端部に鍵盤部を有する鍵盤体の長手方向の中間部を揺動自在に保持すると共に、当該鍵盤体の保持点を挟んで前記鍵盤部の反対側に、打撃用のハンマ体の基部を回動自在に軸着し、前記ハンマ体の基端部に状突片突設すると共に、前記ハンマ体の嘴状突片に向けて常時付勢されたエスケープメント部材には係合段部を形成し、しかして前記鍵盤部の打鍵操作に伴い前記ハンマ体の軸着部が打撃方向に回動すると共に前記ハンマ体の嘴状突片と前記エスケープメント部材の係合段部とが係合し、前記ハンマ体が音源体に対する打撃回動動作を行う鍵盤楽器アクション装置において、前記ハンマ体の基端部と前記エスケープメント部材との少なくともいずれか一方には、前記ハンマ体の打撃回動動作に伴い前記エスケープメント部材を前記ハンマ体に対し反対側に押出して前記ハンマ体の嘴状突片を前記係合段部から離脱させるべき寸法の押出部材を設けると共に、前記エスケープメント部材には、前記ハンマ体に対し打撃方向に接離自在に対向し前記嘴状突片が前記係合段部から離脱した状態において前記ハンマ体を音源体から離間して停止させるべき寸法の抑制部材を一体的に形成したことを特徴とする鍵盤楽器のアクション装置。

請求項2

前記エスケープメント部材を、前記ハンマ体と前記鍵盤体との軸着部に対して前記鍵盤部側に配置したことを特徴とする請求項1の鍵盤楽器のアクション装置。

技術分野

0001

本発明は、鍵盤楽器において鍵盤部の打鍵操作に応じて発音体打撃するアクション装置に関する。

背景技術

0002

現在の鍵盤楽器の主流となっているイギリス式のアクション装置が「突き上げ式」と呼ばれるのに対し、今世紀初頭まで製造されていたウィーン式のアクション装置は、「跳ね上げ式」と呼ばれるものである。このウィーン式のアクション装置73は、図12(a)に示すように、図中右側に図示しない鍵盤部を有する鍵盤体5の長手方向の中間部をピン13及び台座15により揺動自在に保持すると共に、鍵盤体5の他方の端部に支持杆75を立設し、この支持杆75の上端に、弦7を打撃するためのハンマ体77の基部を軸78により回動自在に軸着し、ハンマ体77の基端部には状突片79を突設すると共に、ハンマ体77の嘴状突片79に向けてバネ棒80により常時付勢されたエスケープメント部材81には、係合段部83を形成している。他方、機枠85には、ハンマ体77のハンマ部87の回動軌跡に沿ってバックチェック89が立設されており、バックチェック89の表面には皮革などの摺動材が貼着されている。

0003

演奏の際には、図12(b)に示すとおり、鍵盤部の打鍵操作に伴い、鍵盤体5の他端の支持杆75が弦7に向けて上昇すると共に、ハンマ体77の嘴状突片79とエスケープメント部材81の係合段部83とが係合し、これによりハンマ体77が弦7に対する打撃回動動作を行うものである(図12(b)(c))。ハンマ体77の嘴状突片79とエスケープメント部材81の係合段部83との係合は、ハンマ体77の打撃動作直前離脱レットオフ)するように設計されており(図12(c))、この離脱のタイミングを調整ネジ91により微調整可能となっている。離脱した嘴状突片79は、演奏者が鍵盤部を放す際に、図12(d)に示すとおりエスケープメント部材81の帰還摺動面93に摺動しつつ下降し、図12(a)の姿勢復帰する。

0004

また、弦7を打撃した後のハンマ体77は、弦7の反発力により下向きに放擲されるが、その動きはハンマ体77のハンマ部87とバックチェック89との摺動摩擦により減勢されて停止する。したがって、ハンマ体77がリバウンドにより弦7を再び打撃することはない。

発明が解決しようとする課題

0005

このような従来のウィーン式のアクション装置73では、打鍵操作に伴う嘴状突片79の弧状の軌道における水平方向(鍵盤部方向)の移動成分により、嘴状突片79とエスケープメント部材81の係合段部83との離脱(レットオフ)を行う構成であることから、打鍵操作に伴う嘴状突片79の水平方向(鍵盤部方向)の移動成分を大きくするため、支持杆75を設けてハンマ体77の軸78を鍵盤体5より相当程度高い位置とすることが必要であり、また、これに応じてバックチェック89も同様に高い位置に設置する必要があったため、アクション装置73の上下高さを小さく設計することが困難であった。また、バックチェック89を設け、かつその当たり具合も調整する必要があるため、部品点数及び組立工数が多いという問題点もあった。

0006

さらに、従来のウィーン式のアクション装置73では、アクション装置73全体が、ハンマ体77のハンマ部87の打点から、ハンマ体77及びエスケープメント部材81の設置位置を含む長さA(図12(a)参照)だけ鍵盤部と反対側に突出することとなり、鍵盤楽器全体の奥行きを小さく設計することが困難であった。

0007

本発明はこれらの課題を解決すべくなされたものであり、その目的は、アクション装置の上下高さ及び奥行きを小さく設計でき、また部品点数及び組立工数の少ない鍵盤楽器のアクション装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

第1の本発明は、一方の端部に鍵盤部を有する鍵盤体の長手方向の中間部を揺動自在に保持すると共に、当該鍵盤体の保持点を挟んで前記鍵盤部の反対側に、打撃用のハンマ体の基部を回動自在に軸着し、前記ハンマ体の基端部に嘴状突片を突設すると共に、前記ハンマ体の嘴状突片に向けて常時付勢されたエスケープメント部材には係合段部を形成し、しかして前記鍵盤部の打鍵操作に伴い前記ハンマ体の軸着部が打撃方向に回動すると共に前記ハンマ体の嘴状突片と前記エスケープメント部材の係合段部とが係合し、前記ハンマ体が音源体に対する打撃回動動作を行う鍵盤楽器のアクション装置において、前記ハンマ体の基端部と前記エスケープメント部材との少なくともいずれか一方には、前記ハンマ体の打撃回動動作に伴い前記エスケープメント部材を前記ハンマ体に対し反対側に押出して前記ハンマ体の嘴状突片を前記係合段部から離脱させるべき寸法の押出部材を設けると共に、前記エスケープメント部材には、前記ハンマ体に対し打撃方向に接離自在に対向し前記嘴状突片が前記係合段部から離脱した状態において前記ハンマ体を音源体から離間して停止させるべき寸法の抑制部材を一体的に形成したことを特徴とする鍵盤楽器のアクション装置である。

0009

第1の本発明では、ハンマ体の基端部とエスケープメント部材との少なくともいずれか一方に、ハンマ体の打撃回動動作に伴いエスケープメント部材をハンマ体に対し反対側に押出してハンマ体の嘴状突片を係合段部から離脱させるべき寸法の押出部材を設けたので、これによりハンマ体の嘴状突片をエスケープメント部材の係合段部から強制的に離脱させることができる。したがって、従来のように嘴状突片79の水平方向(鍵盤部方向)の移動成分を大きくするための支持杆75のような部材が不要となり、また鍵盤体の長さも短く設計できるので、アクション装置の上下高さ及び奥行きをきわめて小さく設計することができる。

0010

また、エスケープメント部材に、ハンマ体に対し打撃方向に接離自在に対向し嘴状突片が係合段部から離脱した状態においてハンマ体を音源体から離間して停止させるべき寸法の抑制部材を一体的に形成したので、上記従来例におけるバックチェック89が不要となり、部品点数及び組立工数を減少することができる。

0011

第2の本発明は、前記エスケープメント部材を、前記ハンマ体と前記鍵盤体との軸着部に対して前記鍵盤部側に配置したことを特徴とする請求項1の鍵盤楽器のアクション装置である。

0012

第2の本発明によれば、ハンマ体及びエスケープメント部材が、いずれもハンマ体のハンマ部の打点に対して鍵盤部側に配置されるので、これらハンマ体及びエスケープメント部材が鍵盤部と反対側に突出することはない。したがって、弦などの発音体の配列に応じて、第2の本発明の構成を適宜に採用することにより、鍵盤楽器全体の奥行きを小さく設計できる。

発明を実施するための最良の形態

0013

本発明の好適な実施の形態について、以下に図面を参照して説明する。図1に示すとおり、本発明実施形態に係るアクション装置1は、図中右側に鍵盤部3を有する鍵盤体5と、弦7を打撃するハンマ体9と、ハンマ体9の打撃回動動作を制御するエスケープメント部材11とからなるものである。

0014

図1において、図中右側の端部に鍵盤部3を有する鍵盤体5の長手方向の中間部を、ピン13により台座15の上面に揺動自在に保持する。鍵盤体5の保持点(ピン13の位置)を挟んで反対側には、図2に示すとおり孔5aを開ける。

0015

ハンマ体9は、先端部に弦7(図1参照)を打撃すべきハンマ部17を備えており、ハンマ体9の基部には孔9aを開けると共に、この孔9aを挟んでハンマ部17に対し反対側には、嘴状突片19を突設する。また、嘴状突片19に対し図中上側には、本発明における押出部材である押出突起21を突設する。

0016

そして図2に示すとおり、鍵盤体5の孔5aと、ハンマ体9の孔9aとに、組ネジ23,24を、ワッシャ26を介して挿通締結することにより、鍵盤体5とハンマ体9とを相対的に回動自在に軸着する。なお、ハンマ体9の孔9aの内径雌側(外側)の組ネジ23の外径よりやや大きく、これにより孔9aは雌側の組ネジ23に対し回転自在となされている。20は鍵盤体5の重量バランスを調整するための鍵盤鉛(キーレッド)であり、鍵盤体5に開けられた孔に適宜の個数を挿通され、両側から圧縮方向に叩いてその径を拡大させることにより固定されている。

0017

エスケープメント部材11は、図3に示すとおり、背部片29の中腹に係合段部31を、また背部片29の上端に抑制部材33をそれぞれ突設してなるものであり、抑制部材33の下面及び背部片29の係合段部31に対し図中上側には、クロス又はフェルトからなるクッション35,36をそれぞれ貼着する。さらに、係合段部31の下面及び背部片29の係合段部31に対し図中上側表面には、一連の皮革からなる摺動材37を貼着し、これにより、背部片29の係合段部31に対し図中上側と係合段部31の図中右側頂点とを結ぶ帰還摺動面39を形成する。

0018

エスケープメント部材11の下端部には溝41を設け、この溝41に、カーボンファイバからなるバネ板43の上端部を挿入して接着し、このバネ板43の下端部は、ネジ47により止め板45を介して機台49に固定する。これにより、エスケープメント部材11は、バネ板43の弾発力により、ハンマ体9の基部に向けて常時付勢される。

0019

機台49には、図1に示すとおり、ハンマ体9のハンマ部17及び基部(組ネジ23の位置)に対向する位置に、クロスからなるクッション53,55をそれぞれ敷設する。

0020

しかして、本実施形態のアクション装置1の作動について説明する。図1において、いま、演奏者が鍵盤部3を打鍵操作すると、ピン13及び台座15を支点に鍵盤体5が図1時計方向に回動し、ハンマ体9の軸着部(組ネジ23の位置)が打撃方向すなわち弦7側に向けて上昇する。この上昇により、ハンマ体9の嘴状突片19が、エスケープメント部材11の係合段部31と係合する。

0021

次に、演奏者が鍵盤部3を更に押下すると、図4に示すように、ハンマ体9の軸着部(組ネジ23の位置)が弦7に向けて更に上昇する一方、嘴状突片19の移動が係合段部31に規制されるため、ハンマ体9のハンマ部17が弦7に向けて打撃回動動作を行う。このとき、ハンマ体9の押出部材21は、エスケープメント部材11の帰還摺動面39に接触しながら、徐々にエスケープメント部材11をバネ板43の弾発力に抗してその背部側(図4中左側)に押出していく。

0022

そしてハンマ体9のハンマ部17が弦7を打撃するが、この打撃の直前には、ハンマ体9の押出部材21によりエスケープメント部材11がバネ板43の弾発力に抗して完全に背部側に押出され、これによりハンマ体9の嘴状突片19が係合段部31の下面から離脱(レットオフ)させられる。

0023

打撃時のハンマ体9のハンマ部17は、図5に示すとおり、その嘴状突片19が、エスケープメント部材11の係合段部31の下面より図中上方に位置している。したがって、エスケープメント部材11がバネ板43の弾発力によりその後退位置から復帰したときには、係合段部31から離脱した嘴状突片19は係合段部31の下面より上側である帰還摺動面39に当接する。

0024

そして、ハンマ体9の嘴状突片19が係合段部31の下面から離脱(レットオフ)させられた後、ハンマ体9はなお惰性によって回転運動を行い、ハンマ部17が弦7を打撃する。その間に鍵盤部3は演奏者によって押し下げられている(図5)。打撃後のハンマ部17は弦7の反発力により図中下側に放擲され、これによりハンマ体9は逆方向(図中時計方向)に回転することとなるが、ここで、エスケープメント部材11の抑制部材33がハンマ体9の上面に当接し、これにより、ハンマ体9をそのハンマ部17が弦7から離間している姿勢で停止させる(図6)。すなわち、鍵盤部3の押下力並びに抑制部材33の規制により、抑制部材33の下面がハンマ体9の上面に密着し、ハンマ体9の図中時計方向への回動が阻止されると共に、この抑制部材33の下面とハンマ体9の衝突反力によるハンマ体9の図中反時計方向への回動も阻止される。このようにして、ハンマ部17の回動が抑制部材33により停止されるので、ハンマ体9がリバウンドにより弦7を再び打撃することはない。

0025

最後に、演奏者が鍵盤部3を放すと、鍵盤部3の浮上に伴い鍵盤体5の反対側端部が下降し、これにより嘴状突片19が帰還摺動面39に沿って摺動して、係合段部31の下方に復帰する。他方、このときハンマ体9は抑制部材33による抑制を解かれ、自重によりクッション55まで落ち図1に示す姿勢に復帰する。

0026

このように、本実施形態においては、ハンマ体9の基端部に、ハンマ体9の打撃回動動作に伴いエスケープメント部材11をハンマ体9に対し反対側に押出してハンマ体9の嘴状突片19を係合段部31から離脱させるべき寸法の押出部材21を設けたので、これによりハンマ体9の嘴状突片19をエスケープメント部材11の係合段部31から強制的に離脱させることができる。したがって、上記従来例のように嘴状突片79の弧状の移動軌跡における水平方向(鍵盤部方向)の移動成分を大きくするための支持杆75のような部材が不要となり、また鍵盤体5の長さも短く設計できるので、アクション装置1の上下高さ及び奥行きをきわめて小さく設計することができる。

0027

また、本実施形態では、エスケープメント部材11に、ハンマ体9に対し打撃方向に接離自在に対向し嘴状突片19が係合段部31から離脱した状態においてハンマ体9を弦7から離間して停止させるべき寸法の抑制部材33を一体的に形成したので、上記従来例におけるバックチェック89が不要となり、部品点数及び組立工数を減少することができる。

0028

なお、上記第1実施形態においては、押出部材21をハンマ体9の基端部に設ける構成としたが、本発明における押出部材は、ハンマ体9側でなく、エスケープメント部材11側に設けてもよい。さらに、図7に示すとおり、エスケープメント部材11に調整ネジ57をその回転操作により突出後退可能に取り付け、これにより調整ネジ57の頭部59とハンマ体9側に設けたクッション61との間隔を調整する構成としてもよい。この場合には、調整ネジ57の頭部59とハンマ体9側に設けたクッション61との当接により、打鍵操作の際にハンマ体9の嘴状突片19をエスケープメント部材11の係合段部31から強制的に離脱させることができることに加え、調整ネジ57の先端(図7中左端)に設けられた扁平な把持部58を利用して、調整ネジ57を回転操作することによりこれを突出後退させ、嘴状突片19と係合段部31との離脱のタイミングを微調整することができる利点がある。

0029

次に、本発明の第2実施形態について説明する。図8において、第2実施形態のアクション装置63は、エスケープメント部材65を、ハンマ体67を軸着する組ネジ69に対して鍵盤部3側に配置したものである。なお、この第2実施形態のアクション装置63の他の構成は、上記第1実施形態のアクション装置1の構成と同様であるので、その説明は省略する。

0030

しかして、この第2実施形態のアクション装置63によれば、ハンマ体67及びエスケープメント部材65が、いずれもハンマ体67のハンマ部71の打点に対して鍵盤部3側に配置されるので、これらハンマ体67及びエスケープメント部材65がハンマ部71の打点に対して鍵盤部3と反対側に突出することはない。したがって、図9に示すように、弦7の配列に応じて例えば低音域の鍵盤(図中B)に第1実施形態のアクション装置1を、また高音域の鍵盤(図中C)に第2実施形態のアクション装置63をそれぞれ適用することにより、鍵盤楽器97全体の奥行きを小さく設計できるという利点がある。

0031

次に、本発明の第3実施形態について説明する。図10において、第3実施形態のアクション装置101は、エスケープメント部材111を、ハンマ体109を軸着する組ネジ123に対して鍵盤部103側に配置したものであり、この点で上記第2実施形態と共通するものであるが、これをさらに小型に構成し、またアコーディオンのような演奏姿勢で立奏できるようにしたものである。

0032

すなわち、第3実施形態におけるハンマ体109は、その腕部110を比較的に短く形成すると共に、その基端部(図10中右端部)には、嘴状突片119を、また腕部110の延長線に対して上側(弦7側)に向けて張り出した操作ブロック112を、それぞれ形成する。他方、エスケープメント部材111には、係合段部131及び抑制部材133を形成し、またエスケープメント部材111の背部片129には調整ネジ130を螺入する。エスケープメント部材111の下端は、軸143により取付台142に対し揺動自在に固定すると共に、その鍵盤部103側(図10中右側)には、コイルスプリング141を取付け、エスケープメント部材111をハンマ体109の基端部に向けて常時付勢する。他方、鍵盤体105の上面にはコイルスプリング106を介装して鍵盤体105を下向きに常時付勢する。

0033

また、ハンマ体109は組ネジ123により鍵盤体105に相対的に回動自在に軸着するが、ここでハンマ体109と鍵盤体105との間には、両者の摺動摩擦を低減する目的から、図2に示すワッシャ26に代えて、図示しないスラストベアリングを介装する。

0034

機台149には144,145を立設すると共に、これら桟144,145の上端には響鳴板146を取り付け、共鳴板146の略中央には三角柱形コマ147を固定する。これら機台149,桟144,145及び響鳴板146は、響鳴箱148を構成する。弦7は、図11(a)に示すように図中手前側(演奏者側)からみて左奥の方向に張ってもよく、また図11(b)に示すように演奏者側からみて右奥に向けて張ってもよい。

0035

しかして、この第3実施形態のアクション装置101によれば、ハンマ体109の腕部110の延長線に対して上側(弦7側)に向けて操作ブロック112を張り出した形に形成したので、鍵盤部105及びハンマ体109の腕部110を短く形成した場合にも、エスケープメント部材111を小さくせず充分な大きさに設計でき、作動を確実に行うことができまた耐久性をもたせることができる。さらに操作ブロック112に対し組ネジ123の取り付け位置を低く設計できるので、これにより鍵盤楽器全体をより扁平に設計できる。また本実施形態では、エスケープメント部材111の下端にコイルスプリング141を取付け、エスケープメント部材111をハンマ体109の基端部に向けて常時付勢したので、低音部側(図11(a)(b)中左側)を上にして鍵盤楽器を保持してもハンマ体109が弦7に不用意に当たるおそれはなく、またハンマ体109と鍵盤体105との間にスラストベアリングを介装したので両者の摩擦も少ない。さらに、鍵盤体105をコイルスプリング106で下向きに常時付勢しているため鍵盤部103が浮上することもない。したがって、このような鍵盤楽器をアコーディオンのような演奏姿勢で立奏することが可能である。

0036

なお、上記第1ないし第3実施形態においては、鍵盤部3,103の配列面と弦7の配列面とを平行にし、鍵盤楽器全体を平坦な形状に構成したが、本発明におけるハンマ体をその柄にあたる腕部から略直角に上向きに屈曲させた形状とすることにより、鍵盤部3,103に対し直交面方向(演奏者に対する対向面)に弦7を配列してアップライトピアノ型の鍵盤楽器とすることも可能である。また上記第1ないし第3実施形態においては、発音体として弦7を用いる構成としたが、本発明における発音体は弦7のほか金属棒ガラスベルなど他のものを用いてもよい。またハンマ体9、67、109の形状や構造も従来公知の様々なものを採用することができる。

0037

また、本発明のアクション装置では、ハンマ体9,67,109の離脱(レットオフ)について一般のピアノと全く同様の演奏上の感触が得られることから、発音体に代えてクッションを用いることにより練習用無音鍵盤に本発明を適用したり、さらには発音体に代えて電子楽器センサを用いることにより電子楽器に本発明を適用することも可能であって、かかる構成も本発明の範疇に属するものである。

図面の簡単な説明

0038

図1第1実施形態のアクション装置を示す側面図である。
図2第1実施形態のアクション装置における鍵盤体及びハンマ体を示す斜視図である。
図3第1実施形態のアクション装置の要部を示す側面図である。
図4第1実施形態のアクション装置の作動(打弦直前の状態)を示す側面図である。
図5第1実施形態のアクション装置の作動(打弦時の状態)を示す側面図である。
図6第1実施形態のアクション装置の作動(ハンマ体が抑制部材に停止させられている状態)を示す側面図である。
図7第1実施形態のアクション装置の変形例の要部を示す側面図である。
図8第2実施形態のアクション装置を示す側面図である。
図9第1実施形態及び第2実施形態のアクション装置を適用した鍵盤楽器を示す平面図である。
図10第3実施形態のアクション装置を示す側面図である。
図11(a)及び(b)は第3実施形態のアクション装置を適用した鍵盤楽器を示す平面図である。
図12従来のアクション装置及びその作動を示す側面図である。

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0039

1,63アクション装置、3鍵盤部、5 鍵盤体、7 弦、9ハンマ体、11エスケープメント部材、13ピン、19嘴状突片、21押出部材、31係合段部、33抑制部材、43バネ板、97鍵盤楽器。

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