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技術 酸クロライドの製造方法

出願人 株式会社日本触媒
発明者 松田立人杉澤寛北田律男
出願日 2000年2月4日 (21年0ヶ月経過) 出願番号 2000-028412
公開日 2000年10月17日 (20年4ヶ月経過) 公開番号 2000-290223
状態 拒絶査定
技術分野 有機低分子化合物及びその製造
主要キーワード ミストセパレーター スチーム流 攪拌具 スチームジャケット デミスター 蒸留缶 フラッシュバルブ 無機リン化合物
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2000年10月17日)のものです。
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図面 (1)

発明の課題

重合禁止剤を用いることなく、効果的に酸クロライド重合を防止できる酸クロライドの製造方法を提供する。

解決手段

酸クロライドの製造方法は、脂肪族カルボン酸三塩化リン反応液中から蒸留により酸クロライドを得るにあたり、前記反応液に酸素を吹き込んで蒸留するか、反応液中に酸素を存在させるようにして蒸留を行うかすることを特徴とする。

概要

背景

メタアクリル酸クロライド等の酸クロライドは、アシル化剤として有用であり、対象化合物が有する水酸基アミノ基、芳香核などの水素アシル基置換することが出来る。しかも、(メタ)アクリル酸クロライドのような反応性に富んだ二重結合を有する酸クロライドは、前記対象化合物に反応性二重結合を導入することもできるため、極めて有用である。

この反応で得られた生成物は、主として各種の機能性高分子原料医薬農薬殺虫剤等の原料または中間体として重要である。酸クロライドを合成する方法として、従来、飽和または不飽和の脂肪族カルボン酸と各種のリン化合物チオニルクロライドまたはホスゲンとを反応させる方法が知られている。これらの方法のうち、チオニルクロライド法は、副生する塩化水素亜硫酸ガスの処理にコストがかかる上に生成物への硫黄化合物混入が避けられないし、ホスゲン法は、反応性が低いために高価な触媒を用いなければならず、しかもホスゲンそのものの毒性の問題もあり、いずれも工業的には優れた方法とはいいがたい。これに対し、三塩化リン法は、原料価格的に有利であり、副生するリン化合物は比較的容易に有用な無機リン化合物に変換再利用でき、資源の有効利用の面からも好ましい方法である。

この三塩化リン法を具体的に説明すれば、従来は、(メタ)アクリル酸等の脂肪族カルボン酸と三塩化リンを反応させてクロライドを高収率かつ効率よく製造するために、得られた酸クロライドを単蒸留精製により得るようにしていた。具体的には、(メタ)アクリル酸のような反応性二重結合を有する脂肪族カルボン酸の場合にはパラメトキシフェノール(MEHQ)のような重合防止剤を添加しておいて、脂肪族カルボン酸に三塩化リンを加えて反応させたのち、単蒸留を行い、酸クロライドを留出分として得るのである。

しかし、重合防止剤を使用して従来の単蒸留精製法で得られた酸クロライドは、重合防止剤が飛沫同伴し、生成物に混入することがあり、これにより、経時的に着色する(黄変する)と言う問題があり、例えば、レンズ等の光学材料用途や医薬用途などの合成に用いるには不適当であることもあった。

概要

重合禁止剤を用いることなく、効果的に酸クロライドの重合を防止できる酸クロライドの製造方法を提供する。

酸クロライドの製造方法は、脂肪族カルボン酸と三塩化リンの反応液中から蒸留により酸クロライドを得るにあたり、前記反応液に酸素を吹き込んで蒸留するか、反応液中に酸素を存在させるようにして蒸留を行うかすることを特徴とする。

目的

そこで、本発明の課題は、重合禁止剤を用いることなく、効果的に酸クロライドの重合を防止できる酸クロライドの製造方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

脂肪族カルボン酸三塩化リン反応液中から蒸留により酸クロライドを得るにあたり、前記反応液に酸素を吹き込んで蒸留することを特徴とする、酸クロライドの製造方法。

請求項2

酸素の反応液への吹き込みを、蒸留反応器の下方のフラッシュバルブを開けて酸素を導入することにより行う、請求項1に記載の酸クロライドの製造方法。

請求項3

脂肪族カルボン酸と三塩化リンの反応液中から蒸留により酸クロライドを得るにあたり、反応液中に酸素を存在させるようにして蒸留を行うことを特徴とする、酸クロライドの製造方法。

請求項4

酸素濃度が蒸留蒸気量に対し1.0〜3.0容量%である、請求項1から3までのいずれかに記載の酸クロライドの製造方法。

請求項5

酸素を空気と窒素混合ガスの形で供給する、請求項1から4までのいずれかに記載の酸クロライドの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、効率の良い酸クロライドの製造方法に関する。

背景技術

0002

メタアクリル酸クロライド等の酸クロライドは、アシル化剤として有用であり、対象化合物が有する水酸基アミノ基、芳香核などの水素アシル基置換することが出来る。しかも、(メタ)アクリル酸クロライドのような反応性に富んだ二重結合を有する酸クロライドは、前記対象化合物に反応性二重結合を導入することもできるため、極めて有用である。

0003

この反応で得られた生成物は、主として各種の機能性高分子原料医薬農薬殺虫剤等の原料または中間体として重要である。酸クロライドを合成する方法として、従来、飽和または不飽和の脂肪族カルボン酸と各種のリン化合物チオニルクロライドまたはホスゲンとを反応させる方法が知られている。これらの方法のうち、チオニルクロライド法は、副生する塩化水素亜硫酸ガスの処理にコストがかかる上に生成物への硫黄化合物混入が避けられないし、ホスゲン法は、反応性が低いために高価な触媒を用いなければならず、しかもホスゲンそのものの毒性の問題もあり、いずれも工業的には優れた方法とはいいがたい。これに対し、三塩化リン法は、原料価格的に有利であり、副生するリン化合物は比較的容易に有用な無機リン化合物に変換再利用でき、資源の有効利用の面からも好ましい方法である。

0004

この三塩化リン法を具体的に説明すれば、従来は、(メタ)アクリル酸等の脂肪族カルボン酸と三塩化リンを反応させてクロライドを高収率かつ効率よく製造するために、得られた酸クロライドを単蒸留精製により得るようにしていた。具体的には、(メタ)アクリル酸のような反応性二重結合を有する脂肪族カルボン酸の場合にはパラメトキシフェノール(MEHQ)のような重合防止剤を添加しておいて、脂肪族カルボン酸に三塩化リンを加えて反応させたのち、単蒸留を行い、酸クロライドを留出分として得るのである。

0005

しかし、重合防止剤を使用して従来の単蒸留精製法で得られた酸クロライドは、重合防止剤が飛沫同伴し、生成物に混入することがあり、これにより、経時的に着色する(黄変する)と言う問題があり、例えば、レンズ等の光学材料用途や医薬用途などの合成に用いるには不適当であることもあった。

発明が解決しようとする課題

0006

そこで、本発明の課題は、重合禁止剤を用いることなく、効果的に酸クロライドの重合を防止できる酸クロライドの製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明者は、上記課題を解決するべく、種々検討と実験を重ねた結果、蒸気流中に酸素を存在させるようにして蒸留を行えば重合禁止剤の添加を省略できることを見いだし、本発明に到達した。

0008

したがって、本発明にかかる酸クロライドの製造方法は、脂肪族カルボン酸と三塩化リンの反応液中から蒸留により酸クロライドを得るにあたり、前記反応液に酸素を吹き込んで蒸留するか、反応液中に酸素を存在させるようにして蒸留を行うかすることを特徴とする。

発明を実施するための最良の形態

0009

本発明において、脂肪族カルボン酸とは、メタクリル酸のような不飽和の脂肪族カルボン酸やプロピオン酸のような飽和の脂肪族カルボン酸である。

0010

脂肪族カルボン酸と三塩化リンとを反応させる方法としては、脂肪族カルボン酸に三塩化リンを滴下して行くことにより反応させる方法が好適である。三塩化リンに脂肪族カルボン酸を滴下する方法または三塩化リンと脂肪族カルボン酸を一括して仕込んで反応させる方法のいずれの方法をとっても、前述の方法をとった場合よりも一般に収率が低くなる傾向がある。しかし、これらの方法によることも出来る。

0011

三塩化リンを脂肪族カルボン酸に添加する方法は連続的または継続的方法で行うことができる。通常、滴下時間は0.5〜3時間が好ましい。滴下時間が0.5時間より短すぎる場合は収率の向上が小さく、3時間以上長くしてもさらなる収率の向上は得られず、滴下時間をこれ以上長くする必要がない。

0012

なお、反応系内には、重合防止剤としてパラメトキシフェノール等のキノン類などを添加しておくこともできる。反応系内に重合防止剤を添加しておくと、液相中で重合反応が起こるのを防止することができる。

0013

反応温度については、40〜90℃の間の任意の温度で行い得るが、50〜60℃がより好ましい。40℃未満では反応は非常に遅く、90℃を越える温度では不飽和脂肪酸の反応の場合、重合物が増加する。

0014

三塩化リンの滴下終了後、直ちに酸クロライドを留出させても差し支えないが、そうすると未反応三塩化リンが製品に多量に混入する場合があるので、1/4〜2時間の熟成時間をとることが好ましい。

0015

酸クロライドを留去させる手段としては特別な蒸留塔は必要としない。例えば、ミストセパレーターや簡単な蒸留塔を使用することも出来る。酸クロライドを留出させる際、常圧でも差し支えないが、メタクリル酸クロライドのような不飽和酸クロライドを留出させる場合には、重合等による収率の損失を確実に少なくするためには400mmHg以下の減圧下で蒸留を行うことが好ましい。好ましい実施態様としては200mmHg位から引きはじめ最終的に30mmHg位で留出させる方法を挙げることができる。

0016

三塩化リンと脂肪族カルボン酸の配合割合は、特に限定する訳ではないが、三塩化リン/脂肪族カルボン酸(モル比)=1/4〜1/3であることが好ましい。三塩化リンと錯体形成添加物の配合割合は、特に限定する訳ではないが、残存三塩化リンに対して過剰量加えることが望ましい。例えば、発生する塩化水素を除いた理論反応液量に対して3重量%以上添加することが望ましい。

0017

蒸留反応器での重合はトップコンデンサーボトム等で起きやすい。これを効果的に防ぐためには、反応液中および蒸気流中に均一に酸素を存在させるのが良い。そこで、本発明では、上のようにして酸クロライドの蒸留を行う際に、酸クロライドの重合を防止するために、反応液に酸素を吹き込んで蒸留するようにする。この際、酸素を反応液中に導入する手段は、本発明の効果を有する手段であれば特に限定されないが、好ましくは蒸留反応器の底部から反応液を導入する方法である。該底部から導入することにより液相中で重合防止効果を発揮し反応器のボトムなどでの重合を防止できるのみならず、蒸留蒸気中にも酸素が含まれるので反応器のトップなどでの重合防止効果も期待できる。具体的には、酸素の反応液への吹き込みを、蒸留反応器の下方のフラッシュバルブを開けて反応液底部に酸素を導入することにより行うのが便利であるが、これ以外の方法によっても良い。反応液に、好ましくは反応液の底部に導入された酸素は、蒸留反応器内が減圧されているので、反応液内を上昇し、蒸気流とともに反応器外に出る。吹き込みをバブリングさせて行えば、酸素が反応液全体に拡がり、より効果的である。

0018

なお、蒸留反応器の上方から酸素を導入する方法では重合防止効果は少ない。反応液を十分に攪拌しても反応液と酸素が十分に混合しないからである。蒸留時に必要となる酸素含有量は、蒸留蒸気量に対して1.0〜3.0容量%であることが好ましい。3.0容量%を超える場合にはガス燃焼範囲内になり好ましくなく、1.0容量%未満であれば酸素量が少なくて酸クロライドが重合し易くなるからである。ここに、酸素量計算のベースとなる蒸留蒸気量は主成分である酸クロライドの蒸気量を言う。なお、重合成分などが副生する場合または重合禁止剤を添加する場合には適宜酸素量を変更して蒸留することもできる。

0019

酸素導入量は、蒸留時の蒸気量を予め算出し、上記範囲内となるように酸素を導入することができる。酸素は局所燃焼をさけるため不活性ガス希釈して用いる。通常は空気を使用することが便利である。

0020

図1は本発明の実施例に使用する蒸留反応装置を示している。蒸留反応器(蒸留塔、蒸留缶)1の底部にフラッシュバルブ2が設置されている。このフラッシュバルブ2に連通している通気管3の末端に、ガス流量計4a,4bを通じて窒素と空気が送り込まれる。窒素と空気は、ここで混合され、混合ガスとなって、蒸留反応器1の底部に吹き込まれる。蒸留反応器1は攪拌具5と温度計6を備え、外周にスチームジャケット7が設けられている。蒸留反応器1の上部1aの空間はデミスター8、凝縮器9、留出流量計10を介して受器タンク)11に通じている。蒸留反応器1内の反応液12を加熱するために、スチーム流量計13を通ってスチームジャケット7にスチームが送り込まれる。この加熱により、蒸留反応器1で反応液が生成し、蒸気となって蒸留反応器1の上帽部1aに留出する。留出した反応液蒸気は、凝縮器9で液化され、一旦、受器11に溜められる。

0021

−実施例1−
攪拌機、温度計、還流冷却器および滴下ロートを備えた容量100mlのフラスコにメタクリル酸59.2g(0.69モル)とパラメトキシフェノール59.0mgを仕込み、55℃の温度で120分間を掛けて三塩化リン30.0g(0.22モル)を滴下し、反応させた。その後、90分を掛けて熟成しつつ温度30℃に冷却した。そして、酸化マグネシウム9.75g(0.24モル)を50分間掛けて滴下し、30分熟成した後、パラメトキシフェノール2.0mgを加えて、最高温度70℃、最高減圧度40Torrで酸素を導入しながら減圧蒸留することにより、35.0g(0.33モル)のメタクリル酸クロライドを得た(メタクリル酸仕込量に対する収率48.5モル%)。酸素濃度は蒸留上記量に対して1.0容量%であった。

0022

得られたメタクリル酸クロライドの留出直後のAPHA値は30であり、20日経過後のAPHA値は30であって、ともに肉眼で見ても着色がなかった。なお、APHA値とは、JIS K 6901で規定されるハーゼン色数法で求めたハーゼン色数のことである。

0023

−実施例2−
攪拌機、温度計、還流冷却器および滴下ロートを備えた容量100mlのフラスコにプロピオン酸51.8g(0.70モル)を仕込み、55℃の温度で120分間を掛けて三塩化リン30.0g(0.22モル)を滴下し、反応させた。その後、90分を掛けて熟成しつつ温度30℃に冷却した。そして、N,N−ジメチルホルムアミド3.1g(0.04モル)を50分間掛けて滴下し、30分熟成した後、常圧下で酸素を導入しながら蒸留することにより、36.1g(0.39モル)のプロピオン酸クロライドを得た(プロピオン酸仕込量に対する収率55.8モル%)。酸素濃度は蒸留上記量に対して3.0容量%であった。

0024

得られたプロピオン酸クロライドの留出直後のAPHA値は20であり、20日経過後のAPHA値は20であって、ともに肉眼で見ても着色がなかった。
−実施例3−
図1に示す装置を用いた。蒸留反応器1にメタクリル酸592kg(6900mol)とパラメトキシフェノール590gを仕込み、55℃の温度で120分間を掛けて三塩化リン300kg(2200mol)を滴下し、反応させた。その後、90分を掛けて熟成しつつ温度30℃に冷却した。そして、N,N−ジメチルホルムアミド31kg(400mol)を50分間掛けて滴下し、30分熟成した後、パラメトキシフェノール20gを加えて、最高温度70℃、最高減圧度40Torrで酸素を導入しながら減圧蒸留することにより、400kg(3800mol)のメタクリル酸クロライドを得た(メタクリル酸仕込量に対する収率55.5モル%)。酸素濃度は蒸留上記量に対して2.0容量%であった。

0025

得られたメタクリル酸クロライドには重合が起きていなかった。重合の有無の判定方法としては、NMR核磁気共鳴装置)により重合成分由来ピークの有無を測定する方法を採用することができる。また簡易的な方法としては、蒸留後の液をメタノール液中に落とし、ポリマーの存在により生じる白濁の有無を測定することにより重合の有無を判定することも可能である。

発明の効果

0026

本発明にかかる酸クロライドの製造方法によれば、重合禁止剤を用いなくても蒸留反応器のトップ、コンデンサー等の部分での重合を抑制することができて、装置の保守点検洗浄等を簡略化することが出来るため、効率良く酸クロライドを製造することが出来る。

図面の簡単な説明

0027

図1本発明の実施例に使用する蒸留反応器を示す断面図。

--

0028

1蒸留反応器
2フラッシュバルブ
3通気管
4 凝縮器

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